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支配された村を救え

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●第一章
「オブリビオンに支配された村を見つけたよっ」
 ダンピールの精霊術士、リュシール・オッフェンバックが、たくさんの資料が貼られたホワイトボードの前で説明を始めた。
「村の人はオブリビオンに完全に支配されちゃってて、逆らう気概はないみたい。貢物や生贄を出したり……ただの余興で、オブリビオンから襲われたり。」
 ホワイトボードに貼られた資料を指しながら続ける。その資料には、寒々とした村の様子がスケッチで描かれていた。
「ただ貢物や生贄を差し出してる訳だから、村人さん達はオブリビオンの居場所や、道筋は知ってるはずなんだよね。」
 そうして、そのホワイトボードに矢印を、その先に「敵の居場所」と書き足しながら続ける。
「だから、みんなには最初に情報を得て欲しいんだ。村の人に【POW】で強さを見せて安心させたり、【SPD】で村や周囲の探索をしたり、【WIZ】で会話や行動で信頼を得ることで、苦しめてるオブリビオンの居場所、そこへ向かう道筋の情報をを引き出せるはずだよ。情報を得られたら、やってくるオブリビオンとの戦いでも有利になるしね。」
 書き終えてからホワイトマーカーを置き、猟兵たちへと振り向く。
「あとね、もう一つ情報があって……この村には時折、異端の騎士が篝火を持つ亡者を連れてやってきて、沢山の村人を殺しちゃうんだって……。」

 猟兵たち一人ひとりの目を見て続ける。
「このまま放っておいたら、オブリビオンに苦しめられ続けるどころか皆殺しにされちゃうんだよ。危ない任務なんだけど、絶対絶対、村の人を救ってあげてほしいな。」
 そうして、リュシールは深く頭を下げた。


さん
 第六猟兵からマスターを初めさせていただきました「さん」と言います、よろしくおねがいしますね。
 皆様と一緒に、楽しくゲームの世界を描けたらな、と思います。

 世界はダークセイヴァー、オブリビオンに支配された村の救出シナリオになり、敵の居住地、道筋の情報を得てから撃破する流れになります。
 皆様のプレイングをお待ちしておりますね。
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第1章 冒険 『支配された村』

POW   :    強さを見せて村人を信頼させる

SPD   :    村周辺の探索を行う、村人達と密かに接触する

WIZ   :    会話や行動で信頼を得る、村人たちから情報を引き出す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴェル・ラルフ
反抗する気もなくなるほど、疲れはてているんだね。この村の人が笑顔で暮らせるようにしたいな。

まず、旅をしていることにして、村のお店を探そう。食べ物や日用品を売っているところ、ご飯処でもいいかな。

お店の人に、世間話として「ここに来る前に、別の村に行ったけど人がほとんどいなかった」と不思議がってみるよ。

いったいなぜなのか、村の人が口火をきったら、相づちをうちながら聞こう。



灰色の村。そう呼ぶのが相応しい村だった。
 木々は緑を忘れてしまったかのように枯れ、地面は何度も踏み荒らされ、かつては信仰を得ていたらしい聖母を象ったと思われる石像は砕け、瓦礫が無造作に散らばっている。
 時折現れる住人の瞳も暗く淀んで、周りには死の匂いが色濃く充満している……。ヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)が辿り着いた村は、そんな場所だった。

「まずは、村のお店を……ご飯処でも良いかな、言ってみようか。」

 そうして歩いていると、小さな食堂に辿り着いた。
 カウンターの奥に居た、痩せた老婆が弱々しい瞳をヴェルに向け口を開く。

「……お客さん、旅人さんかい? 何の用でこの村に来たのかは知らないが……悪いね。見ての通りこんな村だ。大した持て成しも出来やしないが……。」

 そう言って、メニューの準備を始める。メニューは豆のスープと固いパンのみ、それだけしか残っていないのだろう。
 調理に取りかかる男性の姿を見ながら、ヴェルは世間話のように声を掛ける。

「大丈夫だよ。僕はちょっと旅してて、休ませてもらおうかと思って……。そう言えば、ここに来る前に別の村にも行ったけど、そっちにも人がほとんど居なかったっけ。」

 不思議そうに言ったその声を聞いて、ぴたりと男性の動きが止まる。

「……ここの近くの村って事は……ラキア村か。こっちよりひどい有様だったかい?」

 ヴェルに探るような視線を向ける。その問いに一つ頷くと。男性は一度、深い溜め息をつく。
 
「あの化物共、遊びのつもりか……。」

 そして苛立ったように歯ぎしりし、呟く男性の姿を見て、また不思議そうに首を傾げるヴェル。

「いや、旅人さんになら言っても良いだろうが。この村は……支配されてんだ。動く死体を引き連れた、鎧の化物が定期的にやって来ては……。俺達を虐殺して、その上で貢物や生贄を持って行きやがる。ここも以前は、もう少しは賑やかな飯処だったし、食うもんだってもっとあったんだ……。」

 だが男性の怒りは一瞬のもの。「化物」の恐怖に心が挫けたのか語気も静かになり、消え入るように終わる。そうして、弱々しい口ぶりで続ける。

「なあ……旅人さんよ、もし、もしあんたさえ良けりゃ……誰かに、助けを求めちゃくれねえか。俺らにゃあ、どうしようもねえんだ。このままだとこの村は近い内に……本当に滅びるかも知れねえんだ。」

 それはこの村に住む者の、切なる願いだった。滅びに瀕してもなお、この村を捨てきれない民の総意でもあっただろう。
 猟兵として、見捨てられる訳がなかった。

「分かった……僕に任せて欲しい、必ず、助けてみせる。」

 ヴェルが大きく頷き、男性に力強い視線を向ける。
 希望が微かに、灯火として男性の心を照らした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リンタロウ・ホネハミ
さぁて、そんじゃあ敵の居場所を特定するっすかね!まずは村人同士が会話してるのをあちこちで盗み聞きさせてもらうっすよ。いちいち信用を得ようと会話するの手間っすしね。いつどこへオブリビアンへの貢物を出すとか聞けたら、そいつを元にしてオブリビアンの居場所へ通じる道を見つけるっすよ!なんども貢物してんなら、村人が使うにせよオブリビアンが使うにせよ、通る道がどっかにゃーあるはずっすからね。盗み聞きも道探しも、どっちも慎重に、見つかんねーようにやんなきゃっすね。万が一見つかったら絶望の福音で攻撃を避けながら即撤退。リスク管理きっちりやって、これでまた”骨喰”の名を上げるっすよ!!



一方で、居場所の特定を探る為、独自に諜報活動にあたっている物も居た。
 リンタロウ・ホネハミ(Bones Circus・f00854)、"骨喰"と呼ばれた傭兵もその一人。
 シーフでもある彼は風のように素早く、目立たぬよう建物の影を移動し、誰にもその存在を悟られる事なく、村人が集う集会所へと辿り着いた。

「何度も貢物をしているのなら、その経路が必ずどこかにあるはず。」

 その考えは正鵠を射ていた。少し離れた場所から眺める集会所には大きな、幌付きの牛車が停められており、恐らくはこれが、貢物と生贄を運ぶための牛車なのだと考えられた。
 更に近くまで、集会所の中の声が聞こえる程に接近すると、集った村人の声が聞こえてくる。

「……次の生贄は、誰だ。」
「トマスの娘が8歳になったろう、そろそろ選ばれても良い頃じゃあないのか。」
「冗談じゃない! それを言うなら長の息子だって同い年じゃないか!」
「……長をこの村から離す訳にはいかん。生贄に選ばれた子の親が、牛車を運転して行かねばならぬ事くらい知っているだろう。」
「だがまたやって来るんだ! あの死人たちが! 鎧の化物が! 家族の姿で、俺達を殺しに来るんだ!」

 轟々とした声。次の生贄を決める会合のようだった。まだ若い大人達が落ち着きのない声を上げ「うちの子だけは」と必死の声を上げている。
 誰もが助かる為に、自分の子を守る為に必死なのだ。だとしても……。軽く首を振る。
 欲しい情報とは少し違っている。或いは、このまま聞き続ければまだ有用な情報も得られるのかも知れないが、あまり効率が良いとは言えないだろう。
 何気なく目を牛車にやる。相当に使い込まれており、車輪にも隙間が目立つ。幌はまだ無事なようで、多少の風雨なら凌げるだろう。
 好奇心で牛車の中に乗り、やや薄暗い中で目を凝らす。すると。

「これは…………。」

 木の床に、微かに染みのようなものが見つかった。何なのかと思って見てみると……。

《タスケテ》

《シニタクナイ》

《オトウサン、ドウシテ》

 犠牲となった者達の嘆きが彫られていた。
 牛車に乗せられ、運ばれていっただろう生贄の子らによるものだろう。
 恐らくは爪で、堅い木の板を彫ったのだろう。文字の周りには微かに血痕が残っており、木に染み込んで染みのようになっていた。

「……気分がいいもんじゃないっすね。」

 思わず顔をしかめ牛車から出ようとした時、文字の近く、床板の隙間にもう一つ、何か布のようなものが挟まっていることに気づく。
 手でその布を取り、何なのかと見てみると

「何すか、こ…………れ?」

 開いた瞬間に分かった。
 それはくすんだハンカチの上に、血でオブリビオンの居城までの位置が描かれた地図だった。
 恐らくは、生贄に出された者の誰が遺したのだ。
 自分が生贄として運ばれていく最中、いつか誰かに伝わるよう、私達の仇を取ってくれるよう、その思いで遺したのだ。
 そのハンカチをぎゅっと握り、リンタロウは呟く。

「…………検証だ。罠かもしれない……一度、この道を確かめる必要がある。」

 そうしてリンタロウは牛車から降りた。重要な手がかりを得て、経路が本物であるか確かめる為に一人、奔る。
 反撃に備えるため、これ以上の犠牲者を出さないために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アウレリア・ウィスタリア
怯えているであろう住人に癒しの歌を。
ボクの故郷も「誰か」に滅ぼされてしまった。
この村を襲うものがそうなのかはわからない。
けれどボクと同じような悲劇を何度も起こすことは許せない。
だからせめて一時の癒しを贈りたい……です。
これで心を開いてくれるかはわからないけれど、少しでも希望を持ってくれるのなら……
ボクたち猟兵にアナタたちの力となるチャンスをください。
傷ついたものにも、そうでないものにも
みんなに届く癒しの歌を贈りましょう。

WIZ行動を選択
村人に癒しと希望を。



アウレリア・ウィスタリア(仇花讃歌・f00068)が辿り着いた場所は、村の中である程度開けた、公園のような広場だった。
 早速、住人を探そうとするが……。

「おねえちゃん、だあれ?」

「天使さま? 天使さま?」

 小さな子供達が好奇心で寄ってきて、アウレリアの周りを囲み、その瞳がオラトリオの翼へもきらきらと向けられる。
 村の大人はどこかに集まっているのか、周りには居らず、近くにいるのはこの子達だけのようだ。
 支配され、滅びかけた村であろうとも子供の瞳の輝きは変わらない。……それはまだ、この村全てが絶望しきっては居ないのだと教えさせてくれるようで。

「あ、いえ、ボクは猟兵で、アナタ達を……。」

 何と答えたものか。相手は子供だ。猟兵と言ったところで通じはしないだろう。
 しかも天使と勘違いまでされている。ああ、そう言えば先程見かけた砕けた石像にも、翼が生えていたような。

「て、天使では無いですが、そんなようなものです。……大人の人は居ませんか?」

 少し困って、大人がどこに居ないか尋ねるものの、子供たちは首を横に振るばかり。恐らくは子供たちを危険に関わらせないよう、大人だけで話し合いをしているのだろう。事情を知っている者を探さなければならないが……。

「……怪我、してますね。」

 子供たちの瞳はきらきらと眩しいほどだが、よく見てみるとどの子の体にも傷があった。
 皆が身体のどこかしらに包帯を巻いて、着ている服も所々破れてしまっている。黙って立ち去るわけには行かず、少しだけ考えて、癒やしの歌を歌うことにする。
 そうして、すぅ、とひとつ息を吸い、子供達の前で歌を歌い始めると……。

「わぁ……。」

「きれいな声……。」

 その歌声を聞いた小さな子供達は、先程より更にその目を見開いて、アウレリアの口から奏でられる調べに耳を傾ける。癒やしのユーベルコードの力で子供達の傷が治癒されていき、その事にも、不思議そうにお互いの傷を見返して。
 ……そうして、歌が終わった頃には、子供達の後ろには何人かの人だかりが出来ていた。流れてくる美しい歌声に導かれてきたのだろう。、子供の一人の親のようで、足元にぎゅっと、幼い少女が嬉しそうにしがみついていた。

「歌なんて珍しく聞こえてきたから、何かと思ったけど。」

 そう言って、男性はアウレリアに穏やかな笑みで会釈をした。子供達の傷だけではなく、届いた人の心を癒やす効果もあったのだろう。その表情は友好的なものであり、敵意がない事がはっきりと見受けられた。
 しかし、子供達を近くで遊ぶように離した後、悲しそうな表情に変わって続ける。

「でも出来れば、早めに去ったほうが良い。この村は……夜になると時折、亡者を引き連れた化物がやって来てね、君も襲われるかも知れないんだ。」

 心からの、アウレリアの身を案じる言葉だった。他所から着た若い女性を巻き込むわけには行かないと、心から申し訳なさそうに、深く頭を下げるが。

「いいえ、ボクはその為に来たんです。この村を助けるために。滅ぶ悲劇を、悲しみを何度も起こす事は許せない。……だから、来たんです、ここに。」

 対するアウレリアは、はっきりとそう返した。
 猟犬の挟持を示さんと、これ以上の滅びを許せないと。
 その運命から救う為に来たのだと。
 
 ……そうして、男性はこの村を苛んでいる滅びの運命を話し始めた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラメント・ディエズラルム
……僕の故郷を思い出すな。
ならば当然、…この村を救う義務が、僕にはある。

何か情報を持っていそうな大人の村人に声を掛けよう。
子どもだと思って相手にしてもらえないかもしれないが…真っ直ぐ訴える事だって時には必要だろう。
ひとまずは【WIZ】で会話を試みる。

「良ければ話を聞かせてもらえないか。……きっと、あなたやこの村の力になれると思う。いや、ならせてほしいんだ。」
「…かつて僕の故郷も、此処と同じような状態でね。父も母も、奴らの享楽のために命を落とした。」
「もう、同じ目にあう人らを増やしたくないんだ。……少なくとも、僕の目と、手の届く限りは。」
「教えてくれ、何をすれば僕はこの村の力になれるんだ。」



「僕の故郷を思い出すな……。」

 辿り着くなり村の長とコンタクトを取る事に成功し、一緒に村を歩きながらそう呟いたのはラメント・ディエズラルム(Lamento・f02152)だった。
 その言葉に、興味深そうに壮年の男性、村の長と言うにはまだ若輩の部類と思われる男性が問いかける。

「君の故郷も、この村と同じ状況だったと……?」

「……ああ、僕の故郷も、此処と同じ様な状態でね。父も母も、奴らの享楽の為に命を落とした。……だから、話を聞かせてもらいたいんだ。きっと、あなたやこの村の力になれると思う。いや、ならせてほしいんだ。」

 そうして二人で歩みを進める。
 周囲を見渡す。どの家も、どの道も同じ様な荒れ具合だった。煉瓦の塀は砕かれたまま、土地は痩せたまま、空を見ても分厚い雲に覆われ、まるで色彩が失われてしまったようだった。
 村の長は何度か逡巡するかのように息を漏らし、重く目を伏せて。

「……何人もが牛車に乗せられて、運ばれていったのだよ。村の為にと気丈にも笑顔で行く子も居れば、泣きながら乗っていった子も居る。……勿論、以前には領主に立ち向かおうと奮起した者も居る。この村に育てられた人間が、この村を捨てる事など出来ない、と言ってね。」

 連れ去られていった子ら、立ち向かって言った村人。一人一人を思い出すようにゆっくりと言葉を紡ぐ。
 事実、思い出しているのだろう。かつて共にこの村で暮らした者、共に笑いあった者、支え合っていたはずの、かけがえのない隣人たちを。

「……だが、彼らも全員、あの異端の騎士と、篝火を持つ亡者の群れにより命を落としてしまった。それからも、異端の騎士は時折この村に現れては、かつて我らの同胞だった者を操り。自らの享楽の為に、我らの命を散らしに来る。」

 村の長はまだ壮年のはずだ。本来であれば若さが充実しているだろう世代であるにも関わらず身体からは生気が失われ、初老と言われても違和感のないようにさえ感じられた。
 無理も無いだろう。亡者の中には、かつて村人だった者も居るのだから。 
 そうして、一本の道の前で足を止める。その道を指差し、静かに告げる。

「……この道が、奴らの居住地へ繋がる道だ。一本道だから迷うことは無いだろう。牛車の轍も大量に残っているだろうからね。」

 深々と下げた頭。何も出来なかった自分達の無念に、その声は震えていた。

「暴虐を止められなかった私がこんな事を言う資格はないのかも知れない。だが……私達にはもう、信じる事しか出来ないんだ。…………頼む、どうか、どうかこの村を、救って欲しい。」

 必ず、という固い意志と共に、ダンピールの少女、ラメントは村の長を見つめ返す。
 かつて自分も味わった悲劇を、二度と繰り返させてはならない。
 それが、あの地獄の中で命を拾った者に課せられた義務なのだと示すように。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『篝火を持つ亡者』

POW   :    篝火からの炎
【篝火から放たれる炎】が命中した対象を燃やす。放たれた【赤々と燃える】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    篝火の影
【篝火が造る影に触れた】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    新たなる亡者
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自分と同じ姿の篝火を持つ亡者】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。

イラスト:トギー

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 そうして、村に夜がやって来た。
 闇に包まれた村に、ちらちらと、踊るようにゆっくりと幾つもの炎が近づいて来るのが見える。

 猟兵達が得た情報の一つである、篝火を持つ亡者だ。
 かつては共に、村の一員として笑いあった者さえ居るのだろう。

「オォ……オォ……。」 
「血ヲ…………我ラに…………領主サマに……。」
「……………………。」

 だが今はもう、オブリビオンの配下になってしまった者達。
 もはや理性はなく、その身体に痛みはなく、恐怖すら感じない心なき者達だ。
 それらが唸るような声を上げ、生命に仇なす者達として村にやって来ている。

 ゆらりゆらりと近づいてくる炎。その生命を焼く邪悪を目にして。
 猟兵の一人は、矢を番えた。
 猟兵の一人は、剣を抜いた。
 猟兵の一人は、生者の祈りを力へと変えた。

 今ここに、舞台は戦いへと移った。
マリーノフカ・キス
【POW】での判定を。
用いるユーベルコードは殲術抜刀法、重視するのは攻撃回数。
刀身に溜めた魔力とサイキックエナジーを推進力に、ひとたび抜き放てば、この剣は自在に軌道を変えて敵を切り伏せるよ。

情報は既にこちらの手にある。
襲撃が来る方向は分かっているのだから、当然、機先を制して奇襲をかけるのが最上かな。

……とはいえ、ルーンソード一本で敵陣に切り込むのは、正直言って躊躇いもあるのだけど。
ここはなけなしの「勇気」と「属性攻撃」の見せ所、といったところかな。
「ふっ、理性もない亡者共とは、何とも美しくない敵だ」
「村に平和を取り戻さんがため――片端から、切り伏せてあげよう!」


東風・春奈
猟兵の一人は、大砲を向けるのでしたー

あれが、篝火を持つ亡者さんなんですねー
まずは、背中の大砲から、照明弾を撃ちあげますねー?
どっかん、どっかーん!

相手の炎だけを明かりの頼りにするわけにはいきませんからねー
あ、でも、隠密行動をされる味方さんがいたら、その人の邪魔にならないようにうちあげますねー

私の主武器は榴弾砲ですから、戦い方も榴弾がメインですねー
亡者さんが放つ炎に狙いを澄ませて、大砲の弾を当ててみせましょうー
上手く弾が燃えてくれたら、周りへの被害も減りそうですー

それと、ユーベルコードで亡者さんへも直接攻撃したいなーってー、思いますよー!

さんMSさんのご判断で、アドリブ描写など大歓迎ですー



亡者達はゆらり、ゆらりと身を揺らしながら行進していた。
 血が染みとなって付いた外套は篝火に照らされ、フードの奥からは生者を呪うかのような呻き声が漏れている。
 村を幾度も地獄へと染めていった、その尖兵達。

 その中で、猟兵の一人は大砲を向けていた。

「どっかん、どっかーん!」

 幼い身体に不釣り合いな程の巨砲、そこから照明弾を撃ち出したのは東風・春奈(小さくたって・f05906)だった。
 篝火からのそれを遥かに凌駕する眩い輝きは、ドワーフの少女の明るい声と共に戦場を大きく照らす。
 陽の光を思わせる明かりに怯んだように身を竦ませる亡者。
 その隙を見逃さず、勇敢に亡者の前へと躍り出たのはマリーノフカ・キス(竜星のコメットグリッター・f01547)だった。
 照明弾の光を受けて鮮やかに翻るルーンソードの刃、魔力とサイキックエナジーを込めた居合斬りが、宙に幾つもの光の軌跡を残しながら亡者の二体を斬り裂く。

「村に真の安寧を! 平和を取り戻さんがため――片端から、切り伏せてあげよう!」

 その青い瞳で亡者を見すえながら、ドラゴニアンの騎士は刃をかざす。
 騎士道の刃は、虐げられた無辜の民を護る為の物。
 生命を呪う呻き声を上げながら逆襲する亡者に、その勇気で立ち向かった。

 ●

 亡者の篝火から放たれる炎。複数から同時に放たれれば対処も難しくなるだろうそれも、春奈とマリーノフカの奇襲により足並みが乱れ、まばらに状態で放たれた物であれば、さほどの脅威ではない。

「この春奈ちゃんに、まーかせなさいー!えいやー!」

 まばらに放たれる炎を回避しながら、榴弾砲が装填された巨砲を構え、轟音とともに射出する。
 驚くべき精度で放たれた榴弾は、続けざまに亡者から放たれた篝火と衝突し燃え盛る砲弾となって、そのまま先程、傷を負った亡者への追撃となった。
 直撃すれば大地をも殺しかねない重撃である、亡者の身体で抗えるはずもなく地に沈む。
 そして、それにより更に隊列が崩れ、再び生じた隙をマリーノフカが突いた。

「……ふっ、理性もない亡者共とは、何とも美しくない敵だ。」

 死角をなぞるような精妙な剣捌きで、亡者の一体を斬り裂く。
 幾筋ものルーンソードの斬撃が、再び煌めく軌跡となって亡者に二度目の死を与えた。

 ドラゴニアンの騎士と、ドワーフの砲手。
 戦場を駆ける若き二人の活躍により、猟兵達は勝利へと大きく近づいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リンタロウ・ホネハミ
あーあー、あんなに集まっちまってまぁ……
めんどくせぇっすねぇ、けどこれも仕事だし……なんとかするっすよ!

奴らの能力は見たとこ、奴らが持つ篝火が起点っすね
なら篝火を端から叩き落として消してきゃオレっち達有利にならねぇっすか?

まずはやつらが来る前に光源確保のために自前の篝火をあちこちに用意するっす
んで、オレっち自慢の骨剣"二〇六之曲技"(Bones Circus)で奴らの篝火をたたっ斬ってくっす!
【○○六番之卑怯者】で音を頼りに、着実にやってやるっすよ

そうして有利な場を整えりゃ……後はもう皆さんの料理次第っすね?
あ、"骨喰"リンタロウのお仕事だってちゃんと憶えといてっすよー!
次の仕事に繋がるんで!




 照明弾の効果が弱まってきた頃、その茶色の瞳で注意深く亡者を観察していたリンタロウ・ホネハミ(Bones Circus・f00854)が目をつけたのは、亡者の攻撃の起点となる篝火だった。
 骨剣の柄をなぞりながら、ガリ、と蝙蝠の骨を噛み砕き戦場駆ける。

「……!」

 そのリンタロウの動きを察知し、複数の亡者が炎を放つ、が。

「当たんねぇっすよ!」

 その炎は虚しく夜の闇へと消えた。まるで初めから、当たらない事が決まっていたかのように。
 それは彼が独自に編み出したユーベルコード、〇〇六番之卑怯者(ナンバーシックス・バットボーン)の効果だった。
 今のリンタロウは全方向に瞳が付いているようなもの、いや、それよりも更に優れていると言えるだろう。
 蝙蝠の骨を食べる事で、人間の可聴範囲を遥かに超えた蝙蝠の超音波ソナーの能力を身につけるもの。
 すなわち、音が反射する範囲内、全ての動きの把握が可能になる。
 その能力が近接白兵戦に於いてどれ程の優位性を発揮するかは、今の彼に宿る、未来視を思わせる程の神憑った回避能力が証明していた。

「…………ウゥ、オ!!」

 遠くからの炎が当たらぬのなら、回避不能の位置から放てばいい。そう結論づけた複数の亡者が、叫ぶような唸り声と共に、体ごとリンタロウの身を狙いに行く。

「…………好都合っすよ、それを待ってたんだ。」

 それに対し、踊るように炎を回避していたリンタロウは一転、疾風のように駆ける。
 敵を穿つ刃を持っているのは亡者だけではない、この"骨喰"の青年もまた、戦う為にここに居るのだ。

 「…………シッ!」

 跳ねるように繰り出された"二〇六之曲技"(Bones Circus)の一閃により、複数の亡者の篝火が断たれる。
 近接白兵戦に於いてもその回避能力は衰えることはない。一つ、二つ、三つと亡者の篝火を切り裂いて。

「…………後はもう、皆さんの料理次第っすよ?」

 そうしてニヒルな笑みを浮かべ、共に来た仲間達へ合図を送る。
 亡者の武器はその半数が消え、代わりにリンタロウが予め用意していた篝火が周囲を照らし始める。
 灯された炎は、生ある者の勝利を叫ぶように猛った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アウレリア・ウィスタリア
念のために村人に協力してもらい貢物を運ぶ姿に変装しておきます
負ける気はありませんが、最悪この姿なら生贄ということで
村人への被害も少なく出来るはず……です

篝火の亡者を確認すれば、変装した姿で奇襲が出来そうなら
奇襲を仕掛けます
ユーベルコード「血の傀儡兵団」で敵を撹乱し1体ずつ確実に仕留めるように。
ボク自身もソード・グレイプニルを振るって亡者を屠ります
篝火の作る影に触れないよう距離を置いて鞭剣を振るっていきます

仲間たちとも協力して近すぎず離れすぎずの位置で前に進みましょう
ここが猟兵としての腕の見せ所です

あとは背後にあるオブリビオンの情報はないか
亡者の持ち物なども調べてみます


レイラ・エインズワース
アリャリャ……、同類さんの仕業カナ?
死んだのにまた起こされて、望まぬことをさせられるなんてつらいヨネ

使用するユーベルコードで出てくる兵士たちには松明を持たせておくネ
敵が数で挑むのナラ、こっちも数で勝負ダヨ
それにこっちの「呪詛」の重さは君タチにだってまけないンダ
もし、倒れた子たちがいたら召喚解除
敵を増やしちゃいけないモンネ

本体は動けないケド
領主を先頭に連携を取らせて、孤立してる亡者から討ち取っていくヨ
遠くの方が戦場を見渡せるデショ、ってネ

「夢は夢に返らなキャ、悪夢のままはつらヨネ?」
「趣味の悪いやつもいたもんダネ、見つけたら許さないヨ」

アドリブ・台詞追加も歓迎ダヨ
好きに動かしてネ





 炎が明るく猛る戦場で、囮として運ばれた牛車を守るようにレイラ・エインズワース(幻燈リアニメイター・f00284)が奮戦していた。
 
 「潰えた夢を数えヨウ。繁栄への願い、富への渇望。全てを手中に収めんとした領主の見た夢。過去の幻だとしても、今再び夢は舞い戻る。」

 襲ってきた亡者を牽制した後、夜空に溶けるように、小柄なヤドリガミの少女の朗々とした詠唱が紡がれる。
 その声に応えるよう、篝火の亡者に亡者に対抗しうる戦力、華美な武装に身を包んだ領主と、近衛兵団が召喚された。

「…………!」
「…………! ……!!」

 レイラのユーベルコードを危険因子と判断した亡者達の一部が、がらんどうの瞳を向け襲いかかってくる。
 群れには兵団を、篝火には刃を、心無き亡者には舞い戻りし夢を。
 レイラは牛車の上に乗って、松明を持った兵団を指揮する。

 「……夢は夢に返らなキャ、悪夢のままは、つらいヨネ?」

 少女の声と共に、篝火を持つ亡者の群れと、松明を持つ強欲な兵団がぶつかりあった。

 ●

 対多数の戦いにおいて、レイラのユーベルコードはめざましい戦果を上げていた。
 もし強大な一との戦いであれば、一点突破される事で術者のレイラが危険に晒されるのかも知れない。
 だが純粋な兵力で拮抗、せいぜい多少上回っている程度ではレイラの兵を突破出来ない。

 それでも亡者には牛車を無視できない。
 なにより「あの大きな牛車の中には、生贄となる村人が居る」のだから。
 亡者を増やしさえすれば、この少女をも戦力として扱えれば、逆転する事も容易い筈なのだから。

「……!……!!」

 そう、亡者を増やしさえすれば良いのだ。それだけでこの少女の軍勢に勝てる。
 あの小柄な体躯であれば、一撃でも入ればその瞬間に勝負は決するだろう。
 そして亡者達が、自分達の軍勢を増やそうと後ろを向いた時。

「レイラさん一人だけで、牛車を守っていた……と、思っていたんですか?」

 そこには、村人に変装していたアウレリア・ウィスタリア(仇花讃歌・f00068)が立っていた。
 その周囲には夥しい数の血人形。更に周囲には、二度目の死を与えられた亡者が横たわっている。
 手に持った鞭剣を撓らせながらアウレリアは続ける。

「私の血人形を、レイラさんの兵団に紛れさせて頂きました。……一撃で消えてしまいますので、正面からぶつかるなら厳しいのですけれど」

 レイラが乱戦に持ち込ませ、孤立した亡者をアウレリアが始末していったのだ。
 軍勢を操るユーベルコードを持つ二人にのみ可能な連携だった。
 牛車の上のレイラが、悪戯っ子のようにペロリと舌を出す。

「そー言うコト。ま、作戦勝ちって奴だヨネ?」

 周りには既に、亡者は3人しか残っていなかった。
 遠くから剣戟と砲撃の音が聞こえる。そちらでも激しい戦いが繰り広げられているのだろう。
 無傷の兵団と血人形。無双の連携を誇る二人前にして、数でのみ対抗していた亡者が勝てる余地は無かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ラメント・ディエズラルム
かつての僕の故郷では無差別だったが……そうか、この村では僕よりも小さな子ども達が…。
彼らの命を、父さんと母さんの命を、村長との約束をたがえない為にも、……絶対に退けないね。

亡者の群れ、か。敵数が多いのなら、ユーベルコード「咎力封じ」を使って少しでもその戦力を封じるか削ぐかしつつ、敵の隙を突く形で戦っていきたい所だな。

この村に初めて訪れた僕にとって、どんな亡者が現れようとその顔に見覚えのない事は、戦いやすさにこそ繋がる…が、…やりきれない事に変わりはないな。せめてもの祈りは捧げよう。
かつてささやかな幸せを分かち合い、確かに笑っていた彼らへ。
どうか、今度こそ安らかに眠れるように。


浅葱・シアラ
ひぅっ!?あんなに沢山いる……。
怖いけど……村の人達、もっと怖いんだ……
だから、頑張る……!

使うユーベルコードは「黄金の地獄」
敵も篝火で攻撃してくるから火力勝負しちゃお!

敵が攻めてくる方向が分かっているんだから、フェアリーの小さな体を活かして亡者たちの一体の後ろに回り込むよ
奇襲をしかけちゃお、亡者の篝火と、シアの「黄金の地獄」どっちが強力か勝負だよ!

もし他の敵にも延焼したら一石二鳥かも?

燃えている黄金の地獄の炎は、もし味方の光源として役立つなら燃やしたまま、
もし敵に見つかってしまうとか不利な状況になるなら消しておくね

シアは倒せそうな亡者の露払いができたら、後は皆……お願い、ね?





 亡者の遊撃にあたっていたラメント・ディエズラルム(Lamento・f02152)が息をつく。
 かつて自らが経験した滅び、その悲しみを忘れた事は無い。
 二度と同じ嘆きを起こしてはならない。体の震えを上回る決意に応えるかのように、手に持ったフォースセイバーは煌々と輝いていた。
 猟兵と連携するにしても数が多いと判断し、まずは亡者の動きを拘束せんと咎力封じのユーベルコードを放つ。

「……!?」

 物言わぬ亡者達へ二つ、三つと咎力封じを使いながら、ダンピールの少女は駆ける。
 時折放たれる篝火の炎をフォースセイバーで切り払い、生命を呪う亡者の呻き声を意志の力で跳ね除けて。
 だがそこに、一瞬だけラメントの死角になった場所から、篝火の炎が飛んでくる。

「……っ!」

 迫る炎が宙を滑る音で察知し、全力で体を回避に費やす。
 手傷を負う事こそ無かったが、マントの裾から、微かに焦げ臭い匂いがのぼった。
 やはり数の多さはそれだけで厄介さを増加させる。一度息を大きく吐き、自分に炎を放ってきた亡者に視線を移す。
 そうして敵の各個撃破に切り替えようとした時。

「この黄金の炎で!燃えちゃえ……!!」

 ラメントと対峙した亡者を、浅葱・シアラ(黄金纏う紫光蝶・f04820)が横合いから放った地獄の炎で撃破した。

「大丈夫? 大丈夫? 怪我しなかった?」

 心配そうにラメントの元へ駆け寄るシアラ。同じ猟兵の危機を敏感に察知したのか、素早い妖精の翼で助けにきたらしい。
 戦場にはあまり似つかわしくなさそうなシアラを見て

「あ、あぁ、僕は大丈夫。ありがとう……君も、そうなのか?」

 君も猟兵なのかと問うラメントに、シアラはこくこくと、二度ほど頷いた。
 同じ猟兵なのであれば心強い。二人で連携を取れるのであれば、戦力は遥かに上回る。
 自然と並び立つようにして、残りの亡者へと目を向ける。

「……僕が咎力封じで亡者の炎を弱める。君はまた、あの炎で攻撃してくれ。」

 ユーベルコードで生み出した拘束の力を手に携えながら、シアラに言う。
 その言葉にシアラは大きく頷いて、今一度、黄金に輝く炎の魔力を生み出し始める。

 相手は、もはや恐れを知る心さえ失われた亡者。
 生命を呪う残骸に、恐れを知った上で乗り越える勇気を持つ、二人の猟兵は立ち向かった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『異端の騎士』

POW   :    ブラッドサッカー
【自らが他者に流させた血液】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【殺戮喰血態】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD   :    ブラックキャバリア
自身の身長の2倍の【漆黒の軍馬】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    フォーリングローゼス
自身の装備武器を無数の【血の色をした薔薇】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:神手みろふ

👑17
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 そうして現れたのは、夜の闇を纏ったかのような存在だった。
 重く、質量さえ感じさせるような圧力。
 鈍く光る大剣を携えた、巨躯の吸血鬼。

「我に狩られたがっている者が、こんなにも居たのか。亡者共を倒したのなら、アレらよりはいい道具になりそうだが。」

 この男こそが、この村を滅ぼす邪悪の根。
 生命を弄ぶ仇敵。
 かつて人類を裏切り、ヴァンパイアに従った異端の騎士。
 例えどの様な理由で叛逆した騎士であろうとも、オブリビオンとなった今、その誇りは完全に失われている。

 鈍い音をたてて、亡者の亡骸をその脚で踏み潰しながら異端の騎士は語る。

「コレも中々に面白い家畜でな。まだ村の者に執着でも有るのか。襲わせた後は、面白いように仲間の屍肉を取り合って居たのだが。」

 そうして、がしゃりと重々しい鎧の音を響かせ、猟犬達の前に立つ。

「まあ良い。我が享楽の一つを失わせた事には変わりない。貴様らを皆殺しにし、死人に変えて、あの村も滅ぼしてくれよう。」
マリーノフカ・キス
堕ちたる騎士か、見るに耐えないね。
ならば、ああ、僕も騎士として、引くわけにはいかない。

亡者と同様、この抜刀法で……と言いたいが。
悔しいが僕の剣腕では及ぶまい。けれど、まずは全力で斬りかかる。
「勝負だ。その剣、飾りとは言うまいね――!」
切り合いで僕が傷つけば、貴様は武器の封印を解こうとしてくるだろう?
だが、それは読めている。その隙に至近距離でユーベルコードを打ち込み、更にオーラの鎖でほんの一時、動きを縫い止め、隙を作ろう。

「――さあ、今だ!」
隙を突くのは他の猟兵に任せる。

ああ、正直、この役、物凄く怖いのだけどね!
「勇気」を振り絞り、口にも顔にも出さないよ!
この背には、守るべき営みがあるのだから!


リンタロウ・ホネハミ
ここで起きてることは、どこにでもあるようなありふれたことっすけど……
だからって気分悪くならねぇわけじゃあねぇんすよ
ここは一つ、あんたをぶっ倒して気分爽快になるっすわ

【SPD】重視!
足を使って動き回って、ヤツのスピードと間合いをまずは把握っす
まあ、その間にヤツもオレっちのスピードと"二〇六之曲技"(Bones Circus)の間合いを把握するっすよね
そいつを逆手に取って、【〇八三番之韋駄天】で急激にスピードを上げるっす!
不意を突いてペース握ってヒット・アンド・アウェイ
深く斬り込む必要はねぇっす、なんせ頼りになる味方が大勢いるっすから
オレっちがヤツを崩すだけで、こっちが有利になるってな寸法っすよ!


アウレリア・ウィスタリア
ヴァンパイア…!
いえ、それに従った騎士
ボクの故郷もお前たちに滅ぼされたのですか…?

返答があろうとなかろうと
鞭剣の切っ先を向け『今は届かぬ希望の光』を発動

お前がボクの探す敵でもそうでなくても
やることは変わらない
ボクはお前のその傲慢を、人々を傷つけた罪を裁きます

光の剣を目くらましに
地を走り空を舞い死角へ移動
そこから鞭剣を振るい鎧を、その中の本体を切り裂く

一か所には留まらず
常に移動と光剣による攻撃を繰り返し
相手の目が慣れてきたのなら
次は自らを囮に仲間からの攻撃を有効打にすべく動きます

軍馬が召喚されたのなら本体よりも軍馬の脚を狙って攻撃
戦闘力が上がっても動きが鈍れば対応はできます

真の姿にはなりません





 傲慢さを隠そうともしない裏切りの騎士の前に立ったのは、マリーノフカ・キス(竜星のコメットグリッター・f01547)とリンタロウ・ホネハミ(Bones Circus・f00854)、そしてアウレリア・ウィスタリア(仇花讃歌・f00068)だった。

「ボクの故郷も、お前たちに滅ぼされたのですか……?」

 アウレリアの問いに返ってきたのは、鼻で笑うかのような声。
 答えは恐らく「覚えていない」だろう。
 ならばもう話すことなど無いとばかりに鞭剣の切っ先を向け、眩い七本の光剣が放つ。

「勝負だ。その剣、飾りとは言うまいね――!」
「ああ、あんたをぶっ倒して……気分爽快になるっすわ」

 そして全力で叩きつけられるマリーノフカのルーンソード。
 続いて疾風のように繰り出されたリンタロウの骨剣が、ほぼ同時に異端の騎士へと重なった。

「……ク、クハハ、クハハハハハ!」

 だが異端の騎士は、眩い光剣をその鎧で弾き、二人の剣撃を、鞘に収められたままの大剣で受け、嘲るように嗤う。

「軽い、軽いわ! 貴様らもまた、いつかの村の家畜共と同様に脆いのだな! 小さく! 力も軽く! 逃げ回るだけの猿がよく、我が前に立とうなどと思い上がった物よ!」

 そのまま二人の猟兵を剣で押し返し、大剣の封印を解くまでもないとでも言いたげに、獲物を薔薇の花びらへと変化させる。
 血の色をした薔薇。まるで、犠牲となった村人の血を吸っていた様にさえ思われた。

「たまには遊びに興じるのもよいだろう、我に歯向かう者を見るのなど数年ぶりだからな。…………ああ、せいぜい興じさせるが良いぞ? よく動く獲物ほど狩り甲斐が有るというものだ。」

 異端の騎士は残忍な声をこぼし、血薔薇の刃を猟兵達へと放つ。
 黒鎧の奥からは、嬲るような瞳が緋色に染まっていた。

 ●

 宙を舞い踊るかのように不規則に、しかし圧倒的な速さで放たれた血薔薇の刃をギリギリで回避しながらリンタロウが駆ける。
 その凶悪さは亡者の篝火とは比較にならない。
 アウレリアがその光で異端の騎士の目を眩ませ、マリーノフカが剣撃を放つ。
 それにより生じる、血薔薇の刃の僅かな緩み、それが無ければ被弾していたかも知れない。
 三人の猟兵を前にしてなお優位に立つ異端の騎士は、なるほど確かに強大な力を持っていた。

 騎士は、多数との戦いに慣れていた。
 マリーノフカとアウレリアの剣を受けている間も、多くの刃を惹きつけているリンタロウの動きを見逃しては居ない。
 このままではいつか、リンタロウの動きは読まれ、不可避の凶刃に沈む事になるだろう。

 マリーノフカとアウレリアもまた、全力を振り絞っていた。 
 頑強な鎧を打破すべく、二人の剣の軌跡が交差する。
 光の目眩ましや死角を駆使し、牽制の様に飛来する血薔薇の刃を撃ち落としながらの二人の連撃。
 未だ騎士の鎧を貫くまでには至らない。だが、それでも繰り返した衝撃は少しづつ、鈍い痛みとなって騎士の動きを重くしていった。

「…………何?」

 瞬間、異端の騎士はリンタロウの姿を見失った。
 動きを、その間合いを完全に把握していたはずの男が、その姿を消した。

「驚いたっすか?」

 騎士の後ろから、戯けたような声が響く。
 豹の骨を食べる事で、更なる瞬発力を得たリンタロウだった。
 予測を裏切られた事に得体の知れない恐怖を覚えた異端の騎士は、反射的に全ての血薔薇の刃を自分の後方へと向ける。

「でもまだ、上限じゃあないんすよねぇ!」

 直線的な軌道となった血薔薇を悠々と躱し、すれ違うように放たれたリンタロウの骨剣が、騎士の黒鎧を強打した。

 ●

「……っぐ!」

 マリーノフカの息が微かに上がった時だった。
 その肩を、血の色をした薔薇の花びらが切り裂く。
 ほぼ同時に、アウレリアもその脚に血薔薇の刃を受け、動きが止まる。

 じくり、と鋭い痛みと共に流れる鮮血。それを見た騎士はにたりと笑った。
 二人から流れる血を代償にし、大剣の封印を解かんと柄に手をかける。

「久方ぶりに愉快な時間であった。貴様らの骸は、我が……。」

 殺戮喰血態を発動させようとした時、それを読んでいたマリーノフカのドラゴンオーラが命中した。
 それはそのまま鎖へと形を変え、異端の騎士の体を一時その場に縫い止める。

「ヌ……!?」

 ぎちり、と異端の騎士に食い込む竜の鎖。
 短い間なれど確実に相手を無防備に出来る、この戦いにおけるマリーノフカの切り札。
 自分達が傷付いた時にこそ見せる、異端の騎士の決定的な隙。

「――さあ、今だ!」

 マリーノフカが叫ぶ。
 声に応えるように、アウレリアの鞭剣の切っ先から七つの極光が放たれる。
 それはなにものにも染まり、なにものにも染まらぬ七色の輝き。

「――貫け、天空の光剣!」

 異端の騎士の鎧を、暁にも似たアウレリアのユーベルコードが貫く。
 それまで何重もの斬撃を受けた黒鎧は、ついに、裁かれるように砕けて散った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ヴェル・ラルフ
村の人たちをあくまで玩具扱いか…許せない、彼らの想いを踏みにじった分、後悔してもらわなくっちゃ。

ユーベルコードはシーブズギャンビット。SPDを生かして戦うよ。さらに上の服を脱いで速度を上げて先制攻撃、不意討ちを狙おう。

敵は身重そうに見えるけど、油断大敵だね。

僕は決定打にはならないかもしれないけど、異端の騎士の注意をそらしたり、召喚された軍馬の脚を狙ったりしよう。
敵の背後をとりながら、何度も技を繰り出そう。

この一撃一撃が、村の人たちの受けた傷と思い知れ!


浅葱・シアラ
ひぅっ!?
怖そう……ボス、だよね?
でも……許せないもん、シアと皆の全力で倒しちゃうから!

使うユーベルコードは「胡蝶閃」
お母さんから受け継いだ蝶々の閃光でお相手するから

重い鎧着てるよね……
もしかしたら魔法ですら届かないかもしれない

だから技能の鎧砕きを使っちゃう!
相手の鎧の脆いところを狙って、高速詠唱で短時間で何度も胡蝶閃をぶつけていくよ!
鎧砕きで鎧が脆くなったら仲間の攻撃も通りやすくなるよね!

それだけじゃないよ、全力魔法で強化された胡蝶閃もバシッと当てちゃうから!


自分の悦楽のために人の命を弄ぶだなんて、絶対許さないから……!
家畜呼ばわりした責任……取ってもらうから……!




 重い音をたて黒鎧が砕け散り、鋼のように鍛え上げられた半身が露わになる。
 騎士はその顔を憤怒の色に染め、怒りの熱を吐き出すよう、言葉を呪いとして叫ぶ。

「……かつて我が主から賜った鎧を、貴様ら家畜風情が我が鎧を砕くなど……覚悟は出来ていような!」

 鎧は砕かれたもののその大剣は健在。鞘から抜き放ち、禍々しいオーラを纏った刀身を露わにした。

 その大剣に立ち向かうのはヴェル・ラルフ(茜に染まる・f05027)と浅葱・シアラ(黄金纏う紫光蝶・f04820)の二名。

「……シッ!」

 上着を脱いだヴェルが、騎士の死角から高速の不意打ちでシーフズ・ギャンビットを繰り出す。
 しかしその一撃は、その身を斬り裂く寸前で騎士の大剣に阻まれた。
 一瞬の鍔迫り合いから、怒り任せの力でヴェルを跳ね除ける。
 続いて、ヴェルを支援するかのように放たれたシアラの火球を、剣に纏ったオーラで迎撃した。

「もはや、貴様らの技が楽に通ると思うな……。その前に、まとめて膾に刻んでくれるわ。」

 異端の騎士は、敏捷性ではヴェルとシアラの二人に及ばないものの、技量では上回る。
 鎧を失った事で油断を捨てた異端の騎士。
 怒りに震えるその姿を前に、ヴェルとキアラが立ち向かった。

 ●

 如何に強大な力を持つオブリビオンと言えど、生身で猟兵の刃を受けるのは分が悪い。
 故に先程までの血薔薇の刃を使うことはなく、大剣のまま振るう。
 素早さそのものではヴェルの動きには及ばない。
 背後から繰り出される斬撃を、その技量のみで対抗するしか無い。
 ヴェルの攻撃はまだ決定打にはなっていないものの、騎士の注意をシアラから外すのに絶大な効果を発揮していた。

「お母さん……借りるね!胡蝶の閃きにて、あなたの力、これでおしまいだから……!」

 そして夜空にシアラの声が響く。
 その妖精の体から明確な敵意が放たれる。ユーベルコードの名は胡蝶閃。
 かつて、巨悪と戦った母から受け継いだ、閃く蝶の輝き。
 美しく戦場を舞う、巨悪を滅ぼし、生命を希望の未来へと導く煌めき。
 輝く蝶をその剣で迎撃した瞬間、突如、力が抜ける感覚を覚える異端の騎士。

「……!? 何だ、何なのだこれは!」

 続けて飛来した蝶の攻撃を受け、思わず苦悶の声を上げた。
 この男には分からないだろう。この技に、どれ程の思いが籠められているのかなど。
 親から子へと受け継がれる想い。
 それがどれ程の力を持つのかなど、享楽の為に人を殺し続けた男に分かるはずがない。

「人を家畜呼ばわりした責任……取ってもらうから……!」

 可憐な妖精から、更に蝶の輝きが放たれる。
 自分の理解の外にある力を見た騎士は、この時、初めて恐怖した。
 動きが鈍った体を強引に動かし胡蝶閃を避けようとする騎士、そこにヴェルが駆ける。

「……この一撃一撃が、村人たちの受けた傷だと思い知れ!」

 村人からの願いを籠め放たれたシーブズ・ギャンビットが、異端の騎士を遂に捉えた。
 ひとつ、ふたつ。
 騎士からの反撃を身を屈めて避け、更にひとつ、ふたつ。
 ヴェルの短剣が、異端の騎士の身体に深い傷を刻んでいく。
 巨悪が悲鳴を上げ、その地に膝をついた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ラメント・ディエズラルム
……いざ目の前にすると虫酸が走るな。
そうか、なんとも思っていないのか。自分のしていることに、疑問も、迷いも、ないんだな。
………彼らの(父さんや、母さんの、)無念に想いを馳せたことなんて、………きっと、なく。
ただ、ただ………本当に、己の享楽のためか。

…怖くなんてない、恐怖なんてしていないさ。

それを、僕の剣が証明して見せようじゃないか…!

「……あの村は絶対に滅ぼさせない!守ると約束したんだ!」
「やぁぁああッ!」
恐怖、怒り、自棄、覚悟の入り混じった感情で駆け出し、ユーベルコード血統覚醒を使用。
眩い光を放つフォースセイバーで敵を斬りつけ、怒りに任せて「傷口をえぐり」ます。


レイラ・エインズワース
アア、嗚呼、こいつがこの悪趣味な舞台の仕掛人ってことネ
過去が今生きる命を踏みにじるっていうナラ、過去が迎えに来てあげヨウ

ユーベルコードを使って呼び出すのは狂気の魔術師
サァ、いこうマスター、夢は夢に返さなキャ
立ち位置は後衛
他の味方を援護するように後ろから援護射撃をするヨ
この場に満ちる「呪詛」の力を「衝撃波」に込めてたたきこモウ
味方が突っ込むときと下がるときには特に重点的に
連続で狙われる味方がいたら割り込むようにうち混むヨ
もし相手がピンチになったら魔術師に死霊を呼ばせて、動きを封じるヨ
「ほら、みんな君も仲間にしたがってル」
サヨナラ、過去の亡霊サン

アドリブ・台詞追加・絡みも大歓迎ダヨ
好きに動かしてネ


東風・春奈
なーんと悪趣味な方でしょう
私も負けたら、あんな風にされてしまうのでしょうかー
村の方たちも、あんな風にされてしまうのでしょうかー
それは、嫌ですねー

ヴァンパイアに近づくのは危ないでしょうかー
私は接近されると抵抗できないのでー、なるべく近づかないようにしましょうかー

支援を中心に動きますよー

戦の端緒に、迫撃砲あり。
他の猟兵さんを支援するように、大砲をどっかんどっかんと撃ちますよー
皆さんが攻撃されそうになるのを、妨害するようにー。
同士討ち? 心配いりませんー。この春奈ちゃんの狙いに狂いはありませんからー。

あたりが暗いですしー、前にも使った照明弾でー、明かりを確保したいですねー

台詞改変OK
他参加者連携OK




 東風・春奈(小さくたって・f05906)が、再び照明弾を打ち上げる。
 夜の空を明るく照らす輝きは、まるで勝利の祝砲の様にさえ思われた。
 異端の騎士は鎧を失い、その身にも深い傷を負っている。血を流し膝をつくその姿にも先程までの威圧感はない。

「…………この程度の傷で、我は倒れはせぬ。」

 そう嘯いて、ゆらりと立ち上がる。

「貴様等は……あの村を救うために来た、そうだな。」

「ああ……守ると、約束したんだ。」

 異端の騎士に答えたのはラメント・ディエズラルム(Lamento・f02152)。その手には煌々と光を放つフォースセイバーが握られている。
 その後ろではレイラ・エインズワース(幻燈リアニメイター・f00284)がネクロオーブを掲げていた。

「この身に傷を負わせるほどの力を持ちながら、他者の為に力を振るうと言う。我にはまったくもって理解できんな。」

 その言葉と共に漆黒の軍馬が召喚され、異端の騎士はそれに跨る。
 馬上から鞘を捨て、再び大剣を血薔薇に変えて。

「だが良い。貴様等がどの様な者であれ……我はただ、殺すだけだ。」

 そうして軍馬で駆け、三人の猟兵に襲いかかる。
 深い傷を負ってなお、その威容は健在だった。

 ●
 軍馬を駆る騎士を狙って、春奈の迫撃砲が猛る。
 一発、二発、三発。断続的な発射音と、弾が砲塔を滑る金属音が響く。
 数発の砲弾は届く前に血薔薇の刃に防がれ、残りは巧みな馬さばきにより回避される。
 騎士は人馬一体の言葉通りに、縦横無尽に戦場を駆け回っていた。
 それでも、その動きを逸らすことならば出来る。
 春奈が僅かに稼いだ時間で、レイラもユーベルコードを発動した。

「……サァ、いこうマスター、夢は夢に返さなキャ。」
 
 召喚された者は狂気の魔術師。彼女はその者を「マスター」と呼び、この血に満ちる呪詛を衝撃波に変え、春奈の砲撃と重ねるように解き放つ。

「…………!」

 目に見える砲弾とは異なり、衝撃波は不可視。見えない物を回避するのは難しいのか、軍馬の動きが一瞬止まり、それにより春奈の砲撃も騎士に命中し始める。
 騎士もやられるばかりではない。
 血薔薇の刃を周囲に広げ、軍馬を駆ったまま、お返しとでも言わんばかりに三人を襲う。
 致命傷こそ免れたものの、三人の猟兵も傷を負った。

 ●
「……ちょっと、不味いかもですねー。」

 傷口の痛みを気力で堪えながら、春奈は呟く。
 事実、その通りではあった。
 頭数でなら三体一とは言え、異端の騎士は純粋に強い。如何に奴が傷を負って居ようとも、長期戦になれば体力で劣るこちらが不利なのだ。
 短期決戦で沈めるべきだ、と結論を出して隣のレイラを見やる。

「……そうだネ。私が動きを止めるヨ。」

 視線だけで伝わったのか、それとも同じ事を考えていたのか。こくりと大きく頷いて、レイラは答える。
 異端の騎士には、こちらが流した血を代償に殺傷力を上げる事も出来るのだ。
 これ以上の攻撃を受けるわけには行かないと、狂気の魔術師に詠唱を始めさせる。

「……容易くさせると思ったか!」

 詠唱の気配を察知し、再び二人へと血薔薇をを向けようとする騎士、しかし。

「……やぁぁああッ!」

 その行動は、「血統覚醒」を行い、真紅の瞳になったラメントにより阻まれる。
 眩いフォースセイバーの一撃が、騎士の腹部を焼き切るよう、抉るように通り抜ける。

「……ぬ、貴様、その瞳は……ガッ――!?」

 だが騎士の動きを阻んだのは、傷の痛みよりもラメントの瞳だった。
 ヴァンパイアの象徴である真紅の瞳。それはかつて、自らが仕えた主と同じ瞳。
 それに対するどうしようも無い恐怖心が、騎士の足を止めたのだ。
 茫然自失とする異端の騎士。

「残念だったネ、完成したよ。……ほら、みんな君も仲間にしたがってル。」

 そして、闇夜に響くレイラの声。
 夥しい数の死霊が、軍馬と、騎士の脚を掴んでいた。

 ●
「……おのれ、おのれおのれ! 貴様等などが! 我の動きを止めるなど!」

 数多の死霊に動きを止められ激高する異端の騎士。
 自分が操っていた亡者と同種の存在に阻まれることが、よほど屈辱的だったのか。

 騎士は全力で振り払おうとするが、それは叶わない。
 今まで猟兵達が与えたダメージも、今ラメントが与えた傷の痛みもあるが、それより。

 ――この地に満ちる怨嗟が、この騎士を離すなどあり得ない。

 完全に動きが止まった異端の騎士に向け、春奈の砲塔が向けられる。
 ドワーフの砲兵、彼女が放つユーベルコードの名は。

「"女神は、かく歌えり"。」

 その名の通り。
 女神による裁きの一撃により、異端の騎士は完全消滅した。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2018年12月20日


挿絵イラスト