バトルオブフラワーズ⑪〜疾風襲来
●風
第三の関門を守っているのは、スピード怪人『ウインドゼファー』だった。
「モンキーもバニーもとは、驚きました。ですが、私は私の役目を果たすだけです」
スピード怪人『ウインドゼファー』は、そう言って武器を構える。
「ドン・フリーダムがシステム・フラワーズを取り戻すまでの時間稼ぎならば、私の『風を操るユーベルコード』でも、決してあの2人にひけは取りません」
荒れ狂う暴風が、激しい竜巻が、彼女の風を操る能力を物語っているようだ。
「私達は全てを手に入れる。誰にも、邪魔は、させないッ!」
咲き乱れる花々の空間に降り立ったスピード怪人は、風を操りながら猟兵たちの前に立った。
●疾風襲来
「第三の関門を守っているのは、スピード怪人『ウインドゼファー』と言うことが分かったんだよ」
ルビナ・ベイビーブルー(スペースノイドの電脳魔術士・f01646)は、周辺の猟兵たちに向かって呼びかけた。
「風を操るユーベルコードで戦うウインドゼファーとは、純粋な戦いになると思う。モンキーやバニーも強敵だったけど、特殊なルールがあったでしょ。でも、彼女は、純粋な戦闘でしか破れないの。必ず先制攻撃を仕掛けてくるから、対抗する方法を考えて挑んでほしいんだよ」
敵は必ず先制攻撃を仕掛けてくる。それに対抗する方法を考えなければ、勝機は無いだろう。
「私は、予知した場所に皆を転移させるね」
ウインドゼファーは何度でも骸の海から蘇る。彼女を復活不可能に追い込むためには、短期間に許容値を超える回数倒さなければならない。
「強敵だよ。気を引き締めて行こう。みんな、気を付けてね」
ルビナはそう言って、皆に頭を下げた。
陵かなめ
よろしくお願いします。
バトルオブフラワーズ⑪スピード怪人『ウインドゼファー』のシナリオです。
純粋な戦いになりますので、敵の先制攻撃を見極めてください。
●敵の先制攻撃について
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
それでは、プレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
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POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フロッシュ・フェローチェス
漸く見えたな――ウィンドゼファー!勝負と行こうか、何よりも、誰よりも速さへ手を伸ばす戦いを……!
――クソ、やっぱり速い、先制攻撃は取れない……けどそれは織り込み済みだ。
まずは戦争攻撃するフェイントをかけて攻撃させ、崩れる前に足場を踏みつけてバックジャンプ。何も考えるな、只逃げる事だけを考えて……加速式稼働で無理にでも飛べ!
更に衝角炉変形———衝撃波を放って自爆当然の空中ダッシュ慣行、そのまま突貫する……けれどこれも「嘘」。
UCを発動から爆雷発生での、雷混じりの残像劇だ。空中戦も得意でさ、雷を伝い衝撃波を用い、空を走る事は訳ない。
最後はコンマを超える早業で、敵の攻撃を足場に顔面へ突撃。
喰らいな!
●トップスピードへ
咲き乱れる花々の空間に、スピード怪人『ウインドゼファー』の風が舞う。
「漸く見えたな――ウィンドゼファー!」
フロッシュ・フェローチェス(偽りの疾咬・f04767)はそう言うなり仕掛けた。
「勝負と行こうか、何よりも、誰よりも速さへ手を伸ばす戦いを……!」
「スピード怪人である私に、速さの勝負ですか」
ウインドゼファーも足場を蹴る。互いに間合いを確認しながら、一気にトップスピードへ加速した。
「――クソ、やっぱり速い、先制攻撃は取れない」
フロッシュは走りながら素直に感じる。
と、様子をうかがうようだけだった敵が、今までにない力で足場を蹴りつけた。突然の方向転換。振り上げられる武器。
「レボリューション・ストーム。この暴風の威力を知りなさい」
瞬間、暴風が巻き起こり、足場をバラバラに破壊するような暴風がフロッシュに襲い掛かった。
「……けどそれは織り込み済みだ」
敵の攻撃が今まさにフロッシュを飲み込もうとしている。フロッシュは足にめいっぱいの力を込めて足場を蹴った。大きくバックへジャンプしたのだ。
「ほう。ですが、逃げ切れますか?」
敵が静かに問いかけてくる。
フロッシュは答えない。
何も考えず、ただただ、逃げることだけを思い描いて飛んだ。足元から軋む音がする気がした。なびく髪が暴風に囚われる寸前だ。だが、無理を押し通してでも、逃げる。
「……は。流れ出る血も蝕む痛みも、今だけは彼方において。――ただ速く、もっと速く……!」
そして、暴風からようやく逃げたその場で、フロッシュは碧血暴速『ストロング・バーサーカー』を発動させた。
衝角炉を変形させ、放つ衝撃波と共に敵へとダッシュする。
「攻撃から逃れましたか。ですが、思い上がらないでください」
敵もフロッシュへと突撃してきた。
互いにぶつかり合うかと思ったその時、フロッシュが残像を残しすり抜ける。敵がフロッシュの残像を攻撃した。フロッシュはそのわずかな間に崩れた花の足場を蹴る。
「空中戦も得意でさ、空を走る事は訳ない」
軽やかにフロッシュが空中を駆け抜ける。それは、ウインドゼファーが破壊した花の足場を利用した突撃。
「喰らいな!」
敵の顔面目掛けて、突撃を仕掛けた。
「なるほど、ただ逃げるだけではありませんでしたか」
敵も空中で素早く体を捻り、武器でフロッシュの攻撃を受ける。
大きな金属音がして、互いの体が吹き飛ばされた。
「ええ、さすがです」
ウインドゼファーが頷く。その腕が、わずかに痺れているようだ。
確実に一撃入った。それを確信しフロッシュは一旦その場を退いた。
成功
🔵🔵🔴
才堂・紅葉
厄介ね、シンプルに強いが一番手に負えないわ。
まぁ、やるしかないんだけどさ!
鎖を鳴らし【紋章板】を構え、その背後に身を隠す。
アルダワ特殊鋼製の分厚い鉄板に重力付与の荷重を加えガード。
ギリギリで自ら後ろに飛んで衝撃を流しつつ、無事な足場への移動を図る
【盾受け、オーラ防御、気合い、見切り、野生の勘、怪力、激痛耐性、ジャンプ】
時は僅かに遡る。
相手は敵幹部。引いては勝てない。
攻撃を当てる瞬間はここにしかない。
負傷覚悟で暴風発生を確認し、目隠しに用いた紋章板に渾身の正拳を合せて叩きつける
「吹き飛べぇっ!!」
【カウンター、グラップル、属性攻撃】
小細工無用の一発勝負。
後は盾の守りに身を委ね吹き飛ばされる。
●渾身の一撃
「厄介ね、シンプルに強いが一番手に負えないわ」
敵のスピードを目の前にして、才堂・紅葉(お嬢・f08859)はそう言った。
「まぁ、やるしかないんだけどさ!」
じゃらりと鎖を鳴らし、紋章板を構えて前に出る。
「誰が来ようと同じことです」
ウインドゼファーは言うが早いか足場を蹴り、武器を振り上げた。
レボリューション・ストーム。
周辺の足場をバラバラと崩すほどの暴風が巻き起こり、紅葉に迫る。
紅葉は、それを見て紋章板を自身の前に押し出し構えた。風に煽られ、鎖が派手に音を立てて舞い踊る。
「それが盾だと言うのですか?」
間近に迫った敵が、更に風の勢いを加速させた。
それでも、紅葉は紋章板でガードを試みる。これは、ただの板切れではない。アルダワ特殊鋼製の分厚い鉄板なのだ。風に飛ばされるほどやわではないのだから。
紋章板が受けきれないと思ったら、すぐに野生の勘を働かせて後方へ飛ぶ。少しずつ衝撃を流しながら、紅葉は敵の攻撃をギリギリの距離で耐え凌いだ。
「その盾を捨てて、逃げても良いでしょうに」
紋章板の向こう側からウインドゼファーの声がする。
だが紅葉はギリギリのラインで引かなかった。
相手は敵幹部だ。引いては勝てないことは、肌で感じている。
しばらく耐え凌ぎ、敵の操る暴風の勢いがこれ以上強まらないことを確認した紅葉は、ハイペリア重殺術・天衝を発動させた。
システムメッセージが流れる。
「コードハイペリア承認。疑似高重力場放出用デバイス確認……デバイスへの入力をお願いいたします」
敵は紋章板を挟んですぐ目の前。
素早い動きで駆けると言うなら――。
「攻撃を当てる瞬間はここにしかありません」
腰を落とし、踏み込める足場を確認し、紅葉は勢い良く拳を突き出した。
小細工無用の一発勝負。
この一撃に全てを乗せる。
「吹き飛べぇっ!!」
渾身の正拳を紋章板に叩きつけた。
瞬間、増幅した紋章の力を具現化した巨大なオーラがウインドゼファーに襲い掛かる。
「なんの――」
敵は、その攻撃を真っ向から弾き飛ばすように武器を振るった。
風とオーラと、互いの撃がぶつかり合う。
が、それも一瞬。
勢いに押し負けウインドゼファーが飛ばされた。
そして、敵の風が紅葉の体を吹き飛ばす。紅葉は手にしていた紋章板を上手に操り、身を委ねて着地した。
敵が片膝をつくのが見える。
痛烈な一撃が命中した証だった。
成功
🔵🔵🔴
レイ・アイオライト
【SPD】
風を操るユーベルコード、純粋なだけにかなりの脅威ね。先制攻撃されるっていうのなら尚更よ。
花の足場をバラバラにする暴風、それなら『闇ノ足音』に影を纏わせて空中を移動するわ(空中戦)。同時に濃密な影のオーラでオーラ防御。風じゃあたしに決定打を与えられないと思ったなら、影のオーラを纏うあたしに肉薄してくるはず。それこそ好機よ。
【暗黒領域】のUCであたしとウインドゼファー全てを覆い尽くす影の結界を構築して閉じ込める。この結界は『法則』が独立してる。アンタが風使いなら『風の発生しない領域』として『法則』を構築した影の結界の中で『目立たない』『だまし討ち』『暗殺』を実行するわ。
(アドリブ等歓迎)
●暗黒領域にて
しかし、風はまだ止まない。
レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)は闇ノ足音を確認し敵の前へ躍り出た。
「風を操るユーベルコード、純粋なだけにかなりの脅威ね」
しかも、先手を取られると言うのだから、なおさらだ。
片膝をついていた敵がおもむろに立ち上がった。
「まだ私は倒れません」
言って武器を振るい、暴風を作り出す。
ウインドゼファーの作り出す風の勢いはすさまじく、花の足場が次々と瓦解していった。
一方、レイは闇ノ足音を利用して空中を軽やかに歩く。足場が崩されようとも、闇ノ足音に影を纏わせれば、このように空中で移動することなど容易い。
「いつまで逃げるつもりでしょう」
敵が武器を振り上げると、暴風がさらに勢いを増してレイに襲い掛かってきた。
「逃げるばかりじゃないわ」
暴風に巻き込まれそうになったレイは、空中を走りながら濃密な影のオーラを全身に纏う。身に纏ったオーラにより、決定的な致命傷を回避。更に空中を自由に走る。
「やりますね。ですが、更に風を強めれば」
言いながら、敵が大きく踏み出した。
風を纏い戦場を駆けるウインドゼファーは速い。
すぐに二人の距離は縮まってしまう。
だが――。
「朔月に墜ちる影、全てを塗り潰す暗黒の結界、具現しなさい!」
これこそ好機だと、レイは影ノ傷跡漏出:暗黒領域を発動させた。
二人を覆うように影が広がり、結界としてウインドゼファーを閉じ込める。
「結界ですか。このようなもの、すぐに破って――」
そう言って武器を振るおうとした敵が本当の意味での異変に気付いた。
「風が?!」
「そうね、アンタが風使いなら『風の発生しない領域』として『法則』を構築したのがこの結界よ」
そう言うレイの姿は、影に紛れてどこにあるのか分からない。
花の足場の空間とは全く別の法則を宿した結界。無論、いつまでも維持できるわけではない。しかし、だまし討ちをするには十分だった。
周辺を警戒する敵の目を掻い潜り、静かに近づいて急所に武器を突き立てる。
レイがウインドゼファーから身を離すのと、結界が解かれるのはほぼ同時だった。
「ぐ――」
敵が脇腹を抑えている。表情は読めないが、確実に急所を抉ったはずだ。
攻撃の感触を確かめながら、レイはその場を跳んで引いた。
大成功
🔵🔵🔵
黒暗九老・有麓落羅区
WIZ
ユーは速さ自慢なんじゃな。
ならば耐久勝負を挑んでみるかのう。
まず先制攻撃を【早業】で【見切り】その後
【ダーク・ヴェンジャンス】を使用じゃ。
敵の技は解除するまで毎秒寿命を削るらしいから
生命力吸収と戦闘力増強しながら【武器受け】で【時間稼ぎ】し、弱らせつつ反撃の機会を狙うかのう。
チャンスが来たらタイヤに刀を投げつけ【串刺し】で回転を止め、防御力の弱まったそこをめがけて【なぎ払い】で攻撃じゃ。
●火花を散らす武器
戦場に降り立った黒暗九老・有麓落羅区(戦闘狂の神・f16406)は、傷を受けてもなお立ち上がるウインドゼファーを見た。
その意思は衰えず、それどころか武器やヒール部分の車輪は激しく回転を繰り返しているようだ。
「ユーは速さ自慢なんじゃな」
有麓落羅区は更に前に出て刀を構える。
「っ、傷を負ったとしても、私のスピードに変わりはありません」
敵はそう言って、ますます車輪を回転させた。
互いに向かい合い、し合うタイミングを見計らう。
「ならば耐久勝負を挑んでみるかのう」
有麓落羅区がそう言って首を傾けた瞬間、ウインドゼファーは大きく跳躍し距離を一気に詰めてきた。
車輪剣の回転がさらに増し、二つの剣が有麓落羅区に襲い掛かる。
最初の一撃目を見切って躱した有麓落羅区。
だが、敵の攻撃は続く。
二撃目、更に次と、次々に繰り出される攻撃が有麓落羅区の皮膚を掠めた。
「と、とと。そう急かすものではない。ミーにも行動の機会を、じゃのう」
何とか敵の攻撃を見ながら、有麓落羅区はダーク・ヴェンジャンスを発動させる。
ウインドゼファーのかかとの車輪がさらに加速し、武器を振り下ろすスピードが速くなった。
一方、有麓落羅区はユーベルコードにより漆黒の粘液で全身を覆う。
敵が繰り出す攻撃は苛烈。
いくつかの斬撃が有麓落羅区の体を斬り裂いていた。
それでも、有麓落羅区は刀を振るい、敵の車輪剣を受け止める。そうやって、何度か打ち合い、互いの武器が火花を散らした。
「防戦一方と言うわけですか」
「耐久勝負と言ったじゃろう?」
武器を振るう敵の指先が震えた気がする。ウインドゼファーは毎秒命を削って攻撃をし続けている。対して有麓落羅区は生命力を吸収し、戦闘力を増加しながら敵の攻撃を捌き時間稼ぎをしていた。
有麓落羅区の意図に気づいた敵が、一歩退き、大きく武器を振り上げる。
「ならば、強引にでも、かたを付けます」
その一瞬の間。
有麓落羅区は敵が振り上げたタイヤめがけて刀を投げつけた。
「な……」
「ここがチャンスと言うやつじゃのう」
車輪の回転が止まり、敵がバランスを崩す。
そこをめがけて、有麓落羅区が大きくなぎ払いを仕掛けた。
敵の体が吹き飛び、花の足場に叩きつけられた。
舞い散る花びらと、苦しげに吐き出された敵の息遣い。
「ぐ、刀を……あの場で、飛ばす、とは……」
見事、と呟きが聞こえた。
成功
🔵🔵🔴
ラザロ・マリーノ
音速を遥かに超えるスピードで飛び回る相手を捕まえるには、攻撃の瞬間しかねえな。
攻撃は敢えて正面から喰らう。
ただしタイミングを見切って、相手の武器でも体でも掴めるところを掴んで組み付くぜ(見切り/野生の勘/オーラ防御/激痛耐性/覚悟/怪力/グラップル/クライミング)。
あとは「竜の血」を発動させながら、力尽きるまでしがみつくだけだ。
俺の炎はそう簡単には消せねえ。それどころか風に煽られて一層激しく燃え上がるぜ!
※アドリブ・連携・ギャグ・負傷描写歓迎
●炎
ラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)は考える。
「音速を遥かに超えるスピードで飛び回る相手を捕まえるには、攻撃の瞬間しかねえな」
そう言うと、颯爽とウインドゼファーの前に躍り出た。
「あなたも、私に向かってくると言うのですか」
すでに仲間が与えた傷がいくつか見え隠れしている敵の姿。
だが敵はまだ動くことができそうだった。
「ならば、私は攻撃を繰り出すのみです」
そう言葉にしたウインドゼファーの行動は速い。荒れ狂う暴風を身に纏わせたかと思うと、一瞬で距離を詰めてきた。あっと思う間の出来事。
ただ、ただ、速い。
そう感じたのは、敵の姿が肉薄したのを認識してからだった。
真っすぐに振り下ろされる武器を見て、しかし、ラザロはその攻撃を真正面で喰らうと決めた。
「速く、誰よりも速く、それがスピード怪人としての私です」
誰よりも速くなりたいという欲望に比例するように、飛躍した戦闘力。
その痛烈な一撃がラザロの体を直撃した。
「ぐ、あ、あああ!」
体を抉られ、腹の内側で車輪が回る。
焼けるような感覚に、ラザロが声を上げた。
敵の渾身の一撃をその身に受けたのだ。痛いと、一言で言うには、あまりにも重すぎる、その一撃。
しかし――。
ラザロは意識を失わず、自分の腹に突き刺さっている車輪剣の柄に手を伸ばした。
激痛耐性を以って耐え、覚悟を決めて喰らったこの一撃。
「むざむざ、手放すことはしねえ」
「な――」
そのあり得ない行動に、敵が武器を引こうとする。
だが、ラザロは震える腕でしっかりと敵の武器を掴んだ。
その間にも、車輪は回る。
ラザロの腹を裂き、傷口からは血飛沫が舞った。
「何をしているのです。意識を手放して、落ちるがいい!」
ウインドゼファーがもう一つの武器を振り下ろし、ラザロの肩を抉る。
腹が焼けそうだ。肩からも出血。痛いのか、熱いのか、もう分からない。
ただ、分かるのは、この手を離してはいけないと言う事。
ラザロは口元に笑みを浮かべ、叫んだ。
「コイツは熱いぜ! 覚悟しな!!」
ユーベルコード・竜の血。
ラザロの飛散した血液が燃える。この不滅の炎は、風に煽られ一層激しく燃えるだろう。
「あ、ああああ、こ、の――」
血が燃え広がるのを見て、敵がラザロから身を離そうと武器に力を込めた。
ラザロの意識が薄れていく。
――そして意識を飛ばしても、ラザロはしばらくの間、敵の武器にしがみつき、敵を焼き続けた。
苦戦
🔵🔴🔴
唐草・魅華音
門番に立つだけの事はありそうだね。……禁忌の一手、切らないと追いつかないかな。
足場を崩す風の中で、迂闊に動いてしまえば風に囚われて翻弄される。相手を見据え姿勢はできるだけ小さく構え、不安定な足場を歩くつもりで移動するのを心がけて動くよ。
その上で、刀で風を受け流すように【武器受け】、銃弾を周囲に撃って風の流れを【情報収集】、【戦闘知識】で相手の風の癖を予測して対応するよ。
風を凌いだら【影流法・百華恵風】を発動して、銃弾と刀の迫撃で足場の悪い所へ追い込んで機動力を殺し、大打撃を与えるのを狙うよ。
そのスピードには追いつけなくても、百の手数のうちの一を捕える事が出来れば…それでいい。
アドリブ・共闘OK
●百のうちの一
体を焼かれ、傷を負ったウインドゼファーは、それでも二つの車輪剣を携えてその場に立った。
「門番に立つだけの事はありそうだね」
唐草・魅華音(戦場の咲き響く華・f03360)は、そんな敵の様子を見て覚悟を決める。
「……禁忌の一手、切らないと追いつかないかな」
「私のスピードに、追いつけるとでも?」
ウインドゼファーはそう言うと、いきなり花の足場をバラバラにする暴風を巻き起こした。
すぐに暴風が魅華音に襲い掛かって来る。
魅華音は、姿勢を小さく構え、じっと相手を見据えた。周辺の足場の崩れる音がする。
ここで迂闊に動いてしまえば、すぐに暴風に飲み込まれ、体も自由に動かすことができなくなってしまうだろう。不安定な足場を歩く心づもりで移動しながら、魅華音は向かってきた風を刀で受け流した。
「たった一太刀で、私の風をどうにかできるとでも?」
敵の声。暴風は更に勢いを増す。
「もちろん、刀だけじゃないよ」
刀を振るい、必要最低限の移動だけで風を捌く。魅華音はそうしながら、自身の周辺に銃弾を撃った。
弾丸が風に煽られ、乱舞する。
「そのような銃弾など、私の風の前では無力ですね」
余裕の言葉を発し、ウインドゼファーが暴風の中を真っすぐ進んで肉薄してきた。
対して、魅華音は弾丸の飛ぶ様や足場の瓦解する様子を見て、安全な場所を見極め器用に移動する。敵の武器が魅華音の体を斬る寸前、影流法・百華恵風を発動させた。
「我はこの戦場に百華を咲き渡らせる風となる……禁忌。影流法、百華恵風」
その瞬間、身体能力のリミッターを外すことで爆発的にスピードを上げる魅華音。足場を見極めながら敵の懐に飛び込んでいった。
だが、敵のスピードも速い。
飛び込んできた魅華音を避けるように体を捻ると、足場を蹴って回り込み、角度を変えて攻撃を繰り出してきた。
魅華音は動じずに、MIKANEの引き金を引いて銃弾を発射する。
寸でのところで敵が軌道を変え、銃弾ははるか彼方へ飛んでいった。
そして、敵の車輪剣が振り下ろされる。
それを刀で受けながら、魅華音は敵の足場を見た。
確かに、敵の動きは速い。毎秒寿命を削りながらスピードを上げても、確実に捉えることはできない。
「でも、百の手数のうちの一を捕える事が出来れば……それでいいよ」
さらにもう一つ、銃弾を発射する。
敵はその攻撃も超スピードで回避した。
だが、その先の足場は、先ほどの暴風で崩れた場所だ。
「そ……」
崩れた足場に足を取られ、ウインドゼファーがたたらを踏んだ。
「これで……っ!」
この瞬間を見逃さない。風を読み、慎重に足場を選んでいた魅華音だからこそ、あの場所が崩れていると分かったのだ。
大きく刀を上段に構え、勢いをつけて振り下ろす。
魅華音は敵の体を真っ二つに割き、納刀した。
「あ……見事……です」
ウインドゼファーの声が風に消える。
強敵を撃ち滅ぼし、この戦場での勝利を収めた瞬間だった。
成功
🔵🔵🔴