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バトルオブフラワーズ⑬〜この世の全てと言う存在

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #オブリビオン・フォーミュラ #ドン・フリーダム

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#ドン・フリーダム


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●ドン・フリーダム
「あらあら、もうみんなぶっ殺されたですわの?」
 長い髪をなびかせ、ドン・フリーダムは言う。
 彼女こそ、システム・フラワーズを作り上げたちょうてんさい。
 そして、今はドラゴンテイマーの手を借りシステム・フラワーズを『修理』している存在だ。
「我慢しなくていいのですよ。欲望は止めなくていいのです」
 彼女は語った。
「オール・フォー・フリーダム! 自由こそが、この世の全てなのです!」
 と。

●この世の全てと言う存在
「システム・フラワーズの中枢にいる、オブリビオン・フォーミュラ『ドン・フリーダム』への挑戦だよ」
 ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)は、表情を引き締め呼びかけを行った。
 彼女を倒せば、この戦争に勝てる。
 それは確実だ。
「ただ、一筋縄ではいかないよ。彼女は、今までみんなが倒してきた3幹部の能力を持っているんだよ」
 つまり、「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じ能力だ。
「そして、彼女は彼ら以上の実力者なの」
 しかも、敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくる。
 敵の先制攻撃に対する対処をしなければ、とても勝てる相手ではないのだ。
「これまでの3幹部は、能力は一つだったよね。でも、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要なんだよ。これをしっかり頭に叩き込んで、対処を考えて欲しいの」
 その対処をして、初めて攻撃を仕掛けることができるのだ。
「厳しい戦いになると思うよ。でも、何度でも骸の海から蘇るドン・フリーダムの復活を不可能にするためには、戦うしかないよね」
 ルビナは集まった猟兵の顔を順に眺める。
「私の予知した戦場に皆を送り届けるよ。頑張って、敵を討とう」
 そう言って、説明を終えた。


陵かなめ
 よろしくお願いします。
 いよいよドン・フリーダム戦です。
 敵の先制攻撃についてをお読みの上、対処をお願いいたします。
 厳しい判定になるかと思いますが、なにとぞよろしくお願いします。

●敵の先制攻撃について
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 加えて、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要です。これらに対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

 POW:絶対無敵バリアを展開します。エモいものを見せれば無効化できます(エモいの基準はラビットバニーと同じ)。
 SPD:風で足場を崩してきます。
 WIZ:猟兵のユーベルコードの弱点を見抜き、確実に反撃するマシンを作り出してきます。 その反撃マシンに反撃する方法を考えなければいけません。

 これらの能力はそれぞれ「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じですが、ドン・フリーダムは彼ら以上の実力者です。

 それでは、プレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『ドン・フリーダム』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:由依あきら

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

陰白・幽
ふーむ、戦争も最終局面ですごいことになってるね〜
よく分からないけどドンでフリーダムなすごい人だよね、ボクも負けないように頑張るぞー

絶対無敵バリアーを張ってくるんだ〜さすがドン、なフリーダム……だけど、これならどうだ!

ニャンマクラーを取り出しながらこの可愛いニャンマクラーを自慢するよ〜
この柔らかさ、触り心地、そして愛くるしい表情、まさに完璧なニャンマクラーだよ〜と頬擦りをしながら良さをつたえるよ

バリアー破壊後は敵のキャノンを野生の勘に任せてニャンマクラーを振り回すことで攻撃を弾きながらギリギリまで接近して近づいたら猫眠拳をドンに叩き込みむよー
ボクの自慢のニャンマクラーの一撃〜避けられる?



●その愛くるしさを
 目の前に立ちはだかるドン・フリーダムの姿を見て陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)は言った。
「ふーむ、戦争も最終局面ですごいことになってるね~」
 全容は定かではないけれど、とにかく目の前に居るのはドンでフリーダムな凄い人だと感じる。
「ボクも負けないように頑張るぞー」
 幽は、さっそく敵の前に躍り出た。
「あらあら、このわたくし、ちょうてんさいのドン・フリーダムに向かってくるのでございますか?」
 それを見て、ドン・フリーダムが余裕の動作で絶対無敵バリアを展開する。
「説明をしてあげますと、この絶対無敵バリアは、絶対無敵ですわ。どんな攻撃も届きませんし、すぐに赤べこキャノンをぶっぱなして殺してあげますわね」
 ひらひらと敵の髪が揺れ、赤べこキャノンが起動した。
 一方、幽は慌てず胴の長い猫の抱き枕、ニャンマクラ~を取り出す。
「さすがドン、なフリーダム……だけど、これならどうだ!」
 寝てよし、抱いてよし、武器にしてよし、さらに盾にもなる非常にかわいい抱き枕である。
「この柔らかさ、触り心地、そして愛くるしい表情」
 幽は気持ちよさそうにニャンマクラーに頬擦りした。
「まさに完璧なニャンマクラーだよ~」
 頬が触れるたびに、程よく表情が変わるニャンマクラ~。やわやわとした触り心地が見ているだけで分かる。ああ、あれを抱いて眠ることができたらどんなに心地が良いのだろうか。
 絶対無敵バリアを纏い、赤べこキャノンを構えていたドン・フリーダムは、無言でニャンマクラ~を見つめた。
 そして、ふらりと一歩前に出る。
「……たいですわ」
「ん?」
 ニャンマクラ~をぎゅっと抱きしめていた幽が小首を傾げた。
「わたくしも、わたくしも頬擦りしたいですわー!!」
 敵が叫ぶ。その両手が、エアニャンマクラ~をもふもふしているかのように、ふわふわと上下する。
 瞬間、ドンの絶対無敵バリアが壊れた。
「わたくしの絶対無敵バリアが!? かくなる上は、攻撃ですわ」
 敵が赤べこキャノンを放ってくる。その攻撃を幽はニャンマクラ~を振り回すことで弾いて防いだ。あそこ、ここ、と、野生の勘で振り回されるニャンマクラ~。そのたびに、ニャンマクラ~が楽しく激しく踊っているようにも見える。
 そうしているうちに、ついに二人の距離が縮まった。
「おやすみ~。ボクの自慢のニャンマクラーの一撃〜避けられる?」
 幽が渾身の猫眠拳を叩き込む。
「あ……。確かな触れ心地……」
 などと叫んで、ドンは吹き飛ばされた。

成功 🔵​🔵​🔴​

紫谷・康行
存在とは何か
実存とは何か

自己が認識できる
観察できること
それが実存なのか

【無言語り】を使い相手の存在を無かったことにしようとする
この魔法は虚無を与える魔法だ
存在を否定する魔法ではない
無を肯定する魔法だ

つまり初めから無かったものには効果が無い
弱点は初めから「無」であるものには「無」を与えることはできないと言うこと
一時的に無になることができるなら無言語りは効果を現さないだろう
なら、消させない、その体のどこか有を、命の痕跡を残すことだ
相手の攻撃の瞬間に反撃を狙う
そのための言葉を練り機を窺う
攻撃が決まった瞬間が一番無防備だろう
お前に俺の血を擦りつけ
この命、「有」を媒介に虚無を伝えよう
俺の全てを賭けて!!



●実存とは何か
 吹き飛ばされながらも、辛うじて着地に成功したドン・フリーダムの前に紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)が立った。
「次はどのような攻撃ですの? わたくし、少々楽しくなってきましたわ」
 敵はまだまだ余裕の様子で笑う。
 対して、康行はユーベルコード・無言語りを準備した。
「その攻撃は虚無属性の言霊を放つことですわね」
 ドンはまだ笑っている。よほど、自分の能力に自信があるのだろうか。
 一方、康行は考える。
 存在とは何か。
 実存とは何か。
 自己が認識できる、観察できること。それが実存なのかと。
「そう、この魔法は虚無を与える魔法だ。存在を否定する魔法ではない、無を肯定する魔法だ」
 康行は言う。
 つまり初めから無かったものには効果が無い。
 弱点は初めから「無」であるものには「無」を与えることはできないと言うこと。
「お前は一時的に無になることでこの攻撃を無効にするのだろう」
 だが、そうはさせない。
 康行は敵が攻撃してくるその瞬間に狙いをつける。
「くっくっく。では、そちらの魔法が完成する前に、わたくし攻撃させていただきますわね」
 地面を蹴った敵が、顔面目掛けてパンチを繰り出してきた。
 康行はそのカウンターとして、自分の血を相手に擦り付けるつもりだ。
 ところが、敵の攻撃がヒットした瞬間、康行は驚きに目を見開く。
 自分の口に、大きくバッテンの形をしたテープを張り付けられたからだ。
「はーい! 言わざ~る、聞かざ~る! 言霊を放つ攻撃に、最も有効な対抗手段は、言葉を発することを妨害することですわね。あなたの口を封じるテープとあなたの言葉を聞こえなくする耳栓を作り出しましたの!」
 見るとドンの耳に、頑丈なコルクを思わせる耳栓が、しっかりと装備されていた。
 そんな馬鹿な方法が、と、康行が自分の口に張り付けられたテープを剥がす。
 ところが、このテープは意外と頑丈で、なかなか剥がれなかった。
「あなたの語り、じっくりと聞くことができたなら、本当に素敵だったと思いますのよ」
 その一瞬の間が命取りだった。
 康行は、それでも最後まであきらめない。
 何とかテープを緩め、無言語りを発動させた。
 だが、言霊が敵に届く前に、ドンの鉄拳が康行の腹を抉る。
「それに、わたくしのユーベルコードは、あくまでも反撃のマシーンを作り出すことですわ。完全な無になることは……逆に難しいかもしれませんわね。わたくしを高く評価していただいたことには、感謝いたしますのよ」
 遠のく意識の中で、康行は敵の声を聞いた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

唐草・魅華音
前の戦いのダメージ残ってるけど…弱音は吐けないね。最終目標、排除開始するよ。

相手の攻撃を凌ぐために、敵の武器を中心に観察して撃ちだしと攻撃範囲を【情報収集】【戦闘知識】で予測、【ダッシュ】【ジャンプ】【スライディング】と予測に応じて対応できる動きを行って凌ぐよ。

隙を見いだしたら反撃…ホントに無敵なの?厄介な…こふっ(吐血)前の戦闘の、反動が…!?
{エモい狙いのシーン。UCを発動。}(軍服を着た複数の少女たちが傍らに立つ)……え?どうして昔亡くなったはずのみんなが?……そうだ、ね。まだ、倒れられないよ。こんな所で終わったら、みんなに…顔向け、できないからね!

アドリブ・共闘OK



●立ち上がる力を
 唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)も他の仲間と同様、ドン・フリーダムの前に立った。
「あらあら、そんな体で大丈夫ですの?」
 魅華音の様子を見た敵がくすくすと笑う。
 実は魅華音は、ウインドゼファーとの戦いで身体能力のリミッターを外すことで高速戦闘モードに変身するユーベルコードを使った。これは、彼女にとっての禁忌の一手。
 しかし、健気にも魅華音は言う。
「前の戦いのダメージ残ってるけど……弱音は吐けないね」
「まあ、まじめなんですのね。けれど、そんなセリフだけでわたくしの絶対無敵バリアは破れませんわよ」
 ドンが絶対無敵バリアを展開した。
 さらに赤べこキャノンを構え、さっそく砲弾を撃ち出してくる。
「……っ、何とか、動いて、避けないとね」
 魅華音は覚悟を決めて敵の攻撃を必死に避けた。
「ほらほら、このキャノンから逃げることができると思いますの?」
 ダッシュやジャンプ、スライディングを繰り返し、ギリギリのところを回避していく。だが、敵の攻撃は強力で、いくつか高威力の攻撃を喰らってしまった。
 魅華音はついに地面に伏せ、地を這って敵との距離を稼いだ。
「ホントに無敵なの? 厄介な……」
 こふっと、言葉と共に血が零れる。
「前の戦闘の、反動が……!?」
 血を受け止めた掌を見つめ、魅華音が悔しそうに敵を見上げた。
「これでおしまいですわのね」
 ドンが赤べこキャノンに力を集中させる。
「まだ倒れられない……戦友たちにふがいないって顔向けできないんだからね……」
 瀕死の魅華音は、その言葉と共にユーベルコード・今は遥か遠きわが戦友よを発動させた。
 軍服を着た複数の少女たちが魅華音の傍らに立つ。
「……え? どうして昔亡くなったはずのみんなが?」
 少女たちは何も語らない。
 だが、彼女らの姿を見るだけで、魅華音は歯を食いしばることができた。
「……そうだ、ね。まだ、倒れられないよ」
 少女たちに背中を押されるかのように、立ち上がり敵の正面に立つ。
「こんな所で終わったら、みんなに……顔向け、できないからね!」
 魅華音は、いや、魅華音と少女たちは、まっすぐドンを見据えた。
「うぅ。過去の仲間の幻影と、それに勇気をもらう少女……。エモいですわ。マジ卍と言いますのですかね」
 少女たちの姿に心を打たれ絶対無敵バリアを崩壊させるドン・フリーダム。
 魅華音の、見事な立ち上がり方は、大いに敵の心を打ったようだ。
「ですが。立ち上がったからと言って何になりますですの? 決定的な攻撃を加えない限り……、わたくしは攻撃を止めませんわ」
「な――」
 もし、さらに攻撃を重ねることができていたなら、敵に痛烈な一撃を浴びせることができたかもしれない。
 明確な攻撃をすぐに叩き込まなかった魅華音に対し、赤べこキャノンが火を噴いた。
「あと、一息だったのにね」
 魅華音はそう言って、今度こそ本当に、地面を転がった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シリン・カービン
転送後【シルフィード・ダンス】を発動。
『レボリューション・ストーム』を誘います。
が、まだその効果は使いません。

暴風の効果圏外から精霊猟銃で狙撃を試みますが
さして効かないのは織り込み済み。
業を煮やして近づこうとするフリで暴風圏内に入ります。

風の流れを見切り、暴風のダメージは最小限に。
残った足場を飛び移り、ギリギリまで接近します。
「もう少し、近づければ…っ!」(フリ)
最後の足場が崩れた瞬間UCの効果を使用。
猛スピードの連続ジャンプで、
一気にドン・フリーダムに迫ります。
ジャンプの緩急で残像を生んで幻惑。
その隙に背後から精霊猟刀の一撃を見舞います。

「貴女を狩ります。ドン・フリーダム」

アドリブ・連携可。



●迫る暴風に
 シリン・カービン(緑の狩り人・f04146)は、ドン・フリーダムの姿を見てシルフィード・ダンスを発動させた。
 敵はすぐにシリンの気配を察知し、手を振り上げる。
「あらあら、またわたくしの前に立つのですわの? ぶっ飛ばしてやりますのよ」
 そう言って、花の足場をバラバラにする暴風を巻き起こした。
 荒れ狂う風が、一気にシリンを飲み込もうと迫って来る。
 足場が次々と瓦解し、花弁が舞い踊った。
 シリンは暴風に飲み込まれる直前、精霊猟銃の引き金を引いてドンを狙い撃つ。
「うふふふふ。そんなひょろ弾が、当たると思わないでほしいですわね」
 高らかに響く敵の笑い声。
 シリンの弾丸は、暴風に弾かれ敵には届かない。
「弾が、風に阻まれて……!」
 追加で数発撃ち込んだが、結果は同じだった。シリンは、いかにも悔し気に言葉を吐き、迫る暴風に飲み込まれる。
「暴風に飲み込まれてしまいましたわね」
 楽しそうにドンが笑う。
 暴風の中では、シリンが何とか風の流れを見切り、決定的なダメージを避けて耐えていた。それでも風が肌のあちこちを斬り裂いていく。何とか息はできるが、吹き飛ばされないよう踏ん張るだけで体力が削ぎ落されていくようだ。
 また足場が崩れた。
 残った近くの足場へ移り、シリンが苦しげに言う。
「もう少し、近づければ……っ!」
「ほらほら、もう足場が全部なくなるですわよ」
 ドンの言葉通り、わずかに残っていた足場が瓦解していった。もう、踏みとどまる場所もない。
 シリンはその瞬間、空中を蹴ってジャンプした。
 あっと言うドンの声を聞きながら、猛スピードのジャンプを繰り返し、暴風の中一気に敵との距離を詰める。これは、ユーベルコード・シルフィード・ダンスのジャンプだ。
 今までその効果を使わずに戦っていたと言うわけ。
「今までの戦いは、全てフリをしていたと言うわけですのね。ですが、同じこと。その弾丸、わたくしに届くことなどありませんの」
 ドンが大きな一撃を狙って腕を振り下ろした。
 だが、敵の前のシリンは残像。
 本物のシリンは、すでに敵の背後に回っていた。
「貴女を狩ります。ドン・フリーダム」
 手にしているのは精霊猟刀。
 背後から、思い切り敵を斬り付けた。
「ここにきて、銃ではなく刀でとは、ええ、やりますわね」
 ドンがくるりと体を回転させて傷をかばい、その場から逃げる。
 だが、それは大きな一撃だった。
 確実に一太刀浴びせたことを確認し、シリンもその場からいったん退いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

備傘・剱
WIZ

使うUCは玄武鎖、だ
この技は、大地から鎖が出て、相手を縛る業だ
当然、フリーダムはカウンターで大地の鎖を消し、反撃してくるだろう

…打ち消した時が、こっちも反撃の時だ
狙うは、カウンダ―
接近戦に持ち込めば、反撃されても、こちらの手も届く
玄武のアミュレットを投げて、その後ろから突撃する様に接近する

と、フリーダムも予想するだろう
近づいてくれば、必ず、玄武鎖を封じ込めたうえで、接近戦を防ぎ、反撃の手段を講じる
ボスなら、それぐらい、やってのける

だから、本命は、自分の体で隠した誘導弾
接近戦を仕掛けている死角から強襲する様に動かせば、防ぎようもないだろう

UC、接近戦、自分の体を囮にした一撃、当たってくれ!



●接近戦と、遠距離攻撃と
 続けて、備傘・剱(絶路・f01759)がドン・フリーダムに向かって行った。
 ユーベルコード・玄武鎖の構えを取りながら、足場を蹴って距離を詰める。
 敵は剱の姿を見て、笑い声を漏らした。
「ふふふふ。その攻撃は玄武のアミュレットが命中した相手を捕縛する業ですわね。でしたら、命中させなければ良いのは明白ですわ。すぐにこちらに向かってくると言うことは、近接を狙っているようですし――」
 そう言うと、巨大なドーム型の防壁を作り出して、自分の周辺に配置してみせる。
「この防壁が動いている限り、あなたはわたくしには近づけないのですわ。そして、防壁を投擲すれば、あなたをぶっ飛ばせると言うわけですの」
 ドンが防壁の一部を切り離し、勢いをつけて剱に投げつけてきた。
 それは弾丸のように速く飛び、剱の肩を貫く。
 ただ一撃を受けただけで、貫かれた部分が焼けるように熱く感じた。
 それでも剱は玄武鎖を発動させる。
「縫い留めよ、大地の鎖! 玄武の名において、この地を汚す者の一切の動きを禁ずる!」
 その間にも、二撃、三撃と敵の投擲で体が傷ついていくのが分かった。
 このまま遠距離戦を続けていたら、とても持たない。
 剱は玄武のアミュレットを敵に投げつけ、更に敵へと近づいた。
 だが、ドンの言葉通り、アミュレットは防壁に阻まれその場に落ちる。大地の鎖が猛然と敵を狙うが、そのことごとくを防壁に阻まれた。
「ほらほーら! 後は、あなたをぶち抜くだけですわね。その傷では、もう持たないようですのよ」
 そうしているうちにも、次々と敵の弾が飛来する。
 剱は傷を負いながら、まだ立っていた。
「ボスなら、それぐらい、やってのける」
「はい?」
 元から、剱は考えていたのだ。
 玄武鎖を封じ込めたうえで、接近戦を防ぎ、反撃の手段を講じる。それくらい、ボスならやってのけるだろうと。
 敵の高らかな笑い声を聞きながら、剱は重い腕を上げた。
「だから、本命は――」
 剱の声と共に、それは敵の体に着弾した。
 自身の体で隠しながら、誘導していた誘導弾だ。
 死角から強襲する様に動かしたことで、見事に敵の体を貫いたのだ。
「ご……ふ。こ、これは、どこから、来ましたの?」
 信じられないと言う目で、ドンが貫かれた部分を見る。
 剱の一撃は、当たった。
 だが、意識が遠のく。
 敵の攻撃を受けすぎたのだ。
 相打ちのような形で、剱の戦いは終わった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

揺歌語・なびき
自分の全ての勘を使って回避
足場が崩れる瞬間を狙って、敵の狙いが定まらぬよう
回避しきれないのは耐えるだけだ
【野生の勘、第六感、激痛耐性】

喚びだした手鞠を敵の暴風に煽られるフリで操作
彼女の四方八方に配置
なるべく不規則に、悟られぬよう

銃による攻撃とおれ自身が負傷することで囮になる
視線はあくまでも手鞠ではなく彼女へ向け言葉重ね【催眠術、誘惑、コミュ力】

きみみたいな人に殺してもらえるなら本望かもね
こんな花畑の中で死ねるんならさ

再び攻撃されるタイミングを狙い
彼女を中心として一気に手鞠を集めて爆破
【罠使い、追跡、援護射撃】

おまえみたいな奴の手に掛かって死ぬ程度なら
とっくの昔に死ねてるよ



●この美しい花の足場
 ドン・フリーダムの姿を見た揺歌語・なびき(春怨・f02050)は、彼女の体力が確実に落ちていると感じた。
「あなたもわたくしにぶっ殺されに来ましたの?」
 しかし、敵は優雅に髪をかき上げ、小首を傾げる。
 まだまだ戦う意志があるようだ。
「さて、どうなのかな?」
 なびきはそう言うと、足場を蹴って敵に向かって行った。
「何をしようと無駄ですわの。さっさと終わらせてやるのです」
 ドンが花の足場をバラバラにする暴風を呼んだ。荒れ狂う風がなびきを飲み込もうと襲ってくる。
 足場が次々に壊され始めた。
「さあさあ、風に斬り裂かれるか、瓦礫にぶち当たって殺されるか、どちらにしましょうの?」
 敵の声が弾む。
 そんな中、なびきは野生の勘と第六感を駆使し、敵の暴風を回避し続けていた。
 もちろん全て避けきれるものではない。
 風に斬り裂かれ緑の髪が飛び散る。崩れた足場の破片がいくつも体を撃った。だが、その度激痛を抑え込み戦いに集中する。
 そうして何とか敵の初撃を凌ぎ切り、なびきはユーベルコード・煌々と咲くを発動させた。
「あの花が、見えるだろ」
 20個を超える手鞠が複製され、なびき手の中に納まる。
「おっと」
 ところがそのうちのいくつかが風に煽られどこかへ飛んでしまった。
「あらあら、大変ですわのね?」
 ドンは心配そうに声をかけたかと思うと、更に暴風に力を注ぐ。
 更になびきの手から手鞠が転がり落ちて行った。
 暴風を避け続けたなびきは、大きく息を吐き出しドン・フリーダムを見る。
「きみみたいな人に殺してもらえるなら本望かもね」
「あらあ?」
「こんな花畑の中で死ねるんならさ」
 周辺は崩れた足場から舞い上がった花びらで満ち足りていた。見渡す限りの美しい花の足場。壊れてしまったものでさえ、美しい。と。
「しゅしょーな心掛けですわね。ならば、ぶっ殺してあげますの」
 敵が大きく腕を振り上げる。
 さらなる暴風を呼ぶのだろうか。
 その瞬間、なびきは全ての手鞠を一斉に敵に集めて爆破した。派手な爆破音が響く。敵の体の一部が飛び散った。
「そ……」
 信じられないという表情で、ドンが破壊された腕の感触を確かめる。
 風に煽られて手放したのではない。
 最初から、なびきは手鞠を操作し敵を取り囲んで待機させていたのだ。
「おまえみたいな奴の手に掛かって死ぬ程度なら、とっくの昔に死ねてるよ」
「ぐ、こ、この……」
 一斉爆破がよほど効いたのか、敵は苦しげに息を吐き出した。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミスティ・ミッドナイト
望むものが何でも?
そのようなシステムを悪党が利用したら…考えたくもありませんね。

コートを羽織って参上。
敵のキャノンは、アタッシュケースを【盾受け】にすることで凌ぎます。
口を開き、屈んで体を小さくし、防御面を斜めにした構え。
【戦闘知識】を活かした、なるべく威力を逃すような体勢です。

攻撃を凌いだら、次の発射に移る前に【早業】で一気に近づき…
着ていたコートを羽織らせて差し上げましょう。
「そのような格好ですと、風邪を引いてしまいますよ。
女性は体を大事にしませんと」

バリアが解除されたら、そのまま巴投げでぶん投げます。
倒れたところを馬乗りし、キャメルクラッチをキメてやりましょう。

「ただし怪人は別です…!」



●絶対無敵バリアが破れる時
 ドン・フリーダムは片腕を失い、かなり傷が重なっているようだ。
 そんな彼女の前に、ミスティ・ミッドナイト(夜霧のヴィジランテ・f11987)はコートを羽織って颯爽と立った。
「望むものが何でも? そのようなシステムを悪党が利用したら……考えたくもありませんね」
「そうでしょうか。わたくしのフリーダム! 素敵な言葉でしょう?」
 ドンが失った腕をかばいながら絶対無敵バリアを展開させる。
「このバリアはどんな攻撃も効きませんのよ。もう油断はしませんの。わたくし、何と、いきなり赤べこキャノンをぶっ放そうと思っています」
 その言葉通り、バリアを張ったドンは、間を置かずに赤べこキャノンによる攻撃を繰り出してきた。
 激しい砲弾がミスティに襲い掛かる。
 敵も必死のようだ。
 対するミスティも、即座に動いた。
「これで防がせていただきます」
 そう言うと、アタッシュケースを体の前において、これを盾として攻撃を受ける。
 構えは低く。口を開き、防御面を斜めにし、威力を逃がす体勢を整えた。
 最初の一撃がアタッシュケースに命中する。
 なるほどさすがの威力だと言うことが、ケースを支える腕を通して伝わってきた。
 だが、ミスティはそれを凌いだのだ。
「そのようなもの、破壊して差し上げますわよ」
 敵が次弾を構える。
「ここですね」
 敵が攻撃に移る一瞬を見て、一気に距離を詰めた。
「近づいて来ようとも無駄ですのよ。この無敵バリアがある限り、わたくしに攻撃など届くはずがありません」
 そんなドンの言葉を遮るように、ミスティは自らのコートを脱いで、それを敵の肩に羽織らせる。
 ふわり、と、コートの裾が風に持ち上げられた。
「え?」
 言葉を無くすドン。
「そのような格好ですと、風邪を引いてしまいますよ」
 ミスティは、そっとコートを整えてやる。
「女性は体を大事にしませんと」
「トゥンク」
 敵の口から、思わず擬音語が漏れた。
 何と言う、何と言うシチュエーションであろうか。花びらの舞うこの戦場で、敵であるドンに優しくコートを羽織らせるなど。
「それも、自分のコートを脱いでまで……!」
 胸の前で手を組み、ドンが甘い溜息を漏らす。
 瞬間、敵の絶対無敵バリアは壊れた。
 ミスティは、それを見て敵の胸ぐらをつかみ、一気に巴投げでぶん投げる。
 そして、状況に追いついていないドンの背に乗り、見事なキャメルクラッチをキメた。
「ただし怪人は別です……!」
「こ、これは……わたくし、ノックアウトですわ……」
 力を無くしたドン・フリーダムが消えていく。
「ですが、ふふふ。良いトキメキを、感じましたの」
 と、どことなく良い感じの言葉を残し、敵は完全に滅んだ。

 この戦場でのドン・フリーダムは消滅したのだ。
 猟兵たちは達成感を胸に、戦いを終えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月27日


挿絵イラスト