バトルオブフラワーズ⑫〜ドラゴンの統率者
「はーい、みんなちょっと注目してねっ」
様々な猟兵たちに対して、グリモア猟兵の春日・釉乃(”CHIPIE”・f00006)はコンタクトを取ってきた。
「いよいよ決戦の時来たれり……だね。オブリビオン・フォーミュラに攻め込む猟兵が多いと思うけど……あたしは、ちょっと『ドラゴンテイマー』の方が気になるんだ。見た目からしてキマイラフューチャーの出身ではなさそうだし、占領技術を怪人軍団へ提供したみたいだしさ。ここで倒しておかないと、またどこかで災厄が起こりそうな予感がするんだよね……」
春日・釉乃の背後に、咲き乱れる花々の空間たるシステム・フラワーズの内部で、花々が集まって足場になった場所に誰かがいるのが映し出していた。
その人物こそが、八枚の翼を背負った神々しくも美しい、絶対の恐怖を与える風貌をした『ドラゴンテイマー』である。
「ここまでに交戦をしてきた『エイプモンキー』、『ラビットバニー』、『ウインドゼファー』の三人がそうであったように……『ドラゴンテイマー』も猟兵たちがユーベルコードを発動する前に先制攻撃をしてくると予知されたの。今回も闇雲に戦いに挑まないで、グリモア猟兵が予知した『ドラゴンテイマー』の行動パターンをしっかり確認して対策を練ってね」
強敵との対峙の際に必要なのは真向からの勝負ではなく、有効打を見つけるところからの方が勝機は掴みやすいのだと春日・釉乃は説く。
「……すまないけど、みんなの力を貸して欲しいの。あたしはグリモアベースから、まだキマイラフューチャーに駆けつけていない猟兵を運んでくるから待っててね」
グリモア猟兵としての力を行使するならば、釉乃は直接的な加勢することができない。今は果敢な猟兵たちへと全て託すのだ――勝利を信じて。
fa-240
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し、「バトルオブフラワーズ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
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オープニングへ目を通して頂き、ありがとうございます。
Fa-240と申します。
当シナリオは⑫『ドラゴンテイマー』に関連したシナリオとなります。
お友達とご一緒する方はIDを含めた名前の記載、または【(グループ名)】をお願い致します。
また、同時に投稿して頂けると大変助かります。
立ち位置的にも今回の戦争における隠しボスのような存在ですので、高難易度相応の判定を致します。
皆様のプレイング、心よりお待ちしております。
第1章 ボス戦
『ドラゴンテイマー』
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POW : クリムゾンキャリバー
【赤き剣の右腕】が命中した対象に対し、高威力高命中の【黒竜ダイウルゴスの群れ】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD : ギガンティックダイウルゴス
レベル×1体の、【逆鱗】に1と刻印された戦闘用【大型ダイウルゴス】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ : 文明侵略(フロンティア・ライン)
自身からレベルm半径内の無機物を【黒竜ダイウルゴスの群れ】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
イラスト:ハルヨリ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「――同盟諸国の『冒険者』と同じニオイがするな、この『猟兵』と呼ばれる存在は」
迫りくる猟兵たちを睥睨して、『ドラゴンテイマー』は咲き乱れる花々の空間で静かに呟いた。
「フッ……面白い。曾ては『八空覇王』、『生命にあらざるもの』と称され……今では『竜の統率者(ドラゴンテイマー)』と呼ばれるこの私に挑みに来るならば、相応の覚悟はあるのだろうな――猟兵」
渺と一陣の強い風が吹き、一陣ドラゴンテイマーは徐に六枚の翼を広げながら右腕を掲げ、刹那に周囲の花々を地獄の業火で燃やし尽くして死闘の開闢を告げる。
クリムゾンキャリバーの赤き刃、ガーゴイルの翼、コカトリスの翼、メディウムピラーの翼、プワゾビューヌの毒煙が組み合わさった怪獣『キマイラ』と呼ぶべき姿をしたドラゴンテイマー。地獄の具現である彼の狂戦士に、果たして猟兵たちは生き残ることができるのだろうか?
「さぁ、お前の力を見せてみろ――」
ドラゴンテイマーは禍々しき『黒竜ダイウルゴス』を召喚し、その名の如くに竜を統率して猟兵たちを迎撃せんとする。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
……お前は、「何」だ?
明らかに外様じゃねぇか。
アタシもうまく言葉にできないけどさ……
おとなしく夢幻の幻想へでも還っとけ!
カブに『騎乗』しながら繊細に『操縦』して、
攻撃を『見切り』、回避しながらチャンスを窺う。
とにかくあの右腕は厄介だ。
他の手足や翼から繰り出される攻撃は
『激痛耐性』と『オーラ防御』で
甘んじて受ける『覚悟』だけど、
竜を呼びだすトリガーになる右腕だけは
絶対にかわすようにする。
『戦闘知識』で機を読み、
幾度目かの攻撃へ『カウンター』気味に
『マヒ攻撃』を込めた『衝撃波』を放つ。
動きが少しでも止まった時が決め時さ。
奴目がけて【サイキック・ブレイカー】で吶喊する!
「……お前は、「何」だ?」
『ドラゴンテイマー』の異様な佇まいを前にした数宮・多喜(f03004)は普段とは違った雰囲気でいた。
「アタシもうまく言葉にできないけどさ……おとなしく夢幻の幻想へでも還っとけ!」
数宮・多喜はそのように叫びつつ、お馴染みの宇宙カブJD-1725に跨り、アクセルを全開にしてドラゴンテイマーへと迫ってゆく。
「フフフ……そうか。ならば、お前には『地獄の始祖』として相手をしてやろう。ここまで辿り着けるかな――?」
嘲笑うドラゴンテイマーは、プワゾビューヌの毒煙を撒き散らして往く手を阻もうと画策する。妖しく色めく紫の霧に視界が奪われてゆくだけでなく、身体の内側から蝕んでゆく劇毒がじわりじわりと浸透してゆくことだろう。
「ごぼっごほっ……へっ、そんなの覚悟の上さ!」
喀血によりヘルメットのバイザーが赤く染まると、数宮・多喜は徐に脱ぎ捨てて素顔を晒しながら更に加速してゆく。彼女の痛みや苦しみへの耐性が強くなければ、ここの時点で倒れていたことだろう。
「……退かぬか、猟兵。いいだろう――ならば、クリムゾンキャリバーの刃の前に沈むがいい」
赤き剣の右腕の領域内に侵入してきた数宮・多喜に向けて、遂にドラゴンテイマーは6つの翼をはためかせながら迎撃態勢に入った。
一方の数宮・多喜は宇宙カブを巧みに操縦し、寸でのところでクリムゾンキャリバーを躱し続ける。されど、ドラゴンテイマーの追撃は徐々に精度が増している。このまま繰り返せば、いずれは赤い刃の餌食となるだろう……。
「フ……鼠のように逃げ回るのも、これまでのようだな。取ったぞ」
5度目のクリムゾンキャリバーを前に最早、退路はなかった。が、ここで数宮・多喜は賭けに出たのだ。
「おらっ……シビれなっ!!」
「何っ――!」
相手の決定打が触れる手前で数宮・多喜はサイキックエナジーを放出し、スタンショックをドラゴンテイマーへ喰らわせたのである。
「……だが、この程度で止められると思うな」
即座に麻痺から回復したドラゴンテイマー。だが、この僅かな時間だけでも得られたのが数宮・多喜の勝利の法則であった。
「ルートが見えた…!食らいなっ、サイキック・ブレイカー!」
宇宙カブをウィリー走行させながら、突撃を敢行した数宮・多喜。難敵へ勇ましく切り込んだ彼女に続くのは誰であろうか――?
成功
🔵🔵🔴
アンノット・リアルハート
離れたら群れに潰される、だったら逆に限界まで近づく!
敵は赤き剣をこちらに当てるために接近してくるはずだから、こちらも【メタルハート・ベーゼン】に【騎乗】して【ダッシュ】で相手に接近
赤き剣に勢いが乗る前に【ノイギーア・シャッテン】をぶつけて【武器受け】したら、【継承のリボン】を伸ばして相手を抱き締めるような形で私の身体ごとドラゴンテイマーを拘束
多少のダメージは【覚悟】の上、ここまで密着すれば剣は振るえず竜の群れによる攻撃は相手を巻き添えにしてダメージを与えるはず
そしてこっちは槍の穂先を伸ばして防御できない相手の顔面を攻撃して、UCを発動
発動条件は同じ、だったら武器を利用して実力差を縮める!
「多喜さんの作ってくれたチャンス……私がいただきます!」
眩い白銀で覆われた機械仕掛けの空飛ぶ魔法の箒たるメタルハート・ベーゼンで吶喊してきたのはアンノット・リアルハート(f00851)であった。彼女は、敢えて限界まで近づくことに策を見出していたようだ。
「愚かな――」
ドラゴンテイマーは無鉄砲に近づくアンノット・リアルハートへクリムゾンキャリバーの刃を放った。
「くっ……!」
アンノット・リアルハートは身の丈以上の槍であるノイギーア・シャッテンを迫りくる赤い刃へと撃ちつけて相打つ。
「フッ、なるほど……そういうことか。ならば、付き合ってやろう――来い、第六のドラゴンロード・ダイウルゴス」
「条件は同じ、だったら……お願いっノイギーア! 力を貸して!」
向かい合うドラゴンテイマーとアンノット・リアルハート。交錯する刃と刃から金属の肉体を持つ漆黒のドラゴンと純白の守護竜が虚無の裂け目から這い出てくる。
竜と竜が咆哮を上げたその刹那、アンノット・リアルハートは伸縮自在である継承のリボンを放ち、自分の身体ごとドラゴンテイマーを拘束したのである。
「この距離なら、竜の攻撃は使えない筈っ……」
「フ――ハハハハ! 私は嘗てこの竜を殺したことがある。今更、取り込まれようが再び殺してやるまでだ。だが、お前には乗り越えられまい――こいつの文明侵略をな!」
「えっ……」
不敵に嗤うと、ドラゴンテイマーの背後に顕現したダイウルゴスから白い衝撃波が放射された。その光は拘束されている二人と降臨したノイギーアまでをも包み込み、犯しつくすようにして漆黒のドラゴンへと取り込まれてゆくのだった。
猟兵とオブリビオンがいた筈のシステム・フラワーズの内部には、一頭のダイウルゴスだけが残り……辺りは静まり返った。
が、突如として、ダイウルゴスは謎の激痛に襲われたのだ。悶え苦しむ漆黒のドラゴンの頭部がぎりぎりと歪められていく。
そして、ダイウルゴスの頭部は弾け飛び、内部より一本の赤い剣が姿を現した。
「お前は、一番『弱い』ドラゴンだったからな……ダイウルゴスよ」
赤い剣はダイウルゴスの身体を真っ二つに引き裂いて、その内側からドラゴンテイマーだけが帰還をしたのである。戦闘不能となったアンノット・リアルハートは静かにシステム・フラワーズから退却したことだろう。
失敗
🔴🔴🔴
二子塚・たがや
…オブビリオンは殺し尽くす、それだけだ
敵の攻撃のトリガーは右腕の剣の攻撃…まずは首断散華でその一撃を【武器受け】する
そのままなら黒竜共に飲み込まれるが…剣が当たった瞬間、オレは首断散華を【怪力】で真上にぶん投げ、同時に【ダッシュ】で後ろに下がるぜ
対象の判定次第だが、これで黒竜共はオレの方には来ねぇはずだ
そして、首断散華が上まで上りきった瞬間……
★
……私の方に人格交替して、すぐさま【早業】での『弾幕』陰流星による死角からの強襲といきましょう
…「あなた方」は、私達や他のオブビリオンすら知らない「何か」が見えているのでしょう? 「あなた方」の目的は一体…?
※★より上は多賀哉人格、★より下はタガヤ人格
「たとえ……どのようなオブビリオンだろうと殺し尽くす、それだけだ」
オブビリオンへの憎悪を抱く二子塚・多賀哉(f04972)は黒パーカーにフードを深くかぶり、その内から滾る視線でドラゴンテイマーを睨みつける。
「その執着、なかなかのものだ。フッ……今のお前はまるで憎むべき対象であるオブリビオンそのものだな」
「ほざくな、てめぇッ!」
無骨で禍々しい刀剣の首断散華で二子塚・多賀哉はドラゴンテイマーへと斬りかかった。
「怒り狂うがあまりに我を見失ったか、猟兵。哀れなものだな」
対するドラゴンテイマーは単調な太刀筋に向けて右腕のクリムゾンキャリバーの刃を奔らせた。そして赤き剣が触れた瞬間に虚無の裂け目から金属の肉体を持つ漆黒のドラゴンの群れが現れることだろう。
「お前もダイウルゴスの一部となるがいい――!」
黒竜ダイウルゴスは首断散華ごと二子塚・多賀哉を喰らい尽くす……筈だった。
「……どうも反応が薄いな、まさか」
「余所見は禁物ですよ……もう遅いですけど」
なんと、多重人格者の特徴をいかして剥き出しの憎悪と殺気を持つ『多賀哉』を囮にすることで、『タガヤ』は即座に首断散華から逃げ出して【『弾幕』陰流星】を発動していたのだった。
しかし、ドラゴンテイマーは降臨させたダイウルゴスを巧みに操り盾にして、死角からの強襲を防いだのだった。
「……『あなた方』は、私達や他のオブビリオンすら知らない『何か』が見えているのでしょう? 『あなた方』の目的は一体……?」
オブビリオン研究者である二子塚・タガヤは攻撃の通じなかったドラゴンテイマーに対して、せめてと問いかけを行った。
「――いずれ知る事となるだろう。1つ言えることがあるとすれば、お前たち猟兵はグリモアを良く操れている。だが、それがグリモアの全てでは無い」
告げられた言葉に驚きを隠せない二子塚・タガヤ。やはり、この異質な存在であるドラゴンテイマーは大いなる秘密を抱えているようだ。
その情報が、これからの闘いに役立つかもしれない。せめてもの報酬であると思いながら、二子塚・タガヤは悔しげに退却していった。
苦戦
🔵🔴🔴
推葉・リア
勝てるのかわからないけど…やってみないとね!
『バトルキャラクターズ』推しキャラ達を召喚して逆鱗が急所はずだから、皆には逆鱗を狙うように支持して私は“竜殺しの黒鎧の騎士”を連れてテイマーの元に行くわ
【第六感】【戦闘知識】を駆使して攻撃を避けて避けきれないなら炎の【オーラ防御】で防いで更に私と黒鎧の騎士に【催眠術】【目立たない】を使って私達だとわからないようにさせて混戦状態の戦場を抜けていくわ
相手が攻撃範囲内に入る前に騎士に推しキャラを合体させて強くさせて死角に行ってもらって、私は狐火で【おびき寄せ】して私に注意が向いたら【だまし討ち】で騎士が死角からテイマーを斬りつけるわよ!
【アドリブ共闘歓迎】
「勝てるのかわからないけど…やってみないとね!」
バトルゲーマーらしいチャレンジ精神で挑みに来た推葉・リア(f09767)。
「同じユーベルコードを使うか。だが、私の方が上手であることを教えてやろう――降臨せよ、第六のドラゴン」
「私の声に応えて…じゃあよろしくね!………はぁ〜何度見ても、好き!大好き!ありがとう!」
推葉・リアは【バトルキャラクターズ】で32体のゲームの推しキャラクターを呼び出した。刀を手にした和風のイケメンや、金色に輝く鎧を纏った不遜な態度の王や、金髪・黒髪・赤髪・茶髪の四騎士など錚々たるメンバーが統一感もなく勢ぞろいしていた。
だが、ドラゴンテイマーの方は64体以上の大型ダイウルゴスを呼び出していた。単純場物量の差の前に、このままでは推葉・リアの勝ち目はないだろう。
「無駄な足掻きを。潰せ、ダイウルゴス――!」
「どんなに強くたって、相手はドラゴン。逆鱗が急所はずだから、みんなそこを狙ってちょうだい!」
愛してやまない推したちにそのように伝えると、ゲームさながらの大迫力でド派手なイケメン軍団とドラゴンの闘いが始まる。
システム・フラワーズの内部を埋め尽くすような合戦が繰り広げられている最中、推葉・リアは姿を晦ませたのである。そう、わざと混戦状態を作ることでドラゴンテイマー本人の懐へと潜入しようとしていたのだった。
その道中で、推葉・リアの耳へ愛するキャラクターたちの断末魔が次々と届いてゆく。だが、ここで悲鳴をあげてしまえばドラゴンテイマーに見つかってしまうだろう。
故に唇を噛みしめ堪えながら、推葉・リアと黒い影は混戦状態の戦場を抜けていった。
「フッ……恐怖のあまりに逃げだしたのだろうか、女め」
「……いいえ、私はここよ!」
次の瞬間、ドラゴンテイマーは狐火の攻撃を受けていたのである。そして、メガネのブリッジを押し上げてカッコつけながら推葉・リアがドラゴンテイマー背後に現れたのだった。
「たいした策者がいたものだな。だが、この程度の攻撃で私を屠れると思ったか――」
ドラゴンテイマーは振り返り、右腕の赤い刃で推葉・リアの喉元を切り裂こうと急襲してきた。しかし、あの狐火は誘導のためのものに過ぎない。
「残念だけど、私の勝ちよ。“竜殺しの黒鎧の騎士”様……みんなの無念を晴らしちゃって!」
「何っ――」
黒い影が消失し、とびきりの推しキャラである“竜殺しの黒鎧の騎士”が姿を現してドラゴンテイマーを死角から斬りかかったのである。
「そう、これは“竜殺しの黒鎧の騎士”様が原作において実際に使った作戦で――(以下略)――はぁ、尊すぎてしんどい」
急に早口になりながら解説を行い、そして恍惚とした表情を浮かべて推葉・リアは満足しながら去っていったのである。
成功
🔵🔵🔴
エルス・クロウディス
おっまえまーだダイウルゴス使ってんのかよ。
懲りないやっちゃな……まぁ、いい。
相手になってやる――前に!
回針を射出して向かってくるダイウルゴスの一体に突き刺し、<ジャンプ>を合わせて巻き取り。
弧を描いて頭に着地、ウィルを突き刺してから<早業>で舜濤に切り替え、真っ二つに開くように尾まで<ダッシュ>。
そのまま離脱しながら、
「ドラゴンウォリアーライト版ってなぁ!」
回帰顕現によって飛翔、<空中戦>へ移行。
涯装の闇套を活性化して、自動防御形態へ。
<武器受け>と<カウンター>で最短距離をテイマーの元へ飛び抜ける。
<残像>を交えた<フェイント>を挟みながら、スピード任せの<2回攻撃>で一気に攻めるぞ!
「おっまえ、まーだダイウルゴス使ってんのかよ。懲りないやっちゃな……」
エルス・クロウディス(f11252)はドラゴンテイマーを前に、何かを知っているような口ぶりで参上をした。
「そういうお前こそ、未だにあの女の為に戦うか――“界廻る選定の志“」
「ま、お互い様ってことで……相手になってやる!」
「いいだろう。だが、ここまで辿り着けるかな――?」
【ギガンティックダイウルゴス】を先に発動させ、76体の黒竜ダイウルゴスが呼び出されては合体してゆき……超巨大な金属の肉体を持つ漆黒のドラゴンとなってゆく。
「まってろよ……すぐに駆けつける!」
エルス・クロウディスは袖仕込みの暗器ナイフの回針をダイウルゴスの首に向けて射出。命中するや否や跳躍し、闇套の黒い帯をワイヤー代わりにしてナイフを巻き取りながら弧を描いてダイウルゴスの頭に着地した。それは、立体機動による華麗な技であった。
「おらよっ」
続けてダイウルゴスの頭へウィル突き立てては即座に薄い反りに三尺の刃渡りを持つ野太刀・舜濤へ変形。そのままダイウルゴスの背中を真っ二つに切り開くように尾の先まで駆け抜けてゆく。その対巨大戦闘はまさに猟兵と言わんばかりの活躍である。
「衰えてはいないようだな、翔剣士」
「技は力、体は器、そして心はこの魂。朽ちた想い出、骸の装いを器へ還し、その力の欠片をここに――――俺たちは、ずっと此処に在る……そうだろ!」
【回帰顕現】を発動させたエルス・クロウディスは真の姿へと変身を遂げる。真っ白に脱色した髪の色は艶のある黒色を取り戻し、赤い瞳は空のような蒼さに染め上げられている。そして背中には白い竜の翼が生えたのである。
「ドラゴンウォリアーライト版ってなぁ!」
涯装の闇套を活性化して、自動防御形態にさせて最短距離でドラゴンテイマーの元まで飛びこむエルス・クロウディス。
「よくぞここまで来たな。褒美に、クリムゾンキャリバーでお前の息の音を止めてやろう」
ドラゴンテイマーの右腕の赤い剣を、機械と生体金属の特性を持つ尋常ならざる剣である真頼へ変形させた闇套で受け止める。が、ここでエルス・クロウディスの折れない意志の力によって真頼が直剣と直刀の二振りへ分裂したのであった。
「ぃいっけえッ!」
武器の特徴を活かしたフェイントを挟んだ速度まかせの2刀による斬撃が、ドラゴンテイマーの翼を切り裂いたのだった。
成功
🔵🔵🔴
イヴ・シュプリーム
【芋煮T】で参加
心情:貴方が……今回の事件の発端ね……
何が目的なのかは……言わなくていいわ……
ただ一つ……貴方にも『魔導士』の恐ろしさを、思い知らせてあげるわ……!
戦術:敵UCの効果範囲外に転送された後に、【空中戦】で飛行して接近。
敵が作成した竜の大群については、初撃を<日傘>を活用した【盾受け、オーラ防御】で凌ぎます。ダメージを受けた場合【激痛耐性】で行動を続行します。
また、同行する味方に<魔法:エネルギー操作>によって運動エネルギーを追加、さらに加速させます。
反撃手段は【叡智ノ光】を拡散モードで【一斉発射、援護射撃】。主な標的は生み出された竜の群れで、前進する味方を支援します。
※アドリブ可
胡堂・充
【芋煮T】で参加
ドラゴンテイマー……彼がこの戦争の黒幕か。
恐ろしいまでの力を感じる……だけど、ここで負けてはいられない!
今回は、超協力プレイで攻略する! 御劔さん、イヴさん、頼みます!
ドラゴンの大群をすり抜けつつ、この距離を縮めるとなると……マックスに頼るしかないな。
マックスに【騎乗】、御劔さんを後ろに乗せ、全速前進。
ドラゴンの群れに対しては、回避優先。そして御劔さんを【かばう】事で彼女の消耗を防ぎます。ダメージは【激痛耐性】で耐える!
そして<黒い霧>を右手に集中させ、ドラゴンの群れに放ち【生命力吸収】によって、先程のダメージを緩和して行動継続。
……御劔さん、本体への攻撃は任せましたよ!
御劔・姫子
【芋煮T】で参加
えっと…この人が黒幕なんかなぁ? なんや雰囲気はそれっぽいみたいやけど…
とにかく、この世界を勝手に変えられる前に…うち達が止めたるっ!
あちらの術の届かへん所から…それにあの竜の数、一人やったら敵わへんけど力を合わせればっ!
充はんの『ばいく』に乗せてもらって、前進! 途中の竜の攻撃は【武器受け】【見切り】で切り抜けるっ!
接近できたら『ばいく』から【ジャンプ】して敵本体に飛びかかり、渾身の【なぎ払い】っ!
…でも、この人もただ者やない。【戦闘知識】から、右手の剣で止められるんは見えてる。
だから…その受け止めた瞬間を狙うっ!
今までのは【フェイント】…本命はこの【秘技・不抜乃太刀】っ!
「ドラゴンテイマー……恐ろしいまでの力を感じる。だけど、運命は……俺が変える! 超協力プレイでクリアしてやりますか、御劔さん!」
自身の手で魔改造した結果、黄色い派手な塗装の爆走バイクと化したオフロードバイク『マックス』に跨るのは、胡堂・充(f10681)。今回は医者やゲーマーとしてではなく走り屋として戦いに来ているためか、ピンク色で逆立った髪の毛のような形の独特なフルフェイスヘルメットを被っている。
「とにかく、この世界を勝手に変えられる前に……うち達が止めたるっ!」
胡堂・充にしがみつくようにしてバイクの後部にいる御劔・姫子(f06748)のバストは豊満であり、かなりの存在感を主張している筈だが……状況が状況なせいか、胡堂・充は気にしていない様子である。
「バイク乗りがよく現れる日だ。が、ダイウルゴスの群れを相手に何処まで付いてこられるだろうか――さあ、文明侵略の力を思い知るがいい」
嘲笑うドラゴンテイマーが6つの翼を広げて左手を掲げると、白い衝撃波が放出され始める。その光に包まれた領域に次々と虚無の裂け目が生じて、金属の肉体を持つ漆黒のドラゴンが次々と出現してくるのだ。
「フフフ……これでも嘗てのダイウルゴスによる文明侵略そのものよりは衰えた力なのだがな。お前たちもダイウルゴス文明の一員となるがいい――」
ドラゴンテイマーの号令により、黒竜ダイウルゴスの群れが次々とオフロードバイク『マックス』へ攻撃を開始。全速力で駆け抜けようとする胡堂・充の進路で爆発が連続して巻き起こってゆく。
「きゃぁっ!? あ……あかん、こないな攻撃はうちに捌きができへん!」
「くっ……アレを使うしか――けれど、まだ距離が長くて持ちこたえられそうにないっ」
そして眼前には1体のダイウルゴスが立ちはだかり、その巨体による踏みつけで2人を車両ごと押しつぶそうとしている。回避しようにも間に合わない!
「胡堂はん、上っ……!」
「この大きさは――間に合わ……」
胡堂・充が諦めかけたその瞬間に、オフロードバイク『マックス』がスピードメーター以上の加速度を発揮し始めたのだ。エキサイトな急加速で駆け抜けたことでダイウルゴスを追い越したのだった。
「胡堂・充……何故限界速度を超えて、アナタのバイクは走ることができたのか」
「まさか、この声は――!?」
「そのただ答えはただ1つ……貴方にも『魔導士』の恐ろしさを、思い知らせてあげるわ……ドラゴンテイマー!」
多機能魔導防壁である可愛らしい日傘を盾にしてダイウルゴスたちの攻撃を防ぎながらも空中を前進してきたイヴ・シュプリーム(f13592)が、オフロードバイク『マックス』へ魔法の力で運動エネルギーを与えていたのだった。
「ゼロから骸の海の果てまで照らし出す光は此処にあるわ……私が導く場所まで駆け抜けていくだけよ……胡堂・充」
「イヴさん、頼みます!」
上空にいるイヴ・シュプリームは【叡智ノ光】を起動させ、魔力による天使の羽を纏いながら魔導レーザーを拡散しながら一斉発射する。ダイウルゴスの群れの足止めや、バイクへ向かう攻撃を撃ち落とすための援護射撃である。
激しい光と闇の交錯するシステム・フラワーズの内部を疾走する胡堂・充と御劔・姫子であったが、ドラゴンテイマーへと近づくにつれてダイウルゴスの迎撃も苛烈になっていった。イヴ・シュプリームの頼もしい助力があろうと、胡堂・充が後部にいる御劔・姫子を庇いきるには限界が近づいていた。
「今だ……コろしテヤるッ!!」
いよいよ胡堂・充は決断し、【憎しみを食らう黒き霧】を発動させて右手に集中。それをダイウルゴスの群れに目がけて放ち、生命力吸収による僅かな回復を得てデンジャラスなゾンビのように耐え凌ぎ始めた。
「こ、胡堂はんっ!?」
「リ性がナくなるマエに……オクりトドけます。だから、あとスコしだけ……タえてミせるっ!」
ダイウルゴスたちの一斉攻撃を、ウィリー走行からのジャンプで回避。炸裂する爆風を背に受けてオフロードバイク『マックス』は遂に、ダイウルゴスの群れを飛び越えてドラゴンテイマーの目の前まで躍り出たのだった。
「……ミツルギさん、アトはマせましたよ」
「待っててな、うちが決めてきたるっ!」
滞空しているオフロードバイク『マックス』から御劔・姫子が跳躍し、鞘に納められた剛刀『巌太刀』の鯉口を斬り、そのままドラゴンテイマーへと御劔の抜刀術を浴びせかけようとしていた。
「――見切ったそ、娘。喰らい尽くせ『クリムゾンキャリバー』」
右腕そのものが赤い刃となったドラゴンテイマーならば、神速の居合をも上回る速度で迎え撃つことが出来よう。加えて、ドラゴンテイマーは御劔・姫子よりも遙かに闘ってきた経験による技がある。これらを覆すには、天賦の才だけでは道理が通らない。
白銀の刃よりも先に迫りくる赫い刃。魔石のように妖しく輝きを放って、斬撃のみならず更なる力を以って御劔・姫子を討ち果たそうとしている。万事休す――かに見えたのだが、勝機を掴んだのはドラゴンテイマーではなかった。
「鞘から抜かへんでも斬れる……これが剣術の深奥っ!」
御劔・姫子は切った鯉口を元に戻すと、カチンという鋼の音とともに【秘技・不抜乃太刀】を仕掛けた。ドラゴンテイマーのクリムゾンキャリバーが喉元へ到達する寸前で、彼の腹が縦一文字に裂かれて致命傷を負わせることが適ったのである。
「ク――まさか、な」
痛手により、剣筋が乱れてドラゴンテイマーの赤い剣は御劔・姫子を捉えることはできない。
――ここに1つの勝負あり。機を得たのは芋煮艇の猟兵たちの巧みなる連携であった。
成功
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ヒカゲ・カタワレ
強敵で、シリアスな雰囲気…こっちのが好みかな。
というわけで勝負だ。
先手を撃たれるっていうのが分かっていれば、
覚悟の仕様もあるってもんだよ。
初撃が命中した対象への連続攻撃…ってことは最初の一撃を凌げれば…!
刻印の触手でガード体制を取って、ナイフで触手を根本からぶった切ってパージ!
デコイにして攻撃を引き受けてもらう…まぁ千切るんだから自分も痛いけどそこは「勇気」だして…
攻撃を一瞬でもやり過ごすことができたら、UC【ヒカゲストレート】!
全力で[ダッシュ]して、渾身の右ストレートで[捨て身の一撃]を放つよ!
こーみえて本体も[怪力]なんだから、思い切り顔にぶちこんでやるんだよ…。
瀕死のドラゴンテイマーを前に、現れたるはヒカゲ・カタワレ(f03017)。マフラーをたなびかせたセーラー服姿の少女がゆっくりと向かってくる。
「舐められたものだな、この私も――」
「……見た目だけで判断して欲しくないんですけど。というわけで勝負だ」
「フッ……まぁいい。八空覇王の――ダイウルゴス文明の力を今、ここに極限まで解放する。喰らい尽くせ【クリムゾンキャリバー】――!」
ガーゴイル・コカトリス・メディウムピラーによる6つ翼だけでなく、遂にバルバナイトの翼も展開。ドラゴンテイマーは8枚の翼を持つ、神々しくも美しい、絶対の恐怖を与えるキマイラの姿へと変異したのである。
その超絶な速度をもってしたクリムゾンキャリバーの赫い刃が、ヒカゲ・カタワレへと容赦なく襲い掛かる。
「先手を撃たれるっていうのが分かっていれば、覚悟のしようもあるってもんだよ……!」
グールドライバーの刻印による悍ましき触腕が、セーラー服を突き破ってヒカゲ・カタワレの身体の内部から迫り出した。それらを重ねて盾として、クリムゾンキャリバーを受け止めたのである。
「滅びよ――そして、ダイウルゴス文明と化せ」
触腕を突き刺した赤い刃から、金属の肉体を持つ漆黒のダイウルゴスが徐々に顕現してくる。
「いたっ……ぐぁぁぁあああっ――!」
だが……ここでヒカゲ・カタワレは、己の一部ともいうべき触腕を手にしたナイフで根本から斬り落とし始めたのだ。切断による痛みを勇気のみで押し切り、パージすることによってヒカゲ・カタワレはダイウルゴスの侵略から難を逃れたのである。
「なん……だと……」
呆気にとられるドラゴンテイマーを後目に、無事に着地したヒカゲ・カタワレは、すかさず全力疾走を始める。そして、ドラゴンテイマー目掛けて跳びかかり……
「唸れ、必殺!ヒカゲストレート右!」
見かけによらず怪力を秘めているヒカゲ・カタワレの、只のパンチである【ヒカゲストレート】が無防備なドラゴンテイマーの貌へと突き刺さったのだ!
「まさか、な――意表を突かれたか。この私が――」
「……灯台下暗しって、やつかな」
決定打を撃たれたドラゴンテイマーがゆっくりと消滅を始めた。遂に、猟兵たちは無限の幻想を超えたのである。
「娘……お前を作ったのは、ドクターオロチだけではない。そう、お前の母親にあたる存在が――」
「……っ、ちょっと待って。最後まで教え……」
勝利者への餞別として、何かを言い残そうとしたドラゴンテイマーであったが……言い終わるが前に完全に消え果てしまった。
大成功
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