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バトルオブフラワーズ⑪〜嵐の鎧を打ち貫け

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ウインドゼファー

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●全てを……。
「私達は全てを手に入れる。誰にも、邪魔は、させないッ!」

 威風堂々、常駐戦陣といった言葉が似合う様に堂々と花の足場で猟兵達を迎え撃つスピード怪人『ウインドゼファー』。その仮面の下に隠された表情には何が秘められ、彼女が何故全てを手に入れようとするのかそれを知るのは彼女と志を共にする者達だけだろう……。

●嵐を纏いし者
「皆のお蔭でエイプモンキーに引き続いてラビットバニーも倒せた。変則的なルールだったけど、これで次に進めるようになった……んだけど、今度もまた強敵。……今度は変なルールは無くて真っ向勝負になる、かな。その分、前の二人より強敵かも」

 集まった猟兵達の前にやや疲れた様子を見せているのは月原・雪花(月兎・f06136)だ。戦争も半ばともなれば疲労の色は隠せないだろう。戦わずとも猟兵達を運ぶことは相当の負担を強いるのだ。だが、それでも引く気はなく、むしろやる気をその目に輝かせていた。

「次に戦うスピード怪人『ウインドゼファー』は風を操る怪人だよ。今まで通り皆よりも素早く行動して襲い掛かってくるからより入念な対策を練らないと……ダメかな。無策に耐えようとしても攻撃力もとんでもないから一撃で落とされる危険性が凄く高い……。それに、風死体も相当厄介」

 ウィンドゼファーの操る風は荒れ狂う暴風を纏い、願う欲望に比例して速度を増す。その速さは尋常ではなくまさに暴風の化身ともいえるだろう。それに足場ごと嵐で周囲を破壊しつくしたり、両手に持つ車輪剣で攻撃を軽減しつつ猛攻を仕掛けてくる。
 変則的なルールがない分、まさに強敵ともいえるオブリビオンだ。

「……彼女たちがいう全てはキマイラフューチャーの滅びの上に成り立つもの。それは決して手に入れさせてはダメ。……僕達が絶対に、邪魔するよ」

 固い決意を目に宿して、ウサ耳をピコピコさせながら雪花は猟兵達を転送すべく、立ち上がるのだった。


暁月
 はい、暁月です。今回は変則的なルールはありませんが下記の通り先制攻撃が入ります。

 敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
 この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。

 という訳で対策を練らないとどんなに良いダイス目でも強制的に失敗になりますのでご了承ください。
 スピード怪人『ウインドゼファー』に関してですが、気になる人が居るかもしれませんが質問しても答えてくれません。無視して攻撃してくるので他のプレイングに文字を咲きましょう。
 戦場の戦力「40」をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。なので頑張ってください!
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第1章 ボス戦 『スピード怪人『ウインドゼファー』』

POW   :    フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:藤本キシノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リーファ・レイウォール
▼WIZ
◆先制攻撃対策
【全力魔法】【高速詠唱】でUCを発動
敵の攻撃を【見切り】
2本の車輪剣には、20本ずつ召喚した双戟で【武器受け】

▼攻撃
正面で相対しつつ、敵の動きを見てタイミングを【見切り】
10本を残して、双戟を【誘導弾】で嗾ける
【鎧砕き】して防御を崩すわ
砕けないなら【鎧無視攻撃】で『全タイヤ高速回転モード』すら無視して
【串刺し】にしてあげるわ
【スナイパー】で一点集中の波状攻撃

双戟の特性を活かせば、風を切り裂いて穿ち貫ける。絶対にね

残した10本は、敵を囲むように地面に穿ちます
そこへ雷【属性攻撃】の通常魔法を放って『誘雷』
【生命力吸収】を乗せ、ダメージ与えつつ敵の足下を崩すわ



●迫る暴風
「来ましたか猟兵。モンキーに続いてバニーまで倒したのには驚きましたが、ここまでです。私は門番。私の暴風は貴方たちを一切通しません」

 両手に持った車輪剣を手に、既に暴風を巻き上げているスピード怪人『ウインドゼファー』。真紅の仮面からは表情は分からないが、その戦意と殺意は離れていてもリーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)の肌に突き刺さる。

「そう。でも門ってのは開ける為にあるの。貴女を倒してこじ開けさせて貰うわ」

 それを柳に風、暖簾に腕押しと言わんばかりに殺意を受け流す。この程度の殺意で怯むようなリーファではないのだ。

「やれるものならやってみろ……! 猟兵……!」

 高らかに全身のタイヤと車輪剣が唸りをあげ、暴風如き竜巻を生み出しながらゼファーは神速ともいえる恐るべき速さでリーファに迫る。
 ゼファーの竜巻は破壊の権化ともいえる威力を持ち、マトモに受ければリーファと言えどもズタズタに切り裂かれるだろう。

「天切り裂き顕現なさい、雷轟の方天戟たち。そして、存分に猛威を振るいなさい」

 リーファは185本もの双檄を召喚し、そのうち20本ずつで竜巻を纏った車輪剣を受け止める。
 ギャリギャリギャリギャリと、金属が削り取られる様な音と共にリーファの双檄が見る見るうちに削り取られるも、車輪剣を受け止める事が出来た。そしてその瞬間、ゼファーの動きが僅かに鈍った。

「ぐっ!」

 リーファの双檄は雷の属性を纏っており、両手の車輪剣で40本ものの双檄に叩き付けてしまえばその分の雷をゼファーは受けてしまったのだ。
 時間にしてたった一秒。しかし、速度を重視するゼファーにとってこの一秒は決定的なものを生み出すと理解していた。理解していたからこそ、苦悶の声が漏れたのだ。

「そこっ!!」

 残っていた双檄のうち10本を残し、残り全ての双檄をゼファーに誘導させるように嗾ける。ゼファーは即座に後ろに飛び退き、瞬くような僅かな時間で防御態勢を整え、135本ものの双檄を両手の車輪剣で砕くように弾くも、蓄積する雷、そして双檄一つ一つに籠められた防御を崩す力がゼファーの車輪剣を僅かに、徐々に蓄積してき、ついには鉄壁ともいえる暴風の守りが破られ、無数の双檄がゼファーの身体を穿つ。

「これも持っていきなさい! これで全弾よ!」

 残しておいた10本の双檄が更に雷を付与され、ゼファーの周囲を囲むように展開し、ゼファーの足場を崩す様に周囲の雷を誘雷するように強力な轟雷が落ちる。

「ぐうああっ!!」

 防御を崩され、堪えるべき足場すら崩されたゼファーは暴力的な雷を受け、崩れた足場へと落ちていく。

「やったか……! なんて都合のいい話は無いわね」
「ええ……。少々効きましたが当たり前でしょう」

 崩れた足場とは別の方から声が聞こえ、リーファがそちらに視線を移すと轟音と共に足場を壊しながら全身から放電を纏ったゼファーが浮かび上がる。

「荒れ狂う暴風、絶対なる門番。この程度では通すわけにはいきません」

 ゼファーが車輪剣を振るえば、纏っていた放電が飛び散る。多少なりとも傷を負ったが戦意は高く、仮面の下に秘められた殺意は衰えることなく、むしろ増していた――。

成功 🔵​🔵​🔴​

弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です



必ず先手を取ってくる疾風のオブリビオンですね
ここは1つ策を巡らせないと駄目っぽいです

なので今回は体中の服の下に一杯分厚いゴムバンドを巻いて戦闘に臨みます
ちょっとやそっとじゃ無い攻撃が押し寄せてきそうなので、体を引き千切られる事もあるでしょう
傷はユーベルコードの不死身の人狼で治すとして攻撃してきた武器なりパンチなりキックなりをゴムバンドに絡み付かせる作戦です

どんなに動かれたとしても策さえ成ればヨーヨー風船の様に体当たりできます

速度差があり過ぎて血煙にでもならなければそのまま【怪力】で(オッパイはあんまり当たりません子供なので)絞め落としてあげましょう



●ゴッドスピード
 綺麗な花畑を吹き飛ばすような暴風が巻き起こる。その中心にいるのはスピード怪人『ウインドゼファー』だ。その暴風はゼファーの武器となり鎧と化す。

「この速度、捕えられるものではありませんよ。瞬く間に終わらせてあげます」

 願うは最速、何よりも、誰よりも、全てにおいて速くありたい。その欲望はゼファーの力となり、暴風というには生易しい破壊の奔流を生み出す。

「確かに私では捕えられないでしょう。なら――」

 足を踏みしめ、真っ向から受け止める姿勢を取ったのは弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)だ。その体は何時もよりふっくらとしており、何か詰め物をしているのは明らかだ。

「受け止めるというのですか。なら、愚かなまま――散りなさい」

 破壊の嵐を纏い、極限の欲望により神速と化したゼファーは一直線に銀花へと迫り――その身を吹き飛ばした。

(――――!!!)

 声にならない声が漏れる。如何に弾力性あるゴムを纏っていても破壊の嵐はゴムをも容易く引き千切り、紙屑のように銀花を吹き飛ばした。
 ゴムも衣服も吹き飛ばされた銀花は全身を暴風で刻み込まれ、血をあふれさせる。しかし、地面に落ちるよりも速く銀花の身体が修復され、綺麗な肌が元に戻っていく。これは不死身の人狼により、驚異的な再生力によるものだ。一切の移動を出来ない代わりに、全てを回復に回した決死の防御。

 致死は免れたが、出血による倦怠感と疲労は銀花をむしばみ、息も絶え絶えに立つのがやっとだ。
 対するゼファーは暴風を纏いながらも、銀花を睨む。その鎧にごくわずかだがヒビが入っていた。
 そう、銀花は当たる直前に怪力による一撃を叩きこみ、神速ともいえる速度に合わせて攻撃を打ち込んだのだ。

「あれに合わせますか。見事、ですが傷を治した所でもうそのままでは戦えないでしょう」
「くっ……!」

 しかし、その代償は重い。銀花は頼りのゴムも無くなり、纏っていた服も見るも無残に引きちぎられて肌を露出させ、息も絶え絶えに立っているのがやっとだった。
 紛う事なき強敵に銀花は悔しそうな表情を浮かべ、後ろに下がるのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

ノストラ・カーポ
情報があれば対策も練れるってもんだ
敵のWIZUCに対し【早業】で仕込み杖を抜刀し【衝撃波】による【2回攻撃】で竜巻の威力を減衰させ、【Omertà】を攻撃の方向に伸ばし鎖の壁を展開【念動力】で固めた上で【オーラ防御】で強度を高め攻撃を防ぐ。

反撃と行こうか
【第六感】で敵の動きを予測し、【Omertà】に【呪詛】を込めて伸ばして【範囲攻撃】。敵に鎖が当たれば【ロープワーク】の要領で搦め捕り【指定UC】で攻撃。発生させるのは純粋なブラックホールだ。速さが自慢のお前でも逃れられまい?



●情報は力
「次は貴方ですが。だが、私の暴風、止められると思わないでください」
「情報があれば対策も練れるってもんだ。止めてみせるさ」

 両手の車輪剣、そして体のタイヤの唸りをあげながら、今にも斬り込まんと構えるスピード怪人『ウインドゼファー』。
 その正面に立つのは機械の身体を持ち、文字通り凶刃を内に秘めた機械人形、ノストラ・カーポ(無法者・f14707)だ。

「戯言を……。散りなさい!」

 甲高い金属音を鳴らしながら、一足飛びにノストラに肉薄するゼファー。両手に持つ車輪剣からは竜巻が生まれ、当たれば機械の身体とはいえズタズタに引き裂くだろう。
 だが、ノストラは当たる直前にゼファーをも上回る速さで仕込刀による抜刀を車輪剣に放ち、その衝撃波は二重となり竜巻を散らし、【Omertà】が飛び出し車輪剣をオーラと念動力の二重の壁が阻む。
 瞬く、というのはゼファーの専売特許だったのだろう。だがほんのわずかとはいえ上回れたことにゼファーは一瞬呆然とした。それほどまで速さに自信があったのだ。
 それでも立ち直しは速かった。即座にその場から離れようとするも、ノストラの方が一手早かった。

「逃さないっての!」

 ノストラから【Omertà】が伸び、それは生きているかのようにゼファーに絡み付く。その鎖を引き千切らんと車輪剣を叩き付けるが【呪詛】により軽減される。

「こいつを喰らいな! いくら速さが自慢のお前でも逃れられまい?」

 鎖により雁字搦めにとらわれたゼファーに畳み掛けられるように放たれるは純粋なブラックホール。

「くううっ!!」

 超重力によりゼファーは巻き込まれ、大きく身体を削り取られるも、ブラックホールが長続きするはずもなく直ぐに霧散するが、その短時間でゼファーは大きく削り取られた。

「……っ! はあ……はぁ! まだです。まだここを抜かせる訳にはいきません」

 それでも、ゼファーは車輪剣を手に立ちふさがる。その姿はまさに門番。
 暴風の門番を前に、猟兵達は苛烈に攻め立てる。望むのはその先なのだから――。

成功 🔵​🔵​🔴​

フェン・ラフカ
何があろうと、貴女が過去に憑りつかれた時点で終わってしまったのですよ。

先制攻撃とはいえ、転送されて攻撃が来るまでにいくらかラグはあるでしょう。

UC【レプリカクラフト】で自身の目の前に20m四方の壁を作り暴風対策をします。
壁が耐えようとなかろうと、一度風を止めてしまえば威力は落ちるでしょう。
足場等が崩れた後はワイヤーフックで無事な足場に引っかけてぶら下がります。
コートに以前作ったショットシェルの『罠を使い』、それを相手に槍付きで投げて暴発させます。…お気に入りだったのですが仕方ありません。
目眩ましの後、ロキ・ストレィトを構えて狙い撃ちます。

銃弾は風よりも速いですが、貴女はそれを超えれますか?



●過去と現在
「何があろうと、貴女が過去に憑りつかれた時点で終わってしまったのですよ」
「五月蠅い……! 私達は、全てを手に入れるんだ……!」

 激戦で猟兵、ウィンドゼファー共に大きく傷つき疲弊する最中、フェン・ラフカ(射貫き、切り拓く、魔弾使い・f03329)は破壊の暴風を纏うウィンドゼファーを前にコートを靡かせながらロキ・ストレェトを構える。

「邪魔をするなら、お前から壊れろ……!!」

 ウィンドゼファーは纏っていた暴風を放ち、周囲を花の足場ごと打ち砕き足場を穿っていく。
 フェンは暴風を受けながらも、自分に当たる前にレプリカクラフトで20m四方の壁を作りだし、ウィンドゼファーの暴風を遮るがレプリカクラフトで生み出した壁は容易く瓦礫と化し足場ごと砕かれる。

「……ふん、あのような壁で防げると思いましたか? 愚かな」
「この程度で倒せると思いましたか? 愚かですね」
「っ……!?」

 ウィンドゼファーが足場ごとフェンを排除したと思い込んだその時、フェンの声がウィンドゼファーの耳に届き同時に槍が自分に飛んでくることに気付く。

「くっ! ですがっ……なっ!?」

 ウィンドゼファーは自分に刺さる瞬間に暴風で槍を砕くと――それに括り付けられていたショットシェル、散弾銃の弾が暴発しウィンドゼファーの身を穿ち、思わず顔を手で庇ってしまう。
 そう、フェンは二重三重と罠を張っていたのだ。壁で自分の身を隠し、足場が崩れればワイヤーフックで残っていた足場にぶら下がり、ウィンドゼファーが油断するその時を。
 そしてワザと弾丸を放たずにショットシェルを括り付けた槍を放ち、壊すように仕向け、ウィンドゼファーはフェンのもくろみ通り罠にかかる。
 これが〆となる。罠とは最後の一手を打つための布石なのだ。

「銃弾は風よりも速いですが、貴女はそれを超えれますか?」

 ぶら下がったままフェンはウィンドゼファーに狙いを定め、ロキ・ストレィトの引き金を引く。
 弾丸はウィンドゼファーの暴風が弾丸を防ぐよりも速く、ウィンドゼファーの身を打ち貫きその身体を吹き飛ばした。

「っ……! はぁっ……! 超える……超えて見せる……! 全てを……手に入れる為なら……!」

 フェンの弾丸は急所から外れたものの肩を貫いた。だがフェンも足場を崩すほどの暴風を受けて無傷では要られなかった。ワイヤーフックをブランコのように扱い、無事な足場に戻ったフェンもまた傷を負っていた。
 一進一退。全てを手に入れる欲との戦いは激戦を続けるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

胡・翠蘭
ふふ、荒々しくも堂々たる態度には敬服致しますが…
欲のままに全てを叶え堕落し衰退する世界などつまらぬものに変えられては困りますもの

【SPD】
まずは初撃に備え
防具改造と激痛耐性活性
直撃被弾を防ぐよう、第六感と野生の勘で見切り、回避と防御を
更に…最低限自分の姿勢を保てる程度に足場を確保できるよう立ち回り
あとは…攻撃手段が近接だけと思い込ませるよう、ハンマー型のガジェットを携えて

さて、反撃は…
ええ、彼女がわたくしの視界に居れば、それで…ふふ
UCを発動させ、マヒ、呪詛、毒を仕込ませた淫蕩の触手を嗾けましょう
わたくしの触手はわたくしの視界に居ればそれを捉えて捕え、蹂躙致しますの…
お楽しみ頂けましたか?



●破滅の堕落と淫蕩の沼
 多くの猟兵達がウィンドゼファーとぶつかり合い、足場を崩壊させながらも徐々に押し込みながら、あるいは撤退に追い込まれながらも激戦は続いていた。
 一進一退の攻防が続く最中、ウィンドゼファーは胡・翠蘭(鏡花水月・f00676)を射抜くような鋭い視線に殺意を交えながら見やる。

「ふふ、荒々しくも堂々たる態度には敬服致しますが……欲のままに全てを叶え堕落し衰退する世界などつまらぬものに変えられては困りますもの」
「……それでも、私達は全てを手に入れる。他は知らない……! だから、猟兵……! お前たちは消えろ……!」

 ウィンドゼファーは幾度となく生み出した破壊の暴風を繰り出し、足場を破壊しながら暴風は翠蘭に襲い掛かる。
 翠蘭は今まで培った勘と激痛に耐えうる力、そして暴風や繰り出される岩塊に耐えられるような防具に改造し、巧みに暴風の中を掻い潜る。
 その暴風の中でも無事な足場を見極め、見せつけるようにガジェット製のハンマーを手にしながら暴風が鳴りやむのをただひたすら待ち続け、足場を飛び続ける。
 次第に暴風が止まり、ウィンドゼファーは翠蘭が多少の手傷は負っているが未だ戦える様子を見ると思わず舌打ちをする。

「……耐えましたか。しかし、近づけさせはしません。次で仕留めます」
「次なんてありませんわ。チェックメイトですもの」
「何……!?」

 翠蘭の言葉に思わず仮面の中の眉を潜めるウィンドゼファーだったが、それが嘘偽りではなかったことが直ぐに判明する。
 次の暴風を放とうとしていたウィンドゼファーだが、花の足場から突如触手の群れが現れ、その身を絡め取ったのだ。

「わたくしの触手はわたくしの視界に居ればそれを捉えて捕え、蹂躙致しますの……お楽しみ頂けましたか?」
「うあ……! あああっ!」

 締め付けるような強烈な触手に加え、触手から出る分泌物はマヒ、呪詛、毒といった精神と身体に異常を及ぼすものばかり。更に快楽も混ざっている事から思考が鈍り、翠蘭の触手は判断力すら奪ってしまったのだ。

「くあっ……! こんなっもの!!」

 締め付けウィンドゼファーの身体と精神を犯す触手だが、それをウィンドゼファーは強引に引き千切り、距離を置く。
 互いに息を荒くする猟兵達とウィンドゼファーだが、戦況は猟兵側に傾き始めており、この勢いを推し進めるべく、猟兵達は攻撃を苛烈にするのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴァシリッサ・フロレスク
血を火種にする能力をフル活用する。

先制攻撃は敢えて【おびき寄せ】て、この身を刻ませる【覚悟】だ。
【激痛耐性】を以て、返り血をたんとヤツに浴びせてやる。

防戦に徹しつつ、攻撃パターンを【情報収集】し、【戦闘知識】で頃合いを【見切り】、【カウンター】で【捨て身の】『ブレイズフレイム』。

地獄の劫火は、簡単にゃ消せやしないよ。

――火は風威を趁い、風は火勢を助く。

寧ろ、アンタの烈風(かぜ)が疾(はや)ければ疾い程、荒れれば荒れる程、其の火勢は貴様を呑み込む燼滅の奔流となる――

アタシの炎と、アンタの風が協奏(かな)でる
火焔旋風(ファイアストーム)だ。【鎧なんぞ無意味】さ。

――もう終いだ。逝っちまいな。



●嵐は過ぎ去り――
「負けない……全て……全てを手に入れるまでは……!」
「いいや。アンタは負ける。勝つのはアタシ達だ」

 サバサバとした物言いでそう断言する様にウィンドゼファーに告げるのはヴァシリッサ・フロレスク(浄火の血胤(自称)・f09894)だ。彼女もまた、戦い続けて多くの血を流している。しかもその血の量は他の猟兵達よりも多い。

「ああぁぁぁあ!! 負けて、たまる……ものかぁああああああ!!」

 残りの生命力を燃やし尽くすかと思うほどの暴風を纏い出したウィンドゼファー。その嵐は今までの物よりも荒々しく、それでいて儚げだった。
 神風特攻という言葉がふさわしいだろう。その突撃をフロレスクは――避けなかった。覚悟を決め、激痛に耐えうる身体を作り、あえてひきつけたのだ。
 ただ無謀に身を差し出したかに見えるが、今まででの戦闘の情報、経験に基づく戦闘知識を絞り切り、ウィンドゼファーの攻撃を見切り、薄皮一枚を切り裂かせてその一撃を避け――カウンターで血を――地獄の炎を浴びせた。

「あああっ!!!」

 風は炎を富ませ、 火は風威を趁い、風は火勢を助く。

「地獄の劫火は、簡単にゃ消せやしないよ。寧ろ、アンタの烈風(かぜ)が疾(はや)ければ疾い程、荒れれば荒れる程、其の火勢は貴様を呑み込む燼滅の奔流となる――」

 その言葉の通り、ウィンドゼファーの纏っていた風は炎に包まれ、極炎の嵐となってウィンドゼファーの身を焼き焦がす。

「――もう終いだ。逝っちまいな。……全てを求めても、届かない。それが現実ってものさ。欲は程々に、それが一番だね」

 爆炎の火炎旋風を背に、フロレスクは次の戦場へと歩いていく。
 風が止み、炎が収まればそこにはウィンドゼファーの影も形も残らず、ただ残り火が残るだけだった。
 なぜ彼女がそこまで全てを望んだのか――それは彼女らしか知ることがないだろう。それでもフロレスクは、猟兵達は足を止める事はない。足を止めてはこの世界の滅びを享受することになるのだから。
 最速でなくても、一歩ずつ、確かに歩く。歩くような速さで猟兵達は未来を掴むのだろう。これまで通り、そしてこれからも――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月26日


挿絵イラスト