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バトルオブフラワーズ⑬〜No Future

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #オブリビオン・フォーミュラ #ドン・フリーダム

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●決戦ドン・フリーダム
「みんな、ここまでお疲れ様。いよいよドン・フリーダムとの決戦よ!」
 システム・フラワーズを巡る戦いは決して楽ではなかった。しかし猟兵達は幹部達の様々な能力に対して知恵と勇気、そして絆でもって対抗し突破してきたのである。残るは大首領『ドン・フリーダム』のみ。グリモア猟兵のイデア・ファンタジア(理想も空想も描き出す・f04404)の声にも力が入る。

「キマイラフューチャーにいたなら、あの放送は聞こえてたよね。あの声がドン・フリーダムだよ」
 大首領いわく、システム・フラワーズの修理が完成すれば、コンコンコンにより望むものが何でも手に入るようになるのだとか。一見素晴らしいように思えるかもしれないが、そうは問屋が卸さない。
「だって、結局人類はそのせいで滅びたんだものね。真に受けちゃ駄目よ、さっさと止めに行っちゃおう!」

 ドン・フリーダムは、部下である怪人幹部達の能力を使用できる。すなわち、エイプモンキーのマニアックマシン、ラビットバニーの絶対無敵バリア、ウインドゼファーの暴風による先制攻撃である。
 それは大首領の強みだが、同時に弱みでもある。なぜならば、その弱点もまた同じだからだ。ここまで幹部達と戦ってきた猟兵達ならば、今更遅れをとることはないだろう。
「でも!ここまでやって初めてスタートラインよ。相手はオブリビオン・フォーミュラ。まさに天災とでも言うべき強さを持ってるわ。正直、勝てるかどうかは五分五分ね」
 先制攻撃への対処は出来て当然。その上でどれだけ全力を発揮できるかが勝利の鍵だ。この戦いにかける想い。強敵相手でも譲れないこだわり。そういう自分らしさ、フリーダムさを輝かせることが出来れば、あるいは――。

「さぁ行こう!この賑やかな世界の、キマイラフューチャーの未来を守ろう!」


渡来あん
 初めまして、あるいはお久しぶりです、渡来あんです。
 本シナリオはルールが特殊です。以下を必ずお読みください。

●特殊ルール
 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 加えて、ドン・フリーダムは使用する能力値別に違う対処が必要です。これらに対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

 POW:絶対無敵バリアを展開します。エモいものを見せれば無効化できます(エモいの基準はラビットバニーと同じ)。
 SPD:風で足場を崩してきます。
 WIZ:猟兵のユーベルコードの弱点を見抜き、確実に反撃するマシンを作り出してきます。 その反撃マシンに反撃する方法を考えなければいけません。

 これらの能力はそれぞれ「ラビットバニー」「ウインドゼファー」「エイプモンキー」と同じですが、ドン・フリーダムは彼ら以上の実力者です。

●説明
 本シナリオは高難度です。判定はかなり厳しく行います。
 具体的にはプレイングボーナスの量が激減します。

 オープニングにある通り、勝てるかどうかは五分五分です。
 泣いても笑ってもこれが最後、全力で参りましょう。

 それでは、ご参加をお待ちしています。
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第1章 ボス戦 『ドン・フリーダム』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:由依あきら

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ガイ・レックウ
【SPD)で判定
ユーベルコード【獄炎解放『爆心』】を発動、身体能力の底上げなどをし、相手の暴風による足場はかい攻撃を【オーラ防御】と【武器受け】での防御と【見切り】により、最小限のダメージに何とか抑える。足場の破壊にはフック付きワイヤーを引っ掛けて対処しつつ【騎乗】スキルでスターチェイサー・カスタムを操り、接近するぜ。
距離を詰めて、【怪力】【鎧砕き】のスキルを乗せたランスでの【串刺し】と【残像】【フェイント】を織り交ぜた刀での【2回攻撃】と【なぎ払い】の連撃を叩き込んでやるぜ

「自由ってのはな。責任を伴うもんなんだ!無責任な自由ってのはありえねぇんだよ」



「我が刀に封じられし、炎よ!!わが身を包み、すべてを焼き尽くせ!!」
 ガイ・レックウ(相克の戦士・f01997)がそう叫んだのとほぼ同時に、ドン・フリーダムの暴風が彼を飲み込んだ。
 次々と襲いかかる風の脅威はガイを覆った炎により防がれたが、炎もまたガイの生命を蝕んでいく。妖刀ヴァジュラの呪詛によるものだ。未だ相容れないそれにあまり好き勝手させる訳にもいかない。
「一気に決めてやるぜ」

 花の足場が崩壊するより早く跳躍したガイは空中でワイヤーを射出、長く長く伸びたそれは敵の暴風圏を縦断する。崩壊をまぬがれた足場に先端のフックが引っかかり、糸の道が出来上がる。――ドン・フリーダムへの道が開けた。
「なぜ欲望を否定するのですわ?自由は素晴らしいのですわ」
 大首領の風が更に強くなるが、それで止まるガイではない。空中で器用に己のバイクに跨ると、これまた器用にワイヤーの上に着地する。
 奇跡のような一連の流れは人機一体の為せる技。フルスロットルのエンジンと後方への火炎放射によって一気に目標へと突き進む。

 一人と一機の重量、そして速度が乗ったランスが大首領の無防備な胴を穿った。
「自由ってのはな。責任を伴うもんなんだ!無責任な自由ってのはありえねぇんだよ」
 自由という言葉を免罪符に自身の行いを省みず、あまつさえ他人を傷つける。そんな者は許しておけない。外道の被害者を、己の様な者を増やしてはいけないのだ。
「責任を負うも自由、負わぬも自由……ですわ」
「……ああ、そうかよ」
 もはや問答は無用である。ガイの振るった妖刀が、オブリビオンを斬り裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

釘塚・機人
いよいよ怪人の親玉か…今までの幹部連中の技を使うってのは、なんつーか首領らしいんじゃねぇの?


んなら、俺もユーベルコートで作らせてもらおっかな…エイプモンキーが俺に対抗して作ったこの掃除機をな!
(製作には技能【学習力】【メカニック】をフル活用)


なかなかすげーんだよなコレ、相当頑丈だし何でも吸い込むし!

…つーわけで、こいつでアンタの起こした暴風まとめて吸い込ませてもらうぜッ!!


暴風吸い込みが完了したら、そのままノータイムで【ダッシュ】+【早業】の、掃除機とガントレットによるラッシュ攻撃に移るぜ

掃除機は武器として以外にも、暴風がつまってることを利用して盾代わりにもなるかもしれねぇな


※アドリブ共闘歓迎


カナ・リーアス
おっしゃー!ついにラスボスなんだよー!ここまで来たらつっぱしるんだよー!!

【作戦】【POW】敵はバリアを貼ってくるけど、エモい物を見せればいい…そう思って…おーいきょじーん!!どうー!?でっかい巨人だよー!SNS映えはすると思うんだよー!イエーイ!(巨人にSNS映えしそうなポーズ、ピースをさせる)どー!?進○の巨人も目じゃないんだよー!これでバリアはくだけるんだよー!今だーきょじーん!相手をぶんなぐるんだよー!どっかーん!!はっはっはー!これで終わりなんだよー!



「いよいよ怪人の親玉か……今までの幹部連中の技を使うってのは、なんつーか首領らしいんじゃねぇの?」
 ドン・フリーダムと対峙する釘塚・機人(ジャンク愛好メカニック・f02071)。彼の周囲でゴウゴウと吹き荒れる嵐は、彼が唯一対峙しなかった幹部、ウインドゼファーのユーベルコードだ。
「他人のユーベルコードを利用する、それもまた一つの自由ですわ」
「んなら、俺も使わせてもらおっかな……エイプモンキーが作ったこの掃除機をな!」
 機人が取り出したのは掃除機だ。廃材で作られたそれは、しかし見た目に反して強烈な吸引力を発揮する。周囲の風が強引に流れを変えられて、吸い込み口へと消えていく。
 やっぱすげーんだよなコレ、とは機人の感想である。エイプモンキーとの戦いでは辛酸を舐めされられた装置だったが、今となっては頼もしい味方となっていた。

 しかし。
「そのフリーダムな発想、グッドですわ。けれどもわたくしはちょうてんさいですの」
「……ちっ、伊達に親玉やってる訳じゃないみてぇだな」
 相手が悪い、この状況を表すのにこれほど適した言葉も無いだろう。機人の経験を生かしたオタカラは、ドン・フリーダムの地力に段々と押され始めていた。

「おーいだいしゅりょー!こっちを見るんだよー!イエーイ!」
 そこへ、ガイに気を取られていたドン・フリーダムに後ろから声が掛けられた。振り返った大首領が見た物は――花だ。ただの花ではない、花の巨人だ。システム・フラワーズを構成する花々が声の主、カナ・リーアス(鬼の元気っ娘・f04987)によって集められ、人の形を成して彼女の動きをトレース――ピースサインを行っていた。
 少女の動きとシンクロする花の巨人はとても可愛らしい。SNSにアップすれば大反響間違いなしだろう。
 なにあれちょうエモいですの、思わず呟くドン・フリーダム。我に返ってバリアを貼ろうとするが当然上手くいかない。
「おっしゃー!ここまで来たらつっぱしるんだよー!覚悟しろラスボスー!」
 右ストレートを繰り出す体勢に入るカナと、それを忠実に再現する花の巨人。しかし腐ってもオブリビオン・フォーミュラ、大首領が大砲を発射する方が少しだけ早い。
「赤べこキャノン、ふぁいやー!ですの」

「させるかよ!これでも食らえ!」
 そこに割り込んだのは機人の掃除機だった。放り投げられた機械は綺麗な軌道を描いて大砲の目の前へと身を投げ出し、砲撃を受け止める。
 ――ところで、機人がエイプモンキーから拝借した掃除機は特別製だ。吸い込んだ空気は排出されず内部に溜め込まれる。そんな物が壊れればどうなるか。

「ぎにゃー!?」
「グッジョーブ!今だーきょじーん!」
 答えは爆発。頼みの大砲を弾き飛ばされ体勢を崩したドン・フリーダム。そしてそこにカナの巨人によるラッシュが炸裂する!
「これはワタシの分!これはそこの人の分!そしてこれは、キマイラフューチャーの皆の分だー!!」
 見た目だけはファンシーな三連撃が叩き込まれ――ドン・フリーダムは星となる。
「ワタシたちの勝利だー!はっはっはー!」
 苦難を吹き飛ばす笑い声が、システム・フラワーズに響き渡っていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

張・小龍
「そこまでですドン・フリーダム。ここからはボクが相手です!とうっ!」

事前に手頃な高い建物に登っておいて、声をかけながら飛び降ります
その後、両手を身体の前でクロスさせてからシュバッと腰の位置まで振り下ろし、「変身!」と叫びます
変身はオーラ防御のオーラと軽く衝撃波で周囲に風を舞わせて爪や牙や角や肌をアイテムの竜身の連珠と如竜得翼の事前効果で竜化させます

どちらかというと変身の解除ですが!
恥ずかしさ耐性あるので恥ずかしくないです!

と、格好つけたところで無敵バリアを解除
見切りとダッシュ、ジャンプ、残像を併用して接近します

30cmの距離まで来たら攻撃系技能込みで全力の如竜得翼で全力攻撃を叩き込みますよ!



「そこまでです、ドン・フリーダム。ここからはボクが相手です!」
 システム・フラワーズに立つ大首領に頭上から声が投げかけられる。見上げた先には、遥か高くの足場に立つ張・小龍(飛竜子・f03926)の姿があった。
「とうっ!」
 掛け声と共に少年は身を投げる。三つ編みをなびかせながら、身体の前でバツ印を描くように両腕をクロス。シュバッ、そんな音を錯覚させるほどのキレで両肘を振り下ろし、構えを取った。

「変身!」
 内在する竜の力が高まり竜身の連珠が光を帯びたその時、少年はこれから起きる事象を高らかに叫ぶ。
 少年へと大気が集う。景色が歪むほどに濃密な風が渦を巻く。その中心で小龍の爪が、牙が、肌が、そして角が、竜の本性を露わにしていく。
 そしてドン・フリーダムの前に猟兵が降り立つ。鋭い爪牙を、白い鱗を、黒い角を持つ――そう、竜人となった小龍が。

 一連の流れは一見すると格好良い登場シーンと映るだろう。だが自称ちょうてんさいは見逃さなかった。ポーズを決めている最中、少年が真面目な表情とは裏腹に耳を赤くしていたことを。抑えようとして抑えきれなかった少年の内心、羞恥心を。
「エッッッッッモ!!……ですわー!!」
 結果、こうなった。スマイリーマスクの瞳をピカピカ光らせる、最早隙だらけのドン・フリーダム。

 武器を取り落とすほど悶えるオブリビオンへ小龍が駆ける。この状況に小細工は不要、最短最速で接近し――すれ違いざま、マスクへ爪撃を叩きつけた!

大成功 🔵​🔵​🔵​

カーバンクル・スカルン
確かに物は欲しいよ。でも、それを手に入れるまでの難しい過程や思わぬ発見があるからこそそれを手に入れた時の喜びや価値は上がるんだよ……楽することしか考えない「ちょーてんさい」のあなたには分からないだろうけどさ。

撃たれる赤べこキャノンの砲弾は車輪を走らせてぶつけることで全て防御、止められなかった時のために念のため黒炎の盾は構えとくけど。

その影で【断罪変形】を発動させて車輪以外の全ての武器とカッコよく合体してあなたを感動させてあげる。

これが、私の試行錯誤を繰り返した結果の産物。その一撃を味わうがいいさ!

※アドリブ共闘歓迎



 コンコンコン。キマイラフューチャーの根幹を成しているそれがドン・フリーダムによって『修理』されれば、確かに世界は一変するだろう。
「でも、何でも楽に手に入る世界なんて楽しくないよ。それを手に入れるまでの難しい過程や思わぬ発見があるからこそ、手に入れた時の喜びや価値は上がるんだよ」
 カーバンクル・スカルン(クリスタリアンの咎人殺し・f12355)はそこに否を唱える。ちょーてんさいのあなたには分からないだろうけどさ、続く言葉に怪人は首を傾げた。
「コンコンコンすれば程良い苦難も思いのままですわ。コンコンコンでない苦難なんて、徒労に終わるかもしれないですわよ」
「それがいいんじゃないか」
 結果の保証された苦難なんて茶番でしかない。あるかどうかも分からない物を求めて一喜一憂する、人生という名の試行錯誤こそが世界を彩るんだとカーバンクルは語る。

『Code:Execution,approved』
 電子音声と共にスクラップが、蒸気機関が、鎖が、カーバンクルと一つになる。右手に槌を、左手に盾を。電撃を纏い青く発光する機体はカーバンクル・スカルンという存在の集大成。そこにあるのはわずか数個の成功例だが、対峙する者はその裏にある無数の積み重ねを幻視することだろう。

「これが、私の試行錯誤<じんせい>の産物。その一撃を味わうがいいさ!」
 唯一合体しなかった武器が敵の抵抗を遮断する。『カタリナの車輪』と名付けられた、カーバンクルの象徴とも言える拷問器具が。
 そして、断罪の鉄槌が振り下ろされた!

成功 🔵​🔵​🔴​

田中・香織
あえてまともに赤べこキャノンを受けて瀕死になり、戦場の亡霊と勇気の技能を併用して『圧倒的に強い敵に倒されても諦めずに立ち上がる姿』のエモさ(感動など心を動かす何か、と解釈しました)で絶対無敵バリアを貫きます。
攻撃はアームズフォートの一斉発射と二回攻撃を合わせて連射を仕掛けます。
他の方とも可能なら、積極的に援護など連携して行動します。
『あたしよりあなたの方が強い事位わかってるわ。それでも、あなたに負けるわけにはいかないのよ!!』


黒城・魅夜
くだらない問答をするつもりはありません。
一人で風に向かって、その薄っぺらい哲学を語っておいでなさい。

とはいえ、その風はまさに我が身を斬り裂くのでしょう、見切りや第六感・残像では致命傷を避けるのがやっと。
ですが、それでいい。
我が血を吸って動く鎖は、この大量出血で、十分以上に活性化しています。

足場を崩すと言っても跡形もなくなるわけではないはず。
舞い散った足場の欠片に早業・範囲攻撃・ロープワークで次々と鎖を撃ちこみ、宙を渡り抜きます。
撃ちこみ続けるこの鎖は、同時にあなたへの迎撃を兼ねて。

自由を僭称する者よ。あなたは未来を創れない。
それこそが最大の不自由です。

さあ、愚か者の骸を糧に咲き誇れ、鋼の血華!



 田中・香織(ヒーローに憧れた人形・f14804)は非常に無防備であった。少なくとも、ドン・フリーダムの目にはそのように映っていた。
「うふふ。無策で突っ込んでくる、それもまた自由ですわね。で、も」
 ガチャリ、構えた赤べこキャノンから発射された砲弾が香織を襲う。吹き飛ばされた彼女をさらに次の砲弾が襲う。さらに次の、さらに、さらに――。
 奈落へと落下していく香織を、不気味な笑顔を貼り付けたドン・フリーダムはじっと見送ったのだった。

「お次はあなたでございますか?それもまた自由の一つの形……」
 新たな猟兵へ言葉をまくし立てるドン・フリーダムを黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は切って捨てる。
「くだらない問答をするつもりはありません。一人で風に向かって、その薄っぺらい哲学を語っておいでなさい」
「うふふ、では風で語るとしましょう」
 猟兵とオブリビオン、両者が相まみえればやる事は一つである。

 嵐が吹き荒れる。鎌鼬を孕むそれは無数の斬撃でもある。致命傷を避けるのがやっとである魅夜の体に、あっという間に深い傷がいくつも出来上がる。
 ドン・フリーダムは疑問に思った。あれだけ傷ついているのに血が飛び散らない。本来なら風に煽られて派手に血飛沫が舞っているはずなのに何故?
 ――その答えは、魅夜の纏う鎖にあった。吸血能力を持つ大小様々な鎖達、所有者の血を存分に啜ったそれらは今や完全に活性化している。今ならば、普段は出来ないような事も出来るだろう。

 花の足場が崩壊し始める。風によって砕かれ、巻き上げられ、瓦礫となって暴風圏の中を彷徨い続ける。それは一種の小惑星地帯と言えるほどだった。
 だが、今の魅夜ならば渡り抜けられる。鎖の一本を伸ばし瓦礫の一つに撃ち込む。鎖は作用反作用の法則に従って瓦礫を後ろへ、魅夜を前へ。鎌鼬には甘んじたがそれ以上は受け付けない、魅夜はすぐに敵の元へとたどり着いた。
「自由を僭称する者よ。あなたは未来を創れない。それこそが最大の不自由です」
 システム・フラワーズに新たな花が咲く。鋼の血華が。

「危なかった……あと少しでやられてたですわ」
 あの後、深手を負わされたドン・フリーダムは自ら奈落へと身を投げた。システム・フラワーズをほぼ掌握している以上、足場を創り出すことは難しくない。無傷とはいかなかったが、命に比べれば安いものだ。
 だが、落ちた先にも立ち塞がる者が一人。
「あら、生きてましたか。けれど退かないのは愚かですわ」
「あたしよりあなたの方が強い事位わかってるわ。それでも、あなたに負けるわけにはいかないのよ!!」
 崩れた縦ロールに焼け焦げたフィルムスーツ。アームドフォートも砲身が何本か折れ曲がってしまっている。瀕死の香織だった。
「その気概は中々にエモいですわ。でも今度こそ死にますわよ」
「覚悟の上よ!」
 攻撃は同時だった。足場の外へと倒れ込むドン・フリーダムが最後に見たのは、致命傷を負い消えゆく香織の姿。
 いや待て、人は消えない。あれは戦場の亡霊だ。
「ちょ、それズルい――」
「フリーダムと言ってよね」
 ドン・フリーダムは更に堕ちる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

リダン・ムグルエギ
【GOATia】で連携
コンコンには普段お世話になってて感謝もしてる
けど蘇ってしっちゃかめっちゃかにするのはNGね

今回は全員で風に対処するの
事前にムササビ風に滞空可能な、距離感を狂わせる錯視模様と風の刃を防ぐ鋼糸も織り込んだローブを配るわ
(防具改造アート催眠術

現地でも敵の初撃が届く前に糸を複数の花の足場と結ぶの
崩落中でも踏める足場が増えれば僥倖ね

クシナちゃんの召喚を皮切りに反撃開始ね
ドローンを掴み飛んで近寄るわ
糸による方向転換やよもぎちゃんの声で回避を試みつつ

アナタの大き過ぎる視野には小さくて遠いアタシ達なんて映らないんじゃない?
コードの効果で特に射手のしょこりんを隠蔽しつつ肉薄
針の一撃を放つわ


クシナ・イリオム
【GOATia】
アドリブ歓迎

コンコンが修理されたら便利だと思うけど
多分「世界を滅ぼす何か」も気軽に呼べるようになるよね?
そんなわけだから男らしさをコンコンするのは諦めて。
そのままのショコラが一番だよ。多分。

まずは麻仁の壁が効果を発揮するよう竜の髭と【属性攻撃】(風)の知識で補強
初撃を凌いだらUCで衝角付きのドローンを多めに召喚するよ

用途は主に2つ
一つ目は移動手段
足場にしたり掴んで飛行したりで破壊された足場を補えるように
二つ目は攻撃手段
損壊が出た個体は特攻させて新しく召喚したものと交換するよ

もし、決定打が足りないならリダンの隠蔽で【暗殺】を仕掛ける

…何事も頼り過ぎは駄目だね。私も自炊の練習しよ。


ショコラ・リング
【GOATia】の皆様と参加

望むモノが何でも……男らしさもコンコンコンされるのでしょうか
い、いえ、別にボクには必要ございませんが!
灰は灰に、塵は塵に、オブリビオンは躯の海に、でございます

暴風は飛び上がりつつ、リダンさんから受け取ったローブで上手く暴風を受け止める様にして宙へと舞う事で、落下を防ぎます
その後はクシナさんが召喚したドローンに捕まったり足場にしたりしつつ、第六感を頼りに麻仁さんと声掛けしつつ相手の攻撃を予測し掻い潜り、自身の射程距離まで近付いて【其ノ弓ニ矢射ラズ】の2回攻撃で反撃しますです

どんなに風が吹き荒れようと関係ありません
何故なら、矢は既に命中しているのだから


四方城・麻仁
な…何でも!?(ゴクリ)
でも悪い人が使ったらって考えると…世界がメチャクチャになりそう。
それに、その格好は子どもの教育に悪いと思う…!
しょこりんあんまり見ちゃ駄目…!

暴風が厄介だね。
花の足場を【念動力】で操って防風の壁を作るよ。これで風を弱めよう。
その後は、リダンさん作のローブやクシナちゃんのドローンを使って【空中戦】に持ち込もう。

そろそろ私達のターンだね…!
テレパシー(UC)で敵の心を読んで、次にくる攻撃をみんなに伝えるよ。
「10時の方向っ!」
あとは、花の足場を敵に向かって飛ばしてみよう。
大したダメージにはならないだろうけど、気をそらせてみんなの攻撃が通れば…きっと倒せる…!



「望むモノが何でも……男らしさもコンコンコンされるのでしょうか」
「興味はあるけど悪い人が使ったらって考えると……世界がメチャクチャになりそう」
「多分、世界を滅ぼす何かも気軽に呼べるようになるよね?」
「コンコンには普段お世話になってるけど、しっちゃかめっちゃかになるのはNGね」
 ショコラ・リング(キマイラのアーチャー・f00670)。
 四方城・麻仁(サイキッカーJK・f14117)。
 クシナ・イリオム(元・イリオム教団9班第4暗殺妖精・f00920)。
 リダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)。
 UDCアースに存在するマンション、『センチュリーGOATia』を縁として集まった四人がドン・フリーダムとの決戦に身を投じていた。
「そんなわけだから男らしさをコンコンするのは諦めて。そのままのショコラが一番だよ、多分」
「い、いえ、別にボクには必要ございませんが!」
 怪人達の大首領。天才にして天災。オブリビオン・フォーミュラ。キマイラフューチャーの行く末を握る戦いに臨んでいても、いつも通り和気あいあいとしている彼女達。
「んんー、実にフリーダムですわね。ひょっとしてナメてらっしゃる?」
「いいえ、アナタが強いのは分かってるわ。けど勝つのはアタシ達よ」
「その格好は子どもの教育に悪いと思う……!さっさと退場するべき……!」
 こうして戦い前に言葉を交わす余裕があるのも、ひとえに仲間を信じているため。それは、揺るぎない自信を持つドン・フリーダムとは正反対の強さだ。
 どちらが正しいかは、すぐに分かる。

 無差別の破壊は四人へ等しく襲いかかる。リダンお手製のお揃いのローブを広げて風を受け、まるでムササビの様に滑空する面々。
 花の足場はとうに崩れ、大首領の足元を残すのみ。それでも彼女達が戦場に留まれている訳は、麻仁とクシナの活躍にあった。
 本来は嵐の中の飛来物として脅威になるはずだった足場の残骸。それらを麻仁が念動力によって防風壁として再構築し、その裏ではクシナのドローン群が集結し滞空、風に負けない足場を形成していたのだ。
「むきー!ユーベルコードでもないのに何ですのそのパワー!?」
「え?……最近のJKは超能力とか普通ですけど??っと、10時の方向!クシナちゃんフォローお願い!」
「分かったよ。追加のドローンを構築、起動……ショコラ、掴まって」
「ありがとうございます。あ、リダンさん、多分そっち危ないです」
「助かるわ。ローブは問題ないわよね?」
 さらに、鎌鼬による見えない斬撃を麻仁が精神感応で読み、クシナのドローンが足場から足場へと飛び移る仲間をサポート。麻仁が読み切れない分はショコラの第六感が感知、それもすり抜けられたとしてもリダンのローブが防ぐ。

 あ、これ勝てませんわ。ドン・フリーダムは悟った。
「うふふ」
 しかしそこはちょうてんさい。気持ちを切り替え、目的を勝利から自己主張にシフト。どこまでも自由な存在である。
「山羊のあなた。そんな面白みのないローブがあなたの欲望ですか?四つも作るから雑になるのです、疲れるのです」
「小っちゃなあなた。そもそも欲望がほとんど見えませんわね。誰かに流される必要などありません、もっと自己主張してよいのですよ」
「ケモ耳のあなた。欲望は抑えなくてよいのです。あなたを子供扱いする者達など捨ててしまい、あなたを男らしいと称える者をコンコンコンしましょう」
「じぇーけーのあなた。無差別攻撃を全て読み切る事など不可能ですわ。無理にお仲間に合わせなければ他の戦い方もあったでしょうに」
 言葉の嵐が過ぎ去り、少ししてその内容を理解した四人。かけられた言葉は暴言、妄言の類だったが、そこに共通する一つの思想に気付いた時、彼女達に怖気が走る。
『他人の事など構わずに自分の事だけ考えろ』
 究極の個人主義。それこそがかつてシステム・フラワーズがもたらした歪みだった。

 人は一人では生きていけない。肉体的にも、精神的にも。それはあらゆる世界に共通する一つの真理である。
 しかし、何かの間違いで生きていけるようになったら?自分だけで完結する世界を得た時、人はどうなってしまうのだろうか。
 美味しい食事に快適な住居。尽きる事のない暇潰しに、理想の従者。その果てにあるのは他者への興味の欠如、社会性の喪失だ。
 その結果、人類は怪人化し、そして滅びたのだ。

「不自由に生きるくらいなら、自由の中で滅びた方がましですわ。オール・フォー・フリーダム!自由こそが、この世の全てなのです!」
 主張するドン・フリーダムに悪意は一切感じられない。欲望のまま好き勝手に生きるべきだと、滅びようともそうすべきだと、それが皆の為なのだと本気で言っている。
 だから彼女達はこう言うのだ。

 余計なお世話だ、と。

「……はい?」
 あっけにとられる怪人に、チーム『GOATia』は口々に答える。
「確かに他の人の為に動くのって疲れるわよ?けど全然嫌じゃないのよね」
「人に頼らなさ過ぎるのは、それはそれで駄目。大体、私の何を知ってるのかな」
「ボクが守りたいと思ったから守るんです。そこに男らしさは関係ありません」
「私はみんなと一緒に戦いたいんですけど?だからここにいるんですけど?」
 天才と持て囃され、天災と忌避されてきたドン・フリーダムには理解できないだろう。思考も嗜好も異なる他人と交流する、その苦悩と喜びが。
 システム・フラワーズを巡る戦いに決着の時が迫る。

「分からず屋ですわね!やっぱりぶっ殺して差し上げますわ」
「あらそう?アナタの大き過ぎる視野には、小さくて遠いアタシ達なんて映らないんじゃない?」
「……んなっ!?」
 突如、ドン・フリーダムの視界から猟兵達の姿が消える。大首領は気に留めていなかったが、システム・フラワーズの花の香りに紛れてリダンの香水が香っていた。
(一瓶丸ごと使う羽目になったけど……やっと効いてきたわね!)
 香りと声による催眠術、ゴートリック・フォース。暴風の中で相手に届かせるのは手間だったが、その効果は絶大だ。
「今よしょこりん、やっちゃって!」
「しょこりん……ショコラ……確か弓手でしたね。この風の中では無駄な事」
 だが次の瞬間、大首領の両肩に二本の矢が突き刺さる。
「どんなに風が吹き荒れようと関係ありません。ただ弓を引いて、放せばいい」
 視認していて射程内であるならば外れることは無い。ショコラの弓はそういう物だ。
「って、しょこりんあんまり見ちゃ駄目……!」
「えっ……あ、あう」
 なおドン・フリーダムは青少年が直視するには刺激が強い格好である。
 さておき。

 ドン・フリーダムの暴風はなおも健在である。リダンが一度接近しての攻撃に成功して以降、竜巻と化して周囲に対する防壁となり、麻仁の瓦礫による牽制をことごとく撃墜していた。麻仁とクシナによる足場も随分と数を減らしていたのだが。
「問題。何でドローンが補充されないでしょう……?」
「守りの厚い敵はあの子が適任ね。頼りにしてるわよ」
「灰は灰に、塵は塵に、オブリビオンは骸の海に、でございます」
 残った足場にいるのは麻仁、リダン、ショコラの三人。最後の一人、クシナはドン・フリーダムの頭上で狙いを定める。ナイフをつがえたスリングショットを引き絞る。
 おそらくこれが決着の一撃。ここまで来れたのは仲間のおかげで、これからも頼りにしていく事だろう。さっきはああ言ったが、頼り過ぎが駄目というのも正しいわけで。
「……自炊の練習しようかな」
 ふ、と雰囲気が一瞬和らぎ――忌むべき頭脳に止めを刺した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月29日


挿絵イラスト