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あつあつ美味い料理三銃士を連れて来たよ

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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●あつあつ美味い料理三銃士?
 集まった猟兵がいきなりの言葉に動揺するのを気にすることなく、我孫子・堅は懐から三枚の写真を取り出した。
「おでんの名脇役を知る者、『餅巾着侍』」
 味の決め手は出汁、とでも言っているかのような如何にも風情ある立ちポーズを決める怪人。まず一枚目の写真にはそれが映っている。
「翌日の弁当のおかずにも最適と薦める、『餅巾着侍』」
 汁気はちゃんと切ってね、とでも言ってるかのような如何にも楽しそうな立ちポーズを決める怪人。二枚目の写真にはそれが映っている。
「実はあんかけにしてもおいしいと推す、『餅巾着侍』」
 アレンジは君次第、とでも言っているかのような如何にもかっこいい立ちポーズを決める怪人。最後の三枚目の写真にはそれが映っている。
 ……全員一緒じゃん!!
「そう、全部一緒だ。今回はこの餅巾着侍が関わっている事件になる」

●餅巾着に含まれる栄養は餅巾着一個分なのは誰でもわかる
「寒い季節、温かい食べ物が食いたくなる。そこを狙ってキマイラ達に自分の研究に研究を重ねた餅巾着料理を広めようと襲い掛かってくる怪人……というのを予知したんだが」
 まさか名前そのまま餅巾着侍とは。我孫子の顔も苦い笑いを浮かべている。
「この怪人、餅巾着をいかに美味しく食べるかに情熱を持っていてな。熱意相まって料理対決でひと暴れしようと企んだようだ」
 熱心なことは良い事だが、それで周りの迷惑になるなら止めなければならない。ところで、その対決とは。
「舌の肥えたキマイラ達が味を主として見た目等にも加点をしていくルールの対決みたいだな。皆が怪人と対決する試合は、相手側が先攻で始まるようだ」
 餅巾着。油揚げの中に餅が比較的大きめに入っているいたってシンプルな料理だが、先の我孫子の説明の通り、意外と汎用性の高い存在である。
「餅巾着侍は名前の通り、餅巾着のプロだ。しかし、料理自体に主だったテーマはない。それぞれ思い思いの料理でぶつかれば勝機もあるはずだぞ」
 得意分野同士のぶつかりあいになるだろうが、腕に自信を持ちさえすれば勝てない相手ではない。どちらにせよ、ここで勝たなければ餅巾着侍の横暴を許してしまうことになる。
「無事勝利すれば、キマイラ達は注目していた怪人よりも皆の方を応援してくれるだろう」
 避難にも従順な態度を示してくれるだろうし、会場にて孤立した侍を討つのに遠慮はいらなくなる。しかし。
「この餅巾着侍、新しい味を生み出そうと他の料理怪人との交流も盛んらしい」
 嫌な予感がする情報である。もしかすると餅巾着侍の危機に応援に駆けつける何かがいるかもしれない。これには十分注意しなければならない。我孫子は三枚の写真を懐に戻すと、集まる仲間に微笑んだ。
「情熱には情熱を持って返す。なに、皆ならできるはずだ。よろしく頼むぞ」


楪カジ光
 楪・カジ光と申します。いきなりネタに走ってすみません。
 今回は料理対決を仕掛けてくる餅巾着侍を成敗していただきます。この餅巾着侍の出す餅巾着は甘濃い出汁で味付けされており、揚げにはじゅわっと汁が染みこんでいます。焼きもちがアクセントで大変美味しいです。

 プレイングの際、作る料理を明確に記載していただくと好物等の設定との齟齬が無くなるかと思います。特にない場合はこちら側が想像して描写をさせていただきます。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『激突!グルメキング決定戦!』

POW   :    限界を超えた特訓や食べる相手を思う心で勝利フラグを立てる

SPD   :    封印された伝説の料理法を駆使して勝利フラグを立てる

WIZ   :    だれも知らないような伝説の食材を手に入れ勝利フラグを立てる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●そのお揚げを馬鹿にするんじゃあないっっっっ!!

 自身に向かってくる猟兵を、餅巾着侍さんはどう思っていらっしゃるのか。
「いやあ、血気盛んなのは大変良いと思うでござるよ? 何事も若気のある方が活気があって良い」
 成程。餅巾着侍さんは特に怒りの意志もなく対決に集中している。ところで今は何をしているんですかね。
「勿論、自慢の餅巾着で勝負を掛ける為に下準備をしているのでござる」
 一定の大きさに切られた餅が七輪の火に当てられてふくふくと膨らんでいますよ。おいしそうです。
「扉を叩くだけではこういった美味なる物への一手間の機会もないでござる。皆の衆、料理は手間の愛でござるよ」
 あ、ワンポイントアドバイスのポーズは結構です。

 手際よく作られていく餅巾着料理。決戦たる試食タイムではエントリーナンバーの一番若いこの料理が一番最初に食される。
 甘い濃厚な出汁が染みたお揚げは噛めば端からふしゅり、と出汁の滝が流れ落ちる。中に詰まった餅は一度焼いたことでお揚げの出汁をこれまたよく中に閉じ込め、熱いながらも美味い一品となっていた。餅にコゲが付いているのもまた食感が違っておいしい。
 餅巾着侍は勝利を確信している。その無い鼻を挫く対抗馬は猟兵達の手によって生み出すしかない。今、真の戦いが幕を開けた。
マイリー・アレックス
相手がおでんなら、私はサンドイッチで対抗します。
食品工場とコンビニでの過酷なバイト経験を生かして
最高に上手いサンドイッチをご馳走させます。

豚カツとキャベツを挟んだカツサンド。
新鮮レタスとチーズを挟んだレタスサンド。
極めつけはゆで卵の黄味を潰して挟んだ卵サンド。

サンドイッチはシンプルで多彩な味を引き出す料理です。
定番料理が究極なのです。
この勝負、私の圧勝ですね。



マイリー・アレックス(サイボーグの探索者・f09992)は若干厚めに切った食パンの耳を落とす作業に没頭している。
「耳は残した方が食べ応えがあるんですけど、見目も良くあっさり食べることが出来るように耳は切り落とします」
 この耳はラスクにすると無駄がないと言う。カリカリ食感の焼き菓子に思いが移りそうになるが、今回のメインはそちらではない。
「野菜、肉を手軽に取れてなおかつおいしい……最高のサンドイッチを作ります!」
 マイリーはサンドイッチで勝負に出るようだ。長期のバイトで習得した技で料理を引き立たせる。
 まず取り掛かったのは豚ロースの揚げ物、とんかつの用意だ。薄く切れ込みを入れた肉に下味をつけ、小麦粉と卵液に浸した後パン粉をまぶす。それを180度の油の中で踊らせるのだ。ここまでで既においしそうなのだが、これはあくまでサンドイッチの具である。
 バットに開けたとんかつの油切りの間、マイリーは共に挟み込むキャベツの千切りをする。新鮮なキャベツは包丁が入る度にさくり、と良い音を鳴らした。
 更にマイリーは別の葉物を取り出す。レタスだ。洗ったそれの真ん中に指を入れ、豪快に割る。パリン、と新鮮そのものの音が響く。マイリーもこの音に満足したように頷いた。そのまま数枚に分けて取り分け、水気を切っておく。
 ここでとんかつの油が抜けきった。一切れ一切れ包丁を入れていく度に揚げ物特有のサクッ音が鳴るのが堪らない。それとキャベツを挟み込み、果実を煮詰めた甘辛いとんかつソースをかける。豚カツとキャベツを挟んだカツサンドがまず一品出来上がった。
 次に作るのは先程のレタスを使ったサンドイッチ。水気のなくなったそれと薄切りにしたチェダーチーズを共に挟む。それ以外の味付けは無い、新鮮レタスとチーズを挟んだレタスサンドが二品目に出来上がった。
「ですが、これで終わりではありません」
 これ以上に何があると言うのか。マイリーの手がすっと作業台の上に何かを置いた。それは、丸く、艶のある、白い……ゆで卵である。これが複数出てきたということは、もう何が出来るのか分かるだろう。
 ゆで卵は細かく潰され、それに合わせて挽き塩コショウとマヨネーズで和えられていく。そこに隠し味としてマスタードが少し。これが辛みではない独特の味として具材の味を変化させるのだ。この一手間かけたみんな大好き卵サンド。これがマイリーの三品目となった。
「サンドイッチはシンプルで多彩な味を引き出す料理です。なんやかんやと言いますが定番料理が究極なのですよ」
 ふふ、とマイリーの笑みが料理への自信を物語っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​


出されたサンドイッチはそれぞれがそれぞれで好評だ。
 カツサンドは揚げ物とキャベツを噛めばサクッと歯触り良い音と肉汁に甘辛いソースが絡み、幸福感に包まれる。
 レタスサンドはレタスのシャキシャキとした食感と、みずみずしくも葉物特有の苦みにチーズの濃厚な味が互いを尊重し何個でも食べることが出来る手軽さを口にもたらす。
 そして卵サンドは言うまでもない。隠し味のマスタードは辛みよりも旨味となって卵を引き立たせている。

 おいしい、おいしすぎる! 白が綺麗! 何個でも食べれる! 毎日食べたい! だそうです。
 現場からは以上です。
久世浦・穗積
この寒い時期に身体を温めてくれる料理は、実にいい。
芯から温めてくれる濃厚な味、噛めば溢れ出てくる出汁、
しっとりとした中にサクサクの食感
確かに冬場にうってつけの食べ物であることは否定しない

しかし!だがしかし!
圧倒的に足りないものがある!それは…
食欲を刺激し、空腹中枢を苛む圧倒的芳醇!
発汗作用を促し、もはや寒いとか言ってられない刺激!
誰もが行きたがる遥かな世界、ガンダーラ!
そう、私が出す料理は…カレーライスだ!!!
具材はゴロゴロと大きめに切ったもの
一晩煮込んで噛めばホクッと柔らかに
そしてルーに溶け込むスパイスの饗宴

両手を左右に大きく広げ大地に降り立つ姿
【カレー・ジャスティス】のポーズで挑むぞ



「この寒い時期に身体を温めてくれる料理は、実にいい。芯から温めてくれる濃厚な味、噛めば溢れ出てくる出汁、しっとりとした中にサクサクの食感。確かに冬場にうってつけの食べ物であることは否定しない」
 じゃがいもの皮を剥きながら、久世浦・穗積(戦争論・f01538)は静かに言葉を紡ぐ。それは精神を統一しているようにも見えた。
「しかし! だがしかし! 圧倒的に足りないものがある! それは……」
 それは……。
 次の瞬間、穗積の目が光ると同時に皮の剥かれたじゃがいもが星の数ほど舞い上がった。それ全てを穗積の包丁が四つ分にしていく。
「食欲を刺激し、空腹中枢を苛む圧倒的芳醇!」
 等分されたじゃがいもが寸胴鍋に入るのを見届けつつ、同じように人参や玉ねぎの皮むきを手早く終えた後、肉等の具材と共に切り分ける。その全てが納められた鍋に火が点る。炒められる度上がるジュワッという音、火が通ることで漂う食材の甘い香り。
「発汗作用を促し、もはや寒いとか言ってられない刺激!」
 水を入れじっくり煮込む過程で出る灰汁を残さず掬っていく手はそのまま特製のスパイス調合に入る。
「誰もが行きたがる遥かな世界、ガンダーラ!」
 辛みの中に甘みを、甘みの中に刺激を。そのような味の極楽を表現できうる配合のスパイスがスープに溶けていく。とろみを引き出す為、先程切ったじゃがいもの内、鍋に入れる前にザルで取った欠片もすりおろして投入する。これを一晩煮込めば……。
「そう、私が出す料理は……カレーライスだ!!」
 本人に先を越され大々的に宣言されてしまったが、そう、カレーライスが出来上がるのだ。これはカレー好きを豪語する穗積渾身の料理である。
 ところで、一晩煮込むと言ったが一晩経過まで誰も待っていられないので泣く泣くスピード重視のレシピにしたのはここだけの話だ。実際は後十数分で完成する。
「そう、時には愛に試練も必要なのだ……」
 両手を左右に大きく広げ大地に降り立つ姿、通称(本人比)【カレー・ジャスティス】のポーズを取りながら穗積は出来上がったカレーで勝負に挑む!

成功 🔵​🔵​🔴​


渾身のカレーはおかわりが続出した。
 大きめに切られた具材は程よく火が通っており、噛めばホロっと崩れつつ旨味が口に広がる。食べ応えも十分で食べてもなくならない至福感が全身を包む。
 更にその味付けが特出しておかわりを要望する理由となっている。辛いだけではない、食材とルーの間に存在する甘み。それを感じたと思えば次には辛みの刺激が舌を撫でる。それが妙に心地よく響くのだ。おかげで止められないし止まらない中毒性を生み出している。

 辛いのに、とまらない! 食べても食べてもまだある幸せ! この甘みと辛みのちょうどいいのが堪らない!! だそうです。
 現場からは以上です。
シルヴィア・ジェノス
餅巾着美味しそう!けれど情熱故に人々に迷惑をかけるというのは、料理大好き人間として看過出来ないわ
向こうがあっさりの中に旨味たっぷり餅巾着で勝負するなら、こちらは濃厚ビーフシチューで勝負。ご飯にもパンにも合うし、ハンバーグを煮込むことだって出来る。野菜とお肉を大きめに切ってビジュアル面でもインパクトを
折角だから牛肉にこだわりたいわ。口の中でほろっと溶け、味もルーに負けず且つ主張しすぎない様な、上質でしかも知る者は殆どいない様な珍しい牛肉を。そんな牛肉を求めて調査。基本は聞き込み、口を割らない様なら自身の手料理で説得したり、食通だけど人間の屑なんていう人相手なら【賢者の影】使ってでも情報集め



ところで、餅巾着は割とあっさりした味付けの料理である。大豆文化から生み出されたそれは濃くてもトロリとした深い味付けのものよりは薄口に近い分類が成されるだろう。
「ならば私は濃厚ビーフシチューで勝負します」
 シルヴィア・ジェノス(月の雫・f00384)は目の前に用意した誰が見ても美しい霜降り肉を前にそう宣言した。
 ビーフシチューの主役は名前の通りビーフ、牛肉だ。この牛肉を手に入れるためにシルヴィアは大層苦労したと言う。
「人から人へ、様々な情報を元に遂に巡り合ったの。譲ってもらうのにも苦労したわ」
 最終的には自分の腕で黙らせたと言うが、一体どういうことなのか……真相は闇の中である。事実として肉が手に入っているのだから誰も追及する意図を持たない。
 その肉を大きめにカットしていく。具材はなるべく大きい方が煮込んだ時に形がしっかり残り、食べ応えもある。肉には塩コショウを振り、軽く揉んで味をなじませる。肉については単体でしっかりした味があると肉汁と一緒に旨味が感じられておいしいのだ。
「炒めるのは火が通らないものから。焦げないように注意して、全てに火が通ったら水を入れて煮込む作業に移るわ」
 手馴れたように、時々解説を混ぜながらシルヴィアの手がビーフシチューを作り上げていく。ちなみに、シチューに使用するデミグラスソースもシルヴィアが一から作った特製品だ。
「さあ、最高の食材で作った最高のビーフシチュー! 召し上がれ」
 微笑んだシルヴィアの笑顔は持ち込んだ食材と同じく、美しく輝いていた。

成功 🔵​🔵​🔴​


このビーフシチュー、歓声がひっきりなしに上がった。
 具材のどれもが大きく、噛めば噛むほど特製デミグラスソースと絡み合ってとてもおいしいのだが、中でも主役の肉の旨味が凄まじい程に高い。
 崩れるのだ。口の中で崩れるのはまぁ、ほかの具材もそうなのだが。霜降りは元々脂の量が多い。それが熱でもう蕩ける勢いで崩れる。その甘いような深いような旨味が口の中を泳ぐのである。叫び声は止まらない。

 生きてて良かったー! はぁああああこれはぁああああ!! おいしい、おいしい!! オイシイヨォ……! だそうです。
 現場からは以上です。
小読・灯
まあ、美味しそうね
料理は手間をかけておいしくする物
餅巾着侍さんが拘りを持って作っているのが分かるわ

これは自分の得意料理でお相手しなくちゃ失礼になってしまうわね

◆伝説の料理法(お母さんの味)
・ハンバーグ

まずはハンバーグに入れる玉葱を細かく微塵切りにして炒めましょう
適度に飴色になるまで炒めてからお肉と混ぜると、甘みが増すの
ただ、熱いままお肉と混ぜちゃだめよ
一旦冷やして熱を取り除いてからお肉と混ぜるの

焼く時の火加減の調整は【絶望の福音】を駆使して最適なタイミングで行うわ

肉から出た油は捨てずに違うフライパンに移して
トマトと赤ワインを加えて火にかけて混ぜてソースを作るの

最後に白いお皿に盛りつければ完成



「これは自分の得意料理でお相手しなくちゃ失礼になってしまうわね」
 相手に敬意を示し、小読・灯(灯売り・f01972)は自分の得意料理……ハンバーグを作る意志を固める。
 ハンバーグはひき肉の焼き料理という分かりやすくシンプルな料理の一つであるが、老若男女人気の高い料理でもある。特に家庭の味の差異が出やすい。様々な調理方法があるが、灯は自分の知る最良の作り方で作業を始めた。
「玉ねぎは一度火を通すの。飴色になるまで。そうすれば甘みが増すのよ」
 微塵切りにされた玉ねぎの欠片達が熱によって透き通った飴の色へと変わっていく。それをバットに移した灯は荒熱を取るために薄く広げる。この玉ねぎは熱い内に肉と混ぜても馴染まないのだ。
 その間、ひき肉と卵やナツメグ等の調味料をあらかじめ練っておく。余計な熱を加えないよう、触れるのは最低限に留めるのもポイントだ。
 粗熱が取れた玉ねぎと混ぜあわせ、成型したら後は焼くだけ。おいしく作るなら火加減の調整が肝になる。中火、蒸し焼き、弱火、強火。中々大変な作業だが、それを終えれば完成は間近である。
 焼けたハンバーグを皿に盛る。ここで完成かと思いきや、灯は溢れ出た肉汁が溜まるフライパンで更に作業を続けている。
「ソースがないと駄目よ」
 成程、それはハンバーグにあって不足のないものだ。トマトと赤ワインを入れて軽く煮込んだ特製ソースは芳醇な香りでハンバーグを彩った。
 これが旨味を追したハンバーグである。その味は食べてからのお楽しみだ。

成功 🔵​🔵​🔴​


ハンバーグを食べた感想が深い。
 二つに割ると閉じ込められていた肉汁が溢れだす。あまりの量に皿がひたひたに輝いている程だ。その肉汁に絡む玉ねぎの甘い味。トマトベースのソースは酒の芳醇さをしっかり引き継いでおり、アルコール分は飛んでいるものの大人の味がすると好評だ。

 色んな味のハンバーグを食べて来たけど、このハンバーグはハンバーグって感じがする。これこそ真・ハンバーグなのでは? 真名はハンバーグ? だそうです。
 現場からは以上です。
マルコ・ディロク
POW判定
餅巾着のピザアレンジ料理を作り
相手の事を認めつつ
餅巾着以外の料理も受け入れれば
もっと食べた人を笑顔に出来るとアピールする
(料理1、優しさ2)

レシピ
袋状のお揚げの中に薄切りの餅、
トマトソース、チーズ、ベーコンを詰め四角いピザ台を作る
その上から同じ具をのせて最後にバジルを飾り
オーブンでお揚げがカリッとするまで焼き上げる

セリフ
俺は初めて行った場所では、その土地の物を食べて
自分なりにアレンジしたピザを作ることにしてるんだ

いろんなものを食べてその良さを学び、お互いがお互いを高め合う
そしてそれを食べた人たちを笑顔にしたい、俺はそう思ってる

さあ、食べてくれピザ『ディロク』特製の一口餅巾着ピザだ!



「俺は初めて行った場所では、その土地の物を食べて自分なりにアレンジしたピザを作ることにしてるんだ」
 薄い油揚げに一口大のこれまた薄切りにした餅を詰めながらマルコ・ディロク(銀河最速の宅配ピザドライバー・f10295)は言う。しかしそれはピザではなく、餅巾着では?
「いろんなものを食べてその良さを学び、お互いがお互いを高め合う。そしてそれを食べた人たちを笑顔にしたい。俺はそう思ってる」
 餅巾着にしては身が薄いそれを軽く湯に通し、口を止めていた楊枝を抜いて代わりに長く切ったカマンベールチーズを結んでいく。こうみるとマルコの作る料理が餅巾着でないことが分かってくる。
 次に用意されたのは四角いピザ生地。勿論、その場で伸ばされたものだ。空中回転も勿論やった。マルコの料理とは、どうやらピザのようだ。
 白い生地の上、赤く熟したトマトソースが塗られ、更にチーズとベーコンがありったけ敷き詰められる。これだけでも焼けば美味しいピザになると思うのだが、それだけではマルコの目指す料理にはならない。先程も口にした『いろんなものを食べてその良さを学び、お互いがお互いを高め合う』エッセンスが必要なのだ。
「餅巾着、もちろんおいしいぜ。でも、その食べ方は一つじゃない」
 ……そう。それが、最初に仕込んでいた餅巾着なのである。
 ピザに並べられた餅巾着。最後にバジルを乗せて焼いていく。生地に火が通るのもそうだが、目安はお揚げがカリカリになる頃合い。
「さあ、食べてくれ。ピザ『ディロク』特製の一口餅巾着ピザだ!」
 トマトソースとチーズの香りに混ざり、程よく焼けたお揚げの香ばしさが漂ってきた。

成功 🔵​🔵​🔴​


何でも焼きたてに勝るものはない、とばっちゃが言ってた。
 生地を食めばスパイシーなコクのあるトマトソースにチーズがよく絡み、よく伸びる。伸びたチーズも甘いながらに深い味わいで、正直言うと一切れでは足りない。そこにオリジナル要素の餅巾着が現れる。具の面積が薄いのでボロボロと崩れる心配もなく、また餅自体も湯に通したことでよく伸びて噛みやすい。味付けをしないことでトマトソースとの喧嘩もなく、むしろその味に馴染んでいるのが感動的だ。結びに使われたチーズも蕩けてさらにおいしい。

 ピザなのにピザ! このピザは革新的だ! 銅像が建つ!! チーズおいしい!! だそうです。
 現場からは以上です。
水貝・雁之助
僕は焼きおにぎりなんだなー

用意するのは炊き立てのお米!岩塩!
干しトビウオと昆布、宗田節を漬け込んだ出汁醤油!少し辛めの味噌!此れに
加えて色々な具を用意してるんだな!

最初は少し辛めの味噌と刻んだワカメを混ぜ込んだ物を入れたおにぎりを
出汁醤油を漬けながら焼いたおにぎり!此れだけでも美味しいけど此れに昆布と
鰹節、炒り子で取った出汁を出汁醤油で調えただし汁をかけた焼きおにぎり
茶漬けなんだな!

此れに出汁を取った鰹節と昆布を刻んで醤油で合えた物、刻み沢庵、チーズ
たらこバター、ちりめんじゃことゴマを混ぜ込んだ物の五種類の出汁醤油焼き
おにぎりを加えたのが僕の料理なんだな!

醤油の焼けた匂いはたまらないんだなー



水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)は炊きたてのご飯をおひつに移しながらこう言った。
「僕は焼きおにぎりなんだなー」
 焼きおにぎり。焼きおにぎり。彼はそれを作ろうとしている。そんなのおいしいに決まってるじゃないか、と先走る気持ちを堪えつつ、雁之助優しい手元を覗き見てみよう。
「おにぎりは沢山あれば幸せなんだな。だから何個か種類を作るんだなー」
 用意した具材に対しておひつが何個も用意されていく。どうやら混ぜご飯要素のある焼きおにぎりのようだ。
 刻んだワカメと辛味噌を混ぜたご飯を崩れないよう固く握った後、七輪にセットされた網の上に並べていく。出汁醤油を適度に塗りながらひっくり返す度、おこげや味噌と醤油の甘い香りが漂ってくる。
「これでも十分おいしいけど、この焼きおにぎりの特別な味わい方も出しちゃうんだなー」
 そう言った雁之助は丸い深めの椀に焼いたおにぎりを置き、上から薄い色のだし汁をかけた。このだし汁は昆布と鰹節、炒り子で取った出汁に出汁醤油を調えた特製品だ。汁によって固くしめられていた米がほろほろと崩れていく。こ、これは……出汁茶漬け……! 焼きおにぎりを使った出汁茶漬けだ……!
「他の焼きおにぎりと一緒に食べると幸せなんだなー」
 雁之助の手には既に違う具のおにぎりが握られている。手際がいい。そうこうしているうちに、『出し柄の鰹節と昆布の刻み醤油漬けおにぎり』、『刻み沢庵おにぎり』、『チーズたらこのバター和えおにぎり』、『ちりめんじゃこ胡麻和えおにぎり』が完成した。全て焼きおにぎりになる品だ。これだけでもおいしいだろうけど!
「醤油の焼けた匂いはたまらないんだなー」
 おにぎり一つ一つに丁寧に醤油を塗りながら雁之助は、ふふっ、と笑う。その笑みは作り手が一番幸せそうなもので。見ているこちらも幸せになるような心地がした。

成功 🔵​🔵​🔴​


だから焼きたてに勝るものはないんだって。
 焼きおにぎりの香ばしい香りと味だけでもおいしいというのに、それを使った出汁茶漬けなんて卑怯だ。おいしい。おいしすぎる。
 元々濃い辛味噌が出汁によく溶けて丁度いいコクになっている。米も一度焼いてあるので大きくふやけずに食感が残っていてなおの事おいしい。
 それに合わせて食べる他の焼きおにぎりのおいしいこと。全て醤油と相性のいい食材だからこそ成せる味だ。勿論、茶づけになった焼きおにぎりも出されている。

 あまうま……あまうま……! おにぎりってこんなにおいしいんだ……! 醤油おいしい……なんにでもあう……! だそうです。
 現場からは以上です。


第2章 集団戦 『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』

POW   :    恨みのローソク
【ケーキの飾りのロウソク 】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤い】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ふかふかボディ
自身の肉体を【スポンジケーキ 】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    生クリームブラスト
【両掌 】から【生クリーム】を放ち、【ベトベト感】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●馬鹿な……私が今まで読んでいたものは……!?

 料理対決は次々と猟兵達に票が集まっていく。馬鹿な、こんなはずでは。
「拙者とその方ら、何が違って……はっ……!!」
 自分はこう言ったはずではなかったか。『料理は手間の愛でござるよ』と。つまり、その愛の差故の敗北ではなかろうか。自分の愛は所詮一手間しかなかったのだ。猟兵達は二手間も三手間も掛けていたのである。その愛の差に餅巾着侍は負けたのだ。
 こうなってしまえば猟兵との真の勝負、『真剣打ち合い』(要は物理で戦うこと)にて決着を付けなければならない。
 キマイラ達は既に猟兵の言葉に素直に応じ、会場から消えている。この場にいるのは料理を終えた狩人達。
「厳しい戦いになりそうでござるな……」
 そうごちた餅巾着侍の前、空から何かが降ってきた。
「餅巾着侍殿ーーーー!!」
 ドッ、という音と共に段ボールが華麗なヒーロー着地を行う。段ボールには足がないからヒーロー着地じゃない? こまけぇこたぁいいんだよ。
「き、貴殿は以前拙者とはしご酒を酌み交わした……『売れ残ったクリスマスのケーキ怪人』殿!!」
 なんちゅうもんと酌み交わしてるんだ。
 心中でツッコむ猟兵達を尻目に、売れ残ったクリスマスのケーキ怪人(長い)は餅巾着侍の前に複数現れる。
「我ら一同、同志の為に馳せ参じたですぞー」
「もう時期が終わってしまい撤去される悲しき思いを背負ってきましたぞー」
「助太刀するのでまた呑みに誘ってくださいー」
「う……うむ、現金な発言を耳にした気もするが、とにかく重畳。これは助かった!」
 餅巾着侍を守るようにして突如乱入した売れ残ったクリスマスのケーキ怪人達。可哀想だがまずはこの怪人をなんとかしなければならない!
小読・灯
クリスマスケーキね。美味しいわよね。

うーん、私、まだ子どもだからお酒を飲んじゃってるクリスマスケーキは食べちゃいけないの。残念。
でも、このまま放っておかれるのも悲劇だわ。何とかしてあげなくちゃ。

ねえ、売れ(以下省略)さん、私はあなた達を買ってあげられないから、代わりに私の炎に食べられちゃってもらって良いですか?

【WIZ】
数が多いわね。
どれだけ売れ残ったのかしら。もったいないわ。
マッチを擦って【属性攻撃】で強化した【ウィザードミサイル】をいっぱい撃ちましょう。食べ残しが出るともったいないもの。
ですよね、売れ(以下省略)さん?

もし【恨みのローソク】で攻撃されたら【火炎耐性】で涼しい顔をしておくわ。



「クリスマスケーキね。美味しいわよね。でも……うーん、私、まだ子どもだからお酒を飲んじゃってるクリスマスケーキは食べちゃいけないの。残念」
 それを聞いたケーキは戦慄した。た、確かに酒呑んでるケーキはアルコールケーキじゃね?!
「ねえ、売れ残ったクリスマスのケーキ怪人さん、私はあなた達を買ってあげられないから、代わりに私の炎に食べられちゃってもらって良いですか?」
 あ、それはアルコールを飛ばすという意味も兼ねてですか……って違うよね!!
 灯が擦った一本のマッチが激しく燃え上がり、複数の鏃となって解き放たれる。それはまるでケーキのロウソクに火を灯さん勢いで……実際はそれ以上の炎の塊となって売れ残ったクリスマスのケーキ怪人(以下売残ケーキ怪人)の身を焼いた。暴力反対、等の声がそこかしこから上がっているが気にする必要は全くないので安心して欲しい。
「数が多いわね。どれだけ売れ残ったのかしら」
 キャンセルや誤発注の数だけこの売残ケーキ怪人は存在する。悲しい出来事だ。その悲しみは猟兵である我々が昇華しなければならない。
「もったいない」
 その通りである。

成功 🔵​🔵​🔴​

マイリー・アレックス
悲しい事言わないで下さい。私達が売れ残った貴女達を買い取ります。
売れても売れなくても美味しいケーキに変わらないじゃないですか。
まずは私達の話を聞いて下さい。
私達は戦いに来た訳ではありません。

(もしケーキ怪人が私の話を耳に傾けたなら)
私達は貴方達の廃棄に来たのです
だって、そうでしょう賞味期限の切れた不味いケーキを
客に出す訳にはいかないでしょう
ブラッド・ガイスト使用して
私の近くにいた敵を先制攻撃

その後は後ろ取らない様に動き回って敵が仲間に気を取られている瞬間を背後又は側面から攻撃を仕掛けます

蝋燭、両掌、スポンジ化の体の向きで誰を狙うか予測できるはずです


マルコ・ディロク
SPD判定
ユーベルコードを使用すると
衛星軌道上に待機していた宅配用宇宙バイク「ジャイロ」号が降下
スペーススーツのエネルギーパックを起動(真の姿)
ジャンプして乗り込みそのまま集団の中へ飛び込んで
スピンターンで薙ぎ払う(先制攻撃1、騎乗2、操縦1)
「ジャイロ号カモン!」(呼び出しセリフ)

・追撃(2回攻撃1)
スピンターンで弾き飛ばし、倒れてまとまった所へ突進しながら
「こいつはサービスだ、遠慮せずに受け取ってくれよな!」

・攻撃後に
「そうそう、残ったケーキは冷凍して細かく刻み
柔らかくしたアイスクリームと混ぜて固めると
ショーケーキフレーバーのアイスにリメイクできるぜ、試してみな」



硝煙燃え尽きる中、マイリーとマルコも襲い来るケーキ達を受け流している。皆それぞれ自暴自棄な言葉を吐き散らかしているので正直言うと胸が痛い。
「悲しい事言わないで下さい。私達が売れ残った貴女達を引き受けます」
 救世主の如く甘い言葉を投げかけたのはマイリーだ。その言葉にケーキ達がハッと顔を上げる。
「売れても売れなくても美味しいケーキに変わらないじゃないですか。まずは私達の話を聞いて下さい。私達は戦いに来た訳ではありません」
 本当? といくつかのケーキがおずおずと近付いてくる。マイリーは菩薩の笑みを止めない。まさに救済者……と言いたいところなのだが、その手に持っている武器はナンデショウカ。
「私達は貴方達の廃棄に来たのです。だって、賞味期限の切れたなんて事案沢山のケーキをお客様に出す訳にはいかない。そうでしょう?」
 瞬間、マイリーの腕から鮮血と共に装備している刻印がケーキ達を貫いた。不意打ちにしては恐ろしい手口である。ケーキ達はすべからく戦慄し震えが止まらなくなった。いや、ほんとめっちゃ怖いっす。
「衛生管理はしっかりしないと。ふふ」
 アッ、ハイ。
 その一件で震えて散り散りに駆けだしたケーキ達。それを今度はマルコが逃がさないよう追撃する。
「ジャイロ号カモン!」
 自身の愛機、宅配用宇宙バイク『ジャイロ号』が姿を現す。それに飛び乗ったマルコの姿も専用のスペーススーツを纏ったものへと変化する。かっこいい。しかしケーキ達に見惚れる余裕はないようだ。
 まるで羊の追い込みのようにジャイロ号でケーキ達を弾き飛ばし、一点に寄せ集める。バイクに轢かれ体勢を崩したケーキの壁にマルコはアクセルを回した。
「こいつはサービスだ、遠慮せずに受け取ってくれよな!」
 ボウリングのピンの如く吹き飛ばされるケーキ達。邪道めー、等の声が聞こえるが全く持って気にしなくていいので安心して欲しい。
「そうそう。残ったケーキは冷凍して細かく刻み、柔らかくしたアイスクリームと混ぜて固めるとショーケーキフレーバーのアイスにリメイクできるぜ。試してみな」
 決め台詞までアドバイス満天のマルコの表情は、これ以上ないほどの笑みだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

久世浦・穗積
もうクリスマス終わってるし…
ていうか半額なのに余ったの?もうダメダメだね
なんて感想を、さっき作ったカレーライス食べながら思う
そう!カレーライスを食べながら!
カレー妖精ほづみんことこの私はカレーを食べることにより
モリモリと不思議なパワーが湧いてくるのだ
これぞ【カレーの神髄】!!もはやカレーを食べてしまった私に
負ける要素は一切無い!
ケーキだか何だか知らないけど、全員まとめてぶっ飛ばしてやるぜ!
大きなカレースプーンで纏めてなぎ払ってやるう



「もうクリスマス終わってるし……。ていうか半額なのに余ったの? もうダメダメだね」
 せ、正論過ぎて何も言えねぇ……! とケーキ達は地に沈んだ。しかも、周りに良いカレーの香りを漂わせている穗積に言われたということで自分たちのアイデンティティとは、と更に気落ちてしまったのだ。ちなみに彼女、自身が先程の対決で作ったカレーをちゃっかり食っているなう。である。
「やはり一晩掛けた方が……おっと、それは置いておこう。しかし、カレー妖精ほづみんことこの私はカレーを食べることによりモリモリと不思議なパワーが湧いてくるのでこのカレーでも十二分に効力を得られるのである」
 解説ありがとうございます。
「これぞ【カレーの神髄(アンリミテッド・カーリー・エッセンス)】!! もはやカレーを食べてしまった私に負ける要素は一切無い! ケーキだか何だか知らないけど、全員まとめてぶっ飛ばしてやるぜ!」
 凄い意気込みである。いや、この気迫は紛れもない本物。ケーキ達の炎に屈しもせず、カレースプーン一本で全てを薙ぎ倒していく。それは正にカレー神の加護があるようにも思えた。カレー神ってなんだよと思ったそこの君。こまけぇこたぁいいんだよ。
「『そんな事よりも、カレーが食べたい』!」

成功 🔵​🔵​🔴​

水貝・雁之助
うん、何で又、売れ残ったケーキ怪人なんて切ない怪人が居るんだろう・・・
ま、まあ料理勝負では勝ったんだし今度は戦闘で勝利を掴むだけだよね



周辺の建物や会場にある椅子、ベンチ等の『地形を利用』し盾としたり敵が
動きにくくなる場所に移動していくように攻撃しながら誘導したり乾燥剤や
ガスコンロのガスを利用して攻撃したり

勿論食材は巻き込まないよう注意

又、他の猟兵の攻撃のタイミングを合わせ敵の避ける先に攻撃して敵の回避
行動を牽制したり他の猟兵を攻撃しようとする敵に攻撃して攻撃の出出しを
潰す等して味方の援護しながらダメージが大きい敵から一体一体確実に倒す

兎に角、功を焦らず、敵を逃さないように逃走には警戒しつつ戦闘



何故、クリスマスケーキは売れ残ってしまうのか。外因的要素、内因的要素、様々あると思われるが一番は『作りすぎ』なのだろう。いや、欠品するよりは余った方が売り上げを担保する意味では有効なのだが、そこにこの怪人が怪人たる理由があるのかもしれない。社会の闇ってこわい。
「考えると悲しくなるんだな。料理勝負では勝ったんだから、今度は戦闘で勝利を掴むだけだよね」
 振るった自身のペイントブキがケーキ達の近くに転がっていたベンチを弾く。それはケーキ達を押しつぶすと同時に、残ったケーキ達から身を守る盾となった。
「おっと、食材は避けて……」
 出しっぱなしの食材にも気を配る。まだまだ使えそうなものを傷付けるのはよくない。これはケーキ達の二の舞にならぬよう、という祈りも込めている。
 ケーキ達の数はみるみる減少していく様に、雁之助は少しだけ謝罪を乗せた。いつか君達が残らないケーキの記憶の中で幸せになれる日が来るといい。過去の遺物である怪人になってしまったその先に未来があるかはさておいて。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『餅巾着侍』

POW   :    御澱流・田楽刺し
【長巻を用いた鋭い刺突攻撃】が命中した対象に対し、高威力高命中の【煮え滾る味噌だれ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    御澱流・チカラモチ
自身の肉体を【つきたての餅めいた形質】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ちくわと鉄アレイ
【伝説的なニンジャマスター】の霊を召喚する。これは【食べると体力を回復出来るちくわ】や【当たるとダメージを受ける鉄アレイ】で攻撃する能力を持つ。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ハヤト・ヘミングです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●餅巾着を信じろ

「な……売れ残ったクリスマスのケーキ怪人殿ーーーー!!」
 餅巾着侍の叫びも虚しく、クリスマスタイムは終了した。散乱したクリームも、蝋が溶けた焦げ臭さもなくなり、残るはぽつんと残った餅巾着のみ。
「……なんという……ここは……友の仇を討たねばなるまい……」
 すらり、と腰から抜かれた長巻。自身の得物を侍が抜いたということは、するべきことは一つしかない。
「我が名は餅巾着侍! いざ、正々堂々と勝負を受けられい!!」
 言ってることはかっこいいのだが所詮は餅巾着頭の怪人が言っている戯言である。正々堂々なんて本人自体がしてくるかも怪しい。現に今、餅巾着侍は姿勢を低く保ちスライディングで突撃してきそうな構えを取っている。流石餅巾着キタナイ。
 そんな不義の輩にはしっかり鉄拳制裁お見舞いせねばなるまい!
マルコ・ディロク
POW判定
【行動】
ユーベルコードを防御力重視で使用
あえて敵の一撃を受け止めてから反撃する

UC演出(料理12、パフォーマンス3)
友愛の赤、トマトソース!
平等の白、チーズ!
自由の緑、バジリコ!
三位一体、マルゲリータ!!!

攻撃受け止め(覚悟2、勇気4、大食い1)
→反撃のピザカッター(料理12、二回攻撃3)
長巻をチーズの伸びで受け止め、味噌だれを我慢
「チーズだって熱々なら餅に負けないぐらい伸びるんだぜ?
それに……、オレのピザは味噌だれがかかったってうまいんだよ!」
腰のホルダーから取り出したピザカッターがプラズマ刃を展開
手練の手さばきで振りぬくと
しばらくしてから相手は正確に60度ずつ6分割される傷が走る



「心は不動にして揺るがず、なれば己が振るうはただ一片の棒なり」
 今までのトーンとは全く違う、妙に真剣な声を上げて刀を構える餅巾着侍。不意打ちのスライディング姿勢を崩すことなく放った言葉はかっこいいのにかっこ悪い。
「いざ、尋常に! あ、参られい!!」
 受け身に転じるのか、と思いきや餅巾着侍が滑るように駆けだした。発言に責任を持て。
 しかし、そのおふざけな姿勢とは程遠い一撃がマルコを襲った。長巻は刃の部分が短い刀ではあるが、其れゆえに刀で在りながら長物としての扱いも出来る変術武器。使い手が器用であればあっという間に押されてしまう。餅巾着侍は長巻に見合った手練れであるようだ。咄嗟に出したチーズの壁を貫いた刃がそのまま味噌だれの軌跡を描く。チーズが熱で溶けて防御壁が儚く散っていく。
「……チーズだって熱々なら餅に負けないぐらい伸びるんだ。でも、まさかこれほどまでとはな。だが……オレのピザは味噌だれがかかったってうまいんだよ!」
 その言葉と同時にマルコの手が腰のホルダーに伸びる。掴んだのは自身専用のプラズマ刃製ピザカッター。掌で回されたそれの柄をしっかり握りしめ、チーズを溶かす味噌だれの間を注視する。その隙を。一片の隙を。
「……そこだ!」
 ピザカッターの軌跡が餅巾着侍の姿を六等分に捉える。服の袖と顔の巾着が掠り傷を描いた。
「み、見事……だがしかし、まだまだ!!」
 餅巾着侍は長巻を構え直し、再び戦闘態勢を作る。その見えない瞳には強者への情熱が浮き上がったように見えた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

マイリー・アレックス
前回と同じ手は通用しないので、違う方法で戦います。
”レプリカクラフト”を使用。”仕掛け罠”を沢山作ります

他の仲間と交戦中に
敵の周りを動き回り、敵の背後や側面を狙う消極的な戦法を装うフリして、”仕掛け罠”をセットしておきます。
仕掛け罠の種類はまきびし、地雷、トラバサミ、バナナの皮等。

そして、
「私は戦う気はありません。まずは話を聞いて下さい」と
敵の気を私に引き付けながら、仕掛け罠を次々と発動。

「餅巾着侍さん、上見て危ないです」
(警戒して上を見ない事を予測)
上から”タライ落とし”トラップを発動
実は上にも罠を仕掛けてました。

(仲間との協力プレイもOKです)



餅巾着侍と割かし真面目に戦闘を繰り広げる中、マイリーは周辺に仕掛け罠を大量設置していた。大型獣であれば一気に攻撃を仕掛けられるチャンスに持って行ける、アレだ。
「まきびし、地雷は設置完了。あとはここにトラバサミとバナナを……」
 本当にえげつない。敵には情など無用ということなのだろうか。
「むむ! そこな者! 怪しい動き!!」
 流石に気付いたのか餅巾着侍がマイリーに近付いてくる。これにはマイリー自身も驚いた。いや、気付かれたことへの焦りではない。むしろ逆である。
「ぎゃーーーーーー!」
 ドゴーン!!
 地雷を自分で踏みおったで、アイツ。マイリーが自ら餅巾着侍をおびき寄せなくても勝手に近付いて罠に次々と掛かっていったのだ。後はワナ部屋よろしく、次々と連鎖的に引っ掛かっていくだけ。よろよろと立ち上がりながらもなおも生きている餅巾着侍へ、若干放心の薄笑いを浮かべたマイリーの一言。
「餅巾着侍さん、上見て危ないです」
 へ、と口をついて出た瞬間、上からタライが降ってきた。上って、天井がないのにどっから出てきたんだよ等というツッコミはしてはいけない、いいね?
「どぅあ!!」
 噛む舌がなかったのが救いか。全ての仕掛けに物の見事引っ掛かった餅巾着侍は、バラエティ番組体当たり芸人よろしく這う這うの体で戦場に立っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

水貝・雁之助
色々と有るかもだけど、君の思い通りにさせる訳には行かないしねえ
其れにまあ、個人的な意見だけど餅巾着は確かに美味しいけど他の具材も有って
こそより美味しさが際立つしね
おにぎりのように多様性がある方が良いと思うんだなー

『地形を利用』しベンチ等を盾にしたり敵が攻撃するタイミングで足にぶつけたり
して攻撃の邪魔をしたり食料の保冷に使ってたドライアイスを餅巾着侍の餅がはみ出て
水分が多そうな所にぶつけたりしながら戦闘

自分がダメージを与えるのではなく味方の攻撃のタイミングに合わせ敵が攻撃を
回避する先に攻撃を加える事で敵の回避行動を邪魔したり敵の足元に攻撃して敵の
動きを阻害する状況に持っていったりしながら戦う



頭を振り、長巻を構え、なおも侍は戦場にて存在する。雁之助はその様をつぶらな瞳で見つめていた。
「色々と有るかもだけど、君の思い通りにさせる訳には行かないしねえ。其れにまあ、個人的な意見だけど餅巾着は確かに美味しいけど他の具材も有ってこそより美味しさが際立つしね。おにぎりのように多様性がある方が良いと思うんだなー」
 そう呟いた雁之助は近くのベンチを盾にしながら、近くにあった箱を漁る。それは要冷蔵食品を保管していた梱包箱だった。食材の入っていないそれは意外に重い。
「あったあった。これは使えそうだよ」
 雁之助の手が箱から取り出したのはドライアイス。固体二酸化炭素であるその物体は冷気を発し続けている。普通であれば煙幕の利用を考えられそうなものだが、雁之助の思考はもっと別なところにあるようだ。
「そーれ! 当たれー!」
 だからと言ってドライアイスを雪合戦の雪玉が如く相手に投げつけるなんて誰が想像しますかね?
 雁之助の投げた複数のドライアイスが空気中で溶けていく中、一際大き目の塊が餅巾着侍に届く。しかも、先程の攻撃で傷になっていた巾着の破れた隙間に、だ。
「ぐぎやあああああああああああああ!!!!」
 傷口に塩。クリティカルヒット。これは痛い。雁之助もこの断末魔には驚いてベンチに隠れてしまったほどだ。その隙は大きい。雁之助の作った時間は決して短くない、仲間にとって貴重な攻撃チャンスであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

久世浦・穗積
相手がそうくるならこっちも正面からぶつかってやろうじゃないの
我が名はカレー妖精ほづみん!カレー神に代わって天誅を下す!
びしいっとかっこかわいいポーズを決めて背後に月の光が
…いや月関係ないな、じゃあインドで!インド的なナニカ!
私の身体を通して出るカレーパワーを集中して…
お出でませい!【召喚・華麗魔神】!!
ナイスインドなムキムキマッチョ華麗魔神(だいたい54㎝)が現れて
鉄拳制裁をお見舞いするぞ



「うう……おのれ姑息なぁ……! うっ……いたい……かさぶたを再び剥がした時のあのスースーした感じに薬品ぶちまけられたあの感じなぐらい痛い……」
 妙にリアルであるが、餅巾着侍にかさぶたなどできるのだろうか。
「しかし、拙者も侍! これしきのことでは倒れんでござるよ!」
 意志が強い。だが、その意志をも覆すばかりの強い信念を持った人物がいる!
「こっちも正面からぶつかってやろうじゃないの。我が名はカレー妖精ほづみん! カレー神に代わって天誅を下す!」
 インドの神々の神々しい佇まいを模して……はいないが、とにかく何かかっこいい後光差す立ちポーズを決めてきた穗積。これはすごい気迫。そしてカレー愛だ。
「何?! カレーでござるか!? カレー煮込みにも合う餅巾着と雌雄を決しようというのでござるか……!」
「カレーは基本なんでも合うんだよ! 何さりげなくお友達です的なすり寄りをしてるんだ! 風評被害でカレーに害があったらどうする!」
 いわゆる飛び火案件ですね、分かります。
 そう、これはお友達の喧嘩ではないのだ。互いに譲れないものの為の戦い。守るべきものの為の戦いだ。
「私の身体を通して出るカレーパワーを集中して……お出でませい! 【召喚・華麗魔神(サモン・カーレーザカリー)】!!」
 その叫びと共に現れたのはナイスインドなムキムキマッチョ。これを華麗魔神といった。ちなみに身長はフェアリーである穗積の約二倍の大きさなので54cmぐらいである。
「ちっさ!」
 思わず口が滑る餅巾着侍。華麗魔神はその侮辱を聞き逃さず、一瞬で間合いを詰めてドロップキックをお見舞いした。やはり慢心が命とりなのである!!
「あ、やめて、いって、痛い! え、なにそれめちゃくちゃ痛いんでござるが?! その小さい姿のどこにそんな怪力が……あ、嘘です小さくないですいっだ!!?」
 その後もボコスカ殴られ蹴られる餅巾着侍を尻目に、穂積は自身の眼鏡を光らせて呟いた。
「涅槃より現れ出ずるは淘汰の魔神。即ち是れ、勝ったも同然! ああ、今日もカレーが美味しい……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

小読・灯
正々堂々?
料理対決も終わったんだし、もう負けを認めちゃえばいいのに。

まあ、良いわ。クリスマスケーキが終わったらお餅を食べたくなる物だもの。
餅巾着侍さんも炎で呑みこんでしまいましょう

【POW】
焼き餅を作りましょう。
マッチを一本擦って火を付け、【属性攻撃】で炎の勢いを増して
餅巾着侍さんに向かって【ブレイズフレイム】を放つわ

侍相手に接近戦はしたくないから、【陽炎】で私の周りに幻影の炎を作って守りましょう
そして炎の中で七輪を用意して網を引いて、炭火で餅を焼き始めるわ
近くで温まってもいいんですよ?ほら、炭も用意していますから良い感じに焼けますし?
と敢えて挑発して余裕を見せつけて近付いてこないように祈るわ



「クリスマスケーキが終わったらお餅を食べたくなる物だもの。餅巾着侍さんも炎で呑みこんでしまいましょう」
 体力がガリガリ削られていく餅巾着侍に、灯は呆れ笑いを浮かべながらマッチを一本擦る。小さいマッチの灯火はそのまますれば儚く縮んでいくだけのものなのだが、灯のそれは全く違う。小さい種火が大きい篝火となり、最後は燃え盛る贄火となっていく。
「良い感じに焼けますし、焼き餅になってくださいな」
 そう言って放たれたのは【ブレイズフレイム】。地獄の釜を煮炊きする決して消えない怨嗟の篝。餅巾着侍に何の恨みもないけれど、強いて言えば往生際の悪さへの嫌悪か。その負を薪炭に燃え上がる。
「なんという……これが……地獄・ザ・ファイアー……!!」
 このシリアスな展開に颯爽と水を差さないでほしい。
 着物の淵が焦げ付き、何となく顔面の巾着部分も色づき良く焼かれている餅巾着侍であるが、まだまだ火力が足りないようだ。
「この炎に焼かれて巾着の揚げもより一段と旨味が増すのでは……!」
 ハッ、としたポーズを颯爽と決め、まるで真相を知ってしまったかのような感じを出すのをやめてほしい。灯もその姿にいらつきを覚える。
「……マッチ、追加で」
 地獄の業火はまだまだ煮え続けるようだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

小読・灯
【WIZ】
(「負けず嫌い」なので良い笑顔でいらだちを隠しながら)
……随分と余裕が有るみたいね。
うん、武士に情けは無用、ね。どうやら焦がして欲しいみたいだし。
燃やそう。

マッチ箱から一箱分のマッチを掴んで一気に擦って炎を大きくしましょう。(【属性攻撃】)
そして炎をそのまま敵に放って炎の鎖で敵を攻撃、拘束するわ。(【バーニングチェイン】)

後は【陽炎】で炎に幻影の炎を上塗りして、私の姿を捉えづらくしてそっと接近
【鉄塊剣】をひたすらに叩きつけましょう。

これ、中身が食べ頃になってたりするのかしら?
そういえば、オブリビオン(過去からの物)って時点で消費期限とか多分切れてるから食品失格よね。やっぱり燃やそう。



武士において情けを掛けようものならそれは末代までの恥である……とは、どの文献にも書いていないのだが、武士を語るなら情無用の言葉がよく浮かぶ単語であることは間違いない。
「……随分と余裕が有るみたいね。うん、武士に情けは無用、ね。どうやら焦がして欲しいみたいだし。燃やそう」
 灯の手にはマッチ箱の中身全てが握られている。うん、過激。だが、本当に餅巾着侍に情は無用なので盛大に燃やし尽くして欲しいところである。
「逃がさないから」
 擦られたマッチの火が大きく燃え上がり、それは一本の楔と化す。未だ燃える餅巾着侍は楔の熱さにやっと事の大きさを知るのだ。
「ほあ、あっつ!?」
 自身に巻きつく炎の鎖の熱さによって香ばしさを通り越して焦げ臭くなってきている餅巾着侍。やだー、この侍臭いー。
「ぐああ! 幼子に言われて傷つく言葉上位にランクインしているであろうその台詞は拙者の心に深く刺さったー!」
 だが、これで終わりではないのである。身動きがとれずジリジリと追い詰められている侍の後ろ、マッチとは違う武器を構える灯の姿が。
「過去の遺物、オブリビオンって時点で消費期限とか多分切れてるから食品失格よね。……やっぱり燃やそう」
 そう、健康に良くない残念食品なのである!
 灯は溜息一つ、呆れ一つ、餅巾着侍に刃を振り下ろし続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

マイリー・アレックス
意外とタフですね…コイツ。
早く決着つくと思ったのにこの後、予定があるのに
これ以上、時間をかける訳にはいかないわ。
致命的な一撃を与えないと

「もうその辺でよろしいでしょう。
勝負は既についてますと言うかゴメンナサイ」
「大勢で貴方を痛めつけてしまって…本当に恥ずかしいわ」
「ただ注意をしたかっただけなのに……こんな怪我を負わせてしまって
……痛くないですか?」(涙目)

と敵に優しくして近づいて無防備な所を”殺戮レーザー”で攻撃
(因みに殺戮レーザーは左目から照射します)

この一撃でくたばってくれますかねコイツ。



 それでも何のために立ち上がるのか分かりかねるぐらいには餅巾着侍は立ち続けていた。
「意外とタフですね……コイツ」
 思わずマイリーの本音もポロリと出てしまうが、まぁ、それが許されるぐらいには立っているのである。
「ぐ、おお……! この身、餅巾着果てることなし……ぃ!」
 しぶとい。
「もうその辺でよろしいでしょう。勝負は既についてます」
 溜息一つ。マイリーの口から零れたのはもう一つ。
「そして、ごめんなさい。大勢で貴方を痛めつけてしまって……本当に恥ずかしいわ。ただ注意をしたかっただけなのに……こんな怪我を負わせてしまって……痛くないですか?」
 なんと、謝罪である。ところで、ある国にこんな言葉があるのだが。
「なっ……なんと紳士……いや、淑女的な対応か……これはこれはかたじけない。拙者はまだ立て……」
「痛かったら言ってくださいね。このレーザー、出力高いので」
「え」
 展開されるビーム砲。焼け焦げる巾着。そう、こんな言葉があるのだ。『二度あることは、三度ある』。
「真のサイボーグは目で殺す……なぁんて、そんな大それたことは言いませんが、この後予定が詰まっているんです。さっさとくたばってくださいね?」
 うーん、こわい。しかしその瞳に光る殺傷ビームは、例えどんなギャグ怪人でも悪を許すまじという真剣な心が宿っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シホ・エーデルワイス
マイリーさんからの応援要請を受け
エプロン姿で得意料理の材料を入れたクーラーボックスを担ぎなら登場

え!もう料理対決は終わってしまったのですか?
…残念…
せめて後片付けぐらいはお手伝いします

【目立たない、忍び足】で移動し生まれながらの光で怪我をしている方々を回復しつつ
餅巾着侍さんに隙が出るのを待ちます

チャンスが来たら【ダッシュ】で近づき
【銃奏】インフィニティショットを舞うような動きをしながら
【零距離射撃、クイックドロウ】で撃ち込みます

ごめんね
なるべく早く苦しまないようにします

決着が着いたら餅巾着侍さんの冥福を【祈り】ます

さて、もし小腹がすいた方がいれば
サワークリーム入りのボルシチでもいかがでしょう?



「え! もう料理対決は終わってしまったのですか?」
 残念そうな声を上げた少女が一人。つい先刻終わった料理対決を思って具材を持って来た彼女の名前はシホ・エーデルワイス(オラトリオの聖者・f03442)。もう既に餅巾着侍との決着が着くか否かの時間なので結構遅参ではある。
「むぅ……いえ、しょんぼりしていても仕方ないですね。せめて後片付けぐらいはお手伝いします」
 カチリ、安全装置を解除した聖銃『ピア』を携え一歩踏み込んで地を蹴る。もう相手の動きはほぼなく、かろうじてこの場に現存しているだけだ。近付くのは容易。そして、打ち込むのも外れはない。
「あなたの魂に救いの余地がある事を祈ります」
 【銃奏・インフィニティショット】が餅巾着侍の五体と頭の餅に吸い込まれていく。鮮血はなく、出るのは頭の巾着から零れ落ちる餅だけだ。
「み、見事……」
 どろり、と熱に溶けた餅を垂らしながら餅巾着侍は自分を囲む猟兵を見回す。
「……拙者にないものを、持っていたということか」
 一体、自分と何が違ったのか。一体、自分に何が足りず敗北したのか。ああ、それを考える頭は既に零れてしまっている。
「だが!! 第二第三の拙者がリベンジしにやってくるから!! 良い子のみんなは待ってるでござるよ!!」
 サムズアップをして倒れ込むと同時に何故か爆発した餅巾着侍。いや、ほんとお前、最後ぐらいかっこよく散ってくれよ。
「……すごい方でしたね。……でも、貴方の為にも祈りましょう」
 こんなとんちきな怪人にも祈りをくれるシホは実際、聖者である。
「さて、もし小腹がすいた方がいればサワークリーム入りのボルシチでもいかがでしょう? 料理が出来なかった分、ここで腕を振るいますよ!」
 祈りを届けた聖者は元気な笑顔を浮かべたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月18日


挿絵イラスト