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バトルオブフラワーズ⑫〜龍使いに喰らいつけ

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ドラゴンテイマー

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●グリモアベース
「ドン・フリーダムへの道が開けたところだが、ひとつ懸念点がある。聞いてもらえないだろうか。」
 集まった猟兵らに頭を下げるグリモア猟兵館野・敬輔に、猟兵らが肯定の意を返した。

「懸念点とは『ドラゴンテイマー』と呼ばれる謎のオブリビオンのことだ。」
 ドン・フリーダムに協力し、コンコンコンを完全なものに修復する手伝いをしているオブリビオン、それがドラゴンテイマー。
「ドン・フリーダムの惑星全域同時放送を信じるなら、今の所僕らに対して害は加えてこないと思われる。だが、果たしてそれだけがドラゴンテイマーの目的なのだろうか?」
 戦争前に見えたと言われる予兆を思い浮かべ、猟兵の内の何人かが嫌な顔をした。

●「予兆」
「欲望は止められない」……。
 ドン・フリーダムの思想は単純明快だ。
 そして、それは明確に世界を破壊する思想。
 私が与するに相応しい。

 故に彼らに、侵略樹アヴェスタを与えた。
 後は彼ら次第。私の役目は「持ち帰る」のみ。

 だが、奴らの出方も見ておきたい。
 いずれ私が、グリモアを再び手にする時の為に……。

●再びグリモアベース
「……この予兆が真実なら、今回見逃すとキマイラフューチャーだけじゃない、他の世界にも何らかの害が及ぶ気がする。そこで、皆にはドラゴンテイマーの元へ向かってほしい。」
『黒竜ダイウルゴス』を召喚する能力を持ち、実力的にはこれまで戦ってきた3幹部に匹敵する……あるいは凌駕するのかもしれない。マニアックな知識やエモさのアピールなどの特別な対応は必要ないが、先制攻撃への対応は必要だ。
「正直に言おう。今まで以上の苦戦が予想される。今回無理に戦う必要はないのかもしれない。」
 ――だが、それでも。
「何らかの情報が手に入るかもしれない……行ってくれるだろうか。」
 再び頭を下げる敬輔に、猟兵らはひとつうなずくと、彼が開いた転送ゲートを潜った。


北瀬沙希
 北瀬沙希(きたせ・さき)と申します。
 よろしくお願い致します。

 ドン・フリーダムを撃破すれば戦争終結ですが
 ここは「ドラゴンテイマー戦」をお届けします。

 ――黒竜の喉元に、喰らいつけ。

●「戦争シナリオ」について
 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「バトルオブフラワーズ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
 また、このシナリオに成功すると、⑫の戦力を1減らすことができます。

●特殊ルール「先制攻撃」
====================

 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

====================

 純戦シナリオです。
 リプレイはドラゴンテイマーと対峙したところからスタートします。

 有力敵と対峙するシナリオのため、判定は厳しく行います。
 その結果、苦戦や失敗でお返しすることも少なくないと思われます。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『ドラゴンテイマー』

POW   :    クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【逆鱗】に1と刻印された戦闘用【大型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    文明侵略(フロンティア・ライン)
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。

イラスト:ハルヨリ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●花嵐に潜む闇黒
 転送ゲートを潜った猟兵らの目の前に広がる光景は、咲き乱れる花々の空間。既に見慣れた「システム・フラワーズ」の内部。
 しかし、花舞う美しい空間の一部が……今は闇に侵されている。

「来たか、猟兵。……グリモアを持つ者もいるな。」
 闇の正体は、黒竜ダイウルゴスの操り手……ドラゴンテイマー。
「貴様らの出方を見るつもりでここにいたが……なるほど。」
 ドラゴンテイマーはゆっくりと覇気を纏い、立ちあがる。
「少し、楽しませてもらうとしよう。」

 さあ猟兵たちよ。
 龍使いの懐に潜り込み、勝利を掴み取れ。
エール・アブス
その攻撃なら、わたしにだって勝算はある!
わたしの体は液体。だからその剣の右腕に攻撃されたって、全然痛くないんだから!
……嘘。本当は痛い、けどこれでいいの。黒竜ダイウルゴスの群れ、そしてあなたごと、わたしの涙が溶かしつくす!

【POW】
自分に"捨て身の一撃"をかけて、赤き剣を受け止める。そのまま"封印を解く"!わたしの『灰泥の涙』は命を溶かす泥の濁流。だから、眷属や仲間を連れてきたって、全部ドロドロにしてあげる。

その剣が腕なら、ずっと"手を"握るよ。
あなたの目的は知らない。けど、世界を破壊するのなら絶対に止めてみせる。
わたしの手は、あなたと違って世界を守る手なんだから!

【アドリブ・共闘歓迎】



●我が身を涙に替えてでも
 真っ先にドラゴンテイマーと対峙したのは、グリモア猟兵のエール・アブス(好奇心旺盛な泥人形・f07961)。
「ほう……グリモアを持つ者か。」
 一目で見抜いたドラゴンテイマーはクリムゾンキャリバーを抜き放つ。
「わたしの身体は液体。だからその剣の右腕に攻撃されたって、全然痛くないんだから!」
「なら、試させてもらおう。」
 ドラゴンテイマーはタンッと地面を蹴ると共に、六枚の翼で飛翔しながらエールに肉薄。エールに避ける間も与えずクリムゾンキャリバーで一気に貫き、地面に縫い止める。
「ああ…………っ!!」
 エールは差し違える覚悟で己の液体の身体で『受け止めた』が、剣に貫かれ地面に叩きつけられた衝撃と痛みで意識が一瞬飛ぶ。痛くないと口にしたのは虚勢だ。せめて痛みに対する耐性や衝撃を軽減できる術があれば、勝算は十分あったのだが……。

「あなたの目的は……知らない。」
「知らなくていい。」
 ドラゴンテイマーはエールを縫い止めたまま黒竜ダイウルゴスを無数に召喚、追い討ちの姿勢。
「けど、世界を破壊するのなら……絶対に、止めてみせる。」
 しかしエールは震える手でクリムゾンキャリバーを掴み、封印を解いて【灰泥の涙】で捨て身の反撃。生命を溶かすエネルギーの濁流でクリムゾンキャリバーを溶かし、ドラゴンテイマーの翼の一部と黒竜ダイウルゴスの群れの一部を溶かしたが、全ては溶かせない。
「わたしの手は……あなたと違って世界を守る手なんだから!」
「それが矜持か。よろしい……さらば。」
 濁流で溶かし切れなかった黒竜の津波がエールを呑み込み、戦場外へ弾き飛ばした。

「猟兵とは、なんと無駄な足掻きをするものか。」
 溶かされたクリムゾンキャリバーと翼を再生したドラゴンテイマーの口端に浮かぶ笑み。それは、猟兵の存在と矜持を知らしめた証か、それとも未だ嘲られているか。

 ――勝負は、これからだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

純・ハイト
フェアリーが乗れるように性能を上げて魔改造されたレオパルト5で現れながらドラゴンテイマーと戦うが、戦車が破壊される又は「文明侵略」の攻撃で戦車が完全に壊れる前に脱出しながら自身の全力高速詠唱の爆破魔法で派手に爆破して黒煙で迷彩・目立たない・忍び足で隠れながら脱出するようにする。
脱出した後は隠れながらユーベルコードを発動して応戦、できるだけ大きなダメージを与えられるようにフェアリーの精兵を1万を自身の守備に回して、残りをドラゴンテイマーに向かわせて戦わせる。

厳しい戦いになるだろうがこの戦いに負けるわけにはいかない!

勝てるか心配だが戦ってみなければ分からないな。



●フェアリー軍との総力戦
(「勝てるか心配だが、戦ってみなければわからないな。」)
 純・ハイト(数の召喚と大魔法を使うフェアリー・f05649)は、全長50mの戦車『フェアリーが乗れるように性能を上げて魔改造されたレオパルト5』に乗り込み戦場に現れる。
「貴様もグリモアを持つ者か。」
 ドラゴンテイマーは車内にいるはずのハイトを一瞥。
「厳しい戦いになるだろうが、この戦いに負けるわけにはいかない!」 
 ハイトはレオパルト5を手足の如く操り、砲撃をしつつ接近。
「現れよ、ダイウルゴス。私の手足となれ。」
 ドラゴンテイマーがレオパルト5に手をかざすと、装甲が大きな音を立てながら剥がされ、黒竜ダイウルゴスの一群に変化。ユーベルコード【文明侵略】だ。その後もレオパルト5の各所が次々と破壊され黒竜の群れに変化し、戦場を覆い尽くしていく。
 ドラゴンテイマーが最後に中枢部を変化させようとした時、突如大爆発が発生、戦場が黒煙に包まれるが、構わずレオパルト5の残骸を黒竜に変え、手駒を増やし尽くした。

 だが、その時。
「我に付き従うフェアリー達よ、戦いの時は来た!全軍出撃せよ‼」
 突如現れたフェアリーの大軍団に、ドラゴンテイマーはわずかに目を見張った。

 ハイトはレオパルト5が完全に黒竜に変化させられる前に素早く爆破魔法を詠唱し、火傷を負いながらも大爆発に紛れて脱出し、黒煙に紛れながら距離を取り隠れ、【フェアリーの世界大戦争】を発動していた。
 発動の号令と共に現れたのは、迫撃砲や徹甲弾、魔改造スナイパーライフルを手にしたフェアリーの精兵の霊、3400軍。兵の数に換算すると1億7000万。これが、ドラゴンテイマーを驚かせた大軍団の正体。

 ハイトは召喚した精兵のうちの1万を己の守備に回し、残り全軍をドラゴンテイマーに向かわせ、攻撃させる。
「これほどの兵を隠し持っていたとは。」
 ドラゴンテイマーは表情一つ動かさず軍団に黒竜の群れを差し向けるが、精兵の砲撃や狙撃で次々と駆逐される。【文明侵略】の効果範囲内に入った精兵の武器を黒竜に変化し補充するも、焼け石に水だ。
「やるな。」
 ドラゴンテイマーは飽和火力で手傷を負わされながらも、まだ余裕の表情を浮かべていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

北条・優希斗
…この手の戦いは、黒騎士以来か
「手合せの前に名乗ろう。俺の名は、北条・優希斗。お前の名は?」
「一つだけ問おう。お前は、何のためにグリモアを集めている?」
 さて、死合おうか
 狙うは後の先だろうな
 鏡花水月と蒼月を抜いて武器受けの態勢を取り、オーラ防御で結界を張る
 最初のUCによる先制攻撃は、上記防御態勢に加え見切り+残像+早業+地形の利用で更に被害を最小限に抑えて抜いた双刀で範囲攻撃+カウンター。 竜を何とかいなしつつダッシュ+早業+地形の利用でテイマーに接近 
 防戦一方に見せかけつつ近付いたら月桂樹で騙し討ち+フェイント
 間髪入れずに二回攻撃でUC発動
 「少しは、楽しんで貰えたかな竜使い?」
 



●闇深き妖剣士の闘舞
(「……この手の戦いは、黒騎士以来か。」)
 かつての苦い経験を胸に、北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)はドラゴンテイマーの前に立つ。
「貴様もグリモアを持つ者か……ふむ。」
 ドラゴンテイマーは優希斗の気を感じ取ると、わずかに眉を顰める。
「……だが、何と禍々しい。」
 優希斗は言い返せない。偶然だが、それは優希斗が黒騎士に投げかけられた言葉に似ていたから。

「手合せの前に名乗ろう。俺の名は、北条・優希斗。」
「ドラゴンテイマー、そう名乗っている。」
「一つだけ問おう。お前は、何のためにグリモアを集めている?」
「答える必要はない。」
「そうか。」
 短い問答の後、優希斗は鏡花水月と蒼月を抜き、オーラで結界を張り受けの体制を取る。

 ――さて、死合おうか。

 ドラゴンテイマーは額に数字のついた大型ダイウルゴスを多数召喚し、優希斗に向かわせる。
 対して優希斗が狙うのは後の先。大型ダイウルゴスの攻撃を見切り、時には回避しつつ、時には双刀で受け流して被害を最小限に止め、時にはカウンターでまとめて斬る。数の多さ故無傷とはいかないが、大型ダイウルゴスを何とかいなしつつ、ドラゴンテイマーとの距離を少しずつ詰めていく。
「防戦一方では私には決してその刃は……」
 届かない、とドラゴンテイマーが口にしかけたその時、優希斗の右手がほんの少しだけ動いた。
「ぐっ……!!」
 胸を貫く衝撃にドラゴンテイマーが呻く。胸に突き立つのは、優希斗が投げた漆黒の短剣――月桂樹。ドラゴンテイマーが怯んだわずかな隙に、優希斗は間髪入れず鏡花水月と蒼月で斬り込み【夢月蒼覇斬】発動。
「躍るよ、蒼き月の舞を」
 双刀をただただ無心に超高速で振り抜き、ドラゴンテイマーの赤き剣と共に乱れ舞う。

 乱舞が終わるころには、ドラゴンテイマーの翼や鎧に無数の刀傷が生じていた。
「少しは、楽しんで貰えたかな、竜使い?」
 月桂樹を抜きつつ、ドラゴンテイマーに話しかける優希斗。
「さて、な。……闇深きお前がこちら側の存在でないのが残念だ。」
「……。」
 優希斗は何も語らない。

成功 🔵​🔵​🔴​

二條・心春
竜を自在に操る人…竜と彼はどんな関係なんでしょうか?

「第六感」を働かせて敵の技を察知し、黒竜に囲まれる前にスタングレネードで「目潰し」して、私はあえて足場から飛び降ります。
そのまま空中で【ウェポン・ブースト】を発動、ブースターで空中を移動して、竜を引き離します。
テイマーさんが見えたら、服に隠していたドラゴンさんを槍にして、ブーストした直槍で玉突きして飛ばします。槍と「衝撃波」と、風の「属性攻撃」で敵陣に大穴をあけましょう。邪魔な黒竜を排除して、あとは直槍を持ってブースターも最大出力で…突撃します!私もただでは済まないでしょうが、「激痛耐性」「勇気」で耐えます。
これが今の、私の全力です!



●竜槍突撃は勇気を持って
(「竜を自在に操る人……竜と彼とはどんな関係なんでしょうか?」)
 対UDC用量産型直槍を手にした二條・心春(弱さを強さに・f11004)の疑問に答える者は、この場にはいない。
「次は貴様か。……行け。」
 ドラゴンテイマーは感情無き声音で呟くと、戦場に残る残骸を黒竜ダイウルゴスの群れに変化させ、心春に突撃させる。しかし心春は完全に囲まれる前にスタングレネードを投げ、閃光と大音響で黒竜の視覚と聴覚を奪った。
「ガアアアアアアア!!」
 黒竜が目を潰され動きを止めた隙に心春は足場から飛び降り、空中で【ウェポン・ブースト】を発動して手にした直槍に高性能ブースターを取り付け、一気にドラゴンテイマーらしき人影の元へ空中移動。だが別の黒竜の群れが行く手を遮る。
「ドラゴンさん、お願いします!」
 心春は服に隠していた小さなドラゴンを直槍の前に舞わせてから竜騎士の槍に変形させ、風の魔力を込めて直槍で玉突きの如く飛ばす。音速で飛ぶ竜騎士の槍はドラゴンテイマーの盾となった黒竜を貫き、衝撃波と共に爆散させた。その余波でドラゴンテイマーの顔に浅い傷が生じる。
「これが今の、私の全力です!」
 心春は勇気を振り絞り、こじ開けた隙間からドラゴンテイマーに突撃を敢行する。

 しかし、突撃中の心春の背後から濃厚な黒竜の気配が吹き付けると同時に、直槍とブースターに何かがぶつかったような衝撃が走る。
「きゃっ!?」
「貴様の勇気には感服するが、詰めが甘い。」
 黒竜はドラゴンテイマーが自在に操ることができる故、目を潰されていても戻すことは容易だが、障害物を避けることは困難。そして心春は背後に注意を払っていなかった。その結果、ドラゴンテイマーに向かって一直線に戻ってきた黒竜の爪が、図らずしも障害物となった心春のブースター付きの直槍を引っかけたのだ。

 爪の衝撃で直槍の推進力が失われ、心春は落下する。
「悔しいですが、ここまでですね。」
 落下の痛みは持ち前の耐性でこらえるが、黒竜の群れが戻って壁を構築した以上、再度突撃を敢行するのは難しい。撤退せざるを得なかった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

リアナ・トラヴェリア
あなたは…グリモアがどういうものか知ってるの?
ううん、知ってるはずだよね
…きっと碌でもないことに使う、そんな気がする

…私が狙うべきは、紅い剣からのドラゴン召喚のその間。相手が先に動くなら、半歩くらいは踏み込めるはず
相手の剣に合わせての捨て身のカウンター…、ちょっと怖いけど覚悟を決めてやるしか無いよね
何回か剣で防御しながらできる限り未熟を装って、大振りを誘って反撃。攻撃が当たったら即座に混ざりゆく覇王の腕を発動して、抜けないように区r剣に返しを生やしてから傷口を抉るよ、一緒に生命力も奪って相手を追い込むよ

きっとその間に攻撃を受けるだろうけど頑張って防御して痛みにも耐えるよ

まだ、終われないから!



●未熟を装い、刹那を狙う
「あなたは……グリモアがどういうものか知ってるの?」
「……。」
「……ううん、知ってるはずだよね。」
 リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)の問いに、ドラゴンテイマーは黙して語らず。もとよりリアナも返事は期待していないが、あえて言の葉に推測を乗せる。
「きっと碌でもないことに使う、そんな気がする。」
「……グリモアを持つ者としての勘、か。」
 目の前のリアナがグリモア猟兵であることに気づき、感情込めぬ声で問うドラゴンテイマー。
「勘ね。」
 リアナはただ一言だけ返し、黒剣を抜いた。

 リアナが狙う間は、赤き右腕の剣を命中させた相手に黒竜ダイウルゴスの群れを突撃させるまでのわずかな間。
(「相手の剣に合わせての捨て身のカウンター……ちょっと怖いけど覚悟を決めてやるしか無いよね。」)
 ドラゴンテイマーは必ず先に動く。しかし先に動くなら半歩程度は踏み込めるはず。そのわずかな差に賭ける。

 明確な殺意を持って突きだされるドラゴンテイマーの赤き剣を、リアナは必死に受ける。だが受けた直後、黒い暴風がリアナを包む。黒竜の群れの追撃だ。赤き剣を避ければ追撃は来ないのだが、その後もリアナはあえて黒剣で赤き剣を受け止め、その都度黒竜の追撃に晒され、傷が増える。だがじっとオーラを纏い痛みに耐え、未熟を装い機会を待つ。
「……未熟な。」
 数合打ち込んだ後、ドラゴンテイマーが赤き剣の軌道を変える。それは的確に急所を狙うそれから、一撃必殺の大振りに。
「まだ、終われないから!」
 しかし、それこそがリアナが狙っていた反撃のチャンス。ほんの僅かに身体をかがめて大振りを避けつつ懐に飛び込み、右手に持つ黒剣を真横に振るう。黒剣が胴を薙ぐ手ごたえを得た瞬間、【混ざりゆく覇王の腕】で右腕を黒剣と融合させて返しを生やし、さらに深く複雑に傷口を抉り、生命力をも奪う。ドラゴンテイマーの上半身がわずかにふらついた。

「未熟な振りをして機会を伺っていたか。」
 そう嘯くドラゴンテイマーの表情からは、徐々に余裕が失われつつあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

文月・統哉
強敵なのは分かってる
それでも俺達が勝つんだ、絶対に!

先制攻撃も手の内が掴めれば対処の仕様はあるってもんだ
注意すべきは最初の一撃
【赤き剣の右腕】の動きをよく観察し
『第六感』も働かせ『情報収集』した上で
攻撃動作を全力で『見切り』
『残像』でフェイントを仕掛けつつ
『ダッシュ』で全力回避するぞ

そしてUC【着ぐるみ探偵の推理】を展開
クリムゾンキャリバー、髭野郎のこの攻撃の弱点は明白だ
初撃を外すと次も当たらない事
2撃目以降も回避を続けて実証してやるぜ

成功の場合
『鹿撃ち帽を被った可愛いドラゴンな探偵着ぐるみ』が出現
テイマーの動きが止まったら
そのすかした顔を炎の属性攻撃で思い切り殴ってやる
猟兵の底力舐めんなよ!



●着ぐるみ探偵見習いの推理
 ドラゴンテイマーはこれまで猟兵が撃破した3幹部よりも強い。グリモア猟兵たる文月・統哉(着ぐるみ探偵見習い・f08510)も、その事実は痛感している。
「それでも俺たちが勝つんだ、絶対に!」
「猟兵は本当に諦めが悪い。」
 ドラゴンテイマーは感情無き声音で淡々と呟くが、開始当初の余裕はない。

 猟兵らが恐れていた先制攻撃も、猟兵全体で戦闘経験を蓄積し、手の内が掴めれば対処の仕様がある。
(「注意すべきは、最初の一撃だな。」)
 統哉は赤き剣の右腕の動きをよく観察、己の勘も頼りにしながら最初の攻撃動作を見切るために集中。刹那、ドラゴンテイマーは大きく赤き剣を振りかぶり、統哉目がけて振り下ろすが、剣が斬ったのは残像。続く黒竜の群れも残像を薙ぐ。統哉本人はダッシュでその場を離れていたため無傷。

 今の応酬で赤き剣の弱点を確信した、統哉。
「髭野郎、この攻撃の弱点は明白だ。」
【着ぐるみ探偵の推理】を発動し、ドラゴンテイマーにビシッと指を突き付け宣言。
「『初撃の赤き剣を外すと、続く黒竜の攻撃は当たらない』!」
 その言葉通り、統哉は己の五感とスピードに全てを賭け、続く赤き剣の突きを予備動作から見切り、ギリギリで避ける。赤き剣を避けられたため、黒竜の追撃は今度も空を切った。証明完了。
 弱点が証明された瞬間、ドラゴンテイマーの目の前に『鹿撃ち帽を被った可愛いドラゴンな探偵着ぐるみ』のマスコットが出現し、赤き剣の右腕に覆いかぶさる。
「何?」
 ドラゴンテイマーは着ぐるみマスコットを引きはがそうとするが、見た目軽くて簡単にはがせそうなのに、しっかりと赤き剣を掴んでいるため剥がせない。
「小癪な真似を。」
「そうかな?」
 ドラゴンテイマーの動きが止まった一瞬、統哉は魔導蒸気機関「暁」から炎を噴出し拳に纏わせ、一歩踏み込んで渾身のストレートで思い切り頬を殴り飛ばした。
「が…………っ!?」
 これまでのダメージの蓄積もあり、大きくよろめいたドラゴンテイマーに、統哉が叫んだ。

「猟兵の底力舐めんなよ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

薄荷・千夜子
厳しい戦でしょうが、ここで見過ごすともっと悪いことが起きそうな…嫌な胸騒ぎがします

SPD
あの竜を合体させるわけには行きませんね
【第六感】【野生の勘】【見切り】【残像】を駆使して回避をしながら接近
攻撃に移れればUC使用で相棒の彗に騎乗
盾のサイズに巨大化した懐中時計を構え
「彗、行きますよ!」
【空中戦】で翻弄しつつ接近、大型ダイウルゴスは【シールドバッシュ】による【なぎ払い】や【吹き飛ばし】で合体を阻止しながら
ドラゴンテイマーへの道が開ければ一気に上空へ上昇、高度をあげ、勢いを付けて急降下、盾による【シールドバッシュ】【捨て身の一撃】による突撃を
多少無茶はしてでも押し通します!

アドリブ共闘歓迎です



●相棒と共に、空高く舞う
(「厳しい戦でしょうが、ここで見過ごすともっと悪いことが起きそうな……。」)
 足元がおぼつかなくなりつつあるドラゴンテイマーを目にし、薄荷・千夜子(鷹匠・f17474)はそれでも嫌な胸騒ぎを覚える。
「……」
 額に刻印のある大型ダイウルゴスを召喚するドラゴンテイマーの目に初めて宿りし感情は、落胆か、それとも呆れか。

 千夜子が優先したのは、大型ダイウルゴスの合体阻止。群れてはいないが、合体される可能性があるのなら十分脅威だ。
 己の直感と野生の勘を頼りに、上空から襲いかかる大型ダイウルゴスの攻撃を見切り、時には残像を駆使して回避する。それでも何発かは爪を掠められ、時には腕に激痛が走るが、動きに支障が出る程ではない。
「彗、行きますよ!」
 ダイウルゴスからの攻撃が途切れた時を好機と見て、千夜子は【彗翔一閃】で相棒の美しい鷹、彗を召喚。その背に飛び乗り、懐中時計を盾に変形させて空中戦へと移る。
 それを見たドラゴンテイマーが、表情変えずにほう、と感嘆を漏らす。それは格下への嘲笑ではなく、なお諦めぬ猟兵の底力に対する称賛。

 確かに、これまでドラゴンテイマーが相対してきた他の猟兵と比べると、千夜子は決して強くないだろう。
 しかし、個々の能力の高さ、ユーベルコードやスキルの多彩さだけが、猟兵の強さを証明するものではないはずだ。

 大切なのは、強敵と相対しても退かない戦術を練り、編み上げること。
 そして、実行する勇気を……持つことだ。

 千夜子は空中で尚も接近する大型ダイウルゴスを、合体させぬように盾で薙ぎ払い、吹き飛ばして散らしながら彗を操り、ドラゴンテイマーに徐々に接近する。
 そして、目の前の大型ダイウルゴスを吹き飛ばした時、目に入ったのは――ドラゴンテイマー! すかさず急上昇し高度を上げ、勢いよく急降下。まさか、と言いたげにドラゴンテイマーの目が大きく見開かれるが、千夜子は躊躇わない。
「多少無茶はしてでも、ここは……」

 ――押し通します!! 

 彗の急降下による加速が乗った千夜子の捨て身のシールドバッシュが、ドラゴンテイマーの頭を捕らえ、身体を仰向けに押し倒し地に着けた。

●最期
「これが、骸の海に還るという感覚か。」
 千夜子の盾の一撃が止めとなったか、ドラゴンテイマーは倒れたまま立ち上がれない。
「ドン・フリーダムも直に討ち取られるだろう。……猟兵を侮っていたのは、私なのかもしれないな。」
 その言葉は感傷からではなく、ただ事実の再確認に過ぎない。
「だが、いつか私は骸の海から舞い戻る。……これは始まりなのだから。」

 それを最後に、ドラゴンテイマーの姿が消滅する。
 後に残されたのは、一段と激しく舞う、花嵐。

 かくして猟兵らは、龍使いに喰らいつき、討ち取った。
 しかし、龍使いの真の目的は、未だ骸の海の中。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月26日


挿絵イラスト