バトルオブフラワーズ⑪〜猟兵、止まるんじゃねえぞ…!〜
●荒れ狂う竜巻を纏うスピード怪人!
「モンキーに続きバニーまでとは、驚きました」
怪人三幹部の内、エイプモンキー、そしてラビットバニーも倒れた。そして最後の怪人幹部であるスピード怪人「ウインドゼファー」は驚嘆の感情に支配されていた。二人のユーベルコードは強力無比であり、誰も突破できないと思っていた。だが猟兵達は自らの力と知恵を結集し、二人を復活できないレベルまで倒しつくした。あとは自分のみがこの先の「ドン・フリーダム」の盾となるだけである。だがウインドゼファーは正しく自分の役割を理解していた。その役目は門番(ゲートキーパー)。
「ドン・フリーダムがシステム・フラワーズを取り戻すまでの時間稼ぎならば、私の『風を操るユーベルコード』でも、決してあの2人にひけは取りません」
そう、倒された二人ほど特殊性はないものの、シンプルだからこそ強いユーベルコードが自分にはある。その絶対の自信と共にウインドゼファーは二本の車輪剣を構える。
「かつて、ドン・フリーダムが開放した『無限大の欲望(リビドー)』は、人類を怪人化させ、滅亡へと導いた。だけど今なら、オブリビオンとして蘇った私達なら、無限大の欲望も喰らい尽くせるはず」
かつての悪夢をウインドゼファーは想起する。だが今の力ならばそれすらも覆し、ありとあらゆる力を手に入れることができると信じていた。それができるのは自分達のボスである「ドン・フリーダム」だけなのだ。故に、この先に猟兵達を通すわけにはいかない。
「私達は全てを手に入れる。誰にも、邪魔は、させないッ!」
彼女は不退転の決意と共に猟兵達を待ち構える。例え自分が倒れたとしても悔いはない。「ドン・フリーダム」がすべてを手に入れることができれば、それは彼女達の勝利なのだから。
●グリモアベース・ブリーディングルーム
「皆、ラビットバニー撃破お疲れ様じゃったのー。じゃけど、最後の怪人幹部がまだ残っておるから油断は禁物じゃけーのー」
そう言ってグリモア猟兵のメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)は気が緩むかもしれないと一応の注意をする。ラビットバニーは倒れたが、怪人三幹部最後の一人、スピード怪人ウインドゼファーが立ち塞がっている。彼女の武器である2本の車輪剣を駆使した攻撃は強力であり、そのユーベルコードは他の怪人幹部ほど特殊性はないものの、単純に強い能力になっている。
「ウインドゼファーのユーベルコードは『風を操る能力』じゃのー。荒れ狂う暴風を駆使しつつ、スピードもとてつもなく早いときておるのー。風を掻い潜りつつ、ウインドゼファーをとらえ切れるかが鍵になるのー」
今回はエイプモンキーやラビットバニーのように特殊な状況はない。ただ自分達の実力を全力で発揮し、ウインドゼファーのスピードと風に対する対抗手段を講じ先制攻撃を防ぎつつ、どうやってダメージを与えていくかに集約される。
「あとどうでもいいことじゃけど、ウインドゼファーは女性のようじゃけーのー。そこは間違えんようにのー」
参考になるか、ならないかよくわからない情報を提供しつつ、メイスンは転移を開始する。荒れ狂う風の化身である最後の怪人幹部。その風を止め、システム・フラワーズ最深部に巣食う「ドン・フリーダム」への道を切り開く決戦が今、始まる。
ライラ.hack
誰もが突っ込むことでしょう。おまん、女かい!
どうもこんばんわ、皆様。ライラ.hackです。
このたびはシステム・フラワーズに侵入した怪人幹部、最後の一人「ウインドゼファー」を撃破するのが目的です。
ウインドゼファーがいるのは、咲き乱れる花々の空間で、花々が集まって足場になっています。
またウインドゼファーは倒されても別地点で復活する仕組みです。
その能力は「風を操るユーベルコード」であり、他の怪人幹部ほど特殊ではありませんが、シンプル故に強力です。
さらにこのシナリオは以下の特殊ルールがあります。
●特殊ルール①
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
●特殊ルール②
戦場⑪の戦力をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。
以上です。特殊ルールと幹部というボスとの戦いから、判定はかなり厳しめになるかと思います。御容赦下さい。
先の幹部戦とは違い、かなりのガチンコバトルになります。実力は先の二人に勝るとも劣らないので、油断せずに全力で戦うことを願います。
それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
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POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
峰谷・恵
「どう遅く見積もってもマッハ5は越えてくる…そんなの見てから対応決めてたら間に合わない…!」
血統覚醒発動まで可能な限り敵の攻撃をダークミストシールドで防ぎ(盾受け+第六感)、盾が間に合わない分はオーラ防御+4重防具で耐える。敵の攻撃を防いでいる間もアームドフォートの拡散弾(範囲攻撃)とMCフォートで弾幕を張って連続攻撃されにくいようにする。
血統覚醒発動したらアームドフォートの砲撃(範囲攻撃)とMCフォートの連射に敵が対応して少しでも動きを制限したところにヴァンパイアの力を込めた熱線銃の射撃を撃ち込む。
「相手は砲弾よりも速い。でも熱線は更に速い」
●音速を超える力を、血を超えて求む
オブビリオン・フォーミュラ「ドン・フリーダム」麾下の怪人三幹部。その最後の一人のなったスピード怪人「ウインドゼファー」はこれ以上、猟兵達をシステム・フラワーズの中枢に近づけまいと不退転の決意をもって、立ち塞がってる。彼女の役割は門番であり、時間は彼女の味方だ。ここで時間をかければかけるほど、ドン・フリーダムのシステム・フラワーズの掌握の可能性は高くなる。それはつまり、猟兵の敗北へと繋がる。
それがわかっているからこそ、ウインドゼファーのフィールドで戦わざるを得ない。それを理解して猟兵は足を踏み入れる。まず先陣を切るのは、峰谷・恵(神葬騎・f03180)だ。外見上は、Vカップという特徴的な胸を持つ少女。ヴァンパイアと聖者をかけ合わせ、神に滅びを齎す存在を生み出す実験により生まれた者であり、ダンピールの一種でもある。だが今は機械技術に傾倒をしており、アームドフォートや熱線銃を構えている。
「さっそく来ましたか、猟兵。ですが、ここは通しませんよ」
その丁寧な口調とは裏腹にウインドゼファーは強烈な殺気を放っている。もはや後がない、そんな状況が彼女にここまでのオーラを発せさせるのか。そして荒れ狂う暴風を身に纏い、さらに桁違いの戦闘力を身に着けようとしている。
「どう遅く見積もってもマッハ5は越えてくる…そんなの見てから対応決めてたら間に合わない…!」
「いい見積もりをしていますね。では私の風と速度を味わって逝きなさい」
そしてマッハ5では済まないスピードでウインドゼファーは機動する。もはや計測するのすら馬鹿らしくなる飛翔スピードで一気に恵に近づき、その身に渦巻く暴風と体術で一気に片づけてしまおうという作戦だ。
だが恵もそれを予測していた。自身の能力である「血統覚醒」を発動させればまだ勝機はわずかにある。だがそれを発動する前に攻撃は飛んでくる。それも致命傷クラスの攻撃が。ならば発動までにそれを全力で防ぐのみ、というのが作戦だ。
まず全力で感覚を研ぎ澄まし、ウインドゼファーの攻撃が来る方向を感じ取る。風の切る音、そして足のローラーの駆動音、それらのヒントで敵の方向を瞬時に予測し、ダークミストシールドを構える。すると構えた盾からものすごい衝撃が襲ってくる。驚異的なスピードによるぶちかましをしてきたウインドゼファーだろう。盾を構えているだけではなく、オーラで防御もしているはずなのに盾を持つのすらきつい連撃を加えてくる。
だが盾で受けるばかりではない。恵はアームドフォートを起動し、拡散弾を発射する。炸裂する散弾によりウインドゼファーの攻撃がわずかに鈍る。そこにさらにMCフォートから煙幕弾を発射。たちまち濃い煙が辺りに立ち込め、視界を遮る。
「見苦しいですね。ジリ貧ですよ?」
「それは、どうでしょう?」
そう時間稼ぎは無駄ではない。恵の瞳は真紅になりヴァンパイアに変身する。これこそ能力「血統覚醒」。副作用はあるが、爆発的な戦闘能力を手に入れた恵は、アームドフォートとMCフォートをさらに精密に操り、砲撃と連射を敢行する。人間の反射速度はありえない弾幕にさすがのウインドゼファーも少し戸惑う。だが荒れ狂う暴風でその射撃の弾を吹き飛ばし、砲撃も体から逸らす。
「だから無駄だと……ッ!」
そう言った矢先、ウインドゼファーの肩に鈍い痛みが走る。いや、痛みというより熱いといった方が正確か。見ると恵は熱線銃を構え、その熱線によってウインドゼファーの肩を貫いていたのだ。もちろん、ただの熱線では纏った暴風を貫通し、ウインドゼファーの装甲を破るまでには至らない。そこにはヴァンパイアとして覚醒した力を宿した、特別性の熱線だったのだ。
「相手は砲弾よりも速い。でもボクの熱線は更に速い」
「そして砲弾よりも強力、というわけですか。中々に侮れませんね」
貫かれた傷跡を一撫でしたウインドゼファーは超速度で、元に位置に戻る。そこは恵の動きがはっきりとわかる場所でもあった。それは恵の熱線銃の射撃を避けていつでもカウンターを仕掛けられるぞ、というウインドゼファーの意思表示でもあった。
これ以上の深追いはおそらくまずいことになる、と察した恵はやむを得ずウインドゼファーから距離を取る。だがしかとその傷跡は刻むことはできたのだ。まずはそれでよし、とすべきであろうと自分に言い聞かせていた。
成功
🔵🔵🔴
スコル・カーバイト
高速スピードが売りの相手か…一か八かだがいっちょやるか。かかってこいや高速野郎。ちっとばかし付き合ってやんよ!
●対策
スピードにはスピード、ってな。【蒼炎を纏いし獣】のモードチェンジで速さと超反応を駆使して先制攻撃を避けられるようにして動くか。ただ避けるだけじゃなく相手の動きの癖を読みに行くぞ
●戦法
向こうの隙を見せたタイミングでモードを解除して攻めに踏み込むぜ
ちょこまか動かれちゃウザったいからな。≪グレイプニルの鎖≫を使って相手を拘束して動きを封じ込められるように試すか。成功すりゃそのまま2回攻撃、属性攻撃の近接技で攻めてくぞ
失敗したら【蒼炎を纏いし獣】にまたなってその場をやり過ごすしかねーわな
●荒れ狂う嵐、その先を超えて
「高速スピードが売りの相手か…一か八かだがいっちょやるか」
そう呟いて花びらの舞う戦場に降り立ったのは、スコル・カーバイト(ひねくれ灰狼・f06122)。一般人で猟兵の父と人狼の母を持つ、ハーフ人狼の青年である。今回も策というほどの戦法は用意したわけではない。だがやらなければならない時は今、ということはスコルはよく理解していた。
そして転移が終わり、ウインドゼファーの前に立った瞬間、彼の人狼としての本能が最大警戒を発する。それほどの強い相手、というのを認識する。だが彼は怯まないという意思表示の為に、声を張り上げて宣戦布告をする。
「かかってこいや高速野郎。ちっとばかし付き合ってやんよ!」
「では遠慮なく」
スコルの戦法はスピードにはスピードで、ということ。自身の能力「蒼炎を纏いし獣」は、人狼とブレイズキャリバーの力を合わせる事で「炎を纏った狼」に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。それを駆使して先制攻撃を避けようとしたのだ。だがそれは見積もりが甘かったというべきなのかもしれない。先制攻撃、とはこちらの行動より先んじて行うことなのだ。
スコルが「蒼炎を纏いし獣」によるモードチェンジする前に、ウインドゼファーは手に持った車輪剣を回転させて、それを振り回す。すると周囲の空気が鳴動し、まるで嵐のような暴風が吹き荒れる。それはシステム・フラワーズの地面の花びらを木っ端微塵にしながら周囲を破壊する風となり、スコルに迫る。あまりに突発的な暴風に能力を発動する間もない。だが歴戦の猟兵としての勘と戦闘経験から、何とか手に持ったトマホークで防御をし、致命傷を避ける。だが初手から少なくないダメージを負う結果となってしまった。
「くっそ!てめぇ、スピード怪人の癖に……!」
「なぜ貴方のスピード勝負に付き合う義理が私にあるのです?」
悪態をつくスコルに対して、極めて当然という態度を取るウインドゼファー。彼女の役目はこの場所の死守。その役割の為に、最善手を叩きだすのは責務という考えだ。そこを計り間違えたのはスコルとしては痛恨であった。
だが自身の経験が生きたことにより、初手は対応しきった。能力により炎を纏った狼となり、スピードは桁違いとなり暴風に対しても反応できるほどの反射神経も得る。だが戦況は刻一刻と悪化している。ウインドゼファーの動きを読もうにも、彼女は一歩も動かず、暴風を繰り出し続けている。そして無差別に空間を切り刻むそれは、スコルだけではなく花びらの地面も容赦なくバラバラにしてく。このまま避け続けても、自身が動ける地面がすべてなくなれば、直撃は避けることのできない未来となる。
だからこそ、足場がある内に何とか決めなくてはいけない。そう判断したスコルは、ウインドゼファーに接近する道筋を見出す。それも暴風の影響が少なく、彼女の死角に回れる道を。そして、か細くはあったが、そこはギリギリ懐に入れる道があった。見つけたならば、迷わず突っ込むのみ。狼は疾駆し、獲物の喉笛を咬みちぎらんとする。
「確かに速い。ですが、私が用意した道に誘い込めば、動きを読むのは容易い」
そう、それはウインドゼファーが用意した甘い罠であった。あえて破壊せずに残しておいた花びらの道、そこに誘い込まれたスコルに容赦ない暴風の刃が迫る。そこはか細い道故に、如何にスピードと反応速度が上がろうとも、回避できるスペースがない。その風に切り刻まれ、スコルは吐血する。そして「蒼炎を纏いし獣」が解けて、元の人狼形態に戻る。その瞬間、ウインドゼファーは勝利を確信する。
「……だろうなァ。だがよぉ、それでも男ってのはな、引けねぇこともあるんだよ!」
だがスコルは一切諦めてなかった。むしろ「蒼炎を纏いし獣」を解いたのは、攻撃をする為であり、すでに攻撃射程に入っている。そして、ここまでの手傷を負ってようやく見せた隙。そこを逃さずにグレイプニルの鎖と投げつけ、動きを一時的に拘束する。さすがにあれだけの傷を負って、まだ動くスコルにウインドゼファーも驚きを隠せない。
「これが俺の……本気だ!」
そしてスコルの闘争心に呼応し、トマホークが覚醒し、魔狼斧【牙狼】に変化。とても負傷している者とは思えない鮮やかな連撃をウインドゼファーに繰り出す。一撃は車輪剣で防ぐものの、一撃を肩に喰らい装甲が破壊される。そしてそこからは血らしき液体が流れだす。
「…なるほど、たいした執念です。その手向けとして、手加減抜きの暴風で吹き飛ばしてあげましょう!」
だがスコルの反撃もここまでだった。ウインドゼファーが再びレボリューション・ストームの暴風を周囲にまき散らし、スコルの足場ごと吹き飛ばしていく。足場がなくなり浮遊感が襲うと共に、強烈な風の攻撃を受けてもはや意識すら保っていられなくなる。だが彼女に付けた一刃の傷は確かなる戦果だ。
その戦果を舞い散る花びらと共に見送りつつ、スコルは意識を手放した。
苦戦
🔵🔴🔴
絡繰・ビリー
防いで殴り返す、基本カウンターになるってわけだね
難しいなぁ!やってみよう!
・POW行動
マメタンクに【騎乗】した状態で転送してもらう
いくぞ!【グラップル】で体勢を整え、【運転】するマメタンクや手持ち武器で【武器受け】する。壊れてもいい!
ガトリングアームで【なぎ払い】【範囲攻撃】で牽制!
相手の速度、威力、タイミングを耐えながら【情報収集】
反撃は、装備が破壊された時。相手のトドメの飛び込みを計算して、舞い上がる花びらと全装備を対象にビルドロボット!
意表を突かれ止った瞬間が、最初で最後のチャンス
全力のグラップルパンチを食らえ!
「速さがお前の自慢なら、スクラップ&ビルドこそ我の自慢だ!」
アドリブ協力歓迎
●最速を制すのは、ほんの刹那の…
スコルが戦場で一撃を食らわせている頃、一人の少年はスクラップを手に思考にふけっていた。
「防いで殴り返す、基本カウンターになるってわけだね。難しいなぁ!」
絡繰・ビリー(スクラップギア・f04341)は頭を抱えて悩んでいた。スクラップとガラクタを弄りながら戦略を練るも、中々考えが纏まらない。性能よりも浪漫を求めるタイプもあって、こういう正統派相手となると弱い所が出てしまう気がするのだ。だがガジェットやスクラップビルドを活かすに至ってはビリーにも考えはある。
「……うん、やってみよう!」
ようやく戦い方を思案しまとめたビリーは、スクラップで造られた蒸気軽戦車マメタンクに乗り込む。そしてそのまま、敵が待つ戦場へと転移されていく。その先にいたのは、強烈なるオーラを放つウインドゼファー。
「次が来ましたか。ですが何もやらせはしない!」
そう言うとウインドゼファーは息つく間もなく、フルスロットル・ゼファーを発動。最速への欲望をガソリンに変え、荒れ狂う暴風を従えてスピードの化身と化す。向かう先はビリーが搭乗するマメタンク。
「行くぞ、ウインドゼファー!」
ウインドゼファーの嵐のような風を受けつつ、音速を超える速さで突っ込んでくるウインドゼファーの突進を装甲で受けきる。それは等しくハリケーンに直撃すると同等の行為。マメタンクの装甲ははじけ飛び、キャタピラや砲門も破壊される。ビリーも懸命に荒狂う嵐の中、操縦桿を握りまだ無事なガトリングアームを起動させる。そこから吐き出されるガトリング連射で牽制射撃を行うものの、ウインドゼファーを捉えることはできない。
だがその狙いは攻撃を当てることではない。彼女の回避の癖を読むことにある。武器が壊れるまで、相手に喰らいつく様相を見せるビリー。だがウインドゼファーの猛風はそう易々と一方的な攻撃を許しはしない。絶え間ない射撃を掻い潜り、ガトリングアームをスクラップと帰す。マメタンクも車輪剣による突貫と暴風によってそのほとんどを破壊され、ついにビリーがいる操縦席が露わとなってしまう。
「さあ、ようやく引き剥がしましたよ」
もはやマメタンクの装備は破壊しつくし、ビリーも何も装備はない。ただ無力に操縦桿を握っているだけである。これでトドメと言わんばかりに最高速で突っ込み、車輪剣で身体を抉ろうとする。だがこれこそ、最大にして最後のチャンスとビリーは捉えていた。
「今だ、集まれスクラップ&ビルド!」
そうビリーが宣言すると「ビルドロボット」が発動する。すると壊されたマメタンクの残骸と舞い上がる花びら、そしてビリーが持っている全装備が集結し、自身の身長の2倍のロボに変形する。さすがのウインドゼファーも驚くが、突進は止まりはしない。どんな敵であろうとも暴風で蹴散らし、最高速攻撃で粉砕するのみ。ビリーのビルドロボットがウインドゼファーの軌道上に拳を振り抜く。
しかしウインドゼファーは瞬時に軌道を変えてその拳を回避する。これで終わりだ、とウインドゼファーは確信する。だがビリーはそれすらも承知の上だった。さきほどマメタンクを蹂躙攻撃された時、ようやく一つの癖の情報を得ていたからだ。彼女の車輪剣は一つだけ身体と同化している。その特徴の弊害というべきか、彼女が高速移動で切り返しをする時、その車輪を軸にすること。それこそ唯一読めた回避行動だったのだ。
そしてそれを誘発した囮のパンチ、いわゆるジャブを戻し、本命の全力グラップルパンチを切り返しで回避したウインドゼファーに放つ。ちょうど車輪を基軸にしているために、再びの回避はできない。それ故にこれは避けようがなかった。
「速さがお前の自慢なら、スクラップ&ビルドこそ我の自慢だ!」
振り抜いた拳は確かにウインドゼファーの装甲を幾分か粉砕し、大きく身体を損傷していた。大型ともいえるロボの打撃を食らうとは思わなかったウインドゼファーは一瞬、混乱する。だがすぐに理知的な思考を取り戻すと、咄嗟にビリーから距離を取る。その高速機動にさすがに追撃ができるはずもなかった。
「でも、強烈な一撃は与えることはできたね!」
辺りにはウインドゼファーの破壊された装甲が散らばっている。その結果にビリーは大きな満足を得ていた。マメタンクの犠牲が無駄にならずに済んだ。後は、またスクラップから組み上げればいいのだと、心に思いながら。
成功
🔵🔵🔴
レパル・リオン
急がないと…この世界が、滅びちゃう!パパ、ママ…あたし…負けないわ!
花の足場が切り裂かれるなら…アイツが起こす風に乗って、アイツに近づいてやるわ!あたしの身体に風の【属性】を宿す!無闇に風に逆らわず、逆に流れを利用してアイツに近づくわ!【空中戦】だったらあたしもできるわ!
痛みと苦しみは…【激痛耐性】と、【覚悟】で耐えるっ!嵐に耐えて、怪人に近づいて、【怪力】【グラップル】で掴むわ!絶対逃がさないっ!
うおおおっ!【竜咆拳】っ!
●世界を救う、その拳!
「私の暴風をも物ともしない力…、これが猟兵ですか」
破壊された装甲を確認しつつ、ウインドゼファーは軽いメンテナンスを完了する。これから来る猟兵達は何ととしても止めなくてはならない。彼女もその意志は強いが、それ以上に強い意志を持った表情の猟兵が現れる。ピンク色のキマイラ、レパル・リオン(魔法猟兵イェーガー・レパル・f15574)である。ある猟兵に助けられ、魔法少女系ヒーローを目指して猟兵となった少女だ。今回は世界の危機と聞いて、燃え滾る使命感と共に戦いに参加していた。
「急がないと…この世界が、滅びちゃう!パパ、ママ…あたし…負けないわ!」
「キマイラですか。造物主に逆らうとでも?」
このキマイラフューチャーの技術の礎を作りだしたのはウインドゼファー達なのかもしれない。だが世界の破壊を許容できるか、と言えば否である。今、この世界を生きているのはキマイラ達である。それを自分勝手な思想で蹂躙しようとしているウインドゼファー達を許すわけにはいかない。そんな確固とした思いと共にレバルは拳を構える。
「なるほど、それが答えですか。わたし達は世界を救う……と言っても信じないでしょう。では後は行動で語るとしましょう」
そう言い終えるとウインドゼファーはレボリューション・ストームを発動させる。荒れ狂う暴風が周囲の足場を破壊し、花びらが舞い散る。レパルは魔法少女を名乗っているが、その攻撃スタイルは情け容赦ない格闘戦である。つまり接近しなければ本領を発揮できない。この破壊されつつ足場と触れるものを拒絶する暴風に対応しつつ、ウインドゼファーに拳を叩き込まなければいけない。だがレパルはやるしかない、と決意する。
「花の足場が切り裂かれるなら…アイツが起こす風に乗って、アイツに近づいてやるわ!」
レパルの作戦は単純明快。荒れ狂う暴風に無闇矢鱈と逆らわず、逆にその流れを利用してウインドゼファーに近づく方法である。さらに魔法少女の魔法も発動し、風の魔力がレパルの身体を覆っていく。これで幾分か、風に対する対抗策になるであろう。
そしてレパルの決死の空中戦が始まる。もちろん、対抗策を用意したとはいっても、システム・フラワーズが設定した足場を崩すほどの暴風である。風の魔力で減退するといっても、身体は引き裂かれる。だがそんなものは脅威でもない。レパルは強い正義感によって激痛を凌駕し、空中を飛び続ける。そしてついに、暴風の中心にいるウインドゼファーに接近する。
「この暴風を掻い潜ってくるとは、やりますね」
そして余裕すら見せる動きで車輪剣を振うウインドゼファー。レパルの首を刈り取らんとする斬撃。しかしその車輪剣をうまく蹴り上げて回避する。そしてその車輪剣を掴み、ついに拳が届く間合いまで近づくことに成功する。
「くっ、離れっ……」
「絶対逃がさないっ!」
風を受けてダメージを負っている身体を奮い立たせ、車輪剣を握るレパル。キマイラ特有の怪力を活かし、ウインドゼファーが離れようとするのを留める。そして反対側の拳に力を込める。発動するのは「竜咆拳(ドラゴンブレス)」、彼女の奥義だ。
「うおおおっ!でりゃーっ!」
激しい衝撃波を放つほどの超強烈な正拳突きを、ウインドゼファーの顎に目掛けて解き放つ。体格差がある故の選択ではあったが、それは的確であった。見事にその拳はウインドゼファーの顎を砕き、空中へと吹き飛ばす。破壊された赤い装甲が飛び散る。さすがのウインドゼファーも意識が飛びそうになるが、空中で立て直すと風に乗って、レパルから距離を取り暴風による防壁を張る。
だが確かなる手ごたえ。顎を破壊する感覚は拳に確かにあった。今までの仲間の力を込めることができて、レパルは満足そうな表情を浮かべる。そして軽くないダメージと力の解放によって儘ならない身体を感じ、後は他の猟兵達に任せることにした。
成功
🔵🔵🔴
中村・裕美
「……スピード……どこまで対抗できるかしら?」
竜翼型のセンサーを展開し、気流、気圧の変化を【情報収集】して、相手の攻撃を予測。動きのパターンを解析しつつも自分への攻撃はドラゴンランスの【武器受け】で凌ぐ
「……ただの槍では……恐らく当たらない。……だから」
などと言いつつも空間に電脳魔術で【ハッキング】して【罠使い】でスピアトラップを生成して当てる
「……マーキング完了……追い詰めろ……私の竜」
スピアトラップの【槍】が命中したらドラゴニックエンドによる竜の召喚が発動
竜の支援に空中に槍、機雷などのトラップを【高速詠唱】で呼び出し動きを阻害
「この発想は……エイプモンキーとの戦いで……思いついたものよ」
チトセ・シロガネ
【WIZ】
ユーがウィンドなら、ボクはサンダーネ
●花も嵐も乗り越えて
長期戦で【時間稼ぎ】して相手の消耗を狙うヨ
相手を焦らすのも女のテクネ
相手は疾いから【第六感・戦闘知識】で攻撃の方向を予測しつつ、
基本は【残像・地形の利用】を使った回避をするヨ
嗤う竜巻には【衝撃波】を飛ばして相殺、または【オーラ防御】で対処、
近接戦に持ち込まれたら【早業・見切り・武器受け】で受け流しするヨ
●勝負!
相手が消耗したら受け流したタイミングで
【破邪光芒】を発動、【早業・カウンター・鎧無視攻撃・属性攻撃】で電光石火の一撃をオミマイするヨ
稲妻のような【高出力の刃】でユーの鎧ごとバラバラに引き裂いてやるネ!
●電子の海より速度を呑む
顎を砕かれ意識が持っていかれそうになっていたが、何とか持ち直すウインドゼファー。まだ負けるわけにいかない、という思い。しかし時間が惜しいのが猟兵達の心情である。時間を稼ぎたいウインドゼファーと真っ向から対立する。気怠そうな表情でメガネを持ち上げて対峙する黒髪の女性、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)。多重人格者である彼女はオブビリオンに対しては容赦がない。
「……スピード……どこまで対抗できるかしら?」
ウインドゼファーが荒れ狂う暴風を全身に纏いスピードに乗ろうとする瞬間、竜翼型のセンサーを展開し、気圧の変化を感受しようとする。そしてウインドゼファーの高速機動が始まると、その変化から行動の予測を開始。動きのパターンを解析していく。だがあまりにも時間はない。ウインドゼファーの車輪剣が裕美へと迫る。だがその攻撃は、脇から出現した刃に止められる。
「何ッ…!」
「ユーがウィンドなら、ボクはサンダーネ」
ウインドゼファーの攻撃を防いだのは、チトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)の光の刃のサムライブレイド「ザンテツ」であった。バーチャルキャラクターである彼女にとって、急に出没するなど朝飯前である。そして彼女の第六感と戦闘経験から来る行動予測で斬撃の軌道に割り込めたのだ。だが返す刀でチトセに対して、ウインドゼファーは全タイヤ高速回転モードに変身を開始する。
「嗤え、車輪剣」
そういうとまるで「ヒャヒャヒャッ!」を嗤っているような竜巻がチトセを襲う。咄嗟にチトセも衝撃波を放ち相殺しようとするが、威力は足りない。だが残像を残すような機動とオーラによる防御方法で何とか虎口を脱する。離脱するチトセを見て、ウインドゼファーは裕美の対処を優先する。再びの車輪剣が裕美を襲うが、チトセが稼いだ時間は無駄にならなかった。すでに竜翼型のセンサーが解析を完了。だが回避は裕美の身体能力では無理なのは自覚している。それ故に自身の武器のドラゴンランスで受ける。
「この短期間でここまで読むとは。やりますね」
「……ただの槍では……恐らく当たらない。……だから」
そう言って後ろに下がりながらドラゴンランスの投擲をする裕美。何の変哲もない投擲にウインドゼファーは笑ってしまう。こんなもの、当たるものか。だがその油断のツケはすぐに支払われる。足元を貫く痛み。視線を下に落とすと、槍が生えていたのだ。これは裕美が事前にそこに生成した電脳魔術によるスピアトラップである。投擲は囮、こちらの視線を上に向けさせるものであった。そしてドラゴンランスが回転するタイヤに弾かれる。
「……マーキング完了……追い詰めろ……私の竜」
そうして裕美のドラゴニックエンドが発動。竜が飛翔し、ウインドゼファーに襲い掛からんとする。高速機動が正確に発動すれば避けられたかもしれないが、現在の状況ではそれも難しい。
「ならば車輪剣で叩き…」
「今こそ勝負ネ!電光石火の一撃をオミマイするヨ!」
その勝負のタイミングをチトセは待っていた。能力「破邪光芒(アークスラッシャー)」を発動。車輪剣から放たれる嗤う竜巻に対して高出力の光刃を放って見事に相殺。そして相殺した勢いのまま、乾坤一擲の一撃がウインドゼファーの身体に刻まれる。まさしくその一撃は稲妻のように速く、また装甲を砕きウインドゼファーの身体に傷を負わせる。そしてそのチトセの一撃の後にウインドゼファーの腕にドラゴンの咢が突き刺さる。連携は完璧なタイミングで炸裂したのだ。
「この発想は……エイプモンキーとの戦いで……思いついたものよ」
エイプモンキーをも倒した戦略、と納得した表情を浮かべるウインドゼファー。身体に刻まれたダメージは尋常ではない。だが尋常ではない意志の力で身体を動かし、ドラゴンを引き剥がして戦域を後にする。それを見て裕美は安心すると共に、チトセも二刀を収める。
「かなり引き裂いたネ!あと少しヨー」
決着は近いと予感させる手ごたえ。ウインドゼファーの命脈は尽きようとしていた。
成功
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五条院・榛
相手が止まらないなら、あえて止まろう
先制撃破してくる相手だからこそこれが使える
【対策】
ボディアーマーに衝撃吸収材などを仕込み耐衝撃力を上げておく
また挑発を行い正面から潰しに来るように誘導する
「噂の速度、かく乱には向いてそうだが死角ばかりとって本当に早いのかね?マダム」
【戦闘】【POW】
先手を取られるので全力で受け掴みかかる、止められるとは思えないがしがみ付けば同じ速度で動くようなものだ
真正面から受ければ瀕死にもなるがそこで戦場の亡霊を使用し二人がかりでしがみ付きゼロ距離射撃を可能な限り撃ち込む
見た限り車輪剣は近接武器だが超接近の敵には柄が長く使いにくいはず
「この距離なら、バリアは張れないな」
ファラン・ウルフブラッド
※アドリブ歓迎!
他の幹部のような特殊な力はない。と、言っているが、力の方向性が違うだけでコイツも十分ぶっ飛んでるな。だが、こういうシンプルなゴリ押しは嫌いじゃねぇぜ!
相手から仕掛けてくると分かっている以上、取れる手は後の先。
UC『明鏡止水』を発動、【見切り・先制攻撃・カウンター】を超強化し、カウンターを狙っていくぜ。
何合か打ち合ったらこっちもUC『神速の紅き閃光』でスピードも追加強化。ギアを全開にして超高速戦闘に持ち込むぞ。
「さぁ、いこうぜ。ピリオドの向こう側へ! 楽しもうぜ、ゼファー!!」
超高速戦闘時は【二回攻撃・衝撃波・範囲攻撃】を主に使用。
他技能も臨機応援に使います。
●最速の嵐が止む時
「他の幹部のような特殊な力はない。と、言っているが、力の方向性が違うだけでコイツも十分ぶっ飛んでるな。だが、こういうシンプルなゴリ押しは嫌いじゃねぇぜ!」
そういってファラン・ウルフブラッド(深淵を歩く剣王・f03735)はこれからの戦いに向かう覚悟をしていた。ダークセイヴァーで力を振っていたものだが、こういう世界での強敵との戦いも悪くないと思っている。そしてウインドゼファーに対してユーベルコード「明鏡止水」を発動し、迎撃の技能を超強化して迎え撃とうという戦法だ。
「それじゃ僕は、相手が止まらないなら、あえて止まろう」
そんな意気込むファランの横にいるのは五条院・榛(先の曇る空に願をかけながら・f04759)。UDCアース世界で巻き込まれるように猟兵となった男。特別な力を持たなかった故に、持たざる者の戦いを知る男。そんな彼はボディアーマーに衝撃吸収材などを仕込み耐衝撃力を上げておくのも忘れない。準備は万全であるほどよいものだ。
そして二人は転移をされ、傷を負ったウインドゼファーが目の前に映る。そしてウインドゼファーは動くのが早かった。まずファランが「明鏡止水」を発動する前に、レボリューション・ストームを発動。足元の花びらの地面をバラバラにしつつ、圧倒的な暴風がファランに襲い掛かる。近接攻撃をカウンターを狙っていたファランにとって、これは予想外の攻撃であり、不意の攻撃を直撃してしまう。花びらが舞うのと同時にファランの身体が宙に放り出される。
「ファラン!」
「侮りましたね。そして貴方は心配している暇などありません」
吹き飛ぶファランの方に視線がいく榛だが、ウインドゼファーは容赦ない攻撃を繰り出す。荒れ狂う暴風を纏い超スピードで接近してくる姿は、とても手傷を負った敵の行動ではない。だが榛も先手を取られるのは折り込み済み。ボディアーマーや武器で繰り出される攻撃を受け続ける。しかし風と車輪剣の連撃で徐々に榛の余力はなくなっていく。
「噂の速度、かく乱には向いてそうだが死角ばかりとって本当に早いのかね?マダム」
削られ、傷だらけになった榛。そこで発せられた挑発的な言葉。それはウインドゼファーに正面から来いと誘導せんとする意志が込められていた。
「安い挑発ですね。ですが乗ってあげましょう」
ウインドゼファーが乗ったのにはわけがある。スピードへの矜持もあるだろうが、榛は攻撃に防戦一方で対応ができてない。一度正面から叩き潰せば、もはや方策はないという完璧に敵を叩き潰す戦法を選択したのだ。そして正面から超スピードで榛に切りかかる。車輪剣が榛の身体を抉る。意識が飛びそうになるが、それでも覚悟をしていた榛はウインドゼファーの手を掴む。
「……この距離なら、当てるには十分だ」
真正面からの攻撃によりさらに深い手傷を負い、瀕死となる榛。だがそれこそ自身の能力「戦場の亡霊」が発動される。その亡霊もウインドゼファーに掴み掛り動きを制限する。対UDC用に製造されたアサルトウェポンを構える榛と亡霊。二人から放たれる零距離射撃は容赦なくウインドゼファーの身体を貫く。
「くっ…離れなさい!」
車輪剣で対応しようともしたが、超接近で食らいつく榛達に対応するには柄が長く使いにくい。そのことで対応が遅れ、相応の銃弾を貰ってしまうウインドゼファー。だが咄嗟に荒れ狂う暴風を発現させ、纏わりつく二人を吹き飛ばす。先に戦場の亡霊を切り刻むウインドゼファー。だが空中に放りだされた榛は勝利を確信していた。
「……後は頼むぜ、ファラン」
榛を攻撃症とした攻撃はファランの愛剣によって防がれる。さきほどの先制攻撃で吹き飛んだはず、と驚くウインドゼファー。だがファランもユーベルコード「神速の紅き閃光」を発動し、飛翔能力を得たおかげでここまで辿り着いていたのだ。そして真紅に煌く粒子を全身に纏い、戦闘能力も向上している。
「さぁ、いこうぜ。ピリオドの向こう側へ! 楽しもうぜ、ゼファー!」
そうして始まった超高速戦闘。ウインドゼファーも荒れ狂う暴風と共に最速のギアを上げてファランを攻撃する。それに対し、ファランもギアを上げて真紅の粒子をまき散らしながらウインドゼファーについていく。まさしく超高速で動く二人だったが、両者共に傷を負っている。スピードの重圧がかかるたびに体も崩壊へと向かっていく。
「守るべき者達の為に、俺は・・・限界を超えるッッ!」
ウインドゼファーの攻撃と受けたダメージ、さらにスピード戦による代償による損耗。先に力尽きるのはファランであるのも理解していた。だからこそ、限界をさらに越えなければ勝てない。強烈かつ猛烈な意志の力でファランはさらに速度を上げる。最後の激突の瞬間。車輪剣がファランの両肩を抉り取るものの、対するファラン大剣はウインドゼファーの心臓部をぶち抜いていた。
「一人では……負けていませんでした。だが……貴方達の、力が上回ったようです、ね」
「……ああ、俺達の、勝利だ」
そしてファランは意識を失い、飛行能力がなくなったと同時に地面に落下していく。それを見送りウインドゼファーは身体が崩壊していくのを確認する。自身の状態はわかる。もはや門番としての力は自分には残っていない。
「ドン……必ず、無限大の欲望を……」
そう言い残し消失するウインドゼファー。すでに他戦場で限界まで倒されたウインドゼファーは復活することはもうないだろう。猟兵達の勝利である。そして落下するファランを受け止める榛。彼もボロボロではあるが、ファランほどではない。
「……お互い無茶したな。だけど、これで…」
ドン・フリーダムへの道は切り開いた。キマイラフューチャー世界の戦争も佳境に入りつつある。決着は近いことを確信しつつ、今は勝利の余韻に浸りたいと榛は思っていた。意識のないファランはそれに応えるように、微かに笑っているようにも見えた。
苦戦
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