バトルオブフラワーズ⑪〜疾風の門を越えていけ
「貴殿らがいくつもの困難をのりこえて下されたおかげで、キマイラフューチャーを守る戦いは、第三の関門に至りました」
集った猟兵たちを感謝の眼差しでみつめながら、月殿山・鬼照(不動明王の守護有れかし・f03371)は語る。
「第三の関門で待ち受けているのは、スピード怪人『ウインドゼファー』でござる」
ここまでの怪人のように、特殊な趣味嗜好を突いて工夫をこらさねば戦えないような敵ではない……しかし、かなりの強敵なのだ。
「ウインドゼファーの持つ『風を操る能力』は、とてつもない速さをもっており、必ず先手を取られてしまうのでござる」
彼女のスピードを上回ることは、今の猟兵たちにはできない。しかも彼女の持つユーベルコードはどれも強力なので、先制攻撃を甘んじて受けてしまえば、敗北は必至であろう。
「下手を打てば、本格的な戦闘に入る前に退けられてしまうかもしれませぬ……ゆえに、ヤツと戦うために、貴殿らには、必ず先制攻撃への対抗策をとって頂きたい」
ユーベルコードや技能をフル活用し、先制攻撃への対抗策を用意しなければ、到底戦えそうにないのだ。ただし、一撃目をしのげば、反撃のチャンスは必ずあるはずだ。
「まずは知恵と技で先制攻撃をしのぎ、そして反撃する……それが此度の関門で求められている戦い方でござる。貴殿らの個性的な技と能力を十二分に活用し、どうか勝機を見いだして下され」
では、参りまする……そう言った鬼照の手に、赤々と護摩火が燃え上がり始めた。
小鳥遊ちどり
猟兵の皆様、こんにちは。
こちらは⑪スピード怪人『ウインドゼファー』のシナリオです。
●敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
プレイングには、必ず先制攻撃対策と攻撃方法の両方を書いて下さい。
●運営シナリオ数について
運営シナリオ数に制限はありません。戦場の戦力「40」をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。
ではでは、先制攻撃へのオリジナリティ溢れる対策、楽しみにお待ちしておりますので、どうぞよろしくお願いします!
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
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POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
香神乃・饗
香神写しで増やした剛糸と苦無を手足に括り、念で支えて足場を作り吹き飛ばされないようにするっす!
残りの苦無に自分の周りを高速回転させて竜巻を起こし攻撃を相殺するっす!風には風をっす!
視界が塞がれても殺気は分かるっす!
殺気を読み取り暴風の中央の敵に向けて竜巻を纏い突っこみ俺の風をぶつけるっす!
近接して暗殺を狙うっす!
剛糸で手足と首を絞め
無数の苦無で囲んで貫く
俺が持つ苦無で斬る
どれかをフェイントにどれかで討つ覚悟で同時に暗殺を仕掛けるっす!
時間稼ぎはさせないっす!通して貰うっす!
歴史は繰り返さないっす!過去を受けて未来に進むものっす!
香神乃・饗(東風・f00169)は、強敵――ウインドゼファーの姿を視認した瞬間にユーベルコード【香神写し】を発動した。予め手にしていた鋼糸と苦無を抱えきれない程の数に増やし、念で動かす。瞬時に鋼糸は彼の四肢に絡みつき、苦無は饗を楕円形に取り巻く。手足にしっかりと絡みついた鋼糸のもう片端が、念によってしっかりと支えられた苦無に括られ、まるで鋼でできた繭のように饗を取り囲んだ、そのとき。
ゴオオォ……!
周囲の全てをバラバラにするような暴風が吹き荒れた。
「!!」
饗は自分を支える鋼糸と苦無に、念を注ぎ込んだ。それでも暴風でミシミシと鋼の繭が歪み、糸が四肢にギリギリと食い込む。
これでも防ぎきれない……ならば。
「……風には風を!」
鋼糸を支えている以外の苦無に、饗は更なる念を注ぎ込む。全力で念を注ぎ込まれた苦無は、鋼の繭の外側を同じ方向に高速回転し始めた。回転する苦無は竜巻のような効果を生み、吹き荒れる暴風を幾分か相殺した。
暴風の影響が幾らか和らぎ、
「視界が塞がれても殺気は分かるっす!」
饗は暴風の中心へとじりじりと接近していく。
幾らウインドゼファーでも、これだけの暴風を長時間続けることはできはしまい。必ず隙はあるはず……!
案の定、敵もじりじりと接近しはじめた饗の動きに気付いたのか、息継ぎをするように一瞬風の勢いが弱まった。
「今っす!」
饗は竜巻を纏ったまま、一気に踏み込んだ。自分の間合いへと入った瞬間、竜巻と鋼の繭を解除し、鋼糸と苦無を敵へとぶつける。
『こしゃくな……このような攻撃で、ここを突破できると思うな!』
饗の武器の多くはウインドゼファーの車輪剣に弾かれた。だが、数本の鋼糸が手足と首に絡みつき、幾つかの苦無は武器を操る腕に食い込む――それで充分。
「時間稼ぎはさせないっす! 通して貰うっす!」
動きの鈍った車輪剣をかいくぐって敵の懐に飛び込んだ饗は、隠し持っていた苦無で甲冑の隙間を抉った。
「歴史は繰り返さないっす! 過去を受けて未来に進むものっす!」
成功
🔵🔵🔴
カイ・オー
UC【火焔魔人】で対抗
問題は初撃だ。
刀と鞘をそれぞれ両手に構える。【超感覚的知覚】で感覚を高め【第六感】で攻撃の発動を【見切り】対処。視る前に動け。
2本の車輪剣は刀と鞘で【武器受け】し、竜巻は【サイコバリア】で【盾受け】【オーラ防御】。剣や風の回転に逆らわず、その勢いを利用して自ら吹き飛ぶ様に回避。
UC発動後は周囲の風や花を燃やし喰らって自身の傷を癒やしつつ、刀に炎を纏わせ攻撃。
敵の風が強い程纏った炎が燃え上がり自己を強化してくれる。【カウンター】で後の先を狙い【鎧砕き】でタイヤの防御の隙間を打つ。
身体速度じゃ勝ち目が無い。猟兵の戦いはいつだって格上相手だ。経験と先読みと思考速度で食らい付け。
「……来る」
仲間にダメージを与えられ、つかの間体勢を崩したウインドゼファーの視線が、次に自分に向けられることを、カイ・オー(ハードレッド・f13806)は、その寸前に感知した。
寸前とはいえ瞬きするほどの間ではあったが、
「問題は初撃だ」
それを念頭に置き、既に武器を抜き、技能をフル活用して戦場に臨んでいた彼にとっては、それだけの間で充分であった。
「視る前に動け!」
感知した通り、残像が残るほどのスピードでウインドゼファーは彼へと距離を詰めてきた。
キュルルルルル……!
高速回転する車輪剣が眼前に迫る。真っ二つに断ち割られそうなその疾風の如き刃を、カイは防御を固め、更に刀と鞘を身体の前で十字に構え、敢えて真っ直ぐに受けた。
ガッ!
受けた衝撃のまま、カイは大きく吹き飛んだ。刃の勢いをモロに受けた腕が痺れ、かまいたちに捉えられたかのように全身に無数の傷が走る。
だが、どれも深刻なダメージではない。
「――リミッター解除」
吹き飛ばされつつも、カイは冷静にユーベルコード【火焔魔人】を発動した。真の力が体内から炎のオーラとなって噴き上がる。その炎はカイ自身の傷を燃やし、敵が足場としている花の足場を燃え上がらせる。
カイは炎に包まれた花の足場へと上手く受け身を取って着地すると、素早く立ち上がり、刀を構えて踏みこんでいく。敵がまた車輪剣を構えるのが見えたが、ユーベルコードによりリミッターを外し、戦闘能力と身体能力を大幅に強化させた彼の目には、2本の剣の隙間が見える。
ゴウ……ッ。
ウインドゼファーの在るところにはいつも暴風が吹いている。
だが、その風は、今のカイにとっては纏っている炎のオーラを燃え上がらせるエネルギーとなる。
「身体速度じゃ勝ち目が無い。猟兵の戦いはいつだって格上相手だ。経験と先読みと思考速度で食らい付け――!」
振り下ろされた2本の車輪剣の間を掬うように、炎を乗せた刃が頑なに光る銀色のブーツを切り裂いた。
成功
🔵🔵🔴
ルビナ・ベイビーブルー
あの車輪剣めっちゃ痛そうだよねー。
でも、できる限りのことをがんばるよー!
二本の車輪剣の攻撃は、薙刀で【なぎ払い】。
なぎ払えなかったら、狙われた部分にオーラを集中させて【オーラ防御】するよ。特に急所は気を付けて守るね。
敵のスピードは速いだろうから、【衝撃波】を発生させつつ【時間稼ぎ】。敵と距離を取りたいな。
花の足場だし【空中戦】を利用しながら跳べば何とかなるんじゃないかなー。
敵と距離を取れたら、【冷めない夢こそ乙女の特典】を発動するね。
正面からの単純な攻撃にならないよう、できるだけ羊さんたちには四方に散ってもらって、いろんな方向から突撃してもらうよ。
羊さん、一匹分でも攻撃が入るといいなー!
仲間たちが、強敵の先制攻撃を必死に防ぐ様子に、ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)は、思わず呟く。
「ううわ、あの車輪剣めっちゃ痛そうー」
しかし、その車輪剣がついに自分の方を向いたとなれば、今度は彼女の番である。猛烈なスピードで突っ込んでくるウインドゼファーに向けて、ルビナはファンシー薙刀を構えた。
「できる限りのことをがんばるよー……えいっ!!」
ガキッ!
ギリギリの距離まで敵を引きつけ、ルビナは薙刀で2本の車輪剣を思いっきり薙ぎ払った。刃同士が激しく擦れ合い、火花が散る。
覚悟を持っての薙ぎ払いに車輪剣の直撃は逸れることができた。払うことで上に跳ねた刃が、つやつやとしたピンク色の頬を掠めたが、オーラ防御で頭部を護っていたのでほんの浅手だ。
『こしゃくな……ッ』
ウインドゼファーが悔しげな唸りを漏らす隙に、すかさずルビナはバク転で距離を取る。視界がぐるんと回転するが、敵の位置はしっかりと把握できている。着地するより早く衝撃波を放つと、足場からゴウッと花びらが地吹雪のように沸き立ち、敵の視界を遮った。
敵のスピードには敵わないことは分かっている。だが、スピードに特化した敵だからこそ、一瞬の時間稼ぎが物を言う。
「羊さんたちよろしくね~!」
ユーベルコード【冷めない夢こそ乙女の特典】を発動すると、50体以上ものメカ羊さんが召喚され、ずらりとウインドゼファーを取り囲んだ。
「突撃!」
羊さんたちはルビナの意志に従い、突撃を開始した。当然ウインドゼファーは群がってくる羊さんたちを車輪剣で跳ね返していく。
だが、羊さんたちの動きは単純ではない。位置をずらし、タイミングを変え、フェイントを交えて車輪剣をかいくぐる。
「今だよ!」
車輪剣が前を大きく薙ぎ払った隙を狙い、背後から勢い良く飛びかかった羊さんの頭突きが膝裏に見事に入り、
『ウッ』
ウインドゼファーの体勢が、カックン、と崩れた。
成功
🔵🔵🔴
鳴北・誉人
正直あのサルやウサギは戦える気がしなかったんだよォ、俺にゃ難易度高くってェ…
けど、てめえはわかりやすくてイイぜ!
久々に全力で暴れられんだ――ちょっと付き合ってもらうぜ…!
戦闘力の増加に、飛翔する…な
なら、飛んで火にいる夏の虫ってヤツだな!
刀は一本犠牲になるが、花弁の刃(念力で風に飛ばされねえようにする)で巻いて動きを阻害
隙を逃さず脇差で斬る
オーラ防御で出来うる限りの攻撃を防ぐぜ
間合いも様子も違えが、敵も剣使ってくるンだろォ
同じ剣士として、負けられるねえわなァ!
二回攻撃と見切りで立ち回って
速さじゃ負けっかもだけど、残像残すくれえ素早く躱す
足元の花も利用して、フェイント混ぜて俺も花弁で翻弄してやる
「正直あのサルやウサギは戦える気がしなかったんだよォ、俺にゃ難易度高くってェ……」
ある意味難敵だったここまでの門番を振り返って嘯いた鳴北・誉人(荒寥の刃・f02030)は、
「けど、てめえはわかりやすくてイイぜ! 久々に全力で暴れられんだ――ちょっと付き合ってもらうぜ……!」
自らに向かい身を躍らせた敵……ウインドゼファーを睨む。まだ遠目ではあるが、敵の足場の花がパッと散るのも見えた。
「飛んで火にいる夏の虫ってヤツだな――舞い狂え!」
スピード勝負の敵を相手にする覚悟を決め、二刀を挟んだ誉人はユーベルコード【千華一花】を発動した。
敵は荒れ狂った暴風に身を包み、ロケットのようなスピードでつっこんでくる。その猛烈なスピードは、現在の猟兵がまともに相対できるものではない。
が、敵の手が彼に届く直前。
誉人の刀の一振りが無数の白アネモネの花弁に変化した。花吹雪は敵を包み込み、そのスピードが僅かに鈍る。
「刀を一本犠牲にした甲斐があるってもんだぜ!」
花弁に念を送り込むことで、美しい白の花弁は凶器となり、敵を鎌鼬のように切り刻みながら圧していく。
白のアネモネは希望。それは歓喜か呪縛か――。
『……おのれ』
大きなダメージを与えられたわけではないが、風同士相殺され身動きがとれなくなったウインドゼファーは突進を中止した。先に戦った仲間の猟兵たちが与えてくれていたダメージも、効き始めているのかもしれない。
もちろんウインドゼファーは、即座に次の攻撃のために車輪剣を持ち直したが、その一瞬の間が、剣士である誉人にとっては待ち望んだ好機。
スッと横に一歩跳んで敵の死角に入った誉人は、オーラをまとった。
「同じ剣士として、負けられねえわなァ!」
そして残像を残すスピードで大振りの武器を構える敵の脇の下へもぐり込み。
シャッ。
シャッ。
絶花蒼天の刃が二度ひらめき、
『ぐ……ッ』
ウインドゼファーがわき腹に手を当て、身をゆがめた。指の隙間から鮮血がこぼれる。
成功
🔵🔵🔴
リヴェンティア・モーヴェマーレ
【華麗なる西風】
▼アドリブ大歓迎
連携大事
▼メイン武器
響(戦闘型ハムスター
▼【WIZ】
ウインドゼファーとブリリアントゼファー…似てますネ…!
これはライバル対決と言うやつでしょうカ!?(お友達似の人形2体を持ちつつ『らいばる』と言う文字に胸を高鳴らせつつ皆の方を見て
ライバル対決となれバ、いつも以上に気合を入れなければなりまセン!
そ言えば敵は必ず先制攻撃をしかけてくるのでしたヨネ
まずはオーラ防御を展開しつつダメージを最小限に食い止めてしっかり見定め…
UCでハンゲキでス!
ふふ~♪先に見せて頂いたので再現率は上がってるハズです!
そして仲間への先制攻撃の相殺を狙ってみます
上手くいったら攻撃をバトンタッチ!
甲斐・ツカサ
アドリブ歓迎
【華麗なる西風】
西風対決、艦長代理として負けるわけにはいかないね!
まずは二人をしっかり護る!
嗤う竜巻、って事はそれ自体に意思があるかも
挑発してオレを狙わせよう
そのくらいじゃあ竜巻じゃなくてまるでそよ風だね、ってね
おびき寄せ、衝撃波で上手く逸らして竜巻同士相殺も狙おうかな
後は焔ちゃんの陣地で態勢を整えて、RayGuSTAR出撃!
足場が壊されても宇宙バイクの速度とジャンプ力、それに崩れた足場をワイヤーで掴んで相手に追いすがる
幼馴染でもある艦長から貰ったマフラーを通じて風を力に変えて、機体や身体の事なんて気にしない、捨て身の覚悟で最高速で突撃だ!
風が味方するのはお姉さんだけじゃないのさ!
神薙・焔
【華麗なる西風】
ブレイズバルディッシュを足場に突き立て『ディアーネは夜を照らす術を知る』…あたしの胸の焔は城であり道を照らす灯火となる、どんな暴風が吹き荒れようと、この陣を破らせはしない。
対応した相手はフルスロットルで加速加速加速加速…だけどあたしが立っている限り、この城は戦場にあり続け、仲間を守り続ける、足場は朽ちず礎となり、熱は風の路を変え竜巻を溶かす。そして、自分は動けなくても仲間が、速度の勝負ならツカサくん、情報と戦術ならリヴェンティアちゃんが、確実に上回ってくれる!
そう、そっちが西風ならこっちはブリリアントな西風、これで勝つるわ。
先に攻撃した猟兵が敵に深手を与えたのを見て、甲斐・ツカサ(宵空翔ける冒険家・f04788)は敢えて声を上げながら飛び出した。
「大したことないね、そのくらいで止められるようじゃ、竜巻じゃなくてそよ風だよ!」
挑発的な行動と台詞は、ともに戦う【華麗なる西風】の仲間たちが陣を張るための囮だ。
『……なにを』
甲冑の向こうから殺気だった目がツカサを睨みつけているのを感じる。
ウインドゼファーのわき腹の傷からは血が流れ続けている。攻撃するには好機……とも思えるが、こちらから動いてもスピードでは負けてしまうだろう。
ここは、何とか耐えるしかない!
ゴウッ!
覚悟していた通り、強烈な風が吹きつけてきた。
「……くっ」
全力で衝撃波を放ち相殺しようと試みるが、直撃では適わない。
「うわっ!」
ツカサは暴風に弾かれるようにして吹き飛ばされてしまった。
ツカサが挑発して時間稼ぎをしているその少し後ろで、神薙・焔(ガトリングガンスリンガー・f01122)はドン、と三日月斧・ブレイズバルディッシュを花の足場に突き立て、ユーベルコード【野焔築城】を発動した。
「ディアーネは夜を照らす術を知る」
地獄の焔が彼女の全身を包み込み、その炎は周囲をも照らして野戦陣地とする。彼女自身は陣を張っている間身動きすらできなくなるが、陣内にいる限りは無敵だ。
その陣に友達に似せた2体の人形を抱えて駆け込み、
「ウインドゼファーとブリリアントゼファー……似てますネ……!」
ライバルという響きに胸を躍らせているのはリヴェンティア・モーヴェマーレ(ポン子2 Ver.4・f00299)。
「そう、そっちが西風ならこっちはブリリアントな西風、これで勝てるわ」
陣を張っている焔自身は攻撃できない。だが、仲間がいれば。
「相手はフルスロットルで加速加速加速加速……だけどあたしが立っている限り、この城は戦場にあり続け、仲間を守り続ける、足場は朽ちず礎となり、熱は風の路を変え竜巻を溶かす。そして、自分は動けなくても仲間が、速度の勝負ならツカサくん、情報と戦術ならリヴェンティアちゃんが、確実に上回ってくれる!」
決意を込めて地獄の炎に力を込める――が。
ゴウッ!
「……ツカサくん!」
ツカサが敵の竜巻に吹き飛ばされた。敵の先制は避けようのないことで、想定内ではあるが、それでも傷つく仲間の姿は見たくない。
しかしリヴェンティアは、安全な陣内で敵の攻撃をにらみつけるようにじっと観察していて。
「よっく見定めましタ。ハンゲキです。ふふ~♪ 先に見せて頂いたので再現率は上がってるハズです!」
陣ぎりぎりに立つと、ユーベルコードを発動した。
「ミレナリオ・リフレクション!」
ゴウッ!
対象と全く同じユーベルコードを発動する技だ。
放たれた風はウインドゼファーにも負けない勢いで……いや、むしろリヴェンティアが押しているようにも見える。ここまで猟兵たちが我慢強く積み重ねてきたダメージで敵が弱っているせいだろうか。
リヴェンティアは気合いの籠もった表情で風へと力を込めていく……と。
ブルン!
焔の背後でエンジン音が響いた。
「ツカサくん!」
いったんは暴風に飛ばされてしまったツカサが、陣へと戻って体勢を立て直している。
「大丈夫なの?」
「大丈夫さ、オーラ防御してたしね、大したケガはしてないよ。西風対決、艦長代理として負けるわけにはいかないね!」
笑顔にはいくつもの傷が見えたが、ツカサは元気にユーベルコードで変形させた宇宙バイク・Ray-GuSTARで飛び出していく。
「てえいっ!」
暴風に吹き散らされ、崩れかけた足場にもめげず、まず放ったのはワイヤー。押しやられる竜巻を保つのに精一杯で隙だらけの敵の首に引っかけ、強く引く。
『ぐっ!?』
突然の捕縛に、ウインドゼファーの勢いが弱まり、リヴェンティアの送る西風が圧倒する。
その風を力に変え、幼なじみの艦長からもらったマフラーをなびかせ、仲間の力を借りたツカサは最高速で突っ込んでいく。
「捨て身でいくよ! 風が味方するのはお姉さんだけじゃないのさ!」
――ガッ!!
宇宙バイクが弾丸のようにぶち当たった瞬間、ウインドゼファーの身体は爆散したかのように千切れ飛んだ。
ザアッ、と西風が吹いた。
足場が、無数の枯れた花びらと散って視界を覆い――。
視界が晴れた時には、場も、強敵も、消えていた。
成功
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