2
バトルオブフラワーズ⑫〜竜を制する観察者~

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ドラゴンテイマー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦争
🔒
#バトルオブフラワーズ
🔒
#ドラゴンテイマー


0




●そして元凶の一人は戦場を俯瞰す
「欲望は止められない……」
 システム・フラワーズで怪人幹部達との戦いと、これからドン・フリーダムとの最終決戦が始まる戦いを離れたところで見守る漆黒の男。彼の名前は「ドラゴンテイマー」。本名かは定かではないが、今回のシステム・フラワーズの侵入技術を提供した、いわば元凶の一人だ。
「ドン・フリーダムの思想は単純明快だ。そして、それは明確に世界を破壊する思想。私が与するに相応しい」
 ドン・フリーダムの性質故にドラゴンテイマーは彼等に、「侵略樹アヴェスタ」を与えた。そしてシステム・フラワーズ掌握まであと一歩のところまで近づいている。それは間違いない。だがそれができるかは彼ら次第。ドラゴンテイマーの役目は「持ち帰る」のみ。
「だが、奴らの出方も見ておきたい。いずれ私が、グリモアを再び手にする時の為に……」
 そう静かに期待もしている。自らの元に猟兵が来ることを。その周りには紫色のガスが立ち込め、暗雲のような悪い予感がしていた。

●グリモアベース・ブリーディングルーム
「ついにドン・フリーダムへの道が開けたわけじゃのー。皆、お疲れ様じゃと言いたいところじゃけど、もう一頑張りしてもらえんかのー」
 そう言ってグリモア猟兵のメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は電脳ウィンドウを開いて、システム・フラワーズから少し離れた場所を映し出す。そこには紫のガスのようなものを展開し、六枚の翼と赤き剣の腕を持つ漆黒の男が佇んでいる。
「奴の名前はドラゴンテイマー。本名かどうかは知らんけど、今回ドン・フリーダム一味がシステム・フラワーズに侵入する技術を提供したオブビリオンじゃのー」
 現在は役目を終えたとばかり、戦争を観察しているように見える。ドン・フリーダムとの戦いを邪魔するわけではないので、決して倒すべき相手ではない。だがこれを放置しておくと悪い予感がするのは、猟兵として、そしてグリモア猟兵としても嫌な予感がする。そう前置きをして、メイスンは猟兵達にお願いをする。
「ただ、この敵は間違いなく怪人幹部達より強敵じゃけー、気を付けてのー。ただ勝てない相手は皆にはおらんはずじゃけー、しっかり気を持ってのー」
 そう言いながら転移を開始するメイスン。漆黒の竜をも支配に置く強者の気配感じるオブビリオンとの戦い。死闘の言葉すら生温い闘いが、始まろうとしていた。


ライラ.hack
 何という強敵臭。こっちがラスボスっぽい。
 どうもこんばんわ、皆様。ライラ.hackです。

 このたびはシステム・フラワーズに侵入する技術を提供した謎のオブビリオン「ドラゴンテイマー」を撃破するのが目的です。
 ドラゴンテイマーがいるのは、システム・フラワーズの中枢から少し離れた場です。
 なお戦争の戦略上、この敵は必ず倒す必要はありません。
 またドラゴンテイマーは倒されても別地点で復活する仕組みです。
 その本領は「黒竜ダイウルゴスを召喚する能力」であり、今までのどの敵より強力といっても過言ではありません。
 さらにこのシナリオは以下の特殊ルールがあります。

●特殊ルール
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

 以上です。特殊ルールもありますが、子の敵は戦争の勝利条件とは関係ありませんが、敵は倒しておくに限ります。
 さらに今までのどの敵より強力であり、また激戦が予想されます。油断されないようにお願いします。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
119




第1章 ボス戦 『ドラゴンテイマー』

POW   :    クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【逆鱗】に1と刻印された戦闘用【大型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    文明侵略(フロンティア・ライン)
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:ハルヨリ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

レパル・リオン
ついに出たわね…裏ボス怪人!

(正直、勝てる気がしない…だからって、)
アンタに挑みもしないなんて、ヒーローの名折れってもんよ!

どんな技を使うよりも前に、アイツの竜があたしを襲うなら…
思い切って、あえて竜に丸呑みにされる【覚悟】を決めるわ!

竜のお腹の中では【オーラ防御】【激痛耐性】だってあるわ!そして【転衣召還】!服を早着替えして変身、竜のお腹を突き破って登場よ!

あたしが変身したのは、光の冒険者!名付けて、『シャイニング・アドベンチャー』フォーム!

左手には『獅鬣盾』!右手は神聖属性を宿し、握りしめたあたしの拳!

黒竜ダイウルゴス!そしてドラゴンテイマー!
あたしの【勇気】と!光の拳を、受けてみろーっ!



●黒を引き裂く光の少女
「ついに出たわね…裏ボス怪人!」
 レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)は戦場へと降りたつ。現在自身が住むキマイラフューチャー世界を救う為、と戦いに投じている身としては、この戦場で戦う意味はあまりない。だが、その一因を作り上げたドラゴンテイマーを逃すほど彼女の正義感は優しくはなかった。故に強敵であろうとも打倒するために立ち塞がるのみである。
「来たか、猟兵。では力を示すがいい」
 紫のガスと、六枚の翼、そして赤き剣の腕を持つ漆黒の男・ドラゴンテイマー。その威圧感は今まで対峙してきた三幹部を凌駕する。下手をすると、ドン・フリーダムよりも……と考えが過ぎるが、その直後に巨大型黒竜ダイウルゴスが出現する。その数は数えるのすらバカバカしい。巨体故に辺り一面が漆黒に覆われているという表現が正確である。
(正直、勝てる気がしない…だからって)
 自分の中で弱気が顔を出す。だがそれに負けていた頃の自分を思い出し、気合を入れ直す。もう自分は弱い頃のキマイラではない。ヒーローであり、猟兵なのだから。
「アンタに挑みもしないなんて、ヒーローの名折れってもんよ!」
 そしてダイウルゴスの大群が口を開けて光線を発射する。文明すら侵略すると言われる魔の光線。レパルはそれをある程度は避けれないという自覚を持って、ダメージ覚悟で回避していく。ダイウルゴスの光線を掠める度に尋常ではない激痛が襲うが、彼女は構わない。彼女の戦闘スタイルは近接格闘、ドラゴンテイマーに近寄らなければ意味はない。だが一体のダイウルゴスが近寄った彼女に咢を広げる。そしてその巨大なるドラゴンの口は彼女を飲み干す。
「・・・・・・中々果敢ではあったが、突撃だけでは我が黒竜は突破はできんよ」
 ダイウルゴスに飲み込まれたことを確認し、踵を返そうとするドラゴンテイマー。だが次の瞬間、レパルを飲み込んだダイウルゴスの腹部から光が漏れだす。そしてその光は背中を突き破り、ダイウルゴスを引き裂く。そこから出てきたのは魔法少女の衣装に着替えたレパルだった。
「これが『転衣召還(クロッシング・フォームチェンジ)』・光の冒険者!名付けて、『シャイニング・アドベンチャー』フォームよ!」
 そう、レパルはわざとダイウルゴスに飲み込まれたのだ。ドラゴンの体内ではオーラ防御にて対処。そして胃まで到達すると自身の能力「転衣召還」によって魔法少女の衣装を呼び出し早着替えをして、得た能力でダイウルゴスの腹部を突き破ったわけだ。
 突き破ったダイウルゴスの身体を蹴って、ドラゴンテイマーへと飛翔するレパル。近づく彼女に対し、もちろんドラゴンテイマーは同化した剣で対応するが、左手に持った「獅鬣盾」で斬撃を防ぎ、右手を力いっぱいに握り締める。その拳には神聖属性が宿り、無限の光を放つ。
「黒竜ダイウルゴス!そしてドラゴンテイマー!あたしの勇気と!光の拳を、受けてみろーっ!」
 そしてレパルの拳がドラゴンテイマーの顔に突き刺さる。神聖なる力が体内へと流れ込み、ドラゴンテイマーにとっても久方ぶりの痛覚を感じることになった。あれだけの力を込めたにも関わらず致命傷にならなかったことにレパルは驚くと共に、確かなダメージを見て取ったことに安堵する。決して倒せない相手ではないと。
「なるほど、これがグリモアを擁する猟兵か。やはり侮れん」
 ドラゴンテイマーは手をかざすと背後の巨大ダイウルゴスがレパルを襲わんと近寄ろうとする。同じ手が通じるほど甘い相手ではない。そう考えるとレパルは戦域を全力で離脱し、さらなる一手を講じる猟兵達に戦果を期待するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

白皇・尊
竜を使う強大な術師…出し惜しみして勝てる相手じゃないですね、僕の命を懸ける必要があるようです。

☆戦法
先制攻撃に対抗する為『オーラ防御・かばう・拠点防御』の力で【物理、術、呪いなどあらゆる攻撃から身を守る強固な防御結界を張る符術《守護法陣》】を展開して自身に守護結界を付与、守りを固め黒竜からの攻撃に耐えながらあえて【吸精妖術】を発動。
「まだだ、まだやられてはいない!」
攻撃を吸収する力と守護結界の守りを頼りにギリギリまで耐え、力を極限まで蓄えたら霊剣を『怪力』で振るい黒竜を『なぎ払い』、ドラゴンテイマーを『串刺し』にして『生命力を吸収』し尽くして殲滅します。
「この一撃に、全てを!」

※アドリブ歓迎



●漆黒の絶望に挑むは妖艶なる仙狐
 次にドラゴンテイマーが陣取る戦域に現れたのは白皇・尊(魔性の仙狐・f12369)。外見年齢は14才ほど、華奢な体躯を艶めかしい女性に見えるが、その実態は相応の年を重ねた紅顔の美少年妖狐である。傍若無人、慇懃無礼を貫き通す腹黒妖狐であるが、目の前の脅威に対してしっかりとした実感を持って対峙している。
「ふむ、次は妖狐か。さきほどのキマイラは勇敢であったが、どのような策を見せてくれる?」
 そういうとシステム・フラワーズの花びらがみるみるうちに黒竜ダイウルゴスへと変わっていく。それはまるで文明を侵略していくかの如く、悪夢のように連鎖的かつ爆発的に数を増やしていく。そんな悪夢を目の前にして尊は真剣な顔つきになる。
「竜を使う強大な術師…出し惜しみして勝てる相手じゃないですね、僕の命を懸ける必要があるようです」
 ダイウルゴスが爆発的に増えていく隙を見計らって、尊は自身の符術《守護法陣》を展開。物理・術・呪いなどのあらゆる攻撃から自身の防御を高める防御結界を張り巡らし、先制攻撃に備える。そして悪夢のように増えたダイウルゴスの大群から光線が発射される。自身の術に自信を持っていた尊ではあったが、過去に前例のない凄まじい攻撃力を持つ黒竜の光線、しかも無数に発射される砲火に防御結界が早くも軋みを上げる。
「まだだ、まだやられてはいない!」
 防御結界の限界が予想以上に早く訪れる。その結末を予期した尊は能力「吸精妖術」を発動。自身の身体に青白い妖力の結界を展開。あらゆる攻撃を吸収する結界であり、攻撃の威力と回数に比例した戦闘力増強と、生命力吸収能力を得るという、まさしく攻防一体の結界である。そして次の瞬間、防御結界を砕き、無数の光線が尊へと突き刺さる。その力の上昇はまさしく今までないもので、彼自身食らったことのない攻撃力であることは自覚できた。それが数えるのも馬鹿らしいほどの数で襲い掛かってくるのだ。
 だが予想外というのは戦闘ではいつものことである。文明侵略の光線は尊の吸精妖術の結界が吸収しきれないほどの数で降り注いでくるために、肉体ダメージが積み重なってくるのだ。そうなれば、尊とて我慢比べ。自身の限界と、吸精妖術による戦闘力増強。それを見極めて最後に解き放つのだ。
 そしてその瞬間は訪れる。限界を見極めた瞬間、尊の行動は早かった。出現させた霊剣を溢れ出す力のまま振い、ダイウルゴスの大群を薙ぎ払う。黒竜が花びらへと還った瞬間、黒一色に染めれた景色に一条の光が生まれる。その先にドラゴンテイマーがいる。そこに向かって地面を蹴り、ドラゴンテイマーへと霊剣を向けて突進する。だがドラゴンテイマーもただでは辿り着かせない。ダイウルゴスを操作し、一斉射撃の光線を尊へと浴びせる。だがダイウルゴスの光線を浴びながらも勢いを止めることなくドラゴンテイマーへと一直線に飛翔する。
「この一撃に、全てを!」
 そして尊の霊剣はドラゴンテイマーの肩へと深々と突き刺さる。そこから溢れてくるのは生命力。つまり吸精結界による吸収能力だ。身体の傷と疲労が和らいでいく感覚が、尊を支配する。
 後はドラゴンテイマーから生命力を吸収し、殲滅するのみ。そう思った彼の思惑は、すぐさま霊剣を力づくで引き抜くドラゴンテイマーによって崩れ去る。さすがの尊もこれには驚きの表情で、そしてドラゴンテイマーは賞賛の表情で返す。
「黒竜を薙ぎ払い、私に剣を突き刺すとは見事。惜しむべきは……、攻撃を喰らい過ぎたな」
 そう、尊の唯一にして致命的な誤算。攻撃に移行する際にダイウルゴスの攻撃を貰い、強力な戦闘能力をもってしても埋められない体力の損耗があったことだった。それは生命力吸収をもってしても補えなかった。ドラゴンテイマーは霊剣を手に持ちながら、尊を蹴り飛ばす。強烈なる攻撃は尊をそのまま戦域外へと弾き飛ばすもので、さきほどの生命力吸収で何とか耐えられるものだった。
「……やはり、らしくなかったですかね?」
 柄にでもなく命がけなど、と自嘲しつつ尊は遠くなっていくドラゴンテイマーの姿を見ながら、意識が遠くなっていくのを感じていった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

黒夜・天
オレはルーレット・ミニに溜めた幸運を【大食い】し、能力を底上げしながら笑って、走る
テメエが無機物を変換したら、オレは自分に感染させたミゼリーウイルスを群れに感染させ、ウイルスを通して【生命力吸収】する
悪球を当てて怯ませた群れの一匹を災禍の腕で掴んだら、【敵を盾に】しながら【範囲攻撃】で群れを薙ぎ払う
そのまま不幸【属性攻撃】と【呪詛】を纏わせて握った竜をテメエに投げる。さらにさっき攻撃して落とした竜も投げる、投げる!
そのままジャンプし、【敵を盾にし】ながらテメエに飛び込む!
変換解除しても無機物を盾にするぜ

接近できたかよ!
「ミゼリー・ラブズ・カンパニー!!」
召喚した霊でそのまま【捨て身の一撃】だ!



●不運(ハードラック)と舞踊(ダンス)せよ
「よう、竜使い。次はオレと戦ってくれよ」
 ドラゴンテイマーの戦場に現れたボロボロの布を纏った貧相な少女。彼女の名前は黒夜・天(有害無益の神・f18279)。侮ることなかれ、彼女は不幸を司る神。疫病神にして貧乏神。主食に幸福、ドリンクに健康、デザートに財産を喰らい、不幸を、貧困を、災いをまき散らす災厄の形そのものなのだ。
「神の一柱か。だがもはや神とて滅ばない理由はない」
 ドラゴンスレイヤーは不幸をまき散らす神を視認すると、何の感慨もなく舞い散る花びらを黒竜ダイウルゴスに変換していく。無限増殖を繰り返す黒竜だが、天は笑みを絶やすことはない。
「さあ行くぜテメエ!ハハハハハハッ!」
 増殖をしている間にリスキールーレット・ミニという運を溜め込めるルーレットから幸運を食らい、能力を向上。その身体能力に任せ、笑いながらダイウルゴスの群れに疾駆する。だが現在進行形で増え続ける黒竜達がそんな彼女を逃すはずがない。無数の光線を口から放射し、天を焼き尽くさんとする。そこは溜め込んだ幸運を浪費し、「何故か」回避できるルートを選択し光線を避ける天。さらにミゼリーウイルスという自身が保菌するウイルスをダイウルゴスに感染させて、不幸を増幅、さらに生命力も奪取しようと作戦だ。
「なるほど、不確定要素を操作するか。ならば数で押すまで」
 即座にダイウルゴス達の異変に気付いたドラゴンテイマーはさらにダイウルゴスの増殖ペースを上げる。そして運の要素など入り込む余地のない光線の雨を降り注ぐ作戦に切り替える。天も光線に貫かれた矢先に、生命力吸収で傷を塞いでいく。だが溜め込んだ幸運も、ミゼリーウイルスも食い潰さんと迫るダイウルゴスの殲滅攻撃。このままではジリ貧になると感じた天は、手に持ったオーラの玉「悪球」をダイウルゴスの一体に投げつけ体勢を崩し、背中から生えた災禍の腕で掴み光線の盾とする。光線になった穴だらけのダイウルゴスを力のままに振り回し、周囲の黒竜を薙ぎ倒す。
 そして手にしたダイウルゴスをドラゴンテイマーに投げつける。だが操作したダイウルゴスに阻まれる。だが天は止まらない。薙ぎ倒したダイウルゴスを片っ端から掴み、ドラゴンテイマーに投げ続ける。その間にも天に周囲のダイウルゴスから光線が降り注ぎ、身体を抉り取っていく。
「まだまだまだまだまだァ!」
 だが身体が吹き飛ぼうが関係がない。薙ぎ倒したダイウルゴスの最後の一体を災禍の腕で掴み、振り回しながら光線の盾としながら、天は飛翔する。連続投擲が効いたのか、ドラゴンテイマーへの肉壁が薄くなっている。そこにダイウルゴスを叩きつけ、ドラゴンテイマーへの接近に成功する。
「接近できたかよ!ミゼリー・ラブズ・カンパニー!テメエが不幸世界の中心だ!」
 満を持して天の能力「ミゼリー・ラブズ・カンパニー」が発動。殴った相手を不幸吸引状態にする黒い人型の霊を召喚し、全力でドラゴンテイマーを殴る。その瞬間、不幸を呼び寄せドラゴンテイマーにダメージを蓄積させる。その際たる例が目の前の天だ。災厄の疫病神だ。自身の身を削った不幸は、最悪の捨て身の一撃となる。
「残念だが、不幸の中心はお前だ、神よ」
 だが幸運もここまでだった。増殖したダイウルゴスの爪が天とミゼリー・ラブズ・カンパニーを切り裂き、光線で貫く。不幸状態を解除するために的確な攻撃をドラゴンテイマーは慣れない感覚の中でやってのけたのだ。だが天はあくまでミゼリー・ラブズ・カンパニーを解除しない。不幸という災厄はドラゴンテイマーの内部でじわじわと液体のように浸食していく。
「ハハハハッ、オレは貧乏神だぜ?憑りついたら離れないに決まってるだろ!」
「大した執念だ。ならば、無理矢理ご退場願おうか」
 そういうとダイウルゴスの大群を操作し、天に突撃を繰り返す。無限増殖したダイウルゴスが砲弾のように天に突撃してくる。間もない突撃に、天は戦場外へと吹き飛ばされていく。だが空高く飛ばされていく天は仕事をやり切ったように高笑いを続けていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

杼糸・絡新婦
対先制攻撃
【フェイント】を入れ行動し
向こうからの攻撃タイミングを図り脱力、
オペラツィオン・マカブルを発動し、
排出させる。

【忍び足】利用し、ドラゴンテイマーに出来るだけ近づいて、
直接攻撃を返せるよう狙う。

ダイウルゴスが大量に召喚されているなら、
【敵を盾にする】を利用し、防御に利用、

【パフォーマンス】で意識こちらへむけつつ、
他の人への攻撃へも間に合うなら
【かばう】を利用して脱力して受け止め、
サイギョウから攻撃させる。


旨い所だけ持っていこうなんて、
それこそコンコンやないんやから都合よくいかんよ。
それに、お前は出来るだけ
削ったほうがええて思うんよ、全力で。


ネージュ・ヴァレリエ
笑えよ、キミも暴虐を成すものだろう?
それに僕より強いんだろう?なら笑って嬲り殺せばいいんだ
……タダでそうできるのならば、だけれど

先制攻撃への対処?要らないよ
ぼくの【死の舞踏】は死んでからが本番だ
地ベタを這いずり回っても、泥だらけになっても、踊りきってやろうじゃないか

さあ踊ろう同類たち!
磔になっても、踊れなくても、ぼくが止まるまでこの舞踏会は終わらないのさ!
有り余る魔力を使って<Νέμεσις>を大量の槍に、そして【2回攻撃、範囲攻撃】で槍の雨だ
首を落とそう、そしたらその血を啜ろう、【生命力吸収】さ

ああ、もちろんキミも傍観者の立場でいるのは許さないよ
<ドラゴンランス>を【槍投げ】してあげるよ



●死すら繰糸し禍を転ず
 次に戦場に現れたのは杼糸・絡新婦(繰るモノ・f01494)とネージュ・ヴァレリエ(悪竜・f15857)だ。ドラゴンテイマーは内部に蠢いていた不幸に対応できたばかりで、少し苦々しい顔をしている。
「笑えよ、キミも暴虐を成すものだろう?それに僕より強いんだろう?なら笑って嬲り殺せばいいんだ……タダでそうできるのならば、だけれど」
 最初に挑発したのはネージュだった。ヴァンパイアの父とドラゴニアンの母の間に生まれたダンピール、本質は純粋なる悪ながら、美しい滅びを望む者。ドラゴンという最強の殲滅能力を持つ敵に彼は薄らかに笑う。
「旨い所だけ持っていこうなんて、それこそコンコンやないんやから都合よくいかんよ」
 飄々とした雰囲気で言ってのけるのは絡新婦だった。鋼糸のヤドリガミであり、白い着物を着用し、その傍らにははかつて持ち主が作った人形を模したもの・狩衣を着た狐人【サイギョウ】がいる。彼は一人勝ちは許さんと意志を示す。
「今度は二人がかりか。力を合わせればどうなるか、見物だ」
 そしてドラゴンテイマーは巨大なダイウルゴスを召喚する。逆鱗には数字が刻まれている。数においては文明侵略(フロンティア・ライン)に劣るものの、巨体による威圧感は数で圧する雰囲気に勝るに劣らない。その口からは相手を撃滅せんと大口径の光線が放たれる。
 その大規模攻撃に絡新婦はフェイントを入れて回避しようとするが、間に合うかどうか微妙だ。だがその思惑を吹き飛ばしたのはネージュだ。絡新婦の目の前に立ち塞がり、両手を上げて光線を迎え入れようとしている。
「ぼくが引き受けたよ。さあ殺すといい」
 そう言ってにこやかに光線全弾を受けるネージュ。二人を殲滅せんと放たれた巨大ダイウルゴスの光線は、ネージュの四肢を引き裂き、焼き尽くし、心臓を抉り、脳天を吹き飛ばす。そこに残ったのはネージュと呼ばれた者の残骸だけであった。
「仲間の盾となって死んだか。たいした自己犠牲の精神だな」
 残骸と成り果てたネージュに一瞥して、次は絡新婦と言わんばかりにダイウルゴスの光線を発射させる。だが一手防いだことにより、準備は出来た。ユーベルコード「オペラツィオン・マカブル」を発動させ、完璧な脱力と共に光線を無力化。人形を輩出して難を逃れる。
「相方がやられたが、まだ戦うと?」
「……お前は出来るだけ、削ったほうがええて思うんよ、全力で」
 そうか、と言わんばかりの表情をし、ドラゴンテイマーは再びダイウルゴス達に攻撃命令を下す。オペラツィオン・マカブルによる脱力や、足さばき、さらにダイウルゴスを盾にする位置取りなどを利用して徐々にドラゴンテイマーとの距離を詰めるものの、徐々に神経と体力を削られていく絡新婦。限界を迎えるのは早いとドラゴンテイマーは見立てていた。
 しかしその思惑を崩したのは、別方向から溢れ出す力の奔流だった。それはネージュの死体という残骸から放たれていた。いや、もはや残骸ではない。身体は再構築され、ネージュの身体からは強力な魔力が発せられている。
「地ベタを這いずり回っても、泥だらけになっても、踊りきってやろうじゃないか」
 これはネージュの能力「死の舞踏(サダメ)」によるものだ。スピードと反応速度が爆発的に増大する強大な魔力を持つ魔王に変身することができるが、その条件が一度死ぬ、ということなのだ。まさしく諸刃とも呼べる条件、だがネージュは成し遂げた。
「死ぬことが発動条件のユーベルコードとは、少し驚いた。だが、もう蘇生はできまい」
 そこからダイウルゴスの大口径射撃を行わせるドラゴンテイマーはもう一度ネージュを撃ち殺さんとする。だがネージュは有り余る魔力を使って<Νέμεσις>と呼ばれる血と魔力で形成する拷問具を大量の槍に変化、それを対抗するように巨大なダイウルゴス達に向けて槍の雨を降らせる。串刺しになるダイウルゴス、光線の軌道を変えさせることに成功したネージュは全弾直撃の悪夢を避けることができた。
「さあ踊ろう同類たち!磔になっても、踊れなくても、ぼくが止まるまでこの舞踏会は終わらないのさ!」
 そうして串刺しにしたダイウルゴスの首に歯を立てて、血を啜ると共に生命力も吸収する。そうして光線で焼き切れた組織の再生を行う。そんなネージュに向かってドラゴンテイマーはダイウルゴスによる集中攻撃を行おうとする。
「自分への注意が散漫になっとる。怠慢やな」
 ネージュへの集中が仇となり、絡新婦が近づく隙を与えていた。そのチャンスをしっかりと冷静に行動、懐に忍び込み、サイギョウを操りドラゴンテイマーの身体を引き裂く。しまったと言わんばかりにドラゴンテイマーも剣を振り下ろすが、サイギョウが身を挺して防ぎ、バックステップで再び軽やかに距離を取る。そしてダイウルゴスの大口径集中攻撃が炸裂した地点から、一筋の光が飛翔する。そしてそれはドラゴンテイマーの腹部を貫く。
「ああ、もちろんキミも傍観者の立場でいるのは許さないよ」
 ダイウルゴスの光線攻撃を受けながらも、隙を見せたドラゴンテイマーに向かって抜け目なくドラゴンランスの投擲を行っていたネージュ。絡新婦の攻撃の後だけあって、ドラゴンテイマーもそれを避けることができずに直撃する。さすがのドラゴンテイマーも臓腑を抉られる感覚に吐血するが、すぐに槍を引き抜き、そこら辺に投げ捨てる。そして再びダイウルゴス達の光線で今度こそネージュを吹き飛ばそうとする。
 だがそれに立ち塞がったのは絡新婦だ。完璧な脱力によりオペラツィオン・マカブルが発動し、光線を無効化し人形を大量排出。
「そろそろ引き時やろ?」
「もう少しやってもいいんだけどね」
 だが死の舞踏の代償も少なくない。二人の判断は一致し、ネージュと絡新婦はダイウルゴスの光線に対処しながら、戦場を離脱する。その引き際はドラゴンテイマーが手傷を負ったこともあり、追撃困難となることもあって完璧ともいえるものだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

シャイア・アルカミレーウス
君が何をしたいのかは知らないけど、僕の故郷に手を出したことを反省させてあげるよ!

(pow)
生半可な威力じゃとっぱできないなら、一撃に全力全開だ!
『魔術師の咆哮』を最大火力になるまでチャージ!

「野生の勘・視力・空中戦」で飛行して相手の行動を予測しながら回避。砂塵や花びらを巻き上げての目潰し。避けきれない攻撃は「勇気・盾受け」で受け流す!
竜も竜使いもまとめて吹きとばせるまで「力溜め」をするよ!

魔力の充填が終わったら杖の術式の「封印を解く」よ!
「破魔・全力魔法」をのせた僕の全力だ!

ドラゴンテイマーだか知らないけど、僕の杖に宿った竜の力まで降せるものなら降してみせろ!

※アドリブ歓迎


フィロメーラ・アステール
「むむむ……こいつは一筋縄ではいかない相手!」
【気合い】を入れて自分を【鼓舞】するぞ!
ただ逃がしては猟兵の名がすたる! 行くぜー!

輝く【オーラ防御】バリアを展開!
【迷彩】魔法でかく乱しつつ【空中戦】を仕掛けるぞ!
大型相手だし【スライディング】で抜けられる隙間も大きいはず!
ブレスみたいな避けにくい攻撃は【第六感】で察知することで直撃回避、バリアで受けきれる範囲に留めて行く!

敵本体に接近できる機会が来たら【全力魔法】で急加速!
【星界式瞬間加速法】で【残像】も置き去りに!
そのまま【破魔】【属性攻撃】の【踏みつけ】キックを、【ジャンプ】回数の残る限り繰り出して攻撃だ!
翼いっぱいあるし的は大きいと思う!



●希望は花びらと共に舞い、黒竜を刺す
 猟兵達の見事な連携は確実にドラゴンテイマーという上位者にダメージを蓄積し、その身体を追い詰めていく。ただその余裕はまだ覆ることはなく、考えを巡らせる余力すらある。
「やはり猟兵、面白い存在だ。そして、お前達も見せてくれるのか、可能性を」
 ドラゴンテイマーがその視線を向けた先には、二人の少女が危険なる戦域に足を踏み入れていた。一人は、鷹の翼と蛇の尾を持つキマイラの少女、シャイア・アルカミレーウス(501番目の勇者?・f00501)。ひょんなことから見習い勇者として活動することになったが、キマイラフューチャー世界の危機とあって勇気を持って強敵に立ち向かう。キッとドラゴンテイマーを見据えるシャイア。
「むむむ……こいつは一筋縄ではいかない相手!」
 そんなシャイアの周りを飛び回る金色のフェアリーがフィロメーラ・アステール(SSR妖精:流れ星フィロ・f07828)である。運命の風に乗って漂流する星くずの妖精であり、ノリと勢いで行動して応援していくのが仕事ではあるが、さすがの彼女も今回のドラゴンテイマーが只者ではないことを理解していた。だからこそ、シャイアという勇者を見つけ、行動を共にしたのだ。
「君が何をしたいのかは知らないけど、僕の故郷に手を出したことを反省させてあげるよ!」
「ただ逃がしては猟兵の名がすたる!行くぜー!」
 シャイアが愛用の杖「ワンド・オブ・マジックミサイル+5」を構え、フィロメーラが気合を入れて戦闘態勢に入る。だが少女二人に対し、ドラゴンテイマーはあくまで冷静で、油断は一切ない。
「来るがいい、猟兵」
 そして喚び出すは巨大型ダイウルゴス。その大口から大口径の光線が吐き出される。さらに近寄って踏み潰さんとする者も出てくる。多彩な波状攻撃を繰り出すダイウルゴス軍団に対し、二人が取った方策は自身の翼を生かした空中戦である。
 鷹の翼を羽ばたかせ飛翔するシャイアは、自身の勘と目を生かしてダイウルゴスの行動を予測して回避機動を実践。舞い散る花びらも目潰しにしながら、うまく活用し、避けきれない攻撃は盾でうまく受け流していく。
 妖精の翼で優雅に舞うフィロメーラは、光輝くオーラを身に纏い、防御バリアを展開。さらに迷彩魔法を使って景色と同化して視認しにくくして、その小さい身体を駆使して大口径光線を巧みに躱していく。しかし油断はせずに感覚を研ぎ澄まして、ダイウルゴスの動きを見極める。彼女が狙うのは、ドラゴンテイマーに近づいてからの乾坤一擲の一撃だ。
 対してシャイアは回避しながら杖に魔力を貯め続けていた。これは彼女の能力「魔術師の咆哮(ウィザードリィ・ブラストマギア)」の破壊力を最大に高める為だ。最大火力になるまでにチャージし、頃合いで封印を解いて最強の一撃を叩き込む。それこそが彼女の狙いであった。
(生半可な威力じゃとっぱできないなら、一撃に全力全開だ!)
 だが高まる魔力に危険を察知したドラゴンテイマーの行動は早かった。接近しようとするフィロメーラにはダイウルゴスの大群を放ち、自身は猛然とシャイアに接近する。力が溜まりきる前に潰す。その殺意の篭った赤き剣の腕を振り下ろす。咄嗟のことにシャイアは盾で防御する他なくなる。だがドラゴンテイマーの本命はその後の追撃だ。剣から召喚されたダイウルゴスの大群が、至近距離からシャイアに襲いかかる。あまりの突然の猛襲。シャイアは防御しながらも、防ぎきれない攻撃に身体が削られていく。
 だがシャイアにドラゴンテイマーの意識が行っているということは、フィロメーラにとっては千載一遇のチャンスでもある。迫り来る巨大ダイウルゴスや大口径光線を掻い潜り、ドラゴンテイマーを視界に捉える。その機会が来たと言わんばかりに温存していた魔力を解き放ち、急加速する。さらに彼女の能力「星界式瞬間加速法(スターリー・ロケットスターター)」で空中を蹴って、自身の残像すら残る飛翔を見せる。
「世界の果てまでかっ飛ばすぞー!」
 ロケットのように突っ込むのはドラゴンテイマーの翼。加速した勢いのままにドラゴンテイマーの左翼に着弾。そのまま恐ろしいまでの連続蹴りを炸裂させ、一気に突きつける。彼女が通過した瞬間、ドラゴンテイマーの一翼は見事に捥がれていた。
「なん、だと。一体何が……!」
 ドラゴンテイマーからすれば、突然翼が切断されたのだ。飛行はできるものの、バランスを失い、初めて焦りの色が表情に現れる。そしてその隙は、ダイウルゴスの猛攻でボロボロになったシャイアに攻撃の希望を与えた。これを逃せばもう二度とチャンスは訪れない。防御しながらも魔力を蓄え続け、最大最強魔力を解き放つ。その迸る魔法の奔流には確かに希望が宿っていた。
「ドラゴンテイマーだか知らないけど、僕の杖に宿った竜の力まで降せるものなら降してみせろ!」
 シャイアは突撃して杖にをドラゴンテイマーに叩きつける。対するドラゴンテイマーも赤き剣を杖に当ててダイウルゴスの大群をもって攻撃ごと食い破ろうとする。そして衝突の瞬間、太陽が降臨したかの如く、強大な光が周囲を包む。これこそ、シャイアの奥の手「魔術師の咆哮」。巨大な暴走寸前の圧縮魔力弾が、シャイアが限界まで溜め込んだ魔力と相まって、対峙する者を容赦なく破壊していく。迫るダイウルゴスの大群も、ドラゴンテイマーの赤き剣も、その先の翼も、一切合切を蹂躙していった。
 太陽の閃光が終わった時、青色吐息のシャイアの目の前には、ドラゴンテイマーが立っていた、だが、その姿は壮絶。その右翼はすべて消し飛び、右腕の剣はおろか、身体の半分を持っていかれている。明らかな致命傷だった。
「見事…、やはり、興味深いもの、だ。グリモア、を手にし者達、よ…」
 そう言い残し、ドラゴンテイマーの残りの身体も崩れ去り消失していく。召喚されたダイウルゴス達も主の消失と共に霧散していく。シャイアは途端に力が抜けて地面にへたり込む。その側には心配そうにフィロメーラが飛び回っている。
 彼女達の連携は見事にドラゴンテイマーを打倒した。だが万全であったならば、その連携が当たっていたかはわからない。すべての猟兵達が最善を尽くし、掴み取った勝利。それに感謝しつつ、シャイアは安堵して一息ついて笑ったのだった。
 すでにドン・フリーダムは倒れ、戦争の趨勢は決した。だが、最後の難敵ドラゴンテイマーにトドメを刺す一撃の一つになったのは間違いなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月26日


挿絵イラスト