バトルオブフラワーズ⑪〜暴風纏いし女怪人
●スピード怪人『ウインドゼファー』
キマイラフューチャーで続く戦争『バトルオブフラワーズ』。
マニアック怪人『エイプモンキー』、カワイイ怪人『ラビットバニー』を撃破した猟兵達。
「咲き乱れる花々の空間」を歩く彼らの前へと、次に立ち塞がるのは……。
「モンキーに続きバニーまでとは、驚きました」
両手を刃がついたバイクの前輪のようにした……いや、右腕は実際にそれとした赤いフルフェイスのスピード怪人『ウインドゼファー』。
その全身もバイクを思わせるデザインをしたこの怪人、声からすると、どうやら女性のようだ。
「でも、私の役目は門番」
ドン・フリーダムが『システム・フラワーズ』を取り戻すまでの時間稼ぎくらいであれば問題ないと、ウインドゼファーは戦闘態勢をとる。
「かつて、ドン・フリーダムが開放した『無限大の欲望(リビドー)』は、人類を怪人化させ、滅亡へと導いた」
そこで、新事実を口にする彼女だが、イエーガー達も驚いてばかりはいられない。
オブリビオンとして蘇った怪人達は、その無限大すらも喰らい尽くせるとウインドゼファーは主張して。
「私達は全てを手に入れる。誰にも、邪魔は、させないッ!」
素早く攻撃を仕掛けてくる女怪人に対し、猟兵達は構えを取り、迎撃に当たるのである。
●単純なる力勝負
次なる『システム・フラワーズ』内部の戦いへと向かう猟兵達へ、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が声をかける。
「ラビットバニーも倒れたようね。今度はウインドゼファーだけれど……」
第三の関門を守るスピード怪人『ウインドゼファー』。意外にも、女性のようだ。
この女怪人は同時に1体しか存在せぬが、幾度も躯の海から蘇る。ただ、許容量を超える回数分倒されれば、復活は不可能になる。
「ウインドゼファーは『風を操る能力』を持っているわ。これまでの2人のような特殊ルールは持っていないようね」
単純な能力勝負ではあるが、相手は先制攻撃を仕掛けてくる。
その対処法だけは講じておく必要があるので、予め考えた上で戦いに臨みたい。
「以上ね。今回も勝利できると、私は信じているわ」
セレインは説明を締め、猟兵達を戦いの場へと送り出すのである。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
キマイラフューチャーの戦争、幹部戦その3です。
今回もまた皆様の力で撃破を願います。
こちらのシナリオは、1章構成、『スピード怪人『ウインドゼファー』』とのボス戦。
ただし、以下の特殊ルールが適用されます。
●特殊ルール
敵は必ず先制攻撃します。敵は、猟兵が使用するユーベルコードと同じ能力値(POW、SPD、WIZ)のユーベルコードを、猟兵より先に使用してきます。
この先制攻撃に対抗する方法をプレイングに書かず、自分の攻撃だけを行おうとした場合は、必ず先制攻撃で撃破され、ダメージを与えることもできません。
●運営シナリオ数について
運営シナリオ数に制限はありません。戦場の戦力「40」をゼロにできれば制圧成功ですが、それ以上の成功数があった場合、上回った成功数の半分だけ、「⑬『ドン・フリーダム』」の戦力を減らせます。
最速のプレイングが届いてから、そちらが失効する前(3日以内)にリプレイを執筆いたしますが、戦争シナリオなので、10名程度の参加が確認できましたら、執筆を開始することもあります。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 ボス戦
『スピード怪人『ウインドゼファー』』
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POW : フルスロットル・ゼファー
全身を【荒れ狂う暴風】で覆い、自身の【誰よりも速くなりたいという欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : レボリューション・ストーム
【花の足場をバラバラにする暴風】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : ソード・オブ・ダイアモード
対象の攻撃を軽減する【全タイヤ高速回転モード】に変身しつつ、【「嗤う竜巻」を放つ2本の車輪剣】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:藤本キシノ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
露木・鬼燈
暴風を突破して一撃を叩き込む!
困難だけどやらなくちゃ勝利はないっぽい。
秘伝忍法<流>、こいつを叩き込んでやるですよ。
魔剣ほどの質量を極超音速で撃ち込めばイケルイケル!
それにはタイミングを見極めないとね。
チャンスが来るまでは護りに集中するです。
サイバーアイで速度を計測しながら動きを見切る。
あの速度から放たれる攻撃を正面から受けるのは危険。
風と踊る木の葉の如く、忍体術<絶影>で対抗。
回避と受け流しで凌ぐっぽい!
後は回避不可能なタイミングで<流>を放つのですよ。
カウンター、これしかないね!
どうせ一撃しかチャンスはないのです。
生命力をギリギリまで投入して急速チャージ。
最大威力の一撃を最速で放つっぽい!
●
『バトルオブフラワーズ』内部。
「咲き乱れる花々の空間」の中で幾度も戦いながらも、躯の海から復活してくるウインドゼファー。
「さて、次の相手は……」
再度復活したそいつの元へと、最初にやってきたのは、赤髪の羅刹の少女……もとい、女性の様な容姿の青年、露木・鬼燈(竜喰・f01316)だ。
猟兵……敵影を発見したウインドゼファーは、疾風のごとく空間を駆け抜ける。
対して、花々の上を踏みしめて進む鬼燈。
「暴風を突破して、一撃を叩き込む! 困難だけど、やらなくちゃ勝利はないっぽい」
彼は普段のゆるくのほほんとした態度を崩すことなく、敵に備える。
「秘伝忍法<流>、こいつを叩き込んでやるですよ」
手にする『魔剣オルトリンデ』の質量を極超音速で撃ち込めばイケルイケルと、鬼燈は楽観的に考える。
ただ、それにはタイミングが必須。折角の一撃を避けられてはかなわないからだ。
どこから攻め来るか分からない。
事前情報によれば、相手の速さは人知を超えたレベルなのだ。
「来たっぽい!」
守りに徹する鬼燈。
直感で、あの速度から放たれる攻撃を受けては危険だと、彼は判断する。
瞬く間に突撃してきたウインドゼファーは、2本の車輪剣を唸らせて。
「御覚悟を」
一言告げ、彼女は鬼燈へとその乱舞を浴びせかけてくる。
想像以上に速い攻撃に鬼燈はその身を裂かれながらも、サイバーアイで速度を計測していく。
「尋常じゃない速さっぽい!」
そして、鬼燈は『忍体術<絶影>』を活かして、ウインドゼファーの車輪剣をできる限り避けていく。
徐々に回数を重ね、振るわれる刃に慣れてくる中、連結剣の形態とした『魔剣オルトリンデ』を握る鬼燈。
だが、相手の刃は速く、全ては避けられない。
当たってしまうと判断したタイミングに、彼は全てをかけて。
「カウンター、これしかないね!」
どうせ、一撃しかチャンスはない。
鬼燈は生命力をギリギリまで投入して急速チャージし、重力制御で魔剣を射出する。
「最大威力の一撃を最速で放つっぽい!」
その剣先はウインドゼファーの脇腹を貫いた……が、致命傷には至らない。
「やりますね。……ですが」
護る物がなくなった鬼燈は次の瞬間、ウインドゼファーの車輪剣に切り裂かれ、赤いモノを撒き散らしながら花々の上へと沈んでいったのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
アンノット・リアルハート
その速さへの欲求、利用させてもらいます!
風である以上その軌道は渦を巻き、中心は無風地帯
【継承のリボン】を暴風の中心を【スナイパー】で狙い撃ち、リボンを絡み付かせて体の自由を奪い【時間稼ぎ】
更に【ノイギーア・シャッテン】を私を内側に包むボール状に変形させ【シュヴェールト・ガードナー】をボールの周囲に展開、【武器受け】による全力防御で敵の攻撃から身を守るシェルターを作ります
ここまで出来たらユーベルコードを発動。その力で『誰よりも速くなりたいという欲望』からなる『より速くなる願い』を叶え続けます
能力を超えた加速により相手はやがて空気摩擦やGの影響で自壊をするはず、その瞬間まで私は耐えしのぐ!
●
続いて花々の上を行くのは、アンノット・リアルハート(忘国虚肯のお姫さま・f00851)。
亡国の王女を複製したバーチャルキャラクターである彼女は、向かい来る敵……ウインドゼファーを確認し、構えをとる。
「その速さへの欲求、利用させてもらいます!」
風である以上、その軌道は渦を巻き、中心は無風地帯だとアンノットは考える。
そこで、アンノットは伸縮自在の『継承のリボン』で、暴風の中心を狙い撃とうとした。
しかしながら、敵は素早い。
回り込むように移動したウインドゼファーは、その場で暴風を放つ。
足場である花々をバラバラにするほどの風が、アンノットを襲う。
その身を切り裂かれるアンノットはそれでも、冷静に風の渦の中心を捉えて。
「そこよ!」
さらに、彼女はスナイパーの技術を生かしてリボンを伸ばす。
すると、見事にアンノットは敵の左腕を縛り付ける。
できるなら、全身の自由を奪って時間稼ぎしたかったところだが、この機を逃すわけにはいかぬと、アンノットは竜槍『ノイギーア・シャッテン』を変化させてボール状にし、自らを包み込む。
さらにボールの外側へと、自動防衛機能『シュヴェールト・ガードナー』を作動させ、不可視の剣で攻撃を防ぐ。
ただ、その間も、敵は素早く右腕の車輪剣で切りかかり、アンノットの身を護るシェルターの破壊を試みる。
(「この機を逃すと、押し切られてしまう……」)
無理やりにシェルターを構築せねばならなかったのは、そうでもしないと敵の攻撃に幾度も耐えられないと感じたからだ。
だが、やはりシェルターに入った綻びは、みるみるうちに大きくなっていく。
アンノットは止む無く、そこで、ユーベルコードを行使する。
「この身体を流星に見立て、皆の願いを叶えます」
【Daydream・Garden】(ホシニネガイヲ)
自らの全身を願いによって、世界を一時的に改変する祭壇へと姿を変えたアンノット。
叶える願いは、ウインドゼファーの『誰よりも速くなりたいという欲望』だ。
(「能力を超えた加速により相手はやがて、空気摩擦やGの影響で自壊をするはず」)
その瞬間まで、この場で耐え凌げばいい。
アンノットはそう考え、じっとシェルターに身ごもろうとするのだが……。
「私は今のままでも、誰よりも速いですから」
願いの効果もあり、加速するウインドゼファー。
やがて、縛られた左腕のリボンを解いた敵は、アンノットの自動防衛機能の剣すらも弾き、内部で祭壇となったアンノット本人までも切り裂いていく。
「ああっ……!」
元の姿に戻り、花々の上に崩れ落ちるアンノット。
ウインドゼファーも多少の傷を負いながらも、血の付いた車輪剣を振り抜き、次の猟兵の訪れを待つのである。
成功
🔵🔵🔴
ラザロ・マリーノ
前の二人とは違って妙な能力は持ってねえのか。
もっとも、正攻法で押し切れるだけの力を持ってる奴の方が余程厄介だがな。
奴の技は回避できるような代物じゃねえから、足場ごと吹っ飛ばされるのは目に見えてる。
だから、戦闘開始したら即座に花の足場を蹴って飛び降りて、いったん射程外に逃げるぜ(ジャンプ)。
当然、奴は追ってくる。まあ追ってこなくても構わねえがな。射程距離じゃこっちが上だし。
落下中も全身でバランスを取りながら、肉眼・エコーロケーション・ピット器官を駆使して、「遠当の極意」を叩き込んでやるぜ(視力/聞き耳/野生の勘/見切り/カウンター)!
ユーベルコードによる加速じゃねえなら、チャンスはあるはずだ。
●
先に交戦していた猟兵が倒れるタイミング、入れ替わるようにして1人の竜派ドラゴニアンが飛び込む。
上半身を晒すラザロ・マリーノ(竜派ドラゴニアンのバーバリアン・f10809)は緑色の鱗に覆われてはいるが、そのあちらこちらに傷跡を残し、戦いの中で生き抜いてきたことをその体で示している。
「前の2人とは違って、妙な能力は持ってねえのか」
マニアックな対策に、絶対無敵バリア。
そういった能力こそ持たぬウインドゼファーだが、その分、身に纏う風を使って正攻法で押し切ってくるはずとラザロは考える。実に厄介な相手だ。
敵はすでにラザロの姿を捉えており、加速してこちらへと迫ってくる。
(「奴の技は回避できるような代物じゃねえ」)
発生させる暴風によって足場ごと吹き飛ばされると感じたラザロは、即座に花の足場を蹴ってジャンプし、落下していく。
「逃がしません」
しかし、ウインドゼファーもまた足場を蹴り、彼を追いかけてくる。
追ってくるのも、ラザロは想定内。
全身でバランスをとりつつ、彼は肉眼と合わせ、『エコロケーション』と『ピット器官』を働かせつつユーベルコードを発動させる。
「【遠当の極意】を叩き込んでやるぜ」
相手がユーベルコードで加速しない限りはと、考えていたラザロ。
ただ、敵は【フルスロットル・ゼファー】によって、全身を暴風で包み込んでいた。
向かい来る敵目掛け、ラザロは収束させたドラゴンオーラビームを放つ。
それを身に纏う暴風と車輪剣で食い止めつつ、ウインドゼファーはラザロの体を車輪剣で切り裂いてしまう。
「これで、3人」
最小限にダメージを食い止めたウインドゼファーは自身の足元へと集まる花々の上に着地し、倒した猟兵の数をカウントしたのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
燈夜・偽葉
吹き荒れる風の中に刀を浸して
情報収集と学習力で風を感じ読み取る
強敵ですが、挑まないという選択肢は有り得ません
押し通らせていただきます
と覚悟
「剣よ、心を統べて」を使用します
視力、見切り、第六感、戦闘知識で敵の攻撃を予測感知
最小限の動きで回避
回避できずとも、激痛耐性、気合いで一瞬だけ耐えて
その稼いだ時間で、早業、カウンター、咄嗟の一撃、鎧無視攻撃で斬り返します
足の速さでは追いつけないのは分かっています
私の求める境地はそこではないから
ええ、足の速さは譲りましょう
ですが、あなたの速さに剣速だけは追いついてみせます
それに、風は読み切りました
後は風の流れに乗せて剣を走らせれば斬れます
●
次にこの場へとやってきたのは、真っ白な髪をした妖狐の少女、燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)だ。
吹き荒れる風をその身で感じる偽葉。そこに、彼女は『黄昏色の太刀』を浸す。
しばしの間、情報収集と学習力を活かして、偽葉はその風の情報を読み取る。
すると、ウインドゼファーが彼女に気づいて、猛然と接近してきた。
その威圧だけで、偽葉は相手の力を感じて。
「強敵ですが、挑まないという選択肢は有り得ません」
覚悟を決めて構えをとると、偽葉は無念無想の境地に覚醒していく。
己の命を削りながら、剣聖状態となった偽葉は全身全ての感覚と第六感を働かせ、攻め来るウインドゼファーの攻撃を予測する。
(「最小限の動きで避けることができれば……」)
そう考えた彼女だが、敵の速さは予測と同等程度。
予測で避けるべきと分かっていても、すぐさま車輪剣が振るわれてくる。
集中していなければ、それだけで体を切り裂かれかねない。
「私に追いつける者などいません」
「足の速さでは、追いつけないのは分かっています。私の求める境地はそこではないから」
だが、敵の攻撃は予測してすぐさま飛んでくる為、分かっていても回避が難しい。
偽葉も足の速さで競う気など毛頭ない。しかし……。
「ですが、あなたの速さに剣速だけは追いついてみせます」
回避できないと判断した偽葉は、相手の右腕の車輪剣をその身で受け止める。
左肩の傷口から駆け巡る激痛に刹那気合で耐え、彼女は高めた力で反撃を繰り出す。
「それに、風は読み切りました」
後は、風の流れにそって刃を走らせるだけ。
次の瞬間、ウインドゼファーの体に偽葉は黄昏色の刀身を刻み込む。
「くっ……」
小さく敵は呻く。ただ、纏う暴風で咄嗟に致命傷を防いだらしい。
「見事と言っておきましょう」
そう告げたウインドゼファーは左腕の車輪剣を真横に薙ぎ払い、血を迸らせた偽葉を花々の上へと沈めてしまったのだった。
成功
🔵🔵🔴
シリン・カービン
荒れ狂う風もまた一つの自然の姿ですが…
私にはウインドゼファーの哀しみに見えます。
彼女に使役されている風の精霊たちも
悲鳴を上げているかのようで…
「あの子たちを止めましょう」
周囲の風の精霊に呼びかけます。
風の精霊が報せる風の動きを見極め、
ウインドゼファーの竜巻を最小限の動きで見切ります。
躱す瞬間【スプライト・ハイド】を発動。
当たった瞬間、消し飛んだかのように姿を消します。
彼女に一瞬でも隙が生まれれば十分。
高速回転するタイヤのその奥、彼女の本体を狙い撃ちます。
「全てを手に入れて、貴女の悲しみは癒えると言うのですか?
違うでしょう」
「貴女を止めます。風を狂わせるその哀しみを、止めます」
アドリブ・連携可。
●
次に花々の上を歩いてきたのは、銀髪に緑色の衣服を纏うエルフの女性。
大きな精霊猟銃を背負うシリン・カービン(緑の狩り人・f04146)だ。
(「荒れ狂う風もまた、一つの自然の姿ですが……」)
その風がシリンにとっては、ウインドゼファーの哀しみにも見えて。
(「彼女に使役されている風の精霊たちも、悲鳴を上げているかのようで……」)
向かい来る敵の周囲、シリンには精霊の姿が見える。
苦しむように見えるその姿は、彼女にとってとても耐えがたい。
「あの子たちを止めましょう」
距離を詰められる前に、敵の先制攻撃に対処する必要がある。
シリンは周囲の風の精霊に呼びかけ、それらが知らせる風の動きを見極める。
一方、ウインドゼファーは体にあるタイヤ全てを高速回転させて。
「邪魔はさせません」
突撃してくる相手が先んじて放つ『嗤う竜巻』。
シリンはその軌道を読み、最小限の動きで避けてみせる。
「いたずら妖精いたずら妖精、その手を繋げ」
その瞬間、シリンは消し飛んだかのように姿を消してしまう。
「…………!」
僅かに戸惑うウインドゼファー。
シリンは刹那、相手に生まれた隙を逃さない。
「全てを手に入れて、貴女の悲しみは癒えると言うのですか? 違うでしょう」
高速回転させるタイヤの奥、敵の本体へと『精霊猟銃』の銃口を向けた。
「貴女を止めます。風を狂わせるその哀しみを、止めます」
咲き乱れる花々の空間に、乾いた銃声が響き渡る。
…………。
シリンの策は十分に通用はしていた。
だが、それでも、ウインドゼファーは倒れない。
銃弾で胸部を穿たれながらも、並々ならぬ執念を抱く彼女は車輪剣を回転させてその場に立ち続けていた。
「言ったはずです。私は門番であると」
全てを手に入れる為、ウインドゼファーは立ち塞がり続ける。
この奥にいるはずのドン・フリーダムがシステム・フラワーズを掌握するまで。
「……私は止まりません」
倒れる直前、シリンの目には、車輪剣を操るウインドゼファーの周囲に悲鳴を上げる精霊達の姿がくっきりと浮かび上がっていたのだった。
成功
🔵🔵🔴
郁芽・瑞莉
望みや欲は人を形作るもの。
全てを手に入れようとした結果、人を滅ぼしたというのに。
まだ欲するのですか!?
今在る命の望みを過去の欲望に塗りつぶさせませんよ!
第六感や戦闘知識から残像やフェイント、
迷彩を使って身体の位置の認識を微妙にずらして。
致命傷を負わない様にしつつ遠距離攻撃は衝撃波や飛斬、
近接はオーラ防御や薙刀の武器で受けますよ!
動きを情報収集し、見切ったらカウンターで武器の封印を開放、
溜めた力を開放。頭上で薙刀を回転させながら突撃、
早業で彼女の車輪の軸を砕いて防御に穴を作り、
マヒ攻撃で動きを鈍らせて。
返す二撃目で砕いた防御の所を狙って薙刀を投げて串刺しに!
我が想いと誓いの刃が貴女を砕きますよ!
●
現れる猟兵も6人目。
「……望みや欲は人を形作るもの」
やや露出高めの和装で、黒髪ポニーテールの郁芽・瑞莉(陽炎の戦巫女・f00305)が「無限大の欲望(リビドー)」を求めると主張するウインドゼファーの前へと進み出る。
「全てを手に入れようとした結果、人を滅ぼしたというのに。まだ欲するのですか!?」
キマイラフューチャーという世界に、人類は存在していない。
それすらも、ドン・フリーダムや、ウインドゼファーら怪人達の所業だと言う。
「そうです」
端的に応えて飛びかかってくる敵に対し、瑞莉は身構える。
「今在る命の望みを、過去の欲望に塗りつぶさせませんよ!」
己に残像や迷彩を施して、彼女は自らの位置の認識をずらさせようと試みる。
先ほどに続いて車輪剣で切りかかるウインドゼファーの攻撃を、瑞莉はオーラ防御と薙刀『禍ノ生七祇』で食い止めていく。
(「ここまでしてなお、この身を削られるというのですか……」)
恐るべきは、物欲への執念。
これが骸の海から蘇る者達に備わる力なのだろうか。
しかし、勝利への執念なら、瑞莉も負けない。
僅かではあったが、刃を重ねる間に分析した敵の能力。
それでも、なお速く振るわれる刃に対し、瑞莉は武器の封印を解放していく。
溜めた力を一気に開放した彼女は、頭上で『禍ノ生七祇』を振り回して突撃する。
早業で、左腕の車輪の軸を砕いてみせた瑞莉。
「なっ……」
マヒ攻撃が効いた様子は見られない。
だが、ウインドゼファーも連戦の疲れもあったのだろう。
これまで倒れたメンバー達の戦いが積み重なっていればこそ、瑞莉は一気に仕掛けられる。
返す2撃目で砕いた部分を狙い、薙刀を投げつけた。
「我が想いと誓いの刃が貴女を砕きますよ!」
しかし、瑞莉の刃は右腕の車輪剣によって弾き飛ばされて。
「惜しかったですが、ここまでです」
次の瞬間、瑞莉の意識は途絶え、花々の上へと崩れ落ちていった。
成功
🔵🔵🔴
露木・鬼燈
油断してたわけじゃないけど…
でも、生きているなら戦える!
真の姿を開放。
そこに化身鎧装<黑鐵>を重ね、全力で追いかける!
同系統の能力で勝負っぽい!
僕の強さと勝利への渇望だって負けてない!
必ず倒すっぽい!
視界に捉えたら戦闘に誘うために棒手裏剣を魔弾投擲法で投擲。
先程の一戦でデータは取れている。
ドッグファイトは速度だけじゃない。
空中戦闘機動で速度の差を埋めるです。
最終的には上を取り急速降下。
戦槌の一撃を叩き込むのです。
ぶつかり合ったときに速度で劣る分、足りない運動エネルギー。
そこは自身に高重力をかけて疑似的な質量の増大で補うのです。
負荷で骨が折れようが砕けようが…知ったことかっ!
僕は勝つのです!
ツェリスカ・ディートリッヒ
【WIZ】
【地形の利用】で敵UCに対抗する。
「エッケザックスの栞」を大剣に変化させ【怪力】で地面に突き立てて正面への盾にする。
更に「グレイプニルの栞」の鎖の【ロープワーク】で余の体をエッケザックスに繋いで竜巻に飛ばされぬよう固定しよう。
さて、こちらが足を止めて正面を防御すればどうなるか?
当然、敵は背後に回り込んでくるだろう。
つまりどれだけ動きが速かろうとある程度動きは読めるということ。
振り向きざまに『融解寸前の愛』を放ち、魅了で動きをタイヤの高速回転ごと停止させ、その隙に渾身の【属性攻撃】で火炎魔術を叩き込む。
汝の速さへの執念には美しさがあるが、より美しい者が勝つということを教えてやる!
●
幾人もの猟兵を倒したウインドゼファー。
しかし、最初に挑んで倒れたはずの露木・鬼燈(竜喰・f01316)が身を起こす。
彼はそこで真の姿を開放し、大きく変貌を遂げていく。
「油断してたわけじゃないけど……。でも、生きているなら戦える!」
その見た目は、黒い鎧に覆われているようにも見える。
水色の呪炎の噴射孔と重力制御器官を備えた外骨格で全身を覆った彼は炎を走らせ、全力で敵を追う。
「僕の強さと勝利への渇望だって負けてない! 必ず倒すっぽい!」
ここにきて、同系統の能力で勝負に、ウインドゼファーは呆れてすらいた。
「今更、この私に速さで挑むなどとは……」
だが、そんな中でもう1人、戦場へと猟兵が飛び込む。
角と長髪、翼と、いずれも真白な人派ドラゴニアン、ツェリスカ・ディートリッヒ(熔熱界の主・f06873)だ。
まずは先制攻撃と、ウインドゼファーはツェリスカ目掛けて仕掛けていく。
「今更、1人増えようと……!」
向かい来る敵に対し、ツェリスカは巨大な黒剣に変化させた『エッケザックスの栞』を正面の盾とすべく、怪力で花々の集まる地面へと突き立てた。
さらに、彼女は『グレイプニルの栞』を鎖とし、自らの体と黒剣に繋いで固定する。
足を止め、正面からの防御を固めたツェリスカ。
ウインドゼファーがそれを見て、速さを活かして背後へと回り込んでくるのはツェリスカの思惑通りだ。
「つまり、どれだけ動きが速かろうと、ある程度動きは読めるということ」
速すぎる相手だが、反転する程度のモーションがあれば、こちらが仕掛ける隙もできる。
「身も心もとろける愛をくれてやる」
ツェリスカは振り向きざまに相手を見つめて投げキッスを放ち、ウインドゼファーの潜在意識へと働きかける。
「こんなもの……!」
魅了に抗う敵は強引に、タイヤを高速回転させる。
そこに投げつけられてくる、魔弾と化した棒手裏剣。
この機を、鬼燈が見過ごすはずもない。
「ドッグファイトは速度だけじゃない」
すでに一度交戦した相手。彼は空中戦闘機動で速度の差を埋めていく。
さらに、ツェリスカが渾身の力で、火炎魔術を発して。
「汝の速さへの執念には美しさがあるが、より美しい者が勝つということを教えてやる!」
激しく燃え盛る火球がウインドゼファーの腹へと打ち込まれる。
「ううっ……」
嗚咽を漏らす女怪人。
ようやく、その態勢が大きく崩れかけたところで、鬼燈は敵の頭上をとり、戦槌の形態と変えた魔剣を振り上げる。
相手を瀕死に追い込んだ状態ですら、おそらく速度では劣ると鬼燈は踏む。
だからこそ、彼は高重力を自らにかけることで、足りない運動エネルギーを疑似的な質量の増大で補う。
「負荷で骨が折れようが砕けようが……知ったことかっ!」
体がきしむ。
真の姿をとり、力が増したこの姿でなお、体がもつか分からぬ程の力。
それを全身に纏い、鬼燈はウインドゼファーへとぶつけていく。
「僕は勝つのです!」
強く打ち付けられた一撃。
ウインドゼファーも車輪剣で防御したのか、高い金属音が空間内へと鳴り響いた。
……………………。
響いていた音が徐々に止んでいく。
両腕の車輪剣を交差させ、鬼燈の一撃に備えていたウインドゼファーだったが、左腕の車輪剣が砕け散った。
右腕だけでは衝撃を防ぎきれなかったのか、敵は大きく上体を揺らがせて。
「この程度で、私が倒せるとは、思わないことです……」
音を立てて花々の上へと倒れ込んだウインドゼファーは、すぐにその身を骸の海へと還していった。
ようやく、この場での戦いに勝利した猟兵達。
ただ、それは数ある戦いの一つに過ぎないのである。
大成功
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