バトルオブフラワーズ⑩〜猟兵=エモみ溢れる存在だょ
●バトルオブフラワーズ
「モンキーやられてるのまじびびったし!」
キマイラフューチャーの中枢『システム・フラワーズ』で咲き乱れる花々。
あーしらの中で最強だと思ったのにー!と地団太を踏むと花々が自然と彼女の足場をその度に形成する。
「ってことは第二関門担当あーしの出番って訳か!」
巨大で愛らしい見た目のウサギの被り物。
舞い散る花々に彩りを添える緑のグラデーションの髪。
豊満な肉体を包み込むバニーガールの衣装。
そしてアクセサリーが撒かれた腕と鮮やかに塗られたピンクの爪が輝く手で支えられた『赤べこキャノン』
「ま、あーしのユーベルコード『絶対無敵バリア』には勝てないっしょ。必殺技無効にされてがびーんってなってる所ぼこればいーだけだし!」
倒れていく猟兵達を想像し、ケラケラと体をふらつかせながら笑うと花びらが彼女の髪についた。
被り物をし前が見えないはずなのに彼女の動きが止まる。
「エモい……花びらwithあーしとかめっちゃエモい。映えるわこれ……!」
笑い声がぴたりと止み、興奮に震えた声が漏れる。
「うーんやーっぱあーしのエモい基準ガバってんなー。絶対無敵バリアの強度下がっちゃうんだけどねー」
花々が舞い、自分の足場として集まる光景。
「でもあーエモい!映える!めっちゃエモい!」
「バリア解除されるくらいエモいの見ちゃったらあーし負けちゃうかも!」
●グリモアベース
「というのがシステム・フラワーズ第二の関門に立ちふさがるカワイイ怪人『ラビットバニー』です」
アルム・サフィレット(愛し子抱えし宝石人形・f02953)は猟兵達を前に優雅に礼をする。
「幹部怪人『エイプモンキー』が撃破された今、皆様が撃破せねばならない相手です」
肩に担いだ赤べこキャノンからの自在な砲術攻撃、超速度体術で圧倒するうさちゃんカンフー、花の足場を操り猟兵の動きを封じるおはなハッキング。
「攻撃、妨害共に強力な手段を持つ相手です。厄介なのは『絶対無敵バリア』を同時に発動させて先制して攻撃してくることです」
名前の通り絶対無敵バリアが展開されている間はラビットバニーに攻撃は通じない。
しかも自分達のユーベルコードの発動を先読みし、攻撃を開始してくる。
「だとすれば、絶対無敵バリアへの対策が不可欠です」
「対策方法はたった一つ。ラビットバニーにエモいものを見せ心揺さぶらせ、絶対無敵バリアの強度を一時的に解除させることです」
エモい、というのはいったい何ぞや?
「可愛い花や動物、血塗れでも立ち上がる姿、雨の中傘もささず駆けだし抱きしめあう男女……心を揺さぶるものですね、ようは」
心動かす光景を思わず写真として残したいという意味で「映える」を連呼しているのではとアルムは付け足す。
キマイラヒューチャーで言えば『SNS映え』する物に弱いのであろう。
「ラビットバニーの心をエモみで揺さぶれば攻撃は通じるでしょう。しかし、彼女自身の攻撃力は十分高いです」
エモさの演出と攻撃。同時に行うのは難しいかもしれない。
「アルムは常に思っています。骸の海より帰りしオブビリオンを骸の海へ帰す。皆様の存在自体がまずエモいです」
更にエモさを足して頑張ってください。
もう一度優雅にアルムは礼をして転送ゲートを作り始めた。
硅孔雀
●シナリオ構成
このシナリオは『バトルオブフラワーズ』の戦争シナリオです。
1フラグメントで完結し、「バトルオブフラワーズ」の戦況に影響を及ぼす特殊なシナリオとなります。
⑩カワイイ怪人『ラビットバニー』です。
●特殊ルール
ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
●その他連絡事項
特殊ルール、難易度に合わせた判定を行います。
シナリオ失敗も十分あり得ることをご了承ください。
第1章 ボス戦
『カワイイ怪人『ラビットバニー』』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:和狸56
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
花が咲き乱れる『システム・フラワーズ』、自然とあつまる花の足場に立つカワイイ怪人『ラビットバニー』は仁王立ちし、待っていた。
「――あは、来た、来たわー!」
感じる気配は3つ。ラビットバニーの周囲に舞っていた花が輝く。
否、ラビットバニーの全身から放たれる光で花が照らされている。
「あはっ!あーしの『絶対無敵バリア』はバリMAX!そんじゃー始末しに行きますかー!おはなハッキング!」
鮮やかなネイルが施された両手の指先からシステム・フラワーズ制御ビームが放たれる。
「さて、これで動けない子3つかんせーい!順に殴ってこー!」
絶対無敵バリアを纏いカワイイバニーが花の海を蹴り進む。
佐倉・理仁
まあた面白怪人が出てきたんだな。なんだ、「えもい」って。
●
……よし、動物とかだな、そいつにはちょいと縁があるぜ。試してみっか。
だがまずは相手の攻撃をどうにか、だったか。
足場がっ!?
相手に近づけないくらいなら、俺にはあんまり関係ないが、逃げ場が無くなるのは困るぜ!
だが、一撃凌げば……ピカッと光れ俺の第六感っ!?
『高速詠唱』【ハムスター】召喚ッ。
(ポケットから顔を出し、ちょろちょろと服をよじ登る。肩まで登って、男の伸ばした腕の上を走る。)
頼むぜハム公、今はお前だけが頼りだ!
(そしてハムスターを敵に放り投げ)
ウサちゃんよ、一つだけ忠告だ。そいつは亡霊。かつて在った命。お前らと同じ、オブリビオンだぜ。
佐倉・理仁(死霊使い・f14517)は周囲の様子を伺いながら考える。
(まあた面白怪人が出てきたんだな。なんだ、『えもい』って)
感情を揺り動かすものを自分は持っているのか、花が舞う中佐倉は思い出した。
(……よし、動物とかだな)
動物にはちょいと縁がある、試してみっかと呟いた瞬間であった。
花で出来た足場が佐倉の足元で変化し、脛まで絡みつく。
「な、足場がっ!?」
一瞬の動揺、そして視界に映るのは揺れるうさぎの被り物。
「第一じぞーはっけん!」
光を纏ったカワイイバニーの接近に上半身だけでも態勢を整える。
(相手に近づけないくらいなら俺にはあんまり関係ないが、逃げ場が無くなるのは困るぜ!)
グリモア猟兵の言っていた先制攻撃、一撃を凌ぐ方法。
「……ピカッと光れ俺の第六感っ!?」
第六感、と口にする。
それは魔術の高速、並列、多重詠唱を可能とする機械喉が動き出すサイン。
「そうだな、頼むぜハム公、今はお前だけが頼りだ!」
佐倉の口が瞬時に動き、ユーベルコード:死霊召喚・悪夢の夜のハムスター(ボーパルハムスター)が発動する。
「むきゅ?」
「え、なーにそれ?」
動けない佐倉に一撃、蹴りを入れようと構えたカワイイバニーの動きが止まる。
ポケットから顔を出し、ちょろちょろと服をよじ登るハムスター。
「エ……」
カワイイバニーの光が薄まる。うんしょうんしょと目の前の男の腕の上を走るハムスター。
「エッモ!ご主人のために頑張ってるとかエモいじゃーん!」
カワイイバニーの歓喜の声と共に光、絶対無敵バリアが消え去った。
「一撃は凌げたか。頼むぜハム公、今はお前だけが頼りだ!」
佐倉はそのままハムスターを放り投げる。
「え、くれるの?映えるかなー?」
愛らしいハムスターを両手で抱きしめようとするカワイイバニー。
佐倉は告げる。
「ウサちゃんよ、一つだけ忠告だ。そいつは亡霊。かつて在った命。お前らと同じ、オブリビオンだぜ」
「へ?」
ハムスターはカワイイバニーの首元に近づき。
「――がっ!」
そのまま首を刈る必殺の歯がカワイイバニーの喉首を食いちぎる。
「イダダ……ばなじで!一時退散だし!」
「戯れに首を刈るもの。小さな悪夢。そのままだと刈り取られるぜ」
カワイイバニーはハムスターを振り払うかのように動きを変え、花の海へと消えていく。
「……むきゅー!」
足場が元に戻り、佐倉の元に駆け寄るハムスターを掬いあげる。
「なんとかなったか……絆ってのもえもいにはいんのか?」
ハムスターはきゅ?と首を傾げた。
成功
🔵🔵🔴
春霞・遙
SNS映えするものは色々ありますよね。私もそんな景色とか対象見つけるとカメラを向けたくなるのでわかります。
赤い毛氈にお抹茶が載せてあって、桜の花びらが散ってるとか、素敵じゃないですか?私は好きです。
赤い野点傘と茶器・茶筅・抹茶・お湯と赤い毛氈と怪人さんが好きそうな兎柄のピンクの浴衣を持ち込みます。あと、できれば縁台も。
【葬送花】の花吹雪で視界を遮って、縁台と毛氈と野点傘をセッティングします。準備ができたら浴衣を投げつけてこちらに注意を引いて、「それを着てお茶をどうぞ」。お抹茶をたてて毛氈に載せます。敵も含めたその風景を「撮影」。すごく素敵ですよ。
花吹雪は演出でもあり攻撃でもあるんで、どうです?
(SNS映えするものは色々ありますよね。私もそんな景色とか対象見つけるとカメラを向けたくなるのでわかります)
花の海、春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)の足場となった花の上でセイヨウハシバミの枝を振るう。
「風に舞う薄紅の嬰児よ惑う命の導きと成れ」
ユーベルコード:葬送花(タムケノハナ)が発動する。花の海の中に薄桃色の花吹雪が混じり、やがて壁となる。
「発動は出来たようですね、それでは準備しますか」
春霞が持ち込んだ縁台の上に赤い毛氈をかけ、同じ赤い野点傘を横に置く。白磁に花柄が描かれた茶器、お湯や抹茶の入った容器、そして茶筅を毛氈の上に。
「そして最後に」
怪人さんが好きそうな兎柄のピンクの浴衣。それを傍に置く。春霞が動作を終えた同時に薄桃色が破られ舞い散る。振り向こうとするが動けない。
(……先制攻撃、ですね)
「あー痛かったし!あーしの美声もどんなかったら訴訟だし!……ってなんだこりゃ?」
カワイイバニーの目の前に広がるのは花の海、足場の上に置かれた赤い毛氈に野点傘。見慣れぬ容器や飲み物を入れるらしき器は花柄で。
「か、かわいい……」
カワイイバニーの発する絶対無敵バリアの光の眩さを感じながら、春霞は喋る。
「赤い毛氈にお抹茶が載せてあって、桜の花びらが散ってるとか、素敵じゃないですか?私は好きです」
「抹茶?なにそれ?エモみを感じる。それにその言葉だけでもエモの圧感じるし!」
「抹茶とは飲み物です。その場でたてて……お作りして是非お写真なんかいかがですか?カワイイバニーさん用の浴衣もあるのですが」
「兎柄!ピンク!超かわいいしエモい」
「浴衣の着付けから記念撮影まで私が担当したいのですが……動けないと……」
カワイイバニーははっとした様子で春霞の方を振り返る。
「あーあーしのビームのせいか!超わるかったし!はい解除!」
ふっと風が吹き、動けるようになった春霞はカワイイバニーを振り返る。眩しい光、絶対無敵バリアが消えていた。
「エモ体験させて貰えるなら超感謝だし!」
(作戦は成功ですね)
春霞が抹茶を立て、茶器に入れ毛氈に載せる最中カワイイバニーはそわそわと、そして楽しげに喋っていた。 春霞はスマートフォンを手に取り、そっと縁台から離れカワイイバニーに向ける。
カワイイバニーは気が付いていなかった。
薄桃色の壁、桜の花びらがひらひらと舞い始めたことに。
カシャ、と撮影するとひらひらと落ちる花びらは雨からやがて吹雪へと変わる。
「え、な、なにこ……きゃあああ!!!」
桜吹雪がカワイイバニーを切り裂く。身をよじり逃げようとしても正確に、先程食いちぎられた傷から再度血が噴き出る。
「な、なんなのよあんた達……!」
「花吹雪、いい演出じゃないですか」
花吹雪から逃げるように花の海へと逃走するカワイイバニー。
桜が舞う中、縁台の上に置かれた抹茶を春霞は一口飲んだ。
成功
🔵🔵🔴
シュデラ・テノーフォン
アレ紫べこじゃないかな、はさておき
とりあえずくる攻撃は対処しよう
キャノンを指輪の盾で防ぎ、カンフーは盾や剣で受け流す
足の花は…飛んで回避かな
ね、君さ
可愛いとか綺麗は好き?
例えば今沢山舞ってる花弁が君に付くと可愛いね
俺ね硝子で装飾作ったりしててさ
君に腕輪と首飾り持ってきたんだ
花の形や兎の硝子を飾ってね宝石とは言わないけど硝子も綺麗だよ
コレを付けたらもっと映えるって感じるんじゃないかな
想像してみて
良かったらほら、どうぞと投げてみる
付けた?あァ鏡は君の背後にあるよ
エモいかな。俺もよく似合うと思う
所でその鏡俺のUCなんだ。バリア解けたなら効果あるよね?
じゃ残念だけども
動けない彼女を硝子の弾で撃ち抜くよ
「おっと、飛んだだけじゃ回避できなかったか」
おはなビームの効果で変化した足場で動けなくなりながらもシュデラ・テノーフォン(天狼パラフォニア・f13408)は冷静に、飛び跳ね正にウサギの様に、しかし殺意を持って向かってくるカワイイバニーの様子を観察する。
「アレ、紫べこじゃないかな、はさておき」
「あーしが赤べこって言ったら赤べこだっつーの!始末タイムいくから覚悟してくんなーい?」
いつの間にか至近距離まで近づき赤べこキャノンを構え、勝ち誇ったようにシュデラの前に立つカワイイバニー。
絶対無敵バリアの放つ光に目を細め、どうしようかといったようにシュデラは考える素振りを見せる。
「ね、君さ、可愛いとか綺麗は好き?」
猟兵との戦闘で血だらけながらもカワイイバニーはえへんと胸を張る。
「あーし自身が可愛いし綺麗だし!カワイイバニーって名前が可愛いし!」
そうだね、確かに可愛いとシュデラが肯定するとカワイイバニーからう、と変な声が上がる。
「例えば今沢山舞ってる花弁が君に付くと可愛いね」
「ま、さっきはやられたけど、花withあーしは可愛いしエモいよねー」
カワイイバニーの殺気が薄れていくのを感じたシュデラは切り出す。
「俺ね、硝子で装飾品とかを作ったりしててさ、君に腕輪と首飾りを持ってきたんだ」
「は!?サプライズプレゼントとか……この状況でそれは……エモ……」
花の海、硝子、手作り。
三点エモ責めは反則とカワイイバニーが唇を震わせると彼女自身の輝きが薄れ、絶対無敵バリアの強度が下がっていく。
「花の形、それに兎なんかモチーフとしていいんじゃないかと思ってね」
宝石とは言わないけど、硝子も綺麗だよと穏やか声色にカワイイバニーの輝きがまた薄れる。
「エモい!超エモい!映えるわ絶対!」
「気に入ってもらえたようで良かったよ。繊細な物もあるし」
「はいはーい!おはなビーム解除!早く見せて!」
ゆっくりと鼻の足場に降り立ったシュデラにカワイイバニーは駆け寄った。
「キャーめっちゃ綺麗でエモ!なんかバリア消えたけどあったら綺麗に光ってたんだろーなーこれ!」
腕と首につけられた硝子のアクセサリーを花の海に照らしながらはしゃぐカワイイバニー。
「あーし可愛い?エモい?」
「じゃあ確認用に鏡、用意するね」
「え?」
「あァ鏡は君の背後にあるよ」
シュデラのユーベルコード:白雪鏡(シュネーゲル)が発動する。カワイイバニーの後ろに現れるのは硝子で細やかに飾り付けられた硝子細工の鏡。
「ちょっと血が付いちゃうのは残念だけど超綺麗!エモいし映える!」
全身が映る位置まで駆け寄り、カワイイバニーは赤べこキャノンを置いてポージングに夢中になる。
カチャリ、弾を銃に込める音にカワイイバニーは振り向こうとするが、動けない。硝子細工で飾られた『Aschenputtel』に、カワイイバニーに渡したアクセサリーと同じ硝子が装填されていく。
装飾品ではなく、硝子の透き通る弾。
「その鏡は俺のユーベルコードなんだ」
紳士のように笑みを浮かべながらも、オブビリオンを狩り場へと追い込めた喜びにシュデラの笑みは
「な……そんな……」
「鏡よ鏡。世界で一番海へと消えていくべきなのは誰?……なんてね」
放たれる銃弾が傷口を抉り、砕けた鏡の破片も降り注ぐ。
花の海を映す鏡、銃撃の中光る硝子細工。
カワイイバニーが絶叫し、足場を保てなくなり花の海に硝子の煌めきと共に消えていく。
「こ……この散り方もエモ……」
消えていく声にシュデラは硝子と狩り、二つを達成できた事に息を吐いた。
大成功
🔵🔵🔵
『システム・フラワーズ』、花の海を落下していくカワイイバニー。
猟兵達の攻撃によりできた無数の傷からは血が絶えることなく噴き出す。
「あーし、あーしによくも……!」
空中の中、それでもまだシステム・フラワーズの機能を掌握しているカワイイバニーは怨嗟の声と共に花を操り、手元に赤べこキャノンを引き寄せる。足場を形成すると冷静に辺りを見回す。
「……また来たね。じゃあ今度は」
再び花の海を眩い光、カワイイバニーの絶対無敵バリアが照らす。
その光を更に強くするのは、抱えた赤べこキャノンに溜められていくエネルギー。
「赤べこキャノン!発射だっつーの!」
数宮・多喜
◎
ちょこちょこ相手させてもらったけどさ……
ラビットバニー!アンタでっかい勘違いしてるよ!
どう考えてもさ、アンタがエモさの塊じゃん!
だからちょっと待ってろよ。
スマホをこの角度で置いて、バッテリー繋いで時間もOKで……
これで配信準備完了さ!
アンタの伝説級のエモさ、キマフューの皆に見てもらおうじゃないの!
配信を始めたらあとは『グラップル』でとにかく防戦。
その上で『コミュ力』で煽りまくるよ。
ほらほら、皆が見てる!
今もどんどんいいね!が増えてるよ!
ほら、まだまだいける!
ま、最後はバニーが見せたエモさを、
乾坤一擲の【暁を開く脚】の『カウンター』で
一瞬だけでも上回りたいもんだね!
一応アタシが配信主だしさ!
花の海で作られる足場、花の上で仁王立ちしながら数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はスマートフォンとバッテリーを繋ぎ、改めて画面を確認する。
「時間は一応最大枠で、延長は……いれておくか」
そして最後にスマートフォンを花が舞う綺麗な場所に置く。
「よし、全部OK!これで配信準備完了さ!」
配信が始まり、何が起きるのかと流れていくコメントに数宮はニヤリと笑う。
花の海、上が僅かに光る。始まった!とコメントが流れると同時に、閃光が降り注いだ。
「これ以上あーしを怒らせるなっつーの!」
足場の花が次々にキャノンから放たれるビームで貫かれる。
絶対無敵バリアを纏い、手数で勝負を挑もうと赤べこキャノンを構えたラビットバニーと数宮の視線がぶつかる。絶対無敵バリアで輝くラビットバニーに数宮は構える。
「あー?近距離戦挑むってわけ?赤べこキャノンに近距離とか超無駄じゃん!」
数宮はひたすらビームを避け、防戦一方の展開が続く。
「あーしの最初の勝ちは頂きだね!」
「ラビットバニー!アンタでっかい勘違いしてるよ!」
「は?」
数宮の声に一瞬、ラビットバニーの動きが止まる。
「どう考えてもさ、アンタがエモさの塊じゃん!配信してんだけどさ、みてみなよコメントを!」
被り物をしているがラビットバニーの目には数宮が置いたスマートフォンの画面が見えていたようだ。『ビーム!ビーム!男のロマン!』『美人×バニー×花 これ神ってね?』と褒めたたえるコメント。
「え……あーしが?」
赤べこキャノンのビームをそれを掴み、受け流しながら数宮は続ける。
「ほらほら、皆が見てる!今もどんどん『いいね!』が増えてるよ!」
「あ、あーしが……戦闘がエモい?え、そ、そんなの」
「『ラビットバニーたんハァハァ』『その脚線美で蹴って』だってさ」
ラビットバニーから輝きが消えていく。
「……この状況。エモい、超エモイじゃん確かに!あーし目から鱗!」
ラビットバニーから完全に絶対無敵バリアが消えた瞬間、数宮は動く。ラビットバニーもまた、数宮の動きを察知し瞬時に近づき近距離からの射撃を行う。
赤べこキャノンから放たれるビームを寸前で躱し、数宮はその勢いを利用する。
「エモい攻撃……上回ってみせるよ!」
数宮のユーベルコード:暁を拓く脚(サイキック・オーバー・マター)が発動する。数宮の利き足に纏うサイキックエナジー、それは赤べこキャノンから放たれるビームの3倍は明るい。
「くらいな!」
渾身の後ろ回し蹴り。ビームは弾かれ、衝撃にラビットバニーが花と共に吹き飛ぶ。
「がはっ!あ、あーしよりなんで……」
数宮の作った足場から吹き飛ばされ、花の海へと消えていくラビットバニー。
「ま、配信主としての力が勝った」
なんてね、とスマートフォンに向かって数宮は笑顔を見せた。
成功
🔵🔵🔴
花の海を何回落ちればいいのか。
目にしたエモさと引き換えに、手足は段々と冷え、がくがくと被り物が揺れる。
「はは、あーしもモンキーちゃんの元にいっちゃうのかな……エモ……くないか」
ラビットバニーは呟くが、何かの気配を感じ渾身の力で花の海の中立ち上がる。足場となる花に点々と咲くのは鮮血の赤。
「ふ、あはっ。『システム・フラワーズ』はまだあーしのもの!」
狂ったように笑いながら、血をまき散らしながらラビットバニーが輝く。
なんとなくラビットバニーには分かっていた。これは最期の絶対無敵バリア。
「でもでも、終り良ければ超映えるっていうし!じゃあ始めるわ!」
ラビットバニーが視線を、被り物を猟兵達に向けた。
セリオス・アリス
アドリブ◎
仁科◆f14065と
わかんねえこと言う敵だが…
チッ…!足場削られんのは厄介だな
ジャンプで飛びうつり回避
しかし何とかしねえと…防戦一方じゃラチがあかねえ
思案してる所に
仁科から超伝導で敵ユーベルコードを授与される
何度か依頼で顔を合わせた相手
ただそれだけだが…今まで見てきただけでも、コイツを信頼するには十分だと知っている
そんなら、そういう相手からの信頼にはきっちり返さねえとな!
けどまあ、ただ守られるだけってのは主義に反するんだ
お前もまだまだ行けるだろ?
【赤星の盟約】を歌い仁科を強化
更にフラワーズで仁科がバニーに至る足場を作る
俺は上から
アイツは下からで挟み撃ちだ
炎の属性を剣に纏わせて2回攻撃
仁科・恭介
※アドリブ歓迎
セリオス君(f09573)と
WIZ
マフラーを口元まで上げ目立つように攻撃を誘うがいまいち狙いがわからない
【学習力】で相手の動きを見て癖を確認
視線はこっちだが、体はセリオス君に向いている
「その目は囮か…(憚られる罵声)間にあうか!!」
咄嗟に【吸血】本能まで呼び出し、【残像】が残るような【ダッシュ】でセリオス君への射線に割り込みビームを防御
「…足場を変えられた。だが…」
「セリオス君に怪我はないみたいだね」
敵のUCをセリオス君へ授与
セリオス君から貰ったUC効果を確認し、【ダッシュ】で間合いを【鎧無視攻撃】を乗せて切る
「おいおい、与える方が好きなんだ。UCでも貰ったら…返さないとね」
天津・麻羅
神・降・臨!
エモいとか最近の若い奴らは訳のわからん言葉を使うの。とりあえずラビットバニーとやらをドッキリさせれば良いのじゃろ?ならとっておきの神の御業とゆうものを見せてやろう!ラビットバニーとやら、わしがとっておきのモノマネを見せてやろう!さあ、見ておくがよい…太陽拳!!
生まれながらの光で全身を光らせたらエモい!そして対象は先程攻撃受けていた猟兵じゃ。わしはビームで動けんが他のものを動かせるようにすれば、そのものが代わりに攻撃してくれよう。攻撃だけじゃなく支援も何でもこなすのが今時の神なんじゃぜ!
システム・フラワーズ内部、花が舞い散る海の上にセリオス・アリス(黒歌鳥・f09573)が降り立った。
(この海の中に――骸の海から着たオブビリオンがいる)
花びらが光ったように見えた。異変にセリオスは『星の瞬き』を手に構える。
「あはっ、黒髪ちゃんはっけーん!」
セリオスの足場に勢いよく着地するのは、光。
絶対無敵バリアを纏ったラビットバニーだ。
「よお、眩しいお前が門番だな?」
「正解!あーしはカワイイ怪人ラビットバニーちゃん!綺麗系の子の前でカワイイで自称するのもなんだけど」
体は傷だらけだが、空気を震わせる殺気と絶対無敵バリアの光にセリオスの髪が揺れる。
「わかんねこという敵だが……」
剣を構えたセリオスは気が付く。ラビットバニーの発する光が足場である花を揺らしている。
「じゃーいっくよー、おはなハッキング!」
両手を広げたラビットバニーの先から放たれるのはシステム・フラワーズ制御ビーム。輝くそれが当った先から花の足場が崩れていく。
「チッ、足場削られるのは厄介だ……なっ!」
足を蹴り上げ、移動しようとした時であった。
意志を持ったかのように花の足場がセリオスの下半身に絡みつく。
「あーしハッキングっていったじゃーん!もうこの舞台はあーしの物♪」
ラビットバニーのユーベルコードで行動を封じる装置と化した花の足場と、降り注ぐ花の隙間から繰りだされるラビットバニーの攻撃。
セリオスの振るう刃は露わとなっている肌にめり込んだはずだが、絶対無敵バリアを展開しているラビットバニーの肌には届かない。
(これは……何とかしねえと。防戦一方じゃ、ラチがあかねえどころか)
蔦の様に色とりどりの花がセリオスの黒髪、肌を覆い視界を塞ぐ。
「あーちょっとエモいなその光景♪」
僅かに光が薄まったラビットバニーが揶揄うように回し蹴りをセリオスの鳩尾に入れようとする。
剣先で弾くが、防戦のために振るえる腕まで侵食されるのは時間の問題だ。
「――セリオス君!」
ラビットバニーがぐるんと被り物を揺らす。
声の主。兎の被り物を見つめているのは仁科・恭介(観察する人・f14065)の茶色の瞳。いつもは柔和な表情を浮かべているが、目の前の光景にその目は鋭くなる。
人目を引く際に使用する赤いマフラーを口元まで上げる。怒りに震える手がなんとかそれを行うと、ラビットバニーがぴょんぴょんと跳ねるように自分の方に向かってくる。
「やーなにそれ、血の赤にマフラーの赤で映え狙い?エモいかも……ってね!」
ラビットバニーの踵落としを狩猟刀『牙咬』が受け止める。
(やはり……攻撃が、バリアで通じていない)
牙咬の刃もまた、絶対無敵バリアが多少弱まった状態のラビットバニーにうっすらとひっかき傷のような跡をつける程度だ。セリオスからは完全に自分に攻撃対象が写ったことを確認し、仁科は攻撃を受け続ける。流れるように繰り出される手刀、躱せば瞬時に足を踏み込み、勢いのまま刀の斬撃をものともせず接近し喉元を締め上げようと手が伸ばされる。
(グリモア猟兵の言っていた通り、元からの戦闘力が高い……でも)
ラビットバニーの的確な動きは、そのまま的確に『学ぶ』ことが出来る。
利き手、利き足、動作の癖を冷静に学習した仁科は気が付く。被り物は自分を見つめているが、僅かに体、足がセリオスの方に向いている。
「その目は囮か」
「そだよー♪ま、あーしの勝ちって事で花の海に沈んでな!」
咄嗟に、喉から声が出る。魂を震わせる大声。
「間に合うか!!」
仁科の視界が赤くなる。それは流血ではなく、血を求める吸血本能が見せる光景。
血を、血を。誰の血を?
(――違う。啜るんじゃない守るんだ)
ラビットバニーの被り物が仁科の動きを見る。しかし、視界の端に直ぐ移動してしまう。
残層すら残す仁科のダッシュにラビットバニーはぴょんぴょんと跳ねる。
「てかさ、最初からあーしの狙いはあんただし!おはなハッキングパート2!」
システム・フラワーズの制御ビームがセリオスへと向けられ、それを仁科が防ぎに行くことをラビットバニーは読んでいた。
光に包まれる仁科を前に身をよじらせ響くのはラビットバニーの高笑い。
「はーエモ!エモいし映える!でも……?」
目の前の仁科は花の足場が変化し檻の中にいる仁科。
しかし、その瞳に敗北した人間の絶望の色は感じられない。
「……足場を変えられた。だが……」
傷だらけの仁科は、同じく傷だらけのセリオスに穏やかに笑う。
「間に合った、みたいだね」
仁科のユーベルコード:超伝導(ベスト・アワード)が発動し、両手に光が灯っていた。
「は?なんなわけ?……あ、あーしのユーベルコードを」
「そう。受けてみて……完全に理解した。そして、この力をセリオス君に与える!」
●
自分を君をつけて呼ぶ男。
骸の海に浮かぶどの世界の、どの物語で彼が傍にいたのか。
痛みと血が失われていく感覚に思考が塗りつぶされ咄嗟には浮かんでこない。
でも今は、この瞬間、システム・フラワーズ内部で自分に向けられている仁科の瞳が、セリオスの脳に信号を走らせる。伝えられる。
――何度か依頼で顔を合わせた相手、ただそれだけだ。そして、それだけの存在だ。
「……今まで見てきただけでも、コイツを信頼するには十分だと知っている!」
セリオスが歯を食いしばり、絞り出すように声を出すと両手の先に光が灯る。
仁科の茶色い瞳とセリオスの青い瞳が交差し、セリオスは片手で花を振り払う。
その仕草にシステム・フラワーズ内の花が再び足場になる。
受け取った物、与えてくれた物。力だけではなく。
「助かった。そんなら、そういう相手からの信頼にはきっちり返さねえとな!」
花の足場の制御権が猟兵に映った事に少しのエモさを感じながらも、ラビットバニーは余裕気に二人を見て嗤う。
「でもさ、あーしのバリアは無敵だし、そんなボロボロじゃ」
「まてええい!」
新たな声にその場にいた全員が振り返る。
幼い少女が仁王立ちし、花の足場の上に立っていた。
●
「神・降・臨!」
おっすわし神!と振り返った2人と1匹の前で歯を見せ笑うのは天津・麻羅(神・f16621)であった。
「天目一箇神、鍛冶を司る神として言おう」
「は?」
「先程の、刀を使った攻撃の防御、エモくはなかったか?」
エモいとか最近の若い奴らは訳のわからん言葉を使うんじゃがあってるかの、と天津は首を傾げながらラビットバニーを指さす。
ラビットバニーは思い出す。
自分からユーベルコードを奪うためだけに防戦を選んだ二人の行動を。
「たしかにエモかった!ゆーじょーパワー的な?あー映えたのに!」
ラビットバニーの絶対無敵バリアが揺れるのを神が見逃すはずがなく。
「成程、ラビットバニー、おぬしをドッキリさせたらバリアが弱まるのじゃな。全知全能なんで把握したぞ!」
「ぎくっ!」
ユーベルコードを奪われた今、先制攻撃を仕掛けにラビットバニーは天津の元に赤べこキャノンを構えながら跳ね、花の海の足場を渡る。
天津の青い瞳に浮かぶのは余裕という二文字。キャノンに集まった光を一瞥する。
「ふふ、ラビットバニー、とっておきの物を見せてやろう……真の光、花の海を照らすものは何なのか!」
「わらわを元に産みだされた子らの文化を借りた、孫的なポーズで!見せてやろう!さあ、見ておくがよい!」
びしっと両の掌を構え、叫ぶ。
「フレアティックパワーwith拳!!!」
花の海が、光の海へと化した。
天津が発動させたのはユーベルコード:生まれながらの光。
後光が差す如く天津の全身が光る。
同時にラビットバニーが放ったビームの光がかき消えた。
「どーじゃ、エモイじゃろう。神の御業じゃしな」
「ありがたエモみMAX過ぎて……あれ?でもあーし、ダメージ受けてないんだけど」
天津はふふん、と再び仁王立ちする。しかし、足が少し震えていた。
「攻撃だけじゃなく支援も何でもこなすのが今時の神なんじゃぜ!」
(最大限まで引かれわしの光……刀を、剣を振るいし彼らに鍛冶の権能持ちしわしの光よ届け!)
●
「セリオス君に怪我は……ないみたいだね」
眩い光の衝撃にようやく目が慣れた仁科がセリオスに駆け寄る。白い肌には傷一つついていない。
「いや、さっきの神様が治してくれたみたいだ」
光が傷を照らし、傷がふさがっていく光景をセリオスは見ていた。そして、二人はそれぞれの剣と刀に目を向ける。どれも手入れがされたように輝いている。
「助けてくれたのか」
「そういうことみたいだな、で、今から俺もお前を助ける」
花の海が光に照らされる中、セリオスは歌い上げる。ユーベルコード:赤星の盟約(オース・オブ・ナイト)の歌声が仁科に、そして自分達を支えてくれる神に響く。
「……綺麗な歌だ」
「ただ守られるだけってのは主義に反するんだ。お前もまだまだ行けるだろ?」
歌を止め、セリオスは悪戯っぽく目を細める。
セリオスの両手に光り、宿るのは花の海を制御する煌めき。
「ああ勿論。しかし、こちらから渡したり、渡されたり……与える方が好きなんだ。返す方法は」
仁科が狩猟刀『牙咬』を抜くと、セリオスが『星の瞬き』の剣先をラビットバニーへと向ける。
「光は消え、花の海は煌めき足場と化し我らの元に。なんてな。――骸の海へ、沈めよう。それで貸し借りなしだ」
セリオスが詩を読むように唄うと、既にシステム・フラワーズの管理者と化した彼の声にあわせ花の足場が出来上がる。
二人は同時に駆けだした。
「もうエモみMAX怒髪天なんだけど!でもカワイイ門番はあーし!あーしなのに!」
炎の属性を纏った『星の瞬き』が青く光を放つ。
「門番?お前は骸の海から帰ってきた、只の残骸。花の海には似合わねえよ」
ラビットバニーは上を見上げる。降ってくる斬撃と、そこから噴き出す青い炎に悲鳴を上げた。
「あ、あーしまだ消えたくない!」
「元から消え、過去から戻ってきただけの存在が何を」
はっとした様子でラビットバニーは振り返る、のではなく下を見る。
被り物に映るのは『牙咬』の煌めき。
「あっ、こ、こんなのいやあああああああ!!!!」
ウサギの被り物が砕け、背中から大きく切り裂かれたカワイイバニーの足元、花の足場が崩れる。
それと共にラビットバニー自身の体も砕ける。
「はは……モンキーちゃんと一緒か……でも……ま、最期にエモ攻撃みれたし」
良かった、と唇が動く前に花の海の中、ラビットバニーは消えた。
花の海の中、二人を支援していた天津が足場というより寝床になったそれにに埋もれる。
「わらわの力、役に立ててよかったのう」
システム・フラワーズ。花の海の中で振るわれた剣と刀。
「確かにエモイな。若い奴の感覚、分かってきたぞ!」
大成功
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