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バトルオブフラワーズ⑬~天災なるものは~

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #オブリビオン・フォーミュラ #ドン・フリーダム

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●全世界に告ぐ
 あらあら、もうみんなぶっ殺されたですわの?
 まあええやろ、切り替えていこですわ。
 さてさて、惑星全域同時放送システムを立ち上げまして……と。

 惑星に住む次世代人類の皆様、そして猟兵の皆様、はじめましてですわ。
 このわたくしが、かつてシステム・フラワーズを作り上げたちょうてんさい、『ドン・フリーダム』でございますわ。ちょうてんさいは、「物凄くかしこい」と「物凄く迷惑」のダブルミーニングですの。
 でも、迷惑なんて失礼しちゃいますわ。わたくしはただ、システム・フラワーズを『修理』しているだけなのですのに。

 そう、皆様がご利用中のコンコンコンは、完全なコンコンコンではないのです。本当のコンコンコンは、コンコンコンすれば望むものが何でもコンコンコンされる。コンコンコンとはそうあるべきではないですか?
 不本意ながらドラゴンテイマーの手を借りてはいますが、修理はもうすぐ終わります。できれば完成を楽しみにお待ちいただきたいのですけど、いかがでございますか?

 我慢しなくていいのですよ。欲望は止めなくていいのです。
 オール・フォー・フリーダム! 自由こそが、この世の全てなのです!

●猟兵諸君に告ぐ
「キマイラフューチャーを巡る戦いも、いよいよ最終決戦だ。準備はいいか、お前ら?」
 梯・剛士(ヴァリウードの随伴者・f12919)がいつになく真剣な眼差しで、グリモアベースに集う猟兵を見やる。
 三幹部を撃破し、遂に猟兵たちはシステム・フラワーズの最奥に辿り着くことに成功した。
 中枢部にはこのシステム・フラワーズの製作者であり、オブリビオン・フォーミュラでもあるドン・フリーダムが、システム・フラワーズの『修理』に勤しんでいる。
 しかし彼女の言う修理は、キマイラフューチャーを際限のない欲望と無秩序の坩堝に落とし込む禁断の一手だ。何としても阻止しなければ、キマイラフューチャーは溢れ出すオブリビオンに飲み込まれ、混乱と騒乱の果てに過去へと沈むだろう。
「ドン・フリーダムを倒せれば、完全に撃破することが出来れば、キマイラフューチャーにこれ以上オブリビオンが出現するのを阻止できる。
 阻止できんだけど……あいつは滅茶苦茶強い。これまでにお前らが倒してきた、三幹部よりもよっぽどだ」
 迷いもなく断言した剛士に、猟兵の中から何故、と問う声が上がる。
 それに剛士は、右手の指を三本、立ててみせた。
「エイプモンキー、ラビットバニー、ウインドゼファー。この三幹部の能力を、ドン・フリーダムは全部持ってんだ。
 絶対無敵バリアも張ってくる。必ず先制攻撃も仕掛けてくる。足場も破壊してくる。お前らのユーベルコードに反撃するマシンも出してくる。
 いいか、もう一度言う。全部使ってくる。それに対処できないと、間違いなく一発でぶちのめされて終わりだ」
 剛士の真剣な物言いに、その場にいる猟兵の中から、生唾を飲み込む音が聞こえた。
 しかし、能力が同じということは、つまり対処法も同じであるということ。
 エモいものを見せつけて感情を動かせば絶対無敵バリアは無効化できるし、ユーベルコードに反撃するマシンに反撃する方法を捻りだせば打撃を与えられる。先制攻撃に対処する方法も、何かしら対策を取れれば有効に働く。
 これまでの幹部戦のおさらいといった様相だ。
「ぶっちゃけふざけたヤローだと俺も思う。理性からも、服装からも、口調からも解き放たれたとんでもねーフリーダムな敵だ。
 だが、お前らなら……お前らなら絶対、負けねー。俺はそう信じてるから。
 だから……勝ってこい。絶対にだ」
 剛士が胸の前で、ぐっと拳を握りしめる。最終決戦の幕が今、確かに上がろうとしていた。


屋守保英
 こんにちは、屋守保英です。
 キマイラフューチャーの戦争もいよいよ最終局面。
 頑張りましょう、皆さん。

●目標
 ・ドン・フリーダム×1体の撃破。

●先制攻撃
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 加えて、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要です。これらに対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

 POW:絶対無敵バリアを展開します。エモいものを見せれば無効化できます(エモいの基準はラビットバニーと同じ)。
 SPD:風で足場を崩してきます。
 WIZ:猟兵のユーベルコードの弱点を見抜き、確実に反撃するマシンを作り出してきます。その反撃マシンに反撃する方法を考えなければいけません。

 これらの能力はそれぞれ「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じですが、ドン・フリーダムは彼ら以上の実力者です。

●戦場・場面
(第1章)
 システム・フラワーズの中枢です。
 ドン・フリーダムが猟兵の皆さんを待ち構えています。

 それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『ドン・フリーダム』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:由依あきら

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

百鬼・甲一
【POW】
「傭兵、百鬼甲一。…自由の王よ!恨みはあらねど、戦なれば貴殿を斬らせて頂く…!『其の動かざること山の如し』…オン・アミリタ・テイセイ・カラ・ウン!…南無八幡大菩薩!願わくばあの大敵、我に討たせ給え!」
今は亡き師に倣い名乗り、正面から見詰めながら『決意』を告げ、真言と共に『覚悟』を固め抜刀

もはや、後退も迷いも無し
【第六感】と【戦闘知識】で砲撃をギリギリの所で【見切り】、最短距離を【早業】で詰める。当たる攻撃は【武器受け】と【オーラ防御】で軽減。
此の一撃こそが不退転…退かず、前へ!
それでも刃が届かなければ、【クイックドロウ】で【だまし討ち】、刀でなく拳銃でUCを放つ。…卑怯とは言うまい?



●エモさなるものは
 キマイラフューチャーの最奥部、「システム・フラワーズ」の中枢。
 鮮やかな花が咲き誇り、色とりどりの花びらが舞い踊るその戦場にて、百鬼・甲一(不死傭兵・f16959)はその足で花びらを踏みしめた。
「傭兵、百鬼甲一……自由の王よ!恨みはあらねど、戦なれば貴殿を斬らせて頂く……!」
「あらあら、威勢のいい坊やがやってきたわねですわ」
 猟兵の出現を認めるや、その眼前に絶対無敵バリアを張るドン・フリーダムの女体を真正面から見据え、その細い瞳をさらにキッと細めながら、甲一は咆える。力強く咆える。
「『其の動かざること山の如し』……オン・アミリタ・テイセイ・カラ・ウン!……南無八幡大菩薩!願わくばあの大敵、我に討たせ給え!」
 そう、決意を告げながら、覚悟を固めながら。名乗りを上げつつしゃらりと抜き放った刀を正眼に構える甲一。
 僅かの間、沈黙が場を支配した。甲一が動き出す様子はない。ドン・フリーダムも、微動だにしない。
 而して。
「それで?」
 何事も起こらなかったかのように、甲一の名乗りを意に介することなくドン・フリーダムが無慈悲に告げた。
「なに……!」
「力強い名乗りの言葉、まことに結構ですのこと。しかし、それはどこまでも自己に向けての言葉ですわ。
 自分に対しての宣言をただ何をするでもなく聞かせて、相手の心を打とうなどとは片腹ペインフリーですの」
 そう、相手の感情を揺らすことが必要になるこの局面において、甲一の言葉はあまりにも独りよがりすぎたのだ。
 事実、絶対無敵バリアが解除された様子はなく、未だにドン・フリーダムの眼前に立ちはだかるままであり。
 つい、と伸ばされた腕に従うようにして、赤べこキャノンの砲口が甲一へと向けられる。
「っく……!」
「初めまして坊や、そしてさようなら、ですわ」
 刹那、放たれた砲弾が四方八方から同時に甲一へと襲い来る。
 不退転の決意を以て見切るにしても、距離を詰めるにしても、全方位を囲うように放たれた砲弾の間を掻い潜るのは至難の業。
 砲弾をその身に受けながらも、その早撃ちで放たれた自動拳銃からの銃弾が、乾いた音を立てて絶対無敵バリアに衝突し、跡形もなく消えた。

失敗 🔴​🔴​🔴​

天春御・優桃
 よお、お嬢さん。
 退屈なら俺と遊んじゃくれねえか?

 崩れる足場にUC『天土』で宙を跳び【空中戦】、転地鉄塵、戴天空刃を解放、自他を遮断するUC『釛嵐』を発動し、反撃攻撃を防ぎ、【第六感】【ダンス】で崩れた足場から【地形の利用】で散る花を束ね、【誘惑】するように、【礼儀作法】絡めてドン・フリーダムへと差し出す。

 身を飾らないのも悪くないが、花で飾るのも一興じゃねえか?

 結界が晴れたならUC『凪鎖』でデバフ。駄目なら呆気なく迎撃されるさ。
 ただ花束だけは、投げ渡す。悪あがきの【時間稼ぎ】だ。

 似合いの服すら贈れねえが、勘弁してくれ、お嬢さん。

アドリブ、連携歓迎
 



●華やかなるものは
「よお、お嬢さん。退屈なら俺と遊んじゃくれねえか?」
 赤べこキャノンを格納し、小さく肩を落とすドン・フリーダムへと、次に距離を詰めていったのは天春御・優桃(天地霞む・f16718)だ。
 慇懃な態度と口ぶりで一礼して見せる優桃に、返す言葉は暴風で。
「ナンパは間に合ってるわですの」
 足場の花を蹴上げるように、蹴散らすように風で切り刻みながら、ドン・フリーダムは冷たく返した。
 しかし千々に崩れる足場のかけらを、優桃は次々に蹴飛ばし宙を駆ける様に跳びあがっていく。
「天も土なり也ってな」
 転地鉄塵、戴天空刃の両の刃を腕に纏い、その両の手にスクラップを掴みながら、優桃は宙を蹴り、暴風の中を舞うが如く駆けた。
 そうこうする間にも手の内のスクラップに纏わりつくように、掴まれるように花びらがブーケのように大きくなっていく。
 そして最後の一蹴りを終えた優桃が、ドン・フリーダムの目の前に身を落とす瞬間。
 その腕に纏う鉄の刃によって一筋、ドン・フリーダムの裸体に血筋が走り。
 その眼前には地面に咲く花々を束ねたブーケを差し出す優桃が、跪くようにしているのであった。
「身を飾らないのも悪くないが、花で飾るのも一興じゃねえか?……似合いの服すら贈れねえが、勘弁してくれ、お嬢さん」
 そう言って微笑みを浮かべる優桃の差し出す花びらを集めたブーケに、びゅおっと竜巻をぶつけるドン・フリーダム。
「これはなんとも、予想外でありんすですわ……これもまた、自由ですの」
 優桃の集めた花びらを自分の周囲に纏うようにしながら、竜巻に吹き飛ばされる優桃を見やるドン・フリーダムの周囲の空気が、ふわりと僅かに、和らいだ気がした。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

四辻・鏡
【POW】
別に、世界の未来とかどうでもいいんだけどな
私は強いやつと戦いたいだけさ
そりゃあ、キマヒュは居心地いいし、積んでるゲームも多いしヤバくなったら困るけど
ついでに気のいい奴らも多いから、そいつらに面倒がかかるのは避けたいっていうか、怪人に襲われるのを放っとけないっていうか
…か、勘違いすんなよ!別にキマヒュのためとかじゃねぇからな!?
私は我欲で戦うんだからな!

で、エモだっけ。あ、もういいの?
キャノンでの攻撃は【名無】で真っ向から【怪力】で打ち返しつつ距離を詰めていくぜ
敵の方角へ返せりゃあ、多少怯むなり他のキャノンを巻き添えになりできるだろ

その隙を突いて、【剣刃一閃】で一撃をくれてやる



●友なるものは
「別に、世界の未来とかどうでもいいんだけどな。私は強いやつと戦いたいだけさ」
 次いで戦場に降り立った四辻・鏡(ウツセミ・f15406)は、その銀の頭を掻くようにしながらそう嘯いた。
「ふぅん?ということはわたくしを強いやつ、と認めたが故に、こうしてここにいるのでござんすですの?」
「……否定はしねぇよ」
 絶対無敵バリアを張りながらくい、と顎を持ち上げるドン・フリーダムに対し、いつもの無表情で返す鏡のペースは崩れない。
 ドン・フリーダムが強いのは厳然たる事実だ、それはこれまでに繰り広げられた戦闘を見ても明らかである。
 しかし、彼女はひるまない。挫けない。
「そりゃあ、キマヒュは居心地いいし、積んでるゲームも多いしヤバくなったら困るけど。
 ついでに気のいい奴らも多いから、そいつらに面倒がかかるのは避けたいっていうか、怪人に襲われるのを放っとけないっていうか」
 そこまで話し、鏡は自分が何を話しているのか自覚したらしい。腕を振りつつ頬を染めた。
「……か、勘違いすんなよ!別にキマヒュのためとかじゃねぇからな!?私は我欲で戦うんだからな!」
「……ッハァァァ~~~ッ」
 ドン・フリーダムに噛みつく鏡の姿を見て、彼女はなんとも深い、深い溜め息をついた。
「なんですの貴女?キマイラフューチャーが居心地よくて?お友達もたくさんいて?面倒がかかったり怪人に襲われるのを避けたくて?それでいてそれを我欲のためと宣う?
 エモですわね、エモですことよ。エモすぎておねーさんグラニュー糖をコンコンコンしてしまうわちくしょうめですのよ」
「あ、もういいの?」
 何やらドン・フリーダムのエモ判定にヒットしたらしい。小さくその目を見開いた鏡は、徐に携えた太刀を抜き放った。
 下段に構えた状態で、ざっと花を蹴る。
「なっ!」
 虚を突かれたドン・フリーダムが肩に担いだ赤べこキャノンから砲弾を発射するも。
 まっすぐ飛んだ砲弾は鏡が振り抜いた【名無】で打ち返される。
 敵に向けて放った砲弾が引き返すように、ぐんぐんと自身の顔に向かって飛んでくることに、ドン・フリーダムは数瞬躊躇した。
 すぐさまに放つ二発目で、撃ち返された砲弾を相殺する。響く爆発音と衝撃波。
 しかし、それが収まる頃。鏡の姿は既にドン・フリーダムの眼前にあった。
「あ……!」
「一太刀、もらい」
 ザン、と鋭い音を立て、赤い血筋が裸体にまた一つ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ビスマス・テルマール
●POW&エモ
目の前でパフォーマンスしつつ
料理し作ったさんが焼きを
バーガーにして

小麦粉パン粉卵まぶし
油で揚げジューシーな
揚げバーガー(さんが焼き)にして食べさせます

属性攻撃(音響)でナイフを入れ美味な音も立て食欲煽り

バリア解除後
地形の利用で壁に出来る物を利用しつつ

先制攻撃で

オーラ防御・属性攻撃(餅)・誘導弾・激痛耐性を込め生成した盾受けの弾を

一斉発射で範囲攻撃でばら蒔き続け

第六感も頼り見切りつつ
自身もオーラ防御と激痛耐性で備えダッシュと残像で回避

隙を見てUCを攻撃力重視発動

その後

冷やし孫茶バリアで盾受けで受け流しつつ

牽制時の一斉発射に
鎧無視攻撃と属性攻撃(貫通)を加えた反撃に

※アドリブ絡み歓迎



●美味なるものは
 鋭い一撃を入れられたことに驚愕するドン・フリーダムの前に、次いで現れたのはビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)だ。
 その手に包丁を携え、もう片方の肩にクーラーボックスを携え。およそ戦場には似つかわしくないその様相に、絶対無敵バリアを張りながらドン・フリーダムは訝しんだ。
「そんな大荷物で、なんですの?ここはフードステージではないのですわよ」
「まあまあそう言わずに、少しそのまま見ていてください」
 首を傾げるドン・フリーダムを抑えながら、ビスマスがクーラーボックスから取り出したのは新鮮なアジ(キマイラフューチャー産)だ。
 そのアジを手際よく頭を落とし、三枚に下ろし、内臓と小骨を取り除いたら一気にたたく。
 味噌とすりおろしたショウガを加えてさらにたたいて、日本酒と醤油を加えて作ったなめろうを、取り出したるポータブルコンロの上で熱したフライパンで両面を焼き上げる。
 辺り一帯に香ばしい香りを漂わせるそれは、UDCアースの日本の一地方で作られる郷土料理・さんが焼きだ。
 その得も言われぬ香りに、思わずほぅ、とドン・フリーダムの口からため息が零れる。
 しかしそれで終わりではないのがビスマスの真骨頂である。くるくる回りながらクーラーボックスの中から、取り出すのはハンバーガーのバンスだ。
 ハンバーガー用のそれにしては随分と小振りなパンズでさんが焼きを挟む、と。
 いよいよ我慢ならなくなったらしいドン・フリーダムの足がだん、と地を踏んだ。
「は、早く食べさせてほしいですわよ!わたくし、さっきからお腹の虫がきゅるきゅるなってつらいのよですわ!」
「すみません、あともうひと手間加えさせてもらいます」
 もうひと手間、というビスマスの言葉に、ドン・フリーダムの動きがピタリと止まる。
 その様子にほくそ笑んだビスマスがさんが焼きバーガーに爪楊枝を刺して止めると、溶き卵の中にたぷん。次いで小麦粉に、さらにはパン粉の中にぽふん。
 そうして用意したバーガーのコロッケのようなそれを、熱した油の中に沈めると、すぐさまに小気味よい音を立ててバーガーが浮かび上がる。
 しゅわしゅわと小さな泡が立つバーガーをバットの上に乗せて油を適度に切り、手に持てるほどの温度まで下がったことを確認したビスマスが、一つをオイルペーパーにくるんでドン・フリーダムに差し出した。
「どうぞ、揚げさんが焼きバーガーです」
「揚げ、さんが焼き、バーガー……」
 まさしく未知との遭遇といった風に、ゆっくり伸ばしたドン・フリーダムの手が、ビスマスの手の中の揚げさんが焼きバーガーを取る。
 そのまま、引き戻した手は口元へ。ちょっとだけずらされた顔の仮面の隙間から覗く口で、熱々揚げたてのバーガーを、さくり。
 中からホカホカと湯気が溢れ出すそれを、咀嚼したドン・フリーダムは。
 辛抱たまらなくなった様子で、その場に頽れた。
「うっっっっっま……バーガーを揚げるなんて、なんて暴力的で、エモさの塊かと思ったら、パティの香味野菜のおかげでそんなにしつこくないですわ……
 それでいて、これは魚の味?いや、調味料の味も?旨味が強い……美味すぎてどうにかなっちゃいそうですの……」
 夢中になってビスマス手製の揚げさんが焼きバーガーを頬張るドン・フリーダムの姿を見て、次々とバットの上に揚げたバーガーをあけていくビスマスは嬉しそうだ。
 そして、全てのバーガーが油から引き上げられ、コンロの火が落とされてから。
「喜んでもらえて何よりです……では」
 ビスマスの手に突如マグロが現れた。
 否、それはただのマグロではない。冷凍クロマグロソードである。
 冷え冷えで湯気が立ち上るそれを徐に振り上げると。
「ちょっ、まっ」
「問答無用です!」
 突然の攻勢に困惑するドン・フリーダムの脳天目掛けて、一挙に落としたのである。
 ちなみに残りの揚げさんが焼きバーガーは、戦闘に参加した猟兵たちによって美味しくいただかれました。

成功 🔵​🔵​🔴​

聖護院・カプラ
ドン・フリーダム。
我慢はせねばなりません。欲望は抑えねばなりません。

修理したコンコンコンは物資(リソース)を豊かにするでしょう。
ですが人の心(リソース)を豊かにはしないのです。

以前、スペースシップワールドという世界を救済しました。
私の故郷です。
その世界では、完全を標榜しながら物資を奪わんとする皇帝が人の心を踏み躙っていました。

人の心は、弱い。コンコンコンでどうにもならない物を欲しがるようになる。
段階(徳)を踏んで(積んで)完全に至らねばこの世界にあのような皇帝が無数に生まれてしまうのです。

それが貴女の狙いである。違いはないでしょうか。

論破にエモを感じたらチャンネル登録と武装解除をお願いします。



●問うものは
 頽れたまま、頭を振ったドン・フリーダム。
 その眼前に、まるで天より降臨したかのようにゆっくりと、降り立つ者があった。
 彼の者、聖護院・カプラ(旧式のウォーマシン・f00436)はその翠の双眸を輝かせながら、跪くドン・フリーダムへと語り掛けた。
「ドン・フリーダム。我慢はせねばなりません。欲望は抑えねばなりません」
「何を、キマイラフューチャーの理から真っ向に反することを――」
 絶対無敵バリアを張りながら、ゆらりと立ち上がったドン・フリーダムがカプラの顔を見上げる。
 その巨躯からは想像もつかないほどに優し気な声色で、まるで祖父が孫に諭すような口調で、カプラの説得は続く。
「修理したコンコンコンは物資(リソース)を豊かにするでしょう。ですが人の心(リソース)を豊かにはしないのです」
「物欲が満たされればそれだけ心も満ち足ります。人もキマイラも欲する生き物、その欲が満たされれば満足するのは当然ですのことよ」
 カプラの主張に、真っ向から反論してみせるドン・フリーダム。その強くキッパリとした口調に、一瞬言葉に詰まるカプラだったが、彼に説得を辞めるという選択肢はない。
 その左手をがらんどうの自身の胸の前に持ってきながら、真摯に、まっすぐに、ドン・フリーダムの笑みの仮面を見つめ返す。
「以前、スペースシップワールドという世界を救済しました……私の故郷です。
 その世界では、完全を標榜しながら物資を奪わんとする皇帝が人の心を踏み躙っていました」
「愚かな……物欲の満たされない世界などでは、幸せはあり得ないですわ。完全であっても、それは空虚なだけの完全ですの」
 呆れるように、嘆くように零されたその言葉を、カプラは聞き逃さない。きらりとその瞳に光が灯った。
「人の心は、弱い。コンコンコンでどうにもならない物を欲しがるようになる。
 段階(徳)を踏んで(積んで)完全に至らねばこの世界にあのような皇帝が無数に生まれてしまうのです。
 それが貴女の狙いである……違いはないでしょうか?」
「……」
 カプラの最後の問いかけに、ドン・フリーダムは押し黙ったままだ。
 そのまま、絶対無敵バリアも解かれないまま膠着状態が続くか、と思いきや。
 パシン、という音と共に、バリアが千々に霧散した。
「キマイラフューチャーに、人の心を踏み躙って物資を奪わんとするものを溢れさせる……あながち、間違ってはない未来かもしれませんですわ。
 今の完全ではないコンコンコンのままでは、きっとそうなることでしょう――私が修理し、ありとあらゆるものが無尽蔵に供給される、完全なコンコンコンでない限りは」
「やはり、人々の欲望を解放せんとするのはそれが……!」
「ですが」
 独白のように言葉を紡いだドン・フリーダム。
 その言葉に、自身の理論の確証を得んとしたカプラだったが、それを遮るようにドン・フリーダムが言葉を投げた。その肩には充填済みの赤べこキャノン。
「貴方の理論には一つ……たった一つ、穴がありますわ。
 私の修理する完全になったシステム・フラワーズで、どうにもならない物など、ない、っちゅーことですわ」
 刹那、放たれる砲弾がカプラの身体に激突する。
 その一撃に一瞬だけ身体を折り曲げながら、カプラの瞳に再び宿る、翠の光。
「ありますよ……例えば、『家族』とか、『愛情』とか、ね」
「……」
 そう言い残しながら撤退していくカプラを、見送るようにそちらを見つめていたドン・フリーダム。
 やがて、その姿が見えなくなった頃に。
「……まぁ、チャンネル登録くらいは、してさしあげてもよろしいですのわよ」
 ぽつりと、誰に言うでもなく零した言葉が花びらに溶けていった。

成功 🔵​🔵​🔴​

アガト・シレスティアル
レーヴェにかばってもらいながら
武器改造でレーヴェの大剣の防御力を強化、
シャーくんを巨大化できるよう改造するにゃ

ドンさん!フラワーズを、息子さんを修理しちゃダメにゃ!
息子さんは修理されたくないから猟兵にSOSを出したにゃ!
製作者を、オブリビオンになったとはいえ
母親の貴方を傷つけたくないから猟兵に助けを求めたにゃ!
自身の意志を修理で書き換えられようとしても
貴方に危害を加えることができない優しい息子さんなのにゃ!

守る為に、過去へ眠らせる為にを発動
シャーくんと一緒に巨大化
レーヴェと敵を挟み撃ちにしながら戦うにゃ

……手加減できなくてごめんにゃ
大きな体でぎゅーモフモフして倒してあげたかったにゃ

アドリブ歓迎


レーヴェ・ナハトシッフ
敵の先制攻撃は
アガトをかばいながら大剣を地面に突き刺して武器受け、
ダガーを投擲して相殺で対処
話す時間を作る

……バニーが聞きたがった話をお前さんにしよう
こことは違う世界に、獅子の兄にかばわれて生き延びた記憶喪失の黒犬がいた
黒犬は自身の成長可能性を代償に兄を生き返らせようとした
だが記憶喪失のせいか兄は生き返らず、兄の外見と記憶を持った者が生まれた
時が経って、黒犬は兄じゃない事を理解したが
それでも兄と呼んだ
足が無く、会話ができないそいつを兄と
最期には自らの足を兄にあげて、死んだ

残されたそいつは弟に似てる馬鹿を助けている
優しすぎてどんな敵も気にする馬鹿を

過去の残照を発動
アガトと敵を挟み撃ちにして戦う



●兄弟なるものは
「……バニーが聞きたがった話をお前さんにしよう」
 大剣を花咲く地面に突き立て、赤べこキャノンから放たれた砲弾を逸らしながら、アガト・シレスティアル(葛藤は終わらない。抱いた思いは目的と矛盾し続ける。・f03547)を背に庇ったままにレーヴェ・ナハトシッフ(風を纏う傭兵獅子・f04940)は口を開いた。
 アガトによって改造された大剣は、砲弾の直撃を受けても傷一つ、欠け一つない状態。
 絶対無敵バリアを張ったドン・フリーダムは、肩に担いだ赤べこキャノンを、そっと下ろした。
「よかろうですわ。充填の間の気分転換に、聞かせてもらうざんすですわ」
 そう告げて替えの砲弾を取り出し、キャノンに詰め始めるドン・フリーダム。その姿に僅かに目を細めつつ、レーヴェは語り始めた。
「こことは違う世界に、獅子の兄にかばわれて生き延びた、記憶喪失の黒犬がいた。
 黒犬は自身の成長可能性を代償に兄を生き返らせようとした……だが記憶喪失のせいか兄は生き返らず、兄の外見と記憶を持った者が生まれた」
 レーヴェの、淡々と語るその話に、耳を傾けつつも聞き流すドン・フリーダム。その様子にレーヴェも、彼に庇われるように後ろに隠れながら顔を覗かせるアガトも、僅かに耳を伏せるも。めげることなくレーヴェは口を動かした。
「時が経って、黒犬は兄じゃない事を理解したが、それでもそいつを兄と呼んだ……足が無く、会話ができないそいつを、兄と」
 その言葉が紡がれた途端、赤べこキャノンに砲弾を充填するドン・フリーダムの手が、ぴたりと一瞬止まる。そこに畳みかける様にぶつけられる、レーヴェの話。
「そのまま兄弟、末永く仲良く過ごしました……なんて美談になるなら、どんなによかったか。
 最期には、黒犬は自らの足を兄にあげて、死んだ」
 気付けばドン・フリーダムは完全に作業の手を止めて、ぴくりとも動けなくなっていた。話に呪詛が乗っていたなどということはない。気付かないうちに麻痺毒を盛られていたなどということもない。
 何故なら、未だ絶対無敵バリアは有効であるからだ。
 即ち。
「言葉を取り戻し、足を取り戻しながらも一人残されたそいつは、弟に似てる馬鹿を助けている。優しすぎてどんな敵も気にする馬鹿を」
「あ……」
 話を締めくくったレーヴェが口を閉じると、何かに気が付いたようにドン・フリーダムが顔を上げた。
 その視線の先には、レーヴェの後ろに隠れて彼のズボンを掴む、アガトがいる。
 そのアガトが。レーヴェの後ろから顔を出したまま、きっとまなじりを決して口を開いた。
「ドンさん!フラワーズを、息子さんを修理しちゃダメにゃ!
 息子さんは修理されたくないから猟兵にSOSを出したにゃ!
 製作者を、オブリビオンになったとはいえ母親の貴方を傷つけたくないから猟兵に助けを求めたにゃ!
 自身の意志を修理で書き換えられようとしても貴方に危害を加えることができない優しい息子さんなのにゃ!」
「……」
 アガトが一気に、全て吐き出すようにぶつけたその言葉を、ただ黙って受け止めたドン・フリーダムが。
 赤べこキャノンを手に、ゆっくりと立ち上がった。
「ふふ……なるほど、なるほど、ですわね。
 確かに、お兄さんの言う通り――底抜けに、手の施しようのないくらい、まっすぐで、穢れの無い、馬鹿ですわ。
 そんなだから……弟さんも、自分の命を、投げ出したのかしら、ですわ」
 そっと、被った笑顔の仮面に手をやるドン・フリーダムの前で、さらさらと空気に溶けるように、絶対無敵バリアが崩れていく。
 それを確認したドン・フリーダムが、再び肩に赤べこキャノンを担いだ。
「大事な人を、救いたい。その感情は尊いものですわね。
 どこまでも、強欲で、傲慢で……誰の意思も挟まれないほどに、自由で。素晴らしいですわ。猟兵でなければ、誰よりも真っ先にその欲を解放してあげましたのに」
 刹那、砲口から発射される数発の砲弾。ダガーを投擲して相殺しながら、レーヴェはアガトに鋭い声を飛ばした。
「アガト!」
「うん、レーヴェにゃん!」
 声を交わし合った次の瞬間、アガトの身体と抱えたシャーくんがみるみる膨らみ、レーヴェと同じくらいの大きさまで巨大化した。
 それと同時にレーヴェの足から噴き出した極彩色の炎が、彼の膝から下を覆い尽くす。
 懐から取り出した緑色のハチマキで両目を隠したレーヴェが、シャーくんを中段に構えたアガトが、一挙にドン・フリーダムとの距離を詰めにかかる。
「小癪な、ですわ!」
 ドン・フリーダムがそれまでより一回り大きな砲弾を詰めて、レーヴェめがけて発射する。
 その砲弾が彼の顔に当たろうかという時、その姿が束の間に掻き消えた。
 そして砲弾は、その後ろでシャーくんを構えるアガトの顔へ。
「シャーくん!」
「しゃーん!」
 シャーくんの顔を正面に向けて構えたアガトが剣を突き出すと、口を大きく開いたシャーくんが、砲弾に食らいついた。
 ばきり、ぼきり、と砲弾は粉々に噛み砕かれていく。
「な……っ」
「おっと、こちらを忘れてもらっては困るな」
 あまりの対応の仕方に呆気に取られた瞬間、ドン・フリーダムの背中に鋭い衝撃が走った。
 背後に回り込んでいたレーヴェが、その手に集めたエネルギーで背中を打ったのだ。
 がくっと身体をのけぞらせるドン・フリーダムの胸元目掛け、アガトの握るシャーくんの歯が突き立てられていく。
「……手加減できなくてごめんにゃ」
 大きな体でぎゅーモフモフして倒してあげたかったにゃ、と零すアガトの声が、蹴上げられた花びらに混ざって、空に消えていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

青空・フィリア
「自由って最高だよね。アタシもそれを求めて、この広い空に飛び出したからよくわかる」

けどね。

「自由になってわかったんだ。それがどれだけ楽しくて、大変なことかって。でもあなたの言葉には、その“重み”を感じないよ」

だから止めさせてもらうね。と。一歩を踏み出す

【ダンス】【パフォーマンス】の技能で、自分が想う『自由』をパッション全開で体現

その動きでエモさを感じてもらうとともに、赤べこキャノンを回避

「情熱回路100%駆動! アタシの踊りは自由な空! 何かに縛られることなんてないんだからっ」

バリアが解けたら、腕と脚の音波爪、翼のダガーで一斉に攻撃

「ソウルビート・ブレイク!!」

※アドリブ歓迎です



●自由なるものは
 満身創痍となって、その身体に数多の傷を刻んでもなお、ドン・フリーダムは悠然と立っていた。
 上下する胸から流れ出す血を押さえながら、小さく苦悶の声を漏らすドン・フリーダムの前に、青空・フィリア(天に舞う疾風・f13775)は静かに舞い降りた。
 フィリアの姿を認めたドン・フリーダムの前に、音もなく展開される絶対無敵バリア。それはまるでフィリアの存在を拒絶するかのようで。
 その青い瞳をしっかと見開きながら、フィリアは口を開く。
「自由って最高だよね。アタシもそれを求めて、この広い空に飛び出したからよくわかる」
「そう……自由は最高。素晴らしいものですの。猟兵も、キマイラフューチャーの新人類も、そのことを分かっているはずなのに、そのことから目を背けている。
 だからわたくしは……くっ」
 懇願するように、訴えかけるドン・フリーダムが苦痛に仮面の下の表情を歪め、言葉を区切る。
 それを悲し気な瞳で見つめながら、フィリアが言葉を投げかける。
「うん、みんなそう。自由で、何物にも縛られないことって、すごく開放的で、目の前が明るくなるんだ。けど……」
 けど。フィリアの胸元で、手がぐっと握られる。
「けどね。自由になってわかったんだ。それがどれだけ楽しくて、大変なことかって。
 自由には責任が伴うんだ。全て、自分がやること、やったことの責任を取らないといけない。責任をしっかり取るからこそ、その人の自由に『重み』が出来るんだ。
 でもあなたの言葉には、その『重み』を感じないよ」
「自由の、重み……」
 一歩を踏み出したフィリアを、ドン・フリーダムは止めることはない。
 自由には責任が伴う。全てのしがらみから解放されているからこそ、自分の行為の責任は全て自分が取らないとならない。
 自由ばかりに目を向けていると、見落とされがちな現実だ。
 風の音が鳴り渡るのをバックミュージックにして、フィリアは踊り始める。
 彼女の考える『自由』を体現するかのように。
 彼女の想う『自由』をドン・フリーダムへと見せつけるように。
 そのダンスは動きに統一性がなく、緩急もバラバラで、地を這っては次の瞬間空を舞うかのように、無秩序で。
 しかし一定のリズムは常に掴んでいて、手足のつま先まで神経が行き届いて、気が配られていて。
 あぁ。
 正しく。
「なんて……自由……」
 ぽつりと、しかしはっきりと口から零したドン・フリーダムの手から、赤べこキャノンががしゃりと音を立てて落ちる。
 フィリアがくるりと宙を跳んだそのタイミングに合わせるようにして、絶対無敵バリアがパシンと割れた。
「情熱回路100%駆動!アタシの踊りは自由な空!何かに縛られることなんてないんだからっ!」
 しっかとドン・フリーダムの姿を見つめながら舞い踊るフィリアが、そう声高に宣言しながら大きく飛び上がると。
 その腕に備わった爪と、足に備わった爪。
 そして翼に仕込まれたダガーを一斉に、前方へと突き出した形になって。
「ソウルビート・ブレイク!!」
 一息に、ドン・フリーダムの身体へと自らの武器を突き立てた。
「あぁ……これが、本当に、自由であるということ……なんて美しい、なんて開放的……
 そして、なんて……秩序があるのでしょう、ですわ……」
 そう、満足げに言葉を発するドン・フリーダムの身体が、舞い上がる花びらに溶け込むように消えていく。
 ざぁっと、一陣の風が吹き渡る後には。
 ただ花々が咲き乱れる空間が、あるばかりだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月24日


挿絵イラスト