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バトルオブフラワーズ⑬〜自由なる欲望

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #オブリビオン・フォーミュラ #ドン・フリーダム

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#ドン・フリーダム


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●グリモアベース
「泣いても笑っても、これが最後!」
 グリモアを握り潰すようにしまったアンノット・リアルハート(忘国虚肯のお姫さま・f00851)は、少しだけ憤った様子で猟兵達の顔を見回す。
「いよいよ戦いも最後の局面に入りました。私達に課せられた最後の任務は、オブリビオン・フォーミュラーであるドン・フリーダムの撃破です!」
 テレビニウムの危機を救い、ザ・ステージを踏破し、三人の幹部を撃退した今、バトルオブフラワーズの決着の時が来た。
「ドン・フリーダムは今まで倒してきた三人の幹部怪人の技を使用してきます……つまり、これまで培ってきた戦いの経験、その集大成を見せる時よ」
 赤べこキャノン。ラビットバニーも使用した、バリア展開後に強力な砲撃を行うユーベルコード。バリアの解除方法はラビットバニーと同じだが砲撃の威力は桁違い、エモい行動だけでなく回避防御もしっかり行わなければならない。
 レボリューション・ストーム。ウインドゼファーと同じ、花の足場を崩壊させるほどの強力な暴風を発生させるユーベルコード。風の威力は高く、受け流すにも相応の防御力が求められる、生身で受ければ重傷は免れないだろう。
 マニアックマシン。エイプモンキーも得意とした、相手に対して死角から反撃を行うユーベルコード。対抗するには反撃の反撃が必要となるが、操作テクニックはドン・フリーダムの方が数段上。より的確でマニアックな動きが筆ようになる。
「技が同じと言えど使い手の実力は大きく違います、幹部に通じた戦法が同じように通じるとは限りません。その点にだけは注意してください」
 そこまで言うとアンノットは一度言葉を区切り、硬く拳を握り締め改めて猟兵達の方を見る。
「手に入らないものがあるからこそ、キマイラフューチャーの人達はイカした物を創ることを楽しんでる。それを軽んじるドン・フリーダムにイカした戦いを見せてあげなさい!」


マウス富士山
 ===================
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 加えて、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要です。これらに対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

POW:絶対無敵バリアを展開します。エモいものを見せれば無効化できます(エモいの基準はラビットバニーと同じ)。
SPD:風で足場を崩してきます。
WIZ:猟兵のユーベルコードの弱点を見抜き、確実に反撃するマシンを作り出してきます。 その反撃マシンに反撃する方法を考えなければいけません。

 これらの能力はそれぞれ「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じですが、ドン・フリーダムは彼ら以上の実力者です。
 ===================
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。1フラグメントで完結する特殊なシナリオとなります。
 オープニングを見ていただきありがとうございます。今回マスターを努めさせていただきます、マウス富士山と申します。
 まさかの全部乗せ。POWならエモい行動、WIZならマニアックな回避手段と能力に応じて適切な行動が必要になります。
 それ加えていつも通り、プレイングにはユーベルコードへの対抗手段と反撃方法を描写してください。また複数の猟兵で連携を行う場合は全員に対して先制攻撃を行います、その点を注意して連携を取るようにしてください。
 長かった戦争の最終局面、皆様のプレイングを心からお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『ドン・フリーダム』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:由依あきら

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

尾守・夜野
「寒そうな格好しやがって…
見てるこっちが寒々しいんだよ!服を着ろ!服を!」
例え夏も近づくこの気候でも

というかこのまま挑んだら社会的に干される気がする…!
そうならない為にも奴に服を着せる必要がある…!

攻撃を避けるのはスレイに任せ
三次元軌道で翻弄させる

吐き気を堪えつつ
目にも止まらぬ【早業】で頭から被せれば何とかなりそうなワンピースを作ろう

狂信者のアジトに潜入用の服を作るに比べりゃ余裕だな【変装】

反応を伺いつつ【コミュ力、第六感】即興で作るが
めっちゃ好きな感じにできたらバリアーも外れるんじゃないか?

そしたら近寄って被せて強化された身体能力のまま…ぎっちぎちに帯を締める攻撃?だな

血はスキットルから


雪華・グレイシア
……大丈夫?
この格好直視して大丈夫!?
目のやり場に困るんだけど!?

んんん(咳払い)
ともあれ、ようやくの最終決戦だ
怪盗らしく、この世界の未来をキミから盗ませてもらうぜ、レディ

終幕を飾るのは霜の巨人
巨人の影に隠れながら、敵へと【ダッシュ】
キャノンの発射に合わせて、巨人と一緒に【予告状】を【投擲】
相殺までできなくても威力を削げれば御の字

そしてここからが本番
エモいかどうかは知らないけれど……歌には自信があるんだ
そして今宵は巨人との二重奏
氷の歌をゆっくりと聞いてくれよ、レディ
巨人の咆哮と共に【歌唱】
巨人の声で辺りを凍らせて動きを鈍らせたら、一気に近づいて【ワイヤーガン】と【アンチロックドダガー】で攻撃!



●ありのままの
「……大丈夫?この格好直視して大丈夫!?」
「同じ考えの奴がいたか、正直このまま挑んだら社会的に干される気がする……」
 戦場に降り立った直後、雪華・グレイシア(アイシングファントムドール・f02682)と尾守・夜野(墓守・f05352)はドン・フリーダムの格好に愕然とする。辛うじて隠れているが、少し角度を変えるとギリギリ……いやほとんどアウトだ。
「おやおや、わたくしのちょうてんさい的な身体を余すことなく堪能できるこのファッションに文句があるんですの」
「文句しかないよ!?目のやり場に困るんだけど!?」
 抗議の声をオホホと笑って流すドンに思わず一歩踏み出しそうになる雪華だったが、割って入るように伸ばされた夜野の手がその動きを制する。
「落ち着け、そんなことをする前にオレ達にはやることがある」
「……そうだね、ドンを倒しキマイラフューチャーに平和を――」
「干されないために、奴に服を着せることだ!」
「そっち!?」
 カッと目を見開き、高らかに保身を宣言した夜野は鎧を身に纏った八本足の愛馬スレイを呼び出し、雷の如く天を駆ける。
 無論ドンもそれに対して見ているだけということはない。虚空から赤べこキャノンを取り出すと、スレイに向けて散弾を打ち出した。面で襲い来る範囲攻撃に対し、スレイは面の外に出るような大きな動きで回避する。
「なるほど、反撃のつもりはないようですわね。ほなら怪しいもう一人を撃つとしますわ」
 上空に向けられていた砲口が、地上で召喚の準備をしていた雪華に向けられる。咄嗟に【予告状】を投げ赤べこキャノンを相殺しようとするも、彼一人の力では威力を削ぐことは難しく、召喚直後の無防備な巨人の身体に直撃する。
(しまった――!)
 呻き声を上げながら巨人が片膝をつく、守るものが居なくなった雪華に赤べこキャノンの砲口が向けられ……。
「おい」
 それを遮るように、ドンの背後から夜野の声が響く。バリアはまだ解除されていない、わざわざ死にに来たかとドンが振り返る。
「好みはわからんがお前のだ、多分サイズはあってるだろうよ」
 夜野は一枚の黒いワンピースを広げ、その場に立っている。馬鹿なことをしてないで逃げろと雪華が叫ぼうとした瞬間だった。
「え……?」
 困惑の声と共に、ドンの背後に足場の花弁とは違う花が咲いたような気がした。その様子を見た雪華の脳裏にとある幹部の姿が過る。
「……横取りはよくないんじゃないかな?」
 優雅に、そして冷静に。ゆっくりとした足取りでドンに近づいた雪華は、その場で片膝を付く。
「先程の予告状通り、貴女の未来を盗みに来ました」
 何言ってたんだと言いたげな夜野の隣でドンの胸がトゥンク……と高鳴る。それを感じた雪華は静かに歌い始めた。
 始めは独奏、美しいものに出会えた喜びの歌。それはやがて胸を焦がす情愛となり、盛り上がりと共に雪華は両手を広げる。
「さあ、きらめく世界を貴女に!」
 巨人の咆哮が歌声に交ざり、二重奏のサビが始まる。舞い上がる花弁と舞い降りる雪、交わるはずのない二つの吹雪が同時に巻き起こる幻想的な景色。
 呆然とそれを見つめていた夜野だったが、すぐにドンの髪に雪の結晶が付いていることに気づいた。
「寒そうな格好しやがって…見てるこっちが寒々しいんだよ!服を着ろ!服を!」
「やだ、俺様系ですわ……」
 二人の美男子のアプローチに思考がショート寸前のドンが疑うことなくワンピースを着ると、リードするように雪華が彼女の腰にくるりと何かを巻き付ける。
「あら、これはなんですの?」
「それはですね……こうです!」
 夜野と雪華は同時に【ワイヤーガン】の両端を引き、ドンの腰を締め上げる。
「ですのおぉぉぉ!?」
「悪いな……服を着たならこっちのもんだ」
 響く絶叫にうすら暗い笑みを浮かべる夜野。イケメンパラダイスからサイコサスペンスの世界に叩き落とされたドン、その半ば凍って身動きのとれなくなった身体に勢いよく刃が突き立てられた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

春日・釉乃
キリカさん(f03333)と出撃

ラビットバニーと同じだけど出力あがってそうだし気合入れなくちゃ
オーラ防御のある機械鎧『鶴姫』を装備

赤べこキャノンの軌道を第六勘で先読みし、一斉発射した『シールドスレイヴ』で早業の盾受けガード
九基のうち大半をキリカさんに当ててこちらは最低限

防ぎきれなかったダメージでボロボロになった機械鎧のマスクが割れて流血してる顔が見えるかもしれないけど…平気だよキリカさん
このくらい貴方が背負ってきた傷に比べたらさ

あの子もこんな感じにキリカさんことを守りたかったのかな…?なら、その分まで大切な人を守り抜きたいという渇望を流出して【絢爛に踊れよ剣の花嫁】
カウンターに鎧無視攻撃で一閃


キリカ・リクサール
春日(f00006)と出撃

フリーダム…怪人の首領か
手強そうな相手だな、こちらも最初から全力で生かせてもらおうか

春日に守られながらも敵のバリアが崩れるのを待つが…無茶はするなよ…春日…
機械鎧のマスクが割れて、血を流す春日見て歯噛みをする
私はまた…大切な友を失ってしまうのか…そうはさせん!
オーヴァルレイを飛ばし相手の攻撃をカウンタースナイプ
春日へのダメージをそらす

私は…もう守られるだけなのはイヤなんだ…
春日が私を守ると言うのなら、私も春日を守りきってみせる!

迸る想いを乗せて【苦痛の嵐】を発動
フルオートにしたシルコン・シジョンとオーヴァル・レイでの射撃も交えて一斉発射
春日と共に敵に一撃を与える



●背中合わせの剣と弾丸
「わぁ、意外と乙女チック?」
「だが一撃で巨人に膝を付かせるあの火力、侮れないぞ」
 ハニートラップに引っかかり、見事な一撃をもらったドンを見て春日・釉乃(”CHIPIE”・f00006)が意外そうに目を丸くする一方、赤べこキャノンの威力にキリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)は警戒するように目を細める。
「おやおや?新しい人ですのね。わたしく気が立っているのですので……ちょっとぶっ殺されてほしいんですの!」
 凍り付いたワンピースを砕き割りながら脱ぎ捨てたドンは二つの赤べこキャノンを両肩に担ぎあげ、その内右肩の砲を発射した。
「キリカさん!」
 キリカに向かって放たれた砲弾。その射線に割り込んだ釉乃の身体を装甲が覆い、瞬く間に機械鎧【鶴姫】が纏われる。それに加えて浮遊する八機の盾がキリカを守るようドーム状に展開され、残る一機は釉乃と砲弾の間に入り込む。堅牢な壁に囲まれたキリカの目の前で、釉乃の身体が炎と煙に呑み込まれる。
「春日!」
 吹きすさぶ熱風に対し、反射的に腕で顔をかばいながらキリカは友の名を叫ぶ。煙の中に鶴姫のシルエットが浮かび上がり、キリカの口から安堵の息が漏れそうになるが、それはすぐ戦慄に変わった。
「大丈夫、平気だよ……」
 煙が晴れ鮮明に映った鶴姫の姿は、無事とは言い難かった。
 装甲はひび割れ、関節部からは配線が飛び出し火花を上げている。頭部を守っていた面と兜が断頭されたようにズルリと転げ落ちると、そこからは衝撃で破損した内部機器の破片が突き刺さり血を流した釉乃の顔があった。
 いつの事だっただろうか、彼女は恋人とのデートの話を楽しそうにしてくれていた。それを聞いた自分は二人の仲が上手く行くように祈ると言った。そう言った自分が守られ、彼女が血を流している。
「青ざめてますわね、思ったより盾が使えなくて焦ってる感じですので?」
「ッ――!」
 煽りですらなく、純然たる疑問であるように呟くドンの言葉にキリカは歯噛みする。脳裏に浮かぶのは親友だった彼女の姿、自分が同じことを繰り返そうとしている事実に段々とキリカの視界が狭まり……。
「馬鹿にするな!」
 凛とした声が、戦場に響き渡った。
「この位、キリカさんが背負ってきたものと比べたらなんてこない……だから、馬鹿にするな!」
 叫びと共に、釉乃の身体が一つの特異点として変質を始める。【絢爛に踊れよ剣の花嫁】、個人を宇宙で覆うことで戦闘能力を高めるそれは発動すれば爆発的に戦闘能力を高めることができる。
「でも、遅すぎですわね!」
 放たれるもう一発の砲弾、未だ発動の終えていない釉乃が一か八か砕ける寸前の盾で攻撃を受けようとした瞬間、彼女の背後から放たれた弾丸が砲弾を迎撃した。
「春日、私も同じ気持ちだ……だから私にも、お前を守らせてくれ!」
 倒れる寸前の釉乃の隣に、肩を支えるようキリカが並び立つ。二人は一瞬だけ互いの顔を見合って小さく笑うと、ドン・フリーダムへと向き直った。
「ええい!わたくしそういうの、そういうの……大好き!」
 ドンの身体を守っていたバリアが消え去り、それを見逃さず二人が動く。慌てて後ろに下がろうとしたドンだったが、その背中に無数の弾丸が突き刺さる。
「っ、なっ……」
 逃げれない、避けられない。死角から来る弾丸がドンの足を止め、その隙に釉乃が肉薄する。掛け声はない、合図もいらない。彼女なら当てると、彼女なら近づけると、信頼が二人を結んでいる。
「覚悟っ!」
 気合一閃、釉乃の振るった斬撃がドンの身体を切り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

輓馬・桜
※アドリブ歓迎
僕の最大の味方である古代の戦士の弱点は、僧侶や神官による祈祷です。
日本出身の彼は念仏や祓詞を聞くと、何やら満足した様子で成仏してしまいます。
そうなると大ピンチですので、僕は「催眠術」で彼の人格をジャングル出身のゴリラへと変えることにしました。
ゴリラには日本語の祈祷なんて理解できませんから、成仏もしないわけです。
その後はゴリラ語(動物と話す、コミュ力)で意思の疎通をしながら、協力して戦います。
古代のゴリラの必殺技である炎のパンチが確実に命中するように、僕は鎖や血による「呪詛」で敵の動きを鈍らせます。
そんな感じで行きますウホ。


ラヴ・フェイタリティ
何が無限大の欲望だ!丸出しの欲望さらけ出しやがって!ボディペイントで一般紙並に露出度落としてやるァ!

ラヴ様が常識と正論を纏い放った一撃は、裸族の全裸にかける強い思いと濁流によって洗い流された。絵具を流しつつ水を被って露出度を更に上げるとは、どこまでハイレベル…!
激痛に耐え絶対再生を発動し辛うじて立つラヴ様だが、闘志は消えちゃいねぇ。ラヴ様にも背負うものはある。それは業界の明日だ!自主規制を目に見える形にすることで、業界はちゃんと対策を講じていると言い訳できるんだよ!
流される絵具はもはや要らねぇ!ヒロインパワーを謎の白光に変えて、重要箇所を狙い撃つ!
くらえ自主規制スプラッーシュ!第六猟兵万歳ー!



●自由と束縛
「どうやら良い一撃が入ったみたいですね」
 膝を付くドンに更なる追撃を仕掛けるために輓馬・桜(少年呪術師・f17773)は紙人形を構える。そんな彼の視界をラヴ・フェイタリティ(怪奇!地下世界の落ちものメインヒロイン!・f17338)が両手でそっと塞いだ。
「あの、見えないのですが?」
「うるせー!この御時世あんな丸出しの欲望さらけ出してる奴と小学生が鉢合わせるお話なんざ即刻ジョブス案件!後日修正食らってブラックアウト確定じゃ!」
 お色気に対して世間の目は厳しい……それが過激なものなら尚更、その視線は冷たく拒絶的なものとなる。
「というわけで、ボディペイントでその露出度を一般誌並みに落としてやるァ!」
「よくわかりませんが、戦闘であればお手伝いします!」
 とは言え目隠ししたままではお互い上手く動けないので、ラヴは桜の目を塞いでいた手をそっと離して巨大な絵筆を構える。
「ラヴ様、スプラーッシュ!」
 ラヴが絵筆を振るい広範囲に塗料を飛ばすと同時に、桜の召喚した戦士の霊がドンに対して距離を詰める。更に桜はラヴと戦士より後方に立つとドンの周囲を囲むように鎖を伸ばし、その動きを制限するとダメ押しと言わんばかりに鎖に呪詛を乗せる。
鎖に触れれば呪詛が身体を侵食し、鎖を避ければラヴの放った塗料が直撃する。かと言って動かなければ不利なフィールドで近接戦に優れた戦士と強制タイマン。
 必ずダメージを受ける選択を強いる二人の連携を前に、ドンはパンッと音を立ながら両手を合わせると、そのまま地面に両手を下ろす。
「気を付けてください、何か呼び出されます!」
 その行動の意図に召喚を得意とする桜が反応する。情報にもあったユーベルコードに対する反撃、一歩離れた場所で冷静に戦場を観察していた桜はその正体を探らんと警戒を強める。
 戦士の拳に炎が灯り、ドンの顔面を捕らえようと勢いよく振り抜かれる。危機を目の前にしてもドンはそっと手を前に突き出すと、正面からその拳を受け止めた。
「何ッ!?」
「オホホッ、祈祷ってご存知?」
 無論、荒ぶる魂を静め浄化する祈りは霊の最大の弱点。それをわかっているからこそ桜は対策も行っていた。
「ウッホオオー!」
 咆哮を上げ、戦士がもう一つの拳を振るう。催眠術により魂を野生へと返し、言語を理解できなくすることによって祓詞の効果を無くす。そうなるはずだ。
 しかしドンは軽々拳を受け止めるとチッチッと指を振る。
「本来祈りとは言葉が届くかわからない神に捧げるもの。言葉がわからずとも多少の効果はあるのですのよ」
 そう言ったドンの背中から出てくるのは万能祈祷師人形フリーシャーマン、これ一体で全ジャンルの祈りができる便利マシン。そしてその祈りの効果は荒ぶる魂を静めるだけではない。
 雲一つ無い虚空から、滝のような雨が降り注ぐ。その水圧は猟兵達を押し潰し、周囲の塗料を洗い流す。
「ふぅ、水も滴るいいてんさい……これぞフリーダム!」
 濡れた髪が身体に張り付き、ボディラインにそって流れ落ちる水滴は嫌がおうにもドンの肉体の女性らしさを強調する。
「ぐ、反撃と同時にセクシーさを上げるとは……」
 露出度は変わっていないが、濡れた肢体は実に扇情的。特に髪の貼り付いた胸部などは……げふんげふん。
「お前が、お前みたいなのが居ると……業界全体が平和にならないんだー!!」
 魂の叫びと共に、滑るようにラヴがドンへ近づく。ただ一人、ただ一人が間違いを犯すだけで、世間は業界全体が間違っているように見る。
 だがそれは違う。個人は個人、業界は業界、目に見える自主規制を続けることによって業界は対策を講じてるとアピールすることができる。
「うおおぉ!くらえ自主規制スプラッーシュ!」
 振り上げられた絵筆に絵の具は付けられていない。しかし筆先に貼り付いた水滴が煌き、ドン・フリーダムの身体を帯のような謎の白い光で隠す。
「これで、一般誌でも安……心……」
 その姿を見て、ラヴは力尽きたように崩れ落ちる。例え敗北が見えていたとしても、彼女は最後まで自らの思いを貫き通したのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

セリエルフィナ・メルフォワーゼ
色々言いたい事はあるけど、これだけは言わせてもらうね…
とりあえず服着てよ、おばさん!(無自覚な煽り)

敵が【レボリューション・ストーム】を使ってきたら、【鈴蘭の嵐】で風と<衝撃波>を巻き起こして暴風を<吹き飛ばし>てみるよ。
と言っても完全には打ち消せないだろうから、<オーラ防御>しつつ、<空中戦>で暴風に逆らわず身を任せながら<ダンス>して、可能な限り受け流してみるね。
足場破壊に関しては、『背中の翼』と【スカイステッパー】で空中を飛んで対応するよ。
そして暴風を受け流しながら<視力、見切り>で敵に狙いを定め、<カウンター、スナイパー>と併用した【コンセントレーション・スナイプ】で反撃するよ!



●行動の自由
「色々言いたいことはあるけどさ……とりあえず服を着てよおばさん!」
 セリエルフィナ・メルフォワーゼ(天翔ける一輪の君影草・f08589)による何度目かわからない格好の指摘に、謎の白い光で少しだけ健全になったドンはやれやれと肩を竦める。
「若いですのね旧人類、この自由な良さに気がつかないとは」
 圧倒的自由なドン・フリーダムに年齢の話は通じない、むしろ無駄に先輩面してくる。
「人は服を着なければならない、そんな常識に縛られているようではわたくしに勝つのは無理ですわね!」
 そう言って暴風を放つドンに対し、セリエルフィナは【鈴蘭の嵐】で対抗しようとする……が、放たれた鈴蘭の花弁は突如として巻き起こった暴風とは別の風によってあらぬ方向に飛んでいく。
「嘘っ!?」
「万能風見鶏チキンフリーダム、自分の好きな方向に特殊な風を巻き起こす装置ですの」
 ドンが解説をしている間にセリエルフィナの足元が崩壊を始め、慌てて【スカイステッパー】で飛び立つ。しかしそんな彼女の身体に追撃の【レボリューション・ストーム】が叩き付けられる。
「技を使えば隙ができる、隙ができれば技を使う……ちょうてんさいのわたくしをおばさん呼ばわりした罰をここで受けるといいですの!!!」
 だめ押しに放たれた【レボリューション・ストーム】により、セリエルフィナは完全に戦場から吹き飛ばされる。その様を見送ったドンは大人げなくガッツポーズを決めるのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ルエリラ・ルエラ
へ・・・変態だー!?
ちょうへんたいの間違いだこれ!

足場については前と一緒。[メカ・シャーク]に乗って確保するよ。
まずは[私の戦闘服]で全力の魔力障壁を展開。致命的な攻撃を『第六感』や『野生の勘』で回避しつつ、暴風に乗って空中まで上がるよ。
敵が足場を壊したタイミングに、きっと隙が生まれるから狙うのはその瞬間。
サメをくるりと上下反転。障壁展開に回していた魔力を、[私のブーツ]と【アインス】に回して、『覚悟』と『勇気』を込めて私は下の敵に向かって大ジャンプ!・・・格好良く落下?
零距離で一気にぶっ放すよ。服を着てないから余裕だね。
最後だもん。格好良く攻撃したいもんね。着地?知らない。なんとかなるよ。


リック・シックハント
ウインドゼファーのリベンジをさせてもらうよ!

【神秘の宝珠】で足場を作り、炭素繊維の性質を持たせた【思案する泥】を片側を体に巻き付けもう片側を足場に打ち込んで吹き飛ばないように固定し、背中から出した全身を覆う【黒の翼刃】の【武器受け】で暴風を防いで【超過憑依】を発動しよう

耐えたら泥と翼刃を解除して飛び上がり、超強化された羽ばたきで【衝撃波】を放って周囲の風を軽減させながら【野生の勘】で風を読んで接近するよ

接近後はこれまでの戦いから次の攻撃を【戦闘知識】で予測し【野生の勘】で死に物狂いで躱し、翼を使って体を高速回転させながら【黒の翼刃】を出現させ、遠心力を乗せた【捨て身の一撃】を決めよう!



●欲望の果てに
「うーん、天才は常識に縛られないとは言うけど……」
「てんさいじゃないよ、ちょうへんたいの間違いだよ!」
 ドンの格好を見て困ったような笑顔を浮かべるリック・シックハント(繋ぐ旅人・f00522)に対し、ルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)は珍しく少し焦った様子でリックの袖を引く。
「どいつもこいつも服、服、服。これだから視野の狭い旧人類は……もっとちょうてんさい的なユーベルコードとかに言うことがあるでっしゃろ?」
「いや、前に見たことあるし……」
「威力とか違うでしょぉー!」
 バッサリ切り捨てる二人にドンは悔しそうに地団駄を踏む。確かに全ての幹部の力を使えるというのは驚異的ではあるが、新鮮さとか斬新さとかで言えば微妙に薄いのは否めない。
「いいでしょう、それではそのもう見た技に蹂躙されるといいですの!」
 ドンが腕を振るうと同時に、彼女を中心に暴風が巻き起こる。ゼファーのそれを遥かに上回る威力で放たれた【レボリューション・ストーム】は花の足場を崩すだけではなく、舞い上がる花弁すら風で砕きながら二人に迫る。
「来たね、それじゃあリベンジさせてもらうよ」
 そう言って背中から生えた黒い翼で全身を覆うリックの周囲に魔方陣が展開され、すかさず【思案する泥】で作り上げたワイヤーを打ち込んだ。空中に身体を固定したリックは、正面から暴風を受け止める。
「確かに威力は上がってるけど、基本は同じ」
 一方メカ・シャーク号の上にサーフボードのように飛び乗ったルエリラは、自身の前方に魔力による障壁を展開するとそのまま暴風を受ける。しかし彼女は暴風に逆らうのではなく、その風に乗ってメカ・シャーク号と共に空中に浮き上がった。
「なるほど、戦線離脱は防いたのですね。……ではどれだけ耐えられるか試させてもらうですので!」
 ドンの操る風の動きは一定ではない、絡まったロープのように複数の風の流れが複雑に交差しており一つ読み間違えれば二つの流れに挟まれ身体が捻り切れる可能性がある。
 ルエリラの場合別の流れに移る瞬間に障壁を強めることで致命傷を防いでいるが、針の穴を通すような正確な作業の連続は確実に集中力を削っていく。
 そして流れに逆らい風を受けるということは、暴力的な風の圧力を一身に受けるということ。身体を守るリックの両翼は既に罅割れ、身体に巻き付いたワイヤーは限界まで引き絞られている。
 今はまだ耐えているが、そう遠くない内に全身がバラバラに引き裂かれることは目に見えていた。
 拮抗しているようで猟兵に不利な場面、最初に限界が来たのはリックだった。ワイヤーが弾け飛びその身体が宙に浮き上がる、徐々に後退していくリックの姿を見てドンがガッツポーズをした瞬間。リックの高さがルエリラと並んだ。
「ルエリラさん!」
 その叫びと共にリックが手を伸ばすと、ルエリラの正面に魔方陣が展開される。リックが自らの身体を固定するために【神秘の宝珠】で作り出した魔方陣、その壁によって生まれた無風地帯に入り込むようにルエリラは飛んだ。
「は?」
 この事態にドンが目を丸くする。メカ・シャーク号を蹴り、勢いをつけたルエリラが両足から光の翼を生やしまっすぐこちらに落下してくる。慌てて逃げようにも周囲の足場は全て自分が吹き飛ばした。
「行って、アインス!」
 ルエリラの弓矢から青い閃光が放たれ、ドンの胸を貫く。バランスを崩しその場でたたらを踏むドンだったが、すぐに体勢を立て直すと胸から伸びる黒い矢を掴む。
「い、いい一撃でしたわね……ですがこの程度では……」
 ふと、ドンの視線が胸に刺さった矢に向けられる。よく見ればその矢はとても長い、長すぎて矢尻が視界に入らない程だ。そのまま視線を先へ先へと上げていったドンは、その先端に繋がるリックの姿を見た。
「矢じゃない!?これはワイヤー!?」
「超過憑依!」
 ドンが事実に気づくのと、リックのユーベルコード発動はほとんど同時だった。風の残滓を利用して飛び上がったリックはワイヤーを辿って一瞬で距離を詰める。
 振り抜かれた黒い翼が、ドンの胴体を両断した。
「ああ、わたくしの自由が……欲望が……」
 ドン・フリーダムの輪郭が揺らめき、光となって霧散していく。蓄積したダメージのせいもあってまともな着地もできず地面に転がったリックは、自分の上に降ってきたルエリラを慌ててキャッチした。
「なんというか……手堅い決着だね」
「まあでも、あのちょうへんたいにはこの位の最後で充分だよ」
 システムフラワーズの最奥、徐々に再生していく花の地平線の上で二人の猟兵は笑いあった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月26日


挿絵イラスト