バトルオブフラワーズ⑪〜猟兵には何より速さが足りない
「と言うわけでとっとと逝ってさっさと帰ってきてください」
大神・狼煙(コーヒー味・f06108)のイントネーションがおかしいのは気のせいかもしれないしそうでもないかもしれない。まぁ、その辺は置いといて。
「またウィンドゼファーが湧いたので討伐してください……これ以上の説明いりますか?」
既に何度彼女と戦ったか分からない猟兵だっているかもしれない。強敵との戦いは、ただそれだけでメンタルを削るものだが、同時に何度倒しても敵が蘇る事に、虚無感を抱いてしまえば最期。
「人が生きられるのは、己の成す事に意味を見出すから。自身の行動に価値を感じなければ、静かに死んでいくもの。これを利用した処刑も存在するそうですよ」
なんでそんな雑学を繰り出すのかってーと。
「部隊のモチベーションを上げる為にも、何か普段ならやらない事をしながら戦ってみてもいいかもしれませんね。私もいい加減飽きてきましたし」
ネタ依頼でもないのに何言ってんだテメェ?ってフルボッコにされる狼煙だが、彼は決して口を割らない。
(何度も蘇る彼女が、人間の宗教にある輪廻転生のようなモノでなく、心も体も同一の新しい個体、というオチで皆さまの戦術を学習していた、なんて事態に陥ったらあちらの限界を超える前にこちらが壊滅しますからね……)
殺し合いにおいては常に最悪を想定するもの。そのセオリーにのっとりつつ、猟兵に無用な不安を与えないための配慮のつもりだったのだろうが、なんでこの眼鏡はいつも変な言い回しするんだろうね?
「そ、それでは皆さま、ご武運を」
このままでは自分がオブリビオる気がして、狼煙は逃げ出すように猟兵達を送り出すのだった。
久澄零太
今回の戦争はネタネタした依頼をいっぱい書くんだって思ってたのに……どうしてこうなった?
大体そんな感じの久澄です
またしてもウィンドゼファーだよッ!!
えー、どうあがいてもシリアス案件なのですが、折角なので何かネタ要素をぶっこみたいと思います
具体的には、『敵の速さに対抗して、何らかの速さを見せつける事でスピード勝負(物理)に持ち込める』仕様にしたいと思っています
ほら、こいつ皆より先に動いて下手するとワンパンKO 狙って来るからね
以下、割と真面目な注意点
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
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POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
美国・翠華
【アドリブ歓迎】
素早さはしぶとさでもあるかしら…
私とは違う意味でしぶとそうな相手…
相手のスピードを見抜くならば早業の能力ですばやく動けるかもしれない。
スピード勝負は苦手だけど、ここですばやくナイフを振るう動作を見せれば
相手に勝負させる気にさせられるかもしれない。
相手に先制攻撃されるなら一撃で倒されるということを防ぐことさえできればいい
相手の動きをよく見て、一撃必殺を回避することを考える。
そうすればユーベルコードを発動して
開放されたUDC達との同時攻撃…
同時に相手にされれば流石にすべてを回避しきれないでしょう…
「素早さはしぶとさでもあるかしら……私とは違う意味でしぶとそうな相手……」
大分方向性が違うような気もするけど、すばしこいのはしぶといに含まれるのだろうか……いや待とう、この手の話は考えるだけ無駄だ。その仮定が正しいかどうかは美国・翠華(生かされる屍・f15133)が今から実証してくれるはずだし。
「え……」
そのつもりで来たんだろう?
「いや、あの、私スピード勝負は苦手で……」
『ジャアオレガカワリニ……』
「引っ込んでて」
一瞬、右目が赤くなった翠華だったが、何かを押さえこむように片手を添えて深呼吸すると、何事もなかったかのようにナイフを取り出して。
「動き回るだけが……速さじゃないよね……」
普通、ナイフの素早さっていうとサバイバルナイフとかバタフライナイフとか、小回りの利くタイプのナイフで見せるんだけど、翠華のナイフはグリップがぐるっと拳を包むように拵えたD字型。早い話、小回りって言うより取り回しの方を優先してるデザイン。
『コレナラドンクサイオマエデモオトシニクイシナ』
「だから引っ込んでて……」
今度はマフラーの端っこが人の手のように裂けたかと思うと、そっと巻きなおして両手で押さえる翠華。あなた苦労してるのね……。
「怪人さん……動きは速そうだけど……止まっていても速く動けるかな……?」
「何言ってるんですかあなた?」
一見矛盾することを口にする翠華にウィンドゼファーが視線を向けた。敵を認識したなら問答無用で即刻ブッコロコロしにするスピード狂だが、腕組みしてしげしげと翠華を品定め。何故って?見ろよ、今翠華が実演してるから。
「車輪剣じゃ……こういうことはできないよね……」
くりぬいたようなグリップに人差し指を挿してグルグル回した後、握って構えたかと思いきやスナップを利かせて回転させながら投げ、腕を交差させて左右のナイフを交換、からの手の甲で弾いて再び元の手で握り、右のナイフを投げて左のナイフで弾き、左のナイフを離して右のナイフを一瞬だけ握って投げ返すと逆の手で受け止めつつ先ほど離した左のナイフを握り直す。
「小型の武器によるジャグリング……なるほどなるほど……」
うんうん頷くウィンドゼファーに、お眼鏡にかなったのかと思いホッとその豊かな胸を撫で下ろす翠華だったが。
「甘いッ!!」
クワッ!イラストだったら効果線が一杯入った演出がついたであろう気迫で一喝。怪人は己の武器をフワッと投げると暴風をその身に纏い、一瞬で翠華と距離を詰める。
「しまっ……」
虚を突かれた翠華が来る衝撃に目を瞑るが、ウィンドゼファーの狙いはナイフの方で。
「たかが二つの武器で何が速さですか!いいですか!?」
バビュンッと一瞬で元いた位置に戻ると、さっき投げた武器を拾って、投げ、更に翠華から奪ったナイフを加えて三つでジャグリングし始めるウィンドゼファー。
「折角小型の武器を持つなら自分の上半身全てを使いなさい!!」
ナイフを必要最小限の動きで背面に投げると落下前に腕を捻ってキャッチしつつ、落ちてきた車輪剣を逆の手で受け止め腹に当てるように受け渡し、その間にさっき受け止めたナイフを投げてもう一振りの方を手の甲で打ち上げ車輪剣を掴むと腋の下を通すようにして頭上へ。その落下前に打ち上げたナイフの刃を指二本で挟んで受け止めると横に投げ、持ってた方のナイフを上に投げて飛んできた方を握りつつ逆の手は落ちる車輪剣を受け止め……。
「これこのように三次元的高速芸をみぎゃー!?」
「うぐっ……なんで……勝手に……!」
速さと器用さの講義してくれてたウィンドゼファーに、翠華の腹を掻っ捌いて飛び出して来た怪物の腕が強襲。殴り飛ばした先に回り込んで拳で受け止めるように弾き返し、新たな腕を生やして虫でも潰すように二つの手でパァン!強烈な一撃を叩きこみ、ズルリと翠華の腹へ収まっていくと。
『ワケワカランハナシヲエンエンキカサレルオレノミニモナレ』
「……」
勝手に融合され、勝手に生かされる翠華だが、この時ばかりは自らに宿るUDCを身勝手だとは思えなかったとかそうでもないとか……。
「と、取りあえず……速さを意識させればいいみたいだね……」
ひっでぇ展開ではあれど、翠華の一撃には己の身を引き裂くほどの苦痛を伴う。一応傷が癒えてはいるが、一度内側から腹を突き破られた激痛はそう簡単には消えてくれない。先制攻撃に使うはずだったUCを翠華への接近と武器の強奪に無駄遣いした挙句、話の途中でぶっ飛ばされたウィンドゼファーからこっそりと逃げ出す翠華なのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ウルフシャ・オーゲツ
普段からしないこと、つまり正面切ってまともに戦えばよいのじゃな!
さぁウインドゼファーちゃんいざ尋常に勝……。
なんということでしょう、そこには暴風に巻き込まれボロボロになってぶざまに崩れ落ちるウルフシャの姿が。
あらゆる間接がおかしな方向に曲がり見ただけで、あ、これあかんやつと思うこと間違いなし。
「新しいウルフシャは完璧で幸福なのじゃ」
再誕し相手に最適化されたうちはウルフシャジェットで空を飛び、ウルフシャドリルで地を進み、ウルフシャマリンで海をいく。
ぞして何よりもぉ、
「いまこの一瞬だけ、おぬしより、速いのじゃ!」
え、もし仮初めの体ごと本体をやられたら?
中身溢れてやばいのじゃ。(【収容違反】)
「普段からしないこと、つまり正面切ってまともに戦えばよいのじゃな!」
ウルフシャ・オーゲツ(しょしんしゃ・f00046)、貴様正気か!?
「さぁウインドゼファーちゃんいざ尋常に勝……」
「邪魔です」
ブワッ……ドドドドドドッ……バァン!
「コフッ……我が生涯に……ちょっとだけ悔いあり……うっ」
ガクッ。何という事でしょう。正々堂々戦おうなんてするから、花の足場ごと暴風に呑まれて吹き飛んだウルフシャ。螺旋を描く暴風にもみくちゃにされて、腕関節は捻じれ反対の肩と絡み付き、膝は砕けたのかぐるっと回って、腰骨も逝ってるのか両脚はそれぞれが螺旋を描いて捻じれ上がり、背中側で絡み合う腕に足首をひっかける形で手首と絡んで、吹っ飛んだ先の花の足場でゴロンゴロン……胸を突き出す様な格好のボウル(ボールではない。違いが分かりにくい?球体か器かの違いだッ!!)状の姿で息絶えた……と思ったら、何か光り始めたぞ?
「新しいウルフシャは完璧で幸福なのじゃ」
ジャキーン!首だけそのままに、胴体が何かいい感じに変形したウルフシャはキャタピラの底にジェットを搭載、後部にはスクリューを備え、前方にはドリルを構えた対空陸海戦用ウルフシャ、マークツーに……あなたヤドリガミよね?
「その辺の矛盾を解説する変身シーンがあったはずなのじゃが、なんで書いてくれないんじゃ?」
うるせぇな、あんな難解極まりない変形を俺の表現力で書けるわけねぇだろ。
「変形ではなく変身じゃのに……まぁよい」
コホン、咳払いするウルフシャ(上半身は元のウルフシャなのに、下半身が万能機動パーツという状態)はビシッとポーズを決めて。
「再誕し相手に最適化されたうちはウルフシャジェットで空を飛び、ウルフシャドリルで地を進み、ウルフシャマリンで海をいく。そして何よりもぉ……」
ごくり、何故か溜めるウルフシャにウィンドゼファーも生唾を飲む。
「いまこの一瞬だけ、おぬしより、速いのじゃ!」
「な、何ですってー!?」
と、一瞬は驚くウィンドゼファーだが。
「まぁ動く前に潰せばいいだけですよね」
「とか言ってる間にドーン!!」
「ゴッフ!?」
流れに呑まれて一瞬止まったウィンドゼファーの腹に頭突きをかますウルフシャ。汚い、さすが古すぎるお菓子箱、汚い。
「最終的に勝てばいいのじゃ、勝てば」
それもそーね。あ、赤丸付けときますね。
「なんでじゃっ!?うちちゃんと勝ったじゃろ!?」
おめー開幕の一撃モロに食らってるだろうが。
成功
🔵🔵🔴
ランゼ・アルヴィン
ふむふむ……素顔は見えんが中々の美人と見た!
バイクの趣味も合いそうだしな
無限大の欲望とやらも興味があるが、どうにか素顔を拝みたいもんだなぁ……
まあいい、スピード勝負ってなら臨む所だ!俺様の操縦テクを見せつけてやるぜ
●対策
足場狙いなら話が早え、こっちから飛び降りてやるよ!
「うおおお!やっぱ危ねえ!」
オーラ防御をしつつ、激痛体勢でダメージを無視して次へつなげる
足場から飛び降りて一度仕切り直し、宇宙バイク【超・乱世号マークⅦ】を呼び出すぜ
●戦闘
ゴッドスピードライドでバイクを変形させて騎乗
バイクで相手を追いながら片手で剣を使って騎乗戦だ!
どっちが早いか試させてもらう
さあ、チョイと付き合ってもらうぜ?
ルドルフ・エルランゲン
※絡みアドリブどんと来い!
欲望があるなら心がある。正面から戦って勝てる相手じゃなくても心を攻めれば動揺する。戦意を奪わば如何な猛将とて恐るるに足らず也。
ハッタリかまして疑心暗鬼を招き、UCを相殺しつつ精神的に疲弊させるのが狙い
●詭道の計(WIZ)
随分と花びらを巻き上げましたね…こんな視界でフルフェイス被ってて、ちゃんと見えますか?、この花嵐、罠を隠すにはうってつけですよ?、ほら、わからないでしょう…?
そんな状態で高速回転モードになって大丈夫ですか?、肩のマフラーに花びら詰まってますよ?
タイヤにキズ入ってるじゃないですか、バーストしますよその車輪剣?
物理攻撃は味方に任せて敵の動きの掣肘のに注力
白鳥・深菜
普段やらない事?そうねえ……
まず、敵の暴風対策として
【白き空に舞う翼】を軸に
「相手の速い風、即ち空気の流れという【武器を受け】
蹴って【踏みつけ】て【ジャンプ】して」
素"速"く上に回避することでいなしていく。
そして私が上空にいるという事は、相手は下から追ってくる……
ここで重力を受けつつ落下し、
残った【白き空に舞う翼】の空中ジャンプを連続起動して下へ何度も跳び、
自然落下を越える加"速"を得る!
そして素早く追ってくる相手と【零距離】になった瞬間、
本命の【轟き下る蒼き御雷】を【射撃】する!
「貴女が最速なら、私はその『上』を行くまでよ」
……ああ、駄目。やっぱりいつも通りにしか戦えないのね。
「ふむふむ……素顔は見えんが中々の美人と見た!バイクの趣味も合いそうだしな」
親指と人差し指で顎を揉みながら、ランゼ・アルヴィン(乱世に轟く・f06228)はそんなことを口にする。これシリアスな空気だったらぶっ飛ばされてるところだぞお前?
「バイク趣味?私はバイクに乗っているわけではないんですけどね」
言うや否や、空間を引っぺがすように暴風の波が迫り、花畑を突風が吹き抜けるが如く、花の足場をとっ散らかしながらランゼを儚い花弁よろしく吹き散らさんとする!
「はっ!足場をどうこうするってんなら、こっちから飛び降りてやるよ!」
などと躊躇いもなく飛び降りるランゼ。華麗に下の足場に飛び移るのだが、まぁ、浮遊する足場なんかに飛び降りたらめっちゃ揺れる。ていうか、ランゼはよりによって足場の端っこに飛び降りて、そのまま花の足場がくーるりん☆
「うおおお!やっぱ危ねえ!」
華麗に着地するはずが綺麗に受け流されてしまったランゼはバランスを崩し、そのまま更に下の足場まで落下。気合で頭を起こし、足から着地するも想定外の事態に激痛は足から這い上がり、ビリビリと震えるランゼの体は数秒の硬直。
「ぐぉおお……」
ダメージこそなかったものの、身動きできないランゼの前へウィンドゼファーが降下。
「ではお別れです」
「タイヤにキズ入ってるじゃないですか、バーストしますよその車輪剣?」
しれっとランゼを囮にして、UCのターゲットから外れていたルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)。遠方からこそっとした雰囲気の大声で指摘すると、ウィンドゼファーがカチン。
「これは傷ではなく仕込み刃を扱う為のスリットで、デザインなんですよ!」
(しめた!)
怪人が振り返った隙に脚の痺れが抜けたランゼが一旦逃走。距離を取って指笛を鳴らせば、炎の意匠を取り入れたバイクが駆けつけ飛び乗った。
(欲望があるなら心がある。正面から戦って勝てる相手じゃなくても心を攻めれば動揺する。戦意を奪わば如何な猛将とて恐るるに足らず也)
この眼鏡性格悪そうだな……それはさておき、ルドルフはわざとらしく周りを見回して。
「随分と花びらを巻き上げましたね……こんな視界でフルフェイス被ってて、ちゃんと見えますか?この花嵐、罠を隠すにはうってつけですよ?ほら、わからないでしょう……?」
「あなた眼鏡の度があってないんじゃないですか……?」
巻き上げた花びらは足場の物で、散りはせども舞はせず、視界は良好。ルドルフのふざけた物言いにウィンドゼファーは不愉快そうに首を傾げるが。
「ほら、後ろ!」
「!」
突如爆音が響き、本当に何か仕込んだのかと振り返るウィンドゼファーだが、そこには何もなく。
「ふははははっ!よそ見してると置き去りにしちまうぜ!!」
「ガハッ!?」
真横から突っ込んできたランゼがすれ違いざまに袈裟斬りを残し、駆け抜けてUターン。
「どっちが早いか試してみないか?さあ、チョイと付き合ってもらうぜ?」
「この地形でバイクなんて……って浮いてる!?」
「俺の愛車、超・乱世号マークⅦに走れない場所はねぇ!!」
車輪部分が変形し、浮遊する機構を得たランゼの愛車はランダムな足場であるシステムフラワーズをものともせず、真っ直ぐウィンドゼファーに突っ込むも。
「その程度のスピードで私に勝てるとでも?」
むしろ怪人の方が突っ込んで、衝突寸前に車輪剣を振るう。咄嗟にランゼは赤い軸に黒い刃を備えた大剣を横倒しにして、面で受けると体をのけぞらせ、後方へ一撃をいなすとそのまま走り抜けた。
「あっぶねぇ……」
体を起こすと同時に反動を使ってハンドルを引き寄せて、素早く車体を横倒しにして急制動をかけながらアクセルを回し、空中でIターンを決めたランゼは口角を上げた。
「おもしれぇ。単純な速度じゃそっちが上かもしれねぇが、だったら俺様の操縦テクでやり合ってやんぜ!」
「何度やっても同じことですよ?」
真っ向から睨み合うランゼとウィンドゼファー。この戦局にルドルフは短く唸り。
「カードを切りますか……」
白い梟の扇を掲げたルドルフは息を吸って。
「両者!準備はよろしいですね!?」
「おうよ!」
「え、何、これ試合みたいな扱いなんですか?」
急に仕切りだしたルドルフにウィンドゼファーはつい振り向いてしまい、その陰をもう一羽の白梟が飛ぶ。
「まぁいいでしょう。あのバイクの速度はたかが知れていますし」
向き直り、暴風を纏うウィンドゼファー。その身を浮遊させる旋風は、怪人を空中に留まらせるだけの上昇気流を生み、巨大な鳥はその風を掴んで虚空を蹴る様に上へ、上へ……。
「位置について……」
ルドルフの声にランゼのバイクはエンジンをふかして唸りを上げて、ウィンドゼファーは乱気流を後方へ整える。その様を、白き猛禽は見下ろし獲物に狙いを定めた。
「……ああ、駄目。やっぱりいつも通りにしか戦えないのね」
睨み合う猟兵と怪人、その頭上に陣取った白鳥・深菜(知る人ぞ知るエレファン芸人・f04881)は小さく呟くと、跳躍をやめて重力に身を任せ、頭を下に落下しながら翼を畳む。
「よーい……」
ルドルフの掛け声に律儀に合わせるランゼとウィンドゼファー。睨み合い、視野が狭まった怪人目がけて、深菜は一足、虚空を蹴って加速。瞬く間に近づく彼我の距離。タイミングを見定めながら大気を蹴る、蹴る、蹴る。梟が狩をするが如く音もなく、猛禽が食らいつくが如く一瞬で、獲物の直上を取った深菜は掴みかかる様に翼を広げて体を反転、怪人の肩に飛びかかるとその首に脚を絡めて組み付いた!
「んなっ!?」
「貴女が最速なら、私はその『上』を行くまでよ」
バチィッ!紫電一閃とは言ったものだが、深菜のそれは蒼雷一陣。一瞬で駆け抜けた雷が直撃したウィンドゼファーは感電して硬直。
「雷なら、風より速いわよね?」
「そんでバイクは風を『斬って』走るモンなのさ!!」
動けぬ怪人を蹴り飛ばし、深菜が離脱。身動きできぬウィンドゼファーを、愛車を駆るランゼの一撃が斬り捨てた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ビスマス・テルマール
●チーム【オリュンポス】の皆と一緒に
●POW
ルベルさんの共通項に従い手持ちの技能を使用
わたしの担当は三段ロケットの先頭の弾頭役
○対策&切り離し後
仲間の軌道補正を受けつつ
早業で激痛耐性と火炎耐性を備え
オーラ防御を範囲攻撃で
自分の周囲を覆う様に展開
その時
属性攻撃(真空)も付与を忘れず
攻撃が来たら盾受けと覚悟で凌ぎ
隙を見てトリニティ・ナメローズマバアを早業で発動し
更に加速し迫る
○攻撃
属性攻撃(真空)とオーラ防御と誘導弾と範囲攻撃を込めたデコイ弾を一斉発射で撃ちつつ突撃
鎧無視攻撃と属性攻撃(真空)を込めた
シールドバッシュで体当たりの後
同構成の技能を込めた早業で
ゼファーを包丁で捌く様に素早く武装で攻撃
ルベル・ノウフィル
【オリュンポス】
共通項:
・早業所有者は技能を活かす
・オーラ防御所有者は必要なタイミングで被弾しそうな者に使用する
・オリュンポス三段ロケット戦法で速度勝負
1、謎のドクター製、弾頭セット済オリュンポスキャノンと共に転移
2、転移直後にオーキッドが点火し弾頭役のメンバーを発射、
オークティスが光の鎖で弾頭役の軌道補正
兎卯飛が敵を煽る
技能所有者は念動力やUCで加速補助
◆僕
早業オーラ防御で被ダメージが予想される者を守る
トンネル堀りで地中通路を作り活用する
UC:写夭
対象の攻撃を軽減する【狼】に変身しつつ、【触れれば敵にかかっているUC効果を解除する効果の尻尾】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
オーキッド・シュライン
【オリュンポス】・何でこう…変に空を飛びたがるお馬鹿さんが多いんでしょうか…。怪我をしてもわたくしは一切責任を取りませんからね!・UCで紅蘭の悪魔に変身。極小の爆発する蘭の花弁を砲身に詰めて射出の準備をしますわ・そして一気に起爆して射出しますわね。こう見えても空中戦には自信がありますわ。バッチリ飛ばして見せますわ。後は知りません!・射出した後は、やることないですし、ダッシュで追いかけましょう。足元に蘭の花弁を展開して爆破加速しつつ、背中の羽根で爆風を受けて超加速して空を飛びますわ。爆破は自分の炎だし、火炎耐性があるので無問題。速度が落ちて、落下しそうになった方をキャッチして怪力で再射出しますわ
ビッグ・サン
【オリュンポス】で参戦
「われらが秘密結社の力を見せつけるとしましょう」
少女が高らかと宣言し、右手を上にあげると死霊が集まり、もやもやとした塊ができる。
まあ、悠長にそんなことをしてたら、当然目にもとまらぬスピードで攻撃を受け、
「オリュンポス万歳」
と倒れます。
まあ、本体は人形に入ってますので、あとは死んだふりをしたままポルターガイストを操り、オリュンポス人間砲弾の弾頭となり発射された弾頭役を加速させます。
ゼファーが倒されたら
「いや~、皆さんさすがでしたね。この死体は私がもらっていきますよ」
ぬいぐるみから出て、フェアリーの姿でゼファーをアンデットにして損傷した少女の身体を運ばせて帰ります。
オークティス・ルーヴェルト
*【オリュンポス】ノ共同作戦ニ合流ネ
秘密結社ノ名ヲ知ラシメ、futureヲ奪還スル!ソレガ我ラガ使命デス!
善悪?光闇?属性なんてFuXXXXXK!
【POW】
転送前に【火炎体勢】ヲ持ツモフモフヲ準備シオリュンポスキャノンへ、サムズアップデ合図ヲ送リマス。オーキッドサンノ点火デ射出サレタラ、サイドヘ分岐シ弾頭役ノメンバーニ向ケテUC【Pl-Edge.Atk】ヲ発動デス。命中シタラ鎖ヲ【怪力】【第六感】【獣の直感】による制御で軌道補正を行いつつsupport!
後ノコトハDont more think!命中時に「Chaos With Break!」と叫んでキメデース。
ロースト・チキン
【オリュンポス】
ヒャッハー!!
さぁ、オレに続けー!
敵をこんがりと焼きビーフンにしてやるぜ!!
ひ、ひぃ!?
コケコケ…オレは悪いニワトリじゃないぜ?
見ろ!?このオレの餌を啄ばむ速さを!!
勢い勇んで即座に心が挫折したローストは、必死に手持ちのローストチキンを早業で啄ばんで命乞い
先制攻撃に対しては此処は機を伺うべきだと鶏的な【野生の勘】が告げ、鶏のフリをしながら【ジャンプ】や【ダッシュ】で回避し肉盾になりそうな方の陰に隠れます
もうこんな所にはいられねぇ!!
しかし、心が状況に耐えられずトチ狂ったニワトリは【我、世紀末ノ英霊ト成ル!】で召喚した人間魚雷に乗り込み逃亡を図るも照準は敵に向けられていたのです!
アルテミス・カリスト
【オリュンポス】
「速さ勝負ですか。
騎士である私では、恐らく貴女の速さには勝てないでしょう……」
ですが!
私には頼りになる仲間たちがいます!
……頼りになりますよね?
「この正義の騎士アルテミスの仲間を信じる力、ご覧に入れましょう!」
敵の初撃は大剣による武器受けで受け流しつつ、オーラ防御でダメージを抑えます。
「騎士として、その程度の攻撃には屈しません!」
気合いで痛みを抑え込んだら、【騎士剣術】で大きく大剣を振りかぶります。
ええ、間合いの外を高速で動かれたら私では対象できません。
ですが!
味方を大剣の腹を使ったフルスイングで高速射出します!
「これこそオリュンポスのチームプレーです!」
アドレス歓迎
アリス・セカンドカラー
【オリュンポス】
ごにゃーぽ、ごずなり様と協力して空間を捲ってコマワープ移動回避を試みるわ。移動位置はゼファー初期位置の後ろ辺りで。具体的なプロセスを書くと、念動力の空間属性攻撃で空間をハッキングし鍵開けで封印を解く、そしてトンネル掘りで空間に穴を開け亜空間を移動って感じかしら?
さて、オリュンポスキャノン(猟兵大砲)はおそらく回避されるでしょう、なのでカートゥーンの法則で理屈を無視したコマワープ移動で外れた弾丸(猟兵)をゼファーの目の前に転移させてごっつんこさせるわー。ごずなり様のヤラカシで蒼汁粒子が満ちてるから出来る荒業よね。
あ、ごずなり様のヤラカシはカートゥーンの法則で戦闘後なかったことに
遠藤・兎卯飛
オリュンポス
ロケットに加速追撃
早業で腱鞘炎も恐れぬコマンドクイックドロウ入力
デモライザーで発射された
ロケットの足元にスナイパー
バトルキャラ天狗の面と橙道着の親子を召喚し親子お覇ロー翔吼で後押し
回避はバトキャラで白い格闘家を召喚し
無敵判定がある天翔龍の拳で逸らす
突然のスライディングで視界から消える動き
間合いを読み
クイックドロウでバトキャラ召喚
あなたの投げキャラは吸引力が落ちていませんか?
ゲージを溜めてもその場凌ぎ
すぐ吸引力が落ちてしまいます
しかし革新的に進化したDAIMONは違います
あなたは吸引力を気にする必要がありません
DAIMON
吸引力の変わらないただ一つの格闘家
で投げからの皆にコンボパス
蒼汁権現・ごずなり様
【オリュンポス】
空間属性攻撃、ハッキング、封印を解く、世界知識、早業、ジャンプの技能を駆使してコマワープ空間ジャンプで回避ぞな。我が神とてユベコ無しでは1人では無理故、アリスと信者ごにゃーぽに協力してもらうよ、便乗するとも言うw
スピード勝負ね、ピンスラ蒼汁ちゃんの繁殖力、で?ん?……あ!
栗饅頭問題をご存知かの?いや、この前薔薇(オブビリオン)漬けたじゃん?その後向日葵(オブビリオン)も漬けたのね?
結果繁殖力が涅槃寂静(1フェムト秒)毎に倍々に増えてくことにナッタヨ、ぶっちゃけ今この空間蒼汁粒子が支配する蒼汁時空になってるww
とりま、ゼファーに不定に狂気に陥ってもらうとして、どうしよっか?これ。
蒼汁之人・ごにゃーぽさん
【オリュンポス】
アリス、ごずなり様と協力してコマ捲りワープ移動回避を試みるよ。空間属性攻撃念動力、地形の利用、早業、ジャンプでの空間ジャンプだね。
さてさて、トップスピードでは到底敵わないだろう。完成させた強化外骨格があれば別だが、あれ他社PBWのやつだからこっちに持ち出せないのよな。
だがしかし、だがしかしだ、風の本質はそれじゃあない。時に凪ぎ時に吹き荒れる変幻自在の奔放な疾さこそが風の本質さ。
ボクは風、変幻自在の風(ボク)の蹴り技コンボを見切れるかな?とか言いつつフェイントの空間ジャンプで背中に着地して神風特攻だよ☆さあさあさあ、不可説不可説転の彼方まで付き合ってもらおうか
マスター・カオス
【オリュンポス】
フハハハ…我が名は、グランドフォースに導かれし、世界征服を企む秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオス!
おっと、仮面がズレた
仮面の位置を着け直しただけだが、何故か残像を残しながら早業で仮面の位置を直すという速さを見せつける
先制攻撃対処にフォースシールドでの盾受けと合わせ敵のUCの能力に影響を与えている誰よりも速くなりたいという欲望に対し「手の早い女幹部か…」と意味深げに呟きメンタル面で何気にカウンタ―攻めもし、敵味方に対し言いくるめます
さぁ、反撃といこうか!
味方の攻撃射線に入っていたことに気づき慌てて【法螺吹キハ全知全能】を発動。動けないところを弾(物理)になりましたとさ
「くっ、こんなにも早く復活するだなんて……!」
「なんと!あのお方が新手のウィンドゼファー様ですかな!?」
「新手のっておっしゃいますけど、復活してるだけで実質同一人物ですわよ?」
「その辺りは関係ありませんよ。われらが秘密結社の力を見せつけるとしましょう」
「秘密結社ノ名ヲ知ラシメ、futureヲ奪還スル!ソレガ我ラガ使命デス!」
「ヒャッハー!!さぁ、オレに続けー!」
「速さ勝負ですか。騎士である私では、恐らく貴女の速さには勝てないでしょう……ですが!私には頼りになる仲間たちがいます!……頼りになりますよね?」
「ごにゃーぽ、まさか神様自らがご降臨なさるとは……」
「え、あれ神様なの?どうみても目にしてはいけない系の邪神にしか見えないよ?それとも最近のトレンドについていけないオッサンの方がおかしいの?」
「そんな君は蒼汁を飲むといい。蒼汁は常に世界の最先端を……」
「はてさて、異次元で完成させた強化外骨格があればよかったんだが、ない物ねだりしても仕方ないか」
「フハハハ……我が名は、グランドフォースに導かれし、世界征服を企む秘密結社オリュンポスが大幹部、マスター・カオ」
「多いッ!!」
まだ最後の一人が名乗り終わってないのに、ウィンドゼファーがツッコミたくなるくらいには人数が多かった。気持ちは分かるけど、せめて名乗りくらいは聞いて上げて欲しかったな……。
「私の名乗りに食い込んでくるとは、随分と気の早い……いや、行き遅れて焦っているのか?」
「誰が行き遅れですか!」
「おっと、仮面がズレた」
マスター・カオス(秘密結社オリュンポスの大幹部・f00535)は出鼻をくじかれずっこけて、その際にズレた仮面を……って、その仮面ずれるんだ!?てっきり本体かと……。
「いやまぁ、本体と言えば本体なのだが……」
などと話してる間に、文字通り目にも留まらぬ速さで仮面の位置を正すマスターカオス。手ぶれめいた微かな残像を残す程の手早さに、ウィンドゼファーは片眉(ヘルメットで見えない?この辺は雰囲気だよ!)を上げた。
「随分と神経質なんですね?」
「私の手が見えるのか?と言う事は……」
フッ、マスターカオスは鼻で笑う。
「手の早い女幹部か……」
「誤解を招きそうな言い方しないでくださいよ!?何より私は手の『早い』怪人ではなく、手が物理的に『速い』んですからね!?」
さっすがマスターカオス!敵を煽ってヘイトを稼ぎ、自ら犠牲になりにいくなんて!
「えっ」
マスターカオスは仮面を残してバラバラになるかもしれないけど……皆君の事を忘れない!
「ま、待て、私にもきちんと作戦が……」
さらば、マスターカオス。君の勇姿はオリュンポスの墓標に刻むとしよう。
(な、なにー!?)
既に暴風を纏い、殺してでも抹殺すると言わんばかりのネーミングパターンに恥じない雰囲気を醸し出すウィンドゼファー。見た目は堂々としてるのに、内心ガクガクブルブルなマスターカオス。もはやこれまで……と、思いきや。
「どれだけ速いか知らないが、そんなにタメてて大丈夫?オッサンたちの世界はワンフレームで動いてるのよ?」
次の瞬間にはマスターカオスの首をぶっこ抜こうとした怪人に、遠藤・兎卯飛(ロマン逃避行中年・f16420)が召喚した白い道着の格闘家による、アッパーカットが命中。どう見ても格闘家の方が先に攻撃を食らっているのだが、元となったゲームの仕様なのか、ダメージはないらしい。
「まぁ、オッサンはノーガードなんですけどね!」
刹那の壁にしかならぬ格闘家を残し、兎卯飛は下の足場に飛び移るとスライディング。怪人の背後に滑り込んだ。
「おぶっ!?」
「お?なんか踏んだぞな?」
これは酷い……アリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)が世界の物理法則を無視して本の頁をめくる様に、空間と空間の距離を『なかった事』にして怪人の背後を取ったのだが、お前らさてはこの辺りの打ちあわせしてないな?
「まさか衝突するなんて思わなかったから、仕方ないわね」
「そんな事どうでもいいからさ、あんまり女の子にこういう事言いたくないんだけど、重いものは重いから退いてくれないかな?オッサン潰れちゃうよ?腰やっちゃって貴重な有給を消費することになるよ?」
まぁ、そうよね。怪人の下を滑りこみ、背後に回って新手の格ゲーキャラを呼び出そうとする兎卯飛と、コミカルなワープで背後に跳んだアリスと蒼汁権現・ごずなり様(這い寄るごにゃーぽ神・f17211)、あーんど蒼汁之人・ごにゃーぽさん(偏在する混沌の媒介・f10447)。小柄な少女三人……ていうか主にごずなり様のせいで兎卯飛の腰はガードブレイク寸前。オッサンは震えつつ、コマンド入力に備え、間合いを見計らっていると。
「栗饅頭問題をご存知かの?」
ごずなり様、いきなりどうした?
「この前薔薇のオブビリオン漬けたじゃん?その後向日葵のオブリビオンも漬けたのね?結果繁殖力が涅槃寂静(一フェムト秒)毎に倍々に増えてくことにナッタヨ」
つ、つまりどういうことだってばね?
「蓋を開けた瞬間、この空間は蒼汁粒子が支配する蒼汁時空に……!」
ごずなり様は巨大な瓶に収まった、実験生物めいた姿の邪神的なサムシング。その瓶の蓋が今、高速回転して中の蒼汁(蛍光ピンク)が解放され、ダパァ!!
「……まぁ、そうなるわよね」
蒼汁の噴水と化したごずなり様に、アリスはうわぁ……て顔をしつつ、下に居た兎卯飛に合掌。しかたないね、蒼汁に呑まれたら助からないもの。
「んー?この増殖率ならこの辺り一帯蒼汁で埋め尽くせそうなものだが……」
皆忘れてるけど、この戦場って天体を真っ二つにカチ割ったど真ん中、つまり実質宇宙よ?どんなに蒼汁が増えた所で満たされる事はない。
「いやいや、だから栗饅頭問題に知られるように……」
おい馬鹿やめろ、宇宙膨張率の話とか質量の過剰増加による宇宙収縮説とか付き合いきれないから!
「やっべ、なんだか知らんがオッサン、今なら何でもできる気がする」
兎卯飛!?どうした!蒼汁浴び過ぎてついに頭がイカレたのか!?
「蒼汁は健康飲料!恐くないぞよ!!」
ごずなり様、ちょっと引っ込んでて!フルフェイスで顔見えないけど、兎卯飛絶対目の焦点あってないよコレ!!
「あなたの投げキャラは吸引力が落ちていませんか?」
ほらなんか変な事言いだした!!
「ゲージを溜めてもその場凌ぎ、すぐ吸引力が落ちてしまいます」
ていうか口調まで変わってるんだけど、これ本当に大丈夫?あのウィンドゼファーさんですら、毒物の試験に使われる鼠を見るような雰囲気でこっち見てるよ?
「もーまんたーい、体『は』元気千倍オリュンポスウォリアーになるから!」
「心が粉砕されてたら、ギャグ補正で何とかしておくわ……」
なんでだろう、ごずなり様に振り回されて、普段は一番トチ狂った行動とるアリスがストッパーって言うか常識人に見えてくる……俺疲れてるのかな?
「しかし革新的に進化したDAIMONは違います。あなたは吸引力を気にする必要がありません」
「しまっ……」
頭のネジが吹っ飛んだ茶番を見せられ、呆然としていたウィンドゼファーだが、兎卯飛の明日は腱鞘炎通り越して筋肉痛確定の、アホみたいなコマンド入力スピードを前に我に帰るが、もう遅い。
「DAIMON。吸引力の変わらないただ一つの格闘家……」
呼び出されたのは下駄履いた格闘家。咄嗟に飛び上がろうとした怪人を腕の薙ぎ払いで撃墜するなり続けざまに腹目がけてジャブを二発。キラン、眼光を光らせ胸倉を掴むと股の内側から脛を蹴り飛ばすようにして、投げる!通常、投げ技は相手を遠心力と共にその相手自身の体重をもって仕留める、場合によっては一撃必殺クラスの大技にもなる為、文字通り投げ飛ばす物なのだが、この格闘家は……離さない。
そのまま左右に幾度となく投げ、叩き付け、最後に盛大に投げ飛ばすと落下して地面に叩き付けられた瞬間、両拳を花の足場に叩き付けて衝撃を飛ばし、更に怪人を吹っ飛ばすという暴挙。
「時に凪ぎ、時に吹き荒れる。変幻自在の奔放な疾さこそが風の本質さ」
吹っ飛んだ怪人に向かってごにゃーぽさんが飛来、その背に張りつくと。
「さあさあさあ、不可説不可説転の彼方まで付き合ってもらおうか」
脚に風を纏わせて、空中回転蹴りを放ったかと思えば続けざまに体を伸ばしたまま前転し、前転と跳躍を繰り返して追従すると最後の一歩で風を足場に空を蹴り、ムーンサルトで更に上へ。
「さぁ皆、後は任せたよ☆」
……お気づき頂けただろうか?転送された猟兵は総勢十二名。今まで動いてきたのは五名。残り七人何してたのって話になるのだが。
「砲台固定完了、燃料充填……いつでも行けます!」
ビッグ・サン(永遠を求める研究者・f06449)は幼女と少年とオッサン、三つの『器』を同時に操作して巨大な固定砲台を組み立て上げていた。
「いやー、このまま転送したら瓦解するって聞いた時は焦りましたが……何とか完成しましたね」
多分どっかの白衣仮面なドクターが作ったのであろう決戦用固定砲台、オリュンポスキャノン。移動先がまともな地上ならまだしも、システムフラワーズのような不安定な場所では、転移と同時にどこかへ落下する可能性があった。
「まったく、私が一人四役こなせなかったら組み立てにも苦労してましたよ?」
「こいつで敵をこんがりと焼きビーフンにしてやるぜ!!」
「……ほう?」
調子づいたロースト・チキン(チキン野郎・f03598)の叫びのせいで、ウィンドゼファーが気づき、照準用のレーザーポインターを当てながらスコープを覗いていたローストと目が合う。
「ひ、ひぃ!?コケコケ……オレは悪いニワトリじゃないぜ?」
「そうですか、では善良な鶏らしく風見鶏になって頂きましょう……!」
体勢を立て直し、暴風を纏う怪人にローストは両翼を広げて一瞬だけ空を飛んだ。
「もうこんな所にはいられねぇ!!俺はオリュンポスに帰らせてもらう!!」
「何でこう……変に空を飛びたがるお馬鹿さんが多いんでしょうか……怪我をしてもわたくしは一切責任を取りませんからね!」
ローストが召喚した搭乗式対艦魚雷に乗り込み逃走を図る傍ら、オーキッド・シュライン(絢爛なる豪火・f15793)はため息を溢して目蓋を降ろす。呆れかえった様子でゆっくり目を開くと、その瞳は真紅。赤熱したような視線に釣られて、蛹を突き破るようにオーキッドの背から赤いアゲハチョウの翅が広がり、鱗粉代わりに真っ赤な蘭の花を散らした。
「皆さま、準備はよろしいですわね!?」
特殊な三段式弾頭に搭乗した猟兵達に声をかけ、オーキッドは蘭の花弁を砲塔後部に集中。
「さぁ、反撃と行こうか……オリュンポスキャノン、発射!!」
マスターカオスの号砲にオーキッドが点火。砲身の半分を爆散させて超大型弾頭が放たれるのだが……ここで悲劇が起こった。自壊を前提にして威力をとことん突き詰めたこの砲塔。崩壊すればもちろん砲身も位置がずれ、狙いが狂う。そして……。
「ぬぉおおおおお!?」
転移したものの具体的にやる事なくて突っ立ってた……もとい、最前線で指揮を執っていたマスターカオスの背中に命中、咄嗟に自身をフォースで包み、爆死を回避した彼をひっかけてあらぬ方向へと飛んでいく……。
「この正義の騎士アルテミスの仲間を信じる力、ご覧に入れましょう!」
アルテミス・カリスト(正義の騎士・f02293)は大剣の柄を握り刃の腹に手を添えて、斜に構える。飛び道具を持たない彼女が何故動かずにこんな構えをとるのかというと。
「この緊急事態を見越していたんですね、ローストさん!」
「ちょ、そこを退けー!?」
戦場から逃げ出したローストが、実は非常事態に備えていたのだと信じて疑わないアルテミス。突っ込んでくる魚雷に対し真正面から刃を構えつつもスタンスは片脚を引き、角度をつけて狙うはオリュンポスキャノン、その砲弾。
「これこそオリュンポスのチームプレーです!」
「おい馬鹿やめ……コケーッ!?」
ガッ……キィイイイイン……ッ!金属のぶつかり合う甲高くも鈍い音を響かせ、受けた瞬間に引いた脚の屈伸と肩関節で衝撃を殺し、斜に構えた大剣を振り回すようにして弾頭を百八十度反転。オリュンポスキャノンに向けて突っ込ませる!
「おっと、このままだと自爆して終わりですね」
ビッグが念動を飛ばし、ほんのわずかだがオリュンポスキャノンの軌道を修正。弾頭に限った話ではないが、空間を駆ける物にとってベクトルは非常に重要であり、数ミリ変わっただけで結末が全く違う物になる事も少なくない。
「ハッ!今すぐこの魚雷から逃げ出せばさっきの眼鏡が拾ってくれるかもしれな……開かない!?」
取りあえずこの場から逃げればグリモア猟兵に帰還させてもらえると思ったロースト。しかし、先ほどのアルテミスの打撃【軌道修正】による衝撃で表面が変形、ハッチが開かなくなっており。
「俺……来世はドロール・チキンって名乗るんだ……」
分かる人にしか分からなそうな遺言を残し、ローストは花の足場に衝突、爆散。その爆風に乗って三段式砲弾は怪人へ舵を切った。
「おのれ……!」
「お二人とも、どうかご武運を……!」
着弾前に破壊を狙うウィンドゼファーだが、砲弾の第三パーツが切除され、中からルベル・ノウフィル(星守の杖・f05873)が飛び出すと双眸を怪しく揺らして。
「回転するのは、何も車輪だけとは限らないのですよ!!」
「かっこつけてる暇があったら受け身くらいとってくださいまし!?」
ジッと怪人を見つめて落下するルベルを鱗粉の小爆発で高速移動し、追従していたオーキッドが受けとめると、少年は白狼に姿を変えた。首裏を掴んだオーキッドは思いっきり振りかぶりつつ、ルベルへ紅蘭を収束。
「あの、オーキッド殿?事前に聞いてたより花が多いような気が……」
「いってらっしゃいましッ!!」
「きゃぅううううん!?」
ブン投げ、オーキッドの手から離れる瞬間に大爆発。爆炎を吹き散らし、飛び出したのは車輪の如く『縦に』高速回転する黒狼。さっきと色が違う?察してやれよ、それはルベルの勲章だ。
「邪魔です!」
「きゃいんっ!?」
されど、車輪剣に斬り捨てられたルベルは鮮血を散らし、花の足場へと落ちていく……だが、彼はわんこ系狼であって、負け犬ではない。
「風穴は……開きましたぞ……」
「なん……!?」
小さく言い残してルベルが力尽き、ウィンドゼファーの纏う暴風が急に弱体化した。ガクンと体勢を崩した怪人が速度を失い、落下制御に集中している隙に三段式砲弾、その第二パーツが切除。
「絶対、外シマセンヨ!」
オークティス・ルーヴェルト(仮)もふみの求道者✨️・f06321)はパージされたパーツが拡散する前から青い数珠を伸ばし、未だ飛翔する弾頭にぶつけると発破。加速と同時に数珠は眩いばかりの光の鎖に姿を変えて。
「Chaos With Break!」
花の足場に着地するなり、巨大なハンマーの如くぶん回して軌道を力づくで変更。そのままだとウィンドゼファーとの直撃コースから外れるのだが。
「ランデブーポイントマデ、オトドケシマース!」
閃光の鎖を手に巻いて、そのまま大きく弧を描くオークティス。無茶な軌道でマスターカオスが死んだ?大丈夫、あの人いつもそんな扱いだから。
「ラストアタックノ時間デース!!」
一周して更なる加速を得た最後の砲弾がついにパージ。装甲を突き破って姿を現したのはビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)であり、散らばったパーツの内側に仕込まれた彼女の武装が吸い付くようにして、装着されながらその身を押し出す。マスターカオス?パーツと一緒に下の足場に落下してたよ。
『Namerou Hearts……』
「今こそ、決着の時です!」
『Tuna!』
マグロの鎧に身を包み、ビスマスの手に回遊魚の剣が握られる。
『Banana!』
バナナのドレスアーマーを身に纏い、送り出されるように加速して。
『Avocado!』
アボカドの脚甲を装備するなり脚部ブースターに点火。瞬く間に彼我の距離を詰め、なめろう大剣の腹で突き飛ばし体勢を崩すと得物を振りかざす。
「南国の海の味に沈んでください……アロハナメローズ……」
咄嗟に暴風を纏おうとするウィンドゼファーだが、この状況では……まな板の魚を前にしたような構図のビスマスには、遅い。
「ストライク!!」
「ゴフッ……!」
それでも、ほぼ同時。直撃こそしたが、息は繋いだウィンドゼファーは落下しながらも車輪剣を構え直す。
「まだです……私の欲望は……この程度では……!」
ドスッ。
「……え?」
真っ赤な飛沫を上げて、己の胸を貫いた黒い手甲を見やるウィンドゼファー。己が身を貫かれたのだと理解した途端、激痛が迸る。
「速さへの欲望に囚われた愚かな女よ、ゆっくりと眠るがいい」
マスターカオスがその腕を引き抜くと、怪人はそよ風に攫われるように消えていった。
「さすがはマスターカオス!怪人を仕留めましたね!!」
「なるほど……弾頭に飛び乗ったのはこの時の為でしたか……」
「フハハ!全ては我が手の上の些事に過ぎぬ……」
アルテミスにキラキラした目を向けられて、降りてきたビスマスに唸られてしまい高笑いしかできないマスターカオス。その本音をどうぞ。
(まさか、助けを呼ぼうと思って手を伸ばしたら、そこに怪人が落ちてきたとは絶対に言えないな……)
大成功
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