バトルオブフラワーズ⑫〜手繰る者
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「Hello、ハロー!ついに最後の関門を突破しまして、バトルオブフラワーズも最終決戦に入りましたね!」
グリモアベースに、ガラテア・オートマトン(アスタリスク・f12062)の大声が響く。
「このまま一気に押し込んで、キマイラフューチャーを救ってしまいましょう!…と、言いたいのですが…」
少し、言い淀んで。
「今回、私が案内しますはオブリビオン・フォーミュラである『ドン・フリーダム』でなく、謎のオブリビオン、『ドラゴンテイマー』でございます。コチラをご覧ください」
そう言うと、ガラテアは空中にホログラムディスプレイを投影する。
「先程言いました通り、『ドラゴンテイマー』は謎に包まれたオブリビオンです。『ドン・フリーダム』に侵略の技術を提供し、力を貸しているのは確かですが、その思惑は一切不明です。正直に言いますと、この『ドラゴンテイマー』と戦闘を行う事、戦場を制圧する事は、バトルオブフラワーズの戦略的には全くの無意味です。攻略する必要性がありません」
では何故本命では無く、脇道へと誘導しようとするのか。その場にいる誰かが尋ねれば。
「…だって、裏で手を引いていそうな怪しい相手を何の反応もせずに放置しておくのとか、気になりません?私は気になります」
身も蓋のない答えが帰ってきた。
単純な好奇心だと、はっきりと断言するガラテア。
「『ドラゴンテイマー』はこれまでの強敵と同じように、必ず先制攻撃をして来ます。それらへの対抗策が無いと一撃で退場させられてしまうでしょう」
『ドラゴンテイマー』はその名の通り、『黒竜ダイウルゴス』と呼ばれる巨大なドラゴンと召喚、使役する能力を持つ。これまでの怪人幹部等とは比べ物にならない戦闘能力を持っている。
「それ以外の特殊な能力は確認されていません。ウインドゼファーと同じように『単純な戦闘能力の高さ』が、この戦闘では求められるでしょう」
「説明は以上となります。もう一度言いますが、この戦いに勝利しましても、戦況に一切の変化はありません。それでも、このまま放置しておくのは、何か、イヤな胸騒ぎがするのです。どうか、皆さんのご協力をお願い致します」
赤黒い
赤黒いです。下記の特殊ルールをご確認下さい。
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
この戦場は「戦略的には無視しても問題ありません。攻略の必要はありません。」
それをお忘れなきよう、よろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『ドラゴンテイマー』
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POW : クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【逆鱗】に1と刻印された戦闘用【大型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 文明侵略(フロンティア・ライン)
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:ハルヨリ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エメラ・アーヴェスピア
ええ、確かに気になるわね
後で妙な事になっても困るし、ここで確りと打ち取っておきましょう
それじゃ、猟兵の仕事を始めましょう
剣の腕が命中したら危険なら、簡単な対処としてはまず近づかせない事よね
『我が砲火は未来の為に』、呼び出すのは複数の中型機関砲(攻撃回数重視)
兎に角【一斉発射】して接近させない様に
又は砲自体を盾にして本命を逸らしたり、もし群れを放たれてもその数を減らすわよ
一応手が空いているなら本体にも攻撃するけれど…メインは相手の行動を邪魔する事で【時間稼ぎ】…同僚さん達への【援護射撃】ね
少しでも同僚さん達の援護になるのなら、私の行動にも意味はあるわ…!
※アドリブ・絡み歓迎
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「ええ、確かに気になるわね。後で妙な事になっても困るし、ここで確りと打ち取っておきましょう」
花の足場を踏みしめて、エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)が戦場へと繰り出す。
正体不明の謎の敵を、そう安々と逃がすことは出来ない。
「それじゃ、猟兵の仕事を始めましょう」
小さな体躯で、エメラは急ぐ。
「…そうか、来るのだな」
『ドラゴンテイマー』が、自らの元へと迫る少女を見つめる。
『ドン・フリーダム』にだけ注力していれば良いものを。どうやら奴らは、かなり貪欲であるらしい。
「であれば、相手をしてやらねばな」
赤き剣の右腕を構えて、ドラゴンテイマーの姿が消えた。
――速い!
エメラは咄嗟に呼び出した魔導蒸気機械で、振るわれた右腕を防ぐことは出来た。
確かに見えてはいた。だが、あの距離から一瞬で間合いを詰めてくるとは。
「防ぐか。では行け」
防御されたことには気に留めず、ドラゴンテイマーは淡々と召喚されたドラゴンへ命令を下す。
空を舞い、無数の黒竜がエメラへと襲いかかる。
「…っ!舐めないで!」
号令。【我が砲火は未来の為に(オープンファイア)】。エメラを中心に召喚される、多数浮遊する黄金の機関砲。
一斉掃射。機関砲は蒸気を噴き出し、銃弾の嵐で黒竜の群れに対抗する。
ドラゴンテイマーは…最初の一撃以降、黒竜の後ろに下がり攻めてこない。
銃弾は確かに黒竜の群れを撃ち抜いていくが、その奥にいる使役者にまで届かない。
それでも良いと、エメラは思う。
群れを減らすことが出来れば、後続の仲間達が戦いやすくなる筈だ。
それを信じて、エメラは操る魔導蒸気機械にへと、攻撃命令を下し続ける。
苦戦
🔵🔴🔴
フォー・トラン
※連携アドリブ歓迎
破壊を通じた敵の弱体化こそ[破壊工作]の真骨頂。
それ自身が無機物である箱型爆弾、トリックボックスをばら撒いておき、ドラゴンテイマーの先制攻撃によって黒竜へと変換されている最中に爆発させることで、ドラゴンテイマー本人ではなく彼に操られる黒竜の群れを混乱させる。
完璧に統率された群れによる連続攻撃には耐えられないが、オブリビオン、そして野生動物としての本能に従い散発的に飛び掛かるだけの黒竜なら、[全力魔法]を付与したロッドで叩き落とすことで個別に対処できる、かも?
そして敵の指揮統制が回復した瞬間を狙って[合成魔法]を使い、激しい音と光を伴う雷の雨での追撃により、さらなる混乱を誘う。
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――破壊を通じた敵の弱体化こそ「破壊工作」の真骨頂。
フォー・トラン(精霊術士・f12608)がトリックボックスを抱えて、ドラゴンテイマーの背後から忍び寄っていく。
トリックボックスはそれ自体が無機物の爆弾。コレを事前にバラ撒いておき、ユーベルコードにより黒竜の群れに変化させられる直前に爆破。
これにより黒竜の群れを混乱させ、指揮統制を乱れさせる事で攻撃を防ぎ、反撃にも転じるのも容易になる筈だ。
「破壊工作を行うのならば」
――ドラゴンテイマーが、振り向く。茶の瞳がフォーを捉えた。
それに合わせ、周囲の無機物が黒竜へと変化していく。
「もう少し、気付かれない努力をすべきだったな」
フォーが行動を起こす前に、黒竜の群れが襲いかかってきた。
「チッ!バレるのかよ!」
作戦変更と、その手にエメレンタルロッドを持ち、迫る黒竜の群れにへと杖の先を向ける。
【合成魔法(ゴウセイマホウ)】。持てる魔力の全てを乗せた、渾身の「雷の雨」が黒竜の群れにへと放たれる。
激しい轟音と目も眩む閃光が群れを足止め、そして無数の雷が黒竜を一体ずつ貫いていく。
誰が見ても凄まじいと感じられる魔術。しかしこれでも、防戦一方で黒竜の群れを抑えるので精一杯だ。
フォーは歯がゆさを覚えながらも、途切れず術を繰り出す他無かった。
苦戦
🔵🔴🔴
月山・カムイ
思うに、刺し違えればそれで良いのではないだろうか?
それよりも避けるのが最も最善手である、とは思うのですけどね
予兆によれば、ドラゴンテイマーのPOWを用いたユーベルコードは、赤き剣の右腕が命中した対象を殲滅するもの
一直線に宇宙バイクを用いて加速して敵へ肉薄する
精神を研ぎ澄まして相手の挙動より攻撃を見切って回避
カウンターとしてコチラの攻撃を叩き込む
仮に相手の攻撃が命中した場合も、その右腕を捕らえる
そのこならば、自分の間合いだ
至近距離から相手の群れによる攻撃が来る前に、こちらの一撃を叩き込む
相討ちとなろうとも、傷を与える事が出来れば次へ繋ぐことも出来るだろう
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片や銃弾の嵐。片や雷の雨。
並ならばそれで全てが片付くであろう猟兵の猛攻は、しかして黒竜の群れによる壁に阻まれ、ドラゴンテイマーに致命打を与える事が出来ずにいる。
そこへ、猛スピードで向かってくる一人の姿があった。
大型バイクに搭乗した月山・カムイ(絶影・f01363)が、ドラゴンテイマーへと一直線に走ってくる。
バイクは止まる気配なく加速していき、駆る月山の瞳に迷いはない。
「新手か」
轟音に板挟みにされながらも、ドラゴンテイマーは月山の姿を見つけるだろう。
なんとも、愚直だ。声には出さず、赤い剣の右腕を構える。
一突き。それで終わりだと――先程と同じように、その場から姿を消すドラゴンテイマー。
鮮血が飛び散る。乗り手を失ったバイクが、コントロールを失い花の足場を飛び出し落ちていく。
「――狙っていたな…最初から、これを…っ」
「ええ、上手くいって良かったです」
今、月山とドラゴンテイマーは密着している。
ドラゴンテイマーの赤き剣の右腕は、月山の脇腹を抉るように深く刺さり、
月山の小太刀『絶影』は、ドラゴンテイマーの胸部の中心を貫いている。
――思うに、刺し違えればそれで良いのではないだろうか?
それよりも避けるのが最も最善手であるとは、理解はしているが。
より確実に、致命を入れられるのであれば、これが良いだろう。
「離れろ…っ」
ドン、とドラゴンテイマーが月山を突き飛ばす。
抵抗する力は残っていない。高速の中で敵の動きを見切り、その上で神速の突きを放った代償だ。
花の足場から落とされた月山は、しばらく自由落下した後、システム・フラワーズ自体の安全機構により無事に着地出来るだろう。
ドラゴンテイマーは片膝を着く。
月山への黒竜による追撃は行われない。行えない。
ただの一撃で、ここまで削られるとは。
何故かなかなか塞がらない胸の傷を押さえながら、予想外の被害に苦しむ事となった。
大成功
🔵🔵🔵
オーガスト・メルト
それ…良い剣だな。
是非とも貰い受けたい…と言いたい所だが、俺の手には余りそうだからいいや。
【SPD】連携・アドリブ歓迎
万能バイクのナイツに【騎乗】し、ドラゴンランスのデイズを武装形態で構えた状態で会敵。
向こうの先制攻撃をナイツの機動力と【見切り】で回避して躱す。
【逃げ足】には自信がなくもないんでな。
向こうが群れなら【敵を盾にする】ように逃げるのも使える。
こちらの番になったらUC【アームバレル】を起動!
ナイツ謹製の模造品でも同じ竜の攻撃だ。こちらへの攻撃を相殺さえできれば良い。
その隙に敵の懐に【ダッシュ】で飛び込み【串刺し】を狙う!
「アンタ…どう見ても異物だよな。どこから来た?」
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胸の傷から流れ出続ける血に難儀するドラゴンテイマー。
この状況は、猟兵にとっては好ましいもの。
だからこそ、休む暇を与えずに攻めるべし。
再びのバイクの駆動音。万能バイク『ナイツ』に駆り、ドラゴンランス『デイズ』を構え、オーガスト・メルト(竜喰らいの末裔・f03147)が近づいていく。
「厄介な奴らだ…っ」
生々しく傷が残る現状では、先程のように急接近からの剣戟の戦法は取れない。
残る力をかき集め、ドラゴンテイマーは黒竜の群れを呼び出し、迫るオーガストにへと差し向けた。
「来たな…」
黒竜の群れを確認したオーガストは、直進していた進路を一転、真横にへと反れ、黒竜の群れから逃げ始めた。
黒竜の炎を見切り、巧みな操縦技術で避けるオーガスト。だが、このままではドラゴンテイマーからは離れていってしまう。
黒竜の群れをギリギリまで惹きつけた後、オーガストは仕掛ける。
「やれ、ナイツ!」
【鏡面迎撃砲陣(アームバレル・リフレクション)】。竜帝ナイツが、その視界にある存在を複製する。
即ち『黒竜ダイウルゴス』。複製できる存在の体積の問題上、一体のみしか複製できなかったが、十分だ。
オーガストは反転し、黒竜の群れにへと突っ込んでいく。複製した『ダイウルゴス』を盾にして。
複製品は黒竜の群れに蹂躙され、あっという間に破壊されてしまうが、その間にオーガストは遅い来る群れから逃れることは出来た。
後は、本命へ。万能バイク『ナイツ』を最大まで加速させ、ドラゴンテイマーへと迫る。
ドラゴンランスを正面に構え、串刺しにしようとオーガストが迫る!
ランスは確かにドラゴンテイマーを貫いた。だが、浅い。
赤き剣の右腕でランスを弾き、肩を掠める程度に終わらせた。
黒竜の群れが再び襲いかかるために戻ってくる。オーガストは、最後に思っていたことをドラゴンテイマーにぶつける。
「アンタ…どう見ても異物だよな。どこから来た?」
「私の風貌がそこまでおかしく見えるか?…まあ良い。いずれ分かるだろう、猟兵」
肩で息をしながら答えるドラゴンテイマー。
黒竜の群れがいよいよ近い。これ以上聞くには時間がない。
オーガストは『ナイツ』を駆って、戦線から離脱していく。
成功
🔵🔵🔴
ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード
まあ、色々と裏でやってるくれてるみたいだし、生かしておく理由も無いよねえ。
痛いのは好きじゃないけど、少しばかり無茶しますか。
まず相手の剣は右腕の外骨格を盾に受ける。
そして即座に右腕を切り離して、「命中した対象」を「あたし」から「右腕」に変えるよ。
この腕は昆虫の物だから、簡単に自切が出来るし、後でまた生えてくるんだ。
流石にそれだけで群れ全部を回避できるとは思わないけど、ある程度こっちに来る数を減らせれば、後は全身に纏った電撃で黒竜を怯ませながら体の強度に任せて突っ込むよ。
【崩天地顎】は左腕一本残ってりゃ十分だし、肉迫出来れば後はその澄ました顔面を掴んで地面に思いっきり叩きつけてやるだけだね。
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「まあ、色々と裏でやってるくれてるみたいだし、生かしておく理由も無いよねえ」
花弁と黒竜が舞う戦場に、ペトニアロトゥシカ・ンゴゥワストード(混沌獣・f07620)が現れる。
眼の前には、件のドラゴンテイマー。既に息も絶え絶えで、だが自分を睨みつけてくる瞳はゾッとする程力強く、まだ生きている。
「痛いのは好きじゃないけど、少しばかり無茶しますか」
軽く準備運動と斧を振り回し、覚悟を決めて走り出した。
「終わりが見えんな…だが」
ドラゴンテイマーが立ち上がる。
震える脚に、腹に、腕に力を込め、赤い剣の右腕を構える。
最初ほどの速度は出ないが、まだ力は残っている。
――踏み込む。姿こそ見えてしまうが、不意をつくには十分。
ペトは昆虫のような硬質の右腕を咄嗟に突き出し、盾として防ごうとし、
ペトの右腕が切り離された。
切断面からは血が僅かに飛び散り、
「…これ、は…?!」
振り上げられていた剣の右腕を見上げるドラゴンテイマー。剣にはペトの右腕が、完全に切断出来ず張り付いている。
「昆虫の腕だからねえ、簡単に自切が出来るし、後でまた生えてくるんだ」
「珍妙な、キマイラが…っ!」
ドラゴンテイマーの顔を、ペトの左腕が掴んだ。
【崩天地顎(コラプション・バスター)】。腕一本あれば事足りる。怪力でドラゴンテイマーを振り回し、足場に何度も叩きつける。
4,5回叩きつけた所で、ペトは黒竜の群れが自分に襲いかかってきているのに気付いた。
「ありゃ、踏み倒せるとおもったんだけどねえ。ここまでかな」
最後の止め、と。迫る黒竜の群れ目掛けてドラゴンテイマーを投げつけるペト。
一体の黒竜に受け止められたドラゴンテイマーは、隠しきれない怒気を、雷光を全身から放出しながら黒竜達を迎撃するペトに向けていた。
大成功
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アイリ・ガングール
よっしゃ。いっちょお婆ちゃんやったるでな。相手が集団で来るならこっちも集団じゃ。召喚されたダイウルゴスに赤狼衆をこっちも召喚して対抗するよ。
目的としては、倒すより合体の阻止じゃね。【戦闘知識】で以て指揮。倒すのではなく、弱いままで押さえておいておくれよ。
本命はみどもやね。そうして乱戦状態になったら【ジャンプ】や金狐霊糸使って【地形を利用】しつつ飛んだり跳ねたりして本体の所へと行こうか。
そこで《冥門開錠・屍山血河・黎明一閃》つこうて斬りかかろうか。お主が何であろうと、知ったこっちゃない。過去は過去へ、じゃ
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「コココ、こりゃ後少しと言ったところかの」
アイリ・ガングール(恋以外は概ねなんでもできる女・f05028)が、花々の足場をしゃなりしゃなりと歩いてゆく。
ドラゴンテイマーも遊女の如き金色の妖狐にへと視線を向ける。
怒気は押さえ、あくまでも冷静に。新たな猟兵を注視する。
「…やれ」
下した命令は短く。黒竜の群れが翼を広げ、システム・フラワーズ内部の空間を埋め尽くす。
「よっしゃ。いっちょお婆ちゃんやったるでな」
パチン。手にしていた扇を閉じれば、それを合図に死霊の集団が呼び出される。
【冥門開錠・飢狼強襲・赤狼衆】
刀を、槍を、弓を構えた『赤狼衆』が、アイリの呼び掛けに応じて現れる。
戦うために呼び出されたなら、やるべき事は互いに一つ。睨みも名乗りも必要なし。
黒竜の群れと、『赤狼衆』の集団戦が行われる。
黒竜が空を舞うのなら、赤狼衆は弓を射掛ける。
赤狼衆が塊になっているのなら、黒竜は上空から強襲してくる。
黒竜が地に降りたのなら、赤狼衆が取り囲み、果敢に攻め立てる。
「そうそう、そうじゃ。一体づつ、弱いままに押さえておいておくれよ」
赤狼衆に時間を稼ぐようにと戦闘指揮を執り行うアイリ。
アイリが健在である限り、赤狼衆も尽きる事無く戦い続ける。だが黒竜はどうだ。ダイウルゴスは最初から呼ばれる数が決まっている。
だからこそ、黒竜はアイリを狙おうと迫るが、赤狼衆が阻み続ける。
混戦の中、アイリは『金狐霊糸』を花の足場にへと投げ放ち、足場から足場へ飛び跳ねて移動していく。
ふわり、優雅に、しかして素早く。目的の場所へ、本命の場所へ。
「ダイウルゴスの群れを、掻い潜るか…」
ドラゴンテイマーの前に、アイリが到着する。
「…語ることもないじゃろ。構え」
「言われずとも」
ドラゴンテイマーは赤き剣の右腕を、
アイリは、誓いの大太刀を、それぞれに構えて。
――赤が散り、金が煌めいた。
「…負けるか…だが、私は、何度でも…」
紫のガスが霧散し、翼が崩れ、肉体が塵となってドラゴンテイマーが消滅していく。
「お主が何であろうと、知ったこっちゃない。過去は過去へ、じゃ」
当たり前の道理を説いて。アイリは刀を鞘に収める。
静寂を取り戻した戦場に、最後の鍔鳴りが小さく響いた。
成功
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