バトルオブフラワーズ⑩〜感情は美味しい!
「エイプモンキーの撃破、お疲れ様です。
それでは、さらなる中枢への侵略、進めていきましょう。」
アトは猟兵達を迎えつつ、状況の説明を始める。
「次に立ちはだかるのは、兎の頭をかぶったバニーガールのカワイイ怪人『ラビットバニー』です。
彼女はシステムフラワーズの足場、あの花びらの制御をつかさどっているそうです。
何とかして倒さなければ、さらなる中枢へ進むことはできません。
そして、彼女は厄介な能力を持っています。」
こちらをご覧ください、とアトが写真を見せる。
「彼女の周りに揺らぎが見えるでしょうか?
これが彼女の能力、『絶対無敵バリア』です。
彼女は常にバリアを維持し、どんな攻撃も防いでしまうようです。
……さて、これを攻略するにはどうしたらいいか。」
もう一枚の写真を取り出すと、そこには美味しそうにおやつを食べる彼女の姿。
「これはたまたま写ったものですが、周囲の揺らぎがありませんよね?
……すっかりおやつに夢中で、心の声を代弁するなら『美味しい!』でしょうか?
このように、彼女は何らかの心の揺らぎが起きると、バリアの維持をすることができなくなるそうです。
心を揺るがすのは、案外何でもいいようです。
美味しそうな料理の話をする、実際に料理を見せる、食べて見せる……。
ふふ、目の前で美味しそうな物を食べる様を見て、心が動かないのはよほどの満腹の時くらいですよね?」
いたずらっぽい笑みでゲートを開くアト。
「ちょうど、今の彼女は相当お腹が減っているようです。
ふふ、後は皆さんの好きなように料理しちゃってください。
それではよろしくお願いします。」
そういうと、システムフラワーズの中枢へのゲートが開いた。
ヨグ
ヨグです、戦争シナリオ第8弾となります。
ラビットバニーは強敵なので、以下のルールが適用されます。
特に、彼女の心を揺るがす行動は必ず入れるよう、よろしくお願いします。
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ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
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第1章 ボス戦
『カワイイ怪人『ラビットバニー』』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:和狸56
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「あー……。」
肩を落としたラビットバニーがいる。
花の足場に腰掛け、お腹をさすりながら遠くを見つめて呟いていた。
「……お腹、すいたな。」
くぅ……とお腹が鳴るのが聞こえる。
そんな彼女に、猟兵達がせまる。
ジャック・ソウル
【心情】
ミーの持ってるお菓子でバリアを解除出来るかな?
バニーガールのお姉さん、こんにちは!怪しがらないで、ミーはお姉さんに美味しいお菓子を持ってきたんだよ。ハイ!お姉さんは可愛い(顔は見えないけど)からオマケしちゃうよ!
【存在感】【コミュ力】【言いくるめ】で怪しまれないように近付き【ハッピーバスケット】のお菓子で【誘惑】【罠使い】誘い出し、お菓子に仕込んだ【だまし討ち】【毒使い】弱った隙にUC【Help me Doll ghost】攻撃と防御して自身は【エンジョイスピナー】での【援護射撃】【一斉発射】
お姉さんごめんね。キマイラフューチャーのためなんだよ。
絡みアドリブ大歓迎!
「バニーガールのお姉さん、こんにちは!」
「……! 敵じゃん!」
フレンドリーに話しかけるジャック・ソウル(パンプキンヘッド・f02764)。
だが、ラビットバニーは即座にシステム・フラワーズを制御し、ジャックの足場を遠くへ飛ばそうとした。
「まってまって! 怪しがらないで! ミーはお姉さんに美味しいお菓子を持ってきたんだよ!」
ぴた! と足場が止まる。
「……本当?」
「嘘なんかつかないよ! ほら、こんなにいっぱいあるんだよ!」
可愛くラッピングされた飴やクッキーがこぼれるほど詰まったバスケット、それを掲げるジャックが見える。
「お姉さんは可愛いから、オマケしちゃうよ!」
「そんな、あーしが可愛いのは知ってっし!」
照れるように、被り物を押さえて体をくねらせるラビットバニー。
「……これはこれで、可愛いかも。」
顔は見えないけど、と呟くジャック。
「待ってて! すぐこっちこれるようにすっから!」
ラビットバニーに足場を動かされ、すぐ近くまで来たジャック。
「ハイ、お姉さん!」
「やったー、いっただきー!」
バスケットから手作りクッキーを一掴み渡すと、すぐに一つ口に入れるラビットバニー。
「んー、さっくさくじゃん!」
頬のあたりに手を当てながら、幸せそうに食べている。
「……ごめんね。」
ジャックが手を上げると、お菓子のバスケットからドールゴースト達が湧き出す。
ラビットバニーを守るはずのバリアは、今はない。
「お姉さん、キマイラフューチャーのためなんだよ!」
「うあ! ちょっ……ぎゃあああ!」
クッキーをほおばっていたラビットバニーは、ジャックのゴースト達へ身構えるも間に合わなかった。
ゴースト達は、手に持った飴でラビットバニーを叩く。
「痛い痛い! ……こんの!」
小さいが数は多い。
ラビットバニーが足場である花を周囲に飛ばしてゴースト達を散らしている間に、ジャックはその場を離れた。
「まだまだ傷は浅い、かな?」
成功
🔵🔵🔴
テン・オクトー
モニカさん(f12048)と
SNSで再生回数多そうなものを参考に【料理】する。目の前で作る方がよりエモいと思うので、材料を持ち込み最後の仕上げを実演。
予め形を整えて焼いたクッキー、クリーム、食用着色料を持ち込み、アイシングクッキーを作るよ。
モニカさんにはクリームと着色料混ぜてもらうね…て、入れすぎ!色濃すぎ!
作るのはもちろんラビットバニーさん!
【UC】で特性大型扇風機を出し乾かしつつ、ウサギに赤ベコに全身デェフォルメに…と、コルネでカキカキカキ何枚か作るよ。どうどう?可愛いでしょ?
バリアがとけたら【UC】特性大型扇風機を最大出力!敵のスピードを妨害しモニカさんの援護。
連携アドリブ大歓迎です
モニカ・ノイチェ
テン(f03824)と。
テンのお手伝いでクリームに色付け。
うう、ほんの少しでいいのですね、繊細で難しいです。(料理音痴)
作ってる間はこっそり周りの環境、空間を確認しつつテンの応援。
クッキー美味しそうです…(でも今日は食べるの我慢我慢)
バリアがとけたら…
SPD
【UC】発動。予め目星を付けておいた場所に大盾を分散させ配置。敵を動きにくくしスピードを封じ込めるよう尽力。スピードを抑え、防御にもなる盾を隠れ蓑に移動しつつ、テンと二手に分かれて武器で攻撃。かなりの手練れとお聞きしましたが、1対2ではどうでしょう?
連携アドリブ大歓迎です。
カシャカシャカシャ……とクリームを泡立てる音が響く。
ラビットバニーが視線を向けると、クッキーを並べているテン・オクトー(ケットシーのシャーマン・f03824)と、
「あー! モニカさん、入れすぎだよ!」
クリームを泡立てながら着色料と混ぜているモニカ・ノイチェ(ドラゴニアンのパラディン・f12048)がいた。
赤くなったクリームを混ぜながら、
「あ……うう、ほんの少しでいいのですね、繊細で難しいです。」
「うん、でもしっかり混ざっていい感じだから、がんばろうね!」
そんな彼らの元へ、目を輝かせながらラビットバニーが近づいてきた。
「何作ってるん?」
「アイシングクッキーさ! もちろん描くのはラビットバニーさんだよ!」
クッキーの上にクリームで絵を描いていくテン。
「へぇ、いいじゃん! あーしのこと可愛く描いてよ!」
「うん、もちろん!」
ちょいちょいとウサギの被り物をまず1枚。
描き上げたものに扇風機で風を当てて乾かすモニカ。
「わかってるじゃん! 可愛いよ!」
「……美味しそうです。」
涎を垂らしそうな表情でつぶやくモニカ。
2体の飢えた獣の視線を感じつつ、赤べこキャノンや様々な小物を描き上げるテン。
最後に大き目のクッキーにデフォルメしたラビットバニーの体を描き上げ、
「かーんせい! どうどう? 可愛いでしょ?」
「いいじゃんいいじゃん!」
「……あ、最初に作ったのはそろそろ乾きましたね。」
ごくり、とつばを飲み込みながら言うモニカ。
ラビットバニーがウサギの被り物のクッキーを手に取り、口に入れ……。
「扇風機、最大出量!」
「ぶ! ま、まらはべれるろに!」
突然の風に吹き飛ばされそうになるラビットバニー。
そこにバスタードソードを振りかぶったモニカが迫る。
「とりゃああ!」
「うぐ!」
飛び退ろうとしたラビットバニーの後ろには、モニカの生成した大盾があった。
「あっぶな!」
「っく!」
その大盾を蹴って避けたラビットバニー。
「人が食べてるときに攻撃するなんて、可愛くない!」
身構えるラビットバニーの後ろ、複数配置された大盾の影からテンがフレイルを構えていた。
……ラビットバニーの目が光るのを、モニカは見た。
「なんてね!」
「……! テン!」
扇風機の風を逆に利用し、目にもとまらぬ速さで大盾の間を飛び、ラビットバニーの飛び蹴りがテンに……。
「ぐあ!」
「モニカさん!」
間一髪、間に入ったモニカの体に足が刺さる。
「へへ、あーしの動きについてこれるわけな、いった!」
後ろからモニカの大盾が、ラビットバニーを覆うように集まる。
「く、動けない!」
「……なら、よかったです。」
自分の身を犠牲に、自身の大盾の複製でラビットバニーの動きを封じたモニカ。
そのラビットバニーの目の前に、フレイルを構えたテンが立っていた。
「モニカさんの仇!」
「ぎゃん!」
フレイルで被り物をひっぱたき、さらに大盾が集まってくる……。
「あーもう、邪魔ぁ!」
ラビットバニーが大盾を引きはがした時には、二人の姿はなかった。
後に残されていたのは、アイシングクッキーだけだった……。
「……美味しいじゃん。」
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
ハピィ・エンゲルオル
むー、あのウサギさん、強そう…
キチンと消化する、ムズカシそだね
でもちょっとはオシゴトしたいし
それに…お腹空いた子、ほっとけない?
アタシ呼ぶよ、わぎゅーさんいっぱい!
フォークでツンツンして、ウサギさんへとつげーき!
きっとウサギさん、カンフーで相手する思う
アタシも一緒にフォーク振り回して狙うよ、牛さんの方を!
そう、コレ、一種のチョウリ
カンフーだから、タタキなるかも、それとも中華風?
ともあれ、ウサギさん、めーしあーがれー
でも牛さんの数、イッパイ
食べてる途中もトツゲキ来るよ!
目的:
敵幹部に料理を食べてもらう
手段:
コードで和牛を多数召喚しグルメツールで調理
ついでに食事中に他の牛に幹部に体当たりしてもらう
「むー、あのウサギさん、強そう……。キチンと消化する、ムズカシそだね」
離れたところから様子を見ていたハピィ・エンゲルオル(時空神の美食家・f16387)。
「でもちょっとはオシゴトしたいし、それに…お腹空いた子、ほっとけない?」
お腹が空いたら食べたいものを思い浮かべる。
神であるハピィには、それを生み出すことは造作もないことだった。
……ドドドドド!
「え、何? 何事ぉ!?」
ラビットバニーに向けて、和牛の群れが突進してきた。
絶対無敵バリアによって阻まれているが、暴走する牛の数が多い。
「倒すしかないってぇ!」
「うん、がんばってね。」
後から牛に乗って現れたハピィ。
「あんたが呼び出したってわけ? いいじゃん、相手になって」
「あちょー!」
ラビットバニーが身構えるが、ハピィがフォークを片手に牛に殴り掛かるのを見て踏みとどまる。
「……えぇ、これあんたが出したやつ。」
「うん、牛さん、アタシが出したよ。」
フォークに突き刺された牛が食べ物に変わっていく。
「チョウリしよう、思って。」
ハピィの手の皿に乗るのは、程よく火の入った和牛のたたき、中華風ソースかけ。
焼けた肉に香辛料が足された匂いが漂う。
神である彼女の手にかかれば、生きている牛から調理済みの料理に変えるなど造作もないことだった。
「うわー……なんだかわからないけど、美味しそう。」
「めーしあーがれー。」
ラビットバニーへ皿を差し出すハピィ。
そのまま受け取り、一切れ口に運ぶ。
「……うっまい! 幸せな味だよ!」
「そうでしょ、アタシも食べたくなってきた。」
近くの牛を料理に変えたハピィは続ける。
「あ、そうそう……牛さん、まだいっぱいいる。」
「……え?」
お肉をほおばり、改めて周りを見渡すラビットバニー。
鼻息荒く、前足で地面を掻く牛たちがいた。
……絶対無敵バリアは消えている。
「ガンバッテ、ね?」
「いやあああ!?」
一斉に突進してくる牛を、素早い身のこなしと掌底で打ち倒すラビットバニー。
その様子を、お皿片手に眺めるハピィ……。
「ぶもぅ!」
「はー、はー……。」
最後の牛を打ち倒したラビットバニーが辺りを見渡すと、ハピィの姿はすでになかった。
「もー! ……動いたらまたお腹減ってきちゃったじゃん。」
成功
🔵🔵🔴
アンネリーゼ・ディンドルフ
【SPD】
アンネリーゼは今日もおいしいオブリビオン料理を求め依頼を受ける
「ラビットバニーですか。兎料理……」
お腹がぐーぐー鳴っている
「スピード勝負なら負けませんよ」
UC発動
「エルフでグールの私の寿命とあなたの寿命、どちらが早く尽きるのでしょう?」
ラビットバニーの攻撃を【ダンス】のように回避する
「エモいと感じてくれるまで踊り続けますよ~」
バリアが解けたら高速に動き回りつつ【早業/2回攻撃】で宛ら弾幕系シューティングゲームのように矢を連射し、芸術的圧倒的物量でラビットバニーを仕留めようと試みる
「兎料理、ぜひ食べてみたいですね」
お腹がぐーぐー鳴っている
ビスマス・テルマール
●POW
相手にエモいと思わせる料理を
作って食べさせバリアの解除を
その為に作るのは
ネギトロバーガーならぬ
ハワイアンなめろうバーガー
マグロを『パフォーマンス』しながら『早業』で捌き、それにバナナとアボカドと醤油とオリーブオイルを叩き混ぜ、パンズで挟み出来上がり
パンに合うなめろうならではですが、味には自身はありますよ
●POW
弾に『オーラ防御・属性攻撃(餅)・誘導弾・範囲攻撃』を込め『早業・クイックドロウ』を駆使の『一斉発射』で盾がわりの弾幕を張り『残像やダッシュ』で『盾受け』に利用しつつ
赤ぺこキャノンに備え
撃ってきたら『早業』で蒼鉛皇の要塞を発動で『カウンター』込め反射
※アドリブ絡み掛け合い大歓迎
シュガー・ラビット
アドリブ歓迎UC使用
彼女には親近感と好奇心と嫉妬心(主に胸)を抱いています
(宣戦布告!!)
バニーちゃん。どちらが真のラビットにふさわしいか、ここで決着つけよう。覚悟してよねっ!
■行動
私は【キャロット☆ストライカー】に乗って軽快に登場っ☆
ラビットの誇りをかけてウサギらしく魂震えるくらい“可愛らしい”攻撃でバニーちゃんと真っ向勝負するよ!ラビットたるもの、にんじん推しであれ!
ということで追尾型の【にんじん☆ミサイル】(一斉発射)や【キャロット☆ストライカー】(吹き飛ばし、捨て身の一撃)を遠隔操作して攻撃したり
兎キマイラ自慢の身体能力(メルティ☆キャラメルで強化)と自慢の翼をうまく活かして戦うよ!
「ラビットバニーですか。兎料理……。」
ぐぅ……とアンネリーゼ・ディンドルフ(オブリビオン料理研究所の団長・f15093)のお腹が鳴る。
「へへ……どんなお味がするのかしら?」
そんなことをつぶやきながら、ふらふらとラビットバニーへ近づいていく。
「っ!? 何しに来たし!」
「怪しくないですよ……。」
じゅるり、と涎を啜り上げるアンネリーゼ。
ラビットバニーもさすがに様子がおかしいと感じたのか、容赦なく拳法の動きで撃退に動いた。
「へへ……どんな味がするのでしょうねぇ?」
蹴り上げた足を見る目が怪しい……。
程よく肉付きのいい体をしたラビットバニーにとって、エッチな視線を向けられることもよくある事だったが、それとは明らかに性質の違うものだった。
「ちょっと! まさかあーしを!?」
「えへへ……。」
ゴクリ、アンネリーゼの喉が鳴る。
「じょーだん! とっととあんたなんか倒してやる!」
被り物の目が輝き、動きがさらに加速する。
しかし、ダンスのように機敏な動きで避け続けるアンネリーゼを捉えることはできなかった。
「ふふふ……エルフでグールの私の寿命とあなたの寿命、どちらが早く尽きるのでしょう?」
「言ってることおかしいでしょ!?」
「……何をやってるんでしょう。」
そんな様子を見ていたビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)。
「食べ物で釣るといいっていうので、準備をしてきたのですが。」
そう、ラビットバニーのバリアはまだ解けていない。
今、彼女が感じているのは言い知れぬ恐怖であり、エモいという感情が浮かんでいない。
「でも、今からでも食べ物を作って見せればいいはずです。」
そこでビスマスが取り出したのは、大きなマグロ。
手慣れた手つきで綺麗に捌き、赤身と脂ののった腹身を切り出す。
「ちょっと違う材料でなめろうを作りましょう!」
包丁片手に取り出したのは、バナナとアボカド。
それらを荒く刻み合わせ、たたきながら醤油とオリーブオイルと叩き混ぜていく。
「ふふ、これでパンズに合うなめろうの完成! そうですねぇ、ハワイアンなめろうバーガーと名付けましょうか。」
ふんふん~と鼻歌混じりに軽く焼いたパンズを切っていると、遠くからニンジンが飛んで来るのが見えた。
「……うん?」
近づいてくるそれは、可愛くデフォルメされたニンジン型の宇宙バイク。
乗っていたのはシュガー・ラビット(白くて小さなふわふわ☘️・f02321)、ラビットバニーへの好奇心からここへ来たのであった。
「ふむ、丁度いいですね。」
ビスマスは手を大きく広げ、シュガーに止まるように伝える。
そして、目の前に止まったシュガーへ、
「すいませんね、止まってもらって。」
「どうしたんですかぁ?」
「いえ、可愛い乗り物だったので……それでですね……」
「このー! いい加減、当たりなさいよ!」
「いえいえ~、そうはいきませんよ~。」
アンネリーゼとラビットバニー、どちらもお腹を鳴らしながらの攻防が続いていた。
「そこまでです!」
そこへ響く、シュガーの可愛らしい女の子の声。
ラビットバニーが視線を向けると、可愛らしいニンジン型の宇宙バイクに乗る、白いウサギ型獣人の女の子。
さらにその手には、銀色のお盆に乗るハンバーガーの姿があった。
「え、可愛いじゃん! それに……。」
「バニーちゃん。どちらが真のラビットにふさわしいか、ここで決着つけよう!……でも、その前に!」
はい、と差し出されるハワイアンなめろうバーガー。
「……いいの?」
「うん、だってお腹空いてたら、本気出せないでしょう?」
どうぞ! と微笑みかける顔に、すっかり警戒心を解いたラビットバニー。
「じゃあ、いただきます!」
美味しそうにかぶりつくラビットバニー。
「え、めっちゃうまいよこれ! マグロとか変わってるし、なんかちょっと甘いのも合ってる!」
その時シュガーは、どうしても目に映るラビットバニーの大きな胸に、多少の嫉妬心を向けていた。
「……おっきい……。」
「ん?」
「何でもないですよ、それより……。」
シュガーは改めて宇宙バイクに乗り込む。
「覚悟してよねっ!」
そのまま、ニンジンミサイルの一斉発射。
対象はもちろん、ラビットバニーである。
「うわ、ちょっと!?」
慌てて赤べこキャノンを構えるラビットバニー。
しかし、発射の瞬間に間に飛ぶ青い影。
「Lord Bismuth Fortress……。」
ビスマスの体から流れる機械音。
その体は蒼鉛の鎧装となって、赤べこキャノンの弾をはじき返しながら落下した。
「ぎゃん!」
反射された赤べこキャノンがラビットバニーに当たる。
バランスを崩した彼女へ、さらにニンジンミサイルがつきささり、爆発していく。
「ぎゃあああ!」
……煙がはれると、すでに黒焦げでぴくぴくと動くラビットバニーがいた。
そこへ響く風切り音。
「うっ!」
「確実に仕留めましょう。」
弓を持ったアンネリーゼの放つ矢は、正確にラビットバニーの胸を貫いた。
ごろりと転がる、ウサギの被り物……。
「……ふふ、あーしを仕留めるとはね。」
声は、被り物から聞こえてくる。
「さすがは猟兵じゃん? でもね、あーしはまだまだいっぱいいるよ。……全部倒せっかな?」
あっはははは……。
笑い声が消えた時、ラビットバニーの体は黒い灰になって崩れた。
「終わりました、かね?」
「うん! 大勝利だよ!」
ビスマスが疑問を浮かべる中、今の勝利を喜ぶシュガー。
「……兎料理、ぜひ食べてみたいですね。」
ぐぅ……とアンネリーゼのお腹が鳴った。
こうして、ラビットバニーは倒れた。
言葉通り、彼女はキマイラフューチャーのどこかにまた現れてしまうだろう。
しかし、ここでの決着は猟兵達の勝利で終わったのだ。
そう考えながら、猟兵達は帰路についた。
成功
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