バトルオブフラワーズ⑪〜花散らす西風
●第三の関門
「モンキーに続きバニーまでとは、驚きました」
システム・フラワーズ内部。
スピード怪人『ウインドゼファー』は、戦況を把握すると車輪剣を握る手にわずかに力を込めた。
「良いでしょう。ならば、私も油断せずに臨むまでです」
自分のユーベルコードは『風を操るユーベルコード』。時間稼ぎならば、決してあの2人にひけを取らないという自信はある。
門番としての自負を胸に、ウインドゼファーは花咲く戦場で猟兵達を待ち受けるのだった。
●風を超えろ
「みんな、連戦お疲れ様! おかげで次の幹部の居場所へのルートが開けたよ」
フォンミィ・ナカムラ(スーパー小学生・f04428)が、集まった猟兵たちへ向けて作戦の概要を説明する。
「次の敵は『スピード怪人ウインドゼファー』。怪人三幹部の最後のひとりだよ」
つまり、彼女を倒せばドン・フリーダムへの道が拓かれる、ということである。
「敵は風を操るユーベルコードを使ってくるよ。エイプモンキーやラビットバニーみたいな特殊な技はないみたいだけど、そのぶんとにかく純粋に強いんだよ。しかも、すごーく素早いから必ず先制攻撃を仕掛けてくるの!」
ウインドゼファーは猟兵たちのユーベルコードの属性に対応する先制攻撃を、猟兵たちより先に必ず仕掛けてくる。防御や回避のユーベルコードよりも早く、である。
「敵のユーベルコードをまともに受けたら一発で戦闘不能になっちゃうよ。ちゃんと対抗策を立てて、避けたり身を守る作戦を立てることが重要!」
荒れ狂う暴風と一体化し戦闘力を増す技。
近寄る者を足場ごと無差別に襲う技。
両手の車輪剣を高速回転させ斬りつける技。
どれも強力で、無対策の猟兵ならば食らえばひとたまりもないだろう。
「先制攻撃さえなんとかしちゃえば、後はシンプルな戦闘になるよ。すごい強敵だけど……みんななら絶対勝てるって、信じてるからね」
そう強く告げると、フォンミィは猟兵たちを戦場へと送り出すのだった。
椿初兎
椿初兎です。
よろしくお願いします。
●先制攻撃ルールについて
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
●オーバーキル分について
戦場の戦力「40」をゼロにする=⑪の成功本数が全体で40以上になれば、制圧成功です。
が、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。
この依頼が完結する前に戦場が制圧されてしまっても、皆様のご活躍は無駄にはなりませんので安心してご参加ください。
プレイングお待ちしております!
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
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POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
高柳・源三郎
まず、たぬきの着ぐるみを身に纏い戦場に現れる。
相手が風で攻撃してくるなら戦場に花びらが舞うはず。
花びらで視界が悪くなったら技能【早着替え】で着ぐるみを脱いで【たぬき人形たろう】と【はな】を着ぐるみの中に忍ばせてわしは隠れる。
操り糸に神経を集中して敵の攻撃が着ぐるみに当たった瞬間にUC【荒れ狂う「はな」びら】を使い2体のたぬき人形と着ぐるみを【たぬき人形はな】の花飾りの花びらに変えて戦場に舞う花びらに紛れ込ませる。
敵の攻撃でわしが四散したと思わせると同時に、UCの花びらが戦場にに舞う花びらと見分けがつかず相手はこの後素早く動けないはずじゃ。
後は動きを封じつつUCの花びらで攻撃するんじゃ。
●
高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)は、たぬきの着ぐるみに身を包んでウインドゼファーの前に立った。
(相手が風で攻撃してくるなら戦場に花びらが舞うはずじゃ)
そう考えた源三郎は、じっと佇み様子を見ながら敵の出方を伺う。
「どんな策を練っていようが……私の風の前では無力!」
相手より先に斬ってしまえばよいとばかりに、目にも止まらぬ速さでウインドゼファーが源三郎へと駆けた。
車輪剣に竜巻を纏わせ、まずは胴体へ横薙ぎの一閃。
「ぐぉっ!?」
着ぐるみの毛皮から血が吹き出し、源三郎が大きくよろめく。
反撃など許さぬとばかりの早業で、ウインドゼファーは着ぐるみの首を素早く切断した。
だが。
「なにっ!?」
断面から溢れ出したのは鮮血ではなく、真っ白い綿。
ほんの一瞬の隙を逃さず、源三郎は着ぐるみの中身をたぬき人形の『たろう』と『はな』にすり替えていたのだ。
「うぅ……たろう、はな、すまんのう……帰ったら綺麗に繕ってやるからの」
痛む腹を押さえながら源三郎が操り糸を引くと、綿は無数の花びらとなった。
「貴様、いつの間に!?」
襲い掛かる花びらを吹き飛ばすように風を操るウインドゼファー。
だが全ての花びらを防ぎきることは叶わず、鋼の装甲に細かな傷が刻まれていった。
「ふぅ……どうやらここが退き時のようじゃ。後は仲間に託そうかの」
致命傷に至らなくても、多少はウインドゼファーの動きを鈍らせることはできただろう。
くいっと操り糸を引っ張りたぬき人形を回収すると、源三郎は後続の仲間と入れ替わるように安全地帯へと退くのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
九尾・へとろ
怪人幹部三人衆が一人、ウィンドゼファー様とお見受けする。
ウチは九尾へとろ。
舞い彩りし武舞の姫。
いざ尋常に!
足場をバラバラにされるのはちと困る。
じゃがウチの持つ『暗殺』の目、そして舞い踊る『アート』の才覚を持って、バラバラになる足場でも軽やかに、足場から足場へと身を運ぶ。
異能の力で中空に色を描き、暴風の軌道を見極めようかの。
そしてウチの舞の『魅力』でもって、その目を奪ってやろう。
ひょひょ、美しかろう。
じゃが貴様の見ているその色はのう、いわゆる一つのあたりという奴よ。
色の軌跡に目を奪われておる隙に『暗殺』に特化したウチの【オトギリソウ】にて、首級を頂戴しようかの。
なに、お代のようなものじゃよ。
●
「怪人幹部三人衆が一人、ウィンドゼファー様とお見受けする」
花の舞台へひらりと躍り出た九尾・へとろ(武舞の姫・f14870)は、ウインドゼファーを前に正面切って名乗りを上げた。
「ウチは九尾へとろ。舞い彩りし武舞の姫。いざ尋常に!」
「ほう、次から次へと。いいでしょう、私の風を味わいなさい!」
瞬間、花畑が嵐に呑まれ、戦いの火蓋は切って落とされた。
「誰よりも烈しく、私は疾風になるッ!」
ウインドゼファーが叫ぶと爆発するように暴風が広がり、足場が荒れ狂う花吹雪と化した。
「足場をバラバラにされるのはちと困るが」
軽やかなステップを踏むように、へとろは散り散りの足場をひらひらと飛び移る。
空中を舞い踊りながら異能の力を発動。空間に鮮やかな色彩を描き出した。
「貴様、何のつもりだ!」
「ひょひょ、美しかろう」
極彩色が暴風に流され削られ、吹き荒れる嵐の輪郭を描き出す。
その色の氾濫に、ウインドゼファーが目を奪われた刹那。
「じゃが貴様の見ているその色はのう、いわゆる一つのあたりという奴よ」
鮮烈なまでに華麗なへとろの掌が、爪先が、ウインドゼファーの身体をとらえた。
「ぐぅっ……!」
「ひょひょひょ、ウチの虜になったかえ?」
荒れ狂う暴風をこともなげに回避しながら、へとろは美しき武舞を繰り出し続ける。
万華鏡のように流れ広がる色彩に彩られ、風の軌道は既に丸裸になっていたのだ。
「さて、首級を頂戴しようかの」
へとろの掌底が、ウインドゼファーの首元へ迫った。
成功
🔵🔵🔴
クネウス・ウィギンシティ
【全世界サイボーグ連盟】で参加
アドリブ&絡み歓迎
「如何に強力でも、動きが止まれば……」
事前準備:敵から距離を取る(約80m) 【POW】敵を遠距離から狙撃する
●先制攻撃対策
POW→仲間がなんとかしてくれるはず、SPD・WIZ→距離を約80m取る
●攻撃
「荒れ狂う暴風を纏おうが、音速を超えた荷電粒子砲の一撃を防げますかね」
光学【迷彩】で潜伏しつつバスティオンさん(f06298)が敵の動きを封じたタイミングで【スナイパー】として荷電粒子砲の【援護射撃】を叩き込みます。
(To:修羅雪姫)「良いアイデアかと」
(To:バスティオン)「そのまま拘束して下さいね」
リズ・ルシーズ
【全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ歓迎
【SPD】
敢えて暴風域に入る理由はないよね?
【敵SPDUC】の効果範囲を警戒して、距離を取りながら戦うよ。距離を詰められそうになったら高分子ワイヤーを逆方向に射出して、【ロープワーク】でワイヤーを引き戻しつつ、反重力装置と【空中戦】で一気に距離を取るつもり。少しぐらいのダメージなら、気にせず距離をるつもりだよ
こっちは1人じゃないからね、回復行くよ!
敵の攻撃の合間に壊された地面と傷ついた皆を【リジェネレイト】で高速再生させる
攻撃の基本は【スナイパー】として擬似刻印の光【属性攻撃】のレーザーで戦うよ。皆が動きやすいように【援護射撃】で【時間稼ぎ】だね
河原崎・修羅雪姫
【全世界サイボーグ連盟】の皆と参加(アドリブ・絡み歓迎)
●目的
『ウインドゼファー』の撃破
スピードがご自慢の怪人さんねぇ。
攻撃の先手を取られるなら、こちらはあらかじめ小細工をさせてもらうわ。
内蔵ロケットワイヤーアンカーを、
自分達の周囲に蜘蛛の巣のように張り巡らせる。(罠使い8)
「首切りワイヤーって知ってるぅ?」
大戦中に使われたワイヤートラップで、
猛スピードで突進してきた者に致命の一撃を与える罠よぉ。
ウインドゼファーが一瞬でも突入に怯めば。
あるいはワイヤーを切るのに時間を掛ければ。
その『一瞬』に私たち全サ連の猛火力が降り注ぐってわけ。
「皆、今よ!」
愛用の巨銃フリークスハンターで一気に猛攻撃よぉ!
草野・千秋
【全世界サイボーグ連盟】の皆さんと
アドリブ等歓迎
【POW】
なんて攻撃手段なんだ
特にその武器、すごく凶悪ですね
だがそれも終わりだ、ウインドゼファー
戦闘前にUCで防御力をアップさせておきます
僕は信じてくれた者のため、仲間のため……!
敵の先制UCには警戒
特にSPDのものには注意しつつ
距離を取ります
盾受けを使用してダメージ軽減を試みる
先制攻撃、耐えてみせますとも!
距離が詰められそうなら
ワイヤーフックでひっかけて接近
こちらには数があります!それに団結力も!
攻撃は2回攻撃と怪力を駆使 武器改造による炎の属性攻撃も付与しておく
バスティオン・ヴェクターライン
【全世界サイボーグ連盟】で参加、アドリブ&絡み歓迎「物騒な獲物持ってるねぇ…それ、使えなくしておくよ」
【WIS】
先制UCを【戦闘知識】である程度先読み、【武器受け(剣)】と【盾受け(右義腕)】で防ぐよ。そこでUCを発動、俺に撃ってきたWIZのUCを封印して皆が戦いやすい環境を作るよ。
あとは味方の前に立って敵の攻撃を防ぐつもりさ。俺を無視して味方を攻撃しようって事なら…おじさん自慢の【恐怖を与える】の技能で相手に鬼気をぶつけて怯ませる。
戦いの中で敵に隙が出来たら【激痛耐性】で無理してでも距離を詰めて【グラップル】【時間稼ぎ】で掴んで動きを止める。味方が大技を撃つ隙が作れれば勝機が生まれる筈だよ。
●
「へぇ、スピードがご自慢の怪人さんねぇ」
艶やかな黒髪を風に躍らせながら、河原崎・修羅雪姫(プリンセス・スノーブラッド・f00298)は視界に留めたウインドゼファーの様子を観察する。
彼女が率いる【全世界サイボーグ連盟】は「団結」をモットーとし緻密な連携作戦を得意とするチームである。
「さぁ、作戦開始よ」
彼女がそう合図すると、団員たちは作戦通りそれぞれの持ち場へ散開した。
「先制攻撃、耐えてみせますとも!」
「遅い遅い! その一瞬が命取りですよ!」
正義の力に身を包み身体強化を図ろうとした草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)めがけて、超速の疾風となったウインドゼファーが迫る。
回転する車輪剣が千秋をバラバラにすべく襲い掛かる寸前、閃く一塊の鋼が二人の間へ割って入った。
「物騒な獲物持ってるねぇ……」
バスティオン・ヴェクターライン(戦場の錆色城塞・f06298)が、車輪剣を大型の長剣で受け止めていたのだ。
「千秋君、今のうちに強化を」
「はいっ!」
頑丈な装甲の役割を与えられた長剣と激しく回る車輪剣がせめぎ合い、両者の間に火花が散る。
「それ、使えなくしておくよ」
不意にバスティオンが力を込めると、車輪剣の先端が急激に勢いを失くし静止した。
「これで私の攻撃を封じたとでも?」
余裕の表情を浮かべ、ウインドゼファーは全身を暴風で覆い始める。
だがこれが猟兵達の思惑通りということを、彼女は知る由もなかった。
「よし。敵ユーベルコードの有効範囲、読み通りです」
推測した射程との誤差は、推定およそ0.5メートル未満。
クネウス・ウィギンシティ(鋼鉄のエンジニア・f02209)は、暴風の外からウインドゼファーの様子を監視していた。
「この局面なら、敢えて暴風域に入る理由はないよね?」
リズ・ルシーズ(Re-Z・f11009)もまた、疑似刻印に力を溜めながら風の外で機を伺っている。
敵は千秋とバスティオンに気を取られ、暴風域の外のことなどまるで気付かない様子であった。
「如何に強力でも、動きが止まれば……」
スコープを覗き込み、クネウスは狙撃のタイミングを待つのだった。
「くっ……なんて攻撃手段なんだ」
暴風に耐えながら、千秋は一歩も引かない気迫でウインドゼファーと対峙する。
「僕は負けられないんですよ、僕を信じてくれた人の為に!」
敵めがけて大胆にワイヤーフックを投げ、遠心力に任せ急接近。
落下の重力と燃え盛る炎を剣に乗せ、頭部めがけて力任せに振り抜いた。
「そんな遅い攻撃、私が見切れないとでも?」
軋む車輪剣の柄で、ウインドゼファーが燃える刀身を受け止める。
「無闇に近づいたのが運の尽きでしたね」
「おっと、おじさんを無視してもらっちゃ困るねぇ」
彼女が繰り出す反撃の一手を、バスティオンの右腕が受け止めていた。
バスティオンの全身から放たれる鬼気に、怯んだように一瞬だけ動きを止めるウインドゼファー。
その刹那。
「CODE:GROUND ZERO。『Sea of Corpses』との接続を確認、地形ごと一掃します!」
クネウスの放つ膨大なエネルギーの光条が、戦場を貫いた。
花の足場を散らしながら、亜光速のビームがウインドゼファーを包む。
「ぐあぁっ!? こんな……こんな策にやられるだと!?」
苦々しげに膝をつくウインドゼファー。
風が止んだ一瞬の隙をつくように、リズが前衛の二人の元へと飛び込む。
反重力装置とワイヤーを駆使し、空中で戦況を見ながら高速再生ナノマシンの発射準備をすませていたのだ。
「二人とも無事? 回復行くよ!」
千秋とバスティオンめがけナノマシンを発射。みるみるうちに二人の傷が癒えていった。
「『接続、解析、再構築』。全てのものは在るべき形にだよ!」
「私より早い光など……潰してやるッ!」
一方、ウインドゼファーは怒り狂う嵐を纏いながら、ビームの元へと駆ける。
その視界がクネウスを捉え、排除しようと接近した瞬間――。
「首切りワイヤーって知ってるぅ?」
張り巡らされたブービートラップの存在に気付き、ウインドゼファーは急ブレーキをかけた。
いずれ敵がクネウスを標的にすることを見越し、戦闘開始前に修羅雪姫が仕掛けていた罠であった。
足を止めざるを得なくなったウインドゼファーに、一瞬の隙が生まれる。
「皆、今よ!」
修羅雪姫の号令が、一斉攻撃の合図だった。
「ほーら、追いついたよ」
バスティオンが背後から組み付き、ウインドゼファーを羽交い絞めにする。
「足場は修復済みだよ。思う存分やっちゃえ!」
リズが疑似刻印から眩いレーザー光を放ち、敵の目を眩ませながら抵抗力を削る。
「こちらには数があります! それに団結力も!」
千秋の重い一撃が、鉄の装甲に綻びを刻む。
「それじゃ、トドメの猛攻撃よぉ!」
「一斉掃射、いきます!」
修羅雪姫の巨銃フリークスハンターが、クネウスの荷電粒子砲が、ウインドゼファーを双方向から貫いた。
その轟音が鳴り止む頃、荒れ狂う風もまた静かに吹き止んだのだった。
猟兵達の団結と連携が掴んだ、完全勝利であった。
大成功
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