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バトルオブフラワーズ⑪〜Wind of Destruc

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ウインドゼファー

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「シンプル・イズ・ベスト…か」
 クトゥルティア・ドラグノフは神妙な顔でそう呟いた。ここはグリモアベース、背景では相変わらず『システム・フラワーズ』の光景が写されている。暫し訪れる沈黙、それを破ったのはやはりドラグノフであった。
「みんなラビットバニー撃破お疲れ様、なんと言うか愉快なお姉さんだったけど、強敵だったね。怪我とかない?」
 少し心配そうに声をかけるが、猟兵たちは大丈夫だと答える。それに安心しつつ、ドラグノフは真剣な表情になって話を続けた。
「みんなよく聞いて、今回の黒幕『ドン・フリーダム』への道はあと少し。だけれど当然門番がいる。名前は『ウインドゼファー』、スピード怪人とも呼ばれているよ。彼女の能力は風。特殊な能力とかはないみたい」
 それを聞いて少し安心する猟兵たち。もう無力も無敵も懲り懲りといった様子であった。しかし一部の猟兵はそうではない。彼らはわかっている、逆に言えば特殊な能力がなくともその地位にいる凄まじさが。
「一部の人が理解したように、彼女は確かに特筆する能力はない。でもそれは逆に彼女の純粋な戦闘力の高さを示している。油断したり余裕を持ってるとあっという間にやられちゃうよ。そして風と言うものは自由気まま、思わぬ動きをするかもしれない。必殺技と言うものはシンプルなものほど強いからね」
 そういって、全員に注意をするようにつげた。
「大丈夫、皆なら。あの二人の幹部も倒せたんだもの!今度も絶対に上手くいく!私に保証されてもあれかもだけどね」
 あははと笑うドラグノフ、そしてテレポートは開かれた。ドラグノフは告げる、気をつけて、頑張ってきてと。その言葉を背に受けながら、猟兵たちは強敵へと挑むのであった。


しじる
 どうも初めてのかたははじめまして、そうでないかたはこんにちは!しじるです!
 ネームドのウインドゼファー戦となります。例のモンキーやラビットと違いシンプルに強いので、判定は純粋な戦闘プレイングでします。下記の通り対策が不十分だと失敗になってしまいますので注意してください。また対策が十分でも、場合によっては苦戦が出てしまいます。それだけの強敵ですので、心して立ち向かってください。それでは皆様のプレイングお待ちしております!

 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

 また戦場の戦力「40」をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。
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第1章 ボス戦 『スピード怪人『ウインドゼファー』』

POW   :    フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:藤本キシノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 テレポートを抜けて、花が咲き誇るシステム・フラワーズに到着する猟兵たち。すると1つの爆音が辺りに響く。直感的に危険を感じる猟兵たちはすぐにその場を離れた。すると一台のバイクが猛スピードで突っ込んでくるではないか。それは猟兵たちを轢き損ねると、猟兵たちから数十メートル離れた場所で走りながら変形し始めた。その変形が終わった姿は、例の幹部『ウインドゼファー』であった。
「まさかモンキーに引き続きバニーまで敗れるとは思いませんでした」
 そう呟きながら前輪後輪を武器として変形させていくウインドゼファー。真っ赤な仮面の下はどのような表情で言葉を語るのか。
「彼らのような特殊な力は何もない。ですが、私も幹部の席に座らせてもらっている以上、その義務は果たさせてもらいます」
 そういうと、またバイクの重低音が辺りになり響き、彼女のマフラー部から排気ガスが吹き出る。
「ご存知でしょうが、私の名はウインドゼファー。この身にかけて、ここは通させません。私の『破壊の風(Wind of Destruc)』ご賞味あれ!」
 彼女の言葉と共に旋風が巻き起こる。それは戦いの火蓋を切るようであった。強敵はここに現れり、武器を構え立ち向かえ猟兵よ!
インディゴ・クロワッサン
ほぇー…変形とか出来るんだ…
【POW】
相手が暴風で身を包んで強くなりつつ加速するなら、僕は…
「その暴風の加速を、利用する。」
そうニヤリと笑ってUC:暴走覚醒・藍薔薇纏ウ吸血鬼 を使用。
三対六翼を生やしたら、即座に愛用の黒剣を構えて【武器受け】。
【気合い】で攻撃を凌いだら、すぐに【怪力】と【力溜め】と【鎧砕き】を重複発動させて、【カウンター】の【捨て身の一撃】。
素早く体勢を立て直したら【第六感】で感じるままに【鎧無視攻撃】を【なぎ払う】よ(【2回攻撃】)

攻撃力と耐久力を跳ね上げる代わりに、理性を失い、速く動くものを攻撃し続ける。
確か、誰よりも速くなりたいらしいから…相性は良いんじゃないかな?



「ほぇー…変形とか出来るんだ…」
 【インディゴ・クロワッサン】はウインドゼファーの変形に少し感心する。今までの幹部にはそういった存在がいなかったからだろうか。なんにしてもウインドゼファーはその言葉に返事を返すことなく荒れ狂う暴風を身にまとっていく。自らの誰よりも早く走りたいという欲望に観応して、彼女は速度を増していく。
「だけど、キミが暴風で身を包んで強くなりつつ加速するなら、僕は…」
 ニヤリと笑い、一人呟く。その言葉は風に消えてウインドゼファーには届かなかったが、彼は確かにこう言った。
――その暴風の加速を、利用する……と。
 その答えを告げるようにクロワッサンはユーベルコード【暴走覚醒・藍薔薇纏ウ吸血鬼(カールミナ・アオフヴァッヘン)】を発動させ、その姿を藍薔薇を纏う三対六翼のヴァンパイアへと変身させていく。まさにその姿は夜の王に相応しい。薔薇を纏った夜の王者は、迫りくる暴風に愛剣【Vergessen】を構え待つ。向こうから来るのだから動く必要はない。理性なくとも本能で理解していた。
 しかしウインドゼファーの速度は時速3万㎞を超えている。いくら早いものに反応できる王としての姿をしていても、初動は遅れざるを得なかった。
 花びらが暴風に引き裂かれ、移動の余波で発生したソニックウェーブが襲ってくる。しかしこれは王たるクロワッサンには何の苦でもない、本命はその後の車輪剣による攻撃。全身をコマのように回転させながら、刃を二本クロワッサンへと振り下ろす。風と空気が悲鳴を上げ、まるで断末魔のように錯覚させる。それに反応はできたが体が付いてこない。少し防ぐのが遅れてしまい刃が肩を軽く黒服を削る。
 さすがは幹部、攻撃も純粋に重い。そして身のこなしも軽い。塞がれたと判断したのなら繋げるように横に薙ぎ、さらに腰を活かして回転、そのまま切り上げる。これにはさすがに耐え切れずクロワッサンの黒剣が大きく打ち上る。
 確実に獲った、そう思ったうウインドゼファー。しかしこれはクロワッサンのブラフだ。気合で怒涛の連撃を耐えきったクロワッサンは、反撃に出るため賭けをしたのだ。危険が伴う捨て身の賭けではあったがそれは成功し、チャンスが生まれた。打ち上った黒剣を背中で手放し、あらかじめ背中に回した左手で落ちてきた黒剣を掴み、反動を殺すことなく活かして強烈な突きを繰り出す。螺旋を描いた刺突は完全な視覚外およびこの体勢からの反撃を想定していなかったウインドゼファーに回避することはできなかった。せいぜい体をそらし、致命傷を避けることが精いっぱい。繰り出された刺突はウインドゼファーの右脇腹を抉った。
 やられた、伝わる痛みから直感的にウインドゼファーは判断する。頑丈な機械の体、それすら貫く怪力と、理性を失っても実行できる鎧砕きの技術。それに舌を巻きつつも勝算はせず、追撃を狙うくクロワッサンの動きを見切る。
 流れるように刺突から派生する薙ぎ払い、しかし幹部の意地、二度目は受けない。身にまとった荒れ狂う暴風で刃の軌道を捻じ曲げ、塞ぎやすいようにした。再度響き渡る甲高い金属音。それはすぐさま連続して起こり、何十何百とすさまじい速度で打ち合いが発生する。火花が花の足場に飛び散り、王と暴風がお互いの命を奪うため斬り合う。
 しかしこれでは埒が明かない。仕方なく互いに一旦後退することにした。結果この一瞬の攻防で発生した傷はウインドゼファーの右脇腹の刺突のみ。お互いにまだ経戦
できる余力はあるが、先ほどの策が使えない分クロワッサンがやや不利か。しかし彼がつけた傷は間違いなく有効打。この一戦は彼に旗が上がったといっても過言ではないだろう。
「……いい腕です」
「それはありがとう」
 そう二人は言葉を交わした後、互いに場を退いた。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィロメーラ・アステール
「油断できない相手だな!」
欲張らず、生存とサポートに専念するぞ!
まず防御!

足場スレスレを【スライディング】する低空の【空中戦】で舞い散る花や足場から飛散する花を利用!
【衝撃波】で花を散らす【パフォーマンス】と【忍び足】技術で花を巻き上げない動きを絡めかく乱!
舞う花で風の動きも読み易くなる!

かく乱が効かない場合、逆に敵の狙いは正確なはず!
【第六感】で察知し【残像】を残して回避!
避けきれない分は【気合い】の【オーラ防御】で受け流す!

頃合を見て【星の遊び場】だ!
【破魔】属性の凪を発生!
【全力魔法】の聖なる大気で場を満たし、風の能力を妨害!
吸気させれば不具合も出るかも!
チャンスを仲間に突いてもらうぜ!


一駒・丈一
SPD

可能なら先客の猟兵と連携して動きたい
(無理なら流して貰って可)

敵のUCで花の足場が崩されるなら
その残骸を足蹴にして順繰りに飛び移りつつ敵との間合いを詰めていこう

砦の壁を飛び移って潜入するような傭兵時代の過去の『戦闘知識』を活かしつつ
『見切り』『第六感』や『早業』を駆使し飛び移る。

問題は過去経験と異なり今日は「風が強い」ことだな。
暴風の中に居ることでダメージ量が増えることが問題だ。
風を妨害する術があれば、活路を見出せる可能性が上がるが…そこは戦況次第だな。
無理ならば回避に全力を注ごう

舞い上がる残骸を幾度も飛び移りつつ間合いを詰めることができたなら
『咄嗟の一撃』でUC『無常なる処断』を放つ。



「油断できない相手だな!」
 【フィロメーラ・アステール】ははっきりと自身の前に立つ彼女を強敵と認めた。その素直さが少し可笑しいのか、ウインドゼファーはふふと笑った。機嫌をよくしたのか、それともその純真さが可愛らしく思ったのか。だがそうだとしても攻撃には一切の手心はなし。嗤う竜巻が幾つも生み出される。まともに受ければ小さく軽いアステールではシステム・フラワーズの彼方まで飛ばされかねない。
 そうなるわけにはいかない。まず最初に衝撃波を放つことで花びらを大きく散らせる。そうした後で花びらが散らないように走り、自分の居場所をかく乱した。しかし考えが少し甘かった。ウインドゼファーはいくらでも竜巻を作りだせたのだ。
「もともとあなたのように小さな的を点で狙うつもりはありません。面で討たせてもらいます」
 謝罪するように呟いたのち列で並べた竜巻を一斉に放ち、花の大地を蹂躙していく。残像を残し回避を考えていたが厳しそうだ。が、第六感が役立った。直前に列で攻撃がくることを予感することができたからだ。風同士は反発し合う、絶対的に密着することはできない。ゆえに咄嗟に竜巻と竜巻の間へ飛び込んだ彼女の判断は実に賢い物だろう。オーラー防御で防衛力を高める。体が風で膾切りにされるが気合で耐える。そうして耐え忍んだ先に、チャンスというモノはいつだって待ってくれている。
「ここだ!星の遊び場(トリッキー・スター・ファンダム)!!」
 一瞬生まれるウインドゼファーの隙、それはこの列攻撃を避けられないだろうという自信がもたらした慢心。それを戒めるかのように、ユーベルコード【星の遊び場(トリッキー・スター・ファンダム)】が発動する。破魔属性の凪が発生し、周辺の大気を猟兵たちに有利な神聖なるものへ変えていく。しかしウインドゼファーには不具合は起きなかった。さすがに怨霊でもないウインドゼファーに不具合を起こせるほど神聖は便利ではない。だが確実なサポートにはなった。空気が変わったことに警戒したウインドゼファーは上空への対策が疎かになってしまったのだ。
 突如降り注ぐ無数の斬撃、これに反応が遅れたウインドゼファーはその身を切り刻まれることとなる。驚愕する彼女はそれを放った人物を見やった。【一駒・丈一】だった。
 彼は最初の暴風で飛び散った花の足場を次々と飛び越え、ウインドゼファーの像空へとたどり着き、攻撃の機会を狙っていたのだ。彼が無事頭上に辿りつけたのは勿論アステールのおかげだ。空気が変わったことも、彼女の大立ち回りによる注目集めも、全てはここに直結させるため。
「小癪な真似をっ!?」
 怒りを口に出すウインドゼファー。しかしその攻撃はもう一駒には届かない。彼は既にアステールを抱えて戦線を離脱していた。一撃離脱、咎人殺しの戦場傭兵らしい戦術。受けたほうは堪ったものではない。口惜しさと怒りを、ぶつける先のない矛をしまえず、ウインドゼファーは咆哮を上げた。
 肉体と精神のダメージはどちらもウインドゼファーに蓄積して、今にも崩壊しそうである。決着まであとわずか。その時は確実に近づいていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

桜・吹雪
主を護る矜持には敬意をはらいますわ
けれど皆様の為に道を拓くのがわたくしの矜持
この身を賭して先へ進ませて頂きますわ

SPD
暴威の嵐でございますか
私ができる全力はただ【見切り】躱すことでございますね
先手をとられるなら暴風の初動、戦場をひたすら観察し邪魔な花片を【掃除】しながら回避に努めますわ

UC
桜吹雪を纏い高速を以て切り結びましょう
命を賭しても追いつけるとは思いません
ならば傷を負ってでも相手の行動を見切ることに傾注
桜吹雪と、動き回る間に不可視の鋼糸を巡らせ一秒でも行動を制限しますわ
隙を見つけたならば全力で暗殺を仕掛けますわ

華は咲いて散るのが運命ですわ
この身が散るまで皆様の道を拓きましょう

アド歓


葛乃葉・やすな
スピード怪人、そう名乗るなら早さに自信があるのじゃろうが、幸い奴の攻撃は車輪剣からの竜巻。
竜巻に注視し進行方向を【見切り】【ダッシュ】【逃げ足】でなんとか回避できるはずじゃ。

おぬしの竜巻は見事じゃな。
辺りに花びらが舞うておる。ぱっと見ここが戦場とは思えんな。

【コミュ力】で敵に話しかけ注意を引き付けて攻撃開始。

逃げている間に【目立たない】ように仕込んだUC【美技・風花雪月】を敵に向けて放つ。わしの特別製の護符をその場所に合わせた花びらに変えて攻撃じゃよ。ここには無数の花びらが舞っておる。
どれが攻撃かもわかるまい。

攻撃する箇所は奴の自慢のタイヤじゃな。
これで続く猟兵が少しでも楽になれば重畳じゃ。



 主を守るその心には敬意を、しかし皆のためにその道を開くのが自身の矜持。この身を賭けても道は譲ってもらう。【桜・吹雪】はそうした覚悟を胸にウインドゼファーに挑む。花に花を紛れ込ませるのは実にうまいといえよう、しかし技を見切るのは難しい見切ろうとするだけではウインドゼファーの業は見切れない。
「そうそう簡単に見切れるほど、私の業は安くはありません」
 宣言し、暴風を引き起こすウインドゼファー。それは次々に花の足場を吹き飛ばし、桜の移動できる場所を減らしていく。舞い上がる花吹雪を一人で掃除しきるのは無理だ。そして足場が減ってもウインドゼファーは何事もなかったかのようにバイクへと変形し、大ジャンプをもってして足場を飛び越えてくる。完全に桜は苦戦を強いられていた。いくら早くても足場を吹き飛ばされてしまっては回避もままならない。
「手を打ち間違えましたね」
 冷淡に告げ、車輪剣で桜を切りかかろうと迫る。しかしそれをみて桜は不敵に笑った。
「そうかもしれません、ですがそれはあなたも同じ」
「なに? っ!!」
 体が急に止まった、それは桜が戦闘中回避しながら配置した不可視の鋼糸によるもの。一本では止められなくとも、何十男百と重なればそれは太く力強い拘束具に変化する。しかし暴風による身体へのダメージが大きかった桜には攻撃するだけの力は残されていなかった。
「じゃからわしがやるのじゃ」
 瞬間言霊とともに吹き飛ぶ車輪剣、困惑するウインドゼファー。彼女の前に一人の妖狐が現れる。【葛乃葉・やすな】は最初から戦場にいた。回避に集中していたため目立っていなかったが、そして回避と同時にあるユーベルコードを発動させていたのだ。
「おぬしの竜巻は見事じゃな。辺りに花びらが舞うておる。ぱっと見ここが戦場とは思えんな」
 突然自分のことをほめだす葛乃葉に警戒心を最大にして怪しむウインドゼファー。しかしそれは当たっていても回避はできなかった。
「ほんと……よく花びらが舞うのぉ」
「!? まさか!!」
 気づいたとしてももう遅いし判別もできない。ユーベルコード【美技・風花雪月(ビギ・フウカセツゲツ)】はその土地に自生している花の花びらに武器を変身させ攻撃するもの。自分の暴風で花びらが大量に舞っている以上、もはやどうやってそれを見切ればいいというのだ。
「あ奴、桜が封じてくれねば当てるのは厳しかったかもしれんがの……大手柄というモノじゃ」
 遠目に映る彼女を称賛しつつ、目の前で驚愕するウインドゼファーにとどめを刺すため花びらを集める。
「丸腰にしたうえでとどめというのはあれじゃが……悪く思うでないぞ」
「いいえ、これは私の慢心。潔く敗北を認めましょう……ですが覚えておきなさい。たとえあなた方猟兵が優れていようとも、ドン・フリーダムには絶対に敵わないことを……さらば、猟兵よ」
 それだけ言い残し、ウインドゼファーは美しい花びらの渦に飲まれて消えていった。
 こうして、ウインドゼファーの撃破に成功する猟兵たち。いよいよ戦争は最終局面に到達する。キマイラフューチャーのために、駈けろ猟兵、未来に向かって。
【To Be Continue】

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月23日


挿絵イラスト