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バトルオブフラワーズ⑩～輝く貴方が眩しいの！

作者：幾夜緋琉

●バトルオブフラワーズ⑩～輝く貴方が眩しいの！
「みんな。『ザ・ステージ』攻略作戦に協力してくれてありがとう」
　と、双葉・翔は、『ザ・ステージ』攻略に勤しむ猟兵の皆に労いの言葉を掛ける。
　ただ、少し表情は晴れず……。
「みんなのお陰で、オブリビオン達は少しずつ削れているんだけど……中々、最奥に控えるところまで至って無いんだ。まだ第二の関門、『カワイイ怪人『ラビットバニー』』が残ってる。彼女を倒さないと、更なる奥に迄至れないんだ」
「このカワイイ怪人『ラビットバニー』が持つ厄介な能力は、『絶対無敵バリア』という、全ての攻撃を無効化し、ダメージを与える事が出来なくなるという防御手段。つまりみんなの攻撃が一切効かない相手、って訳」
「でも、今迄の皆の行動で分かったのは、この『絶対無敵バリア』を解除するには、琴線に触れる『エモい行動』を彼女の前で見せる、って事。そしてその琴線に触れる行動のレベルも、かなりユルいって事なんだ」
「つまりみんなはこの『ラビットバニー』に、とっておきの『エモい』行動を見せつけて、防御がユルくなった所に一気に畳みかけて欲しい。防御が薄くなったところに一気にこうげきを仕掛ければ、一気に彼女の体力を削れると思うんだ！」
「ただ例え『絶対無敵バリア』がなかったとしても、強力なオブリビオンであるのは変わらない。結構しぶとい相手の様だから、みんなの力を合わせて、確実に仕留めてきて欲しいんだ。宜しくね！
　と、その手のグリモアに力を込め、皆のテレポートを始めた。

第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン 【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。 SPD   :    うさちゃんカンフー 【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。 WIZ   :    おはなハッキング 【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。 イラスト：和狸56 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「まだ沸きやがるのかウサ子め……最近『エモいエモいと言うけれど、一番エモいのはご本人』だの、『素顔隠してるのが逆に可愛い』だの『胸大きい』だの『スタイルいい』だの『胸大きい』だのと言われて調子に乗ってるようだな……！！」
　笑顔の下に、強烈な怒りを口にするラヴ・フェイタリティ。
　ヒロイン？として、ライバル視している様である。
　そんな彼女の言葉に、頭頂部から火を噴いているナナシ・シロナは。
「ふむ……『エモい』行動で相手の精神集中を乱し、防御を下げる事を嫌い、正面から『絶対無敵バリア』を撃ち破ろうと試みるものの、その行為自体が『エモい』という矛盾……ふむ」
　顎に手を当てて思慮するナナシ……だが、緋縅・善蔵が。
「みんな『エモい』って題目の様に言ってるが、これって元はイーモウってロックの音楽用語なんだぜ？」
　とニヤリ微笑む、それにナナシは。
「ふむ……そうか。しかし矛盾に変わりは無い。どんな鋭利な刃物でも絶対に貫く事の出来ない盾と、どんなに硬い物でも貫く矛があったそうな……まぁ話の結末は忘れたが、絶対に無敵のバリアが存在するのならば、それを貫く矛になれば良いだけじゃな」
「ああ。エモいモン求めてるなら見せてやろう。エモーショナルハードコアをな！！」
　拳を振り上げる善蔵、そしてラブと一之瀬・玄十郎も。
「ああ。今こそメインヒロインとして雌雄を決する時！　喰らえラヴポミ！　死なばもろともだオラァ！！」
「そうにゃ！　何だかよく分からにゃーけどバニーちゃん倒すにゃ！」
　と、両者『ラビットバニー』に攻撃を仕掛ける。
　しかしラビットバニーは。
『あはは、来たわねぇ。でも、その位じゃエモさなんてないって！！』
　と、何処か余裕の雰囲気で、早速絶対無敵バリアを発動。
　……二人の攻撃をパパッ、と防ぐと共に『システム・フラワーズ制御ビーム』を掃射。
「先制攻撃を頑張って避けるにゃよ！　にゃっ！！」
　と、その攻撃を身を丸めて、コロン、とボールが転がったように回避。
　……そして、回避し、転がった先で。
「にゃ？」
　つぶらな瞳で、失敗しちゃったにゃ、テヘペロッ、って感じの仕草。
　……そして。
「エモい？　エモいにゃん？」
　何かの歌が流れてきそうな、潤んだ瞳で見つめてくる玄十郎。
　見つめられたラビットバニーは。
『！！　な、何だか可愛いっ！！』
　電流が流れたが如く、絶対無敵バリアが一時解除。
「今にゃっ！　あっしのカレーな一撃をお見舞いするのにゃっ！」
　とダガーによる素早い一撃の『シーブズ・ギャンビット』。
　ダガーが彼女の肩口にしっかりと突き刺さる……すぐ、絶対無敵バリアを再度張り直すラビットバニー。
『危ない危ないー。もう、油断も隙もあったものじゃないわねぇ！』
　と、少し焦る彼女だが、そんな彼女に向けて。
「ほんと、無敵バリアがあるとはな……中々やるじゃねぇか。ウサ子の巧妙な策略によりセルフピンチに陥ったラブ様だが、メインヒロインの矜持がラブ様に力を与えるんだ！　感じるぜ……そうか、ヒロインパワーとは！　宇宙の真理とは！！」
　ヒロインというより、ヒーローの様な言葉を叫ぶラヴ。
　それにランデブーする様に善蔵が。
「レッツパーリィィィィィィィ！！！」
　と、事前に『オーラ防御』と『力溜め』で護りを固め、更に『支援要請』にて周りに僚機を召喚し、音と共にアタック。
　そんな息の合ったコンビネーションアタックに。
『あらぁぁ、綺麗な友情っ！！　いいわねぇ！！』
　と、目前のエモい行動に防御が解ける。
「一瞬虚無に取り込まれかけたが問題ねぇ、ハイパーモード起動！　さあ、本番はここからだぜウサ子！」
　とラヴは『ラヴハイパーモード』を発動した上で、ヒロインオーラを纏いて一閃。
　そして、善蔵も。
「How do you like me now！」
　とカッコ良く決めながら、音と共に『斬鐡』を放ち、彼女にかなりのダメージを与える。
　そして、仲間達の動きを静かに一歩後ろから見つめていたユウキ・スズキ。
「それにしても……なかなかいい女じゃあないか。その被り物の裏に興味が湧くな」
　……今迄の戦闘よりも、ウサギの被り物に興味を持つユウキ。
　それにナナシが。
「……まぁ、じょしこーせー、って感じの口調じゃから、万が一にも仮面の下は可愛いのかもしれぬがの」
　と冷静に突っ込み、そしてユウキは。
「まぁ、な……取りあえず」
　と拳銃を手に、発砲。
　流石に攻撃を受けていた彼女は再度バリアを貼って防御し、赤べこキャノンで反撃。
　その攻撃を敢えて喰らいながら、ユウキは。
「悪いな。俺はお前以上の絶世の美女を二人も知ってるんだ」
　と、『Remember Your Platoon…』を発動し、かつての部下を呼び寄せる。
「……正直、お前らが出てくるから、この手は使いたくなかったんだがな……」
　目を細めるユウキ、それをきょとんとしているラビットバニー。
　更にユウキが。
「お前達は、俺に死ぬなと言う……これは呪いだ……だが、それでも、お前達が俺に死ぬなと言うのなら……今は、その呪いを受け入れよう……俺に力を貸せ、Bs、s……俺は！　娘の為にも！　アイツの溜めにも！　死ぬ訳にゃ、いかねェんだよぉッ！」
　心の奥底から叫び、彼女達と共にラビットバニーを包囲する様に散開。
　その死の間際の友情の咆哮に、エモく感銘を受けたラビットバニー……そして防御が解けた所へ、ナナシの『ブレイズフレイム』が襲い掛かる。
　地獄の炎がラビットバニーを包み込む……そして、その炎の収束部に向けて、ユウキは仲間達と共に一斉射撃。
　蜂の巣にされたラビットバニーは、何処か幸せそうな表情を僅かに浮かべつつ……炎と一斉掃射の海に沈んで行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2019年05月18日