バトルオブフラワーズ⑪〜正八面体のクラフトラート
大地を蹴り、車輪が宙を駆ける。跳ね上げられた花は散り、花びらとなってゆっくりと落ちてくる。
急流を流れる水のような速さで、一体の怪人が彼方より近づいてくる。
怪人の名は、ウインドゼファー。猟兵たちの行く手を遮る、次なる難関。
「私達は全てを手に入れる。誰にも、邪魔は、させないッ!」
そして、彼女の燃える火の如き闘志が最後の門を施錠する。
「皆さま、お集まりいただきありがとうございます。」
スペースノイドのシャーマンであるデナーリスが、集まった猟兵にお辞儀をする。
「システム・フラワーズの深部を目指す私達の次なる相手はスピード怪人、ウインドゼファーです。他のオブリビオンと同じく何度でも骸の海から蘇ります。しかし復活できないようにできます。それは、短期間に許容値を超える回数以上倒すことです」
赤い仮面を被り、二本の車輪剣を得物として扱う女性だ。戦闘力は高く、風を操る能力に長けている。
先に登場した怪人二名のような特殊な能力ではなく、風を操るユーベルコードを用いて戦ってくるだろう。
「ウインドゼファーのスピードはかなりのものです。まず先手を取ってくるであろう敵の攻撃にどう対処するか。それができなければ一方的に攻撃され続け、苦戦を強いられるでしょう」
彼女が保有するのは機動性の高さを活かしたシンプルな技能で、精度も威力も高い。敵の攻撃への対抗策をまず明確にしなければ勝ち目は薄い。
デナーリスはもう一度、深々と頭を下げる。
「ここを突破できれば最終地点が視野に入ります。来るべき未来を守り、世界に生きる人々に取り戻せるかは皆さん次第です。どうかよろしくお願いいたします。」
そう言って送り出すのだった。
神田愛里
いらっしゃいませ。初めましての方もそうでない方もこんにちは、神田愛里と申します。
今回は、三人目の幹部である、スピード怪人『ウインドゼファー』を撃破してください。
皆様のご参加をお待ちしております!
●ご注意
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
戦場の戦力「40」をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
|
POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
六道・紫音
風使いか…!
どれほどの強敵であろうと、この剣で挑むのみ!
・対先制
相手の攻撃は『第六感』と『見切り』で見極めて『武器受け』で切り払い、即座に『カウンター』で攻勢に転じる為にUC【抜刀覚醒】を使用。
「我が剣は、風すらも斬り裂く!」
・反撃
抜刀覚醒で得た飛翔能力で空を駆け、『残像』を伴う『ダッシュ』で素早く距離を詰めて『怪力』のままに剛剣を神速の『早業』で振るう、その太刀筋は風すら斬り裂く『鎧無視攻撃』として全ての斬撃が『捨て身の一撃』と呼べるほどの鋭さで『二回攻撃』を繰り出す。
敵の攻撃は引き続き『第六感』と『見切り』で見極め『武器受け』で切り払い回避し、残心のまま即座に『カウンター』。
※アドリブ歓迎
花が咲き乱れる戦場。
そのフィールドに、六道・紫音とウインドゼファーは向き合っていた。
かたや剣の道を求め、かたや更なる速さを求める。求める物は異なれど、現状に満足せずに上を目指す有り様は同じであった。
「その闘気……風を通してこちらまで伝わってきます。おそらくは相当の遣い手。なら、私も遠慮なく全力でお相手できるというものです」
ウインドゼファーが手にする車輪剣のアクセルを握る。すると、彼女の周りに渦のような強風が吹き、足元の花を吹き散らし始めた。
黒い長髪が強い風になびく。来る。紫音は"皇月"を正眼に構え彼女の動きを警戒する。
「風使いか…!どれほどの強敵であろうと、この剣で挑むのみ!」
ウインドゼファーの足が大地を蹴る。正々堂々と正面から打ちかかってきた。
速い。紫音は車輪剣の初太刀を切り払うが、彼女は二歩分だけ飛びのくと次の瞬間には再び斬りかかってくる。
角度を変え、やや左からの斬りこみ。これもどうにか切り払う。
その時、紫音の剣術家としての勘がおかしいと知らせる。彼女の持つ車輪剣は二本じゃないかと。
とっさに右側に向き直る。そう、左からの斬りこみはフェイント。棘のついたタイヤを回転させ、もう一方の車輪剣が振り下ろされる。
切り払えずに剣で受ける。そして鍔迫り合いのまま動きが止まる。
赤い仮面の下の表情はわからない。しかし歯を食いしばりながら踏みとどまる紫音と同じように余裕はないだろう。
走った分だけ圧は強い。崩され、後ろによろめく紫音。勝負を決めようと強く踏み込むウインドゼファー。
しかし、攻撃の前動作は彼の好機でもある。抜刀覚醒。無数の剣閃が彼を包むように打ち上がる。
とっさに警戒し、後ろに飛びのく彼女。そこに空を駆けるような速度で紫音は踏み込んで間合いを詰める。
神速の剣がウインドゼファーの身体を切る。身体に対して斜めにつけられた刀傷から火花が散っていく。
「我が剣は、風すらも斬り裂く!」
残心とは一つの攻撃を行ったままで終わらせない技術。剣を極めた彼の剣技は一つで終わらない。
切り下げた姿勢のまま"皇月"が横に薙ぎ払われると、ウインドゼファーは火花を十字に噴き上がらせて跳ね飛ばされるように花咲くフィールドを横転していった。
大成功
🔵🔵🔵
ライヴァルト・ナトゥア
ハ、スピード怪人とは、また俺におあつらえ向きな怪人だな
速度なら、誰にも負けない、負けられはしない。それが俺のアイデンティティなのだから
(UCは最初から発動。敵にあえて近づいて、暴風を放つよう誘導する。【第六感】【ダッシュ】【ジャンプ】【空中戦】を用いて、攻撃範囲から一気に離脱、晒した隙に飛翔する斬撃を叩き込む)
一足飛びでもこのくらいは訳ないことだ。あまり舐めるなよ、スピード怪人
俺たちの故郷に、手を出した報いを受けるがいい
(出来れば距離を詰めて剣戟を交わす。【2回攻撃】を駆使した最大限の手数で)
あんたも速さじゃ負けられないんだろ?どこまでだって付き合うよ。あんたが俺に負けを認めて倒れ伏すまでな!
ライヴァルト・ナトゥアがウインドゼファーに向かって右腕を突き出す。右腕に握られた鎌に備え付けられたランタンが朧な火を灯している。
それは挑戦の宣言。速さをアイデンティティとする彼のウインドゼファーに送る決闘状。
「あんたも速さじゃ負けられないんだろ?どこまでだって付き合うよ」
ウインドゼファーも右腕を突き出し、握られた車輪剣を彼に向ける。受けてたつという返答だ。
「いいでしょう。私の速さが上だとわからせてあげましょう」
ライヴァルトは自らに施された封印を解除すると、突き出した右腕が鎌と同化しはじめていく。
「いいや。俺の方が速いと証明してみせる。あんたが俺に負けを認めて倒れ伏すまでな!」
ライヴァルトは姿勢を低くし、ウインドゼファーを目指して駆け出していく。同様に駆け出すウインドゼファー。
走るスピードはウインドゼファーの方が優れていた。自らの間合いに先に到達すると、両の車輪剣をクロスさせ、暴風の塊を放つ。
しかし、彼が走りこむのは先に攻撃させるためだった。暴風の一歩手前で大きく膝を曲げ、飛び上がる。
暴風の壁はそこまで高くなく、巻き込まれたのは飛び上がった時に舞い上がった無数の花弁のみ。
「あまり舐めるなよ、スピード怪人!」
宙返りの姿勢から狼の爪が振り下ろされる。ウインドゼファーは飛びのくも、避けきれない。赤い仮面から火花が立ち、三筋の斬り筋が刻まれる。
さらに右手の鎌が追撃する。斬撃は肩のマフラーを切り、寸を短くした。
「そう簡単には!」
もう一度振り下ろされた鎌に、ウインドゼファーはタイヤを回転させた車輪剣を打ち付ける。タイヤに鎌が巻き込まれそうになるのを振り払い、態勢を戻してライヴァルトが着地する。
彼女の動きは速い。着地したところに送り込まれる暴風。普通の相手であれば脹脛の側から風に囚われ、足元の花と同様にバラバラになっていただろう。
だが、代償と引き換えた"シリウス・ライセン"は彼女の予想を凌駕した。蒼い狼は暴風に背を向けたままさらに跳び、棒高跳びのように風を飛び越えた。
「俺たちの故郷に、手を出した報いを受けるがいい!」
放射された爪の斬撃が隙を晒した胴を薙ぐ。それはウインドゼファーを大きく後ろに吹き飛ばし、彼女は車輪剣を杖にようやく踏みとどまるも膝をついた。
大成功
🔵🔵🔵
ライアン・ウィルソン
突っ込んでくるならザンスガル180ssで突撃しつつ真正面で受けるわ!ただし【防具改造】ですごく粘着性を強めたスペリオールアーマーを起動してだけど。【第六感】と【見切り】でタイミングを見極めて衝撃は殺すわよ!それから【怪力】【武器落とし】で武器を受け止めるわ!
一瞬でも隙ができたら【零距離射撃】からの【クイックドロウ】【早業】【鎧砕き】を使ったバスタードレイで撃つUC「ヴァリアブル・ウェポン」を使うわ!威力重視よ!あとは相手の攻撃を【第六感】と【見切り】と【怪力】でスペリオールアーマー着用した腕で払いつつバスタードレイの【零距離射撃】【2回攻撃】をひたすら叩き込むわ!
アドリブ歓迎よ!
琥珀川・れに
さっきプレ出したライアンf02049(今が初対面)を追いかける形で支援
敵のPOWのUCは「攻撃性の暴風を纏い飛翔」
そこまでは先制されてしまうが
攻撃自体には僕側のUCが間に合うはずだ
君が攻撃したのは
UCクィニティエンハンスで出した細かな氷を反射させた残像だ
「敵同士でなければマスクの下の君と僕との間にロマンスも生まれたのかな?レディ」の【挑発】と
【存在感10】で成功度を上げる
さあこの割れたガラスのような氷に突っ込むがいい
君に細かなダメージを与えよう【属性攻撃】
反対に僕は【目立たない】で剣で【鎧無視】の【串刺し】を試みる
さあライアン、可愛いお嬢さん(勘違い)君の力も見せてくれ
※アドリブ&省略ご自由に
「勝負よウインドゼファー!アタシに突っこんできなさい!」
マリーゴールドの黄色い花道をライアン・ウィルソンの乗る黄色いスクーターが突っ込んでくる。
「いいでしょう。その挑戦、受けて立ちましょう」
ウインドゼファーは車輪剣のタイヤを回転させ、真正面からの突撃に真正面から突撃する。
打ち込みはウインドゼファーの方が速い。暴風を纏った剣がライアンに届く直前、ライアンの身を流体金属が包む。
そして激突。ウインドゼファーの車輪剣がラリアットのように叩きつけられるも、持ち前の怪力で車輪剣を受け止め、ガードの姿勢のまま大きく後方へ飛ばされるも衝撃を殺したので無傷だ。ちなみにスクーターも遠くへ吹っ飛ばされたが無傷だ。
「……!この一撃を凌ぐとは。そうでなくては!」
さらに闘志を燃やし、彼女…いや彼を屠らんと両の車輪剣を回転させ走り出すウインドゼファー。
自身を守るスペリオールアーマーを信じ、待ち受けるライアン。
だが、二人の間に割り込む一つの影。
琥珀川・れにがライアンを追いかけて援護に入った。
彼…いや彼女はライアンの盾になる位置に立ち、キラキラした表情で悠然と構えている。
わずか一瞬の後。
車輪剣のタイヤががれにの身体を捕え、粉々に打ち砕いた。
舞う花びらの間をキラキラした氷の結晶が飛んでいく。それは彼女のユーベルコード、クィニティ・エンハンスが生んだ氷の残像にすぎなかった。
彼女は残像のやや後ろで落ち着いて剣を手に立っていた。
「敵同士でなければマスクの下の君と僕との間にロマンスも生まれたのかな?レディ」
「舐めるな!」
怒気を含んだ声と共にもう一振りの車輪剣がれにを切り裂く。だがそれも残像であった。
では本人はどこだ。感情の昂ぶりで目の前しか見えてなかったと気づいたウインドゼファーが冷静さを取り戻した瞬間、れにの魔法剣が背後から突きたてられ、深々と刺さった。
「さあライアン、可愛いお嬢さん。君の力も見せてくれ」
ライアンは違うとツッコミたかったが、せっかくの隙を逃すわけにはいかなかった。
彼に集まるエネルギーで両掌が光り輝く。
「俺の全力を食らえ!」
直前にある敵の胴に掌底打が叩きこまれると、光弾がウインドゼファーを貫通し、その身体を浮かす。
続けざまにもう一発。いや二発。すべての光弾は彼女を打ち据え、跳ね飛ばして地面に叩きつけて花を舞い散らした。
「可憐な君にふさわしい技だね」
れには舞い上がった黄色い花びらに囲まれ、風になびく紫髪を押さえつけながら言った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
黒薔薇・優希
※ノエシア・ファンダーヌさんと共闘
こちらイエーガータイムズの黒薔薇優季です!現在システム・フラワーズ内部には暴風警報が発生中!と言うわけで原因のゼファーさん一言もらってもいいですか?あ、だめ?ちょっ、まって!!死ぬ!?
仕方ない、自分も猟兵の端くれ。倒させてもらうっすよ!
ユーベルコード火樹銀花を発動!でもそのままではなく幾つか足元に着火、嗤う竜巻の届かないところまで飛翔するっす!まあ多少は食らうっすがそこは気合いで耐えるっす!
奴が迎撃にきたらノエシアさんの攻撃に合わせて残りのミサイルをプレゼントするっす!
ノエシア・ファンダーヌ
※優希嬢(f15487)と共闘
同じくイエーガータイムズのノエシアだよ、ご機嫌よう。
インタビューはしっかりメモしないとね。
あ、メモ帳が吹っ飛ばされ――…………。
いや、頭の中のメモ帳に書き込むからゼファーさんは気にしなくても……え?戦い?
◆戦闘
優希嬢の近くにいて一緒にミサイルで飛翔の後、
技能【属性攻撃】で風魔法を発動。
空中での体勢の安定&敵に向かって向かい風を起こし、ペースを乱すことを図りつつ、
【ウィザード・ミサイル】で大量の炎矢を発射。
できれば優希嬢とタイミングを合わせて、速さでは対抗できない弾幕を形成したいね。
熱く湿った大気が渦を巻き、風が黒い花を散らして巻き上げる。
温帯のような風を頬に受け、黒薔薇・優希はなぜかウインドゼファーに背を向け、部下のノエシア・ファンダーヌに何かを説明していた。
ノエシアはメモ帳を手にし、熱心に上司の発言をメモっている。
「こちらイエーガータイムズの黒薔薇優季です!現在システム・フラワーズ内部には暴風警報が発生中!」
優希は新聞、"イエーガータイムズ"の編集長。人類が使っていたと言われている『新聞』なる単語が何を意味するのか知らないキマイラ達も多いこの世界で活字の文化を担っている。
記事においてインタビューは信ぴょう性と具体性を高めるのに有用だ。優希はウインドゼファーの方に向き直り、大胆にも歩いて近づく。
「こちらが暴風の原因であるウインドゼファーさんです、この現象について何か一言お願いします」
(……一言お願いします、と)
その間もノエシアはメモを取り続ける。
しかしウインドゼファーからは残念な回答が返ってきた。
「ダメです。死んでもらいます」
車輪剣を振り上げると、竜巻が起こり、優希に向かって放たれる。
「あ、だめ?ぐはぁ!」
竜巻が直撃し、優希は垂直に打ち上げられる。
(死んでもらいます…ぐはぁ、と)
その間もノエシアはメモを取り続ける。
だが竜巻による暴風はメモ帳をバラバラにし、空へ打ち上げる。
(あ、メモ帳が吹っ飛ばされ――…………。)
飛んでいったメモを見上げるノエシア。そして飛んでいった方から降ってくる優希。
彼女は傷だらけの優希をしかたなく受け止める。
「あの、優希嬢。メモを書き終えてないのに勝手にどっか行かれては困ります」
あまり動じない性格のようだ。
ウインドゼファーは次の竜巻を放つ。二発も直撃すればさすがに体が持たない。命の危険を感じた優希は受け止められた態勢のままマイクロミサイルを召喚し打ち合わせる。
数発のミサイルは地面に撃ち、反動で空中に飛ぶことで竜巻を避けた。
さらに放たれた竜巻が二人を襲う。小柄ながらもしっかり優希を抱きかかえるノエシアは全身を痛みつける暴風に耐えながらも風魔法で押し返す。
空中の二人はフラフラに飛びながらもなんとか竜巻を凌ぎ、ウインドゼファーを見下ろす形で視界が開ける。攻撃のチャンスだ。
「さあ、倒させてもらうっすよ!」
「では反撃しますね」
眼鏡と、その下にあるオレンジの瞳がわずかに光る。ノエシアが百本のウィザード・ミサイルを一斉に発射すれば、優希も共に火樹銀花と自ら名付けたマイクロミサイルを全て放つ。
数発の火樹銀花がウインドゼファーの姿を捉え、向きを変えて追いかける。追いかける先に大量の炎矢。
弾幕による面制圧。それは速さに対抗する回答となった。一面に咲く炎の花が満開となると、風が止んでいく。ウインドゼファーは消滅したのだ。
(編集長、苦戦の末にインタビュー対象を撃破。世界平和に大きく貢献、と)
ノエシアは二冊目のメモ帳を取りだして何か書き込んでいた。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴