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バトルオブフラワーズ⑪〜私より速い奴を轢きに行く

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ウインドゼファー

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「えぇ、またなんです……」
 なんかもう、分かるだろ? って顔した大神・狼煙(コーヒー味・f06108)は指を鳴らすと、最近噂の? 怪人、ウィンドゼファーの姿を映す。
「新たな怪人が出たから倒してください、以上」
 早急に送り出そうとする狼煙に乱れ飛ぶツッコミの中、狼煙は唇を尖らせて。
「いや、シンプルに強くて別に説明いらないかなって……」
 で、具体的にいうと。
「敵は会敵と同時に先制攻撃を仕掛けてきます。しかし、この際に足場の花を分解されたり、下手すると視認できない速度で飛び回ったり、竜巻を二つ放ち、大気そのものごと挽肉にしてきたりする為、そもそも戦闘にならず一方的に嬲り殺しにされる可能性があります」
『それを先に言えよ!?』
 集まった猟兵の総ツッコミを食らった眼鏡、しゅーん。
「下手に敵の脅威を語ると、戦意が下降して実力が出ないかなって配慮をですね……」
 善意が見事に裏目に出た瞬間である。
「まぁ、今までの二人に比べれば、厄介な異能がない分、比較的楽に勝てるでしょう」
 猟兵達は察した、これフラグだと。そも、特殊能力がないのに後に出てくるとか、どう考えてもアホみたいな強さを持ってるに決まってる。少しでも油断すれば、結末は火を見るより明らかだ。
「それでは皆様、ご武運を」
 かくして、狼煙はゲートを開き猟兵達を送り出し、その背中に声をかけた。
「アイスコーヒーとパインサラダを用意してお待ちしております。必ず帰ってきてくださいね?」
『余計なフラグを立てるんじゃない!!』
 最後の最後までツッコミをもらう眼鏡だった。


久澄零太
皆さまやっふぉい、久澄です

スピード狂の強敵ですって☆

以下、注意点


敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。

この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。


また、このシナリオの運営数に制限はありません。戦場の戦力をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。

つまり?

とにかく倒せということだ!!
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第1章 ボス戦 『スピード怪人『ウインドゼファー』』

POW   :    フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。

イラスト:藤本キシノ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リコリス・シュピーゲル
スピードだけでこの地位に昇り詰めたのなら、相当ですわね……!
とはいえ、私としても譲るわけには参りませんの

まずは剣の動きを『見切り』できっちり見た上で回避を試みましょう
追いきれないようなら『第六感』『オーラ防御』で致命傷だけは避けますの
ある程度見たら【死を謳う氷雨】でお返しですわ!
目標は車輪とそれを繋ぐパーツの隙間
『2回攻撃』で手数を増やし、『スナイパー』の精確さで撃ち抜きますわ

弾丸を隙間にはめる、あるいは周囲に弾丸の残骸が溜まったら『属性攻撃』でそれらを一気に凍らせて止めましょう
回転しなければおそらく風は封じれますよね
その隙に当然本人様を徹底的に攻撃しましょう

絡みアドリブ等大歓迎



「スピードだけでこの地位に昇り詰めたのなら、相当ですわね……!とはいえ、私としても譲るわけには参りませんの」
 リコリス・シュピーゲル(月華の誓い・f01271)は全身のタイヤを高速回転させながら突進してくるウィンドゼファーに剣戟を見切ろうとするのだが。
「って、竜巻ですの!?」
 車輪剣を見切ろうとするリコリスに対して、その判断を嘲笑うように迫る竜巻。風のうねりは実剣とは全く異なるリーチを持ち、不規則な動きも相まってとても見切れるようなものではない。
「やはりそう簡単にはいきませんのね……!」
 咄嗟に障壁を張り、竜巻の軌道を逸らすリコリスだったが、敵の姿は彼女の盾の外側にある。
「その反射速度は見事ですが、詰が甘いですね」
「カハッ!?」
 踵の回転車輪による蹴りを叩きこまれたリコリスは直撃を避けるべく、慌てて障壁の範囲を拡大するのだが、その盾の上から受けた蹴りは車輪の回転によって常に摩擦を生み続け、瞬く間に彼女の防御を削り取ると脇腹へ深く突き刺さり、弾き飛ばしてしまった。
「やはりあの車輪を何とかしませんと……」
 ベルトサンダーを押し当てられたかのような激痛に耐えながら、リコリスは大気中の水分を凝縮、凍結、氷の弾丸を生成すると右肩に浮遊させて右腕を伸ばし、己の体を狙撃銃とする。
(目標は車輪とそれを繋ぐパーツの隙間……破壊はできなくても、異物を挟みこんで鈍らせれば十分ですわ……!)
 グッと、狙いを定めるべく意識を絞るリコリスだが……。
「私に狙撃なぞ当たると思っているのですか?」
 本来の狙撃は長距離からターゲットを正確に射撃するためのもの。つまり、『動きを止めなければならない』。高速機動で回り込むウィンドゼファーはリコリスの死角から車輪剣を振りかざし。
「ご存じですの?暗殺においては零距離射撃もまた狙撃と呼ぶのですわ!」
「んなっ!?」
 死角に回り込むことを想定していたリコリスは振り向きざまに弾丸を射出。無数の氷礫を叩き付け、怯ませた瞬間に左右の目でそれぞれ別の車輪剣に目標を定め、眼球に搭載されたレティクルの中心に車輪剣の稼働部位を収め、諜報と暗殺に長けた人形は微笑む。
「この距離なら、風速計算は不要ですわね」
 ガンッ!!短い無機質な衝突音を立て、怪人の車輪剣の狭間に弾丸が叩き込まれた。
「この程度で、私の車輪は止まらない……!」
「あら、いいんですの?」
 構わず高速回転を続けるウィンドゼファーの剣に、氷の弾丸は磨り潰されて砕け散るが。
「それ、そんなに広げたら熱を奪って完全凍結させてしまいますわよ?」
 パキン、怪人の二振りの武器が同時に凍てつき、使い物にならなくなった。
「これで風は封じました!さぁ、お覚悟を……」
 武器を封じた今、恐れる物は何もない。リコリスが攻勢に出ようとした瞬間、ウィンドゼファーの氷塊が横薙ぎに振るわれ、しゃがんで躱した瞬間に胸を蹴り飛ばされ、倒れた所で喉を踏みつけられてしまう。
「見事。ですが、そこまでです」
 不意打ちの散弾に二発の狙撃。そこまで重ねて封じたのは二つの車輪剣。未だ回転を続ける踵の車輪が、リコリスの首を削り潰すように唸りを上げた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

暮陽・黎明
おいおい挽肉って……そんなの勝てる気がしねーんだがなー?
まぁそれでも挑まなきゃ行けねー訳だけどよ。
会敵と同時には先制が飛んでくるってんなら、離れた位置で会敵しようか。離れりゃ第六感とかで見切るなり武器で受けるなり方法はあんだろ。足場壊されんのは空中に逃げるぞ(情報収集、戦闘知識、空中戦)

避けた後は神威降臨でもしてやろうか
知ってっかー?
風属性ってのは、総じて炎属性に弱いってことをよ
風ってのは大気の動きだ
その先に炎があればどうなるかなんて想像に容易いだろ?
奴さんの周囲を太陽の力で焼き焦がして発火させんぞー
大気ともども焼き焦がしてやろうじゃねーか(祈り、高速詠唱、全力魔法、範囲攻撃、鎧無視攻撃)



「おいおい挽肉って……そんなの勝てる気がしねーんだがなー?まぁそれでも挑まなきゃ行けねー訳だけどよ」
 うわぁ……って顔する暮陽・黎明(瑠璃色に染まる空の果へ・f00383)。遠距離からウィンドゼファーを観察し、わずかでも攻撃を見切る時間を稼ごうとする黎明だが。
「離れていれば当たらないとでも思っているのでしょうか?」
 首を傾げる怪人を起点にして、突如突風が吹き抜ける。津波のように回転しながら駆けるそれは、花の足場を蹂躙してまき散らしながら黎明に迫ってきた。
「おっと、私が翼持ちじゃなかったら即死だったな……うぉ!?」
 後方へ跳び退きながら三対の翼を広げ、空中へ舞い上がる黎明だが、その瞬間、吹き抜けた突風の煽りを受けて頭から墜落してしまう。
「くそ、風が相手じゃ空中は不利か……!」
 割れた額から滴る血を拭い、視界を確保した黎明はその血を指を鳴らして周囲に散らし、赤い雫は五つの点として宙に浮かぶと互いを繋いで、五芒星を描いた。
「知ってっかー?風属性ってのは、総じて炎属性に弱いってことをよ」
 シャン……シャン……どこからともなく、鈴の音が響く。
「風ってのは大気の動きだ」
 空間にスッと線が入ると、障子に代わり、雅な女性のシルエットが浮かぶ。左右にゆっくりと開いた戸の向こうから現れたのは、太陽の如き温かな微笑みを浮かべた女性。
「その先に炎があればどうなるかなんて想像に容易いだろ?」
 ニッと、笑みを浮かべた黎明は柏手を打ち。
「かしこみかしこみも申す……神威降臨、天照大御神!!」
 黎明を背後からそっと抱きしめるように、女性が同化。黎明の体が日輪の如く強くも優しい光を放ち始めて。
「大気ともども焼き焦がしてやろうじゃねーか」
 チリチリと、肌が傷む。強すぎる太陽の光は、それを宿す黎明自身ですら焼き焦がしていて。
(長くは持たねぇ……一気に仕留める!)
 天を示せば小さな輝きあり。瞬く間に膨れ上がるは小さな太陽。燦々と輝くそれは辺り一面を遍く照らし、光源から無差別に散らばるはずの光をウィンドゼファーに収束。
「天照大御神……どこぞの神話のお話でしたか」
「風が止んでる……?」
 揺らめく陽炎の向こうで、ウィンドゼファーは首を捻る。あまりの高熱により、足場の花すら自然発火する灼熱の中、動こうとしない怪人に黎明が違和感を覚えたその時。
「その神話にはこんな話もあるそうですね」
「しまった……!」
 黎明が怪人の目的を察し神威降臨を解除しようとするも、己が身を焦がす呪縛に苛まれた彼女の判断は既に遅かった。
「とある英雄は風を味方につけ、草原に火を放つとその業火をもって敵を焼き払ったそうですよ?」
 途端、暴風が吹き荒れる。炎の花畑を蹂躙し、煽りを受けた炎は送り込まれた空気を燃料に燃え盛ると、互いが互いを食らい、更なる酸素を求めて万物を焼き尽くさんとする蠱毒と化す。カグツチもかくやという怪物は、黎明を消し炭にせんと彼女を呑み込んだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

蒼汁之人・ごにゃーぽさん
ああ、ボクにもスピードを追い求めていた時期があったなー、完成させたアレはどこしまったっけな?ま、今無いのはしゃーない。
足場をバラバラにする暴風か、それだけの威力なら余波だけでも相当なものだろう。だが、その余波の風に乗る。風を受けやすいよう武器改造した乗騎を操縦し、属性攻撃で乱気流を馴染ませながら風に騎乗して空中戦の逃げ足で暴風から逃げるよ。それでも満身創痍だろうが、意識さえあれば祈りを捧げ呪詛を放てる、理解してはならないモノを強制理解させる呪詛を。さぁ、ボクの本名を知れ。
空間が軋み  がそこから伸ばされる、さぁ逃げろ逃げろ、だが後ろだけ気にしてもいけないぞ?ほら行き先の空間が軋んでるだろ?



「ああ、ボクにもスピードを追い求めていた時期があったなー、完成させたアレはどこしまったっけな?」
 ガサガサゴソゴソ。
「ま、今無いのはしゃーない」
 なかったんかい!蒼汁之人・ごにゃーぽさん(偏在する混沌の媒介・f10447)は一体何を作ったというのか……。
「準備不足でここまで来るとは……」
「来るぞハルキゲニア。今こそ改造された君の姿を見せる時だ!」
 吹き飛ばされる花の足場を見て、暴風の接近を察知したごにゃーぽさんは古代生物っぽいぬいぐるみに飛び乗ると、その首にしがみつく。
「あんなの避けた所で、余波で死ぬのは目に見えてるし、かといって足場が散らされるんじゃ耐えるのも無理。というわけで……」
 ハルキゲニアに蒼汁を飲ませると、バサッ!ハルキゲニアの背部に伸びた棘っぽい部位の隙間に、蒼汁製なのか青く輝く膜が張られた。背棘を横倒しにすると前半身を持ち上げて、風を受けて舞い上がる。
「乗るっきゃない、このビッグウィンドに!!」
 お前バカか!?花の足場を巻き上げ、吹き散らす程の暴風。そんなものに飲み込まれればひとたまりもないのは分かっていた。だからこその。
「てってれー、風の蒼汁ー♪」
 ごきゅっ、ぺかー。一気飲みしたごにゃーぽさんの周囲にそよ風が生まれ、ハルキゲニアを回転させ……めっちゃクルクル回ってるけど!?
「逆転の発想だよ。相手が風を扱う以上飛行系は死ぬ。ならば、先に自分の風で自滅して、乱気流に呑まれても少ししか被害が無いようにすればうわだめだこれ目が回るー!?」
 言わんこっちゃねぇ……先に乱気流に馴染もうとして余計被害が悪化するごにゃーぽさん。更にそこへ巻き込まれた花の足場が迫る!
「ところがどっこい、ボクだって自滅するためだけにこんなもの用意したわけじゃない!!」
 どう見ても風に弄ばれてるごにゃーぽさんなのだが……自分で用意した方のそよ風が緩衝材になって、足場の表面を滑る様に躱した……だと!?
「……ほう、その小さな体で乗り越えてきましたか」
 風が吹き抜けた後、地面に落下してなんかキラキラ(意味深)してるごにゃーぽさんへ、ウィンドゼファーが歩み寄る。
「しかし、その様子ではもはや何もできはしないでしょう。おやすみなさい」
 ごにゃーぽさんの小さな体を踏み潰さんと、怪人が足を上げた、その時。
「死んだふりにこうも引っかかってくれるとは、ありがたいねぇ」
 跳ね起きたごにゃーぽさんはストンプを躱し、脚を駆け上がって外套を這いあがり、叩き落とそうとする腕を跳んで襟首に掴みかかると。
「ごにゃーぽ☆ボクの名前は  ・ だよ♪」
「は?」
 名乗っただけのごにゃーぽさんを、ウィンドゼファーが叩き落とすと、踏み躙る。
「まったく、何がしたかったんでしょうか……ん?」
 猟兵を踏み潰した怪人が小さな声を聞き、振り向けど何もいない……いない、はずだ。
「なんですか、今の?」
 その疑問に答えるように、空間が軋む。だが、理解できない。それもそのはず。何もないのに『何か』が軋んだなんて、どうやって分かれと言うのだろう?だが、彼女は『知って』しまった。
「な、なんですか?何が起こっているのですか……!?」
 分からない、分かりたくもない。だが、知った以上ソレは決して逃がさない。
「さぁ、逃げろ、逃げろ、逃がしてくれるとは思わないがね」
「やはりあなたの仕業か……!」
 踵のタイヤを高速回転させて、ごにゃーぽさんの体をすり潰す。丹念に、入念に、皮を削ぎ、肉を潰し、骨を砕いて……だというのに、変わらない、逃げられない。
「待て、来るな、来ないで……!」

成功 🔵​🔵​🔴​

オーガスト・メルト
…つまり、こういう事か。
「小細工無用。真正面から来い」と。

【SPD】連携・アドリブ歓迎
ドラゴンランスの【デイズ】と万能バイクの【ナイツ】を武器形態にした状態で【騎乗】し会敵する。
奴が視界に入ったら即座に防御行動をする。
敵の暴風攻撃を全開の【オーラ防御】で受け流しつつ、爆炎の【属性攻撃】を乗せた槍の【なぎ払い】で【吹き飛ばし】てやる!
ここまでで無茶苦茶痛いが【激痛耐性】で我慢!
UC【竜二輪変形】に【ダッシュ】を重ねて【空中戦】を仕掛ける。
足場が無いなら都合がいい。
機械ではない竜の駆ける軌跡に上下左右や慣性なんて常識は無い!
【2回攻撃】を当たるまで累乗で重ねて加速する!

…俺たちは、先に行くぞ。



「……つまり、こういう事か。『小細工無用。真正面から来い』と」
 オーガスト・メルト(竜喰らいの末裔・f03147)が左腕を伸ばすと、肩に乗っていた黒い饅頭めいた小動物がしゅーっと滑り降りて、指先から飛び立つ。そのまま着地したかと思えば、竜を象るバイクに化けたではないか。
「いくぞ、デイズ、ナイツ」
 黒竜のバイクにまたがれば、右肩からてちてち指先に向かっていく白い方の饅頭めいたアニマルが、白竜の槍に姿を変えて。
「さてさて、どこまで神速を凌駕できるかな?」
 口角を上げてアクセルを回す。スロットルが口を開き燃料を飲みこめば、エンジンは唸りを上げてタイヤが空回り、一瞬だけ摩擦熱で白煙を上げた後、撃ち出されるようにして疾駆。
「考えなしに真正面から来ましたか……」
 呆れかえった様子のウィンドゼファーの背後から、全てを吹き飛ばさんとする暴風が鎌首をもたげ、オーガストへ向かって突っ込んでくる。
「飛ぶぞ、ナイツ!」
 バイクの装甲が展開、竜が翼を広げるように、飛行用に搭載された可変翼を開くとウィリー。機体の頭を浮かせて大気を捉え、来る暴風の先駆けに乗るようにして舞い上がった。
「どうせこれを乗り切ろうとしても、撃墜されるっていうのなら……」
 槍を突き出すように構え、その切っ先から竜の覇気を纏うと、己の身を包むように広げて更にその上から爆炎を噴き出し、覇気の上を滑らせて熱による対流を生み出し暴風に対して熱風を纏う。
「全力で突き抜ける!!」
 自ら飛び込んだ嵐の中、その身を引き千切らんとする気圧の刃は生み出した熱風でいくらでも防げるが。
「クソッ、こればかりはどうしようもないか……!」
 風に紛れて巻き上げられた足場が飛来、頬を掠めて後方へ飛んでいった。中には直撃する物もあったが、音を上げるわけにはいかない。奥歯を噛み締め強引に痛みを押し込みながら。
「ナイツ!ギアシフト!!」
 ペダルを蹴ってギアを上げ、応えるように二輪が吠えながら加速。相対的に飛んで来る足場の威力も跳ね上がるが、知った事ではない。眉間を直撃した足場に頭をカチ割られ、真っ赤な水滴を散らしながら、加速、加速……。
「これでトップギアだ!」
 最高速度に達したオーガストは最後の足場を突き砕き、ついに。
「どうだ、来てやったぞ……!」
「私の風を抜けてきたですって!?」
 ウィンドゼファーの目の前に姿を現し、二輪形態を解除。デイズとナイツを一つの大槍に繋ぎ、爆炎の魔力を自分の背後へ。
「……俺たちは、先に行くぞ」
 今まで乗って来た愛機の速度、落下による重力、得物を振るう腕力、さらには自らの背を爆破することによる加速。いくつもの要素をかけ合わせ、滑空する竜の牙と化したオーガストの一撃が……。
「一手、足りませんでしたね」
「ち、くしょ……」
 外れた。
 どこまでも、突き抜ける事に特化したオーガストの一撃は精度に欠け、最後の最後で怪人の頭を掠め、その身のすぐ側の地面を穿ち、反撃の車輪剣がオーガストの身を引き裂いていて……。
「……本当に、惜しかったですね」
 パキン……崩れ落ちたオーガストの隣で、ウィンドゼファーの装甲に亀裂が走った。

成功 🔵​🔵​🔴​

ビスマス・テルマール
●POW
『先制攻撃』で『空中戦』で地を蹴り

弾に『オーラ防御・属性攻撃(真空)・誘導弾・範囲攻撃』を込め『早業・クイックドロウ』を駆使の『一斉発射』で盾がわりの弾幕を張り『ダッシュ』と『残像』て動き回り攻撃を『見切り』つつ面制圧を意識し立ち回り

展開した真空で
敵が纏う荒れ狂う暴風の勢いを削ぐ事を狙い

弾幕に『属性攻撃(ブリのなめろう雑煮)』も混ぜ『スナイパー』で当て、食欲を揺さぶりUCの原動力の欲望の揺さりも忘れず

隙を見てわたし自身も『早業』でUC発動

『属性攻撃(さんが焼き)』を付与した『オーラ防御』を『範囲攻撃』で周囲展開

『激痛耐性と捨て身の一撃と鎧無視攻撃』を込めた『シールドバッシュ』突撃を敢行



「まともに狙っても躱されるのが関の山でしょうか……!」
 ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は両腰の砲塔から散開する砲弾をばら撒き、面制圧を目的に砲弾の壁を生成すると自身は後方へ飛び退きながら、足跡に残像を残して多角的な軌道を描き、砲弾の壁を盾に回り込まんとする。
「弾幕にはなめろう属性だって込めてあるんです。たとえ当たらなくても、食欲を刺激できれば……」
「笑わせないでください」
 弾幕の壁は敵と同時に、自身の視界も潰す。ビスマスが敵の姿を捉えられなくなった一瞬で、既にウィンドゼファーは高速機動で回り込んでいて。
「ぐっ!?」
「我々は無限大の欲望すら食い尽くさなければならない……その私達の欲望を刺激する?」
 ビスマスの首を掴み上げたウィンドゼファーは彼女の体を吊るし上げ、首を握り潰す程に締め上げた。
「たかが魚の匂いで私達の欲望が揺らぐわけないでしょう!私達の欲望を舐めないでください!!」
「ガハッ!?」
 ビスマスを花の足場に叩き付け、更に彼女を掴んだまま文字通り音速の域で飛び回るウィンドゼファー。引きずり回される少女は幾度となく足場が砕け散るほどに強打され、結晶の体にヒビが入っていない事の方が奇跡的な有様だった。
「私達は全てを手に入れる……邪魔をしないでください!!」
 トドメと言わんばかりに足場に叩き付け、一瞬意識を手放しかけたビスマスの眼に、車輪剣が映る。
「己が欲望の浅さを悔やみなさい……」
「私の属性は……なめろうだけではないんですよ……!」
 振りかざされた剣に対してビスマスが咄嗟に撃った砲弾は、怪人と彼女の間に一瞬の真空を生む。刹那、大気が薄れ風が弱まった事に怪人が意識を引かれた隙に、ビスマスは彼女を蹴り飛ばして距離を取ると、腰のガジェットを叩く。
『Namerou Hearts』
「調理開始です!」
 取り出した三つのデバイスをガジェットに装填、同時に花の足場に代わりまな板の地面が召喚された。
『tuna!banana!Avocado!』
「変身?そんな隙だらけの間違った文化、今ここで滅ぼしてあげましょう……!」
「調理中の立ち入りはご遠慮ください!!」
 例え目に見えぬ速度であろうと、来ると分かっているのなら対処のしようはある。現れたマグロの群れが周囲を回遊し、怪人がそれに斬りかかろうとした瞬間マグロごと業火に焼かれ、煤で汚れたウィンドゼファーが炎を斬り払えば目の前にはさんが焼きが置かれているのみ。
「しまっ……」
「生成!」
『bon appetit』
 二つのアボカドが左右に割れて、脚甲のようにビスマスの脚部を包むと彼女の背に巨大なバナナが搭載。しかし、そのまま腰元まで降りると前に向かって展開、ドレスアーマーのような形態へ。更にマグロの切り身に腕を突き刺すように腕甲を装着、蛇腹のように並べた切り身を鎧に纏い、薔薇を象るように飾り盛された切り身はビスマスの背にとりつくと、翼のように広がって。
「ナメローズマバア!」
「く……しかし、変身した所で……!」
 ビスマスが動き出す前に距離を詰め、その首を落とそうと得物を振るう……だが、その刃が届く前にビスマスは後方へ飛び退いて見せた。
「私のスピードについて来た……!?」
「あなたが何かを強く追い求めるように……私もまた、なめろうを、この文化を広めたいのです。これは、その意思の力……」
「与えられた物を甘受し、もたらされた世界に満足しているのですか?欲望を失った愚か者め!」
「違う!」
 ウィンドゼファーの叱責にビスマスは吼え、マグロの輝きを放つ長剣を構えた。
「古い物があるからこそ新しい物が生まれるんです!誰もが切っ掛けを『与えられて』自分の欲望を……夢を抱くことができるはずなんです!!」
 車輪とマグロがぶつかり合い、火花と水飛沫を上げる。
「ふん、あなたとは考えが合わないようですね……」
「その意見には同意しますよ……!」
 車輪剣が振るわれ、ビスマスが弾き飛ばされると怪人は右へ音の壁を突き破り、ビスマスは逆方向へ飛ぶ。
「もはや語る意味もありません」
「この一撃で決着です!!」
 お互いの姿が見えぬほどに離れ、足場を蹴った両者は常人には目視すらできぬ速度ですれ違い、ほんの数メートルほどの距離を開けて、止まった。
「斬る前に……蹴った……?」
 崩れ落ちたビスマスに、ウィンドゼファーは肩越しに目をやる。交差する刹那、ウィンドゼファーはビスマスの得物を蹴り飛ばし、がら空きになった彼女の体を斬り捨てたのである。
「所詮は料理に囚われた、欲望の無い弱者だったようですね……」
 グラリ、されど視界は揺らぐ。みれば、胸元には斬痕が一つ。
「まだ……まだです……ここで……倒れるわけには……」

苦戦 🔵​🔴​🔴​

神樹・桜花
見つかれば最後、徹底的に叩き潰されるなら、小細工は無意味ですね。
先制されるにしても、此方から会いに行きましょう。

POW行動

《対抗》『大太刀・神桜一振』を発動し、【なぎ払う】ことで暴風を【武器受け】しつつ太刀風で引き剥がしてやりたい所ですね。
《攻撃》引き剥がしたところを【2回攻撃】による【鎧無視】【捨て身】の斬撃を浴びせてやります。
うまく【地形を利用】出来れば、少しは利を得られるかも知れませんが……。

こんな鉄砲玉のような戦法、私よりも『主』の方が得意なんですが……。
まぁ、これで一太刀浴びせられれば御の字ですね。



「見つかれば最後、徹底的に叩き潰されるなら、小細工は無意味ですね」
 神樹・桜花(神桜の一振り・f01584)は桜色の刀を携えて、遠方に見ゆる怪人を瞳を閉じたままなれど、その気配を捉えて『視る』。
「先制されるにしても、此方から会いに行きましょう」
 腹を括れば動きは早い。されど、実際に行動する速度となると相手の方が速い。
「また考えなしに突っ込んでくる輩が湧いたようですね……」
 桜花が花の足場を蹴り、宙に浮いたほんの一瞬。その隙に既にウィンドゼファーは彼女と鼻先を合わせていて。
「いい加減飽き飽きしてきたんですよ。即、死んでください」
「すみませんが、こちらは初見なもので……しばしおつきあい願えますか?」
 薄紅の髪を揺らす風に敵の肉薄を感じた桜花。まともに斬り合った所で相手の剣戟の方が速度は上だが。
「居合であろうと速度ではそちらが上手。なれば、私は数でお相手しましょう」
 居合一閃、剣閃は三十。残像が質量を持ったかのような桜花の一太刀と、残像すら見せぬ亜音速の袈裟斬りを放つウィンドゼファー。
「……受けない、ですって?」
 火花を散らすかと思われた二つの得物だが、桜花は代わりに血飛沫を上げウィンドゼファーの白い外套を真っ赤に染める。では、空振りに終わった桜花の多段居合は何を斬ったというのか?
「確かに、頂きました」
「……何ッ!?」
 直撃を貰った傷が深いのか、口の端から血を垂らす桜花が微笑み、ウィンドゼファーは己の纏っていた風が弱くなっている事に気づいた。
「そうか、今の斬撃は……!」
 無数の刃を同時に振るい、暴風に対して風の流れを掻き乱す事で怪人の意図した気流とは異なる乱気流を生む……早い話、暴風に剣圧をぶつけて、纏った風の鎧を引き剥がすという、力技と呼ぶのもおこがましい暴挙に出たのである。
「こんな鉄砲玉のような戦法、私よりも『主』の方が得意なんですが……」
 文字通り肉を切らせて骨を断つ、己の死を度外視した狂気じみた戦法……本体が無事なら事なきを得るとはいえ、常軌を逸した戦術だった。
「だが、風を斬った程度で私は……」
「突然ですが、私の刃は合わせて三十一あるんですよ」
 ハッタリか。虚をつくための妄言だと判断し、そう決めつけたウィンドゼファーは刃を振るう。仮に、本当にそうだったとしても彼女の手に刀は一振り、先ほど続いた残像染みた複製の刀は二十九。確かに一振り足りないが、だからどうしたというのか。握っていない刀など、振るえるはずもないのだから。
「では、お別れです」
 怪人が車輪剣を振るおうとすれば桜花は手にした刀を弓引くように構え、後ろに引く。同時に、展開されていた二十九の刃は桜花の握る一振りに収束して……。
「カハッ!?」
 花の足場の陰に投げ捨てられていた、『三十一振り目』の刀が、死角からウィンドゼファーの身を貫いて桜花の手にした薄紅の刀に融合する。
(不意打ちには成功したものの、こちらも傷が深いですね……)
 踵から爪先まで、滑らかな体重移動と脚力をもって己が身を弾き飛ばす桜花。一足で距離を詰めたが、既に敵もまた体勢を整え武器を振りかぶっている。
(速度はあちらが上……ならば、自分の身を案じる余裕はなさそうですね)
 捨て身の一撃。そう言えば聞こえはいいが。
「あなた……正気ですか?」
 振るわれる車輪剣に、桜花は腕を振るって。
「さぁ……とうの昔に、狂ってしまったのかもしれませんね」
 伸ばした腕で刀を受け、中指と薬指の間から斬り込まれた腕は痛々しく左右に割れ、しかし前腕部の細い二本の骨の間に刀を捉え、肘関節にてその刃に食らいつき、得物を封じる。同時に、桜花の得物……複製された刀を再錬成した、驚異的な硬度を誇る一振りは怪人の胸を穿っており。
(心臓は外しましたか……いえ、そもそも人間と同じ臓器があるんでしょうかね?)
 そんな事を考えながら、血を流し過ぎた桜花はそっと意識を手放した……。

成功 🔵​🔵​🔴​

カーバンクル・スカルン
私の技は拘束が基本。
拘束、それは「対象物をその形に固定する」わけですよ。

崩されるのが分かってるなら、予め自分のいる足場を繋ぎとめて、耐えさせていただきます。念のため黒炎の盾を構えて、風を炎で燃やし尽くしながら、自分自身も足場に繋げて対抗をしとくかな。

足場が崩れないと分かったら、直接私を殴ろうと近づいてくるはず。……今度はあなたが繋がれる番ですよ。

え、嫌ですかダメですか? じゃあ一緒に落ちましょう。

ウインドゼファーが立っている足場の拘束を解いて崩し、不意をついたところを飛びかかって金槌でぶん殴ります。翼が無いあなたは空には「跳べる」けど「飛べ」はしないでしょう?


二天堂・たま
【WIZ】アドリブ・連携歓迎

こちらより、常に先制してUCを発動してくるのだな?
まず嗤う竜巻はUC:アルダワ流錬金術で花の下の地面を鉄板に変え、ジャンプ台の様に盛り上げる。
鉄板の上の花は無残に散るが、竜巻はジャンプ台の上を滑るように通過する。

まぁ竜巻は回避しても本人が車輪剣で攻撃をしてくるよな。
そもそもがスピードに物を言わせる相手なのだし。
同じUCを維持してワタシの後方にUの字型の壁を形成し、竜巻の進路をこちら側へ誘導する。
敵自身の竜巻で敵自身を攻撃させる罠、敵を盾にする作戦だ。

UC:ケットシーインパクトで追撃を狙ってみたいところだが、難しいかなー…。


アリス・セカンドカラー
転移と同時に早業で怪力を込めた念動力の衝撃波で自身をなぎ払い真横へと吹き飛ばし。なにせ視認出来ない速度だ、四の五の言わずに問答無用で初期位置から動かなければミンチ確定、かと言って悠長に回避行動してたのでは間に合わないだろうし。初擊さえしのげばカートゥーンの法則でダメージは無かったことにできる。
そして、スピードに対抗するにはコントの法則バナナの皮!飛行してるとか暴風纏ってるとかはカートゥーンの法則が常識を越えてバナナの皮さんに仕事をさせるわ。そして、タライの追撃。
ま、この程度じゃ倒せないわよね。さて、その武器は使わないことオススメするわ。


ハッタリ?いいえ、コントの法則最大奥義、爆発オチよ。


テティス・ウルカヌス
「今回はアクション映画の撮影ですね!
この天才アイドルにお任せください!」

うわー、さすがは最新のワイヤーアクション!
あの仮面の芸人さん凄いスピードですね!
私も芸人さんに負けないように頑張りましょう!

「まずは殺陣のシーンの撮影ですね!」

竜巻を放つ剣で斬りかかってくる芸人さん。

台本によると、この攻撃を避けたあとに反撃ですね!

「って、きゃあっ」

いたた……
剣をギリギリでかわそうと思ったら、足がもつれて転んで大きく避けてしまいました。(【妖精の輪舞】)

けど、なんか足元がステージになりましたし、ここから反撃です!
踊りで自信のあるこのステップで相手に近付き模造刀で斬りかかり……
やっぱり転んでしまうのでした。



「拘束、それは『対象物をその形に固定する』わけですよ」
 カーバンクル・スカルン(クリスタリアンの咎人殺し・f12355)は、本来は敵を吊し上げる鎖を周囲に展開。散らばる花の足場を手繰り寄せ、食いこませたフック同士を噛み合わせて巨大な足場を形成する。
「崩されるのが分かってるなら、予め自分のいる足場を繋ぎとめて、耐えさせていただきます。これだけ固めた足場なら、そう簡単には……」
「ぶぎゃっ!?」
 汚い悲鳴を上げて無様に吹っ飛ぶアリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)。出オチならぬ出飛び、からのカーバンクルを巻き添えにドーン!!
「あいったぁ!?何考えてるんですか!?」
 せっかく作った足場から吹っ飛ばされたカーバンクルだったが、転がった花の足場から見たのは、先ほど自分が用意した足場が暴風に吹っ飛ばされた瞬間。
「そんな……」
「足を止めたら死ぬわよ……!」
 転移と同時に自らを吹っ飛ばしたアリス。その目的は、これだ。半端な対策では何をしたところで蹴散らされて終わってしまう。カーバンクルの足場とて、海をイメージすれば分かりやすいだろう。
「だだっ広い海の上で、ひっくり返される丸太を集めてイカダを作っても、波一つで転覆するのと一緒よ。下手に頭使うより常識をぶっ壊しに行きなさい!!」
「助けてくれたのは嬉しいんですが……鼻血出てますよ?」
「あらごめんなさい」
 カーバンクルに指摘されて、アリスが顔をフキフキ。
「今回はアクション映画の撮影ですね!この天才アイドルにお任せください!」
「あの人違う意味で大丈夫ですか!?」
 テティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・f12406)の死亡フラグ感漂う発言にカーバンクルが心配している間にも、ウィンドゼファーは体勢を整え二撃目を放とうとしている。
「まずは殺陣のシーンの撮影ですね!」
「なんでこんなのが戦場に出てくるんですかね……」
 もはや相手にするのも面倒と、雑多に振るわれる車輪剣から飛来する竜巻をテティスが華麗に……。
「って、きゃー!?」
 避けられるわけないよね。躱すどころか動き出す前にステーンッ!スッ転んで花の足場から落下、下の足場へ……。
「あの子には悪いが、利用させてもらおう!」
 転落していったテティスを気にする余裕が猟兵にあるわけがない。むしろ囮に使って、狙った位置に竜巻を呼び込んだ二天堂・たま(ひよこなケットシー・f14723)はピピッと指を……ケットシーの指って前脚とどう違うのか?うるせぇな本人に聞けよ。
「どれだけ威力があろうと、竜巻は所詮風。ならば地形を変えてしまえば……」
「今説明したばっかでしょー!?」
 たまの前にあった花の足場は鉄製の斜面に姿を変えて、竜巻の威力を逃そうとするのだが、ここは地上ではなく花の足場が浮遊するシステムフラワーズ。用意したジャンプ台ごと竜巻に飲み込まれる前にアリスが自らを弾頭にしてたまを玉突きして排出、事なきを得る。
「誰も彼も頭が足りていない方ばかりですね……」
 車に轢かれた後鴉についばまれる、道端に散った亀の死骸を見るような、冷ややかにして侮蔑の視線を投げるウィンドゼファー。
「目障りです。全員まとめて……」
 ウィンドゼファーが暴風を身にまとった瞬間だった。ペショッと、その顔面に黄色い果実の皮が張りついた。
「あ、ごめんなさい。自滅でもしなきゃ躱せないと思ってたら、予想以上にダメージ受けて瀕死だから回復アイテムにバナナ食べてたの」
 バナナの皮を投げ捨てるという、マナーの欠片もないアリス……お前屑だな?怪人さんもめっちゃ怒ってプルプル震えてるぞ?
「とことん人をコケにして……!」
 ブチきれた怪人が視界を塞ぐバナナの皮を投げ捨てた瞬間、飛び込んできたのは黄色を基調にして、ライトグリーンのラインが入ったシャツ……肉薄したカーバンクルの姿。
「さぁ、一緒に落ちましょう?」
 体をのけぞらせて、己の身の丈を越える鎚を振り下ろすカーバンクルだが、それほど大きな得物を振るえば自身もまた得物の重量に引かれて落ちていく。
「翼が無いあなたは空には『跳べる』けど、『飛べ』はしないでしょう?」
「あなた、今まで何を見てきたんですか?」
 暴風を身に纏い、落下するカーバンクルを蹴り飛ばして自らは飛翔するウィンドゼファー。
「えーっ!?」
「死になさい」
 驚愕に目を見開いて落下する彼女に怪人が竜巻を起こそうとして……止まった。その視線の先に、在るはずのないものがあったから。
「ふっふっふー、よくぞいらっしゃいました。テティスちゃんのライブ会場へ!!」
 漂う花の足場しかなかったはずの空間に謎のステージが浮遊し、開幕早々単独で脱落したテティスが立っているではないか。
「しぶとい……ですが!」
「この瞬間を待っていた!!」
 テティスとカーバンクルをまとめて吹き飛ばそうとウィンドゼファーが竜巻を放った瞬間、たまの爪から魔力の稲光が舞い、テティスのステージを……『巨大な無機物』を、すり鉢状に作り変えて、その内部に取り込んでしまう。
「え、あれ中の二人助からなくない?」
「問題ない、竜巻や台風といった風は総じて中心は無風なものである」
 などとアリスの心配をよそに竜巻を捉えたたまは全く気にしていないが、本来であればどこまでも飛んでいくはずの竜巻が受けとめられた事で、被害をこうむる者はもう一人いる。
「チィ、私の風を乱しに来ましたか……!」
 暴風を纏って飛んでいた、ウィンドゼファーだ。竜巻と暴風が相殺して、高度を維持できなくなったウィンドゼファーは竜巻を消し、飛行高度を安定させ再度猟兵達を仕留めようとするのだが。
「あ、あぶなーい!!」
「なんですかそのあからさまな嘘ワッ!?」
 ゴワァアアアアン……アリスの叫びに続いて、竜巻に吸い寄せられてきた謎の金盥が落下。怪人の頭部を直撃して長く鈍い音を響かせる。
「今っ!」
 グラグラと揺らぐウィンドゼファーへカーバンクルが鎖を伸ばし、その片脚を絡めとると自らの体と足場に刺した鉤状の針を拘束。自らの腕力とテティスステージという大質量をもって、怪人を引きずり落として見せた。
「おのれ……」
「あ、その武器は使わないことオススメするわ」
 脚に絡まった鎖を断とうとウィンドゼファーが車輪剣を振りかざすと、アリスがその得物を示す。
「敵に使うなと言われて本当に使わないバカがいると思いますか?」
「ハッタリに聞こえるかしら?いいえ、コントの法則最大奥義、爆発オチよ」
 何言ってんだコイツ?って雰囲気を纏うウィンドゼファーだが……カーバンクルによって叩き落とされた際、車輪剣は車輪と柄を繋ぐ軸がわずかながら歪んでおり、エンジンを唸らせ回転させようとすれば……。
「んなぁ!?」
 高速回転させることで破壊力を増す機構が裏目に出た。軸が変形した事で本来であれば刃に乗るはずの運動エネルギーは武器そのものへの負荷へと変わり、彼女の目の前で小爆発を伴い吹っ飛んでしまったのだ。その爆炎と騒音に紛れ、たまが肉薄。
「この距離なら外さぬ……」
 燃料に一部引火したのか、黒煙を上げるウィンドゼファー、その肩。零距離にして側頭部に前脚を添えたケットシーが勝利を確信する。
「受けよ、我が奥義!」
 撃ち出されるは浄化の波動。その波紋は今まで傷ついて来た仲間の数だけ、大きく、強く広がっていく……。
「ぐ、ぉお、あぁ……!?」
 己の根幹であったはずの速さへの欲望を浄化され、ウィンドゼファーは一陣の風と消えた……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月20日


挿絵イラスト