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バトルオブフラワーズ⑩〜無敵を崩すは感動の瞬間

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー

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「皆さま、システム・フラワーズへの侵攻、お疲れさまです」
 大神・狼煙(コーヒー味・f06108)は指を鳴らすと、虚空に兎頭の怪人の姿を写す。
「現在、部隊はこの怪人、ラビットバニーに足止めされており、早期の撃破が求められています。普段動かない私にも声がかかるあたり、相当な敵のようですね……」
 日頃グリモアとは無縁の狼煙はため息を零し、猟兵達に視線を向けた。
「ラビットバニーはユーベルコードの射程に入ると同時に、先制攻撃を仕掛けてきます。厄介なのはこちらに対してかならず先手を取る反応速度より、ユーベルコードの攻撃と同時に展開される障壁の方かもしれません」
 絶対無敵バリア。その名を既に聴いている猟兵も少なくないだろう。
「あらゆる攻撃を無効にするこの障壁ですが、維持するのに相応の負荷がかかるらしく、彼女の精神に揺さぶりをかけることができれば、一時的とは言え引き剥がすことができます」
 つまり、狼煙はそう前置きして。
「まずは彼女を何らかの形で感動させて集中力を奪い、その隙に最大火力の一撃を叩きこむ必要があるのです」
 揺さぶりをかけ、一気に仕留める。口にするのは簡単だが、ラビットバニーは仮にバリアを剥したとしても強力な相手であることに変わりはない。この戦闘は熾烈を極める物になるだろう。
「それでは皆さま、覚悟と装備はよろしいですか?……まぁ、時間的猶予はありませんから、できてなくても転送するんですけどね」
 猟兵達が何か言う前に、問答無用で転送する狼煙なのだった。


久澄零太
やっふぉい、久澄です

戦争シナリオだと思ったら、決戦シナリオみたいな事になってた……

以下、このシナリオにおける注意点です

ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。

絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。

ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。


それでは皆さま、腹を括った方から戦場へどうぞ
(訳:難易度難しいだから覚悟するといいよ☆)
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第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:和狸56

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

白皇・尊
妻の鉋(f01859)と共闘

「」

☆エモ戦術
「今日のお弁当は何ですか?」
まずはエモさを演出するのお弁当タイム、僕はシートを広げたりしながら密かに『オーラ防御・かばう・拠点防御』の力により【物理、術、呪いなどあらゆる攻撃から身を守る強固な防御結界を張る符術《守護法陣》】を展開して自身と鉋に守護結界を付与、守りを固めます。
「アーン♡」
そして鉋のお弁当をアーンしてもらい、エモさを発揮したらすかさず『ハッキング』を仕掛けてシステムフラワーズの制御を取り戻し足場を正常化した上で『全力魔法』の【フォックスファイア】で攻撃、鉋を援護します。
「僕らの愛の攻撃、受けてみなさい!」
エモさも忘れずに♪

※アドリブ歓迎


喰龍・鉋
旦那の尊(f12369)と共闘*アドリブ歓迎
旦那と手を取り合いながら登場するよ
「今日は尊の大好きな油揚げとお稲荷さんかな」
ボクは【鎧INARI】を防御重視でさり気なく装着していきながら
尊をかばう様にして、背を向けつつ、
急に始まった夫婦劇の全体を敢えて見せないようにして相手の気を引くよ
尊が大事なことをしてる最中だから、尊の邪魔はさせないようにしなきゃね
あーんと口を開けてる尊の中にいなり寿司を放り込んだり、
ほっぺたに付いたご飯粒を取ってあげたりしつつ、
尊の準備が整ったらキスかハグかどちらかで夫婦劇を締めくくって
それを合図に、尊の攻撃と同時に飛び出して力の限りの一撃を食らわすよ!!



「今日のお弁当は何ですか?」
「尊の大好きな油揚げとお稲荷さんかな」
 手を繋いでやって来た二人は適当な所を見繕うと、白皇・尊(魔性の仙狐・f12369)がレジャーシートを、喰龍・鉋(楽天家の呪われた黒騎士・f01859)が二人用の小さな重箱を広げる。電子めいた花畑の中で、鉋が稲荷寿司を手に取り、尊の口元へ。
「はい、あーん?」
「アーン」
 差し出された稲荷寿司を食べようと口を開いた尊だったが、鉋はその口の中へ稲荷寿司をドーン!あ、違う。ズボッ!!
「んー!?」
 急に口の奥まで稲荷寿司を放り込まれた尊が慌ててワタワタ、鉋はクスクスと笑いながら水筒を差し出して。
「ごめんね、ちょっと悪戯したくなっちゃった」
「急にされたらビックリするじゃないですか……」
 半眼で視線を返す尊へ、鉋は油揚げをくるりと巻いて、煮込んだ物を差し出し……。
「あーし、何見せられてんの?てか、リムられてね?」
 まぁ、そうよね。ラビットバニーもわけわかんないよね。戦場に着くなりお弁当広げてる連中が湧いたらそういう顔……あ、被り物してて表情一つしかなかった。
「とりま、リア充は爆破しとけば問題ないっしょ!」
 紫色した赤べこという、存在が矛盾した砲塔を向けた怪人に対し、殺気だけで照準を向けられたと察した尊は袖の陰から一枚の札を飛ばす。
 直後、着弾した砲撃は朦々と爆煙を上げ、埋め尽くされた視界の向こうを見やるべく、ラビットバニーが片手を額に添えて見守っていると。
「この稲荷寿司美味しいですね……」
「えへへ……尊の為に、ちょっといつもより時間をかけて作ってみたんだ……」
「デジマ!?」
 傷一つついていない夫婦の食事風景に怪人もビックリ。多分、ヘルメット?の下では目を見開いてるんじゃないかな。
「あ、尊、ご飯粒ついてるよ」
「え、どこですか?」
「とってあげる」

 ――チュッ。

「!?」
 不意打ちの口づけに尊はバッと鉋から離れ、柔らかな刺激が残る頬をそっと撫でる。一方鉋は悪戯っぽく舌を出し、その上には確かに尊の頬にあったのであろう一粒の米。
「びっくり……した?」
 小首を傾げる鉋に、尊はほんのり頬を染めた。例え女性経験豊富であろうと、ただ一人と決めた妻からの一撃には弱かったのかもしれない。
「ちょ、何見せつけてくれてんの?そーゆーのヨソでやって欲しいんですけど!」
 両手で顔を隠してソッポを向いたラビットバニー。チラッと、指の隙間から視線を飛ばした彼女が次に見たのは、線が細くも急所に装甲を集中させた白い鎧。
(符術に結界と陣まで組み合わせた守護法陣が一撃で消し飛ぶとか、どんな威力してるんですか……)
 怪人の先制攻撃をモロにもらった猟兵が何もせず無傷なわけがない。三つの術を組み合わせ、初撃をどうにか凌いだ尊は額に脂汗を浮かべながら。
「鉋!」
「任せて!!」
「ちょ、これヤバくね!?でもあーしにはバリアが……って解けてんじゃん!?」
 距離を詰められたと理解したラビットバニーが咄嗟に両手を広げ、指先に光を灯すが、光が鉋を穿つ前に無数の狐火がその手を打ち上げる。
「僕らの愛の攻撃、受けてみなさい!」
 活路を開いた尊に見送られるように、鉋はその身を包む白き鎧と対照的に黒く、禍々しい剣を振りかざし。
「ボクと、尊の、一撃ーッ!!」
 耳に挟まれる形で叩き落とされた、脳天を破砕せんとする一撃がラビットバニーの体を揺らす。だが……。
「浅い……!」
 仕留め損ねたと察し、尊は鉋を抱き寄せ跳び退る。距離を取り、体勢を整えようとするが、その足場が乱雑に飛び回り、身動きが取れなくなってしまう。
「あーしに一発あてるとか、いー度胸してんじゃん……」
 再び絶対無敵バリアを纏ったラビットバニーの恨みがましい視線が、二人に注がれていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

セプテンバー・トリル
【ガイドロッド】を掲げて【ナックルダンパー】を通常召喚!
まずはこれで敵の先制攻撃を防ぐ盾としますわ。
これぞ私のゼネコン召喚魔法!そしてここからが本番ですわ。

【POW】連携・アドリブ歓迎
さあ、ナックルダンパー!UCで【重機神ナガツキ】へと合体変形しますわよ!
人を護るは剛拳無双、正義と勇気の屋根と成る!重機神ナガツキ・Kd(ナックルダンパー)!ここに見参!

【全力魔法】と【オーラ防御】で防御を固めつつ、【怪力】【グラップル】【ダッシュ】を駆使して格闘戦に持ち込みます。
当たれば【吹き飛ばし】確定のこの拳、受けてみなさい!

うふふふ…どうです?エモく…燃える戦いでしたか?…ふみゅぅ(魔力切れで気絶)



「まじムカ着火、炎上待ったなしだし!」
 バリアの向こうから、パープルべコ的なサムシングからの長距離砲撃が飛んで来るが、セプテンバー・トリル(ゼネコンのお姫様・f16535)は慌てず騒がず、赤い誘導灯のようなものを振るう。すると、迫りくる砲撃がセプテンバーの身を吹き飛ばさんとするその瞬間、急制動をかけて車体を横滑りさせるダンプトラックが突っ込んできて、彼女の前に立ちはだかり身代わりに。
「これぞ私のゼネコン召喚魔法!そしてここからが本番ですわ」
 爆炎を上げてセプテンバーの後方へ吹っ飛ばされたダンプトラック。未だその車体がひしゃげてすらいない辺り、それはただの車両ではないのだろう。
「さあ、ナックルダンパー!合体変形しますわよ!」
 横倒しになった車体が何か応えるわけもないが、セプテンバーは誘導灯を腰に納めると、両手を上に掲げた。
「シンクロ・ユニオン!Code:ナガツキ!」
『声紋認証・コードナガツキ・承認』
 電子音が響くとダンプトラックはバラバラに分解され、セプテンバーの周囲を回転浮遊する。
 キャビンは左右に分離して巨大な拳となるとセプテンバーの両腕にジョイント。フロントガラスだった部位が降りてナックルガードに。二つの鉄拳をもって彼女が地面を叩き、飛び上がればエアデフレクターが彼女の上半身を包む鎧となり、トレーラーだった部位は左右に割れ、更に四枚の板に分かれるとセプテンバーの腰回りに装着され、下半身を守るドレスアーマーへ。燃料タンクを抱えた荷台部分は太腿、サイドガードは脛を守る脚甲になり、残った四つのタイヤは歯車のように背中で組み合わされて。
「人を護るは剛拳無双……」
 拳を打ちあわせ、コアになっているセプテンバーは閉じていた瞳をゆっくりと開く。
「正義と勇気の屋根と成る!」
 片脚を引き、拳を構え、真っ直ぐに敵を見据えた。先ほどまで穏やかだった彼女の眼は、決意に染まって。
「重機神ナガツキ・ナックルダンパー!ここに見参!!」
「うわ何あれ暑苦しすぎ……」
 口ではそういうラビットバニーであるが、見てる。思いっきり見てる。めっちゃセプテンバーを見てる。
「いーきー……」
 バリアの消滅を確認したセプテンバーは拳を引いて、エンジンから唸りをあげた。
「ますわよー!!」
 脚部のマフラーから轟音と爆煙を上げて急接近。重厚な外観とは裏腹に、高速移動で瞬く間に距離を詰めたセプテンバー。
「ちょ、はやっ!?」
「てりゃぁああああ!!」
 咄嗟に紫べコで拳を防いだ怪人だったが、続く二発目でセプテンバーはそのガードの上から敵に掴みかかり、握り込むと地面に一度、二度、叩きつけて三度目に投げ飛ばす。
「当たれば吹き飛び確定のこの拳、受けてみなさい!」
 マフラーの爆煙をフロート代わりに追撃、距離を詰めるセプテンバーの背面でタイヤが回転し始め、ギアのように互いを加速させて生まれた動力は肩を伝い、拳へ集中。
「必殺!」
 最後に大きく爆『炎』を吹き上げて、目前にターゲットを捉えたセプテンバー。再度、その拳を握り直して。
「ダンプナックル!!」
 積載物を降下する如く振り下ろす、打ち降ろしの一撃。叩き潰した敵を貫通した衝撃が花の足場を打ち砕き、下方の足場へと突き落とす。
「……ふみゅぅ」
 同時、セプテンバーの装甲が瓦解する。一人の猟兵が出すには十分すぎる成果を出した彼女だが、同時にその身に降りかかる反動も桁が違う。魔力の枯渇に、過剰な疲労。力尽きた彼女はその場に倒れ込み、意識を手放した……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
メルヘンワールド全開。絵本風に展開早くなるのはしゃーない。
暗雲が立ち込め花々は枯れ悪い魔女(アリス)が姫(怪人)を浚おうとしたその時、雲間から一筋の光ーエンジェルラダーーが差し込み悪しき魔女を滅ぼした。
天使達が高らかにラッパを吹きならせば暗雲は晴れ花々も息を吹き返す。
エンジェルラダーから光の階段が降り来たりて、そこをワンダーラビット(メルヘンパワーで動くぬいぐるみ装備参照)が歩み、姫の前に跪く。
『おお麗しき姫よ、どうか私とドリームランドへと来て頂けますか』
姫を助けた王子がそのままプロポーズとかメルヘンあるあるよね。
まぁ、夢の国=天国=躯の海なわけですが。正に天国への階段、いや、ラダーは梯子か。



「苦しく狂った現実ならば♪楽しく狂った妄想に♪上書きしましょう♪そうしま」
 チュドーン!!盛大な出オチをかましたアリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)。彼女は紫色の赤べこというカオスの権化の犠牲になったのだ……。
「ユーベルコードの速度であーしに勝てるわけないっしょ」
 なんかする前に速攻で消されたアリス。しかし、この程度で本当に消し炭になる程甘い輩じゃないのがこの女である。
「あれ……?」
 ラビットバニーが辺りを見回す。気づけばそこは、システム・フラワーズではなく本物の花畑。だが、晴れ渡る青空に暗雲が立ち込めると、落とされた影に侵されるように、花々が枯れていく……。
「かわいいかわいい兎さん、私と一緒に真なる夜の赤き月に……」
 ピシャーン!!先程撃破されたはずのアリスが何故か生きていて、ラビットバニーに触手めいた魔力をウニュらせながら迫らんとすると、雲の切れ間から一筋の光【エンジェルラダー】が差して魔女……アリスを滅ぼした。
 夜の具現、黒き魔女が滅した事で暗雲は晴れ、天より天使が舞い降りラッパを吹き鳴らせば、そよ風と共に響き渡る音色は花々に新たな命を吹き込んでいく……。
「なんと美しい兎だろう」
 感嘆の声を漏らし、エンジェルラダーを一羽の兎が降りてくる。赤い蝶ネクタイにタキシードを身に纏い、片眼鏡をかけた紳士然りとした兎は、シルクハットを胸に添えて恭しくこうべを垂れると跪く。
「おお麗しき姫よ、どうか私とドリームランドへと来て頂けますか」
 そっと差し出される手を、ラビットバニーは見つめて、首を傾げた。
「あーし、姫とかそーゆーキャラじゃないんですけど」
 いうや否や、赤べこの砲台が火を吹き紳士の兎は焼き殺され、世界は元のシステム・フラワーズの姿を取り戻す。
「姫を助けた王子がそのままプロポーズとか、メルヘンあるあるだと思うんだけど……エモくないかしら?」
 開幕に直撃をもらうも、世界に適用させた物理法則の改竄によって即死は免れたアリス。辛うじて立っている彼女へ、ラビットバニーは砲塔を向けて。
「そりゃーそれ自体はエモいよ?でもあーし、別に助けてもらう必要なかったし」
 アリスのシナリオ自体は間違っていない。問題は、視点にある。
「あー……絵本として読んでる分にはいい話だけど、無敵モードで別に危機感覚えてないのに助けられても、ってとこかしら?」
 あくまでも、第三者として見ていれば違っただろう。だが、シナリオに組み込んでしまった事で、その感動を与える事ができなかったのだ。
「ドリームランドとやらで王子様が待ってるって。さっさと行っちゃえば?あーしはパス」
 些細なミスで策に沈んだアリスが、赤べこから放たれる砲撃の光に消えた。

失敗 🔴​🔴​🔴​

蛇塚・レモン
その兎面……その赤べこキャノン……
街のオブジェクトにあったよねっ?

わっ、足場がっ!?
って、あたい、空飛べるけど?
(念動力+空中戦)

更に蛇神様を召喚後、結界の足場を生成!
(オーラ防御+拠点防御+範囲攻撃+念動力)
結界の足場で相手に近寄り、敵を褒めちぎる

そのコーデ、カワイイよねっ!
やっぱりセンスいいなぁ~っ!
自分に自信がないと、攻めた服って着れないもんね?
いいなぁ~、羨ましいなぁ~(IC上目遣い)
絶対にカワイイって!
(鏡の盾で敵を映す)

きっと敵は自分の容姿に自信あり
自分の姿にエモみを感じて心が揺らぐはず!

そこであたいの指鉄砲の零距離射撃と蛇神様の念動力(2回攻撃+動物使い)コンボでだまし討ちだよ!



「その兎面……その赤べこキャノン……街のオブジェクトにあったよねっ?」
 余計な事に気付いた蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)だが、その辺に関わりそうな話は実はちょっと前にあった。実際に関係あるのかは知らんけどな!
 そして戦場で敵をしげしげ見てるとか、隙だらけに他ならない。ラビットバニーの両手から無数の光が放たれ、足場が動き回り始めてしまう。
「わっ、足場がっ!?って、あたい、空飛べるけど?」
 あ、馬鹿!
「レモン!結界を蹴って跳べ!!」
「えー?」
 蛇神様の方が勘付いて、即座に結界を張り足場を生成。言われるままにレモンが移動した直後、その背後を花の足場が高速で通過する。
「今の何!?」
「あーし、足場を自由に操作できるんだよねー。てか、飛んだくらいで逃げられると思ってるとか、あーし舐められてね?」
「わわわわ!?」
 蛇神様が足場を作り、レモンがそれを蹴って迫る足場を躱しつつ、ラビットバニーの周囲を回る。
「んー、全身見て思ったけど、そのコーデ、カワイイよねっ!やっぱりセンスいいなぁ~っ!」
「はぁ?」
 怪人は怪訝な声を出すが、突如前に回り込んできた足場を宙転して避けたのを最後に、足場による襲撃が止む。
「自分に自信がないと、攻めた服って着れないもんね?」
「逆っしょ。自信があってもなくても着たいもの着ないと。似合う似合わないで服選ぶとか、マジアリエンティヌス」
 腰に手を当てシナを作り、豊満な胸をたゆん……させるラビットバニーに近づきつつ、レモンは自分の胸を見下ろした。
「……ないわけじゃ、ないよね」
 むしろスタイルはいい部類のレモンなのだが、目の前のラビットバニーのバンキュッボンを見てしまうと、どうしても自分の姿は霞む。
「いいなぁ~、羨ましいなぁ~」
 やや瞳を潤ませて、羨望の眼差しを向けつつ自身の体を比べてしまった事による劣等感から、何かに耐えるように口先をすぼませるレモンへ、ラビットバニーは品定めするように彼女を見下ろし。
「ならあーしがコーデしたげるし。この先には通せないけど、まーぶっコロコロする前のちょっとだけの間だけなら……」
 語り始めたラビットバニーの眉間を霊力の弾丸が直撃。頭を後方に仰け反らせてバリアが消えていた事に気付いた怪人へ、ブレスレットが残光を放つレモンは冷や汗たらり。
「仕留め損ねた!?蛇神様!」
「分かっておる」
 突如、周囲に重圧がかかる。大気が莫大な質量を持ったかのようなそれは、蛇神様による加護、敵にとっての呪詛によるもの。
「女子力講座を無下にするとか、女子としてどうかと思うんですけどー!?」
 されど動きは止められない。跳ね起きたラビットバニーによる砲撃がレモンを……パスン。あ、一時的にUCが弱体化して不発したね。
「今度こそやっつけちゃうよ!!」
 この隙を逃すレモンではない。再度ブレスレットが輝き、レモンの指先に弾丸を装填。銃を模した手から放たれる霊力の弾丸は怪人の喉を直撃し、その身を吹き飛ばすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

遠藤・兎卯飛
おいーっス!
全身黒タイツ系戦闘員のオッサンだよ!

可愛い系怪人かー

正義を語る奴らが集団でボコるのは絵面が酷いな

悪の組織のオッサンがメッ!!してやろう
的な?

強襲武装をフル活用しジグザグ滑走&Fly
42損ない丸で射撃
範囲攻撃の誘導弾で先制攻撃を試み
弾幕によるどうせ無敵だろうと目眩し

バトルキャラクターズをLv10ずつ振り
ギャルでも見た事ある
路上格闘家の俺より強い奴に会いに行く男とサイコを操る魔人をデモライザーで滑走しながら召喚

やんわりエモいポイントを説明
主人公と宿敵のボスキャラが
今!無敵の敵に仕方なく共闘し挑む!

左右から挟む様に攻撃し
バトキャラ合体Lv20の1人になり

必殺、真空サイコ波動クラッシャー



「おいーっス!全身黒タイツ系戦闘員のオッサンだよ!」
 分かりやすいようで分からない自己紹介をする遠藤・兎卯飛(ロマン逃避行中年・f16420)は片手を挙げ……たかと思ったらいきなりぶっ放した!?
「正義を語る奴らが集団でボコるのは絵面が酷いからな……悪の組織のオッサンがメッ!してやろう的な?」
 不意打ちとか汚い。さすが悪のおっさん、汚い。
 爆射砲をばら撒き、爆炎と粉塵で周囲から身を潜めつつ、背中のバーニアから火を噴き、ローラーダッシュでスラロームして逃げ回る兎卯飛。
「どーせ撃ち合ってもあっちが先に動いて無敵になるなら、ハナから狙わずチャフって逃げる。これオッサンの鉄則な」
「ほぁちゃー!」
 スケートリンクのように、花の足場を自在に滑り相手の出方を伺っていた兎卯飛の眼の前に、煙幕を引き裂いてラビットバニーが現れた!
「嘘でしょ?なんでバレた?」
 そりゃー、バーニアのブースト音とかローラーの摩擦音とかするし、相手が足場を掌握してんだからそらールートも読まれるよ。
「南無三!」
 迫る回し蹴りに対して間一髪、しゃがんで躱し脚を開いて弧を描き、ギリギリ躱した兎卯飛。その背後から、二つの影が怪人へ飛びかかる。
「まさかお前と組む日が来るとはな……」
「黙れ小童。貴様の力なぞいらぬ」
 明らかに敵同士な道着姿の青年と、赤い軍服の男性が、睨み合いながらラビットバニーに蹴りかかるも怪人は片腕で防ぐと捻りこむようにして二人の脚を掴み、投げ飛ばしてしまう。
「こいつ……!」
「ふん、多少はやるか」
 地面に転がる青年と、軽やかに着地した男性。青年の空中連続蹴りをラビットバニーは左右へいなし、男性の青い炎を纏った手刀を肘にカウンターで手刀を落とし、軌道をそらして潜り込み、背負い投げて青年に叩きつける。倒れた隙に二人の頭を踏み砕かんと落ちた踵を、二人は互いを突き飛ばすように左右に避けた。
「こいつはちとキツイな……おい、今だけいがみ合いはなしだ。お前は、左!俺は右!いいな!?」
 青年の指示に、男性は舌打ちすると、軍帽を目深に被る。
「脚を引っ張るなら貴様から殺す」
「上等!お前こそ遅れるなよ!!」
「主人公と宿敵のボスキャラが今!無敵の敵に仕方なく共闘し挑む!」
「「うるさい!!」」
「あ、はい」
 余計な解説するから、怒られた兎卯飛が小さくなり、左右に飛ぶ武闘家達。
「お前と組むなんて死んでも嫌だが……」
「貴様のような雑魚など、いない方がマシだが……」
 踵と手刀を躱され、二人は肩をぶつけ合うが、同時に獲物を捉え。
「「どういうわけか、負ける気がしない!!」」
「ナニコレ?ライバル的な?むっさー」
 ドン引きするラビットバニーであるが、脚が止まっている……気を惹かれてしまえば、そこにもはや障壁はなく、二人の武闘家は一人の戦士になる。
 五つの青い炎の砲弾を放ち、最後は自ら回転しながら飛び込み、砲弾に後ろから突っ込んでいくではないか。
 一つ越えるたびにその身は業火に焼かれ、五つ越えればもはや炎の槍と化す。
「「必殺、真空サイコ波動クラッシャー!!」」
「ちょっとタン……」
 ラビットバニーが危機感を覚えた瞬間、燃え盛る一撃をくらい、その身は青い炎に包まれてしまった。

成功 🔵​🔵​🔴​

テティス・ウルカヌス
「ふっふっふ、エモさなら、この天才美少女アイドルのテティスちゃんに任せてくださいっ!」

可愛らしいアイドル衣装に身を包み可憐な姿を見せましょうっ!
アイドルとしての魅力でエモさを感じさせますよー!

まず、素早く繰り出されてきた相手のダンスに合わせて踊ります。(カンフーを転んで回避)

そして、ここで一曲……
え?黙ってれば見た目はそこそこなんだから、まだ歌うな?
どういうことですか、それー!

よく分からないですが、ファンのウサギ仮面さんがアイドル衣装の私の姿に感動したら歌っていいらしいので、エモさアピールをしてから【天使の歌】を歌いますね!

「あれ?
なんで辺り一帯の花が枯れてしまってるんでしょうか?」



「ふっふっふ、エモさなら、この天才美少女アイドルのテティスちゃんに任せてくださいっ!」
 やめたげてよぉ!?既に満身創痍っていうか、死にかけてるラビットバニーにテティス・ウルカヌス(天然系自称アイドル・f12406)が襲いかかる!
「アイドルとしての魅力でエモさを感じさせますよー!」
 そう語るテティスの衣装はラメ入りでキラリと光る純白のブラウスに真っ赤なリボンを胸元に結び、下は白地にライトグリーンのギンガムチェックなミニスカート。白いニーハイソックスとの絶対領域から太腿を覗かせ、ここまでだけ見れば立派にアイドルである。
「ふふふ、歌って踊れる私の実力、お見せしましょう!!」
 止めろー!!その女からマイクを奪えええ!!テメェはもう少し黙ってろ!大人しくしてれば素材は悪くないんだから!素材『は』!!
「どういうことですか、それー!?」
 テティスから機材を没収した所でラビットバニーの目がキラン。
「ホァチャー!!」
「チャイナなダンスですか!?」
 怪人はガチで殺しに来てるのに、中華系アイドル的なサムシングと勘違いしたテティス。対になるようにステップを合わせようとするが、まー当然追いつけるわけもなく。
「きゃー!?」
「ちょ、あーしまだなんもしてないんですけどー!?」
 勝手にすっ転んで、ランダムに並ぶ花の足場をゴロゴロと転がり落ちていく……怪人さんもビックリの鈍臭さである。
「痛いですー……」
「ちょっ!?」
 止まったテティスは尻餅をついた状態で股を開いており、まぁ、うん、モロに見えるわけですよ。それを直視してしまったラビットバニーの方がうろたえてしまい、気づいたテティスが真っ赤になりながらスカートを押さえる。
「き、気を取り直してまずは一曲目、行きますね!!」

 ※ただいまシステム・フラワーズ中継システムにバグが発生しております。しばらくお待ちください。

「あれ?なんで辺り一帯の花が枯れてしまってるんでしょうか?」
 歌い終えたテティスが周りを見回すと、花型の足場が崩壊しかけており、ラビットバニーの姿はなくなっていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月15日


挿絵イラスト