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バトルオブフラワーズ⑩〜エモって!バニー~

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー

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●齢53歳、エモさについて考える
「みんな、キマイラフューチャーの戦争、お疲れ様だよ」
 グリモア猟兵である熱海・靖久(多重人格者のおじさまダンサー・f06809)が集まってくれた猟兵に頭を下げる。
「さて、おさるさんの次はうさぎさんが現れたようだ。その名も、カワイイ怪人『ラビットバニー』」
 靖久がホワイトボードに怪人の写真をペタリと貼る。
 そしてその下に水性ペンで【Emortional!!!!】と書き加えた。
「既にご存知かもしれないけれど、彼女はまず『絶対無敵バリア』を展開する。これは非常に強力で、どんなものもかないやしない」
 靖久が片手で眼鏡を押し上げる。
「だけれど! 彼女は『エモ』さに弱いらしい」
 言いきる靖久。
 そして無言の間が続く。
「あ、僕だってちゃんとわかっているよ。職業柄、若者言葉は多少耳に入ってくるんだ本当だよ」
 胸を熱くし、高揚感を与えてくれる出来事。昔だったら音楽のジャンルだったかもしれないが、今やその定義は幅広い。
「音楽は勿論、ダンスや絵画の芸術だけではないよね。えーーーと、SNS映え? するようなものだとか。胸にグッと迫る出来事だとか……とにかく、敵の感情を良い意味で揺さぶってもらいたいんだ」
 かわいさ、男らしさ、おもしろさ、血だらけで立ち上がる様子、突然のパンチラ、イケメンの壁ドン、水を吐き出すフグ、二足歩行するアライグマ、人間の顔に見える鯉、年の差恋愛エトセトラ、エトセトラ……。
「敵が、猟兵の行動に『エモい!』と感じたらバリアの効果がなくなる。その隙を狙って攻撃を仕掛けてもらいたい」
 しかし、と靖久の眼鏡が光を反射した。
「いくらエモさに弱いとは言え、彼女も強敵だ。気を抜かずに戦いも行って欲しい」
 そう言うと、靖久は皆を転送する準備に入る。
「僕もダンスでエモさを表現したい位なんだけど……みんなの無事を待っているよ」
 キレッキレのポージングを披露しながら。靖久は転送ゲートを開くのであった。


あけっちあ
 はじめまして、もしくはお世話になっております。あけっちあです。

 キマイラフューチャー×エモーショナル×バニー! という黄金比率に居ても経ってもいられなくなりました。
 お気軽にゆるっと参加いただけますと幸いです。
 皆様のPC様のエモいシーンや場面を描かせていただけると思うとワクワクが止まりません…!
 小道具やらキマイラフューチャーのコンコンでなんとかなるのでは、ぜひ皆様の凝りや拘りを詰め込んでいただきたく!
 しかして、ラビットバニーさんはエモさんにはユルいですが、中々の強敵のようです。戦闘部分もお忘れなくー!

 また、特殊ルールは以下となります。
 ご一読いただけますと幸いです!

●特殊ルール
 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。

 以上ですっ。

 油断せず、しかし皆様の思うエモーショナルをビンビンに発揮していただけますと幸いですッ。
 ぜひゆるっとエモッと、のんびりお待ち申し上げます!
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第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:和狸56

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●エモ悦る
「ちょっとマジあーしのベコ、可愛みが尊くなーい?エモみ上げるためにダチにとそーしてもらってエモ紫にしちゃったしー。マジ映えー。しかもほら、普通のべこの三倍の速度で首上下すんの!ほら、パないっしょ?あ、でもあーしのベコ自分で見てもブチ上がらないからそこんとこよろー。そーいえば、こないだフェス?ってヤツに誘われていったんだけど、まさかの元カレとぐーぜん出会っちゃって~↑。しかも2人で見た推しアーのライヴだったから思い出マジ走馬灯まわりんぐで……」
 無敵ゆえか、暇なのか、なんなのか。
 話の長そうなラビバである。
テオ・イェラキ
つまりは、魂を揺さぶれば良いのだろう?
であれば簡単だ、我が部族に伝わる舞を見せてやろう!

挑みかかるように接近しながらも敵の攻撃の回避に集中しよう
俺が舞うのは風纏う激情の舞
敵のキャノンも、カンフーも舞の動きでアクロバットに回避するぜ
足元の花が動いたって、それはステップを踏む位置が変わるだけさ
ラジカセでいつの間にか舞に似合った軽快なBGMを垂れ流すぞ

敵のバリアが解除された後も舞は続けるぞ
この舞は一度止めたらそこで終わってしまう
舞を続ければ続けるほどより早く、より激しくなっていくのだ!
敵の注意を引きつけ、舞も最高潮へと達した時
連続回転蹴りを喰らわせてやろう
くらぇぇええええい!ブレイクぅ!



●#蛮族パンツは良いパンツ
 キマイラフューチャーのエイプモンキーとの壮絶なバトルを戦い抜き、猟兵達が咲き乱れる花々の足場を更に先へと進む、と。

「あ、なんかスゴイの来たっぽくね?」
 ピンクのうさぎ仮面――カワイイ怪人『ラビットバニー』がゆらゆらと横に揺れながら、向かってくる一人の美丈夫の姿を認めた。
「しかも肩にラジカセ担いでるし!マジぱなくなくない?」
 ウケルー、と手をパンパンと叩いている。現れた彼の姿を見ただけで、もう既になんかバニーの胸にはエモみがキているようではあるが。
 190cmの長身で屈強な体躯を持つテオ・イェラキ(雄々しき蛮族・f00426)が、肩にラジカセを担いでバニーへと近付いてくる。その眼光は鋭く、敵であるバニーの姿をしっかりと捕えており。
(魂を揺さぶれば良いのだろう? であれば、簡単だ)
 テオはラジカセを足元へと置き、改めてバニーを見やる。
「うわ、やっぱあーしと戦おうって気? マジバリア案件だわこれ」
 バニーがご自慢のバリアを張り巡らせた。一切の攻撃を無効化するというそのバリアは、テオの身にもその強い力が自然と伝わってくる。
 だが、そんなバリアを一時的に解除するのが――エモさ。
「であれば簡単だ、我が部族に伝わる舞を見せてやろう!」
 テオが勢いよくシャツを脱ぎ捨てた。
 露わになる、良く色づいた厚い胸板、隆々とした筋肉。
 鍛え抜かれた全身に
「うっわ、マジエモ!! ちょ~鍛えてるんですけど!!!!」
 ここで既にバリアが解除された……!
 手をパチパチと叩きながら、楽しそうに首を上下に動かすウサギ仮面。
(想定以上にゆるいんだな)
 テオが苦笑した表情をバーバリアンヘルムで隠しながら、ラジカセのスイッチを押す。
 そのスピーカーから流れる音は、腹に響く重低音のリズム。
 戦場を力強い太鼓の音色と、民族楽器であろう笛の音が響き渡る。
「うっわ、何これエモ! 聴いたことないんだけどー!」
 そのリズムに己も手を打つバニー。もはや敵なのかギャラリーなのかわからない程。
 テオが曲のリズムに乗って大地を踏み鳴らす。
 時に軽快に、時に重厚感を持って。
 曲調に合わせしなやかな動きを見せる動きは、まさに風のよう。
 かと思えば、突然の激しい蹴りと突きで突風を思わせる、緩急ついたダンスという名の攻撃に転じ。
「うっわ、マジ凄! でもあーしもダンスってーか動きなら負けないしー」
 バニーもテオが用意した音楽に合わせクネクネと動き始めた。
 無論、その動きはテオの踊りとは雲泥の差ではあるが……彼女は元々ダンサーではない。
 彼女の兎面の瞳が光り……うさちゃんカンフーモードと変身した。
「あーしもブチあげでいくしかないっしょーー!!」
 見た目以上に俊敏な動きでバニーがテオへと襲い掛かる。
(……早いな)
 バニーのネイルたっぷりな爪での突きを、テオは身体を逸らし躱す。しかし、テオの舞は止まらない。
 バニーの攻撃ですらも演舞の一部であるかのように、激しい舞いを続けるテオ。
(この舞は、一度止めたらそこで終わってしまう)
 テオはダンスは激しく、しかし内心は冷静に敵の姿を捉える。
「ちょ、マジ動き早くね?」
 カンフーモードバニーのスピードが更に加速していく。
 言葉とは裏腹に、彼女の声には余裕が見て取られ。
(……くっ!)
 テオの腹に、彼女の放った鋭い蹴りがヒットした。
 だが、テオの強靭な肉体はその攻撃に身を動かすことなく、舞いを続ける。
「うっわ、マジ頑丈じゃね??」
 そう言いながらバニーは更に攻撃を加えてくる。
(舞を続ければ続けるほど……)
 時に躱し、時に反撃しながら。決して舞いは止めずに、赤い瞳がうさぎの仮面を睨み付けた。
(より早く、より激しくなっていくのだ!)
 テオが大きく手を鳴らし、足を踏む。
 地を踏み鳴らすその動きは、風と熱いオーラを纏う激情の舞い。
「うおおおおおおおおぉぉおおおおお!!!」
 テオの咆哮に、余裕を見せていたバニーの動きが思わず止まる。テオの舞もクライマックスだ。
「くらぇぇええええいっっ!!! ブレイクぅぅぅぅうっっっ!!!!」
 テオの叫びと共に、その身がぐるりと回転する。逆立ちの状態となり、足を大きく回転させ、バニーに力強い蹴りをお見舞いする。
 テオのユーベルコード『風纏う激情の舞(ブレイクダンス)』。
 その効果により、竜巻の如き回転と激しさで何度もバニーの身体をテオの太く力強い足が捕え、蹴りを加えていく。
「……フィニッシュだ」
 ラジカセから流れる音に合わせ、踵落としを喰らわせれば。
 丁度良く音楽が止み、テオの蹴りも止まった。
 激しいキックの応酬により、花々の床に突っ伏すバニー。
「……蛮族パンツ、マジエモ……!」
 彼女が倒れる前に見た光景は、テオのバーバリアンパンツだった、とか。

成功 🔵​🔵​🔴​

ポク・ョゥョゥ
うさぎたん可愛ぃーねー
ぽくはぱんだなのー
あがめよー

それじゃー、えもい?タイムだー
ここにねーパンダの着ぐるみがあるのー
着るのー
おっけー、踊るよー
みゅーじっくすたーとー
音はねーコンコンで良いのなかったらスマホで鳴らすよー

いけてるぱんダンス踊りながら回避するよー
カンフーをぽよっと避けてー
足場のお花もぽよぽよ跳ねて逃げるのー
赤べこキャノンはー命中したかにみせてー
実は着ぐるみを身代わりにして回避したよー
ふははーそれは着ぐるみだー

避け終わったらクライマックス踊るよー
のりのりぽよぽよ〜そーくーるー
うさぎたんも一緒に踊るー?

えもかったー?それじゃーいっくよー
いつの間にか近くにいたぽくの〜めがとんぽくぱーんちー



●♯真の姿が激エモかったけど今回は出てきません
「ちょ、あーしまだまだ負けないし! マジ無敵だし!」
 キマイラフューチャーの花道の中心……ではない所で想いを叫ぶカワイイ怪人『ラビットバニー』。
 まだ一人しか対峙してないのにもうなんかこう、だいぶエモみに押されまくっている。
「ちょ、ちょっと気を引きしめるんだかんねっ。こっからはもう、一筋縄ではいかないしー!」
 そう言いながら、バニーは立ち上がり胸を張る。

 そこへ、ぽてぽてるんるんとやってきたのが。
「あがめよー」
 自称パンダ系愛らしブラックタールのポク・ョゥョゥ(よろしくなの〜・f12425)が愛らしいスマイルと共に両手を上げ、愛らしくバニーに語り掛ける。
(もう駄目可愛い……ッ!)
 バニーが顔を押さえ膝から崩れ落ちた。
 可愛い。エモ可愛い。壮絶エモ可愛い。チョモランマ鬼マッハ滝エモイ。
(だ、駄目よあーし。これ以上エモに押しつぶれられない……!)
 決死の表情でバニーは力を振り絞り立ち上がる。
 肉体的ダメージは皆無だが、精神的エモダメージは幸せに最高潮だ。
 そんな立ち上がったバニーを、101cmのポクがつぶらな黒い瞳で見上げる。
 その瞳は黒いながらもキラッキラと輝いて。
「うさぎたん可愛ぃーねー。ぽくはぱんだなのー」
 うん、パンダだね、タールじゃないねパンダだよ。
「あがめよー」
 我を崇めけり……! そういう意味にも取れそうだが、ポクさん的には「あがめよ」は挨拶だと思っている模様。そこらへんもエモい、エモ可愛い。
「あああああーし、崇めますううう」
 ですよねわかります。バニーは再度膝から崩れ落ちた。エモ可愛いは、正義。
「それじゃー、えもい?タイムだー」
 え、まだ始まってないの!?
 バニー怪人の許容量はもう既に超えてはいるが、こうなったらとことんポクたんのエモみを満喫していただきたい。

「ここにねーパンダの着ぐるみがあるのー」
 ……え?既に着てません? あれ? 錯覚?
「着るのー」
 その着ぐるみにすっぽりと収まっていくポクさん。よいしょ、よいしょ、と一生懸命に入っていく姿がもう既にエモい。
「おっけー」
 ポクonパンダonパンダ着ぐるみ。両手を愛らしく上げ手をポムポムと叩けば。
「みゅーじっくすたーとー」
 ポクの身体の中からポップでキュート、軽快で明るい曲とリズムが流れる。
「え、なーに? パンダちゃん実は楽器? マジ凄くない?」
 ブチ上げ!と驚くバニー怪人に、ポクは手をブンブンと振る。
「スマホ入れたまま、きぐるみのなかに入っちゃったのー」
 ま、いっかー。そんなのんびりとした口調で、ポクは曲に合わせてダンシング★
 お手てをぱんぱん。
 あたまをゆらゆら。
 ぽよぽよ跳ねたら、スチャッ☆ と着地!
「あぁあ、何これ夢可愛いエモい……!」
 バニーがうさぎ面の頬に手を充てて身震いする。人は愛らしさの極致に来ると震えるらしい。
「あぁでも、あーしのバリアは破る事が出来ても! あーしとパンダちゃんは敵同士! 負けられないしっ!」
 こんな、愛する者が敵味方になることすらエモみを感じる、と実感するバニー怪人。いや別に愛し合ってないけど。
「行くべ、あーしのベコちゃんキャノン!」
 バニー怪人の赤なんだか紫なんだけのベコ人形から弾が発せられ。
「わー、すごいねー こわいねー」
 全く切迫感や緊迫感がないながらも、ポクはお花畑をぽむぽむっと跳ねながらキャノン砲を避ける。
「くぅう、可愛いエモいし! でもあーし負けないしっ!」
 攻撃回数を増やしたキャノン砲が次々とポクを狙う。
「うーー、わーーー」
 ……遂に。
 バニー怪人のキャノン砲がポクの身を捉えた。
 ウッシャッ!とバニー怪人が小さくガッツポーズする。
「捕まえて檻に入れて育てるっしょマジで!」
 るんたった、とバニー怪人が花畑の上に横たわる白黒パンダの着ぐるみちゃんの回収に向かった。

 ……が!

「え、マジ? これガワしかなくない?」
 バニー怪人がポク……が着ていた着ぐるみをつまみ上げた。
 ヒラヒラさせ、その中にポクが居ないことを何度も確認していると
「ふははーそれは着ぐるみだー」
 バニー怪人の後ろから、のんびとした声が上がり。
「ちょ、マジわかんなかったし! 変わり身の術?伊賀? 甲賀? どっちにしろエモいんだけど!!」
 兎の目をキラキラさせるバニー怪人。
 その表情に嬉しそうに、またのりのりぽよぽよ~と愛らしくもSO COOOOLなダンスを披露する。
「……でも、次は逃げられないっしょ?」
 バニー怪人は再度赤ベコキャノンを構えた、が。
「一緒に踊れないのー。ざんねーーん。じゃあ、ばいばーーーい」
 相変わらずの愛らしいスマイルで、ポクは口を開いた。
「ひっさーーーつ」
 ポクの目尻が下がった。そして大きくジャンプし
「めがとんぽくぱーーーんち🌟」

 ✨⭐️o(*´ ▽ ` )==○o .。.:*☆🌟

 お星様のキラキラ効果と共に、愛らしい表情で、しかし抜群の破壊力で繰り出されたパンチ。
「……ッツッ!! まじっ、エモーーーーい!!!!!」
 どこか幸せそうな表情で、お空に飛ばされていくラビー怪人だった。

「こんどはいっしょに、おどろうねー」
 飛んでいくバニー怪人を、手を振り足を振りお尻を振り。
 愛らしく見送るポクであった。

 ……パンダ着ぐるみはスタッフが後ほど回収しました。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェラルド・マドック
タブレットと市販品未開封のお茶・お菓子のみ手持ち

よければお菓子をお供に休憩しない?
戦うなら全力の君でいてほしくてね
俺は武器を持ってないし俺を花で縛ってもいいよ

お茶しながらタブレットで、少年の手がピアノを弾くのに合わせて犬が歌うように吠える動画を開く)
そうだ、君こういうの好き?
動物って可愛いよね
演奏もまあまあじゃない?

動画を見進めた後)
実はこれ俺の実家の犬でね
まだタトゥー無いけど弾いてるの俺なんだ
でも加工して今の俺が弾いた音を入れてるから当時より上達してるかな
それで君は動画を見て演奏に意識を向けてどんな感想を抱いた?
…さあ休憩はここで終わりだ

俺がこの演奏に込めた思いはただ1つ
君自身を攻撃するんだ



●♯白いてのひら
 彼は、昔からの友人の元を訪れるような気軽さで、ここへとやってきた。
 行く手を阻む敵である怪人、ラビットバニーに向かって軽快に。柔らかな笑みをさw浮かべているのはジェラルド・マドック(しがない演奏家・f01674)の姿。
 彼が歩を進める度に、結わかれた乳白色の三つ編みが柔らかに揺れている。
「何人来たって、あーし無敵だし!」
 いくらかのダメージを負いながらも、流石第二の関門を任されていることのあってかバニーの力はまだまだ有り余っている模様。大きな胸を更に張り、そして再度無敵バリアを張り巡らせた。
 そんな彼女に向かってジェラルドは灰色の瞳を細めながら、その手に持つビニール袋をクイ、と上げながら。
「よければお菓子をお供に休憩しない?」
「へ?」
 ジェラルドの突然の休戦協定にバニーが驚きの声を上げる。
「え、マジ、何それ?」
 ジェラルドがビニール袋からペットボトルのお茶や清涼飲料水を取り出した。そのお供に最近流行りのスナック菓子やチョコレート、原色でカラフルなマシュマロなどが入っており。
「何が好きかわからないから、色々買っちゃったんだよね」
 ジェラルドが買い過ぎたことに照れたような笑みをみせれば、バニーは呟く。
「何この気遣いエモい」
 紳士の優しさにもう既に感動を隠せないバニー。なんかソワソワし始めているし、明らかにジェラルドとその飲み物やお菓子達に心を奪われている模様。
「戦うなら全力の君でいてほしくてね」
 爽やかな笑顔を見せるジェラルドの姿に、まぁ、もうバリア効果なくなってますよね。
「べ、別にあーし、いつだって全力だし!」
「あぁ、じゃあ……要らなんだね」
 ビニール袋を仕舞おうとジェラルドがするも
「べっ、別に食べてあげないこともないしー!」
 ……ツンデレなのか?
「わかったよ、一緒に食べよう。……あ。俺は武器を持ってないし、俺を花で縛ってもいいよ」
 ビニール袋を傍らに置き、ジェラルドが両手を上げ何も持っていないアピールをした。
「別に武器持ってよーが、あーしブチ強いし!」
「武器はないけれど、タブレットはあるんだ。一緒に、観ない?」
 ジェラルドが小首を傾げれば。二人は束の間の休戦を楽しむこととなる。

 花畑に座り込む2人。
 ジェラルドが美しい指先で画面をタップし、操作すれば……出てきたのは、愛らしい犬の姿。
 そしてその傍らに置かれたピアノ。椅子に腰かけた少年が、その白く細長い指で鍵盤を叩けば、美しいメロディーがタブレットから流れ始める。
「わ、この子めっちゃ歌ってない?」
 バニーが画面に映る犬を指差す。
 確かに、少年の弾くピアノに合わせ犬は歌うように鳴き声を上げている。
 きっと、何回も何十回も少年のピアノを聴いているのだろう。
 心地良さそうに声を上げる犬は微笑ましさを感じさせる。
「君こういうの好き?」
「すきー」
 バニーがその頭を揺らしながら曲と鳴き声に聞き惚れる。
「動物って可愛いよね。演奏もまあまあじゃない?」
「あーしはネイル邪魔で演奏出来ないからわかんないけど、マジすごーい。ワンちゃん会ってみたーーい」
 キャッキャと楽しみ動画を観続けるバニーに、ジェラルドは郷愁と共に笑みを深めた。

「実はこれ俺の実家の犬でね」
「へー、そうなん」
 尚も画面を見続けるバニーに
「で、まだタトゥー無いけど弾いてるの俺なんだ」
「マヂ??」
 バニーが秒速でジェラルドを見る。
 画面に映っている少年は真っ白な手、今のジェラルドは左手等にタトゥーが目立つ。
「でも、この曲は加工して、今の俺が弾いた音を入れているから……当時よりは上達しているかな」
 笑うジェラルドに
「じゃあこっちのワンちゃんも吠えるの上達してっかもね!」
 バニーも笑った。
「今バージョンの動画撮りなよ、マヂ観たいわ。バズるっしょ絶対!!」
 そんなバニーの言葉に、ジェラルドは曖昧な笑みを見せる。
 今ここで身の上話をする気は毛頭ない。
「そうだね。考えておくよ」
 ジェラルドは口元に手を充て、コホン、と咳払いの動作を見せる。
「それはそうとして。君は動画を見て、演奏に意識を向けて。どんな感想を抱いた?」
「マジエモい。凄い。超バズるっしょ、絶対」
 バニーがそう言った瞬間……バニーの意識がグニャリと歪んだ。
 よろけるような彼女の姿に、ジェラルドはそっとタブレットの動画停止ボタンを押し、立ち上がった。
「……さあ休憩はここで終わりだ」

 バニーは気付いていなかった。
 いつの間にかジェラルドのユーベルコードである『音楽の魅惑』が発動していたことを。
 そして、ジェラルドの歌や音楽に『感心』の気持ちを抱いた者へ、じわじわと精神支配する力があることを。

「俺がこの演奏に込めた思いはただ1つ」
 ジェラルドは、真剣な眼差しでバニーを見据えた。
「君自身を攻撃するんだ」

 バニーは、己の指先からシステム・フラワーズ制御ビームを放ち、己の足場の花を操作した。
 そしてその花はバニーを彩るかのように巻き付き、彼女の身体の自由を奪うのだった。

「……これもアート、だね」
 ジェラルドは彼女を見つめ、そっと笑みを零した。

成功 🔵​🔵​🔴​

榎・うさみっち
ずらっと並べるは沢山のうさみっちゆたんぽ
俺がこの小さい身体で夜なべして作ったぬいぐるみゆたんぽだ!
俺には全世界ご当地ゆたんぽを作って流通させるという夢がある
生活に苦しむダークセイヴァーの人達もこれで少しでも癒やされてほしい!
とエモい夢を語る
極めつけにラビットバニーをイメージした
「ばにみっちゆたんぽ」を【早業】で作ってプレゼント

【しんそくのうさみっちエスケープ】発動!
超強化した技能をフルに活かして
バニーに負けない速度や見極め力で攻撃を避ける
更にうさみっちばずーかから複数体のゆたんぽを打ち出し
【念動力】で自分の周りを飛ばせ弾除けにする
逃げつつもばずーかの狙いを定め
一撃でも食らわせたら無理せず離脱!



●♯ゅたんぽほしぃ
「あーしを色んな目に合わせるなんて……むしろブチ上がるわー」
 猟兵達による様々な攻撃を受けて尚、何もなかったかのように立ち上がるカワイイ怪人『ラビットバニー』。
 その兎の面は無表情ながらも楽しそうなオーラを放っている。
 そんな彼女の耳に、微かな羽音が近づいてくるのが聴こえてくる。
「さぁて、次のあーしの相手はおチビちゃんなワケ?」
 バニーが振り向きビシッ!と指差せば、ぴゃっ! と榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)が空中で停止した。
 うさみっちの背中には、サンタさんもビックリ!!な程に大きな袋。
 むしろその袋引きずって来たんじゃね?と思う程大きな服をを花畑に下ろしながら。
「くっくっく、見つかっちまったならばしょうがねぇぜ!」
 腕を組み、胸を逸らし。そのジットリとしつつも蒼く大きな瞳がバニーに力強い眼差しを送る。
「コイツを見ろ! そしてミュージックスタート!」
 うさみっちがパチン! と指を鳴らせば、キマイラフューチャーの地に曲が鳴り響いた。

 ~ かぁぁさんがぁあ よなべぇぇをしてぇえええ ~

 両手を合わせ、瞳を閉じ。心を込めて歌ううさみっち。
 その様子にバニーは棒立ちとなった。
「……逆にエモいわ」
 そう、哀しいかな、うさみっちの歌唱能力は測定不能の域に達しているのだ。 ※但しイケメン化は除く
 しかし聴いて欲しいのは歌じゃない。
 サンタ風プレゼント袋から出てきたのは……沢山のうさみっち湯たんぽ。
 うさみっち自身も、夜なべして作られた湯たんぽに魂が吹き込まれたヤドリガ……フェアリーである(真相不明)
 いわば、この並べられたうさみっち湯たんぽ達は、うさみっちにとってブラザーであり可愛い我が子達であり。
 愛らしい通常うさみっち湯たんぽを始め、着物姿のうさみっち湯たんぽ、スチパン風の学生服姿のうさみっち湯たんぽに、戦隊モノのピンクの服装のうさみっち湯たんぽ、着ぐるみを更にかぶったうさみっち湯たんぽに、河童風のうさみっち湯たんぽに……
「うっわ、マジ可愛いマジエモいむしろ欲しい連れて帰りたぁぁい!!」
 バニーの目がキラキラと輝く。もはや完全無的バリアも解除されているが、うさみっちの説明は続き。
「んでこれが、野球の監督バージョンで……」
「あーしはこの子欲しーい!」
 そう言いながらバニーが摘まみ上げたのは。
「うさみっち様を摘まみ上げるんじゃねぇええ!」
 羽を摘ままれバタバタモダモダ手足を動かす。
「それに! このうさみっち湯たんぽはお前にはやれないんだぜ!」
 えー、ケチー、と頬を膨らますバニーに、うさみっちは叫ぶ。
「これは、俺がこの小さい身体で夜なべして作った、精魂込めたぬいぐるみゆたんぽだ!」
 相変わらずバニーにフェアリー羽を摘ままれながらも
「俺には全世界ご当地ゆたんぽを作って流通させるという夢がある……!」
 うさみっちはキマイラフューチャーの遠い空っぽいものに視線を流した。
 その表情はシリアスで。シリアスモードうさみっちさんで。
「生活に苦しむダークセイヴァーの人達も、これで少しでも癒やされてほしい……」
 うさみっちがアンニュイな表情を見せれば、バニーは「そっか……」とうさみっちを優しく花畑へ下ろす。
「だがな……見てろよ!」
 うさみっちが素早く、サンタ袋から余った布きれや針と糸、その他諸々を取り出した。
「うおおおおおおおおおお!!!!!」
「……早ッ!? 手元見えねーし、マジぶち上げーー」
 神絵師であるうさみっち、その手は神クリエイターでもある。
 瞬く間に、それはそれは瞬く間に、布と糸だったものが立体となり……
「完成、だぜ」
 ふぅ、と息を吐き。うさみっちはバニーにそれを手渡した。
「え、何これ、マジ!?」
 バニーが受け取ったのは……『ばにみっちゆたんぽ』。
 それは、もはやうさみっちではない。
 丸くてピンクなバニー怪人を模った湯たんぽだ。
「……え、もしかしてこれ……」
「これなら、お前にやってもいいぜ」
 トゥンク……! とバニー怪人の胸の高鳴る音が聞こえた気がする。
「うわー、マジエモいわ、ありがとー!」
 キャッキャと喜ぶバニー。
 ……しかし。

 彼女は、敵なのだ。

「超嬉しいプレゼントを胸に……ちゃちゃっと倒させて貰うからね!」
 バニーがズビシッ! とうさみっちに宣戦布告する。
「そこにある湯たんぽ達はあーしが売ってあげるから安心しろしー」
 バニーが小脇に湯たんぽを抱えたままにカンフーモードでうさみっちに攻撃を仕掛ける。
 片手が塞がっていても尋常ではない反射速度でうさみっちを狙うっ。
「うっ、ちっこくて素早いしっ!」
 うさみっちも負けじとユーベルコード『しんそくのうさみっちエスケープ』を発動させ、逃げ足やダッシュなど主に逃走用能力を爆上げし、バニーの攻撃をぶーんぶーんと駆け逃げる。
 うさみっちの左うさみみにバニーの紫に輝いた爪がかする。
「ぴゃあああああああ!!」
 逃げながらも、うさみっちは振り向きながら『うさみっちばずーか』を発射する。
 数多くのうさみっち湯たんぽがバニーに向かって飛んで行くが、バニーは簡単にそのうさみっちを払い落す。
(一撃でも喰らわせられれば……!)
 うさみっちの額に汗が流れる。
 更にバズーカからうさみっち湯たんぽを発射し追撃する。その攻撃は当たることはなかった。だがしかし、うさみっちは気付いたのだ、バニーの動きに。
(ばにみっち湯たんぽを……護ってるのか?)
 ならば。
 念動力で壁の役割を果たさせていたうさみっち湯たんぽを再度終結させる。そして。
「いっけええええええ!!!!」
 うさみっちが指を差し、突撃の合図を出した。
 一斉にうさみっち湯たんぽがバニーを……否、バニーの持つばにみっち湯たんぽを狙う。
「こ、これは、これだけはダメだしーーーっっっ!!!」
 バニーがばにみっち湯たんぽを強く抱きしめ護り。
 うさみっちバズーカによって、バニーの身体は次々と攻撃を浴びせられるのだった。
「やった……ぜ……」
 うさみっちはその場から逃走した。
 ぶーんぶーん、と。
 しかし弱弱しく飛んで行くうさみっちを追う者は、いなかった。

成功 🔵​🔵​🔴​

千愛・万望
えーーかわいい~!つかマジエモくない?赤べこ紫マジウケるんだけど~!

(話し掛けながら近付く)

マジパープルじゃね?パーべこ!パーべこ!ウケる~!
あ、てか、てか、ちょっ聞いて聞いて!見てこれ、あーしのマンボウ!
マジ可愛くない!?マンボウ今マジ来てんだよねあーしの中で!マンボウブーム!今マンブーム到来してっから!
見てこれあーしが作ったマンボウ!エモくない?超癒し系なんだけど!


そおおおおい!!(《月泳》を【一斉発射】)


引っかかったなおっぱいめ!名付けてエモエモマンボウ作戦さあ!

そしてあーしは…逃げる!
足場を操作されても式神:陰陽魚たちに【騎乗】!
【空中戦】技能を駆使して式神を【投擲】しながら逃げ切る!



●♯前世は友達(推測)
「まー、少しは骨のある相手じゃないと、あーしも楽しめないってゆーかー!」
 キマイラフューチャーの花畑の上で、カワイイ怪人『ラビットバニー』は大きく背伸びをした。形良く大きく、丸みを帯びた褐色寄りの胸が弾む。
 そんなラビットバニーの元に一つの影が近づいてきた。
 藍色に輝く瞳は楽しそうに細まり。口角を上げた自然な笑みで現れたのは千愛・万望(誰が為に誰が為す・f17823)。
 ラビットバニーに負けず劣らず、和の要素を取り入れながらもセクシィな趣きを見せる傾着物に身を包んでいる万望。下着である白褌もバッッッチリ見えているが、それも踏まえお洒落であろう。
 事実。
「うっわ、なんかめちゃエモくない!? どこのブランドなのマジ気になる!」
 バニーが万望の服装に、兎面の瞳を輝かせた。
 キマイラフューチャーの服装はどの世界よりもトンチキな世界観かと思われる。それもあって多種多様な価値観が認められよう。
 万望の着る着物もハイセンスに見えてならないどころか、馴染んでいる。
「うっわ、マジで? この良さわかる? マジブチあげ~!」
 ……決して、バニー怪人が2人いるわけではない。断じて、断じて。
「つかマジエモくない? 赤べこ紫マジウケるんだけど~!」
 手をバンバンと叩きながらバニーの肩に乗る紫色の赤ベコを指差し笑う。
「でっしょ、マジエモみがパープルフラワーガンギマリっしょ~!」
 バニーもまた万望同じくバンバンと己の手を叩く。
 多分この2人、同じ世界の人だわ。世が違えばソウルメイトだわ、きっと。
 万望が紫赤べこを指差し手を充て、そのべこ首をガンガンに上下させる。 
「マジパープルじゃね? パーべこ! パーべこ! ウケる~!」
 そんな万望の様子に動じることもないバニー。むしろべこを褒められてご満悦な模様。
 そして万望は思い出したかのように
「あ、てか、てか、ちょっ聞いて聞いて!」
「え、何何何??」
 グイグイ引き込まれているバニー。そして万望の手元を覗き込めば
「見てこれ、あーしのマンボウ! マジ可愛くない!?」
 万望の手元で浮かぶのは、マンボウ型式神。
 平べったいながらもまぁるいフォルム、そして無を感じさせるその瞳。
「可愛い、マジエモいわ。この無表情さ加減あーしのベコとなんか共通点あんじゃね!?」
「超ショギョームジョー感じちゃうっしょ! マンボウ今マジ来てんだよねあーしの中で!」
 その熱意にバニーも興味深々で浮かぶマンボウを覗く。
「見てこれあーしが作ったマンボウ! エモくない? 超癒し系なんだけど!」
 万望が次々とマンボウ型式神を浮かべていく。
「うわー、エモのたかみざわー! 触りたいし抱きしめたいしー!」
「マンボウブーム来るっしょ!! ってかむしろ今マンブーム到来してっから!」
 バニーがそのネイルで彩られた手で万望の創り出したマンボウ型式神に触れようと手を伸ばす。
 その時――

「そおおおおい!!!!!!」

 数匹だったマンボウ型式神が、どぉん!! と135頭にも増えだした。
 それは万望のユーベルコード『月泳』により現れた飛行マンボウ型式神爆弾であり。そしてその式神達は一斉にバニーへと向かい宙を泳ぐ。
「ひゃああああっっっ!!!」
 マンボウの愛くるしさにエモみを感じていたバニー、先程までのソウルメイト感もあったがためか、まぁ丸腰である。驚きに飛び退くも、万望の式神マンボウのスピードは速い。
「引っかかったなおっぱいめ!」
 ガンガンとバニーの姿に当たっては爆発していくマンボウ式神達。
 相当な数のマンボウがバニーの身に爆風と衝撃を与える。
 そんじょそこらの敵だったらひとたまりもなかったであろう。だが。
「マジ騙されたし! この貧(ピーー)女!!」
 どこからか笛の音が聴こえましたが気にしないでいただきたい。大きいも小さいも皆尊いよ。
「名付けてエモエモマンボウ作戦さあ! やっぱしぶといわな。 じゃ、あーしは逃げる」
 スチャッ! と手を上げ。万望はスタコラサッサ! と戦線からの離脱を試みる。
「ちょっと待てだし!!」
 バニーが両手をワキャワキャと動かし、ユーべルコード『おはなハッキング』を発動させた。
 するとバニーの手の動きに合わせて、足場である花畑がニョキニョキと伸び、その枝や蔓が万望の身を捉えようと動き始めた。
「うわっ、マジ勘弁だしっ!」
 器用ににゅるにゅると動き、万望の足に蔓が絡まる。
「……くっ!」
 不快感を覚えるその感触に、万望は眉間に皺を寄せた。
「でもマジ負けないっしょ!!」
 万望が指を鳴らせば、まだ残っていたマンボウ型式神が万望の元へと集ってくる。
 そして万望に絡みつく蔦に突撃し、その蔦を追いやった。
 更に他のマンボウ式神の集合体が集まれば、それは魔法の絨毯のように宙を飛び。
「おっけ、逃げるし!」
「マジ待てってばぁああ!!!」
 鬼のような気迫を見せるウサギ仮面のバニーがハイヒールのままに必死に追いかけてくるのを、万望はマンボウの絨毯の上からマンボウ式神を投げつけながら、来た道を戻っていくのだった。
「マンボウ一匹位、献上しろしーーー!!!」
 バニーさん、本気でマンボウを気に入ってた模様でしたとさ!

成功 🔵​🔵​🔴​

サギリ・スズノネ
サギリ、エモって初めて知ったのですよ!
つまりエモさはパワー、エモさは正義!って事でやがりますね!
よーし、サギリもいっぱいエモエモするですよ!
ところでー、お姉さんの頭も、なかなかイカしてやがるですよ!

【火ノ神楽】で火の鈴をいっぱい出して、敵の周りでぐるぐる回すですよ!
遊園地の夜の『ぱれーど』みたいにー、火の粉も散って、きっとキラキラ綺麗なのです!

バリアが解除されたら、そのまま周りをぐるぐる回し続ければ、攻撃の邪魔も出来ねーですかね?
邪魔しつつー回している火の鈴を敵にぶつけるですよ!

敵の攻撃はすげぇやばそうなのですよ!
避けられない時は鉄鍋を盾代わりに【盾受け】するです!

(アドリブ、連携歓迎です!)



●♯エレクトリカルファイヤーパレード
 サギリ・スズノネ(鈴を鳴らして願いましょう。・f14676)は美しい金の瞳を更にキラッキラに輝かせた。
「サギリ、エモって初めて知ったのですよ!」
 透き通るような色白の肌を持つサギリ。その陶器のような頬を、柔らかな桃色に染め上げ興奮を隠せないでいる。
 彼女は、本坪鈴のヤドリガミ。サムライエンパイアの世界だろうか、田舎の小さな神社に魔除けだった、と自負している彼女にとって、こうして動ける身になった今も目に映るものや事象はどれも新鮮で。
 ましてや、キマイラフューチャーの世界ともなればもはやお伽話のような世界にさえ感じられる。
 しかし、だ。サギリは学ぶことを忘れない。
「サギリ、エモって初めて知ったのですよ!」
 愛らしい掌をグッ!と握りこぶしにし、サギリはその手を大きく突き上げる。
 おかっぱの髪に飾られた鈴の装飾や、白の着物の帯に飾られた鈴がコロコロと華麗なで愛らしい音を響かせる。
「つまりエモさはパワー、エモさは正義!って事でやがりますね!」
 うん、大丈夫。多分そんな感じで大丈夫。エモさの定義は人それぞれだからね!
「よーし、サギリもいっぱいエモエモするですよー!」
 愛らしい少女がウキウキソワソワする姿、それだけでもエモみ感じるわぁ……とそっとサギリを見守っていた怪人、ラビットバニーがほっこりとした表情を見せる。
 流石に多くの猟兵を相手し、徐々にだが疲労も蓄積してきたのだろうか。それともただ単に一挙手一投足の愛らしいサギリに見惚れたいだけか。
 大人しくしていたバニーだった、が。
「ところでー、お姉さんの頭も、なかなかイカしてやがるですよ!」
 金の瞳を細め、ニパッ☆と笑顔を見せるサギリ。
「え、マジ? 見る目あんじゃんお嬢ちゃんっ!」
 己のウサギ仮面を撫でくりまわし、喜びに頭を上下に動かすバニー。
「それでは、サギリのエモエモミラクル胸ドキズッキュン☆パワーを観てエモりやがるですよー!」
 どこから得た語彙力!? と思いながらバニーが身構える。
 なんというか段々こう、隙を狙われてる自覚が出てきたのかバニーの疲労が溜まってきてるからか、割とガバガバ度が減って気がするぞ、どうするサギリ……!

「鈴を鳴らして舞いましょう」
 サギリが優雅な所作でクルリと回る。
 すると、白い着物に金色の水玉模様が出来たかのように、鈴の形をした炎が無数に現れ始めた。
 サギリが掌をそろりと返せば、その金色の火の玉はサギリの手に少しずつ集まり。
 くるくると手を回せば、サギリの動きに合わせ周りをグルグルと回っていく。
「ほぇ~、なんかめちゃ綺麗じゃね!?」
 バニーはその幻想的な火の玉のダンスに心を奪われている。
「せっかくですし……こんな音楽があっても良い気がしやがるですよ!」
 サギリは空いた手で道をコンコンし、音楽再生機を取り出した。ポチっとボタンを押せば、賑やかな音色流れ始め。
「うっわー、これステキーランドのパレードの曲じゃね!? マジテンションあがるわ~!」
 学生時代を卒業した後に敢えて制服姿で遊びに行った記憶を思い出すバニー。
 それだけでも懐かしエモさに胸を締め付けられそうになりながら。
 そんなバニーの様子に満足そうにサギリは火の玉を操る。
 バニーの回りを陽気な音楽に合わせ踊る様に舞う火の玉。そしてそこから弾ける火花。まさしくそれは。
「あーしが観た、エンディングの花火だわコレ」
 うさぎ面がそっと火の玉のキラキラと火の粉に見惚れていた。そして呟く。
「……エモい」
 郷愁の念が籠っているのだろうか、しんみりと呟くバニーの言葉に無敵バリアの気配が消えた。
(……行くですよ!)
 サギリがそのタイミングで火の玉をバニーへと向けた。
「まぁ、そうくるよねー」
 流石に力のある敵、サギリの攻撃はお見通しでもあったのだろう。
 バニーの身に迫りくる炎を素手のままに叩き落とそうと動かす。
「結構な熱さでやがりますのに!」
 サギリが大きな瞳を更に大きく見開いた。
 バニーの攻撃に金の炎をぶつけるように当て、その隙にサギリは身を躱す。
「ちょこまかすんなし! そろそろパレードはお終い、子供は寝る時間っしょ?」
 バニーが不敵な笑みを浮かべた。
 そしてその指先をサギリへ……否、サギリの足元へ向ければ。紫色のビームが放たれ、足元の花畑へ命中した。
「よっし、それじゃそのお嬢ちゃんを縛っちゃってぇ!」
 バニー怪人のユーベルコード『おはなハッキング』により、ビームが当たった花の足場を自在に操作しようとする……が。
「えい」
 サギリは、咄嗟に装備していた鉄鍋を動き出した花の足場に被せた。
 いつからあったんですかその鉄鍋……!
 更に、その上にサギリは乗る。
「あ、ちょ、何それぇ!」
 突然の鉄鍋の登場に驚きを隠せないバニー。そして和風美少女with鉄鍋。これは確実にエモい。
「使えるものは何でも使うのが勝負なのですよ! さぁ、最大火力をお見舞いするです!」
 鉄鍋の上で、サギリが大きく掌を上へと上げた。
 その動作により、集まってくる鈴の形をした金色の炎。
 どんどんと炎が集まり……最終的に、形状は違うが大晦日に鳴らす鐘の如き大きさにまで炎を膨れ上がり。
「行きやがれです!!!」
 サギリの炎が、光り輝く熱と微かに聞こえる鈴の音色が、バニーの身体に直撃し、彼女の身を燃やすのだった――。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラビット・ビット
依音◆f00642と

プレゼンします
依音さんとのデートの話です
デートと言えば遊園地
しかし彼は行きたがりません
でもツンデレは何時もなので強引に連れていきます

遊んでても彼は終始ぶっちょ面
ごめんそんなに嫌いだと思わなかったって観覧車に乗りながら
しょんぼりと言うと
最初から言ってたろって言った
その10秒後!
沈黙に耐えきれなくなったように…嫌な思い出があるんだって言われて
でもそんなの悲しいじゃないですか
だからその悲しいのがなくなるくらい楽しいでいっぱいにするからって抱き締めて!
ここでキス!

そして!次に行く時には二人でてるてる坊主を作るんです
依音くんにへたくそっていわれなが…ぁあビットくんは武器じゃないです!


雨乃森・依音
ラビット(f14052)と
※好きにして下さい

あっ、この間散々な目にあった依頼のグリモア猟兵って思って同行すれば
あ゛?いや、いきなりなんの話し始めてんだ?
で、デートって…俺は生まれて今までデートなんて…
いや、マジで遊園地はやめろ…おい…おい!
ていうかなんで知ってんだよ!
何なんか見てきたみたいに話してんだこいつ!?
えっ…
いや…いや、いやいや!!
抱きしめて…キッ…!?(赤面)
あれ…ていうか話ぶりからして相手役もしかしておとk…ア゛ア゛ア゛!

早くバリア解けろよ!
ソテル!頼む!バリアが解ければ突貫だ!
いや、まだ喋ってんのかよ!?もうバリア解けてんだよ!
お前も攻撃しろ!
ソテルにラビットも投擲させて黙らせる



●#こんな時どんな顔して良いのかわからない
 キマイラフューチャーの花畑の上に。
 教壇が出来ていた。
 そしてその前には横長の事務机にパイプ椅子が二脚。
「なんかあーし、ここに座れって宇宙の意思に言われてる気がしたし」
 ダラッと気怠そうな姿勢ながらも、大人しくパイプ椅子に腰かける怪人ラビットバニー。
 そしてそのラビットバニーの隣のパイプ椅子に腰かけているのは。
(この間散々な目にあった依頼のグリモア猟兵って思って同行すれば……)
 ちょこんと大人しく座っている中性的シンガーソングライターギタリスト、雨乃森・依音(紫雨・f00642)。
 その視線は無である。無を感じさせている依音ではあるが、内心では何が行われるのかわかりかねない不安に苛まれている。っていうか一緒にいたグリモア猟兵どこ行った。そしてバニーは攻撃してくる気配はまだない。これが無敵バリアゆえの落ち着きなのかなんなのか。
 そんな思いがグルグルしていると。
 ガラリ、と横開きの扉が開いた……ような雰囲気でラビット・ビット(中の人等いない!・f14052)が厳かに入場してきた。
 シルクハットのウサギちゃんの耳がゆらゆら揺れている。
 そしてラビットが教壇の前に立つと、コホン、と咳払いをした。
「それでは、プレゼンします」
 両手を教壇の上にバン、と置くラビットにバニーはへーい、と気の抜けた声を上げた。バニーはきっと授業だとか真面目に受けなかったタイプだと思われ。
 しかしそんなバニーの様子も気にせずに。ラビットはその黒くクリッとした瞳をキッと前方に見据え口を開いた。
「依音さんとのデートの話です」
「え、何それマヂ気になるっ」
「あ゛?」
 急にバニーが身を乗り出したかと思えば、逆にガタッとパイプ椅子から立ち上がりかけたのは依音。
「いや、いきなりなんの話し始めてんだ?」
「デートと言えば遊園地」
「おい俺の話を聞け」
 中性的な容姿を持つ依音に、同じく愛らしい容姿を持つラビット。少女と少年、少女同士、少年同士にも見えるカップリング感がなんともお得みに溢れている。
(で、デートって……俺は生まれて今までデートなんて……)
 モゴモゴと口籠る依音をよそに、ラビットは更に続ける。
「しかし依音さんは行きたがりません」
 隣に座るバニーは
「えー、遊園地マヂ楽しいのにーー。なんでぇ?ね、なんで?」
 首を傾げ依音に詰め寄る。
「いや、マジで遊園地はやめろ……っていうか何話し続けてんだこれ戦場じゃないのか、おい! おい!」
 依音の叫びに更に熱がこもる。隣で相変わらずバニーが「なんで?なんで?」と聞いてきてくるがあぁもうお前も黙れ!と依音は睨みをきかす。
「でも、ツンデレはいつもの事なので強引に連れて行きます」
 淡々と、しかししっかりとした口調でラビットは語る。それはあたかも
「ていうかなんで知ってんだよ! 何なんか見てきたみたいに話してんだこいつ!?」
 それがラビット・ビットくんの力(MOUSOU)なので仕方がない。
 バニーさんが「ツンデレかー、超恋愛上級者じゃね!?」とむしろキャッキャと手を叩いている。
「晴れた休日の遊園地。家族連れ、カップル、楽しそうな人々が園内を闊歩する中……彼は終始、仏頂面」
 依音さん、今はいつものアンニュイな表情が鬼のような形相になりつつありますけど大丈夫でしょうか。
「二人でジェットコースターに乗っても。お化け屋敷に入っても。コーヒーカップぐるぐるしても、メリーゴーランドで馬車に乗っても、ゴーカートで競い合っても、そそれでも終始ぶっちょ面」
「うっわ、あーしだったらマジ超楽しんじゃうけどー」
「プリクラ撮ってもぶっちょ面」
「うわ何それそのシールマヂ交換したーいウケルー」
 手を差し出すバニーにあるわけないだろ!と突っ込む依音。
 そんな2人のやりとりを見つつ、しんみりとした表情で話を続けるラビット。
「夕暮れ時の観覧車に乗り、言うのです。『ごめん、そんなに嫌いだと思わなかった……』」
 情感たっぷりにしょんぼりと言うラビットの言葉と表情。
 そしてすかさず
「『最初から言ってたろ』」
 依音役を一人二役するラビット。
(なんなんだ、本当にこれなんなんだ……)
 依音が頭を抱えるが、バニーは目を輝かせてラビットの演技を食い入るように見つめている。
「そう言って、沈黙。……その10秒後! 沈黙に耐えきれなかったように、彼は観覧車の中で言ったのです」
 バニーが耳を澄ます。
「『嫌な思い出があるんだ』」
 顔を背け、苦い顔で言葉を紡ぐ依音……を想像し演技するラビット。
「えっ、いや………いや、いやいや!!」
 立ち上がり、古典的に掌でオイッ! とツッコみを見せる依音さんですが大丈夫でしょうか。そんな具合で大丈夫でしょうか、バニーは「あぁ……トラウマってヤツねー」と同情の眼差しを依音に向けている。
 どこまで妄想でどこまで現実なのか段々わからなくなってくるラビット・ビットワールド恐るべし……!!
「でも、そんなの悲しいじゃないですか!!」
 ラビットが両手で教壇をドン!! と強く叩く。
 その黒曜石の如く黒く輝くラビットの瞳は零れそうな潤いに満ちている。
 ついでに言うと依音の移ろう紫陽花を思わせる紫と青の瞳も違った意味で涙目だ。
「だから、その悲しいのがなくなるくらい、楽しいでいっぱいにするからって!」
 ラビットの熱弁にバニーは拳を握り続きを待つ。
「抱きしめて!」
「そしてっ」
 ラビットの言葉にバニーの合いの手が入り
「ここでキス!!!!」
「よくやったし!! エモい! エモのたかみざわブチあげまる!!」
 バニーが拍手をバッチンバッチンと叩く。
(抱きしめて……キッ……!?)
 盛り上がるウサギ2匹に対し、色白の依音の肌は真っ赤に紅潮していく。
「……ていうか話ぶりからして相手役もしかしておとk……ア゛ア゛ア゛!」
 脳内の処理能力がおっつかなくなってきた依音。
「はぁ~~エモい、どんな悲しいことがあったのかも気になるけどそこ聞かないあたたりエモいし続刊気になるわー」
 長机に両肘を充て顔を覆うラビット。もうこれバリア解けてんじゃね? むしろ丸腰じゃね? と真っ赤な頬のまま、依音は触手が生えたてるてる坊主型UDCの『ソデル』を呼び出し、ユーベルコードである『神様、僕は』を発動させる。
「行け! ソデル、突貫だ!!」
 依音の叫びに合わせソデルがバニーの脇腹に直撃する。
「いったぁぁぁぁあああい!!!」
 丸腰のバニーが叫び声を上げる。バッチリバニーのバリア効果は消えている。
「ラビット、さぁ攻撃を……っ!」
 更に依音がラビットに攻撃を促す、が。
「そして! 次に行く時には、二人でてるてる坊主を作るんです……!」
 ラビットが柔らかな表情で空を見やる。それはストーリィのエンディングではない、新たな章のスタート……!
「依音くんにへたくそって言われながら……」
「あーー、エモいわーー……」
「いや、まだ喋ってんのかよ!?」
 ラビットも攻撃する気配がないが、ラビットの話に聞き入っているバニーも攻撃する気配が見えない。
「お前も攻撃しろっっ!」
 依音がソテルに支持を出せば、ソテルは依音の声に従順に動き。ラビットの身体をグワガシィッ!と触手で掴み。
「ぁああ、ビットくんは武器じゃないです!」
 ジタバタしつつ触手に絡まれ掴まれるラビット。どこか嬉しそうな表情なのは触手系のアレコレのイマジネーションが広がったからかもしれない。
「いいから、いけっ!」
 ソテルの触手がブンッ! とラビットを投げれば……ラビットの身体がバチコーーン!! とバニーの身体に直撃した。
「きゃあぁぁあぁああっ!!」
 その勢いでバニーは吹っ飛んでいく。
 きっとラビットのユーベルコード『二人組を作ってください!!!』が発動し戦闘力が上がっていた……かもしれない。かもしれない。

 バニーが吹っ飛んでいった後も、依音の膨らんだ頬は中々直らなかったとさ。
「ツンデレエモいです、美味しいです!」
 ラビットくんが満面の笑みを見せたのは言うまでもなく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

エイミ・メルシエ
ふむ、幹部ですか。いえ、今のわたしはヒーロー。臆さず行きます。

先に攻撃を受ける前提で。
一応武器で受け止めようと試しはしますが。受けても死にはしないので!
ヤドリガミは肉体の再構築もできますからね!

……ああ、痛い痛い。服が汚れちゃいました。でも生きてますよ。ほら、立ち上がってみせましたよ。なんせキマフュのヒーローですからね!
アイドルにしてヒーロー、そしてマカロンの化身たるわたしが!かっこかわいくない訳がないのです!

何度でも立ち上がり、そして武器の当たる距離へ近付きます!近付いてホームランチャレンジです、何度も殴ります!
一度でも当たっていれば、バリアが割れたときに毒も入るはずです!



●♯とにかく甘味を欲する
(……ふむ。あの人が幹部ですか)
 マカロンタワーを彷彿とさせる愛らしい装飾がたっぷり、ゆるふわパステルなドレスに身を包んだ少女――エイミ・メルシエ(スイート&スウィート&プリンセス・f16830)がキマイラフューチャーの花畑の先に佇む敵を視界へと入れた。
 幹部らしいその迫力に、少しだけ前を進む足が止まる。
 だが。自分の出身世界であるこのキマイラフューチャーを護らなければならない。
 エイミの長い睫毛に縁取られた茶の瞳が、力を増す。
(幹部と言えども、臆さず行きます)
 エイミは堂々と、そのドレスを揺らしながらバニーへと向かっていった。
(今のわたしはヒーローですから!)

「ちょっとあーし、そろそろ疲れちゃったんだけどー。早くフラペチりたいしー」
 エイミの姿を認めたバニーは大きく伸びをした。
 これまで多くの猟兵が彼女に挑み、そして傷をつけて来たにも関わらずバニーはまだまだ平静を保っているように思える。
「アンタ見てるとあーし、マカロン食べたくなっちゃったしー。早く終わらせよガチで」
 エイミの愛らしさにエモみをビンビンに感じつつも、バニーはそれ以上にスイーツ欲が勝ったようだ。バニーは無敵バリアを展開する。
 それに対しエイミは不敵な笑みを浮かべた。
 エイミのその手に握られているのはマジカル☆ハニーディッパー。
 ハニーディッパーとは、ハチミツを掬う時に使う木製の、先が丸くて溝のあるスプーンである。
 で、何がマジカルかと言うと。
「うっわ、何それデッカ!!マジ見たことないわバリ大!」
 そのハニーディッパーはエイミの身の丈程の大きさがあり。つまり、まぁ鈍器である。
「カワイー顔してそーゆーの振り回す敵、あーし嫌いじゃないし!」
 バニーが紫色をした赤ベコキャノンを構えた。バニーのユーベルコードにより命中力の高められたキャノンはエイミに照準をしっかりと合わせ。
「んじゃ、ドッカンといっちゃうしーー!!」
 エイミはハニーディッパーの柄をしっかりと握りしめ、真正面に対峙する。
「きなさい!」
 エイミの言葉に返事をするように、バニーのネイルの塗られた爪が引き金を引き。赤べこからキャノン砲が放たれた。
「………ッッッ!!!!!!」
 激しい砲撃がエイミの身を包む。エイミは手に持つハニーディッパーで打ち返すように振りかぶる……が、バニーの放ったキャノン砲は流石幹部と言える攻撃力を見せ。
「……あぁぁっっっ!!!!!」
 激しく吹き飛ばされるエイミ。その身体は地に着き、ピンク色の髪が乱れる。
「はー、余裕っしょ!」
 バニーは己の紫赤ベコの頭をグリグリと撫でまわしながら
「んじゃ、ハニーマカロンフラペチーノでも飲みに行くしかないっしょ。ダチ呼ぼ……」
「待ちなさい……っ!」
 バニーの背中に凛とした声が投げかけられた。
「……なかなかしぶといじゃん」
 バニーが背を向けながらも笑みを零す。「そうでなきゃ」と言外に取れるような声色だ。そして振り向けば、よろよろと立ち上がるエイミの姿。
 ハニーディッシャーに掴まり立ちしつつ、エイミは笑った。
「……ああ、痛い痛い。服が汚れちゃいました」
 エイミのロリータみのあるマカロンタワー風ドレスのパステルカラーはキャノン砲の衝撃で破け、埃にまみれる。
「でも、生きてますよ。ほら」
 エイミの茶の瞳には、決して希望が失われていない。むしろキラキラとその生命力を強めているようにも見える。そして、エイミは尚もバニーへと武器を手に向かっていく。
「だから、早くあーしは甘い物飲みに行きたいんだって!」
 更にバニーは赤ベコキャノン砲を撃ち放った。
 その攻撃はまたもエイミに直撃する。しかし、だ。
「……ほら……」
 どれだけボロボロになっても。体力を奪われても。髪が乱れようと、その美しいドレスが破けようととも。
「立ち上がって、みせましたよ……!」
 笑みを絶やさず、エイミは立ち上がった。そして少しずつバニーへと距離を詰めていく。
(ヤドリガミは肉体の再構築もできますから)
 バニーの攻撃に痛みは勿論感じる。しかし、エイミの心に恐怖はない。
(受けても、死にはしないので!
 どれだけ攻撃を喰らっても、何度でも立ち上がるエイミの姿にバニーは畏怖を感じながらも。
「なにこれエモい……」
 赤ベコキャノンをそっと下ろすバニー。
 満身創痍ながらも、笑みさえ浮かべ近づくエイミの姿は番組の企画で24時間走らされつつも尚応援してくれる沿道やお茶の間の人々に感謝を忘れない健気ささえ感じさせられて。
「アイドルにしてヒーロー、そしてマカロンの化身たるわたしが……っ!」
 エイミはマジカル☆ハニーディッパーをバニーへと向ける。
「かっこかわいくない訳がないのです!」
 気力を振り絞り、破れたドレスの裾を翻し。エイミは一気にバニーへと距離を詰めた。
「あまぁい蜂蜜、喰らいなさい!」
 そして渾身の力にエイミのユーベルコード『ホームラン☆ディッパー』の力を乗せバニーへとフルスイングする。
「え? 蜂蜜?」
 甘いものを欲していたバニーの気が取られた。
 エイミのフルスイングは見事にバニーへとぶち当たり、その身をねっとりと濡らす。
「うわ、本当に蜂蜜だわ、甘………あ……れ?」
 この位の攻撃でやられるものか、と思っていたバニーの油断。
「残念ですが、その蜂蜜……只の蜂蜜じゃありません」
 どうやら毒が効いたようだ。
 目の前でバニーが苦しみ出す姿を見ながら。
「悪い子には……お仕置き、です……!」
 満足そうな笑顔を見せながら。エイミはドサリと花畑へ倒れ……その意識を失うのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

マリアドール・シュシュ
【華波】
アドリブ連携◎

えもとは一体何かしら?(首傾げ
でもマリアにとってはほんの些細な事なのよ
マリアが望む幸せに満ち溢れた楽しい世界の為に
奏でましょう唄いましょう(竪琴ぽろんと鳴らし
凪波、どうかあなたの力も貸して頂戴

バリア解除へ
蜜金色の眸で敵見据え微笑
音色に併せ花弁の様にドレスが揺れ
詩(うた)に併せ可愛い兎がぴょんと跳ねる様な愛らしく綺麗な曲を竪琴で奏でる
兎の罠に嵌る情景を彷彿とさせる甘く痺れるスパイスも織り交ぜ(パフォーマンス・マヒ攻撃・歌唱・楽器演奏

敵の攻撃はケープでカウンター・オーラ防御
バリア破壊後、高速詠唱で【茉莉花の雨】使用
竪琴を花弁へ
咲き馨る旋律で洗い流す
マリア達を光が包み爛々と輝く


依世・凪波
【華波】
アドリブ連携◎
綺麗可愛い×もふ可愛いの正義

俺もエモはよくわかんねーけどマリアが力貸してって!
なら一生懸命考えて頑張る!お姫様のお手伝いだ~

う~ん、でもなにすりゃいいんだろ?
あっ!俺のもふもふの尻尾の触り心地なら自慢出来るぞ~!
毛先が白い黒くて大きな狐尻尾を見せてふりふりもふもふ誘惑
マリアの奏でる詩に唄を重ね一緒に歌唱
耳や尻尾もふわふわ揺らし

早く動くんなら俺だって!とシーブズ・ギャンビットで加速
同時に動く邪魔をしたらいいよなっ
野生の勘を生かし鉤縄とダガーを投擲し
ロープワーク、フェイント、だまし討ちでラビットの周囲を阻害

マリアの技って凄くキラキラしてて綺麗だよなぁ~
どーだ!参ったかぁ!?



●#きらきらもふもふ、さようなら
「エモとは、一体何かしら?」
 指先を唇に充て。マリアドール・シュシュ(蜜華の晶・f03102)が愛らしく小首を傾げれば、そのゆるやかにウェーブがかった髪がゆらゆら揺れ動き。銀河の星々の如き煌めきがその身を飾り立てる。
「んーーー、俺も良くわかんねーな」
 マリアドールの隣で同じく思案顔を見せるのは、黒の狐耳を持つ妖狐、依世・凪波(元気溌剌子狐・f14773)。ふわふわと大きな狐尻尾を揺らせば、その先端の純白が左右に揺れ動く。
「でもマリアにとってはほんの些細な事なのよ」
 マリアドールは輝きに満ちた蜜金色の瞳を楽しそうに細めた。
 そしてマリアドールは黄金律の竪琴を取り出し、乳白色の指先でその弦を弾けばかろやかな竪琴の音色が響く。
「マリアが望む幸せに満ち溢れた楽しい世界の為に、奏でましょう唄いましょう」
 更に竪琴の弦を爪弾けば、凪波は琥珀色の瞳を楽しそうに輝かせている。マリアドールはそんな凪波へ視線を移し
「凪波、どうかあなたの力も貸して頂戴」
「勿論だっ。一生懸命考えて頑張る! お姫様のお手伝いだ~」
 小柄、かつ身軽そうな装いの凪波が両手を天へ突き出し笑えば、その牙のような八重歯がキラリと光を見せ。
「頼りにしてるのよ」
 マリアドールは期待を込めた眼差しを凪波に送りながら、更に柔らかな竪琴の音色を響かせた。

「ん? 何あのちびっ子達。あれ。流行りのヒーリングミュージックってヤツ?」
 竪琴の音色と2人の気配にラビットバニーがその兎耳を澄ませる。
 猟兵達との戦いにより、例え敵の幹部と言えども疲労は蓄積しているのだろう。
「あー、なんか眠くなりそー」
 ふぁあ、と欠伸するバニーへと、マリアドールは優美な微笑みを携えて向かい行く。
「う~ん、でもなにすりゃいいんだろ? ……って、あっ、マリアっ!」
 竪琴の音色を奏でながら、笑みさえ浮かべ。彼女の身を包む青と白のドレス『夜空色の花弁』を揺らしながらマリアドールは臆することなくバニーの元へと近付いて行く。
 その姿に慌てて凪波もダダダッと駆け追いつき、マリアドールと共にバニーへと対峙した。
「こんにちは、ラビットバニーさん。マリアの竪琴と歌を聴いて頂戴」
 穏やかな曲調から始まる竪琴の音色。紡がれる清廉な音色に合わせ、マリアドールはその愛らしい唇から詩を囀るように歌う。
「ふぁ、マヂリラックス効果~」
 バニー怪人がキマイラフューチャーの花畑の上に思わず寝転ぶ。絶対無敵のバリアを纏っているとは言え、まぁ無防備だが。
「!!」
 凪波の黒の狐耳がピコン! と立ち上がる。
「なぁっ、俺のもっふもふの尻尾、貸してやってもいいぞ~? 触り心地も抜群だぞっ」
 凪波が己の尻尾をゆらゆらと揺らす。
 そしてその尻尾を花畑に置けば「んじゃ、借りるわー」とバニー怪人がそのお面じみた頭を乗せる。
(……思ったより重い)
 そんなことを凪波は思いながら。ちなみにマリアドールはそんな凪波と怪人の様子にクスリと笑みを浮かべた。
 マリアドールの歌声に、凪波の声が重なり。ハーモニーを奏でる。
 柔らかな枕と、少年少女の穏やかな声色。
「あぁー、なんかマヂエモいわ。穏やかエモい」 
 バニー怪人が呟けば、彼女のバリアが消えた気配がした。
「穏やかなだけじゃないのよ」
 マリアドールが奏でる音色を転調する。
 晴れた穏やかな草原に風が吹くような、静けさと温かさを感じさせていた曲は、まるで兎がぴょんぴょこと跳ね入ってくるようなアクセントが入り初め。
 そして――その兎が罠に嵌まる情景すら浮かぶ曲へ。その甘く痺れるスパイスは――
「なんか、起きるのダルくなっちゃったー」
 バニー怪人が言う。否、怠いのではない。起き上がるのが困難なのだ。
 それはマリアドールの竪琴に寄る、マヒの効果。
「さー、そろそろ本当の眠りについてもらうかんなっ!」
 凪波が尻尾を勢いよく抜き、立ち上がる。バニー怪人の頭がガコン、と地面にぶつかりつつも。凪波がダガーを敵へと突きだした、が。
「よいしょっと」
 マヒの効果にかかりながらも、その強靭な能力で身を動かすバニー怪人。
 ひらり、と凪波の攻撃を躱した。
「休憩後の運動ってヤツ? 思いっきりかかってきろし!」
 そう威勢の良い言葉を放つバニー怪人ではある、が。
(まったく効いてないわけではなさそう……なのよ)
 尚も竪琴の音色を奏でながら。バニー怪人の展開する花の足場の操作を踊るようなステップとオーラ防御で躱しながら、マリアドールは冷静にバニー怪人の動きを見る。
「早く動くんなら俺だって!」
 バニー怪人の瞳が光、更に動きが俊敏となる敵の動きに、凪波も首元のストールを投げ脱ぎ身軽になりながらダガーでの攻撃を放つ。
 凪波のユーベルコード『シーブズ・ギャンビット』の効果が加わり、紫のトルマリン鉱石が中央に嵌められた十字型のダガー『イクシオン』は素早く敵へと斬り込んで行く。
「……ッッッ!!」
 マリアドールの竪琴によるマヒ効果と、凪波の素早いダガーの連続攻撃は彼女の身体を捉えた。
「あーしの身体に傷つけるなんてやるぢゃん、オチビちゃん達!」
 尚も不敵な表情でバニー怪人は素早い攻撃を繰り出す。
 祈りを込めて竪琴で攻撃を仕掛けるマリアドールと、後退しながらもダガーでの反撃を繰り出す凪波。直接攻撃では流石にバニー怪人には力負けしてしまう凪波。
 だが。
「足元が疎かだぞっ!」
 ニンマリと、凪波が笑った。
 後退しながらも、凪波はおびき寄せていたのだ。
 足元には凪波が仕掛けていた鉤縄で作られた罠。
 その鉤縄はバニー怪人の足に絡まり、彼女の動きを制御した。
「今だ、マリアッ!」
 凪波もまたダガーを振るいながらマリアドールへ合図を送れば、マリアドールは頷きを見せ。
「ハルモニアの華と共に咲き匂いましょう舞い踊りましょう──さぁ、マリアに見せて頂戴? 神が与えし万物を」
 マリアドールの高速詠唱と共に、彼女の持つ竪琴がジャスミンの形をした水晶の花弁へと変化する。
 そしてその美しく輝く水晶は、動けずにいるバニー怪人へ続々と降り注がれていった。動けぬバニー怪人の胸に、美しき花弁の刃が突き刺さっていく。そこに。
「これで、お終いだっっ!!」
 凪波の持つイクシオンが、彼女の胸を貫いた。
「あーしの胸に降り注ぐコレ、マヂエモイわぁ……」
 バニー怪人が、笑みを見せた。その瞳にもはや輝きはない。
「マリアの技って凄くキラキラしてて綺麗だよ、な」
 もはや動く気配のないバニー怪人に。
 凪波は柔らかな、送りだすような笑みを見せた。

 これまで闘った幾人もの猟兵達、そしてマリアドールと凪波。
 激戦と共に見せてもらった全てのもの、エモーショナルな輝きを思い返しながら。

 バニー怪人は、満足した表情で。
 骸の海へと還っていくのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月18日


挿絵イラスト