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クリスマスが今年も過ぎてゆ……かない

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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「なあなあ、知ってるか? 最近これが流行ってるらしいぜ」
「知ってる! 売れ残りのケーキを食べるってやつだろ!」
「美味しいし甘いしお酒のアテにもなるし、最高だよな!」
「わかる~! 甘いもの食いながら酒飲んで迎える新年は最高だぜ!」
「俺もやろうかな! もう売り切れてるかな!?」
 曰く、クリスマスケーキを食べながら迎える新年は最高。
 めっちゃ流行ってる。乗ってる奴が普通。乗り遅れた奴はクリスマスケーキも買えない負け組。無理。来年を諦めろ。
 ホールケーキを一人で食べるの最高。二人でもまあいい。家族なら第二のクリスマス!
 その異様な熱気は、どこから始まったのか……周囲のケーキ屋を見る目はいつもよりギラついている……。


「大変大変、大変だよー! 今度はキマイラフューチャーだよー!!」
 ぶんぶんとノートを振って、メッティ・アンティカが言う。
「あのねあのね! キマイラフューチャーの一角でヘンな習慣が流行ってるんだ! いや、流行り廃りは普通に街にあるものだけど、この流行りはオブリビオンが流しているものらしくって……ええと……」
 ぱらぱらノートをめくるメッティ。
「そういえば今日はクリスマスだね。明日からは新年ムードになると思うんだけど……売れ残りのケーキが出るでしょ? あれを買って食べながら新年を迎えるのがブームだー、って感じなんだ」
 そう、クリスマスから5日経てばもう新年なのである。人々は普段なら、過ぎたイベントのケーキになんて、飾られたサンタのマジパンになんて見向きもしない。けれど今はぎらぎらとみんなが狙っているのだという。
「ケーキ屋さんとしてはうれしいよね。売れ残りがなくなるから……でも、やっぱり、オブリビオンのやることは放っておけないよ! みんな、町の人を説得しておかしいブームを終わらせるんだ!」
 あ、あと、メリークリスマス!今年もお疲れ様!
 メッティは張り詰めた緊張を緩めて、初めて笑顔を見せた。今年ももう少し。けれど、オブリビオンにも猟兵にも、そんな事は関係ないようだ。


key
 こんにちは、keyです。メリークリスマス!
 これ今書くしかないじゃん、と思わず筆を執りました。
 シナリオの都合上、リプレイ執筆は26日からとなりますのでご容赦ください。
 売れ残りのケーキは安いので、個人的には好きです。
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第1章 冒険 『新年を取り戻せ!!!』

POW   :    怪人に支配された地域へ殴り込んで開放しようとする

SPD   :    代わりになる何かを作る事で怪人を気にせず新年を祝う。

WIZ   :    これが新しい新年の祝い方だ! 新ブームを生み出し流行らせる。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


クリスマスが終わって、翌日。
 ケーキ屋の前には行列ができていた。
「買えるかなーコレ。売り切れる?」
「売り切れたら別のケーキ屋を当たるしかないなー」
 みんなのお目当てはクリスマスの売れ残りケーキ。もちろんクリスマスにもケーキを食べる。そして新年にもケーキを食べる。控えめに言っても最高では? 甘々では?
 そんな雰囲気の中に降り立った猟兵たち。さあ、流行に乗らされた人々の心を今こそ晴らすとき!
アスティリア・モノノフィシー
クリスマスを過ぎたクリスマスケーキなんてただのケーキです。
その上に乗ったサンタのマジパンなんてただの赤い帽子の愉快なおじいさんです。

その季節の、その瞬間で楽しむからこそイベントは楽しいのであってクリスマスが続く流行なんて普通じゃないと思うのですよ。

というわけで、もう次は年越し蕎麦年明けうどんの瞬間を楽しむべきですよね。ケーキにはない温かさと、お出汁の香りが堪りません!

丁寧にお出汁を作り、試飲みたいにして皆さんに配ります。
ずっと甘い物ばかりだとこういう味に急に惹かれませんか?

ちょっと立ち止まって、一呼吸ついて、新年に思いを馳せてみませんか?


田中・真誠
半額ケーキか・・・半額って響きしびれちゃうね、まあ、ケーキが合う酒を考えると高めのものしかないような気がするけれど・・・。
半額って言葉に負けそうだけれども、新年を祝うって言うと、アタシ的には酒とうまいつまみ、クリスマスだろうが新年だろうがアタシがやる事は一緒だよ。
【SPD】
「激安居酒屋でうまい日本酒を飲みながらお惣菜風のつまみで一杯、クリスマスだろうが年末だろうが働いた後の休息はケーキでなんて洒落たものよりも働く戦士を癒すものだ、これこそが究極のいっぱいなんだ」とネットや街角の噂に流す、本音は自分が飲みたいだけだけれどね。


ミミ・フリージア
クリスマスケーキはクリスマスに食べるからクリスマスケーキなんじゃしクリスマス過ぎても意味があるのかのぅ。ケーキばかり食べても太るかもしれぬし飽きてしまうのぅ。大晦日には蕎麦を食べたりお正月にはおせちとかもあるようじゃしこっちもいろいろ食べられていいんじゃないかのぅ
特におせち料理はケーキなんかより長くもつようじゃしこたつというものに潜って腹が減ったら食べるのが至高じゃというのを聞いた事があるのじゃ
わらわこっちのほうがゆっくりできそうじゃしいいのぅ
ケーキばかりで飽きてる者は食べるといいのじゃ



「いいですか、クリスマスを過ぎたケーキなんてただのケーキです。サンタのマジパンもただの赤くて愉快なおじいさんに早変わりです」
 おっとぉ! ここで行き成りすべてをぶち壊しにきたのはアスティリア・モノノフィシーだ!なんだと、と人々の顔がむくが、彼女は意にも介さず小さな紙コップを配る。
「その季節、その瞬間で楽しむからこそイベントは楽しいのです! いつまでも続くなんて普通じゃないのです! という訳で新年は新年らしく、年越し蕎麦!!!!」
 ドドン! 出た!年末の定番だ!
 「定番じゃん」「普通過ぎる……」などと声が飛ぶが彼女は気にしない! そしてさあどうぞと配るのは……
「そして、年明けうどん!!! あ、いまお配りしたのはお出汁です。どうぞ。 ケーキにはない暖かさ! そしてこの香り! たまらないと思いませんか!」
 年明けうどんは初めて聞いたなあ、今度試してみよう。おっと、いまのはオフレコで。人々は不承不承ながらも暖かい出汁の入ったコップを傾ける。ほんのりと和の香りがして、北風に冷えた体をほんのりと温めてくれる。
「……美味しい」
「そういやクリスマスもケーキ食べたし、甘いものばっかりだったな……」
「そうでしょうそうでしょう! 甘いものばかりでは体にもよくありません!」
「まー、時期を過ぎて半額になったケーキも魅力的だけど、合う酒を考えると高めのものになっちゃうよね」
 うんうん、と話を継いだのは田中・真誠。ぎくり、と数人の肩が跳ねる。あいつらは財布にダメージを負っているな……
「アタシ的には新年は酒とつまみかな。激安居酒屋でうまい日本酒を飲みながら、総菜風のつまみで一杯。これはね、クリスマスだろうが年末だろうが働いた後の究極の一杯なんだ。心も体もあったまる」
 ちなみに真誠の言はスマホを通じてネット上にも配信されています。どよどよとざわめく群衆。確かにこんな寒い日には暖かいものが食べたいよなぁ、とか。暖冬とはいえ寒いよなぁ、などと、だいぶ傾いた声が聞こえてくる。
「うむ。わらわもこのような寒い日には暖かいところにいたいのう。聞くところでは新年にはこたつというものに入って蕎麦やおせちを食べるのじゃろう? こたつの暖かさでケーキが傷んでしまったりはせぬかのう」
「そういえばこの前、友達が“一足早いクリスマスだぜ”ってラインしてきたまま音信不通に…」
「それは間違いなく腹痛とか起こしてますね、確認しに行ってあげてください」
 アスティリアが冷静に現状確認をお勧めする。こうしてケーキ屋前の列から一人が抜けた(※あくまで腹痛は推論です)
 一人の危機を救ったところで、ミミが咳払い。
「んん。おせち料理はケーキよりも長くもつときく。わらわならこっちのほうがいいのう」
「そうだね。おせちのちょっと豪華な料理をつまみながら一杯。んー! たまらないね!」
 真誠が頷く。お酒が飲みたいだけではないのかと。
 人々は三者の言葉にどよめき始めた。ぴゅう、と北風が吹いて、寒いと誰かが言った。
「寒い……おこたでみかん食べたい……クリスマスケーキにみかんはあわないよね……」
「おせち料理にも栗きんとんとか、甘いものついてるし……」
 人々の心は揺れていた。よっしゃ、と三人は手ごたえを感じて頷きあう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

綺善・桜香
[SPD]「新年によく食べられる餅を美味しく食べていたら、みなさんこちらに気をとられてケーキどころじゃないはず。」そう呟いてケーキ屋の店先に火鉢を置いて火をおこして金網を火鉢の上に置いて懐から、白餅、海老の粉末が練り込まれた海老餅、ヨモギが練り込まれたヨモギ餅、の三種類を取り出します。そして火鉢で餅を焼き始めます。そして醤油を付けて焼き上がった餅を食べていきます。もし、人々が美味しそうなどを呟いてたら、大きな声で「甘いものもいいけど、しょっぱいものもいいよね。お餅は胸焼けはしないからいくらでも食べれるし、アレンジもできるから、もー最高!」と言います。(改変、他の参加者との絡み大歓迎)


田中・真誠
 正月こそ朝から飲んでいても許されるし、初詣の参道でさらに飲んでも許される無礼講な3日間だね、少々お財布には痛いけれども、飲めば寒さもいい塩梅かも。
初詣の人だかりでにぎわう参道の食べ物屋、狙うは串カツがうまい店、相席だろうが座る場所もなく人ごみの中で立って飲もうがこの日ばかりは気にならないね、揚げたての串カツに冷たい缶ビール、袖振り合うのも縁のうち、知らない酔っ払いのおやじと語らい飲み明かす、これぞ日本の正月の醍醐味ってもの、動画配信にもいい感じかな・・・ますます飲みたいだけなんだけれどね。



ほんのりと、香ばしい香りが漂ってくる。
 綺善・桜香が焼いている餅の香りだ。火鉢を置いて火をおこし、金網を置いて様々な餅を並べる。定番の白餅、海老粉を練りこんだ海老餅、ちょっと大人なヨモギ餅――
「あ、この香り……」
「お正月って感じがするなぁ」
「そうでしょうそうでしょう! 甘いものもいいけれど、しょっぱいものもいいよね! お餅は胸やけしないし、アレンジもいろいろ出来る! 醤油にお砂糖、色々ね!」
「そうだねえ。餅に限らずしょっぱいものは酒に合う! 初詣の参道で飲んでも許されるってんだから正月てのは良いもんだ。串カツ片手に一杯、くーっ! たまらん! 相席でも立ち食いでも気にならないね! 揚げたての串カツ! 冷たいビール! そしてつきたての餅! 知らない酔っ払いと語り明かし飲み明かす、これぞ日本の正月の醍醐味ってもんだ!」
「わかってるねお姉さん! はい、お餅どうぞ!」
「ありがとさん! おお、ヨモギ餅! こいつには濃いお茶が合うんだ。お酒の合間には丁度いい……もぐ、はふ、もぐ」
 桜香に渡された餅をはふはふ食す真誠。動画おねがい、と桜香に手渡すと、いいアングルで餅の伸びる様子がネットに配信される。
 ふるふると震えるオーディエンス。そしてついに彼らの内に溜まったものが爆発した。
「あー美味しそう! 駄目だー!! お姉さん、俺にも一個焼いてくれよ!」
「わたしはお蕎麦が食べたい! 帰って年越しそばの準備しようー!!」
「ケーキよりしょっぱいもので酒を飲みたーい!」
 思い思いに叫びながら散り散りになるオーディエンスたち。彼らは思い思いに正しい正月を迎えるため、家やスーパーへと向かっていった。
 なんとか説得成功か。やったね、と目くばせする桜香と真誠だったが――

「なんでえええええどうしてえええええ」
 そんな時だった。
 人々が悲鳴を上げ、それ以上に悲痛な声が猟兵たちの耳に届いたのは。
 オブリビオンか、と身構える彼女たちの目の前に現れたのは……

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』

POW   :    恨みのローソク
【ケーキの飾りのロウソク 】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ふかふかボディ
自身の肉体を【スポンジケーキ 】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    生クリームブラスト
【両掌 】から【生クリーム】を放ち、【ベトベト感】により対象の動きを一時的に封じる。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「なんでええええ! どうしてえええええええ!」
 それは悲痛な叫び。あとちょっとで、あとちょっとで自分も必要とされたのに! 自分にだってまだ出番はあるんだって、証明できたのに!
 半額シールを貼られ、涙ぐんでいるその怪人は明らかに売れ残ったクリスマスケーキ。にこにこ笑うサンタさんとトナカイさんのマジパンが悲しい。
「なんでええええどうしてえええええ」
 この悲しい叫びを止めるために、猟兵たちは武器を抜いた!
アスティリア・モノノフィシー
まあ、ケーキですもの。やっぱり美味しそ…
いえいえ、待て待て。あれは怪人!倒さなければならない相手なのです!

まずは怪人の背後か左右で離れた位置を取り、ユーベルコードを使用してマジパンサンタとトナカイを撃ち抜きます。あれさえなければ多少は罪悪感が薄れると思うんです。

近づかないのは思わず食べちゃいそうだから…じゃなくてふかふかボディ対策!

「食べ物を粗末にしているようであまり気持ちの良いものではありませんね」

でも、半額シールを貼られたケーキだってその意味があるんです。
お金に困っている学生さんや、仕事でクリスマスを遅れて祝う人達だっているんですから。自身の価値を履き違えるようだから必要とされないんです!


ミミ・フリージア
☆大きいケーキじゃのぅ
これが敵でなかったら大喜びなんじゃがのぅ
こやつは甘かったりするのかのぅ
甘かったりしたら蟻とか集まってきそうなのじゃ。冬であればその心配も無いという事じゃろうか

☆食べものではないのなら片付けねばならねばのぅ
べとべとしそうじゃしがんばって攻撃は避けてみるのじゃ
攻撃したらケーキが飛び散りそうじゃがこの剣で焼き斬ってやるのじゃ
ケーキは切って分けねば食べられぬし避けると食べてもらえぬからの?
覚悟するといいのじゃ



「おやまぁ、大きいケーキじゃのう」
 敵でなかったら大喜びなんじゃが、とミミは一人思う。いや待て、敵でないとしても甘かったら蟻とかにたかられたりするのかのう? 冬ならばその心配もないという事じゃろうか。他の季節のケーキよりも、その辺りは恵まれておるとおもうのだがのう。
「ま、食べ物でないのなら片付けねばのう」
「そうです!」
「なんでえええええええええ」
 BANG!
 ミミと対角線上の位置から、正確にマジパンのサンタとトナカイを撃ち抜いたのはアスティリアである!
「ふっ……Huge Blood Red Moon……です」
「いや待て。なぜにマジパンを狙ったのじゃ?」
「あれがなければ罪悪感も薄れるかなと思いまして……」
「なんでえええええどうしてええええええ」
 ただのケーキとなってしまった数体が膝(?)から崩れ落ちる。最早クリスマスケーキですらなくなってしまった……ただの半額ケーキとか存在する価値あるの……? 無理……無理みが強い……
「大丈夫です、半額でもケーキはおいしそ……ハッ! いえ、なんでもありません! おのれケーキ怪人! です!」
「なんでええええどうしてええええ」
 ケーキ怪人が己の体をふわふわなスポンジボディに変える。それはまるで新品のショートケーキのよう! わあ美味しそう!
「くっ! このような誘惑にわたしが屈するとでも!?」
「まったく、惑わされておるのかされてないのか……とにかく、倒さねば話にならんのぅ」
 ミミがルーンソードに火の属性を付与し、怪人に斬りかかる。怪人はロウソクの炎を飛ばして反撃するが、見事に一体はなます切りにされてしまう。ふかふかのスポンジとクリーム、そしてイチゴの欠片が飛び散った、その余波を浴びるミミ。
「うわっと。うむ、うまそうじゃ。うまそうじゃが……怪人だしのぅ」
 食べるのはやめておこう、と服の袖で拭うミミに、怪人たちが再び打ちひしがれる。
「ハッ!? わたしが抵抗している間にミミさんが! というか怪人ってこんなにいたんですか!?」
「どうやらわらわ達の騒ぎを聞きつけて集まってきたみたいじゃのぅ。掃除じゃ掃除」
「はいっ! いいですかケーキさんたち!」
 言いながら、アスティリアの指先から赤い弾丸が撃ちだされる。橙色の髪が炎に照らされて紅蓮に染まり、怪人たちに次々と穴が開く。
「半額シールを貼られたケーキにだって意味はあるんです! お金に困っている学生さんや、お仕事でクリスマスを当日に祝えなかった人たち! そんな人たちのためにあるんじゃないんですか!? 自身の価値をはき違えて、こんなことをするから必要とされなくなっちゃうんじゃないんですか!」
 果たしてその真摯な説得が彼らの耳に入ったのか否か。
 なんで、どうして、と多重にひびく怪人たちの呻き声。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

黒瀬・ナナ
売れ残っても、美味しいケーキは美味しいし罪は無いけれども……
いつまでも居座られたら、クリスマスケーキの所為で売れ残ったお節料理怪人とかが生まれるかもしれないわ。
同じ悲しみを繰り返さない為に、わたしが全部終わらせてあげる!
……無事に片付いたら、ケーキ買って帰ろうかしら。

『巫覡載霊の舞』はあまり長いこと使いたくないから、
『なぎ払い』と『範囲攻撃』も加えて一気に複数の怪人達を巻き込んで倒すように心掛けるわね。
あなた達の悲しみも、売れ残ったケーキ達も、全部わたしが美味しく引き受けてあげるから!
これで大人しくしてちょうだい……ぁ、ちょ、待、生クリームが服の中に入ってべとべとするぅうううっ



「売れ残っても、美味しいケーキは美味しいし、罪はないのだけど……」
 黒瀬・ナナはほう、と溜息をつく。何故こうなっちゃったのかしら、といいたげに。
「まあ、いつまでも居座られたら、クリスマスケーキの所為で売れ残ったお節料理怪人とかが生まれるかもしれないわ。同じ悲しみを繰り返さないために、終わらせてあげる!」
 ―――かしこみかしこみ、ここにてましますは。
 ナナの身体が神聖なるを持つ。己の身体を【神霊体】へと変化させ、なぎなたを舞うように揮えば、一気に広範囲の怪人が淘汰される。けれど、一秒一秒、己の命が目減りしていくのが判る。
 ――長期戦には出来ない。
 ナナは一気に攻勢をかける。薙ぎ払い、薙ぎ払い、薙ぎ払う。
「安心して、悲しみも売れ残ったケーキも、全部わたしが美味しく引き受けてあげる!」
 ある程度己の周囲を片付けると、神霊体を解除するナナ。上がった息を飲み込みながら顔を上げると。
「っ、ぷわっ!?」
 顔に何かぶつかってきた。何これ!? 甘い! 目の周りを拭ってナナが見たのは、生クリーム。
「ちょ、ちょっとま、」
「なんでええええどうしてええええ」
「きゃーっ! 服の中にクリームが! べとべとするぅーっ!!」
 ……怪人を殲滅するには、あともうちょっと、かかりそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

二本木・アロ
おのれナナちゃんの仇!
ってゆーかケーキ動いてんだけど超ウケる。

基本的に数珠をナックル代わりにして殴るか足技での格闘術
遠距離攻撃手段のあるヤツらに不利なのは重々承知、そんな時はからくり人形のココペリ様をけしかけて、さも何かを繰り出すような【フェイント】で気を引くぜ
間合いさえ詰めりゃこっちのもん、灰燼拳を叩っ込む
数が増えたら怪人を怪人に【グラップル】【怪力】で投げつける

「なんでどうしてってこっちが聞きてーよ、売れ残ってから売る努力したって遅ぇっつーの! クリスマス過ぎる前にやれ!」
【恫喝】で脅しつつ説教
ケーキ屋さんだって定価で売ろうと頑張ってたじゃねーか、ブーム起こすならもっと早くやってやれよ。



「おのれ、ナナちゃんの仇! てゆーかケーキ動いてんだけど超ウケるんだけど!」
 ザッと現れたのは二本木・アロ。数珠を握り締め、ケーキ怪人を指さす。
「なんでどうしてってこっちが聞きてーよ! その動いてる原理とか! つーか売れ残ってから売る努力したって遅ぇっつーの! クリスマスすぎる前にやれ!」
 これはケーキ屋さんを敵に回しそうな発言ですね! でもアロはアロなりに考えている! ケーキ屋さんは定価でクリスマスまでに売ろうと頑張ったんだ、どうせブームを起こすならクリスマス前に起こせ! つまりそういうことです! でも売れ残っちゃって怪人になっちゃったものは仕方ないね。
 アロは怪人に対して勇猛にも徒手空拳で応戦する。数珠をナックル代わりにしてぶん殴り、足払いをして更にぶん殴り。二方から近付かれたら、怪人を怪人に投げつけて更にぶん殴る。
「間合いさえ詰めりゃこっちのもんだ! 大人しくケーキになってな!」
 一気に怪人の懐に入り込んで、拳の一撃を決めるアロ。――【灰燼拳】。ごく近距離だからこその大威力で、怪人をまとめてぶっ飛ばす。
「なんでええええどうしてえええええ」
「おっと! ココペリさま、頼むぜ!」
 怪人は蝋燭から炎を飛ばし、アロを燃やしてしまおうとする。アロは咄嗟に片手を伸ばすと、己が操る戦闘用人形「ココペリさま」でガードした。ココペリさまは人形だし神様だから熱いとか言わない。すごい。
「さーて、ココペリさまでいっちょ………とでもおもったかァ!?」
 人形を警戒して後退る怪人に、一気に距離を詰めて拳を見舞う。人形はあくまでフェイント、本命はこの二つの拳!

 こうして猟兵の活躍で、悲しきケーキ怪人はすべて灰となった。
 しかし平和はまだ訪れない――

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『怪人『オンナマズ』』

POW   :    ジャイアントナマズ
自身の身長の2倍の【巨大ナマズ怪人 】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    ナマズ人召喚
レベル×1体の、【後頭部 】に1と刻印された戦闘用【ナマズ人】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    矢ナマズ発射!
レベル×5本の【雷 】属性の【刺さるデンキナマズ】を放つ。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鳥渡・璃瑠です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「あァら、全員やられちゃったのね」
 猟兵たちの前に現れたのは、――ナマズである。艶めかしく胸元の開いた服、豊かな黒い髪、だけどナマズである。
「んふふ、なんでナマズ? って思ったでしょ。アタシも正直判ってないわ。ま、いいじゃない、種族とかそんなの。折角ブームを起こしてその勢いで丑の日までクリスマスにしてやろうと思ったのに」
 そんな計画だったの? 正直正月から丑の日が無理があるのでは。
 ざわざわする猟兵にだまらっしゃい!と一喝するナマズ。
「ナマズにも事情ってもんがあんのよ! 取り敢えずやられたアタシの手下ちゃんの分まで可愛がってあげるわっ!」
 もうなんか何が何だか分からないが、取り敢えず相手がオブリビオンなのは確かだ! よーしやってしまえーい!
ミミ・フリージア
なぜケーキの次がナマズなんじゃ
クリスマスケーキのブームから丑の日をクリスマスにするなどあえて難しいほうにいってないかのぅ
ケーキがこやつをよく信用したものじゃ
なまずがケーキになる……事もないじゃろうしなぁ
ナマズの事情さえ聞ければ何か穏便に終わらせる策もありそうじゃがまずは無力化せねばのぅ
暴れるようじゃったらもう斬ってしまうのじゃ


アスティリア・モノノフィシー
SPD

「ざわざわ……」
色々思うところと言いますかツッコむところが多すぎてびっくりなのですが…
とりあえず一言。

「ナマズの蒲焼きって聞いたことはありますが、お会いしたのは初めてです」
あ、まだ開いて蒲焼きになっていない?それは失礼しました。

では改めて。
オブリビオンと聞けば遠慮なく拳銃で撃ち抜きます!
他の方と協力できそうなら私は後方から射撃で援護していきます。
距離を取りつつ召喚されたナマズの数を減らしていきます。

ユーベルコードを使用して燃やしたら蒲焼きに…は無理ですね。
タレがないですもの。



「ざわざわ……」
 猟兵たちはざわざわしていた。ナマズだ……ナマズだ……
「なぜケーキの次がナマズなんじゃ」
 ミミは額を抑える。ケーキもよくこやつを信用したものじゃ、とあきれ返るように頭を振り。
「で、丑の日までクリスマスにしてどうするつもりだったんじゃ?」
「そりゃあアナタ、アレよ。ケーキにテーブルの上を奪われて哀れに泳ぐウナギたちを見て高笑いするつもりだったのよ! 最高じゃない! なのにアンタたちのせいで……」
 このナマズ、相当ウナギに恨みを抱いているようだ。
 おずおずと顔を出したアスティリアが、こんにちはと同じ表情で言う。
「ええと……ナマズの蒲焼きは聞いたことありますが、お会いしたのは初めてです」
「いきなり何よアンタ!!!! 失礼ね!!!!」
 失礼である。
「あっ……! すみません! まだ開いてませんでしたね」
「そういう問題じゃないのよ!!!!簡単に開いたり下したりしないでちょうだい! ……もう怒ったわ! でていらっしゃ~い! カワイイナマズ人たち!」
 オンナマズがそういうと、わらわらと何処からか現れる小さなナマズたち。ちょっと見にくいけど、後頭部に数字が刻印されているぞ!
「そしていらっしゃ~い、アタシの可愛いジャイアントナマズちゃん!!」
 更にオンナマズが召喚したのは己の2倍はあろうかという大きなナマズ怪人。ミミとアスティリアもそれぞれ武器を構え、戦闘へと空気が変わる。
「ジャイアント、ナマズ~~パ~~ンチ!」
 オンナマズが手を振り上げると、ジャイアントなナマズ怪人も同じく手を振り上げた。巨大な拳が二人の元へ振ってくる。跳躍してかわすミミとアスティリア。
「気が抜けそうな感じですが……威力は本物みたいですね」
「そうじゃのぅ。こちらも手加減せずにいかねば、痛い思いをすることになるかのぅ」
 ミミが剣を振り上げ、ナマズ怪人に切り込む。その小柄な体躯は容易くジャイアントなナマズ怪人の影をすり抜けて、本体へと肉薄した。
「ああっ!? イヤーン! 助けてナマズちゃーん!」
 オンナマズの声に応え、我らナマズ人レベル1参上!
 ザッ、と一列に並び、代わりにミミの一撃を受ける。哀れ、レベル1なのであっという間にやられてしまうナマズ人たち……
 更に後方からアスティリアが放った銃弾で、合体する余地すら与えられず、次々とナマズ人たちは倒れていく。
「今ですね……赤き弾丸、お見舞いします!」
 ナマズ人たちの隙間を縫って、アスティリアの必殺の銃弾が飛ぶ。
 ――Huge Blood Red Moon。焔の弾丸がオンナマズを撃ち抜き、巨大なナマズ怪人の影が消え失せる。
「いやーん!! 痛いじゃないのよ!!」
「……なんだか、やりにくい敵じゃのぅ」
「そうですね……開きにくそうだし」
 アスティリアはいつまで蒲焼きの話をしているんだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アリシア・マクリントック
【『茶 闘゛部』の皆と協力】
守りは私が受け持ちます。……変身!
このセイバークロスなら多少の攻撃には耐えられるはず。みなさんを庇って攻撃に集中できるようにいたしましょう。剣が通じる相手かはわかりませんが、敵に大きな隙があれば私も攻撃へと参加します。
巨大化されると力が強くなりそうですね……攻撃は受け止めるのではなく受け流すようにした方がよさそうです。
召喚されたナマズ人が合体すると厄介そうですから、マリアとも連携してなんとか阻止したいところですね。
撃ちだされたデンキナマズは私の剣で捌いてごらんに入れましょう。
……ところで、ナマズって食べられるんですか?


アルル・アークライト
【『茶 闘゛部』の皆と協力】
出たわねナマズ怪人!
個人的にはなんでナマズなのかよりも
なんでオネエ口調なのかの方が気になる所だけれども
まあいいわ、怪人に喋らせると話が長いもの!
クリスマスブームは今日でおしまい、
次の流行はエルフの美少女剣士の武勇伝、これで決まりよ!

とりあえず抜刀、とつげーきっ!
ディフェンスはアリシアさん達に任せて、
私達はどんどんどどんと前のめりに全力攻撃よっ!

【星剣一閃】でなます切りにしてあげる!
ナマズだけに!…ナマズだけに!
(言ってやった!とばかりに渾身のドヤ顔)

万一私が仕留め損なってもナナさんがどうにか!してくれる!
…ハズ!

ちなみに私はフライが好きかも、マヨネーズもつけちゃう!


黒瀬・ナナ
【『茶 闘゛部』の皆と協力】
ぷはぁ、やっと生クリームから解放された……と思ったら今度はナマズ!?
えぇい、ナマクリームの後にナマめかしいナマズ怪人とかナマナマナマ言い難いのよ!
おかしなブームはわたし達が木っ端微塵にしちゃうんだから!

守りはアリシアさんとマリアに任せて『羅刹旋風』でいざ勝負!
『第六感』を働かせて、ここだ!と思ったところを一気に攻めるわね。
仕留め損なったらきっとアルルさんが何とかしてくれるって信じてる!

相手の攻撃がこっちにきた時は『オーラ防御』と『激痛耐性』で我慢。
皆よりもおねえさんだから、痛くても泣かない負けないめげない。
……ちなみにナマズは、蒲焼きとか唐揚げにすると美味しいわよ?



一方、「茶闘゛部」の面々。字面が凄い。
「じゃあ、守りは任せるね!」
「はい、任せてください! いこう、マリア……変身!」
 ナナの言葉に頷いてアリシア・マクリントックがセイバークロスを纏う。アルル・アークライトとナナが一気に前に出て、オンナマズへと攻勢に出た。
「やっと生クリームから解放されたと思ったらナマズだし! ナマめかしいし! ナマクリームだし! ナマナマナマナマ言い難いのよ!」
「アンタ結構発音いいじゃない」
「ありがとう! でもおかしなブームは木っ端微塵にさせてもらうわ!」
「というかここまで誰も疑問に思っていないんですが、どうしてオネエ口調なのかの方が気になる……! 女性なのに……! まあいいわ! 怪人は話が長いと相場が決まっているから! クリスマスブームは今日でおしまい、次の流行はエルフの美少女剣士の武勇伝! これで決まりよ!」
 どんどんどどん! 良い感じに燃えているナナとアルルは一気にオンナマズを押していく。だがオンナマズだって負けてはいられない。
「第二弾! いらっしゃ~い! ジャイアントナマズちゃ~~~ん!!」
 己の二倍はあろうかというナマズ怪人を召喚するオンナマズ。今度は油断せず、一気に拳を振りぬいた。巨大なナマズ怪人もまた、その巨躯からは考え付かない速さで拳を突き出す!
「きゃああっ!」
「危ない!」
 アリシアが前に出て、巨大ナマズ怪人の拳を受け止め、受け流す。それでもセイバークロスがぎちりと軋み、言いようのないヌメヌメ感と痛みが伝わって、アリシアの柳眉を歪ませた。
「みなさん、大丈夫ですか……!」
「ええ! ありがとう!」
「よし、今よ! アルルさん、一気に攻めよう!」
「ええ、なます切りにするわ! ナマズだけに……ナマズだけに!」
 言ってやったとドヤ顔のアルル。
「………」
「………」
 嘆くように頭を振るアリシア、無言で敵へと肉薄するナナ。
「ちょっとー!! 何か言ってよー!」
 かしましく仲の良い三人ではあるが、笑いには厳しい。
「取り敢えず、いくわよーっ!」
 ナナがぶん、と薙刀【迦陵頻伽】を振り回す。オンナマズには当たらないが、外した訳ではない。ぶん、ぶん、ぶん、と回す。回す、回す、回る。やがてその円周運動は旋風となり、オンナマズへと竜巻よろしく襲い掛かる――!!
 両腕をクロスさせ、その旋風を受けるオンナマズ。しかしその代償は……
「うっ!? しまった、ジャイアントナマズちゃんが!」
「どうやら本体が攻撃を受けると解除されるようですね! 私も加勢します、今ならやれます! いこう、マリア!」
 ウォン、と傍に仕えていた狼が鳴いた。
 笑いの厳しさに凹んでいたアルルもこうしてはいられない、だってなます切りにすると宣言したのだから!
「剣よ……そして星よ……力を貸して頂戴!」
 それは星の光。輝ける恒星の炎。その照り輝きを借り受けて剣に宿し、一気にオンナマズへと振り下ろす。
「か弱い娘3人だと思いましたか? ……侮らないで!」
 アリシアのレイピアが光る。変幻自在、見切るには難しい突きが点ではなく面で相手を攻撃して――

 轟音。爆音。土煙。

 ――……。
「ぐっ、くううう……!! 女の底力、なめんじゃないわよ……!」
 やがて立ち上がったオンナマズは、それでも立っているのがやまやまといったところ。
「あと少しですね……ところでナマズとは、食せるものなのでしょうか」
「蒲焼きとか唐揚げにすると美味しいわよ?」
「私はフライが好きかも。マヨネーズもつけちゃう!」
「あんたたち、あくまで食べることしか考えてないのね!?」
 ツッコミは健在である。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ミミ・フリージア
これは食べるための戦いなのかのぅ……
どこを食べるんじゃろうか。こんなものを食べたら腹を壊すだけでは済まぬじゃろう。思いとどまるのじゃぞ
その点安心するといいのじゃ。わらわは食用には考えておらぬからのぅ
このまま斬って捨てるのみじゃな
攻撃をしかけてきたら防御寄りで構えてカウンターで斬りかかるのじゃ
仕掛けてこぬようじゃったらわらわから全力で剣で斬るのじゃ
食用にならぬように片付けるのがせめてものなさけじゃ
最後に抵抗されて反撃のダメージで動けず止めがさせぬのはやっかいじゃし味方の回復も準備して攻撃を受けた仲間がいたら回復するのじゃ


アスティリア・モノノフィシー
SPD

ああ、でも折角ですしうなぎの蒲焼きが食べたいですね。
え?食べ物の話じゃないんですか?

先ほどの攻撃でナマズ人が召喚された時の対処方法は閃きました。
ハイ、マシンガン!
沢山のナマズ人が召喚されたらSparrowhawk 81の範囲攻撃であっという間に消していきます。

そしてジャイアントナマズも無視して本体のオンナマズを攻撃して消滅させるようにしましょう。

貴方がそんなにもクリスマスを憎むなんて、いったいどんな過去があったんですか…
まあ、聞きませんけれど。
ユーベルコードを盛大に発動させて倒しにかかります。

貴方の鋭いツッコミは忘れません。
え?『ナマズに刺激を与えない(飼育)』
…刺激しすぎましたかね?



「これはいつから食べるための戦いになったのじゃ……? オブリビオンを食べても腹を壊すだけじゃし、多分腹を壊すどころでは済まぬぞ」
「そうですねえ。どうせならうなぎの蒲焼きが食べたいです」
「いや、そうじゃなくての……」
 ミミとアスティリアはのんびりと言葉を交わしながらも、各々の武器を携える。相手はオブリビオン。たとえ瀕死であろうとナマズであろうと容赦はない。
「うなぎ!? 今うなぎって言った!? ナマズであるアタシを前にしてうなぎ!? ゆるせなーい!! おいでなさいッ可愛いナマズ人ちゃん!」
 過剰反応しすぎのオブリビオン。うなぎへの敵対心は相当である。後頭部に刻印のあるナマズ人を召喚すると、共に猟兵へと突撃する。
 数にものを言わせただけの兵と、質の良い少数の兵。どちらが有用なのかは最早語る必要すらないだろう。
「ふっふっふ、その攻撃への対処はすでに閃いてあります。はいどーん!」
 アスティリアは小型の魔銃「Sparrowhawk 81」を素早く取り出して銃床を起こすと、弾丸の雨をお見舞いする。ばらばらばらと吐き出される弾丸、倒れてゆくナマズ人。ミミは後方に構え、弾丸をすり抜けてきた小さなナマズ人たちをなます切りにしてゆく。ナマズだけに。――あ、もうこれ言いましたね。
「食用にならぬように片付けてやろう。せめてもの情けじゃ」
「勿体無くないですか?」
「このように召喚されたナマズ、食いでがないというものよ」
「なによーー!! ムキー!」
 確かに召喚されたナマズは肉の旨味までは考慮されてないだろう。寧ろ考慮されていたら怖い。オンナマズは激怒するが、それが世の摂理というものである。
「いいわ、アンタたちを代わりに蒲焼きにしてあげる! そーれっ!」
 オンナマズは一旦下がり、召喚したナマズ人たちの波の間隙を縫うようにしてデンキナマズを放つ。宙を素早く泳ぐそれは、瞬く間に前衛で弾をばらまいていたアスティリアの眼前に飛来し――
「は……っ!」
 そして瞬く間に両断される。弾丸とナマズ人を恐れず一気に前に出たミミの「王家の宝剣」が煌き、おおよそ数十本はあろうかというデンキナマズの矢を――数が多いので、二人を守れるに値する分だけだが――切り伏せる。
「ふう……助かりました!」
「こういう時はお互い様じゃ。一気に攻勢をかけるぞ!」
「はい! 援護します、前へ!」
 アスティリアが一旦弾丸をばらまくのをやめ、祈るように銃を額に当てる。炎の魔力よ、燃え盛る力よ。この弾丸に宿れ。相手を貫き、燃やし尽くせ――
「お主の企みもここで仕舞いじゃ。クリスマスは終わり、正月と丑の日を取り戻す!」
「生意気なッ……!」
 明らかに歯噛みした表情のオンナマズに、ミミは一気呵成と斬りかかる。切れ味鋭き宝剣が、すらりとオンナマズの肌を切り裂く。ぬるりとした体躯だからこそ、刻まれるのには弱いのかもしれない。次々に切り傷を負い、血を流すオンナマズの身体。
「いまじゃ!」
「いきます! ――Huge Blood Red Moon! 蒲焼きにしてあげる!」
 アスティリアが愛銃に口付け一つ、弾丸の雨をばらまく。その弾丸は炎の魔力を受けて赤い色をしていた。立っているのが精一杯のフィッシュ・レイディに弾丸が次々と突き刺さり――ミミが宝剣を振りかざす。
「これで、」
「最後!!」
「フン……アンタたち、覚えていなさい……7月10日はね」

 ナマズの日なのよ……その日が来るたびに、アタシの事を思い出すと良いわ……

 さらり、と灰に変わったオンナマズが、風に吹かれてキマイラフューチャーの空へと消えていく。
「なんて鋭いツッコミだったんでしょう……忘れたくても忘れられません」
「そうじゃのぅ。たまには夏にナマズを食べるのもいいかもしれんの」
「そうですね。でも、その時には忘れていそうです」
 案外思い出すかもしれませんけどね。そう笑ったアスティリア。
 戦いを終えて帰還する猟兵たち。アスティリアがふと気になって、調べたナマズの生態には――

“刺激を与えないように”

 刺激しすぎたらああなるのかしら。と、小首をかしげる彼女であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月12日


挿絵イラスト