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バトルオブフラワーズ⑬〜自由を創りし者は神と成り得るか

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #オブリビオン・フォーミュラ #ドン・フリーダム


●ちょうてんさい
 『彼女』は突然現れた。
「惑星に住む次世代人類の皆様、そして猟兵の皆様、はじめましてですわ」
 キマイラフューチャー全域の映像という映像に、全て『彼女』が映し出された。『彼女』は丁寧な口調で自己紹介をする。
「このわたくしが、かつてシステム・フラワーズを作り上げたちょうてんさい、『ドン・フリーダム』でございますわ。ちょうてんさいは、『物凄くかしこい』と『物凄く迷惑』のダブルミーニングですの」
 超天才と超天災を掛け持つ存在。『彼女』は確かにそう言った。
「でも、迷惑なんて失礼しちゃいますわ。わたくしはただ、システム・フラワーズを『修理』しているだけなのですのに」
 やれやれと首を振る。
「そう、皆様がご利用中のコンコンコンは、完全なコンコンコンではないのです。本当のコンコンコンは、コンコンコンすれば望むものが何でもコンコンコンされる。コンコンコンとはそうあるべきではないですか?」
 『彼女』の演説は続く。
「不本意ながらドラゴンテイマーの手を借りてはいますが、修理はもうすぐ終わります。できれば完成を楽しみにお待ちいただきたいのですけど、いかがでございますか?」
 その仮面の裏側では、一体どんな表情を浮かべているのだろうか。

「我慢しなくていいのですよ。欲望は止めなくていいのです。
 オール・フォー・フリーダム! 自由こそが、この世の全てなのです!」

●ドン・フリーダム
「時は来た」
 ゴッさんことゴ・ディーヴァ(甘色の案内人・f16476)は相変わらず笑顔だ。
「待ちに待ったボス戦だ! さぁ、もう覚悟は出来ているね?」
 今回の相手はドン・フリーダム。システム・フラワーズを創造した者。
 超天才と超天災を自称するが、自称するだけあって今までの敵とは格段にレベルが違う。
「彼女の攻撃は、今まで戦ってきた3幹部の能力を使ってくる。3幹部とは、エイプモンキー、ラビットバニー、ウインドゼファーの事だな」
 3幹部の能力を使用してくるという事は、先制攻撃をしてくる事は勿論、それぞれに沿った対処を行わなければならないという事だ。
「部下の能力を全て持っているとは、流石はボスだね。しかし君達は知っているだろう? それぞれの対処の方法を! 今までの戦いは、全てここで使う為の予習に過ぎなかったという事だよ!」
 いやはやお勉強とは大事だね! そうゴッさんは笑った。

「さてさて、こいつを倒せば今回の戦いのノルマはクリアだ! こいつを倒してやっと一息付けるというものだ。気を引き締めて向かうと良い。全てを終わらせ大団円と行こうじゃないか」
 君達なら出来るさ! そうだろう?
 ゴッさんは最後まで笑顔を絶やさず猟兵達を見送った。グリモアの輝きが消えていく次に見えた光景は、最後の戦場だった。


ののん
====================
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 加えて、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要です。これらに対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

POW:絶対無敵バリアを展開します。エモいものを見せれば無効化できます(エモいの基準はラビットバニーと同じ)。
SPD:風で足場を崩してきます。
WIZ:猟兵のユーベルコードの弱点を見抜き、確実に反撃するマシンを作り出してきます。 その反撃マシンに反撃する方法を考えなければいけません。

 これらの能力はそれぞれ「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じですが、ドン・フリーダムは彼ら以上の実力者です。
====================

 お世話になります、ののんです。

 ●状況
 キマイラフューチャーが舞台となります。
 上記に記載しました通り、特殊な戦闘ルールとなっておりますのでご注意下さい。

 ●プレイングについて
 キャラ口調ですとリプレイに反映しやすいです。
 お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
 同時に投稿して頂けると大変助かります。

 申し訳ありませんがユーベルコードは基本的に【選択したもののみ】描写致します。


 以上、皆様のご参加お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『ドン・フリーダム』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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ゾーク・ディナイアル
コイツがボス!
ならさぁ、本気の本気でやらないといけないよねぇぇ!

☆戦術
SPD勝負
先制攻撃を『野生の勘』で『見切り』回避跳躍、暴風を『空中戦』で華麗に避けながら『クイックドロウ』で飛来する危険物を撃ち抜き迎撃!
「当たらないんだよぉ!」
そしてすかさずUC【ハルシオン起動】で愛機に空中搭乗!
スラスターを吹かせ巧みな『騎乗・操縦』技術で高機動『空中戦』をしながら敵の攻撃を『野生の勘』で『見切り』躱して、ハイ・ビームライフルを『クイックドロウ』で『二回攻撃』して乱射したり、接近して『怪力』機構でビームサーベルを振るい『カウンター』で斬り裂き、突き刺して『傷口を抉る』よ。
「死んじゃえぇぇ!」
※アドリブ歓迎



 最後の戦場に立ち塞がる者は、女神と呼んでも過言ではない立ち振る舞いの女性だった。
 キマイラフューチャーのコンコンコンを創った天才、そして自由という自由を求める天災。
 オブリビオン・フォーミュラ、ドン・フリーダム。それが彼女の名である。

 今回の戦いの中で最大の脅威であるドン・フリーダムを前にした猟兵達。しかしゾーク・ディナイアル(強化エルフ兵の出来損ない・f11288)は彼女を見るなり笑い出した。
「コイツがボス! ならさぁ、本気の本気でやらないといけないよねぇぇ!」
 一目で強敵である事が感じられる事の嬉しさ。そしてそんな相手を今から破壊しようとする自分自身。これぞまさに恍惚の境地。
「あらまぁ、わたくしの姿に惚れ惚れしましたの? えぇ、えぇ、良い事です。大歓迎ですとも」
 ドン・フリーダムは右手を口元に近付けると、ふぅ、と優しく息を吹き掛けた。そっと吹き掛けたはずだった吐息は暴風を生み出し、ゾークの足元に向かって地面が砕けていく。
「あぁ残念! 知ってるんだよねぇそれ!」
 かつて交戦したゼファーと同じ能力。ゼファーのそれよりも格段に強化された攻撃だが、初見と二番煎じではこちらの動きも変わるというもの。
「当たらないんだよぉ!」
 足元が崩れた直後、崩れた足場を蹴り上げ高く飛び上がるゾーク。暴風に飲まれながらも表情は涼しいまま。その体はまるで踊っているようにも見える。
 勿論、暴風に身を任せるだけではない。回転するその勢いに乗せて試作型魔導拳銃《スタイン》を乱射させ、襲い掛かる砕けた破片を打ち抜き危機を回避していく。
「ここからだよぉ! 行くよハルシオン!!」
 次にゾークが呼んだのは試作人型魔導騎士『ハルシオン』。開いた胸部に搭乗すると、暴風を振り切り空中を飛んだ。
「まぁ、大きくなったって何も変わりませんよ」
「変わる変わる! ブチ殺すっていう度胸が変わるってものよぉ!」
 背中のスラスターが空中に線を引く。ドン・フリーダムの暴風から生み出される破片を避けながらハイ・ビームライフルで次々と撃ち抜き、ドン・フリーダムの体を掠めていく。
「当てるなら、ちゃんと当てないとですよ?」
「当ててますよぉこの通り!」
 掠めたならば、それは当たっているも同然。何故ならそこを狙えばいいのだから!
「死んじゃえぇぇ!!」
 急接近するゾーク。その手に持つビームサーベルは暴風さえも斬り裂き、そのままドン・フリーダムの右肩の傷を力強く抉った。

成功 🔵​🔵​🔴​

アリス・フェアリィハート
アドリブや他の方との連携も歓迎です

私がお見せする感情は…覚悟

確かに人は…
欲望に身を任せそうに
なる事もあるでしょう…

でも…それに打ち勝って
前に進むのも
人の力なんです…!

自身の剣
『ヴォーパルソード』を構え
背の
純白に光輝くオラトリオの翼を
大きく広げ
髪に青い薔薇を咲かせます
その花言葉は【夢叶う】

渾身の覚悟と共にUCを発動

『――是は…不思議の国の不思議な戦い――アリス・セイバー!!』

戦闘は
可憐にドレスを翻しつつも
剣で
【属性攻撃】や【鎧無視攻撃】
【2回攻撃】での
時間差攻撃等の剣戟や
剣からの【衝撃波】
剣の光焔の【誘導弾】等の
遠距離攻撃等で戦闘

敵の攻撃は
【第六感】【見切り】
【残像】【オーラ防御】等で
回避・防御



 白銀に輝くルーンの剣を構える幼き少女、アリス・フェアリィハート(猟兵の国のアリス・f01939)。ドン・フリーダムから見れば、武器を持っているにしてもなんと小さき命であることか。
「なんて可愛らしい子でしょうか。迷子ですか、それとも血迷い子ですか?」
 そんな言葉を掛けられながらも、アリスは表情を一つも変える事なく、首を横に振る。
「私は、あなたに刃向かう者です」
 小さくもハッキリと言い放つその声は、他の猟兵達にも負けない『覚悟』の表れ。
「確かに人は……欲望に身を任せそうになる事もあるでしょう……」
 人とは生まれながらに欲望を持つ生き物だ。欲望を断絶する事など出来ない。
「でも……それに打ち勝って前に進むのも人の力なんです……!」
 そう、『強い欲望にも打ち勝つ』という欲望によって。
「あなたの欲望……私達の欲望で浄化します……!」
 ルーンの剣、ヴォーパルソードが更に輝きを増す。両手で力強く握り締め真っ直ぐと縦に構えると、オラトリオの象徴である純白の翼が大きく広がる。
「まぁまぁまぁ! それは威嚇のポーズでしょうか? そんなちっぽけな体で何を頑張るというのです? お忘れですか、わたくしにはこの『絶対無敵バリア』があるのですわよ」
「はい、分かっています。それでも私は、私達は、立ち向かわねばならないのです……!」
「なんて強い欲望! わたくしの赤べこキャノンとどちらが強いのでしょうね?」
「そんなもの、決まってます」
「素直じゃない子ですわね! さぁ逝きなさい!」
 ドン・フリーダムは全身に絶対無敵バリアを展開した後、巨大な赤べこキャノンを発射した。
 真っ直ぐに向かって来る赤べこキャノン。しかしアリスは微動だにしない。目を閉じ、剣に祈る。

 金色の髪に咲くは青い薔薇。
 花言葉は『夢叶う』。

「――是は……不思議の国の不思議な戦い――【アリス・セイバー】!!」

 ヴォーパルソードの光焔の奔流を伴う万象斬。それは全てを斬り裂く閃光。彼女の覚悟そのもの。
 その一振りは正面の赤べこキャノンを引き裂き、ドン・フリーダムの白い身体に傷を付けた。
 ――何故だ、絶対無敵バリアは確かに展開していたはずなのに。
 しかし、絶対無敵とされていたバリアには大きなヒビが入っていた。バリアが無効化されたのだ。
 ――嗚呼そうか、そうだったのか。
 ドン・フリーダムがアリスの攻撃に撃ち負けた。それは彼女が『少女の覚悟が心に突き刺さった』事を表す。

成功 🔵​🔵​🔴​

エリエ・ルーミエンス
ま、欲望が悪とは思いません
私も主サマの欲から生まれた存在です
…私の欲も叶えてくれますか?
私の見てないところで主サマがどのように死を迎えたか、最期の言葉は何だったのか、それが知りたいんです
…答えられます?どうせ答えられないんですよね?
じゃあさっさとくたばれこの変態女ッ!

■戦闘
足場を吹き飛ばされても問題無しです
直後にUCを発動
強化された躰で飛んでくる足場やら瓦礫を蹴って跳躍しつつ、矢を発射
暴風の中では矢なんて当たらないでしょうね――ですが、矢はブラフ
敵の気が逸れたところで全速力で接近
愛の力は風如きには負けません!
隠し持っていたダガーで喉元を引き裂いてやりますっ

※アドリブ歓迎



「(この人がドン・フリーダム……そうですか)」
 エリエ・ルーミエンス(誰かのためのヒロイン・f17991)は彼女の姿を見るなり、何処か関心したような、がっかりしたような、そんな複雑な感情を抱いた。
「ドン・フリーダム。……私の欲も叶えてくれますか?」
「わたくしに不可能の文字はありませんのよ。何せ『ちょうてんさい』ですからね」
 ならば問います、と、エリエは口を開く。
「私の見ていないところで主サマがどのように死を迎えたか、最期の言葉は何だったのか、それが知りたいんです」
 その願いを聞いたドン・フリーダムは何を思い、どんな表情を浮かべたのだろう。
「確かに、今のコンコンコンではそれは叶えられません。しかし、わたくしの修理が完了すれば叶うでしょう」
「いつ完了するのですか? どのように叶うのですか? ……答えられます?」
 ドン・フリーダムは沈黙を貫いた。
「……どうせ答えられないんですよね?」
 そう言い放ったエリエだが、その声に悲しみは含まれていない。寧ろ、もう知っていたかのような態度だ。
 はぁ、と深い溜め息が空間に虚しく響く。直後、次に大きく響いたのは、エリエが地面を力強く踏み込んだ足音。
「じゃあさっさとくたばれ、この変態女ッ!!」

「……ちょうてんさい、それは即ち一般人とはかけ離れた変態。それは言われ慣れていますの。……ですけどね」
 ドン・フリーダムの声は低い。
「ありがたーいシステムを創った者に向けて『さっさとくたばれ』とは、言い過ぎではありませんか!?」
 流石はちょうてんさい、ブチギレポイントがズレている。ブチギレた彼女は怒りのまま腕を振り上げた。衝撃波は暴風を生み出し、次々に足元を破壊していく。
「――リミッター解除」
 襲い掛かろうとする怒りの暴風。それでもエリエは冷静にユーベルコード発動の準備に取り掛かる。
「勝利をまた一つ、主サマに捧げましょう」
 足元が崩れる。エリエは崩れ行く花に吸い込まれていった。
「どうぞ捧げて下さいませ。あの世で主サマとらやに出会えれば、それで願いも叶ってモーマンタイですし」
「……こんな雑な死に方で主サマが喜ぶとでも?」
 吸い込まれたはずのエリエの声は、頭上から聞こえた。ドン・フリーダムが見上げたその時、目に入ってきたのは矢の雨。
 すぐさま腕を振るい、暴風で矢を薙ぎ払うドン・フリーダム。矢での攻撃は容易く防がれてしまったが、それもエリエの策の内だ。
「愛の力は風如きには負けません!」
 愛の力、それはエリエ自身の事を指す言葉。高速戦闘モードで素早さを手に入れた彼女はドン・フリーダムの死角に入り込むと、矢に気を取られたその隙を狙ってダガーを横一線。
 ドン・フリーダムの悲鳴と共に、喉元から飛沫が舞い上がった。

成功 🔵​🔵​🔴​

明智・珠稀
■POW
嗚呼…!貴女が敵でなかったならば
私は貴女と自由について語り合いたかったです、ふふ…!
(敵の見た目に共感)

■戦闘
敵UCはオーラシールドのピンク色の【オーラ防御】【盾受け】で防御
【激痛耐性】しつつ【シールドバッシュ】でオーラを放ちながら
「さぁ、生まれたままの私を見てください…!」
どさくさに紛れ【早着替え】で敵同じく全裸に

「私が貴女にエモさを感じたように、貴女にもエモみを感じていただきたい…!」
UC【明智・ザ・ジャイアント】で大きな明智も全裸
敵と同じポーズ&青薔薇で親近感演出

敵バリアなくなれば【早業】で黒革の鞭を構え
【ダッシュ】で近づき鞭で打ち捕え【吸血】【生命力吸収】を

※アドリブ大歓迎★



「嗚呼……! 貴女が敵でなかったならば、私は貴女と自由について語り合いたかったです、ふふ……!」
 来ましたこの男、明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)。彼はドン・フリーダムの姿を見るなり恍惚の笑みをより輝かせる。
 それは決して耽美な姿に惚れたものではなく、どちらかと言うと共感の方が強い。
「あらあら、まぁまぁ。猟兵でなければ喜んでお誘いに乗ったのですが」
 残念ですわ、とドン・フリーダムは嘆いた。
「いけめんは嫌いではなくてよ。だからこそ早めに対処させて頂きますわね」
 そう言うと、ドン・フリーダムの周囲が輝き出す。絶対無敵バリアを展開したようだ。
「それでは、さようならですの」
 彼女は軽く手を振ると、召喚した赤べこキャノンを珠稀に向けて発射した。巨大な赤べこが無慈悲に珠稀を狙い、大きな爆発を起こす。

 それだけで終わるはずがなかった。撒き上がる砂煙の中、うっすらと見えるのはピンク色。
 そう、そこに立つのはピンク色のオーラシールドによって守られた珠稀。防御はしたものの真正面から受けた為か……。
「さぁ、生まれたままの私を見てください……!」
 お客様お客様お客様!! 困ります!! あーっ!! (描写的に)困ります!! 
 赤べこキャノンによって服が全部吹っ飛んでしまったではないか! その代わり、何故か珠稀自身はノーダメージだ!
「私が貴女にエモさを感じたように、貴女にもエモみを感じていただきたい……!」
 真白な身体に輝かしい微笑み。そんな彼がユーベルコードによって召喚したものとは――。

「Oh...」
 あのちょうてんさいであるドン・フリーダムが思わず声を漏らした。
 何せ目の前に現れたのは巨大な珠稀。それも自分と同じ格好、同じポーズをしているのだ。周囲には青薔薇が浮かび、それもまた神々しい。
「どうでしょう? これで貴方に近付けたでしょうか?」
「Oh...beautiful...」
 思わず英語しか出てこない。
 自分と似た姿である事、そして『ラスボス相手にラスボスと同じ姿になって戦う事』に何かを感じたドン・フリーダム。案の定、絶対無敵バリアは静かに消えていく。
「ふふ、一瞬だけでも同士になれて嬉しかったです」
 巨大な珠稀が薔薇の刻印が刻まれた黒革の長鞭を振るう。驚いて動きを止めていたドン・フリーダムが攻撃を防ぐ余裕があるはずもなく。細くも豊満な身体は鞭によって縛り上げられてしまう。
「しまった……! これはあれですわね、『くっころ』ってヤツですわね……!」
「嗚呼、そうですね……そのシチュもエモいと思います」
 そう呟くと巨大な珠稀はドン・フリーダムに近付き、顔を近付け……あーっいけません!! いけませんお客様!! その姿で二人が重なる図だけでNGですお客様!!
 ともかく巨大な珠稀はドン・フリーダムの血を吸い、その生命力を静かに奪っていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

榛名・深冬
【エイリアンツアーズ】
絡み・アドリブ歓迎

イグズヴィさんと一緒にブラフマン先輩のバイクに乗せてもらいます
電脳眼鏡型ゴーグルの【視力】を上げ敵の動きの傾向や隙等を
注意深く観察し【情報収集】
気づいた事は仲間に情報共有
【エレクトロレギオン】を敵の周りに飛ばし牽制し【時間稼ぎ】
ヨシュカくんがスムーズに足場を作れるよう立ち回ります

※マニアックマシンは小竜形態の燈が対応
機械兵器を死角から狙い打ち落とそうとした所を燈が更に後ろから攻撃
口から火を噴いて【属性攻撃】で交戦し壊します

足場完成後、三条さんやヨシュカくんたちの後に続き
燈を槍形態にして接近戦を仕掛け【串刺し】にします


パウル・ブラフマン
【SPD】
【エイリアンツアーズ】で参戦するよ!

▼先制攻撃対策
愛機Glanzに【騎乗】してUC発動!
エイツアクルーの二人に同乗して貰って
バリバリ☆遊撃しちゃうぞ♪
【地形の利用】を念頭に
FMXの要領で崩れる足場を【運転】テクで疾走。
走行中もKrakeを展開し【誘導弾】を射出。煙幕で目くらましを。

▼反転攻勢
足場が完成したら反撃開始。
オレには自由より大切なものがある!
持ち前の【パフォーマンス】で呼びかけ
隙を作り、ドンさんを射程圏内に納めたい。
皆とタイミングを合わせ、Krakeを出力最大にして【一斉発射】ァ!

…それは、ダチってヤツ。
ドンさんが昏倒したらジャケットを掛けてあげたいな。

※絡み&アドリブ歓迎!


三条・姿見
POW/【エイリアンツアーズ】

・対バリア
己が示す義を、攻略の糸口に。

…奴が何者かなど、取るに足りんことだ。
眼前の敵は必ず斃す。
それが俺の示せる唯一の義であるからだ。

全てを失った俺を手招き、受け入れた組織のため
差し出せるもの…残されたものは、この刃のみ。
俺の全てだ。今この時、組織のための剣となろう。

・戦闘
味方の支援で残った足場を脚力任せに走破、
抜刀し白兵戦に持ち込む。刃には【マヒ攻撃】の神経毒を。
距離をとる動作には【撃剣】投擲にて追撃。逃しはしまい。

敵の大技はこちらにとっても反撃の好機となるだろう。
【残像】を囮に【迷彩】で死角へ。
間合いを詰め、【剣刃一閃】で切り伏せたい。

※二人称:名前呼び捨て


ヨシュカ・グナイゼナウ
【エイリアンツアーズ】(アドリブ連携歓迎)【SPD】

Glanzの皆さま陽動の隙に、猛風で飛ばされた花のひとつを【見切り】それに着地して掌を。足が付けばそこが地面です
【地形の利用】をしここから784m内の視認した花びらを【針霜】で貫き、そのまま縫い付ける様空間に固定。
裁縫は意外と得意ですので。足場の確保が出来れば、皆さまも戦いやすくありましょう

三条さまがバリアを突破しましたら、それに続くよう花の道を駆け抜けて
【残像】と【フェイント】を織り交ぜ翻弄し。隙の糸を【見切り】開闢を構え直し反撃を
この刀は道を切り開く為の覚悟の刀。あなたという障害をも斬り伏せて。わたしは、ここで止まる訳にはいかないのです


ニオク・イグズヴィ
【エイリアンツアーズ】で参加
憎めないし恨みもないが、悪いがこれは戦争なんでな!

○先制対策
パウルのバイクに同乗
拘束で戦場をかけ、敵の攻撃からの回避を試みる
パウルや深冬、バイクに届きそうな攻撃は【オーラ防御】を展開しながら【かばう】
タールの身体は、盾にだってなるんだぜ?

○攻撃
咎力封じ(SPD)で敵の拘束を試みる
そうすりゃ、皆が戦いやすくなるはずだからな
【2回攻撃】で【傷口をえぐる】

そのカッコで拘束具付けたらちょっと絵面がヤバいかもしれねぇが、こっちも戦場で四の五の言ってられねぇんでな
遠慮なくいかせてもらうぜ!



 遠くから聞こえるエンジン音。爆音とも呼べるような音に混じって男の叫ぶ声が聞こえる。
「どもー! エイリアンツアーズでっす!」
 猟兵向け旅行会社【エイリアンツアーズ】の運転手であるパウル・ブラフマン(Devilfish・f04694)が白銀の宇宙バイクの上でテンション高く叫んでいた。
「間もなくドン・フリーダムの元へ到着です☆ ココから先はノーブレーキだぜ、しっかりシートベルト締めなよ!」
「先輩、これシートベルトないです」
 パウルの後ろへ乗る榛名・深冬(冬眠る隠者・f14238)は相変わらず棘のある敬語を吐き、サイドカーに乗るニオク・イグズヴィ(コインの裏面・f00312)はその様子を見てへらりと笑っている。
「もう二度と観光に来れない場所だろうし、精々楽しもうぜ」
「そうそう! それじゃ、バリバリ☆遊撃しちゃうぞ♪」
 スピードを上げていく宇宙バイクGlanz。それは次第に変形し、移送速度と戦闘力を増強させたモードへとチェンジしていく。
「まぁまぁ、チンピラは嫌ですわ。耳障りなんですもの」
 ドン・フリーダムは深い溜め息と共に、羽虫を振り払うかのように腕を振るった。それは暴風を生み出し、全てを破壊する竜巻はパウル達の方へと襲い掛かる。
「二時の方向から二つ、九時の方向から一つ来ます」
「おーけー、ちょっと揺れるぜ!」
 アクセルは全開。崩れゆく足場へ突っ込んでいき、とうとう宇宙バイクは宙を舞う。
 しかし運転手の腕を侮るなかれ。崩れた破片に次々とタイヤを滑らせ、確実にドン・フリーダムの方へと疾走しているのだ。
「タールの身体は、盾にだってなるんだぜ?」
 勿論、足場としてではなく、攻撃として隕石のように流れ飛んでくる破片も存在する。それらはニオクが自身の身体を変形させ、オーラを纏った盾として乗客達を守る。

「姿見くん、ヨシュカくん、宜しくー!」
 パウルはとある二人の名を呼びながら、触手の表面に装備した固定砲台を一斉射撃。誘導弾が花火のように撃ち上がると、ドン・フリーダムの目の前で爆発。煙幕をまき散らした。
 周囲の暴風が煙幕をすぐに掻き消したが、数秒でも足止め出来ればそれで問題はない。
「嗚呼、任された」
「了解致しました」
 弾幕から飛び出した二つの影。煙の線を引きながら現れたのは三条・姿見(鏡面仕上げ・f07852)とヨシュカ・グナイゼナウ(渡鳥・f10678)。
「裁縫は意外と得意ですので。少々お待ち下さい」
 とん、とヨシュカが自身と同じ大きさの破片に着地をすれば、掌をそっと当てる。直後、両指に装備した鋼糸が蜘蛛の巣を作るように展開した。鋼糸の通った破片は次第に集まり、一本道を作り出す。
 ヨシュカの行動をドン・フリーダムが見逃す訳がないが、彼女は妨害をして来ない。
「邪魔は……させません」
 原因は簡単だ。深冬のユーベルコードによって召喚された無数の機械兵器がドン・フリーダムの顔を覆い隠していたのだから。
 彼女は引き篭もりだ。そして極度の人見知りだ。だけど、折角出来た仲間を見捨てる行動など出来る訳がなかった。

「さぁ、皆さま。どうぞ進んで下さい」
 ヨシュカの作った長い長い一本道が導こうとする終点はドン・フリーダム。完成したばかりのその道を姿見が駆け抜ける。
 封刃・写を鞘から抜くと同時に斬り伏せる、が。
「うーん、忘れられては困りますの」
 そう、彼女の周囲には絶対無敵バリアが存在している。バリアによって姿見の攻撃は弾かれてしまうが、姿見の表情が曇る事はなかった。
「……奴が何者かなど、取るに足りんことだ。眼前の敵は必ず斃す。それが俺の示せる唯一の義であるからだ」
 そこに最強の盾があろうとも、彼が諦める事はない。
「全てを失った俺を手招き、受け入れた組織の為差し出せるもの……残されたものは、この刃のみ。俺の全てだ。今この時、組織のための剣となろう」
 言い終えた直後、姿見の姿が真っ暗に染まる。いや、彼の背後から強烈な光が照らされたとでも言うべきか。

「はいっ到着ー♪」
 それは宇宙バイクのライト。パウル、深冬、ニオクがとうとう終点へと着いたのだ。ヨシュカもバイクの隣へ降り立ち、五人は合流を果たす。
 背後に並ぶ仲間達に、姿見の表情が一瞬和らいだ――ような気がした。
「――この組織の……彼らの剣が、折れる訳がないだろう?」
 彼の刀はもう一度バリアに挑む。輝く刃が横一閃。すぅ、と光の一線が差し込まれた直後、バリア全体にヒビが走り、それはバラバラに砕け散った。
「な……なんて友情なの……っ!?」
 ドン・フリーダムは認めてしまった自身の意思に驚愕した。ここまで眩しい結束力を見せ付けられるとは思いもしなかったのだろう。
 絶対無敵バリアが消え去った空間。そこへ息つく間もなく彼女を襲ってきたものとは。
「……そのカッコで拘束具付けたらちょっと絵面がヤバいかもしれねぇが、こっちも戦場で四の五の言ってられねぇんでな」
 ニオクによる咎力封じ。手枷、猿轡、拘束ロープの嵐がドン・フリーダムに襲い掛かる。
「憎めないし恨みもないが、悪いがこれは戦争なんでな! 遠慮なくいかせてもらうぜ!」
 彼の放った拘束具は見事に彼女を雁字搦めにしてみせた。あの協力なユーベルコードを拝む事は、もう二度とないだろう。

「オレには、オレ達には、自由より大切なものがある!」
 パウルが両腕を広げてドン・フリーダムを見上げる。
「わたしは、ここで止まる訳にはいかないのです」
 ヨシュカが『覚悟』の刀を握り締める。
「ここで終わる事など出来ないのだ」
 姿見が再び抜刀の構えを見せる。
「世に面白れぇことがねぇなら、死んだほうがマシだ」
 ニオクが笑いながら拷問具を背負う。
「……また信じられたらいいなと、思うのです」
 深冬が槍形態と化した燈を優しく抱く。

 ある者は駆け抜け、ある者は跳躍し、ある者は武器を掲げる。
 ドン・フリーダムは為す術なく、一斉に襲い来る五人の総攻撃を受けた。
 ――何故、何故。何故わたくしはこんな目に?
 ――ちょうてんさいであるわたくしに、何かが足りなかったとでも言うのですか?
 ボロボロと砂のように散っていく自分の白い身体。その中で彼女は自問自答を続ける。
 しかしその答えを出す事は、最後まで彼女には出来なかったという。
「……ドンさんには難しかったかな?」
 身体がなくなり、とうとう仮面だけになってしまったドン・フリーダム。パウルはその仮面にそっとジャケットを掛ける。

 ……それは、ダチってヤツ。

 エイリアンツアーズの五人に囲まれながら、ドン・フリーダムの仮面は砂となり、静かに消えていく。
 こうして猟兵達と、キマイラフューチャーのオブリビオン・フォーミュラとの戦いは、終わりを告げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月29日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト