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カモシカのような足! カモシカのような腕! 頭!

#サムライエンパイア


「よってらっしゃい見てらっしゃい。花魁帯回しだよー!」
 時は戦国サムライエンパイア。
「カモシカのような脚が見放題さわり放題踏まれ放題だよー!」
 大通りではっぴを着た男が客寄せの声を上げている。
 その左右ではこれみよがしに足をむき出しにする美女。
 中でも狐耳のついた美女がちらっちらみせる膝と肩のうっつくしーこと!
「わっちの帯をまわしてほしーでありんすー☆」
 花魁が最高級女郎の名前だって? しらねえな! 口調もいいんだよこれで!
 とにかく『花魁帯回し』って書かれた旗を振り回す男を見ろよ! そして左右で美脚を見せて右へ左へ腰をひねる美女を見ろよ! もう、なんか言葉の意味とかどうでもよくなる。ならない?
 だがわーい花魁帯回しだーって言いながら裏通りの小屋に入っていけば……。

「騙されることになるでござる!」
 眼鏡をちゃきってやったグリモア猟兵、草冠月日(アナザー萌侍)は深刻な声で言った。
 所変わってグリモアベース。
 眼鏡をひと台詞ごとにちゃきちゃきやりつつ、アナザー萌侍は語っていた。
「小屋に入った途端、なんでかわからぬが一人一室ごと別々のお座敷にいるのでござる。
 座敷には美女。
 帯には『回して☆』とかかれ丁寧につり革までついている始末。
 これ幸いと回してみれば美女はあーれーといって回るが着物がおちたその瞬間……!」
 アナザー萌侍の目が、というか眼鏡がカッと光った。
「カモシカのような脚――カモシカのような腕――カモシカのような頭! というかカモシカそのものが現われるのでござる!」
 もうそれカモシカじゃんってなもんである。
 というか皆そろそろ気づいた頃だと思う。冒頭六行目あたりでもしかしたら気づいていたかもしれない。
「そう……!
 この花魁帯回し小屋は……オブリビオンの罠なのでござるよ!」

 オブリビオンは『あ~花魁の帯まわしてーなーぁ』という人たちを呼び寄せ幻で作った偽りのお座敷に案内すると、帯を回して上機嫌になったところでカモシカ型オブリビオンにぶちころさせるという極悪非道なマネをしているのだ。
 何が目的かって、もうなんかそういうの好きだからとしか言えない。そんな荒唐無稽な悪行なのだ。
「しかし拙者たちイェーガーが気づいたからにはもう安心!
 客のフリをしてお座敷に入り、回せと書かれた帯を豪快にまわしまくってカモシカの目をも回させてやるのでござる!
 さすれば襲いかかるカモシカも目を回し、襲いかかる間もなく倒すことができるという寸法でござるよ。
 しかしもし罠を見破られれば即座に仲間カモシカの群れがお座敷に投入され、お座敷はたちまちカモシカ地獄と化すでござろう。
 だが心配ご無用!
 イェーガーの力をもってすればカモシカの群れをカモカモすることなど造作も無い筈!
 そしてカモシカの群れを倒した後は……お座敷を出て敵の懐へ飛び込むのでござる。
 幸いにもこの幻お座敷は敵オブリビオンの城。人々を騙して悪行を働くオブリビオンに天誅をくらわせるのでござる!
 天!! 誅!!」
 振りかざしたスマートペンに光が宿り、描いた萌絵がゲートとなる。
「いざ! 出陣でござる!」


空白革命
第一章でやるべきことは一つ。
帯を回そう!

あなたは幻のお座敷に通され、狐耳の美女花魁的なあれが帯を回してって誘ってくるはず。
そいつがオブリビオンだ! 回せ! 全てはそれからだ!
回すために何をしてもいい。筋力でまわしてもいいしバイクにくくりつけてひいてもいい。好きにしよう。あなたのおもしろさが優先される。
けどごめんな。この花魁的なひとはカモシカだから、いやんなことはできないんだ。お触りなしなんだ。代わりに回し放題なんだ。
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第1章 冒険 『よいではないか、よいではないか』

POW   :    とことん気合で乗り切る!

SPD   :    計算し尽くた秘技で魅せる!

WIZ   :    艶やかに回される!

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

 いつのまにやらお座敷に通されたあなた。
 あなたの目の前には狐耳の花魁(?)が足をちらちらさせながら立っているではないか。帯にはご丁寧に『回して☆』の文字。
 さあ、回せ! 力の限り! そしてできるだけ早く、長くだ!
燈夜・偽葉
狐耳への対抗心は銀河の彼方へ投げ捨てておきます
回します。話はそれからです
そう、まるで10連ガチャのごとく!
いえ、私はエンパイア出身なのでガチャとか知らないんですけれどね

狐耳なのに着物が落ちるとカモシカになるんですか?
じゃあ遠慮はいりませんね
カモシカになろうと回し続けます
動物虐待とか言われても知りません
これは、彼女たちの望みでもあるんです…!



 でん!(足を見せつける花魁)

 でん!(足を見せつける燈夜・偽葉)

 ごわーん!(二人を並べて下から斜め上に舐めどりした様子)

 そんなカットが想像できるようなこの対面。
 狐耳の美女は『ありんすー☆』とかいいながら足をちらちら見せてくる。
 偽葉も負けじと(?)耳をぴこぴこさせると、着物の胸元に指をひっかけ、サラリーマンがネクタイを緩めるみたいに首をふりながらゆっくりと歩み寄った。
「回せというならば……回しましょう!」
 ガッと掴む偽葉の手。いやんと腰をくねらせる美女。
 知ってるぞおまえカモシカなんだろ。そんな気持ちを胸に、偽葉は豪快につり革を引っ張った。
「あーれー☆」
 気持ちは10連ガチャ。
 引いた結果むさくるしいカモシカしか出てこないという地獄のガチャ。
 何がかなしくてこんなもんを回すのか。そんな気持ちをも胸に秘め、偽葉はシュオンと剣聖状態に変身した。
 狐耳が逆立ち(?)黄金のオーラがシュオンシュオンする偽葉の、さらなる帯回しが炸裂する。
「あーーーーれーーーーー☆」
 はらりと着物が落ちた、そこには……!

 このあと、衝撃の結末!(ネタバレ:カモシカ)

成功 🔵​🔵​🔴​

テルプ・ステップアップ
ヒャッホウ♪僕これ聞いたことある!良いではない良いではないか、だね!うふふー、回せと言われれば回すよー♪でも僕が回るほうが早いよ!というわけでちょっと失礼☆帯の端っこを持って花魁さんの横で超高速フェッテ!あっという間に帯を巻きこんでひん剥くよ!踏ん張って。うっかりすると吹っ飛ぶの。それはそれでいい絵が撮れそうだねー( ̄ー ̄)ニヤリ



「花魁帯回しだよー!」
「ヒャッホウ!」
 景気よく声をかける男を見て、テルプ・ステップアップはテンションを上げた。
 具体的にはポージング込みで挙げた。
 つま先を頭の上まで振り上げて肩越しに伸ばした手でつまむというポーズでテンションを表現した。
「これ聞いたことある! ヨイデハナイカのやつだね! おじさーん、一個ちょーだーい!」
 お饅頭買う感覚で(そしてそのポーズのまま飛び込んでいく)テルプ。
 小屋に入った次の瞬間、テルプは既にお座敷に立っていた。
 つり革式の取っ手(?)がついた花魁が回せとばかりに立っている。
 テルプは取っ手を掴むと――目をキラリと光らせた。
「回せというなら回すよ。けど……僕の方がね!」
 とりゃーっといって高速回転を始めるテルプ。
 その回転たるやテープレコーダーの強制早回しもかくやという――あっカセットテープってわかる? 鉛筆突っ込んでくるくる回すと手動で早送りできるっていう特性があっ――おーっと花魁の帯がすげー勢いで巻き取られていくーぅ!
「この方式ならあっという間に帯を巻き取って――ハイッ!」
 しゅぱーんと帯を引き抜くと、花魁(?)は回転しながらふっとんだ。
 いや花魁じゃない! こいつは……なんだ!?
 (ネタバレ:カモシカ)

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリストファー・ブラックランド
まぁ、聞いてくれ。
カモシカのような足とは言うが、実際のカモシカの足は見たことあるかね。
あいつ等の足はごんぶと過ぎてこう、「あ、山地適応のスキルカンストっすね」みたいな筋肉すげえ足なんだ。
この言葉の指す足はレイヨウ、つまりアンテロープの細い脚を指す言葉で、「レイヨウ?あれもカモシカだろ」みたいな混同から産まれた言葉であってな。

つまり、何が言いたいかというと、
太かろうが細かろうが脚大好きです!とっても大好きです!!(前置きを即座にゴミ箱に叩きつけ

カモシカが出ないかもしれない幻想を抱き、
少年のようなひたむきさと
中年のスケベ心、磨き上げた熟練の技を持って、
妖精らしからぬぱわーで帯を引いて回すぜ。



「ちょっと聞いてくれ」
 クリストファー・ブラックランドは座布団の真ん中に腰を下ろすと、『はよまわさんの?』という顔をしてる花魁(?)へと手を翳した。
 すっごい今更な話だけど正教会の祓魔師みたいな格好をした身長28センチのクリストファーと狐耳花魁のお座敷っていうフルスクラッチ感がすごい。ちゃんと説明しないとコラ画像に見える。
 さておき。
 クリストファーは子供に足し算を教えるかのごとく丁寧な口調で語り始めた。
「カモシカのような足とはいうが、実際のカモシカは足が太くて毛深くて、スパ○ボでいえば地上Sみたいな足をしているんだ。じゃあなぜカモシカのような脚と言うのかといえば、海外からわたってきた『レイヨウのような足』という表現がカモシカに統合されたからなんだ。逆のケースでカチカチ山の童話が日本から海外に流れる際タヌキという動物を理解しないがためにイタチやトロールのような怪物として描かれることがあっ――御御足大好きいいいいいいいいいいいいい!!!!」
 急転直下のウルトラCで帯に手ぇかけるとクリストファーは自らをミシンボビンのごとく高速回転させながら帯を引きまくった。
 さっきまでの語りはなんだったの。
 一生懸命書いた200字とついでに足されたカチカチ山の下りはなんだったの。
「太さなんて関係ない! 御御御足(おんおみあし)大好きです! とっても大好きです!」
 ひゃっほーと言いながら帯を引っ張るクリストファー。
 正教会とお座敷の例えで言うならば、今が一番フルスクラッチ感がやばかった。
 クリストファーのあの荘厳なお姿をみてほわーって言ってた全国の女子が『やっぱり男の子なんだね……』ってなるくらいにやばかった。
「さあ、いでよ、御御御御足(ごおんおみあし)!」
 最後の帯を引き抜き、目をぱっと輝かせるクリストファー。
 彼の目に焼き付いた足とは……!
 (ネタバレ:カモシカ)

成功 🔵​🔵​🔴​

ラプラス・ノーマ
あなざあ萌侍。
ちゃきってする様をみてよぎるのは第二の地平線
いやいやそんなこたーどーでもいーんだって


あー!花魁の帯とか回してぇなぁ!!!!
おっ!こりゃあいい!ちょいと案内しておくれよ!

………ばっかもーーん!!!!
和服は!慎ましやかに!着てこそだろ!
なんで?!なんで帯回す前に足出しちゃってんの?!
見えないものを見ようとして♪帯を回すんだろぉ?!
きーさーまーはー!
和服を着る資格など無い!
貴様なんか!こうだ!こう!!!!
怒りと勢いに任せてじゃんじゃんばりばり帯を引くよ

あれ…
なんか、楽しー…?
これクセになるかも……

おりゃあ!
回れ回れぃ!

これ勢いよく回したらブーンって飛んで天井に刺さらんかな…?



「花魁帯回しだよー」
 花魁の意味も帯回しの意味もしらなそうな男が、都内のぼったくりバーもかくやっていう勢いでラプラス・ノーマを捕まえた。
 今更だけどこいつ男女どっちでもいいんだな。
「えっなにおいらん? おびまわし? 回せるの? 帯?」
「回し放題だよー」
「寿司も帯も回るなんてやるなあジャパン。ちょうどいいや、案内しておくれよ」
 もうこの時点で三つくらい世界観を無視したけど知らねえなンなこたあ。
 ラプラスは男に案内されるまま小屋へ入りーの座敷へ入りーの花魁がおみ足みせーのくねりーの。
「ばっかもーーん!!!!」
「はみゃんぐ!?」
 ラプラス座布団スマッシュが炸裂した。
 屏風もろとも倒れる花魁(?)。
「和服は」
「はい……?」
「和服は慎ましやかにきてこそだろ!」
 ラプラスが畳をパーで叩いた。
 ばんばんやった。
「なんで!? なんで帯回す前に足出しちゃってんの!?
 見えないみようとして帯を回すんだろ!?
 静寂を切り裂いていくつも足が見えるんだろ!?
 もっとさあ……もっとサプライズを大切にしろよォ!」
 ラプラスは倒れた花魁の帯を掴むと、地引き網もかくやという勢いで帯を引っ張り回した。
 うひゃーといってローリングする花魁。
 突然だけど英語における『回る』にはロールとスピンがあると思うけどロールはニュアンスとして縦回転寄りらしいですね。
「あれ? なんかこれ……楽しい……!?」
 引けば回る。打てば響くみたいなモンでリアクションが楽しくなってきたラプラス。
「よーしどんどんまわれー!」
 うりゃーと引っ張り回すと、花魁は回転しながら襖の向こうにすっとんでいった。
 すっとんだ襖の向こうにずらりと並んでいたものとは……!?
 (ネタバレ:カモシカ)

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳鳴・ブレナンディハーフ
第二人格のブレナンディハーフだ。
生真面目な主人格を花魁茶屋に突っ込ませて反応を楽しみたい!
「カモシカとオブリビオンが花魁茶屋にいる」とだけ吹き込むよ

きっと「カモシカは森の哲学者とも言われる神聖な存在。助け出さねば!」と言って突っ込んでくれることだろう

そして帯を引っ張る段階になれば
「それでは服が脱げてしまうではないか! そのような振る舞いは堕落の元! 慎み深い振る舞いをせねばならない」とかいって説教してくれることだろう

引っ張る時は僕が出て行って気合いと怪力で仕上げるよ

以上、僕の企み
アドリブ歓迎
想定外の結末もどんと来いだ



「花魁帯回しだよー」
 そう聞いた鳳鳴・ブレナンディハーフは、眉を左右非対称に上げた。
「へえ……おもしろそうだね。あっそうだ」
 第二人格ブレナンディハーフは悪戯っぽい顔をして、メモにさらさらと何かを書いて握り込んだ。
 そして。
「おじさん、案内してよ」

「……はっ、ここは!?」
 主人格への切り替わりを済ませた鳳鳴。
 スリープ状態にあったせいか突然お座敷に立っているさまがまるで理解できなかった。
 手を開いてみるとメモ。
 『カモシカとオブリビオンが花魁茶屋にいる』
「……なるほど。カモシカは森の哲学者といわれるほど賢く神聖な存在。なんとしても助け出さねば」
 数珠を取り出し握りしめる。
 さあ誰でも来いとばかりに身構えた鳳鳴の前に。
「ありんすー☆」
 色々はき違えた花魁(?)が襖をがらっとやって現われた。

 チラ見せする脚。
 既に出ている肩。
 動く狐耳。
「な、なんだそれは!」
「なんだそれはと言われても」
「帯が緩すぎる……そ、それでは服が脱げてしまうではないか! 女性がみだりに脚や肩を見せつけては」
 明烏もかくやという真面目ぶりである。詳しくは古典落語の明烏を見てね。
「女性とはそもそも慎み深い振る舞いを――うっ!」
 額を押さえてのけぞる鳳鳴。
 表面人格を強制的にスイッチさせたブレナンディハーフが、おもむろに帯を掴んだ。
「さ、回しちゃおうか!」
 パワーとスピードでぐいんと回す。当然帯はほどけて落ちる。
 当然中身がむき出しになるが、その中身とは一体……!
 (ネタバレ:カモシカ)

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『荒ぶるカマシシ』

POW   :    アオの寒立ち
全身を【覆う和毛を硬質の毛皮】に変える。あらゆる攻撃に対しほぼ無敵になるが、自身は全く動けない。
SPD   :    神鳴り
自身に【紫電】をまとい、高速移動と【電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    影より出づる藤波
【自身の影】から【召喚した藤の花】を放ち、【絡みつく蔓】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:笠見諒

👑11
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「ばかめ! カモシカだよ!」
 角(?)から紫電をばちばちやるカモシカ型オブリビオンの登場に、イェーガーたちは『知ってた』という顔をした。
 しかも思いっきり回されたりすっ飛んだりしたせいでカモシカは既に目を回しており、畳の上にどべんと横たわり生まれたての子鹿がごとくプルプルしながら立ち上がっていた。
「ここは我が盟主御狐様の根城。もはや生かして……か、帰さ……ぬふう!?」
 転倒して襖を破壊するカモシカ。
 襖の向こうで甘納豆食いながら休憩していたカモシカオブリビオン通称『カマシシ』たちはハッとしてこちらを振り返った。
「「客が逃げるぞ!」」
「「殺せ!」」
 お前その見た目でどうして喋れんのという疑問を感じさせる間もなく、カマシシたちはイェーガーに突進を仕掛けるのであった。
 イェーガーたちの運命やいかに!
テルプ・ステップアップ
休憩中?お邪魔してまーす。甘納豆食べきってからでいいよ。待っててもいいけど。無理っぽいねー。ならば後の甘納豆は僕とスタッフが美味しいくいただきます!…そういえばカモシカって美味しいのかな?カモシカ型オブリビオンだし消える前ならいける?なーんてね。あ、でも退治はするよ!かもかもするよ!で、日月の言ってたかもかもって何?
お座敷の中なら狭いからグラン・フェッテ・ピケの射程範囲なの。
かもかもわからないからボコボコにしてみるの!



「ぐああああああああああ!!」
 叫びながら襖を突き破り隣の部屋につっこんだカモシカ。もとりカマシシ。
 ハッと顔を上げたカマシシたちが甘納豆片手に振り返る。
 カマシシもテルプ・ステップアップも『あ゛っ!?』という顔をしていたが、先に動いたのはテルプであった。
「休憩中? ごめんね?」
「え、あ、はい」
「食べてからでいいよ。待ってるから」
「あ、すんません今食べちゃうんで」
 箱を傾けて甘納豆をざーってやりはじめるカマシシ。
「よかったら食べます?」
「ありがとー。じゃあうぐいす味もらうねー」
「どうぞどうぞ」
 手を伸ばすテルプ。六角形型の箱を突き出すカマシシ。
「――て言うと思ったかァ!」
「知ってたァ!」
 カマシシ剛毛アタックとテルプスピンキックが衝突。
 ずばしーというなんとも言えない音と共に、カマシシの剛毛にテルプの蹴りが突き刺さる。
「ぐおおおおおおおおおお!!」
 蹴りによって吹き飛ぶカマシシ。
 同じく剛毛になっておいたカマシシとドミノ倒しになり、甘納豆が舞い散った。
「フハハハハハこの剛毛の前にはあらゆる攻撃が無りょ――あっちょ、蹴り続けるのやめて」
 テルプはスタジアムから解き放たれたベイ(新日本慣用句)のごとく部屋の中をスピンキックしながら暴れ回った。
「ぼこぼこにするよ! ぼっこぼこに! もしくはかもかもに!」

成功 🔵​🔵​🔴​

鳳鳴・ブレナンディハーフ
引き続き第二人格だよ!
「あーーーーーれーーーーー……」
【自転によって着ている物を弾き飛ばし】、【一糸纏わぬ姿】になる。
花魁が居なくても僕が脱ぐ!
「帯回し大好きな客と思ったか! そのとおりだ!
キミ達に真の花魁とはどういうものか教えてやるでありんす☆」
指差しながら言うよ
まったく知らないけどね!

狭い室内でグラップルを試みるよ
灰燼拳を狙うが
無敵状態になったのなら仕方ない、僕の裸体でも見せ付けておくか
美しい……………………

攻撃は気合で耐えるよキエエエエーーーーー!
とりあえず甘納豆はもらったあ!



 カマシシ休憩室(?)が地獄のベイ会場と化した頃、すばーんと襖が開いた。
 蹴倒されたカマシシを放り込み、煙を吐く鳳鳴・ブレナンディハーフが現われる。
「帯回しが大好きな客だと思ったか……その通りだ!」
「その通りか!」
 ごわっとした剛毛状態になって身構えるカマシシ。
 四つ足動物の身構え方って多分前足で地面をかくとかそういうのの筈だが、このカマシシはなぜか前足を振り上げて逆ファイティングポーズをとった。これも一応身構えた姿勢ってことでいいんだと思う。
「だが残念だったな。花魁の正体はこのカマシシ。そしてこのカマシシは剛毛になることによって無敵の防御力を得るのだ」
「ふふそっちこそ残念だったね。第二人格ブレナンディハーフこと僕は全裸(?)になることで……!」
 ハァ! といって着ている服を気合いだけではじき飛ばすブレナンディハーフ。
 謎のオーラがしゅおんしゅおんしているが、しゅおんしゅおんしているだけだった。
「なることで……どうなるの?」
「知らないのか!?」
 そうして、カマシシとブレナンディハーフによるにらみ合いが始まった。
 両手を頭の後ろに組んで裸体を晒すブレナンディハーフ(もしピンになってもエロくならないように乳首に甘納豆おいときますね)。
 一方前足を振り上げて威嚇の姿勢をとるカマシシ。
 姿勢をより長く維持できるのは……!?
「ぬふうっ」
 当然ブレナンディハーフである。
「隙あり! キエエエエエエエエエ!」
 下りた顎に渾身の拳。
 カマシシはほぐんとか言って吹き飛んでいった。

成功 🔵​🔵​🔴​

燈夜・偽葉
カマシシぶらないでください!
(言ってみただけの無意味なワード)

こほん。それにしても、ここまでカモシカだったとは…あの狐耳はいったい何だったのでしょうか。無意味にも程があったと思いますよ

それはそれとして斬りますね
「剣よ、天を斬って」で攻撃します
なぎ払い、範囲攻撃、2回攻撃、盗み攻撃を乗せますね
いくら外皮を固めようと、体の内側は問題なく斬れます
「指定した対象」を体の内側にしてあるだけですよ
え、盗み攻撃は何で入れたかって?
(左手に持った甘納豆の皿)
これは迷惑料という事でいただいていきますね



 同時刻同所。木目の廊下を歩くカマシシ五人衆。
「どうやらイェーガーが間違って罠にかかったようだな」
「ククク心配あるまい。我らカマシシ五人衆の力を持ってすればイェーガーなどイチのコロよ」
「まずこの剛毛の一郎を倒せるものは居ない。あまりの剛毛に刃すら通さない俺は絶対無敵d――」
 襖を貫通して飛び出した刀がカマシシの脇腹に突き刺さった。
 マーライオンのごとく吐血をスプラッシュする一郎
「ぐはあああああああああああ!!」
「一郎おおおおおおおおおおお!!」
「ばかな。一郎の剛毛を突き通すことなど……ハッ! 外傷がない! まさか!」
「そのまさかです!」
 がらった襖をあけて現われたのは、刀を突きの姿勢で構えた偽葉であった。
 後ろでは帯をひっこぬかれたカマシシが同じように吐血してぶっ倒れている。
 瓶底眼鏡をちゃきってやるカマシシ次郎。
「奴め、空間を直接切り裂くことで剛毛の内側に刃を通したのですね!」
「さすがは智将の次郎。だがそんなことが可能なのか?」
「なんかやったらできました!」
「やったらできたようでぎゃあああああああああ!!」
「次郎おおおおおおおおおおおおお!!」
 偽葉の次元突きがカマシシ次郎のお腹を貫いた。
「防御を固めるのだ! 我は鉄壁の三郎。剛毛の堅さは一郎以上でぎゃあああああああああ!」
「我は大鎧の四郎。全身くまなく覆った剛毛が完全な防御をぐああああああああああ!」
「三郎おおおおおおお四郎おおおおおおおおお!」
 次々にお腹をツンッ☆てされたカマシシたちが血を吐いて倒れていく。
 残ったカマシシに、偽葉が目をあやしく光らせながらひた……ひた……って迫っていった。右手には刀。左手には甘納豆の箱。
「フッ、兄さんたち四人を倒せたくらいで調子に乗らないことだね。僕は人権主張の五rぎゃああああああああああ!!!!」

成功 🔵​🔵​🔴​

化野・那由他
なんだか見ているだけで目が回りそうね……。
目を回したカモシカを見て、嗜虐心(と食欲)をそそられています。
「カモシカって食べられるのかしら……ふふ……試してみても良さそうね」

ユーベルコード[妖奇譚『鎌鼬』]を使用し、風を纏ってカマシシたちを切り裂きます。
畳とか襖を断ち切ったりしても、この際、仕方ないわよね。
高速移動には高速移動を。
ユーベルコード[叢原火]も操って、良い感じに焼いてみましょう。
……焼き尽くしそうだけれど。
【高速詠唱】を駆使して、風と炎の【属性攻撃】【範囲攻撃】。
好機があれば戦っている猟兵達に対して【援護射撃】を。

立ち回りながら残っていた甘納豆もついでに拝借。
「これもなかなかね」



 がらっと襖をあけて現われる化野・那由他。
 場はなんというか軽く築地めいていた。吐血したカマシシがあたり一面に倒れているという地獄である。
「あら、もう終わってしまったのかしら」
 小首を傾げる那由他の向かい。
 無数の襖が一斉に倒れ、カマシシの群れが一斉に飛び出してきた。
「見くびるなよ。我らカマシシ軍団そう簡単に破れはせぬわ! オルフォアワン・ワンフォーオール。力を合わせた電撃をくらえ!」
 角に電撃をはしらせ、一斉に突っ込んでくるカマシシの群れ。
「よかった」
 那由他は閉じていた扇子を僅かに開き、パチンと強く鳴らした。
 途端、突撃していった先頭のカマシシが真っ二つになって那由他の左右を滑っていった。
「何っ……!?」
 後続のカマシシが目を剥き、警戒するように那由他の周りを走り回る。
「何か仕掛けたぞ」
「剣は抜いていなかったはず」
「一体なにを……」
「考える余裕は、ないと思うけど」
 那由他は扇子を大きくそしてゆっくりと一段ずつ開いていく舞い踊る妖の絵柄を見せつけた。
「ええいなんでも構わん。全方位から一斉に襲いかかるぞ!」
「全ての攻撃を一度に対応などできまい!」
 急速にカーブをかけたカマシシの電撃タックルが集中する――が、那由他が扇子を強く振ったそれだけで風が巻き起こり、全てのカマシシが一度に切り裂かれた。
「ばかな……!?」
 余った風の刃が後方の襖や畳や天井を切り裂き、めちゃくちゃに破壊していく。
「さて、次は大本のオブリビオンを探さなくちゃ、ね」
 足下に落ちていた甘納豆の小さな箱を拾い上げると、那由他は片眉だけを小さく上げて懐にしまった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クリストファー・ブラックランド
やっぱりカモシカ(適性S)だったわ……(沈痛な表情で)

■カモシカ
「うるせえ!男の涙で食う甘納豆はどんな味だよ畜生!」

自分で巻き取った帯を抱えて空中戦だ。
甘納豆花子(仮名)のむちむちな腹部を腹巻のように帯でぐるぐる巻きにしてやる。
その上で修羅の形相で巻き取ってもう一度回す。
もしかしたら再抽選した結果、ありんすー☆とか来るかもしれないじゃないですか!(悪足掻き)



まぁ、来ないんですけどね。来ないよね。
目回したあたりに対してジャッジメントクルセイドで仕事しよう仕事だいじ。
「民草を騙した獣め、これが神々の怒り、審判の光だ。」
きりっとした穢れの無さそうな妖精の少年のような顔で。
神罰っぽい光をばしーんと



「くらえええええええ!」
「あーーーーれーーーーーー!」
 クリストファー・ブラックランドが只管に帯回しをしまくっていた。
 ぐるんぐるん回転するカマシシ。
「ありんすー☆」
 帯を全部引き抜かれたカマシシは藤の花びらをぱっと散らすエフェクトを出すと、乙女座り(?)でクリストファーを見上げた。
「乱暴でありんすー☆」
「うるせー!」
 クリストファー膝蹴りが炸裂した。
 カマシシにマウント(?)をとってばすばす殴りつけるクリストファー39歳。
「かえせ! 帯を回した先にあった期待を返せ! 少年のような俺の期待を返せっ!」
 ひとしきりカマシシを殴りつけると、クリストファーはすっと立ち上がった。
 前後左右すべての襖が開き、カマシシたちが姿を見せる。
「おいたもそこまでだぜフェアリー」
「民草を騙した獣め……」
 宗教画のような美しさで振り返るクリストファー。
 さっきまでのはなかったことにするらしい。
 そしてカマシシは付き合ってあげるらしい。
「ここが貴様の墓場となるのだ!」
 影から巻き上がる藤の花が、クリストファーを捕まえようとツタを発射してくる。
 びゅんびゅんと飛び回りツタを回避していくクリストファー。
「これが神々の怒り――審判の光だ」
 カマシシたちの上をとると、彼らを片っ端から指さしていった。
 座標セット完了。
 なんかこう輪っか上のゲートげなものが天井付近へ生まれカマシシたちへと光線を打ち込んでいく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラプラス・ノーマ
カモシカちゃうやん
……カモシカちゃうやん
カモシカは紫電ばちばちさせないやん!
オブリビオンやん!しかもバンビちゃんやん!

ッカー!騙された!
らぷ子はオコだよ!
いけー!行くのだあたしのしもべちゃん達~!

あたしは退避してるねー
他の人もがーんばぁー

襖の向こうまててってこ歩いていって
甘納豆食べながら応援

さぁさ、お帰りはあちら、大門でござい
「勝手に帰りなさいな、大門で袋叩きにされるよ」
なぁんてね?
いひひひっ♪

え?
カモシカがオブリビオンになっちゃっただけで
大体あれがカモシカであってるの?
まーじか
知らんかったわ
動物製造は違うカミサマの管轄だからな
えっあたしの管轄?
おっと!死角からの攻撃飛んでくるよ!回避がんば!



「いまさらだけどさ……」
 カマシシをらぷらすぱんちで殴り倒し、ラプラス・ノーマは呟いた。
「カモシカちゃうやん」
「なんでやカモシカやん!」
 むくっと顔を上げるカマシシ。
「カモシカは紫電ばちばちさせないやん!
 オブリビオンやん! しかもバ○ビちゃんやん!」
「はんむらびっ!?」
 もっかい殴り倒すラプラス。
 おでこに手ぇあてると大きくのけぞった。
「っかー騙された! おこだよ! 激おこプンプン丸を通してムカ着火ファイヤーだよ! なあにこの平成の死語。令和JKの誰もが使ってないやつ――じゃん!」
 じゃんの所で身体を起こし、ずらりと集まったカマシシたちを見た。
「おっと、かえしゃあしないよ。あたしを置いて帰ってご覧なさい。大門で止められますよ……ってね!」
 カマシシたちの放つツタと花弁の攻撃を、踏みつけた畳み返しで防御。
 と同時に口笛をふき、死霊のサーカス団を呼び出した。
 空間に生まれた裂け目から飛び出した無数のナイトや竜がカマシシたちを切り裂き噛み千切っていく。
 一方のラプラスはその場にあぐらをかいて甘納豆をつまみ始めた。
「ところで、ほんとにこの子らってカモシカなの? カモシカ要素があんまりないんだけど、マジ?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

二本木・アロ
ごるぁカマシシここで会ったが百年m……待ってあんたら喋れるとか聞いてねーんだけど?! マ?! そマ?!
あと甘納豆食べんの?! てっきりカモシカのフン……げふんげふんいや何でもない気にすんな。
超ウケるんだけど。あ、スマホ出すからもっかい喋って。撮るからなんか喋って。
んでアオの寒立ちしたら「カマシシもふってみた」動画撮るからもふられた感想どーぞ。

……毛皮硬っ! 見掛け倒しじゃね?! 腹立つから殴らせろ。
あとなんかそのツラでりゅーちょーに喋ってんのめっちゃイライラしてきた。
ってコトでさ、ちょっと一発殴らせろ。
グラップルと怪力でもふもふの首掴んで固定したら顔面に灰燼拳ぶち込むわ。



 絶賛激戦中のカマシシと死霊サーカス。
「おおっとまだ終わらせないぜ! カマシシあるところ二本木ありってなァ!」
 襖をすぱーんと開いて、土色の人形を手に現われた二本木・アロ。
「ここで会ったが百年目、いざ尋常に――」
「あっどうも、どこかで会いましたっけ?」
 眼鏡かけたカマシシが振り返り、甘納豆の箱を突きだしてきた。
「どこかっつーか……え、マ? お前しゃべれんの?」
「そういえば」
「なぜしゃべれるんだ」
「気づいたらしゃべれていましたね」
 甘納豆を一つの箱からつまみながら顔を見合わせるカマシシたち。
 どうなってんだよ骸の海、とか思いつつ甘納豆をつまむアロ。
 懐(どこだろう)からスマホを取り出すと、自録り棒をくっつけて伸ばした。
「もっかい喋ってみてとるから。ティッ○トックあげるから」
「えーいきなり言われても困るー。何喋れば――て死ねェ!」
 肩を並べた姿勢から突然のカマシシタックル。
 一方のアロは相手の角を掴んで反対側へ飛ぶと、ヘッドロックの要領でカマシシの首を掴み頬に拳を打ち込んだ。
「ほぐう!?」
 白目を剥いて気絶するカマシシ。
 残るカマシシたちがハッと気づいたように戦闘態勢に入った。
「クククなかなかの攻撃。だが鉄壁の剛毛を破ることができるかな?」
「我らの剛毛は刃も通さない鋼の――ほぐう!?」
 喋ってるカマシシの顎をこう、斜めから横にガッて殴りつけるアロ。
「うるせー動画とれなかったじゃねーか」
「こいつ! 相手の脳を揺らすことで打撃を浸透させたとい――ほぐう!?」
 説明も聞いてあげずにもっかい顎にガッてやるアロ。
 落ちそうになった甘納豆の箱をキャッチすると、アロは襖の外へと振り返った。
「なんかノリできちまったけど……ここオブリビオンの城? なんだよな?」

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『『妖狐』明日香』

POW   :    妖狐の炎
レベル×1個の【妖狐の力 】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
SPD   :    野生の開放
【真の妖狐の力 】に覚醒して【九尾の狐】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    スコールシザーズ
自身が装備する【鋏 】をレベル×1個複製し、念力で全てばらばらに操作する。

イラスト:麦島

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「お城だよ!」
 ぴょこんと足から現われる花魁。否、妖狐。
「私の名前は明日香。よろしくね?
 花魁帯回しにやってきた人を捕まえて遊んでたんだけど……これじゃあ営業再開できないね?
 どーしよっかなー、騙された人たちの顔見るの楽しかったのに……」
 ハサミをちょきちょきやると、先端に赤い炎を宿らせた。
 炎はまるで風船のように膨らみ、爆発するように辺りへと飛び散った。
「まーいっか☆ お城ごと撤収! ばいばーい☆」
 たちまち燃え始めるお座敷。
 明日香はスキップするようにして逃げ始める。
「逃がすか!」
「帯回させろ!」
「えっそこ!?」
 イェーガーたちは、燃えさかるお座敷の中で明日香を追いかけ、戦いを始めるのであった。
ラプラス・ノーマ
まてまーてぃ
ぴょんぴょん小回りを生かしながら接近あーんど退路を塞ぐ!

お前さんには聞きたいことがたくさんあるんだ!

ね、なんで花魁帯回し?
めっちゃ気になっちゃって
なんでカモシカを花魁にして回すの?
マジトーンで聞いてみよう

あ、質問1個だけだった!
もういいよ!ばいばーい♪

明日香っちの帯も回そう!
……帯ないやんけ!!!
お前帯ないやんけ!
回せないやんけ!!!

らぷこは激怒した
らぷこには花魁のことはわからない
ただ、帯回しのことには人一倍敏感であった

おーびーまーわーさーせーろー!!


クリストファー・ブラックランド
可愛らしい狐けど、どうせ剥いたらカモシカなんでしょう?
いいさ、やってやる!カモシカはすべて回す、それだけだ!(猜疑心による誤認)

■vsきつね
懐からダガーを抜いて、逃走してる狐に投げる。
いや、紳士としては、オブリビオンとは言え可愛らしいお嬢さんに刃物を投げるわけにはいk…
そういえば騙されてたんだった!紳士ミサイル!
法衣の前を開け、隠し持ってた大量のダガーをシーブズギャンビットで投げまくる。

弱らせたら、狐の近くに降り立つぜ。
いやいや、気にすんなよ(帯を拾い上げ狐に巻き)
「花魁帯回し」とか如何にも怪しいって感じだったしな。(巻き巻き)
騙される方がどうかしtしてねえよ腹立つな!この野郎!(全力で帯引き


テルプ・ステップアップ
うん、僕は天啓を受けたね!かもかもとはこの女の子のしっぽをもふもふしていいって意味だね!ビビって僕の欲望センサーが反応しているよ!おっぱいとお尻は小さいけど!おっぱいとお尻は小さいけど!!いいもふもふしっぽだね!どこぞの某アニメの仙狐さんのようだ!いただきます!
っといけないいけない流石にこのままじゃ二次災害が出ちゃう。真の姿チェーンジ!エレクトロレギオン召喚!消火活動開始!残りは僕と一緒に明日香ちゃんを追うよ。


燈夜・偽葉
なんだ、妖狐いるじゃないですかー
最初からあなたが出ていれば良かったんですよ

胸の大きさで勝ち誇るとかはおいといて、帯回させてもらいますね!
胸の大きさなんかより帯回す方が大事ですからね!
(殺気プラス恐怖を与えるプラス言いくるめ)

戦闘では「剣よ、心を統べて」を使います
見切り、第六感、戦闘知識で攻撃を回避して
先制攻撃、2回攻撃、なぎ払い、衝撃波、フェイントなどを乗せて攻撃します
剣聖なら火炎を斬って消し飛ばすくらい余裕ですよ


化野・那由他
「みーつけた」
 扇子をぱたりと閉じて歌うように。
 妖狐の動きを見定めながら、周囲にも気を配って戦いに加わりましょう。
 幻で作られた座敷、妖狐の城……この場は言わば彼女の庭。油断せず戦います。

 鎌鼬も悪くはなさそうだけれど、此処は最近思い出したユーベルコード、妖奇譚『蛟』を披露しましょう。
 座敷の中で自由に動き回れる、それでいて巨体を活かせる大きさで『蛟』を召喚し、口から水流を放たせて【属性攻撃】。妖狐の鋏も炎も、蛟が操る水で吹き飛ばします。
 妖狐が隙を見せたら『蛟』に命じ、強靭な体躯を鞭のようにしならせて敵を弾くように直接攻撃をさせます。

 ……あの帯、解いても服は脱げなさそうね。たぶん。



「まてまてぇーい、まーてー」
 ラプラス・ノーマが両手をベアハンドに掲げて廊下を走る。
「お前さんには聞きたいことがたくさんあるんだ! なんで帯回し?」
「どうせお前も剥いたらカモシカなんだろう!?」
 思春期をカモシカに殺された青年みたいなことを言ってその頭上を飛行するクリストファー・ブラックランド。
 燃えさかる廊下をこんなことを言いながら走っている人がいたら一旦病院か警察か消防署のどこに電話するか迷って結局全部呼ぶであろう。であろう。
「いいさ、やってやる! カモシカはすべて回す、それだけだ!」
 イェーガーがよく言う台詞に近いやつだが、全面的に違う。そんなカモシカへの復讐鬼となったクリストファーに、焼けた柱が倒れてきた。
 焼け壊れる廊下の先に、『妖狐』明日香が走っている。
「にがすかーっ!」
 ハイジャンプアンドトゥーキックて倒れる柱を蹴り飛ばし、テルプ・ステップアップが前へ出る。
 すると残像出るかなって速度で明日香を追いかけ始めた。
「僕は天啓を受けたね! かもかもとはこの女の子のしっぽをもふもふしていいって意味だね! ビビって僕の欲望センサーが反応しているよ!
 おっぱいとお尻は小さいけど!
 おっぱいとお尻は小さいけど!!
 いいもふもふしっぽだね!
 どこぞの某アニメの仙狐さんのようだ! いただきます!」
 燃えさかる廊下でこんなことを言いながら追いかけてくる人がいたら十割警察案件である。が、イェーガーに警察はねえ!
「そうそう、妖狐いるじゃないですかー。最初からあなたが出ればよかったんですよ。店先にいたのは一体何だったのかって……ハッ」
 燈夜・偽葉も一緒になって走りながら、ふと店先で『ありんすー☆』て言ってた狐耳の女子を思い出した。
「よく考えたら最初からいました!」
「いたね!」
「つまり!?」
「帯を!?」
「回して言いってことですねェ!?」
 ギャアアンという音をたてて加速する偽葉。
 イェーガーに警察はねえ。だがあるなら今すぐ来てくれ。
「ひいっ! 思ったよりえげつない追いかけ方してくるー!」
 明日香が警察呼ぼうにも呼べない顔して更に加速。
 はやくも倒壊を始めるお座敷オブリビオン城。その焦げた柱の上に立ち、化野・那由他はぱったんと扇子を閉じて口元に当てた。
「みぃつけた」

 柱から飛び立つ那由他。
 靡く和服を風に乗せ、『おいで』と世界の彼方へ手招きをした。
 大地を割り、畳敷きを割り、うずたかく積んだカモシカの群れを割り、飛び出すは巨大な蛇。
 その頭上に着地すると、那由他は閉じた扇子を振り上げた。
 めがけるは今まさに正面から走ってくる『妖狐』明日香である。
「そこをどいて!」
 恐ろしい数のハサミを大量に呼び出すと、大蛇めがけて発射する明日香。
 対する那由他は扇子を突きつけるように下ろし、大蛇に毒水を放出させた。
 じゃんけんの三すくみで言えばハサミは石に負け紙を切るというが、ここでいう大蛇の毒水は膝蹴りであった。
 わかるか。じゃんけんぽんで脇腹に膝を入れてくる奴の強さが。
 ハサミってなんだったんだろうって勢いで明日香にぶっかかる毒水。
 一方でその鋭さをもってして大蛇に次々突き刺さるハサミ。
 相打ち……かと思いきや、大蛇に守られていた那由他は無事であった。
 どころか、突き刺さった大量のハサミをそのままに、巨体をバネのようにしならせて明日香を食らいつきにかかった。
 蛇が噛みつく速さは恐ろしく素早く、最高時速は百キロに達すると言われる。それは巨大化したとて同じことだ。むしろ、巨大化したことで重量が乗り、噛みつきはダンプカーの激突に相当した。
 咄嗟にかわす明日香も、屋敷の壁や柱を崩壊させながら吹き飛ぶくらいはするというものである。
 壁を突き抜け、庭をバウンドする那由他。
 そこへテルプのエレクトロレギオンが、ラプラスの死霊騎士団が一斉に襲いかかった。
 ふたたびハサミを大量に呼び出し対抗しはじめる明日香。
「おまえ帯ないやんけ! 帯ないやんけ! 回させろ帯ー!」
 ラプラスがひろってきた帯をモーニングスターよろしく振り回しながら襲いかかった。
 資料騎士団や小型機械兵団をハサミで次々に破壊できても、こういうわけわからんやつははねのけられないもんである。
「僕にはしっぽをもふらせろー!」
 真の姿を開放し電脳翼を広げるテルプのキックが、明日香の翳した腕にブロックされた。
 が、直後に叩き付けられた帯によって巻き取られていく。
「そらぁ!」
 巻き取った帯を掴み、豪快に引き回すクリストファー。
「あーれー!」
 もうこうなると帯を回すことしかしてないが、なにか大事なものを忘れてしまっているが、この際どうでもいい話である。
 少年(39歳)は帯を回したかった。
 女の子をくるくる回したかったのだ。
 もはや倒錯的とも言える行為はエスカレートしついにはベーゴマレベルで回すクリストファー。
 ぴゃーといって高速回転する明日香に、クリストファーはダガーをばすばす投げまくった。
「ぴゃあ!」
 回転して服が脱げる明日香。
 あの服がどうやったら回転で脱げるのか誰も知らないけどとにかく脱げた。
 脱げて――。
「残念だったね! 狐だよ!」
 巨大な九尾の狐に変身した。
「だ゛ま゛し゛た゛な゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
 二度までもー! と魂の涙(実際に流れていない涙。男がよく流す)を流してダガーを発射すると、それが明日香(狐)の額にすこーんと刺さった。
 反撃にと発射される膨大な炎。
 崩壊しかけだったお屋敷が今度こそ炎に包まれる……が。
「私――」
 炎を抜け、偽葉が猛烈なスピードで飛びかかった。
「まだ――」
 咄嗟に放たれる尻尾の鞭。
 そのすべてをかわして、偽葉は茜色に輝く剣を振り抜いた。
 振り抜き、駆け抜け、水平にひねる。
「あなたの帯を回していません」
 無念のように目を閉じる偽葉の後ろで、九尾の狐明日香は炎をあげ、そして消えていった。

 後日談というか事後処理。
 お座敷が全焼し崩壊したことで、『花魁帯回しはデマ』という噂が町中に広まった。
 と同時に、『デマなのに店長を高速回転させて屋敷を燃やした奴が居る』という新たな噂が町に広まったという。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月21日


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#サムライエンパイア


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠暁・碧です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト