バトルオブフラワーズ⑬〜欲望を極めし者
●システム・フラワーズ
星の中枢たるシステム・フラワーズ。
蓮の花のガジェットの上に立ち、静かに佇むモノが一人。足元から照らされるその白い裸身は悩ましい曲線を描き、成熟した魅力を空間に投射し瞬いて。
ふわり、ふわりと舞う花弁と長い髪が彼女に負けじと輝いて、その総身を飾っている。
『ドン・フリーダム』
万能、無敵、最速の力を宿した、かつてこの星を造り上げた大天才にして大天災の成れの果て。
一糸まとわぬ姿でありながら清浄に、亡者達の主でありながら瑞瑞しい覇気を纏って、自身を阻もうという異界からの来訪者を待望しているのだ。
――はてさて、如何なる物好き達であるのやら。
●自由の極致へと挑め
「エッチなお姉さんは!好きっすかぁ!?」
グリモアベースに響き渡るモルツクルス・ゼーレヴェックスの声。……戦争中だろうと最終決戦だろうと、彼の笑顔は変わらない。
「はい!というわけですからしてラスボス戦っすよ!彼女、オブリビオン・フォーミュラ、ドン・フリーダムさえ倒せばぁ!この世界に平和をもたらすことができるっす!」
と、簡単に言ってみたものの、当然ながら簡単にはいかないっす!
モルツクルスは何故だか知らないが胸を張って堂々と叫ぶ。
「エモくて無敵のラビットバニー、風より速いウインドゼファー、万能ガジェットのエイプモンキー……いずれ劣らぬ怪物達の力が一つ所に集まった大怪物……それこそが――ドン・フリーダムっす!」
ドン・フリーダムはその強大なる基礎能力によって必ず先手をとってくる。加えて自称の通りの大天才でもある。……生半可な策は通じないだろう。
「が!しかし!いままでの戦争で我々は!あなた方は!ことごとく打ち倒してきた能力でもあるはずっす!絶対勝てない能力なんかじゃあ、絶対にないんすよ!」
……さあ、自由さじゃあ猟兵だって負けないってところを見せつけてくるっすよ!
影帽子
どーも。影帽子と申します。よろしくお願い申し上げます。
以下、注意事項をご覧ください。
====================
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
加えて、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要です。これらに対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
POW:絶対無敵バリアを展開します。エモいものを見せれば無効化できます(エモいの基準はラビットバニーと同じ)。
SPD:風で足場を崩してきます。
WIZ:猟兵のユーベルコードの弱点を見抜き、確実に反撃するマシンを作り出してきます。 その反撃マシンに反撃する方法を考えなければいけません。
これらの能力はそれぞれ「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じですが、ドン・フリーダムは彼ら以上の実力者です。
====================
……以上です。さあ、自由という名のテンサイが攻めてきます。存分に抗ってみせましょう。
第1章 ボス戦
『ドン・フリーダム』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:由依あきら
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
転移してきた猟兵達を出迎えるのは静かに佇一人の女。惜しげもなく、白く輝く裸体を晒し……なんの驚異も脅威も感じていないかの如く。
『ドン・フリーダム』
彼女こそはキマイラフューチャー史上、恐らくは最も強く、最も欲深く……そして最も自由なモノだ。
「ほんに、ほんに、物好きな方々や。戦いは嫌いじゃないさけ、かまへんけどな」
蓮の花の上で、ドン・フリーダムは咲き誇る。……天上天下に並ぶものなき己を誇るかのように。
「よろしいのでしょうか?……あなた方は掌の上で踊る小猿」
身動ぎをすれば、猿の力。
「よろしいのでしょうか?……あなた方は自ら火に入る兎」
手印を結べば兎の力。
「風が吹けば、成す術もなく消し飛ぶ塵芥としか思えない……ですが……宜しい」
それでも尚、挑むというのなら。
「その自由に称賛を。その欲望に祝福を……さあ、全霊をもって参りなさい」
傾いだ仮面の下で、ドン・フリーダムが笑って――たった一体のオブリビオンを相手に、戦争が始まった。
ステラ・リデル
【SPD】
自由こそ全て、欲望は止めなくて良い、ですか。
個人の信条としては良いと思いますよ。
とは言え貴女はオブリビオン。世界を滅ぼす者です。
世界が滅んでは自由も何もありませんよね?
ですから倒させて貰います。
……勿論、抵抗するのは貴女の自由ですよ。
>敵SPDUC対策
最初に暴風を流し防ぐ為の障壁を纏います。(先制攻撃×見切り→オーラ防御を風を流す流線形で構築)
足場が崩されるので念動力で僅かに浮遊した後《魔剣舞踏》を発動。
光の剣を発現して数本を足場として交互に動かします。
残りを敵の全周に配置、攻めながら敵の動きを阻害、限定化して誘導します。
最後はオーラセイバーの一撃をカウンターで放ちましょう。
ニレッド・アロウン
ごちゃごちゃうるせぇです。とっとと殴らせろです。
敵の攻撃は水晶鋏での武器受けも駆使しつつ、魔力障壁による【オーラ防御】で耐えていきましょう。
ある程度耐えて私の鬱憤がたまってきたら、『加速飛翔』を発動して全力で上空に飛びましょう。
その際に【全力魔法】で魔力障壁の硬度を高めつつ、余剰魔力を光の粒子に変換して周囲に散らしましょう。きっときれいでしょうし。
そして最大まで上昇したら、鋏を構えこう叫びながら一気に敵に向かっていきます。
私と鋏の重さ×重力加速度×『加速飛翔』による加速×……お前をぶっ倒す私の【覚悟】、ぶつかった時の威力はどれくらいでしょうか?答えは超スーパー最強、です!!
※アドリブ・絡み歓迎
宙夢・拓未
……ここは奥の手だな
▼エモ
【捨て身の一撃】を食らわせに行くと見せかけ、隙を晒し攻撃を食らう
胸とか腹とか、あえて急所に
【終わらずの英雄】発動、無理やり立ち上がる
「キマイラフューチャーの人々を……俺は護る」
「こんなところで……終われない……!」
▼戦闘
『アンバーアイズ』の【情報収集】で敵の攻撃を観察
攻撃回数重視なら、左右への跳躍を繰り返し回避
それ以外なら、ギリギリまで弾を引きつけてから高く跳び、避ける
敵の攻撃が止んだ瞬間に【ダッシュ】で接近
【高速詠唱】、自分の全身を炎で包む
そのままタックル、炎の【属性攻撃】
今度こそ本当の【捨て身の一撃】だ
あとは、全部終わった後に俺が生きてることを祈るとするか
ロダ・アイアゲート
…別にエッチなお姉さんは好きではないですが、先のウインドゼファーで危ない目に遭いましたからね…報復させていただきましょう
足場をバラバラにした上で暴風とは厄介ですが…
足場確保及び暴風対策として【Dear pal】を使いましょう
使うのはジェットパックの性能を備えたガジェット
背中に装着したそれを使って空中戦に持ち込みます
風で飛んでいるわけではなく、ターボエンジンによるものなので【オーラ防御】で風をそらしつつ【操縦】で体勢を維持
UCで更にガジェットをフリーダムの足場に召喚
召喚するのは捕縛型ガジェット
少しでも敵の動きが止まったなら、その隙に【全力魔法】を籠めた銃で攻撃です
アドリブ・共闘歓迎
●宣戦布告
――我慢しなくていいのですよ。欲望は止めなくていいのです。オール・フォー・フリーダム!自由こそが、この世の全てなのです!――
「自由こそ全て、欲望は止めなくて良い、ですか」
青き瞳のイェーガー、ステラ・リデルが先んじて一歩を踏み出した。
「個人の信条としては良いと思いますよ」
「分かってくださいますわの?」
意外であるとばかりに、そして少しだけ嬉しそうに、自由な女が手を叩く。
「とは言え貴女はオブリビオン。世界を滅ぼす者です。……世界が滅んでは自由も何もありませんよね?」
「自由はあるやん」
ドン・フリーダムは、その繊細な白い指を大きく開いて天を仰ぎ、言の葉をつむぐ。
「なんもかんも無くなっても、そこには自由が残る……いえ?残らない?……まあ、いいではありませんかですわの」
「……」
「色即是空、空即是色……もとより夢幻たる現を後生大事に護るより……滅ぼしてでもよりよい現、夢幻を……コンコンコンコンコン……コンコンコンコンコンコンコンと……
いかがでございますか?」
無邪気に言い切る怪物に、歴戦の猟兵達の心に冷たい風が吹き抜けた。……ドン・フリーダムは、生かしてはおけない敵である。
十六夜・無白が辟易とした表情で。
「ドコがとはいわねーけど。うん、ドコといわねー……フリーダムなチャンネーだな。……オマエ、オレよりツヨイんだろうけど」
ドン・フリーダムは巨悪である。虚悪である。自由を標榜し、その大きすぎる欲望を解放せんとする怪物。
「……悪は、ちとシュミじゃねー」
「ドン・フリーダム、ごちゃごちゃうるせぇやつです。とっとと殴らせろです」
そして、ニレッド・アロウンの言葉が全てであろう。この場に集った者達の心は一つ。
「……勿論、抵抗するのは貴女の自由ですよ」
「――ええ、我慢はしませんですわの!」
猟兵達が前に出ると、オブリビオンも待ちきれないとばかりに進み出る。……衝突は必然であった。
【開戦】
刹那、数えきれないほどの事が同時に起こった。……世界の処理能力が悲鳴をあげる音と共に。
まず、猟兵達は散開する。たった一人の強敵を相手に固まっている利など無い。……ましてや守護の専門家等もいないのだ。
「ふふ……ははは……ひゃーーーっはっはっは!!」
猟兵達のアクションと同時か、先んじて自由な笑い声を上げて……ドン・フリーダムが迸る。
【風】
【無敵】
【万能】
時間にすら縛られない自由を極めしドン・フリーダムのUC同時行使が、猟兵達へと襲いかかった。
●接戦
早く、疾く、速度こそは戦の要である。
「先のウインドゼファーで危ない目に遭いましたからね…報復させていただきましょう」
「宅のゼファーちゃんがご迷惑をお掛けいたしまして……改めてもう一度、ぶっ飛べですわ!!」
レボリューション・ストーム。
戦場に、風が満ちる。ステラ・リデル、ロダ・アイアゲートの両名は奇しくも別の戦場でウインドゼファーと相対している。……だからこそ一撃で分かってしまう事が一つある。
風の力においては無双を誇ったウインドゼファーでさえ、ドン・フリーダムには遠く及ばない、と。
台風より強く、ハリケーンよりも荒々しい風は花を散らし、猟兵の寄って立つ足場は瞬く間に消えていく。
「頼みます、Dear pal……」
「……舞い踊りなさい」
しかし、そんなことは元より織り込み済みである。
ロダは自作にして愛用の自立駆動が搭載されたガジェットを展開し、空を飛んだ。
ステラは浮遊し、併せて本来は攻撃用である光剣を周囲に展開、足場として空中機動を実現。
示し合わせたわけでなくとも、この難敵に対する戦術は通ずるものがある。……即ちより速く、より高く、より複雑に、だ。
「はははは!これは鬼ごっこ!?かくれんぼ!?だるまさんが転んだ!?……猟兵と遊んでみた!ですわね!」
「……厄介な」
「……耐えましょう」
縦に、横に、右に左に、高みに低みに。この世界が三次元であることを大いに活用してシステムフラワーズを駆けるステラとロダ。
ターボエンジンを吹かし、所狭しと剣を並べる彼女たちと対照的にドン・フリーダムは不動である。
乳白色と黒蒼の二つの花を散らそうと暴風が吹き荒れる中で、その中心は静かなものだ。
蓮の花型ガジェットに悠然と立ち、一点に留まる彼女は一次元からの使者か。……放っておけば、この世界の全てを飲み込むどす黒く白い一点。ブラックホールを思わせる。
「……倒さなければ」
ステラは決意も新たに、接近戦に移行する。……そろそろ風も読めてきた。
「あら、踊ってくださるですわの?」
「ええ……是非とも」
風を受け流す流線型のオーラ防御を纏って吶喊。不思議なほどに簡単に、ステラはドン・フリーダムの懐へと滑り込む。……会敵。
……そしてステラは悟る。
「しゃーるうぃ――」
「……っ」
「――だんすですの!」
テンサイの恐ろしさを。
……攻撃が効かないのだ。無敵バリアとか、そんなものでは決して無い。
突き刺す剣は逸らされ、切り下ろす剣は受け流され、乾坤一擲の力攻めは、そもそもカウンターの恐れがあり選択すらできない。
ドン・フリーダム、その真の恐ろしさは無敵でも万能でも風でもなく……ただただ純粋に強いことにある。
光剣が砕ける。その破片さえも利用してステラは飛ぶ。
ドン・フリーダムの白い手足という絶対の障壁を突破しようと、青き猟兵は全霊の機動で舞った。
短期的には、剣が増えるほどに足場と武器が増えるステラが有利である……しかし、悠然と構えるテンサイを前に一手、どうしても詰め切れない。
「でしたら……その一手を、私が詰めましょう」
「……これは、見くびったやんな」
硬質な呟きと共に、ドン・フリーダムの足元、蓮の花ごと彼女を飲むように、捕縛ガジェットが現れテンサイを捕らえた。
ロダは、接近戦をやるつもりなどは最初から毛頭無かった。ステラとのダンスという欲望に任せてロダへの攻撃が若干緩くなったドン・フリーダムの隙を冷静に察して、絶好の機会を待ったのだ。
――それが今。
「はあぁあーーー!」
「……舐めんやないですわの!」
裂帛の気合と共に繰り出されるステラのオーラセイバーは、今度こそは過たず、ドン・フリーダムの白い実体を穿つ。
ドン・フリーダムは「微かな身動ぎ」という今出来る全力でこれを凌ぐ。タイミングを合わせて僅かに体を傾け、捩り、骨を絶つ一撃を肉に留め、肉を切る剣撃を皮に抑える……絶技。
テンサイはここで初めて余裕を失い、それがロダには分かっていた。ステラもそれに気づいた。……乾いた銃声。
「……お見事ですのよ」
全力で魔力を込めた、ロダの必殺の魔弾が、ドン・フリーダムに風穴を空ける。
奔放なる風は、可憐な二輪の華に封じられたのであった。
●決戦
宙夢・拓未とのニレッド・アロウンの二人は左右からドン・フリーダムへと迫る。敵が神だろうが悪魔だろうが……近づかなければ殴れないだろう。
「赤べこ!キャノーーーン!!!」
どこか楽しげな宣言に答えるように彼女の右腕に纏わりつく様にして現れる牛の頭。装着型の赤べこキャノンがモウモウと鳴いて大きく口を開き……ニレットに狙いを定めた。
「……っ……来てみやがれですぅ!」
赤ベコキャノンは機能として備わった嗅覚でニレットをターゲッティングし、その火力を発揮した。
キャノンの赤より尚も赤い軌跡を描いて砲弾がニレットへと迫り、水晶鋏で迎撃される。
――轟音。
「……あなたのバリアも素晴らしいですわの!」
「そうですか……そっちのキャノンは大したことないですね!」
着弾と同時に開放された威力は武器受けにより大半が受け流され、オーラ防御によって多少手が焦げる程度にまでダメージは抑えられている。
……逆に言えば、万全に受けても確実にダメージを負う恐ろしい威力と高命中。
「何度でも撃つまでですのよ、赤べこキャノ……」
「おっと俺を忘れてもらっちゃ困るぜ!」
「おや、あちら色男様、ご安心を――」
モウモウ。
「――わたくしの赤べこキャノンは二度鳴くんですのよ!」
「……!?」
左腕を覆うようにして現れるもう一体の赤べこキャノン。……瞬時に、正確に叩き込まれる砲撃
両の瞳を琥珀色に輝かせた拓未は咄嗟の回避でこれに対応。あらかじめ回避を念頭に置いていたゆえに跳躍は間に合った。
……しかし。
「兎は跳ねる、兎は焼かれる、あなた方は全く可愛らしいウサちゃんですわぞー。てえてえ、てえてえ……」
「言ってろです!」
「……これは……奥の手だな」
ニレットも拓未も、この時点で悟っていた。予想はしていたが尋常ならざる怪物である、と。
「巨大」な敵を相手に、展開される消耗戦。
雨かなにかのごとく途切れることなく、旧知の仲であるかのごとく動きを読んで、赤べこキャノンは二人を狙う。
それを、走って避ける、跳んで凌ぐ。
片方が窮地に陥ったならもう一人が注意を引いて砲を受ける。
……凌ぐ、凌ぐ。
「不条理やんなー……」
ドン・フリーダムがポツリ、と呟いた。動きが、良くなってきている。
能力地において格上を相手に持久戦などはジリジリ削り殺される悪手を選んだものだと思ったものであるが。
「……なにが、皆様をそこまで駆り立てるんですわのー?」
「そんな難しいこっちゃねーです」
ニレットは力の高まりを感じて飛んだ。星の中心で、高く――高く。
そして落ちる。己が敵を目掛けて一直線に、迸る魔力は一部彼女の制御を離れ、光という形で発散された。
「……流星がわたくしに、降ってくる――」
なんて、エモい。
「私と鋏の重さ×重力加速度×『加速飛翔』による加速×……お前をぶっ倒す私の覚悟――ぶつかった時の威力はどれくらいでしょうか?」
見蕩れる心と裏腹に、ドン・フリーダムの両手はモウモウと火力を持って迎撃に出ていた。――しゃらくさいです。
「答えは超スーパー最強、です!!」
「テンサイ的な計算力ですのよ!」
落ち来る流星は強化された防御力を持ってこれを弾き返し、ほんの僅かに勢いを減じながら……着弾。
特大の「砲弾」の直撃を受けたドン・フリーダムは大きく吹き飛んで、数瞬で体勢を立て直す。
だが……拓未に取っては数瞬は長すぎた。
「ふふ……それで、どう致します?」
「……キマイラフューチャーの人々を……俺は護る」
「その欲望を愛しますです!――赤べこキャノン!」
真近に迫った拓未に、ドン・フリーダムは躊躇無く砲撃。無敵バリアのある限りこちらに被害は無いのだから。
着弾、拓未にニレットほどの防御力は無い。……これで攻撃はいったん潰せ――
「こんなところで……終われない……!」
「あら、あら」
パワードスーツが展開され、拓未の体を軸にして起動する、機動する。
テンサイであるドン・フリーダムには分かる。分かってしまう。分かりみを感じる。
そのパワードスーツはパワーアップするわけでも回復するわけでもない。……その魂ある限り、限界を超えて戦いつづける、それだけの、力。
「こんな、こんなの――」
「うおぉおおーーー!!」
無敵バリアが消え失せ、雄叫びとともに鉄拳が叩きつけられる。その仮面を大きく砕かれながら、ドン・フリーダムは叫んだ。
「エモ過ぎですのーーー!!」
楽しげに、苦しげに、……自由に。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
十六夜・無白
【WIZ】
「な、なんかフリーダムなチャンネーが出てきた…ドコがとはいわねーけど…ドコがとは…」
閑話休題。
敵の先制攻撃には【アイテム:七災の呪符】をこっそり用意しておく。
「ツエーヤツは好きだぜ。…けど、ちとシュミじゃないんだよなー、オマエ」
敵の反撃が水によるものになるよう【誘惑】を交えつつ、全弾から一つ抜いた分の【狐火】を放つ。
狙いは、炎と水がぶつかり合って起こる水蒸気爆発。
周囲に水蒸気が散るのに合わせ、用意していた七災の呪符の濃霧【迷彩】と幻影【残像】の効果で、敵の視界をくらます。
最後の【狐火】を【火炎耐性】と共に自身にまとい、敵に直接【捨て身の一撃】でぶつかってやるぜ!
※アドリブ連携おまかせ
二天堂・たま
【WIZ】
攻撃はフェイントや残像、逃げ足を駆使して回避。
相手のUCは、確実にワタシより攻撃を放つのだよな…。
まずワタシはUC:アルダワ流錬金術で、UCの範囲で届く一番外側に頑丈な鉄製のドームを展開する。
その時ボビンケースの糸を引っ掛けて網を張っておこう。
しかし相手はドームの内側に何らかの攻撃マシンを作るだろう、ワタシの死角である背後から。それは大砲か、銃座か、飛び道具であると考えられる。
聞き耳と野生の勘でタイミングを図り、攻撃マシンの土台をUCで動かす&ボビンケースの糸で敵自身に向かせ攻撃させる。
敵の攻撃を敵を盾に見立てる罠だ。
にしても、人間なのか?ヴァーチャルキャラクターなのか?彼女は。
【熱戦】
「食らえ!七災の呪符!炎を吐き出せ!」
「……ふむ」
妖狐少女、無白の唐突な大声を上げ、厄災を封じた霊符がドン・フリーダムへと翔る。
二天堂・たまが困惑を、その柔らかいけむくじゃらの顔に浮かべた。
あからさまに過ぎないだろうか……いや、敢えて誘っているのか。何かの作戦があるのだろう。
それに、水を浴びせてくる程度の攻撃になるならワタシにも都合がいい。
「もしかして……水がほしい、ですの?……ふふふ」
テンサイであるドン・フリーダムに、これが誘導である事が分からないはずがない。そう、分かってはいるのだが。
ここで誘いにノッたらどうなるか知りたいという欲求を抑えるという選択が、彼女には存在しないのだ。
ドン・フリーダムが傘を広げる。
まるで最初からそこに在ったような自然さと素早さで生成された驚異のガジェット、その名も。
「人工降雨殺人ガジェット【雨ニモマケズ】……その恐ろしさを御堪能いただきますです!」
「……よもやよもや、いい名前だ」
「ありがとうですわ猫さん」
「猫ではない」
バサリと総金属製の傘が開いたと思えば、空亡き世界に雲が蟠る。それは雷電を纏い滝のような雨を降らせ始める。
「!」
「アルダワ式錬金術!」
炎のと未だ見ぬたまのUCを潰すべく【雨ニモマケズ】が唸りを上げる。滝のような豪雨が極めて限定的な地域で発生。
常識外れの降水量で霊符を迎撃し……大量の水蒸気と共に鎮火。
瞬間、たまと無白は同時にUCを発動した。
「おや、まあ、やりますですわね猫さん」
たまの操る【アルダワ流錬金術】によって足場の花達が形を変える。花達は瞬く間にたま、無白、そしてドン・フリーダムを覆うドームを形成。一時的に雨雲との接続を絶つ。
「猫ではない」
「ふふ……それでしたら名前をうかがいませんと?猫さんですわ?」
「ワタシの名か?ワタシは……『ケットシー』だ」
「ほう……」
問答をしている間にも、再度、今度はドームの中に雲が湧き、たまは仕込みを進めていく。
「せっかくだからワタシからも聞きたいことが」
「おや、なんですかぞ~?」
「キミは人間なのか?ヴァーチャルキャラクターなのか?」
「おや……これは異なことを」
雨雲弾けるような稲妻を纏いながら、ドン・フリーダムの合図で再び豪雨を振り落とす。
「無論『オブリビオン』ですのよ!」
「そうか!オレは猟兵だ!シネーーー!」
やり取りの間に十分に妖力を練り、術を起動した無白が仕掛ける。
総数16の狐火が、物理的な基準では計れぬ熱量宿して迫る。振りしきる雨を魔性の炎が焦がし、密閉されたドーム水蒸気が籠る。
視界が最悪の中でもドン・フリーダムの超感覚は正確に無白の位置を捉えていた。元から見てるんだか見てないんだか分からないドン・フリーダムである。
「……霧が出てきたですの?」
その超視野の中で、不意に無白の姿が霞んだ。自然には考えられない「濃霧」の力はドン・フリーダムの「視界」すら霞ませ、その中を幻影【残像】を交えて無白が駆け巡る。
――ドン・フリーダムが力を抜いて自然に構えたところに、無数の虚実を織り混ぜて無白が攻め立てる。
完全に背後をとった奇襲、繰り出した一撃は……惜しくも【雨ニモマケズ】で受け止められた。
「惜しかったですわ。……今度は音も匂いも消して、空気も動かさないように攻めるべきですのねー」
「無理いうなや!」
「コンコンコンコンすれば大丈夫……これではわたくしが狐ですの?……とりあえず」
体格と膂力で劣り、傘一本で押さえられる状態の無白の頭上に雷雲が生まれる。
「カミナリくらえですわの!」
「おっとそうはさせない。……ちちんぷいぷいっっと!」
その時「無機物」であるドン・フリーダムの乗る蓮の花型ガジェットが大きく傾き、不意を突かれたドン・フリーダムが……糸で釣られた。
「キミが――傘だ!」
「ギャーーー!!ですのーーー!!」
完璧なタイミングで仕込んでいたボビン糸を使用。釣り上げられたドン・フリーダムは自ら落としたカミナリ直撃を受け……。
「よくもやってくれたなぁー……これでも――」
燃える少女の元に墜ちてくる。
「――食らえ!!」
「ふぎゃーーー!?」
隠し玉の炎を身に纏った無白の捨て身の攻撃はドン・フリーダムを焼き、吹き飛ばしたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ラヴ・フェイタリティ
【アドリブ歓迎】
(胸元を凄い目で睨みながら)どいつもこいつもデカけりゃいいと思ってやがるな…いいぜ、ならてめぇらの流儀に合わせてやるァ!
どうやったって先手はとれねぇなら、相手の力を利用しちまえばいい…「野生の勘」に従い暴風に身を任せ上空へと昇るラヴ様。「激痛耐性」とラヴブラッドで耐えつつジェットを吹かしながら昇りつめた遥か上空、ここから逆転が始まるぜ。
来いよメガラヴァ!イカしたBGMと共に召喚される(身長以外も)巨大なメガラヴ!!これぞド級の隠し玉!行くぜ天地逆転の一撃!
メガラヴにしっかり掴まり、顔以外全裸に向けてメガラヴジェット最大加速!(推進力+重力)×質量=メガ破壊力!消し飛べ全裸ァ!
●聖戦
「どいつもこいつもデカけりゃいいと思ってやがるな……」
ラヴ・フェイタリティはものすごい形相でドン・フリーダムを睨み付ける特に胸を、胸部装甲を、平たく言うとおっぱいを。……彼女の胸は平坦であった。
「おやおや、分かりきったこと言うお嬢さんですことよ」
「……あぁん?」
凄むラヴに向かって得意気に胸をそらして自慢げに宣った。
「大きいは正義なのです」
「な……な……」
あまりに自由、火の玉ストレート。言葉のストライクを二の句の告げないラヴは見送った。
「……それと、もう一つ、よろしいでしょうか?」
「……な……あぁ?」
ただでさえ理性乏し目の女子の精神テンションが爆発寸前のニトロターボよりも危険な状態にあることに、テンサイであるドン・フリーダムがよもや気づかぬ訳がない。
……だが、あえて最後の一押しを押す。……面白そうだから。
「あなた……マイナーwebマンガのテコ入れヒロインみたいな顔ですわねw」
……ぶちり
「ああああああああ!!なんで!!そう!!的確に!!人を傷つける発言が出来るんだてめぇはよお!!いいぜ、ならてめぇの流儀に合わせてやるァ!!!」
なけなしの理性をぶっ飛ばした凄まじい勢いで、ラブはドン・フリーダムへと突っ込んだ。……無論、無事にたどり着けるはずもなく。
裸身をくねらせる愉快な身振りと共に放たれる暴風によって木の葉のような軽さで、ラブはヒラヒラ高空へと吹き飛ばされる……。
「……ほう、ただのおバカさんという訳でもないみたいですわの」
「ったりめぇだ!栄養全部胸に言ってるような輩とはオツムに回るパワーが違うぜ!」
そう、いくら小柄な少女でも、人には抵抗力というものがあり、通常は木の葉のようには飛ぼうと思っても飛べないものである。
ラブはドン・フリーダムに先手をとられる事を承知で突っ込み、吹き飛ばされるダメージを覚悟して風に乗って空を飛んだのだ……類いまれなる野生の勘がなせる技である。
「全部!想定済みよぉ!!」
激痛にも笑顔で耐えてみせ、不可思議なことに与えたはずのダメージが即座に回復していく様に、ドン・フリーダムは仮面を更に傾けた。
吹き飛ばされたラブは自前のジェットを吹かして更に加速。重力の軛を逃れるように天高く、上へ、上へ。
「ここからが逆転劇!でっかいのが正義だってんならなぁ」
太陽すら掴めそうな遥か上空まで瞬く間に到達する。
「やっぱりこいつが正義だぜ!来いよメガラヴァ!」
天空に響き渡るイカしたBGMと共に召喚される巨大なラヴ!!……否!!胸が大きい!!メガラヴだぁ!!
「これぞド級の隠し玉!行くぜ天地逆転の一撃!」
ラヴはメガラヴにしっかり掴まると、メガラヴ備わるジェット機構に火を点ける。……最大加速だ!
「推進力×重力×質量=メガ破壊力!分かるか!消し飛べ!消えろ全裸ァ!」
対するドン・フリーダム、これを受けて。
「おいでなさいですの……あなたが天の力ならばこちらは大地の力と風の力。……星の覇者たる者の力をお見せしましょう」
風力×腕力×テンサイ力=フリーダム破壊力だ!
蓮の花ガジェットを降りてしっかり足場を踏みしめて迎え撃つ構え。まるで根を張るがごとき不動の彼女の回りに風が逆巻き、その力の解放を待っていた。
巨大隕石が如きメガラヴの拳と、星と斉しい重みを宿したドン・フリーダムの拳が衝突した瞬間、とてつもない規模の衝撃波が空間を揺らす。
お互いの力のあまりの威力にメガラヴ耐えきれず大破。
「ギブギブギヴぅ!!タップ!タップしてる!」
「……とはいえ離したらまた挑むのでしょう?ですわねえ?そうなんやろ?」
「あったり前だおっぱいを押し付けんなおっぱいを!全裸ァ!こらぁ!」
もちろんドン・フリーダムも無傷ではない。……それでもなお衝突からいち早く立ち直り、全身を軋ませながらラヴを間接技で捕らえる凄まじさ。
激痛耐性すら抜くとびきり痛い技に、しばしラヴはおっぱいを堪能する羽目になったのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
甲斐・ツカサ
エッチなお姉さん、って良く分かんないけど、自由のおねえさんは笑顔が傾いてるし、寒そうだし、放っておけないよね
圧縮空気の足場やワイヤーで空中でも止まらず、花の足場を遮蔽に利用しながら近づく
いざという時は圧縮空気やオーラで、とにかく直撃だけはしないように
おねえさんに近付けたら、ワイヤーにぶら下がって仮面と同じ角度で目を合わせてニッコリ
だって、一緒に笑うならちゃんと顔を合わせないとね!
でも、おねえさんのホントの顔の笑顔も見せて欲しいな
それに、寒くないようにマントを差し出そう
受け取ってくれたら…つまり、距離が近い、って事!
おねえさんは放っておけないけど、止める為には倒さないと
ごめんね、おねえさん
●好戦
甲斐・ツカサは思う。
エッチなお姉さん、って良く分かんないけど……放っておけないよね
「自由のおねえさんはなんで笑顔が傾いてるの?寒くないの?」
「ふふ……お優しいのですわね、御気遣いは無用にございますですわ。……気を遣いたいという欲なら尊いのです……が」
……一陣の風が吹く。
ツカサにとっては織り込み済みの攻撃であるレボリューション・ストームだ。頑強な花の足場が儚く散っていくのを天地の感覚のない中空から視界に入れ、淀みなく籠手を操作する。
いかなる神秘に依るものか、Syl-Fieldは使い手の意思に応じて彼の足元に圧縮空気の足場を形成。跳躍力を与え、的確なワイヤー射出を行ってそれを補助する。
「やあ!」
「……驚きですのよ」
巨大で美しい花弁を盾にしながら、避けきれない風に打ち据えられながらも、しかしとうとう直撃を逃れ……ツカサはドン・フリーダムの直近まで辿り着いた。
「……ところで、その姿勢、辛くありませんですの?」
「あ!優しいんだね、大丈夫だよ?」
随所に仕込んだワイヤーにぶら下がって、逆さに吊るされる格好のままツカサが笑った。ドン・フリーダムの仮面に合わせるように首をかしげ。
「だって、一緒に笑うならちゃんと顔を合わせないとね!」
「……ふふ」
可笑しいのか、それとも面白いのか、ドン・フリーダムは一時攻撃の手を止めて、大きく傾いたスマイリーを通じてツカサを見る。
「あ、笑った。おねえさんのホントの顔の笑顔も見せて欲しいな」
「あらあら、もしかしてナンパしてるん?……おませさんやなあ」
「ナンパじゃあないよ。それと、やっぱり寒くないように……」
ツカサはマントを差し出す。……ドン・フリーダムはあくまでも楽しげな調子を崩さずにそれを受け取った。
「ド派手なマントですのねえ……寒くはありませんがこれは本当に――」
「……ごめんね」
ドン・フリーダムは放っておけない女性だが……同時に倒さねばならない存在でもある。胸によぎるほのかな躊躇いを断ち切って、必殺の覚悟でツカサは刃を振るう。
マントの向こうから諸共に突き込まれる光刃を、ドン・フリーダムは知っていたかのように受け入れた。
「……抜けない!?」
「――素敵ですの」
ドン・フリーダムの艶かしい下腹部に、黒ノ鋭刃は確かに突き立った……誤算があったとすれば……それはフリーダム。
「今度は、こっちの自由さを味わうがええよ」
彼女の自由さは、どれ程甚大なダメージがあろうとも、彼女の体をテンサイ的に過不足なく動かした。
手に持つマントを放り投げてツカサの視界を塞ぐと、突き立った短剣によって動きを拘束したツカサへと容赦の無いラッシュ敢行する。
――美しい、繊細とも言える手足が迅雷のごとく閃いて、ツカサの人体急所をほぼ同時に十八ヶ所、鉄槌のような重みを伴って。
「……ぐ!?」
「だまし討ちするような子には、素顔はお預けですの♪」
詰めた距離が、また開く。明滅する視界から赤が消え、どうにか未だ握った短剣の向こうに、彼女のスマイリーが真っ直ぐ見えた。
苦戦
🔵🔴🔴
ルパート・ブラックスミス
マリア殿と連携。(f09924)
燃える鉛全て使い強化した青く燃える鉛の翼展開。(【武器改造】)
先制攻撃は翼から熱風【属性攻撃】で相殺しつつマリア殿を【かばう】。凌いだら鎧の傷を押してマリア殿のもとへ。
「強いな。だが手を組んだ我らの敵ではない!
見よ、命運を託すに足る戦士もといメイドを得た我が姿の極地!」
マリア殿への信頼を謳い、UC【信ずる者に殉ずる為の鋼姿】で変形装着。
最後の敵を前に、初めて見せる合体形態。エモいだろう?
能力統合と先のダメージによる戦闘力増強を加えた高速【空中戦】闘。
五体操作はマリア殿に一任。敵攻撃を【見切り】、回避機動と短剣【誘導弾】の敵弾の迎撃に集中する。
【アドリブ歓迎】
狗飼・マリア
ルパート様(f10937)と連携しますわ。
ルパート様に守られつつ、私は【残像】や「メイド大砲」による【運転】で攻撃をいなします。
「見せて差し上げますわ、メイドを超えたアーマードの力を!!」
そしてルパートさまのUCによりルパート様を身にまとい、
「超合体ブラックメイルメイド!!参上でございます!」
「私たちは健康優良アーマードメイドですわ!」
と空中のイド大砲の上でいわゆるガイナ立ちをしながらタンカをきります。えもい。
そして【運転】【空中戦】を駆使して相手に近づきつつ、メイド大砲の大砲内に入り、
【UC 無敵城塞】を発動。
あとは相手めがけて発射。弾は私。
「アーマードメイド弾!!」
アドリブ歓迎
●征戦
「赤べこキャノーーーン!!」
モウモウ……モウモウ。
美しく花舞うシステム・フラワーズに高らかな技名宣告が響き渡る。……なんで叫ぶかって?カッコいいからですのよ!!
その宣言からマイナス一秒の時間を費やして、つまり先行して彼女の両手に装着されるアカベコ型殲滅砲撃ガジェット【赤べこキャノン】
彼らはモウモウと鳴いて、敵対者に円らな瞳を向けたと思うやいなや……撃った。
「うおぉおーーー!?」
あまりのフリーダムに若干戸惑うルパート・ブラックスミスであったが、磨き抜かれた戦闘センスが彼に最適の行動をとらせるのだ。
彼の本体に詰まった燃え盛る鉛、その全てを瞬時に解放し、自身と相方である狗飼・マリア身を庇う。さらに鉛を全力で強化。流動する鉛は青い炎を纏って赤べこ砲弾を迎撃。……着弾。
「……っ!?」
轟音 衝撃 戦慄。
相性的に決して不利ではない。ただ漫然と受けている訳ではなく、金属と炎の属性に干渉して相殺しているのだ。……その上で、鉛の上から
こちらを吹き飛ばしかねない威力。
……だが!
「……流石にとてつもなく強いな。……だが!」
「ええ……ですが!」
マリアとルパートは大砲に跨がった。前代未聞の大砲タンデムを魅せつける【メイド大砲】
はどういう訳か高速で機動を開始。空間に感染するメイドワクチンによる残像を残しながら、二人は鉛を盾にして赤べこ段幕をいなしていく。
――世界よ、これが、大砲を【運転】するということだ!
「「……手を組んだ我らの敵ではない!」」
無論。避け、耐えるだけで息切れするほど容易い相手ではないことは百も承知である。あらゆる干渉を退ける反則的な無敵バリアについても承知している……鎧とメイドに任せろ。
「見よ!命運を託すに足る戦士もといメイドを得た我が姿の極地!」
「見せて差し上げますわ、メイドを超えたアーマードの力を!!」
ルパートがマリアへの信頼を謳い、メイドそれに応える。
UC【信ずる者に殉ずる為の鋼姿】それは、自身を他者に適した姿へと変える奇跡の力。マリアに適合するカタチ?……決まっているであろう、メイドである。
「超合体ブラックメイルメイド!!参上でございます!」
「おお……かっこかわいいですのよ……」
メイド服の優美さと西洋甲冑の武骨さの調和が、どちらの魅力も損なわず絶妙のバランスで成されている。……ぴょんこぴょんこ、と狗耳を動かし燃える鉛に遊ぶブラックメイルメイドを前に、ドン・フリーダムも思わず胸を抑える。……エモい。
黒銀を纏ったメイドと、只管に白いドン・フリーダム。両者は華の上、星の中心で対峙する。高まる緊張に、時すら固唾をのみ、その流れを遅らせた。
「赤べこ……っ」
「「はあぁああーーー!!」」
能力統合による超高速空中機動。その速度はついにテンサイの予測すら上回る。……ドン・フリーダムがその両手を翳すより早く、ブラックメイルメイドの拳がドン・フリーダムを捉えた。
「あなたの自由がなんですの?……私たちは健康優良アーマードメイドですわ!」
「……こう言ってはなんですが――」
ドン・フリーダムは空高く吹き飛んだ。……それはいい、それはいいが……なぜ、体の自由が効かない?まるで、性質悪いウィルスに感染したかのよう……。
ほんの少し、自由を奪われたドン・フリーダムの真下、華の上で、メイドが大砲に詰まっていた。……メイドが大砲に詰まって、今にも発射されようとしていた。
「――自由過ぎではないですのーーー!?」
「「アーマードメイド弾!!」」
ブラックメイルメイドは弾けた。花火のように、巻き戻りの流星のように。……そして、ドン・フリーダムを貫いてなお飛翔し、さらに上昇――ブラックメイルメイドは、星になった。
●終戦
「サンサーラ……サンカーラ……有も無も……虚も実も……結局は同じことなれば」
ドン・フリーダムが崩れていく。魔力を、鉄拳を、光剣を、銃弾を、雷を、炎を、巨拳を、光刃を……鎧とメイドを受けた巨星は、ついに崩れ落ちようとしていた。
「ならば、命尽きる時まで……いえ、死しても蘇り自己欲求実現に邁進するのが……自由というものでは?我慢は体に悪いですのよ?」
猟兵達は各々答えるだろう……世の為か、人の為か、己の大事なものの為か――ドン・フリーダムの欲望は認められない、と。
「善哉、善哉やわ」
その自由に称賛を。その欲望に祝福を。
ただ、そう言い残し、ドン・フリーダムは塵のごとく解ける。彼女の名残は星の中心に吹く風にさらわれて、何処か遠くに去っていく。……どこまでも、自由に。
猟兵の勝利をもって戦争は終わった。……快哉を叫ぶも、黙して去るも、無論、あなたの自由である。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴