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バトルオブフラワーズ⑬〜欲望のオルビタ

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #オブリビオン・フォーミュラ #ドン・フリーダム #夕狩こあら

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「皆すごい! 怪人軍団の三幹部を全部やっつけちゃうんだもの、ビックリしちゃった」
 大首領ドン・フリーダム麾下の幹部全てを攻略した猟兵の強さと勢いに、ニコリネ・ユーリカ(花売り娘・f02123)は花のように咲む。
 次なる言葉は自ずと知れよう、この場に集まった猟兵達はニコリネと凜然たる首肯を合わせる。
「私達はこの勢いを保った儘、大首領ドン・フリーダムの元へ行きましょう」
 怪人軍団の大首領、謎に包まれていたオブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』のベールを暴く時が来た――。
 ニコリネは昂揚に早口になりそうな所、胸に手を宛てて詳細を語る。
「ドン・フリーダムはシステム・フラワーズの中枢、花の道が尽きる最奥部に居るわ」
 彼女を倒せばこの戦争は終わる。
 キマイラフューチャーの次世代の種族は、彼等の未来は、滅ばずに済むだろう。
 今を生きる者達の為にも勝利を掴んで来て欲しい――ニコリネはその紫瞳に猟兵の精悍を見つめると、再び言を継いで、
「ドン・フリーダムは、皆がやっつけた『三幹部の能力』を使用してくるの。全員をやっつけた皆なら大丈夫って思うけれど、実力は彼女の方が遙かに勝っているから、決して侮らないで」
 想像する全てを創造したエイプモンキー。
 絶対無敵バリアで全ての攻撃を阻んだラビットバニー。
 そして、風を操る能力で純然たる強さを見せたウインドゼファー。
 彼等の能力を束ねた首領が、彼等より弱い事はなく、ある程度のダメージは覚悟しておいた方が良いだろう、というのがニコリネの考えだ。
「ドン・フリーダムは同時に一体しか存在しないけど、何度でも骸の海から蘇るわ。だけど短期間に許容値を超える回数(戦力分)倒されれば、復活は不可能になる」
 彼女もまたオブリビオン故に、と付け加えたニコリネは、更に言を足して、
「それにね、彼女の能力の特性ゆえに、これまでに倒された幹部の分、戦力が弱体化しているの!」
 猟兵のこれまでの奮闘が影響を及ぼしているのだと思えば、ニコリネの瞳は光を失わず、彼等を見る度に強さを増していく。
 決意を新たにした彼女は、花型のグリモアを召喚し、
「キマイラフューチャーにテレポートします。怪人軍団の大首領、オブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』をやっつけに行きましょう!」
 準備はいい? と白磁の繊手を差し伸べた。


夕狩こあら
 オープニングをご覧下さりありがとうございます。
 はじめまして、または、こんにちは。
 夕狩(ユーカリ)こあらと申します。

 こちらは、『バトルオブフラワーズ』における第十三の戦場、オブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』と戦うボス戦シナリオ(第一章のみで完結)となります。

●戦場の情報
 全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』内部。
 その空間は花々が咲き乱れており、集まった花弁が足場を形成しています。

●敵の情報
 キマイラフューチャーのオブリビオン・フォーミュラであり、システム・フラワーズを創造したちょうてんさい(超天才と超天災のダブルミーニング)。

 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 加えて、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要です。これらに対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

 POW:絶対無敵バリアを展開します。エモいものを見せれば無効化できます(エモいの基準はラビットバニーと同じ)。
 SPD:風で足場を崩してきます。
 WIZ:猟兵のユーベルコードの弱点を見抜き、確実に反撃するマシンを作り出してきます。 その反撃マシンに反撃する方法を考えなければいけません。

 これらの能力はそれぞれ「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じですが、ドン・フリーダムは彼ら以上の実力者です。

●リプレイ描写について
 フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や呼び方をお書き下さい。
 グループでのご参加は【グループ名】をご記載願います。
 プレイングが届いた順ではなく、より戦争に有利に動いたプレイングを優先して採用し、リプレイが完成した方から随時お返し致します。

 以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
 皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
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第1章 ボス戦 『ドン・フリーダム』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:由依あきら

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

舞塚・バサラ
【SPD】
理はある
何もかもが簡単に手に入るのであれば、それは楽で御座ろう
だが、楽しくは無い
この陽気な楽しき世界を楽なだけの世界になどはさせぬで御座る

対策
攻撃の出足を【殺気】を読んで【見切り】更に防御行動を【早業】で間に合わせる
崩れる足場はユベコの剣五本を足場に

暴風は残りの剣を風を受け流す傘の形状を参考に前面に展開、受け流す

暴風の比較的弱い箇所を【見切り】足場代わりの剣を操作、距離を詰める

攻撃を凌いだら
本体は【存在感】を出し、相手の腕や足場を狙い【鎧無視攻撃】
タイミングを少しずらし、足場以外の剣で【暗殺】狙い

楽なのは良い事で御座る
だが、それは前に進みやすくする為
楽の果てに歩みを止まるのは本末転倒



『コンコンコンはコンコンコンすれば望むものが何でもコンコンコンされるべきですの』
 然すれば欲望(リビドー)は満たされる。
 惑星全域同時放送システムを通じて大首領『ドン・フリーダム』の声明を聴いた舞塚・バサラ(殺業真影・f00034)は、現実と相見えた彼女に、当初の所感を淡然と言ちた。
「理はある」
 三度笠『朧編月』の下、薄く開いた唇から擦り抜けた声は宛ら凩。
 蔭を落として更に闇色を濃くした仮面の男は、同じく仮面に素顔を隠した女首領に、至極丁寧な口跡を置いた。
「何もかもが簡単に手に入るのであれば、それは楽で御座ろう」
『では修理が終わるまでお待ち頂けると』
 女の声音が和らいだ瞬間、彼は遮って、
「だが、楽しくは無い」
 この時スマイルに隠れた柳眉は蹴立てられたろうか、ドン・フリーダムは俄に巻き立つ風に弁柄色の髪を戦がせ、続く言を聴く。
「この陽気な楽しき世界を楽なだけの世界になどはさせぬで御座る」
『ほな待たん言うたらええやろ』
 語調が変わり、慇懃のペルソナが剥がれる。
 声色を落としたドン・フリーダムは、結印するや風を集めて颶風と放ち、『顔影』に隠るるバサラの貌を激痛に歪めんとした。
『オール・フォー・フリーダム。そのオールに入る気ない奴は要らんねん』
 黒風烈々、レボリューション・ストーム――ッ!
 刻下、鏖殺の気を迸らせた猛風が花の足場を削って迫れば、バサラは【陰術:以津真天ト哭キ叫ブ凶鳥】(シャドウアーツ・スクリームストリゲス)――焔と陰で編んだ大剣を参拾弐振り複製し、うち伍を足場に、残りは風を受け流す傘の形状を模して前方に配し、暴風を凌ぐ。
『――風が読める、と』
 へぇ、と女首領は感嘆を溢したろうか。
 眼前に正対するバサラは颶風の勢いの弱い箇所に身を滑らせ、足場代わりに置いた剣を操って距離を詰めると、陰陽の刃を揃えて屠りに掛かる。
 狙いは印を結んだ手指か――ドン・フリーダムの隠れし瞳が切先に繋がれた瞬間、僅かにタイミングをずらした「ヴェンジェンス・ナイト」が両の脇腹に突き刺さる。
『ッ、つぁ――!』
 絞り出る悲鳴に男の声は淡々と被さって、
「楽なのは良い事で御座る。だが、それは前に進みやすくする為」
『ぐッ、ッッ……!!』
 女首領は気付いていたろうか。
 バサラは此度、踏み締めた足を一歩として退かず、常に漸近していたと――痛撃を嚥下した時に知っては遅かろう。
「楽の果てに歩みを止めるのは本末転倒」
 彼は女の苦悶を間際に鮮血を浴びつつ、その刃を更に深く沈めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

荒谷・ひかる
【闇の精霊さん】で吸い込んじゃうよ!
(しゅごおおお)
でも、抵抗されるだけで簡単に防がれるんだよね。
というわけで、(タコ糸と五円玉で作った古典的な振り子を出す)
これを使って、抵抗の意志を無くしちゃおう!
そーれ、あなたはだんだんねむくなーる……

……ってすれば、わたしの催眠術の腕(へっぽこ)を知らないドンブリさんは「耐催眠術装置」に類するもの……とにかく抵抗できるもの、かな?
それを作ると思うんだよ。万一かかったらそこでおしまいだし。
そしたらわたしは「そんな、失敗!?」って顔をして、精霊さんにお願いするの。
「吸い込んだもの、一瞬で全部吐き出して」って。

空気の大砲で、ふっ飛ばされるといいんだよっ!



『コンコンコンと欲望(リビドー)を出すのが好きなわたくしを吸い込もうなど!』
「うぅぅーん、やっぱり抵抗されちゃうよね」
 たたたっと花叢を分けて来た荒谷・ひかる(精霊ふれんず癒し系・f07833)が、寡黙ながら執念深い『闇』の精霊と意志を通じ合わせ、指向性ブラックホールに邪を吸い込みに掛かった時――引力に耐えていた大首領『ドン・フリーダム』は、少女の小袖より取り出される「何か」に不意に釘付けられた。
『んン? ペンダン……振り子、ではありませんか?』
「なにかな、なにかなー」
『ファー、見れば分かる、お決りのヤツやん』
 思わず語調が変わるほど。
 五円玉の穴にタコ糸を通したアイテムは、誰もがそれと分かるレベルの古典的な振り子。
 ひかるの小さな手は糸を抓んでゆっくりと揺らし始め、
「そーれ、あなたはだんだんねむくなーる……ねむくなーる……ねむくなぁれ……」
『おほほほほ。催眠術で抵抗の意志を無くそうという訳ですわね』
 目下、【闇の精霊さん】がしゅごおおお――と時空の狭間に花弁を吸い込み続ける中、ひかるは辿々しく催眠術の定型句を囁き、女首領は見切ったとばかり艶笑を仮面に忍ばせる。
 邪の繊指は印を結ぶや、マニアック理論から導き出されるカウンター装置を創造し、
『ぶっ殺してきた連中の技でぶっ殺されろですわ』
 破天荒解、マニアックマシン――ッ!
 須臾より疾く、想像から創造されしは「動吸振器」――突如、花叢に敷かれた同調質量ダンパは、ひかるの振り子と同じ周期で共振を始め、振動エネルギーを吸収していく。
「あれっ、揺れがだんだん……えっえっ?」
『五円玉が揺れなければ催眠になど掛かりませんこと』
「そ、そんな……」
 すっかり花顔に陰を差し、しょんぼり肩を落とすひかる。
 然し少女と絆を結んだ精霊が励ます様に肩を叩き、諦めるなと手を取れば、苦境に負けぬ強い心を取り戻したひかるは勇気凜々、
「闇の精霊さん、お願い。吸い込んだもの、一瞬で全部吐き出して」
 時空の果てに追い遣った全てを今一度、此処に――。
 友の願いを聞いた闇の精霊は、今度はぶふぉぉおお――と一切を吐き出し、花弁ごと取り込んだ大気を塊にしてドン・フリーダムへとぶつける。
 その量は、女の体躯を蓮台より浮かすに十分であったろう。
「空気の大砲で、ふっ飛ばされるといいんだよっ!」
『んな――ッ!!』
 厚みある大きな空気の壁に衝突したドン・フリーダムは、百花繚乱の空間に遙か遠く吹き飛ばされ、ぶわり爆ぜた空気と共に花弁の精彩を散らした。

成功 🔵​🔵​🔴​

エル・クーゴー
●POW



●エモ演出
『L95式兵装、リンケージ』
『火器管制システム、ロック解除』
『オールグリーン』
『躯体番号L-95、発進』

(ロボットもの的にはエモかろうこの手のアナウンス)


●戦闘
周辺風景を取り込み生成(撮影+学習力)した【迷彩】を己にコート
遠近感を狂わせる花弁群の描出に解像度を注力、回避率増を期す

コードの力で足場に囚われず全速で飛翔(空中戦)
高回避で立ち回り攻撃力重視を選ばせぬ狙い
致命弾が思われる際はここぞのバレルロール

機銃群で弾幕(2回攻撃)&フォートの主砲門(吹き飛ばし)で交互に応射

当てる為の本命は「外した主砲弾に遅れて【誘導弾】管制を掛ける事による敵背面を狙い突如180度ターンする弾道」



 いみじくも全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』を創り上げた者なれば、極めて精巧に造られたアルダワ製機械人形が颯爽と駆動する姿に、幾許も心躍ったに違いない。
「L95式兵装、リンケージ」
 躯体はヒト有機体と変わらぬ滑らかさで、機械的気送音と駆動音は追随兵装から静かに聞こえるのみ。
「火器管制システム、ロック解除」
 ――システム、オールグリーン。
 素片連結型電子音声は極めて肉声に近い女声を再現し、電脳ゴーグルに蛍光を疾らせたエル・クーゴー(躯体番号L-95・f04770)が、細顎を持ち上げて敵影を捕捉する。
「躯体番号L-95、発進」
『……エモいやつやん!』
 絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノンを抱えた大首領『ドン・フリーダム』は、千紫万紅の空間に全速で飛翔するエルに釘付けになる。
「周辺風景のスキャン完了。迷彩を生成後、コーティング開始」
 熱い視線に気付きつつも、彼女は淡々。
 遠近感を狂わせる花弁群の描出に解像度を注力し、回避率を高める。
『あっモザモザして見えにくい』
 と言いつつドン・フリーダムがワクワク・ソワソワしているとは、漸う揺れ始めるバリアでよく分かろう。
 敵影の観察も入念に、高出力空戦モードに移行して重力を切り離したエルは、【嵐の王・空中行軍】(ワイルドハント・エグザイル)――ウインドゼファーを思い起こす疾風の立ち回りで、赤べこキャノンのマズルを泳がせる。
『よーく狙わないと撃ち落とせない相手ですの』
 女首領は命中率を重視して光弾を射るが、これこそエルが想定した展開。
 攻撃力の増強させぬよう高回避力を見せつけた彼女は、時に致命弾が迫れば、華麗にバレルロールを決めてドン・フリーダムの感動を奪った。
「射角より軌道を演算。アームドフォートにて応射開始」
『うわー! ……エモい!』
 機銃群で弾幕を重ねた上で主砲門を開く、其を交互に繰り返して赤べこキャノンと対等に渡り合うエル。彼女の電脳ゴーグルは、既に鉄壁バリアの消失を確認しているだろう。
 全てはシミュレーション通り――外した主砲弾に遅れて撃ち出した誘導弾を管制に敷き、敵の背面を狙うよう、弾道を180度ターンさせる――!
「命中率78パーセント。背後を取る事により15パーセント上昇」
『ッッ、バリアを復元――間に合わないッ!』
 其は無敵のバリアを解除させねば叶わなかった戦術だ。
 エルは鋭い放物線を描いた誘導弾が敵背で大きく爆ぜる――その凄まじい衝撃を視認し、
『きゃああアアァァ嗚呼ッッ!!』
「――敵性の多大なる損耗を確認」
 策戦成功、と丹花の唇を引き結んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

オリヴィア・ローゼンタール
自由であることは、無責任とイコールではありません
むしろ振る舞いの因果はすべて己に返ってくるのです

「普段目にしない珍しいものを目撃する」というのも「えもい」の判定に入りそうですね
では今まで誰も見たことのない――【転身・炎冠宰相】をご覧に入れましょう!
炎の【オーラ防御】でキャノンを防ぎつつ、真の姿へ変身

【属性攻撃】で聖槍に纏う炎を強大化し、【怪力】を以って叩き斬る
絶対無敵バリアで防がれようと諦めない(気合い)
我が聖槍に打ち砕けぬものなどありはしない!

世界の命運を賭けた一世一代の大勝負、これもまた「えもい」のでは?
【全力魔法】で聖槍の炎をさらに強化し、炎の柱のように
これが私の全霊の一撃ッ!



 欲望(リビドー)は溢れる儘に。
 全ては自由の為に。自由こそがこの世の全て故に。
『オール・フォー・フリーダム! もう少しお待ち頂ければ、もう我慢する事はないのです』
 コンコンコンすれば望むものが何でもコンコンコンされるコンコンコンとなるまで、完成を待って欲しい――。
 惑星全域同時放送システムを通じ、大首領『ドン・フリーダム』の声明を聴いたオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は、先に倒したウインドゼファーが「時間稼ぎ」と言っていたのを思い出し、成る程と桜脣を引き結ぶ。
 ただ合点はいったが、認めた訳ではない。
 窈窕たる修道女は、破邪の聖槍『黄金の穂先』を構えた儘、凛然と言を紡ぎ、
「自由であることは、無責任とイコールではありません。寧ろ振る舞いの因果は、全て己に返ってくるのです」
 善因善果、悪因悪果。
 多くの死生を目の当たりにしてきたならでは、オリヴィアは経験則に基づいて『無限大の欲望(リビドー)』に警戒の楔を打ち込むも、女首領は佳声に嗤笑を滲ませた儘『接待無敵バリア』を展開し、赤べこキャノンの砲口を向ける。
『己の振る舞いが、己に返る……? ちょっと何言ってるか分からないですの』
 主張が噛み合わねば切り捨てれば佳い。
 切り替えの早いドン・フリーダムは間もなく灼熱の光線を射てオリヴィアを排さんとしたが、ラビットバニー戦に於いて「エモ」を制した彼女は金瞳を煌々、新たなる手で其を攻略に掛かる。
「未だ嘗て誰も見たことのない――真の姿をご覧に入れましょう!」
『えっえっ何なに、わたくしが最初の目撃者になれますの!?』
 改邪従正、【転身・炎冠宰相】(モード・メタトロン)――!
 焦熱の光弾を防いだ聖なる炎のオーラは眩い黄金色に、オリヴィアを破邪の霊気に包むや純白の双翼を生え出でさせる。
『あっあっ真の姿とか胸アツ展開!!』
 エモい、と仮面に隠れた紅脣は歎美を零したろうか。
 術者の心の乱れに合わせてバリアが揺らいだ瞬間、天翔ける翼を広げて迫ったオリヴィアは、不滅の聖鎧に身を包み、万魔穿つ炎の槍を以て鉄壁を破らんとする。
「我が聖槍に打ち砕けぬものなどありはしない!」
『強大巨大な壁に敢然と立ち向かう――エモいやつやん!!』
 語調が変わるほどの感動。
 世界の命運を賭けた一世一代の大勝負とは、ラスボスの自覚あるドン・フリーダムにも強烈に伝わったろう。
 王冠を守護する炎の御柱を我が身に、聖槍に纏う炎の勢いを更に強めた天使は、幾筋にも撃ち込まれる光条に雪膚を灼かれながらも剣戟を突き入れ、
「これが私の全霊の一撃ッ!」
『エモォォぉぉい!! っあー!!!』
 薄い硝子となったバリアを刃鋩に砕いて、赫炎の一撃を邪に届けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

山田・キリン
確かに色んなものが喉から手が出るほど欲しかった時期もあったけど、あの辛い時期があっての今のカッコいーキリンさんだもん!
キリンさんを堕落させかねないものはご遠慮願う!

キリンさんの努力の結晶、このアートの力【グラフィティスプラッシュ】で成敗しちゃる!
ってなんだそれ、インクを乾かす熱風マシーンとかズルいぞ!熱いぞ!
折角のインクがあっという間に乾燥してボロボロに…
これじゃ色が塗れない…しかーし、インクの特性を学んできたキリンさんはまだ諦めない!
大きく尻尾を振りかぶって、乾いたインクの粉で視界潰し!
そこから尻尾をハンマーにして殴りつけてやる!
乾いたインクは凍ったバナナみたいに手強いんだぁ!



『コンコンコンすれば望むものが何でもコンコンコンされる。皆様もコンコンコンとはそうあるべきと思うでしょう?』
 無限大の欲望(リビドー)を満たす――それこそが『システム・フラワーズ』の真の姿だと、惑星全域同時放送システムを通じて大首領『ドン・フリーダム』の声明を聴いた山田・キリン(キリンさんだ・f14194)は、胸奥で騒めいた感情を聢と言葉に変えた。
「確かに色んなものが喉から手が出るほど欲しかった時期もあったけど、あの辛い時期があっての今のカッコいーキリンさんだもん!」
 咽喉から手が出るほど欲した物をコンコンコンと手に入れていたなら、今の成長は無かったと、長い睫を持ち上げて邪を射るキリン。
 陽キャの振りをして根はビビリ。陰キャと自覚するからこそ光と溢れる自己肯定力は、ドン・フリーダムより溢れる欲望に純然と抗って、
「キリンさんを堕落させかねないものはご遠慮願う!」
『ほんなら修理は、完成は待てんちゅうこと?』
 チッと舌打ちして慇懃のペルソナを剥した女首領は、『ゴキゲンなペンキ』をブキに迫るキリンの初撃を鋭く見極めた。
「キリンさんの努力の結晶、アートの力で成敗しちゃる!」
『……ふぅん、その絵の具を塗抹してダメージを与えると同時、地形を塗り潰して、自分の戦闘力を高めるってヤツやん』
 破天荒解、マニアックマシン――ッ!
 一瞬でキリンのユーベルコードの特性を暴いたドン・フリーダムは、間隙を置かずカウンター装置を創造し、巨大魔動送風機「マニアックブロワ」より熱風を噴き出させる。
『どれだけ芸術性が優れていようとも、塗料がカピカピになれば塗れなーい!』
「あっインクが渇いて……ズルいぞ! 熱いぞ!」
『おほほほほ!!』
 アートの力、【グラフィティスプラッシュ】破ったり――! と、ドン・フリーダムはスマイルに隠れた脣を嗜虐の微笑に持ち上げ、乾燥してボロボロになったインクに肩を落とすキリンを見る。
「折角のインクがあっという間にボロボロに……これじゃ色が塗れない……」
『これで打つ手ナシ、ですわ』
 何ならその黄金色の鬣、網目の肌膚も熱風に晒してやろうと印を結んだ――刹那、きりりと顔貌を向けたキリンが、『キツネのしっぽ』を大きく振り被った。
「しかーし、インクの特性を学んできたキリンさんはまだ諦めない!」
『んっなっ――』
 須臾に視界を覆ったのは、乾いたインクの粉。
 自慢の三本の大きな尻尾は絵筆にも使える優れモノで、インクに潜らせた後に乾燥した其が凄まじく厄介とは、本人こそよく知っている。
 彼は長躯を鞭の様に撓らせると、鉄槌の如き強度を得た尻尾を叩きつけ、
「乾いたインクは凍ったバナナみたいに手強いんだぁ!」
『ふぎゃああァァアア嗚呼!!』
 己を「ちょうてんさい」と豪語する女首領に、あられもない悲鳴を叫ばせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヘスティア・イクテュス
ドン・フリーダム、システム・フラワーズの開発者ってことは
ある意味キマイラ達の神みたいなものよね

なんていうかその恰好はどうかと思うけど!着なさい!!


エモいかどうかは分からないけど

ティターニアで全力飛行からの航空ショーなんていかがかしら?
戦闘機より効く小回りを活かして宙返りにインメルマンターン、バレルロール
ついでにミスティルテインによる射撃にフェアリーを出してビームの光線で星座なんてね?
まぁその光線が向かうのはドン・フリーダムになんだけど…

トドメは弾数重視のマシンガンモードにマイクロミサイルとフェアリーによる一斉射撃
うお座の光線の軌跡で終わらせるわ



 オブリビオン・フォーミュラたる『ドン・フリーダム』が、コンコンコンを、つまり全自動物資供給機構『システム・フラワーズ』を開発し、目下それを修理中とは、惑星全域同時放送システムを立ち上げて万人に声明を送った卓越の技術を鑑みるに納得がゆく。
「ある意味キマイラ達の神みたいなものよね」
 大首領に対峙したヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)は、ぶわり迸る無限大の欲望(リビドー)に「ちょうてんさい」の名実一体を感じ得ると、次には空色の瞳を鋭くして彼女の容姿を睨めた。
「なんていうかその恰好はどうかと思うけど! 着なさい!!」
『えっ何をですの?』
「服を! せめて布でも!」
 ことりスマイルの仮面を傾げる邪に、柳葉の眉を蹴立てる。
 然し「自由こそこの世の全て」と謳う相手なれば、肌膚は生地による束縛を嫌うと首を振って、
『イヤですわ。誰にも何にも妨げられない――それこそが自由ですのに』
 この言を以てお互いに訣別としたか、豊満の女は手に印を結び、繊麗の少女は月白のジェットパック『ティターニア』より気送音を噴いて空へ翔けた。
『ふぅん、高機動戦……でしたらわたくし、バニーに勝るバリアで身を守りましょう』
 絶対無敵バリアを展開したドン・フリーダムが、空を疾るヘスティアを赤べこキャノンの砲口に追う。
『レッツ、ランチャー!』
 幾筋もの光弾が千紫万紅の花弁を灼きながらヘスティアに襲い掛かるも、彼女は戦闘機より効く小回りを活かして宙返りにインメルマンターン、バレルロールを決めて凌ぎ切る。
「エモいかどうかは分からないけど、全力飛行からの航空ショーなんていかがかしら?」
『ッ、ふわぁぁあああ!!』
 ドン・フリーダムは百花繚乱の穹を駆るヘスティアを射抜かんと標準を絞りつつ、その一方で彼女の小気味よい高速機動に目を瞠る――矛盾した動作に心を乱し始める。
 眼下に敷いた鉄壁のバリアが揺らぎ始めた、と敵の動揺を認めたヘスティアは、ここで可変型ビームライフル『ミスティルテイン』と球体状ドローン『無線誘導端末兵器フェアリー』よりビーム光線を射出し、ドン・フリーダムを感動に釘付けた。
『まぁ! 空に星座を描くなんて、とってもロマンティック!』
「まぁ、その光線が向かうのはあなたなんだけど」
『なんですって!!』
 既に「エモい」感情に堕ちたドン・フリーダムなれば、身を守る鉄壁のバリアは解け、一縷の布も纏わぬ雪膚に鉄鉛火弾が集まる。
 美し軌跡は邪の一点に収斂され――、
『いやぁァァアアッッッ!!』
 裂帛の悲鳴が花咲き乱れる空間を切り裂く。
 沈着たるまま全弾の着弾を確認したヘスティアは、凄まじい絶叫の中に佳声を置いて、
「だから着なさい、って言ったのに」
 と、歎息を零した。

成功 🔵​🔵​🔴​

蒼焔・赫煌
今までの能力てんこ盛りとか豪華だね、豪華だとも!
でも負けないよう!
何故って可愛いボクは正義の味方だからさ!

可愛いボクのミズチは水の攻撃!
水を蒸発させたり、凍らせたりして使えなくしちゃったり
水流の勢いを完全に防ぐようなマシンが出てくるんじゃないかな!
困ったね、困ったともさ!
ところで知ってるかい?
槍は切ったり、突くだけじゃなくて
薙ぐ、払う、叩く!
他にもたくさん使い方がある万能武器……なんだって!
つまり!
水流を防がれるのに合わせて、踏み込んで接近戦を仕掛けるよ!
水流も防いだ時に視界を塞ぐよう広く放つさ!
槍の柄でちょいさーと足払いを狙ってからどーんと叩きつけるよ!

【アドリブ、他の方との絡みは歓迎】



『ぶっ殺してきた連中の技でぶっ殺されろですわ』
 想像する全てを創造したエイプモンキー。
 絶対無敵バリアで全ての攻撃を無効化したラビットバニー。
 純然たる風の能力で猟兵と角逐したウインドゼファー。
 三幹部の能力を網羅した怪人軍団の大首領こと『ドン・フリーダム』は、これが最後の戦いと感じさせるに相応しい、圧倒的強靭に猟兵を組み伏せていた。
「今までの能力てんこ盛りとか豪華だね、豪華だとも!」
 蓋し蒼焔・赫煌(ブレイズオブヒロイック・f00749)は怯まない。
 佳顔に自信溢れる笑顔を湛えた赫煌は、水の刃を持つ槍――静滅貫流ミズチの穂先をスマイルの仮面に向けて音吐朗々、
「でも負けないよう! 何故って可愛いボクは正義の味方だからさ!」
 可愛くて強ーい正義の味方は、惑星の今も未来も助けるのだと、【静水喰い破る激流】(ミズチ)を――圧縮された水の刃を解放し、狂濤と荒ぶる水流を繰り出す。
 悪魔の舌の如き激流が迫る中、女首領は須臾にユーベルコードの特性を見極め、
『怒濤の水流ですわね……水を蒸発させるか、凍らせて活動熱を奪うか、或いは水の勢いを完全に防ぐような――ほほほ、ちょうてんさいに不可能はありませんこと!』
 破天荒解、マニアックマシン――ッ!
 仮面の下に妖艶なる微笑を隠したドン・フリーダムが創造するは、「波の制禦装置」。
 水の波が持つ運動を適宜に制禦し、思う儘に操作する事が可能となる水波メタマテリアルを創造したドン・フリーダムは、赫煌が繰り出した水流を凪と変えるのみならず、自然界ではあり得ぬ負の屈折率を再現して押し返す。
『一度頂戴すればわたくしのもの。特殊な媒質を入れてお返しいたしますわ』
「ひゃあっ!」
 超人工的角度から水流に圧され、死角を衝かれた赫煌は不意に蹈鞴を踏むが、丹花の唇は痛撃に結ばれて間もなく微笑を湛える。
「困ったね、困ったともさ!」
 流石はシステム・フラワーズを作り、惑星全域同時放送システムを立ち上げた狂邪だとラスボス感を認めた凄艶は、時に小気味よく語尾を持ち上げて尋ねる。
「ところで知ってるかい? 槍は切ったり、突くだけじゃなくて、薙ぐ、払う、叩く! 他にもたくさん使い方がある万能武器……なんだって!」
『なっん――ッ!』
 鋭槍の穂先は水の刃を解放するのみに非ず。
 颯爽と爪先を弾いた赫煌は、須臾に敵懐を侵略するや接近戦を仕掛け、柄は疾風を分けて撓り足払いを、
『どわっ!』
 ドン・フリーダムが咄嗟に蓮台から飛び降りた瞬間には、槍を旋回して胴を打ち、一糸纏わぬ繊躯を花叢に叩き付ける。
「ちょいさーと足払いしてからどーん! うまくいったね、うまくいったとも!」
『ッ、ず、あッッ……』
 女首領の佳声が痛撃に滲む中、正義の味方が艶笑を零した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ユーフィ・バウム
※連携・アドリブ歓迎

これで、最後
なら出し切るのみですね。
挑ませていただきますよ、ちょうてんさい!

【世界知識】でSNS映えしそうな
エモいポーズを覚えておく

【属性攻撃】で武器に火を灯し
見栄えの良いポーズでびしりと決めます
所謂、「勇者立ち」というんでしたっけ!
バリア解除時を逃さず【ダッシュ】
間合いをつめ攻撃を打ち込む

敵からの攻撃は【勇気】を持ち
【オーラ防御】で受け、耐え抜いて距離を詰め攻撃
必殺の拳《トランスバスター》を叩き込むために
その後倒れてもよい【覚悟】で向かう

自分の拳が届きそうにないなら、
必殺の一撃を放つ仲間を【かばう】ことで道を切り拓く

どんなぼろぼろになっても、諦めない姿勢を見せ続け拳を握る



 花の咲き乱れるシステム・フラワーズ中枢、激闘を物語る紅き血斑の染む花叢を進んだユーフィ・バウム(セイヴァー・f14574)は、最奥部に座す大首領『ドン・フリーダム』の威容――禍き無限大の欲望(リビドー)の溢流に、遂に決戦に至ったという実感を得ていた。
「これで、最後――なら出し切るのみですね」
 心血を注ぎ、身魂を擲って、死力を尽くすべし――。
 眼前に相対する仮面の女が強敵とは肌膚で感じようか、きりっと花顔を凛々しくしたユーフィは、丹花の唇に佳声を張る。
「挑ませていただきますよ、ちょうてんさい!」
『返り討ちにして差し上げますの、猟兵!!』
 言うや絶対無敵バリアを展開するドン・フリーダム。
 如何なる攻撃が来ようとも、鉄壁が全てを拒むと嗤笑した邪は、間隙を許さず赤べこキャノンの砲口を向ける。
『ぶっ殺してきた連中の技でぶっ殺されろですわ!』
 大声疾呼して放たれた灼熱の光条は、途中で幾筋にも枝を分け、軌跡を違えてユーフィを傷付けるが、少女は激痛に柳眉を顰めるでも膝折る訳でもなく――びしり、見栄えの良いポーズを決めて受け切った!
『!! なんて勇壮な……これは……!!』
「――所謂、『勇者立ち』というんでしたっけ!」
 炎纏いし『ディアボロス』の刃鋩を差し向けつつ、己は半身に花叢を踏み締めて立つ――。
 事前にSNS映えしそうなエモいポーズを調べていたならでは、ユーフィが流血を代償にキメたポーズはドン・フリーダムの心に突き刺さり、鉄壁のバリアが解ける。
(「――この瞬間!」)
 少女は弾指の隙も見逃さず、力強く爪先を蹴り出すや一気に間合いを詰め、必殺の拳【トランスバスター】を叩き込む!
 研鑽を極めた豊満な肉体から放たれる拳は紫電と閃き、
「行きますよぉっ! これが森の勇者の、一撃ですっ!」
『ならばっ、至近距離から撃って差し上げますの!!』
 角逐――ッッ!!
 赤べこキャノンの砲口が灼熱に白み、死の一撃を放つも、決死の覚悟で懐に肉迫したユーフィは『抗魔』のオーラを全開に、抗う、抗う、抗う!
「どんなぼろぼろになっても、諦めません!」
『ッ、クッッ――!』
 夏色の瑞々しい肌膚に裂傷が疾り、鮮血淋漓が花叢を濡らす死闘にあって、彼女の勇気に満ちた双眸は愈々透徹と輝いたろう。
(『ちょうエモい……ッ!!』)
 ドン・フリーダムは勇者然としたユーフィに己がラスボス感を擽られ、不意に見惚れすらしたか――遂には超高速かつ大威力の一撃を受け取って、どう、と花叢に倒れた。

成功 🔵​🔵​🔴​

マキアヴォクス・アルダ
腐れ縁のトカゲくん(f06338)と。
とは言っても、ここまで来たらアンタとやりあってる場合じゃないわね。
いよいよ黒幕ちゃんとの戦いですもの。本気でかかりましょ。

暴風が来ると同時にバルドの胴体を引っ掴んで、腰の翼を広げる。
多少は痛いかもだけど、見方を変えれば強力な向かい風。
鳥が一時的に舞い上がるのにはおあつらえ向き。
足場の崩壊を避けながら、翼の滑空と【スカイステッパー】で高度を上げる。

十分な高さを稼いだら……あとはアンタに任せる。しっかりやってよね?
翼に加えて尾羽根も全開、出来る限りの空気抵抗を稼いで反動を受けて。
残った【スカイステッパー】も使い切って、バルドが飛び出す勢いを加速してあげるわ。


バルディート・ラーガ
腐れ縁のトリ女(f13881)と。
しゃーねエ、なんだかんだと手の内を知ったる間柄なのは確か。
この女と手エ組んだまま、大一番に突っ込んでやりやしょうかね。

足場の崩壊はマキの飛翔で回避。
突風に紛れて、ブレイズキャリバーの腕は切り離しちまいやす。
攻撃ができなくなッちまう?いえいえ。

てんさいの姉サン、トビヘビっつー蛇はご存知ですかい。高いトコからの滑空を得意とする蛇の一種……
あっしはひとつ、その真似事でもしてみようかと。

トリ女を足場代わりに尻尾のバネで飛び出し【神速の一噛み】!
流線型のボディで風をも切り裂いて、一発お見舞いしやしょ。
生肌に傷をつけンのはちと気が引けやすが……ま、なンも着てねエのが悪い。



 ある程度の距離は置きつつ、知らず歩調を一にして最奥部に至ったバルディート・ラーガ(影を這いずる蛇・f06338)とマキアヴォクス・アルダ(絢爛極楽鳥・f13881)に、若しか大首領『ドン・フリーダム』が戯れにも二人の関係を訊いたなら、両者は声を揃えて「腐れ縁」と答えたろう。
 合縁奇縁とは言うまいが、目的地を同じくした二人は幾度と共闘し、遂にオブリビオン・フォーミュラに対峙した訳だが――頼れる、いや、使える相手を突き放せるほど敵の強さを読み間違える二人ではない。
「……ここまで来たら、アンタとやりあってる場合じゃないわね」
 月白の艶髪を耳から項へ、繊指に運ぶマキアヴォクス。
 美し黄金の瞳は流眄に、凛然を帯びた佳声を連れて、
「いよいよ黒幕ちゃんとの戦いですもの。本気でかかりましょ」
「しゃーねエ、なんだかんだと手の内を知ったる間柄なのは確か。最終局面も手エ組んだまま、大一番に突っ込んでやりやしょうかね」
 こちらも躯は敵に正対した儘、流眄に視線を受け取るバルディート。
 くしゃり翠の髪に指を差し入れた彼は、視線を戻すや犀利を増してドン・フリーダムを射抜き、間もなく迫る欲望の颶風に足を踏み締めた。
『ぶっ殺してきた連中の技でぶっ殺されろですわ!』
 黒風烈々、レボリューション・ストーム――ッ!
 渦を捲いて巨壁の如く厚みを増した風が、花咲き乱れる足場を削りながら迫る。
 刻下、丹花の唇を引き結んだマキアヴォクスはバルディートの『ツールベルト』を引っ掴み、絢爛豪奢な孔雀の羽を広げた。
「っ、っっ」
「ッッ!」
 二人が端整の顔貌を僅かに顰めたのは、凄まじい暴風が花弁を巻き上げ、千紫万紅の刃に肌膚を細かく刻まれたから。
 蓋し今が好機。
「ちょうど強力な向かい風。鳥が一時的に舞い上がるのにはおあつらえ向きの風ね」
 紅脣を持ち上げたマキアヴォクスはバルディートを連れて飛翔し、極彩色の双翼に風を集めながら、【スカイステッパー】――空気の層を掴んで漸う高度を上げていく。
 流石というべきか、有翼の彼女なれば風を読んで掴むも巧みに、「へぇ」と短く感歎を零したバルディートは、突風に紛れて腕を、地獄の炎滾る腕を切り離す。
 スマイルの仮面を持ち上げて二人の影を追ったドン・フリーダムは、佳声に嗤笑を滲ませて、
『突風の勢いに腕を……ほほほ、それでは攻撃できませんこと!』
 今が追撃の刻と、旋回方向を逆にしたもうひとつの暴風を喚べば、首魁を眼下に組み敷いたバルディートが「いえいえ」と乾いた笑いを降らせた。
「てんさいの姉サン、トビヘビっつー蛇はご存知ですかい」
『トビヘビ? 枝から枝に飛び移る?』
「そう、高いトコからの滑空を得意とする蛇の一種……あっしはひとつ、その真似事でもしてみようかと」
『な、に――』
 蜷局を巻き、解きほぐす時のバネの力で枝から枝に、時に木から木へと滑空するトビヘビ。
 身丈以上の長大さを持つ『長い蛇の尾』が渦巻き状に巻かれていくのを視界の端に映したマキアヴォクスは、風の層を抜けつつ佳声を置いて、
「――あとはアンタに任せる。しっかりやってよね?」
 とは言いつつ、彼の跳躍を援くべく孔雀の羽翼は全開、尾羽根も使って疾風と一体化する。
(「出来る限り空気抵抗を稼いで、反動を受けて……!」)
 加速、推進――バルディートが飛び出す勢いを倍加乗算していく。
 鉄緑の蛇鱗に浴びる風が強く鋭くなるのを感じたバルディートは、短く囁(つつや)いて、
「足場。借りやす」
 其が最高の好機を掴んだ瞬間だとは、謂わずとも伝わったろう。
 マキアヴォクスが刃の如く滑空するや、バルディートは流線型のボディで風を切り裂き、墜下する勢いに任せて【神速の一噛み】(スウィフト・ワン・バイト)――猛牙を剥く!
『――ッッ!!』
 速い――!!
 腕を切り捨てたのが、この瞬間の為の布石だったとは、今更気付いても遅かろう。
 ドン・フリーダムは反撃に印を結ぶ間もなく神速の牙に肌膚を屠られ、
『ずァアアァァァ嗚呼ッッ!!』
「生肌に傷をつけンのはちと気が引けやすが……ま、なンも着てねエのが悪い」
 裂帛の悲鳴が猛風を突き抜ける中、バルディートの淡然が花叢に降る。
 その極めて怜悧な低音を、マキアヴォクスの敏い聴覚が遥か上空で捉えていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鞍馬・景正
手の内は読め申した。
配下の力のみならず、柔肌を晒し惑乱させる魔縁の計と。

……違うのですか?

◆対策(POW)
私がお見せするのは武士の【覚悟】

三方ヶ原で一人も背を向けず討たれた三河武士が如く、長篠で火縄に穿たれながら進み続けた甲州武士が如く。

【鬼騎乗崩】にて愛馬に【騎乗】、【見切り】【第六感】で砲撃を回避しつつ接近。

被弾が避けられぬなら致命傷のみ躱し、一刀浴びせる気力だけ死守。

そして血海を泳いだ如き有り様となり、甲冑が砕け、落馬しても進み続ける。

これが"えも"かは分からぬが。
生死元より眼中に無し、打成一片と化して無限の欲望を討つ――!

◆攻撃
バリア解除に成功すれば【怪力】の限り【鎧砕き】の一撃を。



『オール・フォー・フリーダム! 自由こそが、この世の全てなのです!』
 無限大の欲望(リビドー)の迸る儘に――!
 惑星全域同時放送システムを通じて大首領『ドン・フリーダム』の声明を聴いた鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)は、現実と相見えた彼女の一糸纏わぬ艶姿に「成る程」と聲を置いた。
「手の内は読め申した」
 言は真清(まさや)かに。
 蓋し冷艶なる瑠璃色の瞳は、相対する邪の強大なるに増して研ぎ澄まされる筈が、『黒漆塗筋兜』の眉庇に陰を落として、
「配下の力のみならず、柔肌を晒し惑乱させる魔縁の計と」
『? 下を向いていらっしゃる様ですが、わたくし、惑乱の術は特に持ち合わせておりませんこと』
「……違うのですか?」
 物堅く愚直な景正が戸惑うのは、偏に若さ故に。
 柄頭に向かう繊手でほんのり桜色に染まる頬を隠した初心は、刻下、手の甲に浮かび上がる『竜胆紋』に力を得て、羅刹の力を解放する。
 刃鋩に霊気の滴る様な――鏖殺の気に触れた女首領は、彼を一瞬を攻める剣豪と読んで絶対無敵バリアを展開し、
『どうぞ何時でも。わたくしを欲望の儘に斬るも自由……ですが、わたくしとて自由なる意志で拒み、あなたを撃ちます!』
 霹靂閃電、【赤べこキャノン】――ッ!
 ラビットバニーを遙かに凌駕する熱量の光弾が、途中で幾筋にも枝を分け、軌跡を違えつつも着地点は一つに――景正めがけて収斂される。
『ぶっ殺してきた連中の技でぶっ殺されろですわ!』
 スマイルを模った仮面の下、ドン・フリーダムは嗜虐の微笑を湛えたか。
 然し凄まじい光量に白皙の麗顔を照らした景正は、【鬼騎乗崩】(キバジュウリン)――愛馬『夙夜』に騎乗すると同時、韋威の胴丸具足に身を固め、圧倒的強靱と驚異的機動を得る。
「弓馬刀槍、全てが合した武士の神髄をお見せ致す」
『ッ、KIBAMUSYAやーん!!』
 思わず語調が変わるほど。
 三方ヶ原で一人も背を向けず討たれた三河武士が如く、長篠で火縄に穿たれながら進み続けた甲州武士が如く、向い来る光砲を勇壮と甲冑に刻む姿は宛ら戦国の雄。
 被弾が避けられぬなら致命傷のみ、研鑽を極めた戦闘勘に見切った景正は、白皙に創痍を疾走らせつつ、瞳は清冽に犀利に、ただ一刀を浴びせる気力で駆ける、翔る。
『えっあっ凄いスゴい……SAMURAI!? MONONOHU!? エモいエモい!!』
 頗る相性が佳かったか、或いはドン・フリーダムのツボであったか――鮮血淋漓に片眼を瞑った景正には、シャボン玉の様にパチンとはじけるバリアが見え――、
「これが“えも"かは分からぬが。生死元より眼中に無し、打成一片と化して無限の欲望を討つ――!」
『んンぁぁぁアアア嗚呼ッッッ!!』
 怪力の限り、無骨な一撃を振り下ろす。
 透き徹る生肌の肩口に食い込んだ斬撃はその儘、袈裟に血飛沫を噴かせて、
『んぁぁーッッ、SEIBAI!!』
 感動を叫んだ首魁が、花叢に沈んだ。

『んンぁぁぁアアア嗚呼ッッッ!!』
 スマイルの仮面の下で絶叫した大首領『ドン・フリーダム』が、花咲き乱れる足場に斃れ、千紫万紅の花弁がザッと舞い上がる。
 そこに赤い斑が染むのは、多くの猟兵が最後の死闘に多量の血を流したからで――。
「っはぁ……はぁ……っ」
 彼等もまた損耗は烈しかろう、首魁の完全なる消滅を見届けた勝者もまた花叢に膝を付く。
 だが、克った。
 勝利したのだ。
「……終わった」
 長きに渡る激闘の道を制した彼等は、漸う身を襲う疲労に嘆息を零した。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月25日


挿絵イラスト