バトルオブフラワーズ⑪〜疾風の女
●キマイラフューチャー:システム・フラワーズ
バトルオブフラワーズの戦いは、ザ・ステージを突破し、システム・フラワーズ内部にその主戦場を移していた。
猟兵たちの活躍により、『ドン・フリーダム』の幹部、『エイプモンキー』『ラビットバニー』の二体は撃破され続け、今や骸の海より復活できない状態となった。
猟兵たちは次なる戦場を目指す。
三人目の幹部『ウインドゼファー』が待つ、第三の関門へ――。
●グリモアベース:ゲネ
「兎退治も無事終了! ここまでは色物続きだったが、今回はシリアスな戦いになりそうだ」
ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)は真剣な眼差しで、次なる敵のデータをホロモニターに展開していった。
「システム・フラワーズ第三の関門を護るのは、スピード怪人『ウインドゼファー』。このナリだが、女性だ。それも恐ろしく速く、容赦がない」
エイプモンキー、ラビットバニー同様、ウインドゼファーもまた同時に一体しか存在しない。何度倒そうとも何度でも骸の海から蘇ってくる。が、短期間に許容値を超える回数倒すことができれば、復活できなくなるはずだ。
「ウインドゼファーは『風を操る能力』で戦う。猿と兎のような特殊能力を持たない、純粋な強者だ。まず間違いなく諸君の先手を取ってくるだろう」
ゲネはホロパネルに指を走らせ、緻密な転送術式をモニターに展開した。
「先制攻撃は絶対にされるものだと覚悟して、それに対抗する方法を確実に用意しておいてくれ。準備が出来次第、第三の関門へ出発だ!」
そらばる
バトルオブフラワーズ幹部戦、第三弾。
スピード怪人『ウインドゼファー』との純粋な対決です!
●特殊ルール:先制攻撃
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
●敵戦力について
⑪戦場の戦力は初期状態で「40」。
これをゼロにできれば制圧成功ですが、規定値以上の成功数があれば、上回った成功数の半分だけ「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。
皆さんのカッコいいプレイングをお待ちしております!
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
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POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ユウキ・スズキ
UCは【リロード】を使う
相手が足場を吹き飛ばす攻撃をするなら、吹き飛んだ花びらに紛れつつ崩れた足場の下に飛び降り、アンカーショットを撃ち込んで床下に貼り付く
暴風をかわして静かになったら、右目のサーモスコープを起動
「速さが自慢か?なら、足を潰してやろう」
下から70口径ライフルで、足を破壊する
対象の行動停止後は地上に戻り、ありったけの弾丸を撃ち込んでやる。
「R.I.P. 欲に溺れ、滅びて尚もお前達は理解しないのか?」
「人間には【もう一度】は存在しない。ただ一度の人生だからこそ、欲には価値がある。一度果てた身で尚も絶えぬ欲望など…人間ではなく愚かさの証明だ。だからこそ、安らかに眠れ…この愚か者が」
●嵐を縫う弾丸
システム・フラワーズの花々咲き乱れる空間で、彼女はただ静かに佇んでいた。
「……来ましたか」
花々の足場を踏み近づいてくる気配に、ウインドゼファーは顔を上げた。
物言わず歩み寄るのは、70口径ライフルを携えたユウキ・スズキ(元米国陸軍少尉 (自称)沼に潜みし者・f07020)。
ユウキがライフルをリロードしようとする物慣れた仕草の先触れを目ざとく見極め、ウインドゼファーはホイール状の奇妙な武器を目にも止まらぬ速さで薙ぎ払った。あたかもコンダクターを思わせる毅然とした仕草に合わせて、たちまち周辺に暴風が巻き起こる!
「私は門番。この先への通行は、ご遠慮いただきましょう」
激しい空気の流動に、花々の足場は次々と散り、ウインドゼファーの周辺には近寄ることを拒絶する空隙が広がっていく。
ユウキは巻き上がる花弁の嵐に紛れながら、崩れかけた足場の下へ、あえて自ら飛び込んだ。暴風圏外で無事に形を保っている足場にアンカーショットを撃ち込み、床下に貼り付いた状態で暴風をやり過ごしながら、右目のサーモスコープを起動する……。
ほどなく花嵐が過ぎ去ったウインドゼファーの視界には、人影一つ残っていない。
「いない……?」
「速さが自慢か? なら、足を潰してやろう」
「――――!?」
ウインドゼファーが振り返るより速く銃声が空間を貫き、ウインドゼファーの金属の質感を持つ片足に、彼女を倒すために最も有効であるよう生成された弾丸が大穴を穿った――!
「く……こしゃくなっ」
回避する間もなく動きを鈍らせつつも、ウインドゼファーは射線の先に向けて咄嗟に再度暴風を巻き起こした。
しかしユウキは再度アンカーショットを駆使して足場を飛び移り、暴風を躱していく。
「R.I.P. 欲に溺れ、滅びて尚もお前達は理解しないのか?」
足場の上に復帰するや、ユウキはありったけの弾丸を敵へと撃ち込んでいく……!
「人間には【もう一度】は存在しない。ただ一度の人生だからこそ、欲には価値がある。一度果てた身で尚も絶えぬ欲望など……人間ではなく愚かさの証明だ。だからこそ、安らかに眠れ……この愚か者が」
重い弾丸の雨を武器と装甲で凌ぎながら、ウインドゼファーは小さく呻く。
「まさか敵に説教をされるとは……ですが、何を言われようとここを退くわけにはいきません……!」
損傷した足の痛みをことさら無視するように、ウインドゼファーは決然と花々を踏みしめた。
成功
🔵🔵🔴
ユェン・ウェイ
相手はボクより絶対早い
なら敢えてそれに乗るのが良いかな……
まずは前進するフリをしつつ攻撃に備えるよ
足場をバラバラにされたら【野生の勘】で出来るだけ風と花弁の流れに逆らわず【ジャンプ・ダッシュ】【スカイステッパー】を駆使して風に乗ろう
比較的風が弱い所に逃げ込んだりもできるかな?
この時はダメージを出来るだけ軽減するように動くね
少しでも前に進めそうになったら2発目が来るまでに【ジャンプ・ダッシュ・スライディング】を駆使して敵に接近
なんとか近づけたら【パフォーマンス・フェイント】も交えた動きで体を動かして、槍での【串刺し】で攻撃する!
この世界にはボクの友達や家族がたくさんいるんだ
滅亡なんてさせるか!
●花嵐と踊る
ユェン・ウェイ(M.Y.W・f00349)は駆けた。花々咲き乱れる空間を、ウインドゼファーへと一直線に。
(「相手はボクより絶対早い。なら敢えてそれに乗るのが良いかな……」)
密かに攻撃に備えながら、前進をし続ける。敵がこちらを捉えたならば……
「――それ以上はお引き取り願います」
ウインドゼファーは真っすぐに接近してくるユェンに警戒も露わに、武器を振るって暴風を巻き起こした。嵐の如き突風が、花弁を巻き上げながらユェンに迫る――
「――――!」
ユェンは野生の勘に従って風の流れを読み、正面から暴風を受け入れるように跳躍した!
「何!?」
ウインドゼファーの驚愕の声を片耳に、ユェンは花弁の流れに逆らわず、暴風の質量を足場にするようにして跳躍を繰り返し、風に乗って駆けた。
(「風は空気の流れ。こうして風に身を任せれば、わかる。流れには強弱がある。だから、それを利用していけば……!」)
まるで吹き飛ばされるように、それでいて、あたかも花嵐の中を奔放に踊り回っているかのように。ユェンは暴風と一体となって風のもたらす衝撃をいなしていく。
「く……っ」
武器を支えるウインドゼファーが呻いた。暴風が弱まってきている。第一波の切れ目が近い。
「――今!」
ユェンはさらに跳躍すると、今度は弱まった風の流れを遡った。急速に再生していく花々の足場に降り立ち、さらなる前進。ウインドゼファーが今一度武器を振りかぶろうとしたその瞬間には、その懐にまで潜り込んでいる……!
「まさか私の風を乗り越えてくる者があろうとは……っ」
ウインドゼファーは咄嗟に接近戦に切り替え、凄まじい速さで武器を振り下ろした。
並の反応速度では到底捌けぬスピード。だがそれはユェンが誘い、引きずり出した攻撃だった。予測通りの動きならば、回避は不可能ではない。
ユェンは躍るような流れるような身のこなしでウインドゼファーの動きを制御し、速すぎるその攻撃を紙一重で躱していく。
「この世界にはボクの友達や家族がたくさんいるんだ……」
頬をかすめる攻撃に赤い血を散らしながら、ユェンは手の内で槍の柄を握り締めた。
「滅亡なんてさせるか!」
穂先が閃き、力強く敵の武器を持つ手を貫く――!
「――っ! ……やってくれますね……」
ウインドゼファーは手を抑え、後方に退きながら、なおも猟兵たちの前に立ち塞がり続ける。確固とした拒絶の意志を携えて。
成功
🔵🔵🔴
シン・コーエン
単純なスピードでは相手には敵わない。
ならば技と力を加えて凌駕して見せよう!
レボリューション・ストームに対して、【念動力で自身を移動・吹き飛ばされた花の足場を使ってのジャンプ&ダッシュ・残像・地形の利用】により、足場のない空間での残像を伴う高速移動を実現。
【空中戦・敵攻撃の見切り・戦闘知識】と組み合わせてウインドゼファーの攻撃を残像に受けさせて回避。
躱しきれない時は【武器受け・オーラ防御】で凌ぐ。
そのまま残像を生み出しつつ接近。
シンの間合いに入れば、残像により攻撃ポイントを見切られない状態で、UC:灼星赫奕使用。
【2回攻撃・衝撃波・炎の属性攻撃】と組み合わせ、深紅の灼光でウインドゼファーを貫く!
●風を弄ぶ残影
「我が風を二度までも……しかしこれ以上はさせない……ッ」
ウインドゼファーは猟兵の接近をあらかじめ拒絶するように、武器を振るって暴風を巻き起こした。みたび花々は散り、周辺の足場が崩れていく。
「単純なスピードでは敵わない。ならば技と力を加えて凌駕して見せよう!」
暴風に晒される直前、シン・コーエン(灼閃の・f13886)は念動力を己自身に向けて解放し、身体能力を上回る跳躍を実現した。崩れ、吹き飛ばされていく花々の儚い足場を飛び回り、暴風などものともせずに、足場のない空間すらも残像を描きながら高速移動を繰り返し、ウインドゼファーへと肉薄していく。
「っ、やはり乗り越えてきますか……!」
ウインドゼファーは悔しげに吐き捨てると、構え直した武器をシンめがけて力強く薙ぎ払った。吹き荒れる風の刃がシンを襲う――!
「甘いな!」
シンは動体視力と戦闘知識で風の刃の軌道を見極め、空中で巧みに体を捌いた。刃は残像を食い破って通り過ぎ、あるいは武器やオーラによって弾かれていく。
攻撃をいなしながらも、残像を描く高速移動は止まらない。シンは灼星剣を横に構えながら瞬く間に敵との距離を詰める――
「我が剣よ、炎を生み出したる理により、この世界を再び照らせ!」
「させませんッ!」
神速で突き出されたウインドゼファーの攻撃が、迫りくるシンを真っ二つに――
――叩き割られたシンの姿は、陽炎の如く半透明に解けた。
「!? 残像――ッ」
視界の隅を炙った深紅の灼光が、咄嗟に飛びのいたウインドゼファーを衝撃波となって追いかけ斜めに焼き払った!
しかしウインドゼファーは得意の素早さで身を反らし、辛くも胴部への直撃を逃れた。灼光の衝撃波は肩口をかすめ、服と腕を焼きつけながら通過していく。
「――まだ終わりではないぞ!」
シンの姿は、すでにウインドゼファーの背後にあった。灼光輝き、再度薙ぎ払われる灼星剣。
「ぐぁ――ッ!!」
背部に走った強烈な痛みに、ウインドゼファーの身体が大きくのけ反る。
ウインドゼファーは咄嗟に退いた先の足場に武器を突き立て、肩で息をつく。
「おのれ……猟兵……ッ」
殺意の水位を上げていくその声音には、消耗の気配もまた、確実に色濃くなり始めていた……。
成功
🔵🔵🔴
ミスツ・シューパリツェ
※アドリブ・連携OK
・POW
敵が高速飛翔を始めたら、触手を広げつつきょろきょろする動作をする
「くそ、どこから来やがる!」
遠距離攻撃は触手で防御し、敵が近距離攻撃してきたらそこを狙う
攻撃に合わせ触手内に包んでいた『跳ね兎』を付き出し防御膜で攻撃を防ぎ跳ね上げる
防御膜の相殺で暴風が消えた体をすかさず触手で掴み、◆怪力で逃がさねえように捕まえる
「俺の触手は全部目みたいなもんでな。近付いてくるのだけに集中して待ってたんだよ。乾坤一擲、って奴だ」
UCで巨大化させた触手で力ずくで逃がさねえようにし、触手≪撃式≫の◆一斉発射を◆捨て身の一撃で◆2回攻撃でぶちかます!
「速さだけで自由がねぇ、鉄砲玉かよお前は」
●触手は見つめる
「……このままでは押し切られる……」
ウインドゼファーの呟きには、切実な危機感が宿り始めていた。
「速さを……もっと、速さを――!」
瞬間、彼女の周囲が暴風を吹き荒れた。『誰よりも速くなりたい』というシンプルな欲望が彼女自身を塗り替えていく――。
「くっ、なんて力だ……!」
ミスツ・シューパリツェ(バイオモンスターのバーバリアン・f17654)は腕で顔を庇いながら、ウインドゼファーに目を凝らした。
――が、次の瞬間には視界からその姿が消える。
「!? くそ、どこから来やがる!」
ミスツは下半身の触手を広げながら、きょろきょろと周囲を見回した。しかしその両眼では、高速飛翔するウインドゼファーの姿を捉えきれない。
「……この速度を捉えられる者など、いない」
呟きは、頭上から。
しかしウインドゼファーは一瞬にしてミスツの背後に移動し、無防備な背中に向けて武器を薙ぎ払った。風の刃が神速で駆け抜ける……!
が、風の刃は数多の触手によって、すんでのところで防がれた。
「何……?」
偶然か?と訝りつつ、ウインドゼファーは即座に高速飛翔で空中を駆けた。刃の並んだホイール状の凶悪な武器を横手に振りかざす。
このまま速度に任せて、敵の首を刈る――それだけで終わるはずだった。
……しかし。
「――見えてるぜ」
ウインドゼファーの突撃が直撃する直前、内部に包んでいた短刀『跳ね兎』を露出させ、反射防御膜を張り巡らせた!
「なっ――」
急停止をかける間もなく武器を跳ね上げられるウインドゼファー。全身を取り巻いていた暴風も防御膜によって相殺され、無防備に晒された生身をミスツの触手が捕らえる!
ウインドゼファーの驚愕に答えるように、ミスツはニヤリと笑みを浮かべた。
「俺の触手は全部目みたいなもんでな。近付いてくるのだけに集中して待ってたんだよ。乾坤一擲、って奴だ」
瞬間的に、その表情は怒りへと変じた。
危険な気配を察知したウインドゼファーは、拘束から逃れんともがき、触手を必死に切断し、引き千切っていく。が、数多の触手が次から次へと絡みつき、しかもミスツの怒りの増大に合わせて巨大化して、その怪力で決して自由を許さない。
その目前にいつの間にか居並び、ウインドゼファーへ照準を合わせているのは、触手から変じた銃火器の数々。
「速さだけで自由がねぇ、鉄砲玉かよお前は」
怒りに満ちた声音で吐き出し、ミスツは引き金を引いた。
触手を巻き込む覚悟で防御の一切を切り捨てた一斉射撃が、弾丸の嵐となってウインドゼファーに降り注ぐ――!
「ぐ、う――がぁぁぁぁッ!」
弾丸に打ち据えられながら、ウインドゼファーはちぎれ飛んでいく触手から死に物狂いで抜け出し、後方へ退避した。が、銃撃の第二波がそれをさらに追撃し、容赦なく追い詰めていく――
「おのれ…………猟兵……っ」
硝煙の向こうで忌々しげに吐き捨てられたウインドゼファーの声音には、もはや一切の余裕は失せていた。
成功
🔵🔵🔴
ニィ・ハンブルビー
過去に何があったのかは知らないけど…
今を楽しく生きてるキマイラ達を攻撃するってなら!
アンタはボクの敵だ!
てことで!
まずは敵に背中を向けて全速力で【ダッシュ】!
背中の『ウェポンエンジン』で自分を【吹き飛ばし】て加速しつつ!
敵の暴風を追い風にして攻撃の圏外まで一目散だよ!
いやだってさ!
暴風を【報いと贖いの魔法】で呑み込んで跳ね返したかったんだけどさ!
この規模を呑み込めるだけの闇の魔法って
魔力溜めるのも詠唱するのも間に合わないじゃん!
だからまず逃走しつつ魔【力溜め】!
逃げきって体勢を整えたら!
次の攻撃を呑み込んで【カウンター】の暴風をぶっぱなすよ!
全部が欲しいってなら!この風も自分で食らってなよ!
●風を呑み込む闇
「過去に何があったのかは知らないけど……今を楽しく生きてるキマイラ達を攻撃するってなら! アンタはボクの敵だ!」
ニィ・ハンブルビー(怪力フェアリー・f04621)は戦場に躍り出るや否や、全速力で戦場を駆け抜けた!
「ずいぶんと小さなお客さんですね……!」
ウインドゼファーは即座に反応し、ニィが突進してくる方向に向けて暴風を巻き起こした。小さなフェアリーがまともに喰らえばひとたまりもない……!
が、暴風に巻き込まれる直前、ニィは進路を逸れると同時に、背中に背負ったウェポンエンジンを作動させた。凄まじい推進力によって己の小さな身体を吹き飛ばし、暴風すらも追い風にして、敵の懐……いや背後へと、果敢に飛び込んでいく!
「なっ――回り込まれた!?」
「いやだってさ! アンタの速さに合わせてたらこっちの準備が間に合わないじゃん!」
吹き荒ぶ風に逆らって声を張り上げながら、ニィは暴風の圏外にまで一目散に脱出する。
「その程度で出し抜いたと思われては困りますね!」
ウインドゼファーは振り向きざまに武器を薙ぎ払った。花弁混じりの暴風が、今度こそニィの身体を呑み込んでしまう――!
しかしニィは怖気づくどころか、勝利を確信して笑みを浮かべた。
「呑み込めー!」
シンプルな掛け声と共に、溜め込まれた膨大な魔力が天鵞絨の如き闇色の幕となり、暴風をふんわりと包み込むように呑み込んでいく……!
「――――ッ!?」
己の風が完全に無力化されたことに愕然とするウインドゼファー。それはこの戦場で彼女が見せた最大の動揺であり、大きな隙だった。
「全部が欲しいってなら! この風も自分で食らってなよ!」
ニィが闇の幕を再度翻すと、その瞬間、闇の魔力で呑み込んでいた暴風が爆発した。凄まじい風のエネルギーが、今度はウインドゼファーの頑健な身体を吹き飛ばした!
あっけなく暴風に巻き上げられるウインドゼファー。飛ばされた先で形を保っている足場に武器を突き立て、辛うじて釣り下がって奈落への落下を免れる。
「……私の風を……利用された……っ」
表情を隠すメットの下で、血がにじむほどの憎悪が吐き出された……。
大成功
🔵🔵🔵
エスタシュ・ロックドア
ところでゼファー
お前、女だって聞いたんだが、マジ?
ま、どっちでもいいわ
今度ツーリング行こうや
シンディーちゃんに【騎乗】【運転】【操縦】
スピード勝負、に見せかける
誰よりも速くなりてぇってんなら乗るだろ
シンディーちゃんは元々安定巡航特化だ
UC使った敵にゃ追い付けねぇわな
【視力】と【第六感】で敵が攻撃に突っ込んで来る位置、タイミングを計る
突っ込んで来ると思ったらそっちに向けて鉄塊剣の刃を向けて構える
最大レベル×100km/hで突っ込んで来るってことは、同じ速度でぶった切られるってこった
衝撃は【怪力】【激痛耐性】で耐える
敵が最接近した瞬間に【カウンター】【範囲攻撃】
『群青業火』を発動して直火焼きだ
●速度の暴力
エスタシュ・ロックドア(ブレイジングオービット・f01818)はシンディーちゃんに跨り、エンジンを唸らせた。
「ところでゼファー。お前、女だって聞いたんだが、マジ?」
「……それを知ってどうするというのです」
足場の上に復帰したウインドゼファーは、極めて不審そうに低い声で答えた。
エスタシュは軽く肩をすくめると、手早くクラッチレバーとスロットルを操りエンジンを踏み込んだ。
「ま、どっちでもいいわ。今度ツーリング行こうや」
「戯れ言を……!」
「誰よりも速くなりてぇんだろ? なら、走るしかねぇよな!」
シンディーちゃんが唸りを上げて発進! その後を欲望のままに暴風を纏ったウインドゼファーが追随する!
あたかもスピード勝負とばかりに始まった追走劇。しかしウインドゼファーはあっという間に距離を詰め、軽々とシンディーちゃんを抜き去って見せた。
「この程度の速さで勝負を挑むとは!」
鋭角に切り返したウインドゼファーが、正面から突っ込んでくる――!
(「ま、シンディーちゃんは元々安定巡航特化だ。ユーベルコード使った敵にゃ追い付けねぇわな」)
それは端から承知の上。エスタシュは敵の高速飛行を見極め、直感的に鉄塊剣の刃を差し向けた。
――刹那、凄まじい衝撃が鉄塊剣にのしかかった! 遅れてくる暴風の轟音。音速を超える速度がもたらす衝撃が、エスタシュとウインドゼファーを同時に苛む……!
「ぐぅぅぅぅッ――!」
「こんなもん、屁でもねぇ……っ」
歯を食いしばり、激痛に耐える二人。互いの力は拮抗し、力場が爆ぜる。
力と力のぶつかり合いが、ウインドゼファーの暴風を剥ぎ取ったその瞬間、エスタシュの傷跡から地獄の業火が噴出した!
「直火焼きだ――灰になれぇ!!」
渦巻く群青色の炎が広範囲を焼き尽くす――!
命を絞り尽くすような絶叫が、ウインドゼファーの喉を貫いた。
成功
🔵🔵🔴
雷田・龍子
◎SPD
ウインドゼファーが風を操るなら、私はそれを利用する。
受けるのではなく【見切り】、対象の力を利用し少しだけベクトルに変化を与え、いなす。
対象の力が強力であればあるほど効果がある。
受けてしまったダメージはアイテム【ドラゴンコイル】で攻撃力に変換する。
対象の先制攻撃に対処出来ても出来なくても構わずUC発動。
私に足場は関係ない。
私は雷を操る。
雷は暴風程度に負けない。
全身を帯電させる。
対象を【催眠術】にかけ惑わせようと試みる。
花の足場を【念動力】で操り、こちらの有利に働かせようと試みる。
対象の攻撃を【見切り】【カウンター】で渾身の【マヒ攻撃】を試みる。
●風を凌駕する雷
「はっ……く、あ……」
全身を焼かれたウインドゼファーは、息をするのもままならぬ様子で、なおも猟兵を威嚇するように立ち塞がり、意地でも退かぬ構え。
哀れみさえ誘う敵の目前に雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)が歩み出た。
その瞬間、ウインドゼファーは息を呑み、迷いなく暴風を巻き起こした。
「これ以上、先へは……っ」
もはや一切の余裕の失せた、がむしゃらな牽制の暴風。……だが。
「……あなたが風を操るなら、私はそれを利用する」
龍子の研ぎ澄まされた眼力が、暴風の気流を巧みに読み取る……。
吹き荒れる風の中、龍子は流れるように体を捌きながら、風の流れのベクトルを少しだけ逸らし、鮮やかにいなしていった。敵の力が強力であるほどに、その体捌きはキレを増していく。
驚愕に言葉を失くすウインドゼファーの視線を受けながら、龍子はドラゴンコイルに置換した力で全身を帯電させていった。
「私に足場は関係ない。私は雷を操る。雷は、暴風程度に負けない」
龍子の全身は、荘厳な強者の風格と共に雷を漲らせた。
その両眼には、覗き込んだ者を惑わせる妖しい輝きが宿る――
「う、あ……?」
まともに目を合わせてしまったウインドゼファーが、唐突に頭を抑えて武器を下ろした。たちまち暴風が辺りから消失し、花々の足場が瞬く間に再構成されていく。
「まずい……この敵は……!」
強烈な危機感に背を押され、ウインドゼファーは龍子の元へと疾駆した。確実に命を刈り取る意志を籠めて武器を振り下ろす――!
――が、その攻撃は虚しく空を切った。
「な――っ」
「私が速かったわけではない。その足場、少し動かさせてもらった」
目測よりもズレた二人の立ち位置。それは、念動力による足場への干渉がもたらした、わずかな食い違い……。
「我々猟兵の勝利だ」
ウインドゼファーの懐に我が身を飛び込ませ、龍子は渾身の一撃をその腹部に叩き込んだ――!
●海へと還る風
激しい痺れに全身を侵食されながら、ウインドゼファーはどうと花々の足場に横たわった。
「……この、ままでは……このままでは終わらせない……! 必ずここにまた蘇り、次こそは、止めてみせ……ま…………」
がくり、と首が支えを失い、花畑に沈み込む。周囲の花々を散らせる一陣の風と共に、ウインドゼファーの肉体はあっけなく骸の海へと還っていった。
敵の復活を阻止するための大切な一勝を得て、猟兵たちは堂々たる帰還を果たす。
バトルオブフラワーズの戦いは、いよいよ終局へと加速していくのだった。
大成功
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