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闇に抗う光を守れ

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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「くそっ! 囲まれた!」
 領主暗殺チームのリーダーは苦々しく言葉を吐いた。
 暗い森の中、男5人が背中合わせになって円陣を組んでいる。
 周囲には、野生の狼たちが群がっている。
 群れのリーダーが咆哮した次の瞬間には、闇に抗う光が潰えようとしていた。

「大変だよっ! ダークセイヴァーの辺境の村の森で事件発生なんだよっ!」
 グリモア猟兵の蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)が慌てて猟兵たちの前に駆け寄ってきた。
 彼女はダークセイヴァーの地図を広げると、その地図の端の森に赤ペンでマルを書き入れた。
「この森で、領主を暗殺しようと試みるチームがピンチなんだよっ! このままではチームは全滅しちゃうから、君たち猟兵たちが急いで救援に向かわなくちゃいけないんだよっ!」
 ただし、幾つか注意点がある。
「この森はと~っても暗くて、視界が不明瞭なんだよね。暗殺チームは身を潜めるために敢えてここを通り過ぎようとしたようだけど、森に住み着いた野生の狼の群れに襲われちゃったんだよ……」
 つまり、彼らを助けるためには、鬱蒼と生い茂った暗い森の中を掻き分けて救援に向かわねばならない。道中は別の狼との遭遇も備えなければならないが、もたもたしている暇はない。森の中で暗殺チームの痕跡を見付けることができれば、より早く救援に間に合うだろう。
「暗殺チームの生存者は現在5人! 救援が遅れれば遅れるほど、犠牲者が増えちゃうから注意してねっ!?」
 だが、救助をしてからが本番である。暗殺計画実行のため、気づかれることなく領主の館へ忍び込む必要があるのだ。とにかく、事態は一刻を争う。
「みんな、準備はいい? あたいは転送で戦闘に参加できないけど、みんなならきっと救援に間に合うって信じてるからね!!」
 レモンのグリモアが輝き、ダークセイヴァーへの転送が始まる。
 今ここに、闇に抗う光を守る戦いが始まろうとしていた。


七転 十五起
 七転十五起(なぎてんはねおき)と申します。
 今回は絶望した世界の中で抗う人々を救出する、痛快でヒロイックなお話です。
 見事に暗殺チームを救出して、領主に対して反逆の狼煙を挙げてやりましょう。
 それでは、皆様の華麗なる救出劇プレイングをお待ちしております!!
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第1章 冒険 『レジスタンス救出』

POW   :    道中の魔獣の襲撃に備える

SPD   :    早さを活かして森を進む

WIZ   :    痕跡からレジスタンスの場所を探り当てる

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鍋島・小百合子
行動:SPD重視で森の中を急ぎ進む

ここがダークセイヴァーの世界か…話には聞いていたが薄暗く陰惨で殺伐とした世界じゃのう…
じゃがやるべき事はわらわのいた世界とそう変わらぬな

「霧の深い森じゃが駆け抜ければよかろう」
事前にたいまつを用意
仲間と森の中の情報を共有しつつ行動
暗殺チームの痕跡に繋がる有力な情報を得られたらユーベルコード「鎧装馬騎乗」発動
召喚した鎧軍馬(を伏せさせて)に仲間を一人乗せて騎乗
「揺れるぞ。しっかり捕まっておれ」
騎乗とダッシュを併用しつつ森を一気に駆け抜けて先行
立ち塞がる魔獣は範囲攻撃・なぎ払い込みにて馬の蹄で蹴り潰していく
「馬の前に立ったらどうなるかわかっておらんようじゃな!」


赭嶺・澪
【WIZ】痕跡から痕跡からレジスタンスの場所を探り当てる
技能『追跡』を利用し、レジスタンス達の痕跡を辿るわ。
まずは彼らの足跡、森に入ったのなら木や草を掻き分けて進んだ後があるはず。
道具の『暗視ゴーグル』『探知レーダー』を使用しながら、慎重に森の中を進んでいきましょう。
5人は固まって動いてるはずだから、5つ纏めてあれば多分それがそうね。

魔獣を発見した場合は技能『暗殺』『スナイパー』を利用してUC『スナイプソルジャー』で狙撃。
気づかれる前に始末しておきましょう。


アンジェリカ・クリエムヒルト
森の中で暗殺チームの痕跡を探してみましょう。
暗殺チームも闇雲に森に入った訳ではないのでしょう。おそらく、迷わないようにするための目印、方角を示す符号を何か道中に残しているのではないでしょうか。
また、足跡を隠した痕跡等も見つけたいところです。森の地図を頭に描きながら、その痕跡をたどり、法則性や彼らの心情、進行ルートを推測してみますわ。



2人の猟兵たちが森の中を駆ける。
 ひとりは赭嶺・澪(バレットレイヴン・f03071)。彼女は傭兵少女だ。追跡技能に長け、暗視ゴーグルと探知レーダーを駆使して暗殺チームの5人の痕跡を捜索していた。
 その傍らで、頭の中で森をマッピングするのはアンジェリカ・クリエムヒルト(人間のマジックナイト・f09434)だ。
「澪さん、そっちはどうですか? 何か見つかったでしょうか?」
「こっちに木や草を掻き分けて進んだ痕跡があるわ。アンジェリカは?」
「この機に矢印が描かれてますわ。恐らく、この矢印の先へ向かったのでしょう。足跡も発見しましたわ」
「それはお手柄よ。急ぎましょう」
「ええ、手遅れになる前に……!」
 2人の技能と着眼点により、素早く暗殺チームの痕跡を辿ることが出来た。
 だが、彼女たちの前に狼――この世界では魔獣と呼称される固体の群れが行く手を阻む。物陰で赭嶺は舌打ちする。
「迂闊だったわ。5つの反応があればチームの人たちだと思ったけど……」
 赭嶺の探知レーダーは動く固体を感知するのだが、それは動く魔獣でも感知する。どうやら誤って魔獣の群れとエンカウントしてしまったようだ。
「仕方がないわ。ここで狙撃する……!」
 赭嶺はユーベルコード『スナイプソルジャー』で魔獣を攻撃。
「スナイパー、レディ」
 スコープで覗くことで視認している対象をスナイパーライフルで攻撃する!
 迷わずヘッドショット!
 突然、群れの一頭が倒れたのを受け、魔獣は遠吠えを始めた。
「まずいですわ、仲間を呼ばれます!」
 このままでは彼女たちも包囲されてしまう!
 絶体絶命かと思われたその時、遠方から蹄の音が近付いてきた。
「我は呼び出す敵を踏み潰せし蹄持つ騎馬……出でよ!」
 3m弱の大きな鎧軍馬が、魔獣の群れへ突撃! 魔獣の群れはたちまち蹴り飛ばされてゆく!
「馬の前に立ったらどうなるか、わかっておらんようじゃな!」
 馬を駆るのは鍋島・小百合子(舞姫の女丈夫・f04799)、サムライエンパイアにかつてあった小国に仕えていた息女だ。
「助太刀に参ったぞ! うぬら、怪我は!?」
 2人の猟兵は無事を伝えると、鍋島は馬を翻して告げる。
「走れ! 駆け抜けるのじゃ!」
「ちょ、待って!?」
「こちらは徒歩ですのに……!?」
 赭嶺とアンジェリカは魔獣の攻撃をかわしつつ、鍋島の狩る馬の後を必死に追いかけてゆく。

 無事、危機を脱したその後も、3人は暗殺チームの痕跡を辿り続けた。
「ここがダークセイヴァーの世界か……。話には聞いていたが薄暗く陰惨で殺伐とした世界じゃのう」
 鍋島は馬上から鬱蒼と茂る森の奥を眺めていた。
(じゃがやるべき事はわらわのいた世界とそう変わらぬな)
 猟兵として動くべく、彼女は今ここにいるのだ。
 用意していた松明で周囲を照らしながら、人影を探す鍋島。
「霧の深い森じゃが駆け抜ければよかろう。あちらへ向かってみるとしよう」
「待ってください。左、左、右と何度か繰り返して進んでいますわ。でしたら、ここは左に行くべきです」
 アンジェリカは次第に暗殺チームの行動パターンを予測してゆく。それが次々と的中してゆき、遂に暗殺チームの5人の姿を視認することに成功する!
「その馬の後ろ、あたしも乗せて!」
 赭嶺の願いに鍋島が頷いた。
「よかろう。揺れるぞ? しっかり捕まっておれ!」
 鍋島が馬を操り魔獣を蹴散らせば、赭嶺は馬上から次々にスナイピングを敢行!
 一方、アンジェラは戦う術を今回用意していなかった。
 故に、2人が暴れている間に暗殺チームの5人の元へ駆け寄る。
「大丈夫ですか!? 私たちはあなた方を助けに参りましたわ!」
「おお……! 助かった! だが……!」
 リーダーのひとりが膝を付く。彼は重傷を負っていた。彼だけではない。他の4人生存こそしているが、既に両足で立てているのが不思議なくらいの深い怪我を負っていたのだ。これでは、すぐに此処を離脱することが出来ない!
 しかし、猟兵たちは彼らの元へ辿り着くことが出来た。この場を耐えれば、応援に駆け付ける猟兵たちが現れるはずだ。今は、じっと我慢するほかない……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

サリー・オーガスティン
(ジェイク(宇宙バイク)で駆けつけ)
流石に足が悪いなぁ…
等と怯んでいる場合じゃ無さそうだね。

レジスタンスの方々を付け狙う、魔獣を倒せば良いのかな?
それじゃここは、派手に行くよ!

【フルバースト・マキシマム】で、一気に広範囲を攻撃して魔獣にダメージを与えよう。
使える技能全部載せ…と言いたいけど、ここは零距離射撃と誘導弾と2回攻撃を使うよ

これでどうだ?
…ボクだけでは討ち漏らし確定だから、ここは仲間を呼べれば良いんだけど…



暗黒の森の中を爆音とともに宇宙バイクが疾走する。それに跨り、仲間の猟兵たちが見付けた暗殺チームまでの道程を辿ってゆくのはサリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)。相棒の宇宙バイクの名前はジェイクだ。
「流石に足が悪いなぁ……」
 至る所に木の根や草が生い茂るため、安定走行とはお世辞にも言い難い。だがサリーの騎乗技能と第六感が、この重力下での森の中の走破を可能にしていた。
 その目の前に現れる魔獣の群れ!
「怯んでいる場合じゃ無さそうだね。ジェイク、突破だ!」
 フルスロットルで狼の群れを突き抜け、そのまま暗殺チームの5人の前へダイブ!
「お待たせ! あとはボクに任せて!」
 サリーはジェイクを急発進させると、魔獣の群れに再び突っ込んでいった!
「使える技能全部載せ……と言いたいけど、今回はこれらを使うよ!」
 ユーベルコード『フルバースト・マキシマム』を発動!
 愛銃『Dragoon Musket』による零距離射撃と、アームドフォートによる誘導弾、そしてその2つを続けざまに二連射すれば、着弾した半径17m以内の魔獣たちが爆圧と銃弾で命を散らしていった。
「だいぶ魔獣の数は減ったけど、やっぱりボクだけじゃ討ち漏らしちゃったみたいだね……」
 未だ、負傷した暗殺チームの5人を人里へ移動させるには、魔獣の数が多い。怪我を負った5人の体力もそろそろ限界を迎えそうだ。
 事態は、猟兵たちが思っている以上に切迫していた……。

成功 🔵​🔵​🔴​

久留米・圓太郎
(樹上から)
なんか、状況悪そうだね。それじゃ、俺も高見の見物は止めておくか!
(飛び降りて)

「俺の目の前で、困ってる人がいて、困ってるのに放っておく、てのは、俺と俺の師匠の美学に反するからね(妙に自信満々に)」

じゃ、これで行くかな。
【サモニング・ガイスト】で、槍攻撃に、属性攻撃と全力魔法と投擲を乗せて、魔獣の残党を確実に落とそう!

頼むよ、君(戦士の幻影)たち。
俺の目の前で困ってる人たちをさらに困らせるマネは、したくないからね。


水心子・真峰
*WIZ
見つけた暗殺チームの足取りをたどり現場に向かうぞ
魔獣払いに手を貸そう

見つけ出し囲まれれば巫覡載霊の舞で薙ぎ払う
神霊体になり手応えの無くなったわたしは不気味であろう
数え切れぬ武士達の命を消して来た戦場の刀よ
獣の勘と鼻が利くならその恐ろしさも分かろう
大人しく自分達の巣へ帰るがいい



猟兵たちと暗殺チームの攻防を、樹上で眺めている者がひとり。
 キマイラの久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)である。
「なんか、状況悪そうだね。それじゃ、俺も高見の見物は止めておくか!」
 木から飛び降り、魔獣の群れの前に立ちはだかる久留米。
 そこへ、痕跡を辿って駆け付けた水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)とばったり遭遇。
「キミも猟兵か。味方がいるのは心強いな」
「おっと、よろしく! はやくあの人たちを助けにゆこう俺の目の前で、困ってる人がいて、困ってるのに放っておく、てのは、俺と俺の師匠の美学に反するからね」
 妙に自信満々に言い張る久留米。それに水心子はほう、と感心する。
「その心意気やよし。私でよければ、魔獣払いに手を貸そう」
「ありがとう! それじゃ、早速、俺はこれで行くかな」
 久留米はユーベルコード『サモニング・ガイスト』を発動。呼び出した古代の戦士の霊の持つ槍の穂先に全力で属性魔法を付与する。
「頼むよ、君たち。俺の目の前で困ってる人たちをさらに困らせるマネは、したくないからね」
 戦士の槍の穂先は徐々に赤熱してゆき、限界まで炎の魔力を高めた状態で魔獣の群れへ投擲!
 槍は溶岩弾めいて煙の尾を引きながら着弾すると、爆圧とともに魔獣と草木を一瞬にして灰塵へと返していった。
 水心子も周囲に群がる魔獣の群れに対してなぎなたで応戦。
「すこし数が多いか。ならば……」
 彼女はユーベルコード『巫覡載霊の舞』を発動させると、神霊体に変化!
 魔獣の爪や牙が、神霊体の水心子の身体を通過していく! 一体何が起きたのか分からぬ魔獣が右往左往しだした。
「神霊体になり、手応えの無くなったわたしは不気味であろう?」
 なぎなたから衝撃波が放たれ、群れの一部を吹き飛ばしてゆく。
「これなるは数え切れぬ武士達の命を消して来た戦場の刀よ。獣の勘と鼻が利くならその恐ろしさも分かろう。大人しく自分達の巣へ帰るがいい」
 野生の勘が、魔獣たちに危険を察知させたのか、周囲にいた群れが嘘のようにたちまち引いてゆくではないか。
 それを見届けた水心子は神霊体状態を解除した。とても強力だが、使用するたび毎秒寿命を削るという諸刃の刃、長時間の使用は避けたいところだ。
「おーい! 暗殺チームの5人は無事だ!」
 久留米は5人の安否を確認すると、水心子へ向けてぐっと親指を立てて笑顔を見せる。
 水心子もまた、それにつられて思わず微笑むのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『領主の館に潜入せよ』

POW   :    壁や屋根を破壊し潜入する。警備員を一撃で倒して入り込む。

SPD   :    鍵をこじ開けたり窓から入るなどして侵入する。

WIZ   :    召使いや奴隷として入り込む。運び込まれる物資に紛れて入り込む。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


猟兵たちとともに村に帰還した暗殺チームの5人は、助けてくれたお礼に、と涼りゅの館の見取り図を手渡した。
「俺達の代わりに、領主を倒してきてくれ。あんたたちなら、必ず領主を倒せる。頼む……!」
 そういうと、チームのリーダーは意識を手放した。それを見て、医者が慌てて駆け寄る。
「大丈夫です。気絶しているだけです。むしろ、今までよく気を失わずに歩けたのが不思議なくらいです……」
 きっと、リーダーは他の4人を守らんと限界を超えて戦っていたのだろう。
 その意思を受け付いた猟兵たちは、森の向こうの大きな領主の館を眺める。今度は君たちが館に忍び込み、領主を倒すのだ!!
アンジェリカ・クリエムヒルト
私は侍女のふりをして、館に潜入しましょう。
館を観察し、召使いや侍女の様子を観察します。
ある程度観察し、館内での立ち居振る舞いがわかったら、鎧を脱ぎこの世界の衣服に着替え、最近入ったばかりの侍女もしくは侍女見習いのふりをして、館の中に潜り込みます。
上手く潜入できると良いのですが・・・。



森を抜け、猟兵たちは領主の館に辿り着く。屋敷の周りには見回りや屈強な用心棒が辺りをウロウロと彷徨っている。これでは迂闊に近付くことが出来ない。
 アンジェリカ・クリエムヒルト(人間のマジックナイト・f09434)は遠くから館の裏口を密かに観察していた。
「なんて、酷い……」
 それは縄で拘束された女性たちが、裏口から無理矢理押し込まれている光景だった。ある者は慰み者として、またある者は奴隷として、これから館に一生囚われてしまうのだ。
「領主の暗殺もですが、彼女たちの身の安全も気掛かりです……」
 よく見ると、頻繁に女性たちが館に連れ込まれている。館から悲鳴が起きていることから、短い間に多くの女性達が犠牲になっているのだろう。
「……もしかしたら!」
 その時、アンジェリカは閃いた。あんなに頻繁に女性が館に入っているのだ。自身も紛れ込めるのではなかろうか、と。
「そうと決まれば……。恥ずかしがっている場合ではありませんね」
 彼女は鎧を脱ぎ、ダークセイヴァーにありふれたボロの婦人服を身に纏う。彼女がこの世界の知識を有していたのが功を奏した。そして、おどおどした様子で裏口に立つ。
「あ、あの……、本日よりここでお仕えすることになった者です。どうか、扉を開けてくださいませ……!」
 すると扉の中から生臭い体臭を漂わせた大男が顔を出す。
「あぁ? またかよ……。領主サマ、ここ最近、侍女を潰しすぎだろ……」
(侍女を潰す? 何を言っているのかしら、この男は?)
 アンジェリカが訝しむと、男が睨み付けてきた。
「あぁン? なんだその顔は? この場で思い知らせてもいいんだぜぇ!?」
「や、やめてください……!」
(外道めっ! あとで思い知らされるのはあなたの方よ!)
 怒りを必死に堪えつつも、アンジェリカは無傷で館の中に潜入することに成功した!
(でも、領主が大勢の女性を犠牲にして、一体何を企んでいるのでしょうか?)
 それは他の猟兵たちと連携が取れれば、何か判明するかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

赭嶺・澪
【POW】警備員を一撃で倒して入り込む。
真の姿解放。

あたしは技能『目立たない』『忍び足』と、UC『ステルスソルジャー』を使用して屋内へ忍び込むわ。
警備兵がいた場合は技能『暗殺』を利用して、気づかれてない様に近づき武器『アサルトナイフ』での暗殺。
始末した死体は見つからない様に草むらか岩陰に隠し、慎重に入り込みましょう。



赭嶺・澪(バレットレイヴン・f03071)は傭兵少女であり、猟兵である。猟兵という事は、生命の埒外の存在であるという事だ。
「ここは、真の姿を解放するわ……!」
 赭嶺の姿が変化してゆく。同時に全身に力がみなぎってゆく。
 更に彼女はユーベルコード『ステルスソルジャー』を発動!
「ステルス、レディ」
 赭嶺の身体が透明になってゆく。だが、このままでは足音を消す事が出来ない。
(だったら、忍び足で……)
 目立たないように細心の注意を払い、屋敷内へ侵入する。
(ここから館に侵入するには……)
 館の周囲を隠れながら捜索する赭嶺。透明化は毎秒疲労するため、できればすぐにでも屋敷へ忍び込みたいところだが……。
(あそこに倉庫らしきところが……。食料を運んでいるのね)
 屈強な男2人が樽を運んでいた。その内のひとりがダルそうに言い放つ。
「そろそろ休憩行ってくるから、サボんなよ」
「うっせぇよ、サボったら領主サマに殺されちまうぜ」
「それもそうだな、ハハハッ!」
 男が一人離れ、警備が手薄になる。この瞬間を赭嶺を待っていた。
 男の背後から忍び寄った彼女の手にはアサルトナイフ。それが男の首筋にあてがわれた。
「悪いけど、これも仕事なの」
 次の瞬間には、男は事切れてしまう。
 暗殺に成功した赭嶺は、倉庫の近くの草むらに男の死体を隠すと、屋敷の中へ侵入していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

久留米・圓太郎
「侍女を潰す」だぁ?
巫山戯るのも、大概にしておけよな…
(猫耳をぴくり、と動かし)

さて、俺はどうする?

まずは仲間に
「多くの女性が犠牲になっている可能性がある」
「アンジェリカが既に潜入してはいるが、多勢に無勢。いつまで持つか
解らない」
旨を知らせる

急ぎとって返して、食料を入れて居るであろう、樽の中に潜む
間違ってバレたら、【ウィザード・ミサイル】で一暴れして潜入する…が
これの出番はないに越したことはないんだけど…


サリー・オーガスティン
よし!ここは一つ、ジェイクの「最高の「咆哮」」を響かせてやるか!
(ここまで押しながら)

赭嶺さんの潜入した経路と対角線上にある入り口を、突破口にしよう

【ゴッドスピードライド】と突破タイミングは第六感、情報収集を使って図り、いざ突入!となったら追跡、騎乗操縦、ダッシュで一気に突入だ

潜入成功出来たら、後続の仲間への囮となるべく、盛大にエキゾーストノートを響かさせる!


鍋島・小百合子
行動:POW重視、引き付けによる仲間の侵入・調査の支援

先行した仲間からの報告で警備の者がウロウロしているようじゃ
ならば少し遊んでやるとしようかのう♪

屋敷周辺の森にて暗めの外蓑を着て目立たない技能を用いて隠れつつ警備を観察、移動時は忍び足も用いる
数と配置状況を把握したらスナイパー技能を併用しての長弓狙撃
騒ぎを聞き及んで警備が集まった所でユーベルコード「心火焔硝矢」発動
範囲攻撃を用いて警備を攻撃しつつこちらへ引き付け挑発、攪乱を試みる
接近戦に入ったら薙刀でなぎ払い込みで応戦、仲間が屋敷に突入する時間を稼ぐ
「わらわは侍の国より来たりし女武者・鍋島小百合子!命惜しくばついてくるがよい!」



2人の猟兵が館へ侵入したのを木の上から確認した久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)は顔をしかめていた。
「なんだって? 『侍女を潰す』だぁ? 巫山戯るのも、大概にしておけよな……」
 猫耳をぴくりと立て、聞こえてきた情報に対して静かな怒りの炎を灯していた。
「さて、俺はどうする? できればこの情報を誰かに伝えたいんだが……、む? あれは!」
 森から館の方へ向かってくる2人の猟兵の姿を久留米は確認する。
「その“じぇいく”とやら、わらわの馬とどちらが早いかのう?」
「スピード対決か。こんな時じゃなかったら、ひとっ走り付き合ってもらいたかったな」
 鍋島・小百合子とサリー・オーガスティンが並んで館へそろりそろりと接近中。サリーに至っては相棒の宇宙バイク“ジェイク”を押して移動中だ。
「よし! ここはひとつ、ジェイクの『最高の“咆哮”』を響かせてやるか!」
「といいつつ、なにゆえ此処まで押しておるのかえ?」
「森の中は悪路すぎるんだよ……。それに爆音で襲撃に気付かれるからね」
「難儀じゃのう、じぇいく殿は。ほれ、これで少しは景色に溶け込むはずじゃ」
 ジェイクに葉っぱを被せ、自身も森の木々と同系統の外套を羽織って目立たなくしようと試みる鍋島。だが、一部始終を見ていた久留米にはバレバレだった。
「よっと! お疲れ様!」
「「何故ばれた!?」」
 驚くふたりに久留米は木の上から見てたと説明した。
「既に猟兵2人が潜入している。あと、ちょっとマズイ状況だ」
 彼は『多くの女性が犠牲になっている可能性がある』ことと『猟兵の女の子2人が既に潜入しているとはいえ多勢に無勢。いつまで持つか解らない』旨を伝達。
 すると鍋島が楽しそうに口元を緩めた。
「つまり、一刻の猶予もないのじゃな? ならば館の中の警備を外に引きずり出してしまうのじゃ。少し遊んでやるとしようかのう♪」
「まさか、強行突破!?」
 久留米から驚きの言葉が飛び出た。だが鍋島は首を横に振る。
「わらわは囮役じゃ。館の内外でウロつく警備の者を一手に引き受けるゆえ、久留米殿がその隙に忍び込むのじゃ」
「俺が!?」
 再び久留米は声をひっくり返した。
「……まぁ、もとより忍び込むつもりだったからありがたいが、ひとりで大丈夫か?」
「おいおい、ボクの事を忘れないでくれないかい?」
 サリーが相棒ジェイクにいつの間にか跨っていた。
「ボクもその話に乗るよ。協力させてよ」
「決まりじゃな♪」
 にっかり笑う鍋島、自信満々のサリー相手に、久留米は自身を奮い立たせる他なかった。

「では、参ろう。サリー殿。おもいっきりやってしまって構わぬ!」
「わかったよ! いくぞ、ジェイク! ゴッドスピードライド!」
 たちまち宇宙バイクが変形! サリーはフルスロットルでスタートを切ると、何の躊躇いもなく館の正門へ突撃!
「ひ、ひぃぃぃ~!? なんだコイツ!? 変な乗り物ごと正門へ突っ込んできやがったぞ!? く、来るなぐげぇ!?
「ぎゃあああああ!?」
 ジェイクが正門を無理矢理に穴をこじ開け、その前を守っていた門番ごと轢殺してゆく!
 騒ぎを聞きつけた警備の男たちが、武器を持ってサリーに襲い掛かろうとしたが、それは飛来した矢に射抜かれて叶わなかった。
 鍋島が長弓の狙撃を行ったのだ。そのまま鍋島はユーベルコード『心火焔硝矢』を発動させる。
「我は燃やす己が胸の内にある勇炎の心……貫け!」
 彼女の心の中にある勇気を振り絞る事により、289mまでの視認している警備の男たちを、勇気の発現にて生みだした火矢で攻撃。火矢は着弾すると爆炎を立ち昇らせて周囲を灰塵へと帰してゆく!
「てめぇら! ここが領主サマのお屋敷だと知っての狼藉か!?」
「もちろんだよっ! 悔しかったら此処までおいでっ!」
 サリーはジェイクを急発進させて鍋島の元へ戻ってくる。鍋島もそれを確認するや否や、追跡してくる警備の男たちを大声で挑発する。
「やあやあ! わらわは侍の国より来たりし女武者・鍋島小百合子! 命惜しくばついてくるがよい!」
「クソがぁ!! お前ら! あいつらを殺して領主サマの前に差し出すぞ!!」
「「うおおおおおおっ!!」」
 気が付けば30人前後の集団が2人に押し寄せてくるではないか。
 そこへ狙いすましたかのように降り注ぐユーベルコード『マジックミサイル』!
 警備の男たちの浮足が立った!!
「これの出番はないに越したことはなかったんだけど……」
 久留米自身が館に侵入するためには、自らも戦場を撹乱しなければならなかった。
 だが、これで無事に久留米は館内に侵入成功。
 彼は空の樽に身を潜ませ、館の内部で領主を探す他の猟兵との合流を急いだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ゼラの死髪黒衣』

POW   :    囚われの慟哭
【憑依された少女の悲痛な慟哭】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    小さな十字架(ベル・クロス)
【呪われた大鎌】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    眷族召喚
レベル×5体の、小型の戦闘用【眷族】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は吾唐木・貫二です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


領主の館の中で猟兵たちは合流を果たし、遂に暗殺対象の待つ部屋の前に辿り着く。
 だが、何か様子がおかしい。部屋の中の人の気配が感じられない。
 様子を見ようと君は部屋の中を覗き込んだその時、目の前を鋭い鎌の刃が超高速で素通りしてゆく! ドアが真っ二つに引き裂かれた!
 慌てて飛び退いた君は、領主の正体を目の当たりにする。
 ゼラの死髪黒衣と呼ばれる少女のようなオブリビオンが、猟兵たちをぼんやりと眺めていた。このオブリビオンは、実は憑依型だ。本体は黒いローブで、少女はおそらくここに連れてこられた娘だろう。
 なるほど、『領主が侍女を潰す』とは、オブリビオンのローブが少女の生気を吸い取りきってしまう事を差すと猟兵たちは理解する。
 やむを得ないが、今、憑依されている少女は既に助からないだろう。
 ならば少女は、その黒衣ごと骸の海へと帰すまでだ。
 さぁ、猟兵たちよ! 剣を、弓を、銃を、杖を取れ!
 戦いはもう、始まっている!
久留米・圓太郎
もう少し早くに気が付いていれば
(奥歯ギリギリ&歯を剥き、八重歯見せ)

せめてもうちょっと早く、動けたら…と言っても詮無きことか
今はこれ以上の犠牲を減らす事を考えないと!

衣が正体というのなら、炎の耐性はどうかな?
【サモニング・ガイスト】に全力魔法、投擲、援護射撃、衝撃波を乗せてローブを焼く!

救えなくて、ゴメンよ!
(火力不足があるようなら、仲間と連携して倒す)


鍋島・小百合子
行動:SPD重視、眷属の対応と死髪黒衣の討伐

ここに連れてこられた者達はこやつの犠牲になったのか
理不尽に命を奪われた娘の無念を晴らさせてもらおうかの!

長弓にて後方から援護射撃を主とし前衛の支援を全うす
スナイパー技能を持って目潰しを狙い、防御が厚い場合は鎧砕き
眷属が召喚された場合はその対応を優先
範囲攻撃込みで矢を束ねて掃射
隙あらばユーベルコード「心火焔硝矢」で黒衣ごと巻き込んで攻撃
「弓の腕は落ちておらんようじゃな…我ながら天晴なり」

戦闘後屋敷内にて生き残った者を捜し村まで送り届ける
「怖かったろう?もう安心じゃ…」
今回共にしたジェイクに
「お主のばいく?とやらと勝負するのは次の機会にの」


サリー・オーガスティン
憑依された女の子は救いようがないのか
残念だけど、屍をいたぶられるのは、この娘(こ)の尊厳にも関わる

【ヴァリアブル・ウェポン】で攻撃回数優先で、ローブを焼きに入ろう!
…もし服が燃えて、犠牲となった娘(こ)の裸体は晒させるわけにはいけない。

火力は最大限で!
「…ゴメンよ!君を救えなくて!」

(ボクの憎むべき相手は、あのローブだからな。そこを間違うなよ、ボク!)



まるで幽霊を見ているかのようだ。
 目の前の少女に既に生気はほとんどなく、どうして己がこんな事態に遭っているのかすら分からぬまま黒衣に操られている。その様子に、久留米・圓太郎(自称魔法使いの一番弟子・f00447)が奥歯を噛み締め、八重歯をむき出しにして黒衣の少女を威嚇する。
「もう少し早くに気が付いていれば……! せめてもうちょっと早く、動けたら……!」
 やるせなさで胸が締め付けられる。彼はいち早く館の中の女性の危機を察知していただけに、一層責任を感じてしまっていた。だが、それはもう詮無き事だ。
「今はこれ以上の犠牲を減らす事を考えないと!」
 久留米の後を追って同行中の鍋島・小百合子(舞姫の女丈夫・f04799)も怒りに声を震わせていた。
「ここに連れてこられた者達はこやつの犠牲になったのか。理不尽に命を奪われた娘の無念を晴らさせてもらおうかの!」
「なんてことだ。憑依された女の子は救いようがないのか……!」
 サリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)もまた、目の前のオブリビオンの邪悪さを、猟兵の直感で理解する。
「残念だけど、屍をいたぶられるのは、この娘(こ)の尊厳にも関わる。行こう。ここで悲劇を止めよう!」
 先制はサリーだ。ユーベルコード『ヴァリアブル・ウェポン』で攻撃の手数を強化!
「もし服が燃えて、犠牲となった娘(こ)の裸体は晒させるわけにはいけない。だから……」
 サリーの腕から出現した銃火器の砲口が黒衣に向けられ、一気にフルバースト!
「最初っから最大火力だ! ……ゴメンよ! 君を救えなくて!」
 銃弾の嵐が、領主の部屋の中で猛威を振るう! 黒衣の少女は銃弾の雨に晒され、部屋の内装ごと吹き飛んでゆく!
(ボクの憎むべき相手は、あのローブだからな。そこを間違うなよ、ボク!)
 自身に言い聞かせつつ、なおもローブを焼き払おうと銃撃をやめないサリー。だが、黒衣はいまだ健在。そして、憑依された少女が口を開いた途端――!
「痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!」
 それは呪詛めいた少女の悲痛な慟哭だった。ただの声ならば精神面を苛むだけで済むが、これはれっきとした敵のユーベルコード! 半径40m内の敵へ放たれる無差別高威力攻撃!
「ぐっ、あっ、が……!?」
 対策を講じてなかったサリーが耳を塞ぎ、膝を付いてしまう。久留米も鍋島も巻き添えを食らい、3人とも苦しそうに悶えていた。
「くっ、ならこれでどうだ!?」
 久留米は『サモニング・ガイスト』で古代の戦士の霊を呼び出した。戦士の霊は所持している槍の穂先に炎を纏わせ、黒衣ヘ向けて投擲! 赤熱した槍が、操られた少女ごと黒衣を貫く! 延焼する黒衣! 止まる慟哭!
「よし、止まったよ! ……救えなくて、ゴメンよ!」
 倒した、と久留米は思った矢先、黒衣の影から小型の何かが彼に向って飛来!
「痛っ!? なんだ? 何かが飛んできたぞ!?」
「久留米殿、あれを見るのじゃ!」
 鍋島が指差した空間に、小さなコウモリが飛び交っていた。その数、およそ200体!
「眷属を召喚したのか! てか、こんな狭いところで大量に召喚されたら……!」
「来るぞ! みな、身を護るのじゃ!」
 眷属の塊が猟兵たちを襲う! 幸い、眷属1体あたりの耐久力は皆無に等しい。武器を振るうだけで払い除けられるのだが、領主の部屋の中という閉所戦闘では鬱陶しいことこの上ない攻撃方法だ。
「ならば、これでどうじゃ!」
 鍋島は一度に3本の矢を束ねて眷属の群れに放った! 矢に射抜かれた眷属たちが次々に床に墜落してゆく! 何度か矢を射かけているうちに、黒衣が何もせずに棒立ちになっていることに鍋島は気が付く。
「隙ありじゃ! 我は燃やす己が胸の内にある勇炎の心……貫け!」
 ユーベルコード『心火焔硝矢』が、眷属ごと黒衣を火柱の中へ飲み込んでゆく! 領主の部屋の壁は吹き飛び、黒衣の少女も猟兵たちも爆圧で館の外へ吹き飛ばされた!
「けほっけほっ! 弓の腕は落ちておらんようじゃな……。我ながら天晴なり。じゃが、ちょっとやりすぎじゃった、か……?」
 鍋島が顔を上げた目の前に、黒衣の少女が振り下ろす大鎌の刃が迫っていた!
「ぬっ!? いつの間に!?」
 咄嗟に鍋島は懐に忍ばせていた小太刀を抜き払い、ギリギリのところで大鎌の一撃を受け止めた! 奇しくも、鍋島の父の形見が彼女の命を救ったのだった。鍋島は黒衣の少女を蹴り飛ばして、その場から離脱。
「こやつ、強い……! みな、無事か!?」
「あ、ああ、俺は大丈夫だよ。流石にボス級オブリビオン。そう簡単に倒れてくれないね……」
「くっ! まだボクたちは届かないのか!」
 悔しそうに歯噛みする3人は、他の猟兵たちの援軍を確認すると、体勢を立て直す事にした。戦闘の舞台は、館の中から屋外へ移行。戦況は刻々と変化していた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

アネット・レインフォール
◆心情
憑依系とはまた厄介な能力だな。
少女に剣を向けるのはいかがなものかと思うが…せめて安らかに旅立てるよう俺も力を貸そう。

◆行動
【POW】霽月一刀で攻撃
※連携等は他と合わせる

序盤は慎重に【生命力吸収】を交えて長期戦を視野に入れて体力を削ろう。
この間に敵のモーションを頭に叩き込み、他へ情報共有を。

葬剣を鋼糸にし、張り巡らせ足場としつつ変則的に【空中戦/フェイント】を仕掛けよう。
常に移動することで敵の攻撃の対策とするが、近距離であれば【カウンター/見切り】も狙う。
基本は【2回攻撃/串刺し/鎧無視攻撃】を一刀一撃に乗せるが、
眷属には【衝撃波/なぎ払い/範囲攻撃】で一掃してみよう。


アンジェリカ・クリエムヒルト
侍女のふりをして潜入してから、私は真実を見てしまいました。
侍女を潰す、女性を慰み者にする、到底許すことはできません。
領主を倒し、この館に囚われた女性達を救出する決意を固めます。
真の姿を開放し、ユーベルコード「ウィザード・ミサイル」を使いますわ。
「aria,whis,plea,desire・・・」呪文を詠唱し、襲い掛かる眷属を炎の矢で撃ち落とすとともに、領主にも四方八方から多彩な軌道で攻撃させます。
人間の、女の恨みを思い知りなさい。



領主の館が爆発したのを目撃したアネット・レインフォール(剣の家庭教師・f01254)は、自分たちが倒すべき敵の特性を瞬時に猟兵の勘で理解する。
(なるほど、憑依系とはまた厄介な能力だな)
 アネットは幾つもの剣を扱う剣豪だ。その戦況に最適な刀剣を瞬時に判断して選び取り、悪を斬るのだ。
(少女に剣を向けるのはいかがなものかと思うが……、せめて安らかに旅立てるよう俺も力を貸そう)
 いざ、と斬り掛からんとしたその時だった。
「aria,whis,plea,desire……」
 館の方から、黒衣へ向けて飛来する90本もの炎の矢! その数本が黒衣を焦がした!
 黒衣はすかさず200体の眷属を召喚し、矢が飛来する方角へ放つ。だが炎の矢は眷属たちをまとめて貫き、なおも勢い衰えずに黒衣へ殺到! 紅蓮の矢が周囲を焼き焦がす!
「侍女のふりをして潜入してから、私は真実を見てしまいました。侍女を潰す、女性を慰み者にする、到底許すことはできません」
 焼け焦げた大地を踏み締め、黒衣に歩み寄る者がいた。
 アンジェリカ・クリエムヒルト(純白の魔法剣士・f09434)。いや、いまはアンジェリカだったモノと呼称すべきだろう。
 その姿は、元の彼女の姿ではなかった。猟兵たちの真の姿……。生命の埒外の存在を解放した瞬間だ。
「人間の、女の恨みを思い知りなさい!」
 今一度、ユーベルコード『ウィザード・ミサイル』を発動! 360度オールレンジ攻撃で黒衣を狙う! 勿論、黒衣も再度200体の眷属を召喚し、これら盾に被害を最小限に留めようと画策する。
 だが、黒衣の思惑はアネットによって阻止される。
「助太刀する! まずは眷属を叩けばいいのだな?」
「ありがとうございます! って、おや? これは……?」
 アンジェリカが目を凝らすと、自分たちの周囲に鋼糸が周囲の木々へ張り巡らされている事に気が付く。
「葬剣【逢魔ガ刻】の変形機構がひとつ、鋼糸だ。この一帯全てが俺の剣だ!」
 アネットはなんと鋼糸の上に乗ると、その上を移動しながら覇剣【洸燐蒼刃】をもってして眷属へ衝撃波を放つ! ごく弱い衝撃波ではあるが、範囲攻撃技能と薙ぎ払いの要領で何度も剣を振るって眷属の数を減らしてゆく。空中戦の心得がある彼は、眷属の攻撃もフェイントで回避し、カウンターで更に数を削ってゆく。鋼糸の間を飛び交う姿に眷属たちも対応しきれていない。
 アンジェリカも何度もマジックミサイルを発動させ、黒衣を少しずつ焦がしていった。その炎の矢の束が、黒衣の右腕に直撃! 動きが鈍った!
「今だ!」
 アネット、必殺の一撃の構え!
「其は一にして始まりの剣――。霽月一刀(せいげついっとう)!」
 眷属をかわしたアネットの先には、黒衣の少女。狙うは焦げ付いた右腕!
 斬ッ!!
 黒衣ごと少女の腕が刎ね飛んだ!
 だが、すぐにアンジェリカが警告を促した。館の中にいた彼女は、先程の攻撃を知っている!
「早く逃げてください! 攻撃が来ます!」
「なにっ!?」
 腕を落とされた少女の顔が、たちまち悲痛に歪んでゆく!
「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ーッッッ!」
 およそ言語化できない呪詛の慟哭が、アネットとアンジェリカを襲う!
 至近距離で直撃したアネットは、カウンターで一太刀浴びせてから命からがら鋼糸を伝ってその場を離脱。生命力吸収の技能がなかったら、彼は一撃でダウンしていただろう。
 真の姿を晒したアンジェリカも、今のままでは攻め手に欠けると判断して一時退避せざるを得ない。
 戦況は、着実に猟兵たちが押している。だが、敵の技の対策を行わない限り、トドメを刺すことが出来ないと理解する。
 猟兵たちは、次の策を練ることを強いられていた。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

鍋島・小百合子
行動:POW重視、死髪黒衣の討伐

そう易々と倒させてはくれぬか…
なにより犠牲となった娘の叫びが嫌でも耳に入ってしまう
ならば…

屋敷外にて耳栓できそうな物を探し耳に詰めて慟哭への対策を講ず
その後攻撃に転じ薙刀での近接戦を試み
残像を用いて攪乱しつつ、鎧砕きとなぎ払い込みで黒衣の懐を切り裂く
眷属はなぎ払いに加え範囲攻撃も併用して掃討
黒衣からの近接攻撃は薙刀で武器受け
一つ一つの攻撃に鎮魂の意を込める
「辛かったろう?だがもう終わりじゃ…」

攻撃を受け続け自身が瀕死になってきたらユーベルコード「亡霊召喚法」を発動
召喚した女武者亡霊と共に連携攻撃で畳みかける
「戦友よ。かの者の無念を取り祓うのに協力してたもれ」


赭嶺・澪
真の姿解放
外見は特に変化なし。

あたしは技能『2回攻撃』、攻撃回数重視にしたUC『アサルトブラスター』で対応ね。
銃の利点を生かすために敵との距離は取るけど、相手のスキルはどれもこれも厄介ね。
近づかれた場合は技能『2回攻撃』『零距離射撃』、攻撃力重視にしたUC『アサルトブラスター』と、武器『アサルトナイフ』で対応しましょう。

大体の攻撃は距離を取ればいいけど、『眷属召喚』は厄介ね。
手持ちの武器『Mvf20』『SOM Mk-25』で対応ね。


祝聖嬢・ティファーナ
サリーさん(f02199)にお呼ばれしたので「何かな?☆」と来てみました☆
戦闘では『エレメンタル・ファンタジア』で敵を妨害したり、誰かがダメージや攻撃を受けたら『生まれながらの光』『シンフォニック・キュア』で治療や治癒をします☆
相手や敵を倒すよりも、追い払って味方を守り癒す事を優先します♪

マリーさんなど知り合いから他のイェーガーさんと守り治して行きます☆
自分に攻撃が集中して来たら、『クリスタニア』で透明化して攻撃を避けます☆


水心子・真峰
ではその慟哭を封じよう
錬成カミヤドリで複製した太刀を少女の喉を狙って次々と突き刺してゆく
仲間が戦っている時かユーベルコードを放つ瞬間の隙を狙って放とう

少女の位置を確認し近付かんように距離を保つ
反撃が来れば複製太刀を放って軌道を逸らす

斬首、というのも難しい技だ
人体の大事な部分だからなかなか斬り落とせないのだ
だから容赦無く放とう

あくまで少女は人間だ
首は落とさず人の形のままその尊厳を守る
黒衣は躯の海へ帰るがいい



態勢を立て直すために後退した鍋島・小百合子(舞姫の女丈夫・f04799)は、黒衣の少女と距離を置きながら思案に暮れていた。
「そう易々と倒させてはくれぬか……。なにより犠牲となった娘の叫びが嫌でも耳に入ってしまう」
 敵のユーベルコード『囚われの慟哭』が猛威を振るうため、猟兵たちは攻めあぐねていた。無差別攻撃とは、かくも恐ろしいものなのか。
「ならば、耳栓になるようなものがあればよいのじゃが……」
 鍋島が後退しつつ木蔭で身を潜めると、根元に小さな木の実が幾つも転がっていた。ドングリのような形状の木の実は、耳の穴に充てると鍋島の耳の穴にすっぽりとハマった。完全とは言えぬが、かなり周囲の音を遮断することが出来るかもしれない。
「ならばいざゆかん! いやーっ!!」
 気合の掛け声とともに、鍋島は薙刀での近接戦を試みる。
 ユーベルコードを使用しない白兵戦、黒衣も片腕ながら大鎌を巧みに操り応戦!
「甘い!」
 だが鍋島は既に一度斬り結んでいる相手だ。しかも片腕ならば、隙が大きくなる。それを見越して鍋島は残像で黒衣を撹乱。
「これでどうじゃ!」
 なぎなたの刃を力強く払えば、黒衣は一気に深々と切り刻まれた!
 黒衣は危機を察知した。故に少女の身体を操り、慟哭での無差別攻撃の予備動作に入る!
「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
 耳栓で声自体は遮断することが出来た。だが鍋島の全身に爆圧めいた衝撃が、体の内部に反響して内臓を圧迫する! これは、空気振動! 衝撃波の如き空気の波が、鍋島の全身を強打する!
(これで耳栓をしてなかったら……!)
 一瞬にして意識を刈り取られていたであろう。
 鍋島は反撃でもう一太刀を浴びせるが、間近で音の圧に殴られ続けている彼女の身体の内部は深刻なダメージを被っていた。
「ごふっ!? い、いかんな……!」
 鍋島、血を吐いた! このままでは命の危機!
 その時、屋敷から黒衣へ向けて銃声が轟く!
「モードチェンジ。鍋島さん、!はやく離れてください!」
 真の姿(といっても外見の変化はない)を晒した赭嶺・澪(バレットレイヴン・f03071)の可変型サブマシンガンの銃口が火を噴く! ユーベルコード『アサルトブラスター』だ!
「かたじけない……!」
 鍋島はすぐさま同国の射程外へ逃れてゆく。黒衣は蜂の巣になりながらも、なおも少女に慟哭を強いてゆく。
「くっ……! 相手のスキルはどれもこれも厄介ね。この距離でもクラクラしてくるわ」
 銃の利点を生かすため、黒衣と距離を取る赭嶺。だが黒衣の慟哭は止む気配がない。このままでは猟兵たちはジリ貧。いや、先に倒れてしまう!
「せめて、この場に衛生兵(メディック)がいればいいのだけど……」
 銃撃を断続的に行いつつボヤく赭嶺。だが、この場に猟兵は2人しかおらず……。
「お呼びですか?☆」
 赭嶺の顔の真横、身長20cm強のフェアリーの姿があった。その姿は光り輝いていた。聖者の……フェアリー!
「お友達の救援の声に呼ばれて、何かな?☆と思ってやってきました! ボク、祝聖嬢・ティファーナ(フェアリーの聖者×精霊術士【聖霊術士】・f02580)だよ☆」
 ここで援軍だ! しかも聖者! これで体力を回復できる!
「猟兵の赭嶺・澪よ。早速だけど、かなり深刻なダメージを被ってるの。治療をお願いするわ」
「お安い御用だよ☆」
 祝聖嬢はユーベルコードの『生まれながらの光』と『シンフォニック・キュア』を併用。
「詠唱……、祝詞……、聖歌……。祈りに旋律の生命を!」
 全身を輝かせながら赭嶺の顔の真横で歌う祝聖嬢。それを間近で聞いていた赭嶺の顔色が次第に良くなってきた。
「ありがとう、祝聖嬢さん。……気を付けて。敵は眷属を放ってくるわ!」
 手持ちの武器『Mvf20』『SOM Mk-25』を、空に広がり舞い踊る眷属のコウモリへ向けて乱射! その群れを次々に撃ち落としてゆく!
「祝聖嬢さんも応戦を……って、どこ行ったのっ?」
 祝聖嬢は戦闘を察知して、全身が透明になるユーベルコード『クリスタライズ』を発動して、攻撃対象にならぬように周囲の景色と溶け込んでいた。
「安心して☆ いつでも治療が可能だからね☆」
「分かったわ。だったら、少し無茶が出来そうね!」
 眷属に向けて銃の乱射をしながら、ガラ空きになった黒衣自体へ、片方の銃を向ける。すると、今日何度目かの慟哭が戦場に響き渡る!
 ……かと、思われた矢先、飛来してきた一振りの刀が黒衣の少女の首元に突き刺さった!
「ならば、その慟哭を封じよう」
 押っ取り刀で駆けつけてきたのは、ヤドリガミの水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)!
 ユーベルコード『錬成カミヤドリ』と黒衣の相性はお世辞にも良いとは言えないのだが、水心子が敵の攻撃の直前を狙って奇襲を仕掛けたことが功を奏した。首に突き刺さった太刀のおかげで、喉に血が流れ込んで発生を阻害したのだ。
 水心子は告げる。
「斬首、というのは難しい技だ。人体の大事な部分だからなかなか斬り落とせないのだ。だから容赦無く――」
 15本の太刀の複製品が、黒衣の周りを取り囲んだ。そして水心子が物陰から手をおろすと、一斉に15本の太刀が、黒衣の少女の首元に殺到!!!
「キミの喉笛目掛けて放ってくれよう」
 降り注ぐ太刀の雨! それを片手一本で大鎌を振り回して払い除ける黒衣! それでも残り3分の1の5本の太刀が、少女の喉笛を貫いた! これで声を出すことはかなわなくなった少女。その顔に、涙と、笑みがこぼれた。
 もう、終わりにしてください。そういわんばかりに、操られいる少女が微笑む。
 瀕死の鍋島は、自身の手で終止符を打つべく、必殺技を放つ!
「我と共に戦うは先に散った戦友達……、出でよ!」
 ユーベルコード『亡霊召喚法(シシテナオモチュウヲツクセシモノタチ)』発動!
 召喚された女武者の亡霊がなぎなたを手に取る。
「戦友よ。かの者の無念を取り祓うのに協力してたもれ」
 女武者の亡霊は無言で頷くと、鍋島とともに黒衣へ向けて突撃、なぎなたを振り上げる!
「辛かったろう? だがもう終わりじゃ……」
 2本のなぎなたの斬撃が、黒衣を切り刻み、少女からはらりと地へ落ちた。
 すると憑依が解けた少女は血を吐いて前のめりになって昏倒。残った蠢く黒衣の残骸を、鍋島のなぎなたと水心子の刀剣、更に赭嶺の銃撃が跡形もなく破壊した。
 ようやく、猟兵たちは邪悪な黒衣のオブリビオンに勝利したのだ!

 戦闘終了後、水心子は少女の遺骸を手厚く葬った。
「あくまで少女は人間だ。首は落とさず人の形のままその尊厳を守るべきだ」
 彼女は祝聖嬢とともに手を合わせて冥福を祈った。
 鍋島と赭嶺は屋敷に戻り、囚われた女性たちを全て救出できた。これで、もう犠牲者は出ることがなくなった。猟兵たちの活躍は、女性たちが戻った小さな村で語り継がれることとなる。

 ――この世界は未だ暗闇の中。
 ――だが、その中でも、ちっぽけな光を守り抜かんとする者たちがいた。
 ――私たちは、彼らを、彼女らに感謝し、決して忘れることはないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月06日


挿絵イラスト