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バトルオブフラワーズ⑪～傷穿つ風

作者：幾夜緋琉

●バトルオブフラワーズ⑪～傷穿つ風
「みんなの協力のお陰で『ザ・ステージ』の制圧作戦も後もう少しだと思う。で……今日も又、皆にはオブリビオンの退治を御願いしたいんだ」
　と、双葉・翔は、周りの猟兵達を真っ直ぐに見て。
「今回の相手は『システム・フラワーズ』の第三の関門である『スピード怪人『ウインドゼファー』』。彼女が得意とする能力は、周りにながれる風を操り、それに己が身を乗せて素早い動きで敵を討つ、という厄介な能力を持ったオブリビオンだね」
「この『風を操る能力』は、皆の行動を事前に予測し、常にみんなよりも先手を取る、というユーベルコード。だから、皆が攻撃してくるのに対し、先手の強力な一撃を叩き込んでくる厄介なオブリビオンになる」
「この先手を取る能力に対し、みんながその対抗手段を取らなければ恐らく……その一撃必殺攻撃に返り討ちに遭って仕舞う。だから……その対処手段を考えた上で、彼女の討伐に向かって欲しいんだ」
「ちなみに、彼女の先制攻撃の能力を例え防げたとしても、素の戦闘能力自体かなり高い相手なので、下手に対峙しても苦戦は間違いないと思う。みんなの力で、少しずつでもいいから彼女にダメージを与えていき、出来る限り早急に倒していて欲しいんだ。そうしないと、次なる関門への道は開かないままだからね」
　そして、翔はその手にグリモアを取り出しながら。
「みんなの力が、キマイラフューチャーの世界を救う大きな力なんだ。だから、みんな、スピーディーに討伐してきて欲しいんだ。宜しく頼むね！！」
　と、テレポートを開始するのであった。

第1章 ボス戦 『スピード怪人『ウインドゼファー』』

POW   :    フルスロットル・ゼファー 全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。 SPD   :    レボリューション・ストーム 【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。 WIZ   :    ソード・オブ・ダイアモード 対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。 イラスト：藤本キシノ 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

「一度、痛い目を見てきましたからね……今度は別の手で行きますよ」
　と、張・小龍は、対峙する『ウインドゼファー』を見据える。
　そして彼女がこちらを向いた瞬間。
「我が身は盾であり矛。真正面から受け切って、その身を打ち抜いてみせましょう！　いざ、勝負です！！」
　と威勢良く声を揚げる。
　それに彼女は。
『面白いですね……では、始めましょう』
　と……仮面の下で僅かに微笑むと、彼女は『フルスロットル・ゼファー』を発動。
　彼女の身を包む暴風が、彼女を加速化させ、戦場を駆ける。
　そんな彼女の攻撃を、第六感と野生の勘、そして鋭い視力でしっかり見据え……攻撃の太刀筋を見極める小龍。
　接近してくる彼女を少し惹きつけると……彼女の目の前で、地面に向けて踏みつけを行い、地面を砕き、岩石を飛散させると、それを衝撃波に乗せて石つぶての如く、迎撃に利用。
『っ……』
　その石つぶてを軽く風で吹き流しながら、強烈な一閃を叩き込む彼女。
　でも……オーラ防御と激痛耐性で、気を失わぬ様、ギリギリで耐える。
　そして、彼女の身に組み付くと共に。
「我が爪牙にて八つに引き裂かん！」
　全力の『如竜得翼』を、彼女に真っ正面から叩きつける。
　彼女はその暴風で小龍を吹き飛ばしながら、己も間合いを取り直し、体勢を整えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　そして、体勢を整えようとしている所に動くはカタラ・プレケス。
　全身を覆うその出で立ちを見て。
「……この世界にこんな人がいたとはね～。そんな風を誇る貴女を潰すのは少し惜しいけど、押し通らせてもらうね」
　と一言の声掛けと共に、その唇を動かす。
「夜に距離の概念は無く、万物平等に迎えよう……』
　との呪詛を紡ぎ始める。
　その呪詛に気付いた『ウインドゼファー』は。
『次は、そちらですか……！』
　と、声の方向を素早く察知し、『ソード・オブ・ダイアモンド』を発動させる。
　全てのタイヤが高速回転し、2本の車輪剣から『嗤う竜巻』を彼に向けて放つ。
　……その竜巻が近づいてくる事に声色は変えず。
「高らかに嘲るその声を閉じよ金剋木にて散り給え」
　と、呪詛の言葉を僅かに変化させ、言霊強化し、そのままを竜巻にぶつける。
　……しかし一つは消えず、カタラに襲い掛かるが……どうにか攻撃を耐える。
　更に紡ぐ呪詛を止めず、そのまま。
「これは誰にでも訪れるもの、逃げ切れると思わないでね」
　と『天蠍縛砂』を彼女の肩口へ嗾け、刺す。
　……余り大きなダメージではないが、ジリジリと後引くダメージを彼女に刻み込んだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

　そして二陣の刃となる、ナターシャ・フォーサイス。
「今迄のオブリビオン達とは違い、速さこそすべて、純粋に力でねじ伏せるような方なのですね」
　と、彼女を真っ直ぐに見据える。
　そして一度瞑目し、すっ、と『ウインドゼファー』に両手を広げ。
「貴女も現世に蘇った哀れな魂。使徒として、私の責を果たしましょう」
　と救いを与える。
　無論、彼女は。
『哀れな魂、ですか……ならば、私も貴女を哀れなままに仕留めて差し上げましょう」
　と言い放ち、彼女の両手の車輪剣を高速回転させ、『嗤う竜巻』を襲い掛からせる。
　……その風に向けて、ナターシャは『召喚：楽園への使者』によって産み出した小型の『天使の眷属』を展開。
「それが私を狙うものならば、天使たちが護ってくれるでよう。彼らもまた眷属として、貴女を導くために呼ばれているのですから」
　と、小型『天使の眷属』達は、彼女の身代わりとして、次々と消え去っていく。
　……そして、彼女の攻撃を耐えきった後。
「いくら貴女が早くても、それは動ければこそ。麻痺してしまえば、動く余裕がなければ、その剣もまた鈍るでしょう。その信に誓って倒れるのが先か、我々が導くのが先か……我々とひとつ、追いかけっこをしましょう。どうか……その身に纏う風が、楽園への道行きの手助けとなりますよう」
　と、彼女に麻痺を与える攻撃を、確実に当てる事で、仲間達の一助に動くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

　そして、麻痺に体が上手く動かないウインドゼファーに、続けて立つは胡・翠蘭。
　苦しむ彼女に向けて、くすりと笑いながら。
「疾い御方ですのね……疾いのは嫌いではありませんけど……疾くイかれては興が冷めてしまいますから、永く楽しませて下さいませね？」
　と妖艶な言葉を掛ける。
　が、それに対して『ウインドゼファー』は。
『いい気になっているんではありません……！』
　と、暴風を身に纏う。
　近づけば跳ね飛ばされん程に強力な風の刃……しかし、翠蘭は間合いを詰めずに、その風が収まった所で接近。
「お返しですわね。わたくしの視界は広く……動体視力も侮るなかれ、ですわ」
　と、言うと共に、その身から触手を放つ。
　……彼女の体に巻き付こうとする触手、暴風に跳ね飛ばされても、次から次へと触手を飛ばす。
　そして……何度かの触手が襲い掛かり……彼女に触れると。
「ふふ……存分に、わたくしの触手で楽しんでくださいませ？」
　と、ウインドゼファーの体に瞬く間に巻き付き、さわさわと蠢く。
　その動きは、彼女の冷静さを瞬く間に失わせる……そして、その間に他の猟兵達が一斉攻撃。
　……快楽により生じた隙を突かれた彼女は、怒濤の猟兵の猛攻の前に満足に抵抗も出来ず……崩れ墜ちていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年05月22日