バトルオブフラワーズ⑩〜バニー・イン・エモーショナル
●グリモアベース
「え、エモいってなに……?」
新しい言葉にはあまり馴染みがないのか、微妙に首を傾げていたアンノット・リアルハート(忘国虚肯のお姫さま・f00851)は、ハッと猟兵達の気配に気づくと咳払いと共にそちらに向き直る。
「エイプモンキー討伐ご苦労様でした、ですが幹部戦はここで終わりではありません。続いての討伐目標はカワイイ怪人ラビットバニーです」
着ぐるみのような兎の頭に妖艶な人間の女性の身体を持つ怪人ラビットバニー、彼女の最大の特徴は戦闘開始と同時に展開される絶対無敵バリアだ。これはその名の通りラビットバニーに対するあらゆる攻撃を防ぎ、発動を妨害することもできない無敵の盾。
これが存在する限りラビットバニーにダメージを与えることは不可能と言っていいだろう。
「でも一つだけバリアを崩す方法があるの、それはラビットバニーにエモいものを見せる……まあ、相手の心を大きく動かせばいいってことね」
例えば可愛らしい仕草、感動の物語、目を見張るスーパープレイに思わず笑ってしまうようなアクシデント等々。所謂SNSで流行りそうなものを見せられるとラビットバニーは精神を乱されバリアを解除してしまう。この瞬間が猟兵の攻撃チャンスとなる。
「エイプモンキーより弱いと自称してるけど、それでも並の怪人とは比べ物にならない強敵よ。バリアが解除できなかったらまず勝てないことを肝に銘じておいて」
バリアは猟兵が行動に先制して発動し、その後の攻撃は以下の三つ。
赤べこキャノン。攻撃力、命中率、攻撃回数のいずれかを重視した弾を放つことができるキャノン砲、ラビットバニーの使う技では最も威力の高い攻撃であり、直撃には注意しなければならない。
うさちゃんカンフー。自らのスピードと反応速度を大幅に強化した近接戦闘、ラビットバニーの使う技では最も早く、回避することは難しいだろう。瞬殺されてしまえば寿命を削るデメリットをつくこともできない。
おはなハッキング。システム・フラワーズの足場である花を制御するハッキングビーム、ラビットバニーの使う技では最も応用力が高く、足元を崩されれば飛行手段を持たない猟兵はその時点で撤退を余儀なくされる。
幸いにもバリアの展開から攻撃に映るまでは隙が存在する、エモいものを見せるのはその時だ。勿論、バリア解除後に攻撃することを忘れないように。
「様々な苦難を乗り越えてきた貴方達なら、ラビットバニーの心を動かす何かがあるはず。最高にエモいものを見せてあげなさい!」
マウス富士山
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ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。1フラグメントで完結する特殊なシナリオとなります。
オープニングを見ていただきありがとうございます。今回マスターを努めさせていただきます、マウス富士山と申します。
二回目の幹部戦!今度はエモいものを見せてバリアを破る話となります。バリア解除をしたとしても攻撃しなければダメージを与えられないため、必ずプレイングにはエモい行動と攻撃を描写してください。
複数の猟兵で連携を行う場合は一人棒立ちであったり、ただ居るだけだとエモく感じてもらえない可能性があります。全員で一つのエモいものを見せるように頑張りましょう!
皆様のプレイングを心からお待ちしております。
第1章 ボス戦
『カワイイ怪人『ラビットバニー』』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:和狸56
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
天道・あや
お猿さんの次は兎…兎!?う、兎さんにしてはな、何だかせ、セクシーだけど……キマフュの為にも退いて貰うんだからっ!
エモい…ってのは何だかよく分からないけど、よーし!ここはあたしの歌とダンスを見ろ!【歌唱、ダンス】
一度夢破れたあたし、…でも今度は、今度は必ず叶えてみせる!だからどんな壁だろうと あたしは突破してみせる! あたし今度こそ夢を…頂点に、一番になるっ!
そんな想いを込めて歌って踊りながら敵の攻撃を【見切り】、時には【パフォーマンス】ぽく避けて歌とダンスを続けて、バリアが解除されたら【レガリアス】を稼働させて【ダッシュ】で敵に接近して至近距離で【あたしの歌と想い!世界に響け!】を発動!
●ミュージックエモーショナル!
「お猿さんの次は兎…兎!?何だか妙にセクシーだけど……」
煽情的な衣装をしたラビットバニーに顔を赤くしつつも、天道・あや(駆け出し猟兵・f12190)はグッと拳を握りしめる。
「キマフュの為にも退いて貰うんだからっ!」
エモいという意味は正直よくわかっていない、だが相手の心を動かすというのであればやることは一つ。いつも通り歌って躍る、それだけだ。
「おっと!?これはヤバい感じがするし!?」
鳴り響く演奏に攻撃の気配を感じたのかラビットバニーが絶対無敵バリアを展開するが、今のあやの歌に乗っているのはありったけの思いただ一つ。攻撃でなく、人を楽しませるためのメロディーはバリアーを抜けラビットバニーに突き刺さる。
「聞いて、これが私のスタートナンバー!」
夢への扉を開いたあの日、踏み出した一歩は過去の影に絡め取られて空を回った。
夢に破れてふさぎ込むこともあったが、今は違う。新しい夢を、新しい目標を見つけた。
その夢を諦めない、手放さない。どんな困難な壁が立ちはだかろうと、突破して見せる。
「あたしは今度こそ夢を…頂点に、一番になるっ!」
「ぬあああっ青い!そして眩い!こんな原石の輝き、エモくないわけがないっしょ!」
ラビットバニーが両手で顔を覆うように隠した瞬間、彼女の周囲を守っていたバリアが解除され、それを見たあやはダンスのようなステップを刻みながら【レガリアス】を起動させる。周囲の大気があやの足元に収縮し、それによって起きた風がラビットバニーの頬を撫でる。
「……ん?あっ!しまった!」
「これで、ラスト!」
バリアが解除されたことに気付いたラビットバニーが慌てて放ったキャノン砲を、回りながら回避したあやは、圧縮した大気を解放し一気にラビットバニーに接近する。
『あたしの歌と想い!世界に響け!!』
ユーベルコードに刻まれたその名前は、きっとあやの心の底から響く魂の叫び。
至近距離でその演奏を受けたラビットバニーは雷に打たれたかのような衝撃と共に、花を舞い上がらせながら後方に吹っ飛んでいった。
成功
🔵🔵🔴
ヴロス・ヴァルカー
エモ…エモ?
いまいちよくわかりませんが、要はインパクトのある事をやればいいのですね?
それならば、まずは【狩獣】を。
演出も重要ですね、蒸気によるスモークを焚きながら【歌唱】で荘厳な演奏を行います。
演奏に合わせ、複製した触手達を身体に接続、合体し巨大化。
これで少しはインパクトのある見た目になったんじゃないでしょうか。
上手くバリアを剥がせたら、複数の『ストーム・ウォーカー』と【狩獣】の念力を活かした【空中戦】を仕掛け、相手の隙を探します。
足場の安定しない空中ならば、スピードも反応速度も活かせないタイミングが必ず存在するはず。
隙が生まれた瞬間、『エンドレス・フューリー』を束ね、徹甲弾の【一斉発射】を。
エミリィ・ジゼル
エモい…ようするに感情を揺さぶれがいいわけですね。
お任せください。そういうのはそこはかとなく得意です。
今回使うユーベルコードは《サメを属性と言い張るメイドの術》
通称サメンタル・ファンタジア。
呼び出すのはもちろんサメ属性の竜巻です。
どうですかこの竜巻の中をグルグル回るサメの大群。
竜巻の回転力を得たことで、元気に空を飛ぶサメの群れ。
サメってすごい!そんな可能性を感じますよね。
そしてそのままサメ属性の竜巻をけしかけて、
ラビットバニーを攻撃を繰り出します。
サメに不可能などありません。
「くらえ、シャークトルネード!」
●ムービーエモーショナル!
「エモ…エモ?いまいちよくわかりませんが、要はインパクトのある事をやればいいのですね?」
「そう言うことであればお任せください、そこはかとなく得意です」
巨体を揺らしながら現れる巨躯のウォーマシン、ヴロス・ヴァルカー(優しい機械・f03932)そして何故かサメの着ぐるみ姿で現れるメイド、エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)。身長差やら外見のギャップから並んでいるだけで若干のエモさを得られそうな二人だが、さすがのラビットバニーもそこまで基準は緩くない。
「はんっ!あーしは見た目だけで揺れるほどやわな兎じゃないし!エモさを感じさせたいならその百億万倍のインパクトを持ってきな!!」
「はーい。ではヴァルガー様、一曲お願いしますね」
「では、僭越ながら」
エミリィの即答にラビットバニーの頭に疑問符が浮かんだ瞬間、ヴロスの身体から大量のスチームが噴き出す。それと同時に荘厳な讃美歌が響き渡ると、煙は渦を巻きながら天へと昇り巨大な竜巻へとその姿を変える。
「あっ、ああ……天空で見たやつ!天空にある城で見たやつじゃん!」
渦を巻いた煙はまるで竜の隠れ住む積乱雲のように巨大かつ荘厳で、ラビットバニーは思わず見入ってしまう。そんな目の前に広がる幻想的な風景に胸を高鳴らせるラビットバニーのすぐ隣に、轟音と共に何かが落ちてきた。
「ま、まさか、これは……」
『ええ、そのまさかです』
咆哮のような風の音に混じってエミリィの声が響き渡る。竜巻から落ちてきたそれは歪んだ双眼鏡のような左右非対称の目に苔むした茶色のボディ、棘のついたヒレを持つ……
『ロボット鮫です』
「ロボット鮫!?」
触手のようなパーツで作られた鮫だった。よく見ると竜巻では多種多様な鮫が元気に飛び回っており、獲物はまだかと大口を開いて待っている。
「自由領域が配給してる方だったしー!?」
『一名様、鮫の巣にご案内ー』
不覚にも幼少期のワクワクを思い出される光景にバリアを解除してしまったラビットバニーは空中に舞い上がり、鮫のひしめく暴風地帯に投げ出されてしまう。しかし空中に巻き上げられたからと言って攻撃手段がないわけではない。
ラビットバニーが指先から放ったビームが地面に着弾すると、次々と巨大な花の塊が生成され鮫の口の中に放り込まれていく。因幡の白兎ならぬキマフュのエモ兎、口を塞がれ自慢の牙を封じられた鮫を蹴り、その反動で大きく飛跳ねたラビットバニーは竜巻の中心へと向かう。
「バリアを消せば勝てると思ったら大間違いだし!」
暴風地帯を抜け、ラビットバニーの身体は無風地帯へ。そのまま操作した花で足場を作ろうとした時だった。
『ようこそ、お待ちしておりました』
無風地帯には、城が浮かんでいた。
触手のようなチューブが複雑に編まれることで作られたそれは、一つの生命体のようであり、見方を変えれば巨大な脳のようにも見える。
その正体はユーベルコードと合体し、巨大化したヴロスの姿なのだが。暴風地帯を抜け、急に開けたラビットバニーの視界には、それが間違いなく城に見えた。
「……エモい」
そう一言呟いた直後、空中で身動きのとれないラビットバニーの身体を徹甲弾が貫く。できればビームが良かったなと贅沢な事を考えながら、彼女はそのまま地面に落下していった。
成功
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リック・シックハント
エモいといえば動物のかわいさ!小動物で胸をキュンキュンさせちゃうよ!
UCに失敗したていで、子犬、子猫、小鳥といった愛くるしい見た目の動物を産み出して、何の指示もしないで好きにさせるよ
バリアが解けたらみんなをそれとなくラビットバニーに近づけさせて、一斉に襲いかかって反撃される前に動きを封じて畳み掛けよう!
見た目からもうかわいいけど、ちっちゃい体で一生懸命歩いたり、こけたり、じゃれあう姿は本当にキュンキュンするから、エモいって感じるのも仕方ないよ!
戦闘力は普段と変わらないから長くは味わえないと思うけど、ふわふわの毛の感触とか、肉球に踏まれるくすぐったさとか、触れ合うことで感じるエモさも楽しんでね!
レン・ランフォード
よく分らないけどかわいければいいんだよね…
だったらこの子の出番…
別人格・れんが相手…
れんが紹介する今日の狼はこちら、数珠丸太郎のたろー…
高さ3mあってでかすぎ?確かに大きいよね…(ガーンという感じにれんをみる太郎)
でも可愛い所いっぱい…(ふふんと顔を戻す)
見せてあげてたろー(えっ!?と再度れんをみる太郎)
(めっちゃ困ってる太郎…しばらくしてれんにお手する)
ぐえー(主人が潰れて慌てて手をあげる)
……どう?(どやぁするれんに心配げな太郎)
解けたら手裏剣で迎撃…たろーに乗せてもらってだっしゅ…
たろーは走るの大好き…
野生の勘や第六感で攻撃をよけながら手裏剣投擲
真正面からきたらかうんたーのお手あたっく…
●アニマルエモーショナル!
「エモいと言えば、やっぱりこれだよね!」
ラビットバニーが地面に墜落したことを確認すると、リック・シックハント(繋ぐ旅人・f00522)は身に纏ったローブを翻す。すると彼の身体から血のように赤い霧が溢れ出し、徐々に獣の形を作りながらラビットバニーにを取り囲むように広がる。
「……はっ!?今度はホラー系で責めるつもり?さすがにそんなんにエモさは感じないし!」
素早く跳ね起きたラビットバニーは周囲の状況を確認しながら絶対無敵バリアを展開する。彼女が油断なくリックの姿を睨んでいる間に、血影の獣がその姿を現す。
「……やーん!かわーいいしー!!」
産み出されたのは子犬や子猫、小鳥などの小動物。古くは学ランを着た猫や立ち上がるレッサーパンダから続くその人気はもはや語らずもがな。ラビットバニーもどこからか取り出したスマートフォンのような機械でパシャパシャと写真を撮っている。
そんな怪人と小動物達との背後から、ズシンと巨躯が降り立つ音が鳴り響いた。
「かわいさなら、この子も負けないよ…」
そう言ってレン・ランフォード(近接忍術師・f00762)――厳密にはその人格の一つである『れん』――が連れてきたのはれんの二倍程の大きさを持つ白狼の霊、数珠丸太郎。見上げなければ目を会わせることもできない巨大な獣を前にラビットバニーは呆然と立ち尽くす。
「……ジャンル違くね?怪獣じゃん」
「うん、確かに大きいよね…」
ラビットバニーはともかく、主の口から飛び出た衝撃の一言に太郎は愕然とした表情で尻尾を立てる。しかしそのショックを感じ取ったのか、れんは太郎の顎下を撫でながら優しい言葉をかける。
「でも可愛い所いっぱい…見せてあげてたろー」
一瞬だけ自慢気な表情になった太郎の顔が再び驚愕に染まる。肉体は滅びれど、彼は誇り高き狼であり猟兵と共に過去を狩る狩人。獲物を捕る技はあれど、人を魅せる芸事など学んでいない。
だが、自信満々な主を前に何もせず帰ることもできるはずがない。悩み抜いた太郎はハッと、自分と似た臭いを感じ取りそちらを向いた。
そこに居るのもう一人の猟兵リック。彼は太郎の必死な視線に何か気づいたのか、口元に手を当て何か考えるとゆっくり手を上下するジェスチャーを見せた。
……なるほど、心得た。
天啓を得た太郎はゆっくりとれんに手を差し出す、開始は逆だが所謂お手の姿勢。それに気づいたれんも自らの手を差し出し……。
「ぐえー」
下ろされた太郎の圧倒的な質量を持つ前足に潰された。
「……どう?」
「……ジャンル違くね?」
押し潰されながらも自慢気な、れんの言葉に先程言った言葉を繰り返すラビットバニー。だがその心は完全に脱力しきっておりバリアも解けている。
それに気づいたれんは太郎が足を上げると同時に素早く立ち上がり隠し持ったいた手裏剣を投擲する。
それに反応しカンフーモードで回避を試みるラビットバニーだったが、その身体に無数の小動物がのし掛かる。
「ぐえぇー!?」
「小動物でも獣は獣、野生を忘れたわけじゃないよ」
リックの言葉と共にラビットバニーの身体に牙や爪が突き立てられ、隙間には手裏剣が突き刺さる。満足した獣達が散る頃には、ラビットバニーは切傷刺傷でボロボロになっていた。
成功
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木目・一葉
つまり心が動けばよいのだな?
なら答えは一つだ!
・エモい行動
思わず見惚れるようなカッコイイ正義の戦士の姿を見せればいい
つまり高台で太陽の光を背に颯爽と現れ、掛け声と共に着地ポーズを決める!
待てラビットバニー!
貴様の好きにはさs――ひゃぁぁぁ~!?
た、高台から滑り落ちるなんて
着地どころか言い回しもまだ……
あ!みっ、みるなぁ!?(頬を赤くし、涙目な上目遣いでドジっ子な姿を見せる)
・戦闘
地面に滑り落ちたら【オーラ防御】をかけた斧を突き立て【武器受け】
またその刀身で太陽光を反射させ【目潰し】することで狙いにくくし、同時に影の追跡者を放って、攻撃を防いだとき追跡者から【カウンター】で『影の蹂躙舞踏』を放つ
●アクシデントエモーショナル!
「心を動かす、色々な手段があるみたいだが……僕の答えは一つだ!」
戦場に駆け付けた木目・一葉(生真面目すぎる平凡な戦士・f04853)はボロボロのラビットバニーは一度無視し、上空へと駆け上がる。
花の足場はラビットバニーより奥へ行こうとしなければある程度は足場を自由に用意してくれる。その特性を利用した一葉は階段のような足場を作り高台を作ると太陽……は、惑星の内部ゆえ見えないので代わりに空の最も明るい場所を背後にラビットバニーを見下ろす。
「そこまでだ、ラビットバニー!」
一葉の声にラビットバニーが顔を上げる、彼女から見れば逆行に立つ一葉はシルエットのように見えるだろう。
掛け声を決め、ポーズと共に相手の目の前に着地する。カッコいい正義の味方の登場に見惚れない者はいまい。
両足と片手を地面に付ける三点着地をする自分の姿を想像しながら、一葉は口上を続ける。
「僕が来たからには貴様の好きにはさs――」
口上をしながら一葉が一歩前に足を踏み出した瞬間、その足は地面ではなく空を切った。
「ん?……ひゃぁぁぁ~!?」
見映えを重視して足場を先端に行くほど細くなる山型にしたのが祟ったか、足を踏み外した一葉はそのまま転がるようにして高台から滑り落ちる。
位置エネルギーがそのまま速度に変換された一葉はその勢いでラビットバニーを横を通り過ぎ、咄嗟に振るった斧を地面に押し当て強引にブレーキをかける。少しの間目を回していた一葉のだったが、ハッと目の前に立つラビットバニーで自分の状況を把握する。
「あ!みっ、みるなぁ!?」
着地はおろか、口上の突入で滑り落ちた事実に一葉は頬を赤くし、少し俯くようにして顔を隠す。ラビットバニーからすればちょうど一葉がこちらを上目遣いで見る形になり……。
カシャリと、ラビットバニーの持つ機械からシャッター音が鳴った。
「……って、イマドキ貴重などじっ子属性に見惚れてる場合じゃないし!」
我に帰ったラビットバニーは赤べこキャノンの砲口を一葉に向ける、それに対し思考を戦闘用に切り替えた一葉は斧の刃を先程まで時分の立っていた高台に向けた。
先程まで背負っていた光が、今度はラビットバニーの視界を焼く。その光に怯み、一瞬できた隙を一葉は見逃さなかった。
「影よ、踊れ!」
風を切り、一葉の足元から飛び出した影の追跡者が赤べこキャノンの砲口に飛び込む。その事に気付かず引き金を引いたラビットバニーの手元で、キャノン砲は暴発した。
「ぐえぇー!?」
「うわ、うわぁぁ!?」
至近距離の爆発により一葉が再び地面を転がる。直撃を受けたラビットバニーはチリチリとしたアフロヘアーを兎の頭に乗せ、ゆっくりと膝をつくのであった。
成功
🔵🔵🔴
キャスバル・ラインゲール
私のエモーショナル、見てなさい!
まず上着を脱ぎ、上半身の筋肉を見せつけるわ!
そして足場を動かされても一歩ずつ、彼女に向かうわ
この持ち前の筋肉を使ってね!
輝きなさい大胸筋!
華麗に舞うのよ三角筋!
貴方達のチームワークを魅せて上腕二頭筋、上腕三頭筋!
どうかしらこの筋肉達が踊る様は!
これぞ新感覚のエモーショナル!
まるで筋肉達の仮面舞踏会!
さあ、盛り上がってきたわ!
下半身の筋肉達もまるでロックを奏でるように動いているわ!!
近づけたなら貴方にこのエモーショナルな筋肉を味あわせてあ・げ・る♪
力一杯抱きしめられて回復しなが貴女は筋肉を感じとり怪力で痛みも感じる!さあ!このエモーショナルマッスルを感じで!!
●マッスルエモーショナル!
「もう踏んだり蹴ったり……マジサガるー……」
歌はともかく、撃たれるわ鮫に巻き込まれるわ小動物に囓られるわ手裏剣刺さるわあげくの果てに爆発オチだわでラビットバニーの精神はドン底まで落ちていた。
その心境を現すように絶対無敵バリアは分厚く硬い、その中心で体育座りをするラビットバニーはもう誰も近寄るなと言わんばかりだ。
「あらぁ、随分と沈んじゃってるわね」
困ったように頬に手を当てながらその様子を見ていたキャスバル・ラインゲール(自称戦場の天使・f12968)だったが、すぐに二カッと歯を見せてワイルドな笑顔を浮かべる。
「傷ついた心のケアも衛生兵のつ・と・め……私のエモーショナル、見てなさい!」
そう言いながらキャスバルは上着を脱ぎ捨て、鍛え上げられた筋肉を白日の下に曝す。なんとなくバリアが厚くなったような気もするが、そんな事は気にせずキャスバルはラビットバニーへ向かって歩き出す。
「どうかしらこの輝く大胸筋!華麗なる三角筋!まるで筋肉達の仮面舞踏会!新感覚のエモーショナル!」
フロントダブルバイセップス、サイドトライセップスとポージングを変えながらゆっくりと前へと進むキャスバルの足元が、モーセの奇跡のように真っ二つに割れる。
笑顔とポージングはそのままにスライドアウトしていくキャスバルを見て、ようやく静かになったかとラビットバニーがより丸まって外との繋がりを断絶しようとした瞬間だった。
「邪魔をしたということは、私の存在を無視できなくなったということね!盛り上がってきたわ!」
音楽を奏でるように脈動する大腿二頭筋の力で花を蹴ったキャスバルが、抜群のチームワークを見せる上腕二頭筋、上腕三頭筋の力で足場を裏から貫き戦場に復帰し、ラビットバニーの目の前に着地する。
そしてその時、ラビットバニーは初めてキャスバルの身に纏う筋肉を直視した。
「す、すげぇ……宝石みたいだし……」
「その通り、筋肉とはアミノ酸で組み上げられたダイヤモンド……貴女にも、わかったみたいね」
目の前に広がる天然の鉱石に、ラビットバニーの体が震える。その感動を現すように分厚かったバリアーが霞のように消え去る。
「おっさん!」
「ラビットバニー!」
感極まった二人は互いに熱く抱擁を交わし、猟兵と怪人の本気の力で抱き締められた二人の肉体からバキバキバキィッ!と凄まじい破壊音が鳴り響く。しかしラビットバニーにとってはその痛みさえもどこか心地好かった。
「あーし感じるよ、今まで最高のエモさを……これが、エモーショナルマッスル……」
安心したような、満足したような、そんな言葉を最後にラビットバニーの体が光となって霧散する。腕に残る彼女の感触を胸に、キャスバルは舞い上がる花弁に向けて敬礼した。
大成功
🔵🔵🔵