バトルオブフラワーズ⑪〜超・神・速
「皆様、敵の3幹部もいよいよ1人を残すのみとなりました」
ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)が次の標的と定めたのは、スピード怪人『ウインドゼファー』だった。
「エイプモンキー、ラビットバニーに続き、中枢への第三の関門となるのが、このウインドゼファーでございます」
ウインドゼファーは、同時に一体のみしか存在しない。
だが、何度でも骸の海から蘇生するという、強力な再生能力を持っている。これまで立ちはだかった幹部級怪人と同じように。
「ならば、我々が取るべき勝利の方法も同じ。何度も蘇るのならば、その蘇りを上回る数の死を叩き込んでやるのです」
短期間に何度も撃破されれば、蘇生力は許容を超過し、ウインドゼファーは復活不可能となるのだ。
「ウインドゼファーの能力は、風を操る力。ただそれのみです」
だが、シンプルゆえに、強い。速い。
生半可なからめ手は通じず、さりとて正面からの相対ではかなわぬ。
「加えて、絶対に先制する力……これをしのがなければ一矢報いる事は難しいでしょう」
しかし、この先にまだドン・フリーダムが控えている。無敵ではありえぬ。勝機は必ずある。
「シュババッと神速を発揮するウインドゼファーを、皆様がどのような手段で攻略するのか……武運を祈らせていただきます」
システム・フラワーズがドン・フリーダムの手に落ちる……それを阻むために、この強大な壁を打ち破るのだ。
七尾マサムネ
今回のシナリオは、1フラグメントで完結する戦争シナリオとなっております。
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
また、ウインドゼファーの戦場の戦力「40」をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らす事ができます。
速さには速さか、あるいは別の手段か。
皆様の挑戦、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
|
POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
紫谷・康行
風は局地的なエネルギーの差から生まれるもの
ならその差を消せばいい
分子の熱運動をを止め、そのエネルギーを一瞬部分的にでも0に近づけることができれば
竜巻を逸らすこともできるかもしれない
相手が仕掛けてくる一瞬を見逃すな
勝機はそこにしか無い
向かい風の間に
【コード・ポテンシャル・ゼロ】を使い相手が攻撃してくる瞬間
片方の剣のエネルギーを0にしようとする
攻撃の瞬間なら大きなエネルギーがそこに集まっているはず
片方の出力を弱めることができればバランスが崩れその流れが乱れるかもしれない
傷つくことを恐れず覚悟を決め一気に飛び込み
動きを止めようとした車輪剣を狙い斬りかかる
風の、回転の隙間を斬るように
後に続く者のために
杖を携え、戦場へと降り立った紫谷・康行(ハローユアワールド・f04625)の前に、神速の化身が立ちはだかる。
「猟兵よ、どのような技を繰り出そうともこの速さを凌駕することは叶いません」
速さ。それだけを追求したゆえに、神速の化身……ウインドゼファーは、強い。
だが。
康行とて、無策のままここに立ったわけではない。
風は、局地的なエネルギーの差から生まれるもの。ならば、その差を消せば……。
「行きますよッ!」
ウインドゼファーが、神速の世界に身を躍らせた。
全タイヤが高速で回転。モードチェンジを完遂しながら、双の車輪剣を繰り出す。回転運動は風を、そして竜巻を生み、外部からの干渉を全て阻む。
相手が仕掛ける。その一瞬こそを、康行は待っていた!
「!?」
車輪剣の片方の軌道が、ぶれた。
【コード・ポテンシャル・ゼロ】……康行の杖より発動されたコードが干渉。攻撃の瞬間、車輪剣に集約されたエネルギーを、限りなくゼロと近似な状態にしたのだ。
「これしきで、速さは止まりませんッ!」
剣は二振り。片方が使えぬとて、もう一振りがある。
しかし、ウインドゼファーが現在身を置く神速の世界においては、それだけではすまぬ。
「!!」
ウインドゼファーの制御による、完璧なバランス。それが崩れたのである。
それでもなお、竜巻の威力は、並みのオブリビオンの技の比ではない。
ゆえに康行は、飛び込んだ。『闇払い』を手に、覚悟を胸に。
肉体と方向感覚を粉砕せんとする、竜巻の間隙を縫うように。
そして、康行の斬撃が届く。狙いは、ウインドゼファー本体ではなく……。
「我が風に……届くッ!?」
車輪剣が、宙を舞った。
「あまりしゃべりすぎない方がいい。言葉には力があるのだから」
さあ、続け猟兵よ。康行の生み出した好機をつかめ。
成功
🔵🔵🔴
ボアネル・ゼブダイ
【血涙の聖者】を発動
真の姿でお相手します
荒れ狂う暴風に対抗するため
私の聖痕から溢れる荊を地面に刺し張り巡らせます
父上が仰っていました
地に根付いた大木はどんな嵐でも吹き飛ばすことは出来ないと
爆発的に増大した戦闘力で防御に徹し
『激痛耐性』と併せて攻撃に耐えます
いずれ私に止めを刺すべく最後の一撃を振るわんとするでしょう
その時が来たら地中に潜ませた荊を地面から網の目のように突き出し
その暴風を削り取ります
そして父上はこう続けられました
だからこそ、小さな風にも心を配らなければいけないんだよと
『見切り』『早業』『カウンター』を使い贖血剣グィンソーンで一撃を与えます
私の命と覚悟
彼女に対抗するために捧げましょう
虚空を舞う、一振りの車輪剣。
その隙を突いたのは、ボアネル・ゼブダイ(Livin' On A Prayer・f07146)だった。
新手の登場に、ウインドゼファーは剣をあきらめた。次なる風の力の発動にかかる。
「我は風! 全てを超越する神域の西風!」
フルスロットル・ゼファー!! ウインドゼファーが、暴風そのものと化す。
「無慈悲なる西風に抗うため、私の魂を捧げん……!」
対するボアネルもまた、常なる姿を脱ぎ捨てた。黒き騎士の下より現れたのは……白き聖者。
真なる姿……事象さえも歪ませる、狂信ともとれる祈りが、強制発動を可能としたのだ。
「残念です、あなたには速さが足りないッ!」
圧倒的暴風が、聖者ボアネルの体を吹き飛ばさんとする。
だが、聖痕より溢れし荊が、それを押しとどめた。幾筋にもなるそれが、周囲の花からなる地面を穿ち、ボアネルをその場へと留めんとするのだ。錨の如く。
「……我が暴風を受けてなお立つ者がいるとはッ!!」
ウインドゼファーの驚嘆に、丁寧なる口調のボアネルが応える。
「父上が仰っていました。地に根付いた大木はどんな嵐でも吹き飛ばすことは出来ないと」
ボアネル自身の肉体も、限界を超えた戦闘力に満ちた状態。全身を引きちぎられるような痛みは、強じんな精神が抑え込む。
今度は、ボアネルの番だ。網の目の如く突き出した荊が、暴風の勢いを、少しずつではあるが削っていく。力の発動のため、ボアネル自身の命を対価としながら。
「父上は、こうも続けられました。だからこそ、小さな風にも心を配らなければいけないんだよ、と」
まるで隙など無いようにみえた、高密度の風圧。
その中にわずかながら存在する、密度の低い場所を、ボアネルは、見切った。
時間にして刹那。神の域を翔ける風とボアネルは、肉薄する。
贖血剣グィンソーン、その切っ先に託すは命と覚悟。
果たして刺突は風を破り、ウインドゼファーの胸元を穿った。
成功
🔵🔵🔴
駆爛・由貴
おうおう俺の相棒が世話になったなぁ赤ヘル野郎!
…え?女?…まじ?
エヴァー・トラッシュに魔力通して自分を身軽にしたら奴の攻撃を見切りながら消える足場をジャンプで次々と乗り換えるぜ
「オンモラキ!ビーム砲だ!」
「オンモラキ!アイツを撃ち抜け!」
とわざと声を上げて攻撃を指示
足場が全部無くなったら勝ち誇ったアイツに
「オンモラキ!後ろから撃ち抜け!」
と落下しながら最後の一撃をぶちかますぜ
…かかったなアホが!
上の叫び声でアイツの意識を後ろに向けたらバサンを取り出し出力を最大まで上げて奴にライフル砲で攻撃
着弾と同時にバサンを足場にしてジャンプ
UCを発動だ
今までアイツが受けた傷をベロボーグで再度攻撃してやるぜ!
損傷した胸に、手をやるウインドゼファー。
不意にその頭部が向けられた先には、駆爛・由貴(ストリート系エルフ・f14107)。
「おうおう、俺の相棒が世話になったなぁ赤ヘル野郎! ……って、え? 女? ……まじ?」
「何か問題でも?」
「いやねぇけど……っていきなりかよ!」
問答無用。風が来る。
由貴のいた花の足場が、めくり上がるように吹き飛ばされていく。
由貴は、パンクジャージ『エヴァー・トラッシュ』に魔力を通して身軽になると、散りゆく足場から脱して跳躍。
足を止めぬまま、由貴は、空中に浮かべた自律行動型ポッドに指示を飛ばす。
「オンモラキ! ビーム砲だ!」
光がウインドゼファーを狙う。だが、その身を守る暴風を穿ったのみ。
「もう一発だオンモラキ! アイツを撃ち抜け!」
再発射。しかし、ウインドゼファーは、半歩移動しただけでそれをかわす。
「音声による指示が必要なのですか? 不便ですね」
ゼファーの声色に、哀れみが混じる。
なおも風は荒れ狂い、周囲の足場は消失。
「さあ、もう居場所はありませんよ」
「余計なお世話だ! オンモラキ! 後ろから撃ち抜け!」
なびくポニーテール。
相手の頭上から落下しながら、由貴は渾身の一撃を命じた。
「風に死角など……ッ!」
「……かかったなアホが!」
「!?」
ウインドゼファーの意識が後方に向いたのを確信した由貴は、にいっ、と笑った。
もう1つの自立ポッド『バサン』が出現。出力最大、ライフルから破壊の力が射出される!
「今まで声を上げていたのは、この時のためですかッ!」
わずかな慢心があったか。
バサンの一撃は、ウインドゼファーの回避速度を凌駕し、直撃した。
そして由貴は、バサンを新たな足場として突撃。
空中を翔ける間に、ユーベルコードによりウインドゼファーの弱点を走査。
「……見えたぜ!」
由貴は両刃の短剣を抜くと、見出したウイークポイント目がけ、突き立てた!
成功
🔵🔵🔴
パフィン・ネクロニア
わしもそこそこ早撃ちには自信が……え?絶対先制?
何それズルくない?
先制攻撃に対しては、こんな事もあろうかと用意しておいた秘密兵器に風属性を付与し、暴風にぶつけて威力減衰を狙う。
完全に相殺はできずともこれで多少は避けやすくもなる…はず。
潰しきれなかった風は致命傷を受けぬように見切り、崩れた足場の陰にこっそりとひよこファイブを潜ませて反撃の準備を。
暴風を凌ぎきった後は、残像を作りながら間合いを詰めて曇天で回攻撃、更に潜伏させておいたひよこファイブに奇襲をさせてから本命の剣刃一閃で攻撃を。
「この程度で、風が止むなどと思わない事です」
ウインドゼファーは、相対するパフィン・ネクロニア(ダンジョン商人・f08423)へと告げた。
「にしても、絶対先制とかズルくない?」
「風の速さに、ズルいも何もありません」
スピード怪人のゆるぎない返答に、パフィンは、むう……と唸った。
そして先制が来る。レボリューション・ストーム! 全てを飲み込む豪風!
パフィンの小柄はおろか、周囲に存在する花の足場すら吹き飛ばされていく。
「……こんなこともあろうかと!」
パフィンは隠し玉を取り出した。秘密兵器という名の秘密兵器を。
風には風……風属性を付与したそれでもって、暴風に立ち向かう。
純粋な威力では、相手の方が上。しかしそれはもとより承知。少しでも減衰できれば、御の字。
実際、相殺しきれなかった風が迫る。パフィンはそれを甘んじて受け、あるいは 見切ると、無事な足場へと移りつつ、距離を縮めにかかる。
「今度はこちらの番じゃ!」
「無事でしたか」
一転、反撃に移ったパフィンに、ウインドゼファーが冷静な感想をこぼした。ここまでの猟兵との相対で、しのがれるのもやむなしという認識に改められたのか。
作り出した残像を風に掻き消されながらも、敵との距離を詰めていくパフィン。
風の勢いの強弱を見極め、愛刀『曇天』を抜き放つと、連続の斬撃を試みる。
「風を断つ事など……何ッ!?」
刀を受け流していたウインドゼファーは、見た。
半壊していた足場から、何かが飛び出したのを。
色とりどりの鳥の群れ……ひよこファイブ!
「これはッ!?」
五羽による空中殺法が、ウインドゼファーを翻弄。
そして、パフィンの技量によって微細に分割された1秒、その高速を以てウインドゼファーを切り裂く!
「な……ッ!!」
「商人をなめるなよ?」
見事、風の化身をとらえたパフィンが、勝ち誇った。
成功
🔵🔵🔴
雷田・龍子
◎SPD
ウインドゼファーが風を操るなら、私はそれを利用する。
受けるのではなく【見切り】、対象の力を利用し少しだけベクトルに変化を与え、いなす。
対象の力が強力であればあるほど効果がある。
受けてしまったダメージはアイテム【ドラゴンコイル】で攻撃力に変換する。
対象の先制攻撃に対処出来ても出来なくても構わずUC発動。
私に足場は関係ない。
私は雷を操る。
雷は暴風程度に負けない。
全身を帯電させる。
対象を【催眠術】にかけ惑わせようと試みる。
花の足場を【念動力】で操り、こちらの有利に働かせようと試みる。
対象の攻撃を【見切り】【カウンター】で殴る蹴るの暴行【マヒ攻撃】を試みる。
猟兵、そのユーベルコードに翻弄されるウインドゼファーを、雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)が追撃した。
「虚空こそが、あなた方の還るべき場所ですッ!」
絶対先制の法を順守するように。
ゼファーが、暴風を呼んだ。怪人を中心に展開した球状の力場が、四方を巻き込んでいく。
龍子の選択は、それを見切る事だった。相手の力を利用し、少しだけベクトルに変化を与え、いなす。その効果は、相手の力の強大さに比例する。はずだ。
だが、全方向から襲う風を全て読み切る事は、龍子の力量をもってしても、至難の業であった。
想定以上の猛攻に、切り裂かれる体……しかし、そのダメージは、雷龍の毛によって出来たコイルが攻撃力に変換していく。
「足場がなければ不便でしょうッ!」
「私に足場は関係ない」
傷つきながらも、龍子の体が、ばちりと音と光を放つ。
「私は雷を操る」
小さき帯電は、やがて奔流へと変わる。
「そして雷は暴風程度に負けない」
全身を帯電させた龍子が、ゼファーへと反攻する。
ユーベルコードを起動した今の龍子の技は、倍化どころか、一桁高みにある。
相手が、風という1つの力に特化しているならば。
龍子は、持てる技巧を幾つも重ね、束ねて対抗するだけ。
「くッ」
龍子の赤瞳から叩き込まれた催眠術が、ウインドゼファーの意識を乱す。
赤きメットが左右に揺られた隙に、龍子は、バラバラにされた花の足場を念動力で操り、自らの進路を強制的に構築。
再び勢いを取り戻した疾風を、見切って。
起死回生のカウンターが、ゼファーのメットを打った。
「傷ついた体のどこに、このような余力が……ッ!」
ゼファーの焦りを助長するように。
連続する打撃と蹴撃が、ゼファーの体から、一時、自由を奪い取ったのである。
苦戦
🔵🔴🔴
リアナ・トラヴェリア
この動き、まずは動きを止めないと
…やっぱり受けるつもりじゃないと駄目だよね
高速で突っ込んでくるのなら勇気を出して真正面から武器で受けるよ!
動きが速くて見切れないかも知れないけど、こちらの方に来るのは分かってるから
少しでも勢いを殺せたら離れる前にドラゴニアン・チェインで捕まえるよ!
そしてすぐに手繰り寄せて黒剣で一突き。逃さないように剣を変形させて返しを付けておくよ。…相手が振り払おうとすればする程、傷が深くなる形に
止めを刺せそうならそのまま切り抜くよ
あなたの欲が速さの先の何だったのか私には分からない
でも私は見過ごす訳にはいかないんだ
どんな強い風も吹き続けることはないんだから
なおも風をまとい、健在な姿を誇示するウインドゼファー。
その肉体と心を支えるのは、守護者としての矜持か。それともやはり速さへの渇望か。
「全く速力が衰える気配がない……まずは動きを止めないと」
リアナ・トラヴェリア(ドラゴニアンの黒騎士・f04463)は、わずかに残る花の足場を踏みしめ、襲い来る敵に備えた。
「もっと……もっと先へッ!」
全身を暴風でコーティングし、弾丸と化したゼファーは、その身を撃ち出した。
その速力は、避ける避けないの二択どころの話ではない。ゆえにリアナは、あえて真正面から武器で受ける事を選択した。
激突する。
炸裂した衝撃波が周囲の足場を吹き飛ばし、リアナの髪をでたらめにかき混ぜる。
歯を食いしばり、耐えるリアナ。想定以上の威力が、四肢どころか心までも折りにかかってくる。
「速さでは及ばずとも、その覚悟! 称賛に値しますッ!」
再度の一撃を加えるため、ウインドゼファーが、リアナから距離を取ろうと試みる。その一瞬を、リアナは逃さなかった。
どぉん!
ゼファーの体が爆発した。リアナのドラゴニアン・チェインが直撃したのだ。
ぎりぎりでの命中に、手応えを噛みしめる間も惜しみ、龍鎖を手繰り寄せるリアナ。
彼我の距離が縮めながら、黒剣を突き出す。
敵の装甲を、貫く。
「この程度ではッ!」
剣を引き抜こうとするゼファー。だが、思うようにはいかぬ。なぜか。
黒剣の仕掛けだ。刀身はリアナの意により変形し、返しが出来ていたのだ。ゼファーが逃れようともがくほどに、傷は深くなる。
「あなたの欲が、速さの先の何だったのか、私には分からない」
手を伸ばせば届く距離にあるゼファーのメットを凝視し、リアナが告げる。
「でも、私は見過ごす訳にはいかないんだ。どんな強い風も吹き続けることはないんだから」
ぐ、と。
リアナが剣を押し込んだ。
苦戦
🔵🔴🔴
壥・灰色
敵の先制攻撃を受ける
おれの拳にも『衝拳』――メリケンサックがある。ただ切り裂かれ、ズタズタにされるままでは終わらない
腕を上げ、ガードを固め
敵が発露する攻撃をひたすらに受けきる
可能な限り早く、七二番魔術数理を待機させ
その途中で力尽きればそれまで
だが、腐ってもこの身は『魔剣六番器』
そう簡単に、壊れはしない
乱撃を受けつつ、その撃力を耐えず魔力へ変換し、自身の身体を巡らせる
少しずつ始動刻印にその魔力を通し――
敵の攻撃の切れ目に、出し抜けに術式を発露
両腕の肘から、大翼の如く魔力が飛沫く
魔力の全てを『衝撃』に変換し、一瞬の隙を突いて敵のその顔面目掛け、拳に乗せて叩きつけるッ!!
度重なる猟兵の反攻。
自らの負傷度を冷静に把握しながら戦闘を続行するウインドゼファーは、壥・灰色(ゴーストノート・f00067)との交戦に移っていた。
虚空を翔けながら、先ほど弾き飛ばされた車輪剣を拾い、二刀一対をそろえ直す。
「私が渇望する限り……速さに天井などないッ!!」
白き衝撃の輪をくぐり抜け、ウインドゼファーの姿がチェンジする。
そして、双の剣より奏でられし竜巻が、嗤う。
対する灰色は、『衝拳』――メリケンサックを握り、構える。ただ切り裂かれ、ズタズタにされるままでは終わらない。終わるものか。
「もっと速く、もっと高みにッ!!」
速さへの欲望、そのギアを上げるゼファーの攻撃を、腕を上げて固めたガードで、ひたすらに受ける灰色。
四肢が千切られる、あるいは風化してしまいそうな、圧倒的なパワー!!
だが、腐ってもその身は『魔剣六番器』。そう簡単に、壊れはしない。
双剣による、乱撃の協奏曲。あえてその流れに巻き込まれつつも、その撃力を絶えず魔力へ変換。自身の身体を巡らせる。
第七二番魔術数理。
防御に徹しながら、少しずつ始動刻印にその魔力を通し。
永遠にも思えた乱撃が、不意に、途切れた。
その瞬間。魔力が、飛沫いた。灰色の両腕の肘から、大翼の如く。
雌伏の時は終わった。
受けた風は、塵芥レベルに至るまで余さず魔力となっている。そして今、その全てを『衝撃』に変換。
「私の速さを糧としますかッ!」
ウインドゼファーが驚嘆を発した時が、好機。ただ一度の。
全ての御膳立ては整った。あとはシンプルだ。
灰色は、相手の顔面目掛け、『衝撃』を拳に乗せて、
「叩きつけるッ!!」
叩きつけた。
「!!!」
紅のメットが破砕し、衝撃が全身を駆け巡る。
隠されていた容貌を晒すのを嫌うように。
ウインドゼファーの体は消滅したのだった。まさに、疾風の如く。
成功
🔵🔵🔴