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バトルオブフラワーズ⑩〜バキュンとエモ花!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー

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「モンキーがあんたらの中で最強だったんかい!? お約束どこいった!!」
「エモい攻撃で剥がれるバリアだって!? それ絶対無敵じゃないだろ!!」
「弱点漏らしといてどうにかなる!? あんたら頭までお花畑なんかい!?」
 皆が思ったであろうツッコミを代弁したところで、咳払い。
 グリモア猟兵のメリー・アールイーは、至って冷静に依頼内容を説明する。

 システム・フラワーズの内部、第二関門。
 美しい花々が咲き乱れる足場は、カワイイ怪人『ラビットバニー』へと続いていた。
 エイプモンキーの時と同様に、彼女を倒さないと先には進めないようだ。

「ラビットバニーは『絶対無敵バリア』ってーのに覆われてるから、ありとあらゆる攻撃が一切効かないよ。けどね……本人が漏らした通り、このバリアはラビットバニーが『エモい』ものを目撃すると、集中力が切れて一時的に解除されるんだと。し・か・も。こいつが『エモい』と感じる基準はかなり緩い。ガバガバのガバチョだ。『SNSではやりそうなやつ』なら大体通るんじゃないかい?」
 最強能力ゆえに制限が厳しいのではないか、とのこと。

「てなわけで猟兵のみんなは、自分の持てる限りのエモさをバキュン! と奴に狙い撃ちしてバリアを破壊。その上で、ガツンとやっつけてもらいたいのさ」
 しかし、ふざけていても怪人軍団幹部の一人。バリアを破壊されても彼女自身は相当の実力者であることには変わりない。また、ラビットバニーはひとつの戦場で一体しか出現しない。ここで倒したとしても、すぐに別の戦場で復活するだろうが、戦力を削りきるまで、一体一体確実に仕留めて行くことが大切だ。

「あんたたちなら、きっとやってくれるって信じてるよ! 兎さんの胸に沢山のエモい花を咲かせてやっとくれ! よろしゅうにーっ」
 メリーは幼い指で銃の形を作ってウインク。
 笑顔を咲かせて、猟兵たちを見送るのだった。


葉桜
 OPをご覧いただきありがとうございます。葉桜です。
 戦争依頼、兎さん。張り切って参りましょう。

『ルール説明』
 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。

 当方のシナリオでは、「猟兵はこんなエモさを魅せた」→「バキュン、エモに撃ち貫かれたバニーの胸にエモ花が咲く」→「ぎゃー」という表現になるかと思います。

 なるべく早く執筆してお返しすると思います。
 採用人数は少なめになるかもしれないこと、予めご了承くださいませ。
 それでは皆様のエモプレ、お待ちしております。
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第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:和狸56

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ルーナ・セリオン
残念ながらエモさの基準で言うとワタシのほうが緩いかもしれない。
なにせワタシにとっては未知のモノは全てが輝いてるからね!
これが彼女に通じるかどうか分からないんだ。

まあ、出来るだけやってみよう。
SNSを通じての【情報収集】で得たモノによると動物ネタとかが強いらしいね。
という事でまずは普通に戦って防がれる事承知で攻撃したりしつつ注目を集めよう。
当然ながら追い詰められるだろうから、そこでワタシを庇うように突如戦闘力もない愛犬ロボ「ヴォイニッチ」ちゃん(今作った)が登場。

敵わないと知ってなお退かない健気な姿に全米が泣いた……という筋書きで行ってみよう。
もしこれでバリアが破れたら【ダッシュ】で攻撃だ。




 知りたい・やりたい・ワクワクしたい。好奇心の塊であるミレナリィドール、ルーナ・セリオン(機械仕掛けの探求存在・f13441)は、SNSでエモネタの情報収集をしていた。
「残念ながらエモさの基準で言うとワタシのほうが緩いかもしれない。なにせワタシにとっては未知のモノは全てが輝いてるからね!」
 こんなに魅力的な世界、心震えない方がおかしいだろう、といつものアルカイックスマイルを浮かべた。

「まあ、出来るだけやってみよう」
 ルーナは脚部装着型魔導アーマー・シリウス六号を起動させて、ラビットバニーまでローラーダッシュ。そのままゴールドスカルペルで切り刻もうとしたが、案の定、絶対無敵バリアによって軽く弾かれてしまう。
「なーに、今の攻撃。あーしを舐めてんの? その足の装備はちょっとエモカッコいいけど……それだけじゃあ、あーしのバリアはビクともしないっつーの!」
 バリアを張れば、ラビットバニーの兎面の目が光り、カンフーのポーズを構え出す。
「まだまだこれからだよ。『ガジェットショータイム』!」
 ニーナはすかさず、作りたてほやほやの愛犬ロボ『ヴォイニッチ』ちゃんを登場させた。戦闘には向かない愛らしい子犬型のロボットは、それでも主人であるルーナを庇うように、ラビットバニーに向かってキャンキャン吠えて威嚇する。
「……っ、だめだよ、ヴォイニッチちゃん! キミじゃあそいつに勝てない! 私のために犠牲になんてならないで!」
 ヴォイニッチちゃんはルーナの静止の命令は聞かない。敵わないと分かっていても、引くわけにはいかない。この身に代えても、愛すべき主人を守るのだ――。
 いじらしい姿、飼い主とペットの愛情に全キマイラが泣いた。ラビットバニーも、泣いている。
 ラビットバニーのハートはズキューンと射抜かれていた。胸に広がる動物愛の温もり、美しい絆のエモ花が咲く。
「うあああん! なにこれー! やばばばやばたんなんですけどーっ」
 ちなみにこれ、動物ネタがアツいらしいという情報から立てた作戦である。兎の仮面で表情は見えないが、この声はまさに涙腺崩壊なう。絶対無敵バリアも解けていった。
「計画通り、これならいけるねっ」
 ルーナはシリウス六号のパワーアシストを受けて、ダッシュ&キックを繰り出した。しかし……。
「うう、ぐす……ゲロ甘っしょ。例え涙で濡れてても……そんな攻撃、あたしの目には止まって見えるしっ!」
 うさちゃんカンフーモードによって向上した反射速度により、ルーナの脚はラビットバニーに掴まれてそのまま放り投げられてしまった。
「はー、やばたんピーナッツ! ……あ、わんわん抱っこさせてもらうの忘れちった!?」
 まだまだラビットバニーは余裕のようだ。
 しかし、エモい攻撃は必ず通る。猟兵たちよ、この調子でエモを撃って撃って撃ちまくるのだ。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

雛月・朔
武器:薙刀、念動力
UC:箪笥の角に小指をぶつけろSPD

◆攻撃の回避
敵の攻撃は念動力で宙に浮きながら回避します、いくらスピードに優れていても空を飛ぶ相手には攻撃手段も攻撃パターンも限られるでしょう。ただし、一発だけ攻撃をわざとボディ(胸骨あたり)に受けてもちろん相手の行動を読んで念動力で行動疎外もし、威力を弱めた攻撃を。

◆エモい行動
敵の攻撃をわざと受けた後、地面に落ち薙刀を杖代わりにし立ち上がる。口の端からわざとらしく血を流し体の端からヤドリガミの身体が青い光に分解されつつ、トレードマークの赤い髪紐をほどき、バニーを睨み付けます

◆攻撃
バリアが解けたらUCで箪笥を呼び出しバニーに波状攻撃をします。




「うーらーめーしーやー!」
 雛月・朔(たんすのおばけ・f01179)は念動力でふわりと浮かぶ。ちっとも恨みのこもっていない幽霊のような登場をしてみせた。
「お次は私がお相手しましょう。ほら、こっちですよ」
「マ?? 美男子幽霊マジ卍!? 初見アッガるーっ!」
 捕まえてSNSに投稿しようと、ラビットバニーは兎面を光らせて猛スピードで朔に突進する。
 ヒラリ――、そしてまたヒラリ――。
 朔は重力など関係なしに空を飛ぶので、ラビットバニーのデコったピンク爪は避けられ続けて宙を引っ掻くばかりだ。
「キーッ、こーなったら……ウサちゃんカンフー・ジャンプ拳ッ!」
 一瞬足に力を溜めたと思えば、とてつもない脚力で朔に向かってジャンプ、そのボディに拳を叩き込んだのだ。朔の軽い身体が吹っ飛ばされて、地面に転がり落ちる。
「く……っっ」
 朔は、白い柄の薙刀を杖代わりにフラフラと立ち上がる。口の端から血が零れ、髪は乱れて。ヤドリガミの身体は青い光に分解されつつ、今にも消え失せそうだ。それでも、彼の漆黒の瞳の輝きは失われていない。トレードマークの赤い髪紐を自らほどいて、倒すべき敵を睨みつける。その姿、まさに……。
「エモーいっエモイエモイエモーッ!! くあーっ……あかんて、あーし、そーゆーん弱いんやってっ!!」
 ピンチに立ち上がる血添えの長髪美男子、激エモッ、と。ラビットバニーのハートを見事に撃ち貫いた。絶対無敵バリアも木端微塵。胸に咲いたエモ花がドキドキを止めてくれない……これが、恋?
「バリアが解けましたね。これで貴女にも届きます。本来、不意の不幸は等しく降りかかるもの、ですから」
 しかし、そんなラビットバニーの胸キュンなど露知らず。いや、知っていたとしても容赦なく。朔は自身の分身である、桐箪笥を召喚して落下させる。実は、朔は念動力でジャンプ拳の威力を弱めていた為、さほどダメージは受けていなかったのだ。あれはただの演出です、とニッコリ笑う。
「……っない! ないわそれーっ!! って、痛ーーーーっっっっ」
 ラビットバニーは攻撃を避けるが、念動力の操作によって、彼女のハイヒールの先を箪笥が潰した。戸棚1段引き出し5段の全6段の桐箪笥……これは、痛い。
「うーっ……いくらイケメンだからって、激おこなんだからーっ!」
 これで少しは敵の動きも鈍るだろう。彼女の好みも少し分かった。続けて行こうではないか。

成功 🔵​🔵​🔴​

茅原・紫九
エモいか、俺は生憎だがあてはある。

初手、全力で敵に接近する。そしてジャンプして踏みつけだ。
勿論バリア展開に間に合う訳がねえ。バリアを踏んで高く跳ぶことが目的。

バリア解除は監禁されて過ごした少女のドア一枚挟んだ言葉だけの恋。思い人の血がドアの隙間から流れる悲恋の顛末をホログラムで見せる。
すまねえ師匠!晒すけど許せ!

解除されたらその感情の入り混じった魔弾を飛ばしながら、重力に身を任せて剣を握る。
魔弾は倒すためでなく、相手を移動させないため。
足場を全操作は確かに強い。だが空中にいれば意味ないよな!
回避は魔弾で封じた。剣を受け止められたとしてもそこはお前の上で花の足場じゃねえ。二の太刀で仕留める。




「エモいか……俺は生憎だがあてはある」
 花咲く道に現れた茅原・紫九(風に流され来たる紫煙・f04064)は、ラビットバニーに向かって全力疾走した。最も高く飛べるように、三段跳びの要領でジャンプする。勿論、敵を踏みつけられるとは思っていない。狙う足場は、瞬時に展開される絶対無敵バリアだ。
 お花ハナハナぐーるぐる――。ラビットバニーの指に合わせて放たれるビームが、自身が立つ足場以外の花をバラバラにしてしまった。これでは紫九の着地する場所がない。
「うぷぷ、なあにしてんの? 無駄攻撃マジおつー……っ!?」
「すまねえ師匠! 晒すけど許せ!」
 紫九を見上げたラビットバニーの言葉が詰まる。そこには、紫九の描くホログラムが展開されていた。

 昔々あるところに、籠の鳥の少女がいた。監禁されて過ごした少女の、ドア一枚挟んだ言葉だけの恋。それだけで、幸せだった。しかし、これは悲恋の物語なのだ。彼女の思い人の血が、ドアの隙間から流れて……映像は途切れた。

「……っ、MT……まさかの展開すぐるって……なんでっなんで幸せな結末にしてあげんのさ!?」
「これは実話だからな。人が作った、都合の良い話じゃねえからだ」
 衝撃の展開に固まるラビットバニー。これが、新しいエモさだってゆーの? 切ない、悲しい、……でも、美しく感じてしまう。こんな気持ち……あーし、初めて…っ。雷を受けたような衝撃が、バリアと彼女の胸を打ち砕いて、新たなエモ花を植え付ける。それは暫しの間、彼女の心を痺れさせ続けた。
「……深く考えるな、フィーリングだ」
 ただ感じて受け止めろ、と言わんばかりに。紫九は複雑な感情が入り混じった魔弾の雨を降らせる。その魔弾の初手は軽くとも、次第に重く激しく、威力を増してラビットバニーを追い続ける。
「いたっ、いだっ……いだだだだだっ、やだっ、いだっ、もうやあだーっ!」
「足場を全操作は確かに強い。だが空中にいれば意味ないよな!」
 魔弾の礫に意識を奪われている敵の上空で、紫九はマジックソードを構えながら落下していく。それは、ラビットバニーが露出している背中を断ち、ペパーミントグリーンの髪の房を花の上に落とした。
「あ、あ、あーしの、あーしの髪が……っ。何してくれとん髪は女の命っしょ!?」
 カム着火インフェルノォォォォオオウ!! 兎、爆発。
 足場の花は定位置に戻っていくが、彼女の怒りは暫く収まりそうにない。

成功 🔵​🔵​🔴​

エレニア・ファンタージェン
エモい…エモい……?
エリィによくわからない言葉だけれど、ナントカグラムではあれが人気だと言うじゃない、ほら…プロポーズ

とりあえずあり合わせの役者で…
召喚した死霊騎士に跪かせて恭しく小箱を献上させましょう
あ、中身エリィの私物だけど。
あらどうしましょう!こんな戦場の真ん中でプロポーズなんてびっくりだわ!って感じで頬に手を当てて恥じらうそぶり
ほら、エモいでしょ!
…蛇竜?なんかその辺で花でも撒くか一人フラッシュモブでもしてなさいな

バリアが解けたら騎士と蛇竜をけしかけます
幸せのお裾分けとして生命力吸収とか呪詛とか闇の属性攻撃とか色々載せてあげるわ

ああ、エリィの王子様はどこかしらね?
ふふ




「エモい…エモい……?」
 それってどういう意味? エレニア・ファンタージェン(幻想パヴァーヌ・f11289)は小首を傾げる。そんなに有名な言葉なのかしら、どなたか教えて下さらない? 残念ながら、皆様ご自分のエモい戦いにお忙しいご様子。よくわからないままだけれど、どうやらあのウサギさんは、SNSで人気なものがお好きらしい。それなら、とひとつの案がエレニアの頭に浮かんだ。

「もーっ激おこぷんぷん丸なんだからー!って、んん? ……あーたら何してんの?」
 エモいものにバキュンとされては痛い目に合い、すっかりご立腹なラビットバニーの前に、戦の最中だとは思えないラブラブな雰囲気を醸し出す、一組のカップルらしき人影が現れた。
 美しい花の道。エレニアと召喚した死霊騎士が、腕を組んで仲睦まじく散歩をしている。すると、死霊騎士は恭しくエレニアの前に跪いたではないか。白く儚く美しい女性に永遠の愛を誓い、小箱を開いて献上する。中身は勿論、宝石が光り輝く愛の証だ。
「あらどうしましょう! こんな戦場の真ん中でプロポーズなんてびっくりだわ!」
 エレニアは頬に手を当てて恥じらう素振りをみせる。
 答えは勿論――YES.

「きゃーきゃー!! 生プロポーズ!? アチュラチュじゃ~ん! おめおめ~!!」
 ナントカグラムでありそうな『#プロポーズされました』を生で見たラビットバニーは怒りを忘れて大興奮、あり合わせの役者によるプロポーズ大作戦は大成功だ。死霊蛇竜がその長い身体でラブラブハートを描けば、ラビットバニーもノリノリで踊り出す。システム・フラワーズの花々からもフラワーシャワーの祝福が贈られた。
 絶対無敵バリア? そんなものはとっくに消えている。生プロポーズが彼女の心を撃ち貫いて、思い出させてくれた。例え怪人幹部であろうと、心は結婚に憧れるピチピチの女の子なのだ。いつか自分も、なんて。ゆるふわな乙女のエモ花が咲き誇る。
「ふふ、お祝いありがとう。……これはエリィからの、幸せのお裾分けよ」
 エレニアが合図を送れば、夢見る魔法は解けていく。騎士は闇の剣を、蛇竜は呪詛の牙を、無防備なラビットバニーの前後から突き立てた。
「な…あーしを……騙したの……?」
「夢をお見せしただけよ。エリィも、まだ探しているの……ああ、エリィの王子様はどこかしらね?」
 阿芙蓉のような甘い笑顔でエレニアは微笑む。髪に付いたハート型の花びらは、ふわりと飛んで消えていった。

 兎仮面に隠された表情は見えないが、心も体も傷ついたまま、ラビットバニーは佇んでいる。
 おそらく、後もう一息だ。猟兵たちはこの後、そして最後に、彼女に何を見せるのだろうか。

大成功 🔵​🔵​🔵​

チトセ・シロガネ
【WIZ】
次はボクの番だネ!
ボクは【ダンス】で勝負するネ、演目は【星天舞踏】ヨ
危険な足場で花びらを舞い散らせながら
楽しく、華麗に、美しく踊りきって見せるネ
どんな逆境にも屈しないボクのショーマンシップの【覚悟】、とくとごらんあれヨ

動く足場は【第六感】で【見切り】、
【早業・念動力】で軽やかに飛び回って距離を詰めるネ
足場を踏んだときは【パフォーマンス・念動力】で花びらを舞い散らせるヨ
その際はスマイルも忘れずに!

UCの射程圏内に入ったら【耀の構え】を踊りに組み込みつつ、
バリアを解除したら【咄嗟の一撃・空中戦】で飛び蹴りを食らわせるヨ
ついでに【2回攻撃】で回し蹴り、隙を生じぬ二段構えヨ!




「次はボクの番だネ!演目は『星天舞踏』ヨ!」
 意気揚々とステップを踏んで飛び出したのは、チトセ・シロガネ(チトセ・ザ・スターライト・f01698)だ。もともと電子の海で気ままに暮らしていたバーチャルキャラクターのチトセにとっては、花びらしかない危険な足場も、ファンシーで心躍るステージにしか見えない。
「どんな逆境にも屈しないボクのショーマンシップの覚悟、とくとごらんあれヨ!」
 楽しく、華麗に、美しく。チトセの舞は白い四肢と共に四本の輝く刃が空を切り裂き、周囲の花びらは残光に踊る。軽やかにジャンプをして着地するタイミングで、周囲の花を念動力で舞わせてアーチを作り、今度はその中に飛び込む。そしてまた花と共にくるりとターンすれば、チトセの笑顔も咲き誇る。
「どんな時もスマイル、ネ!」
 チトセが披露するフラワーダンスに、気付けばラビットバニーは力の限りの拍手を送っていた。
「……イイ……激エモダンスじゃん!! イイわあ……傷だらけのあーしのハートに沁みるわあ」
 芸術は、時に敵味方関係なく心を穿つもの。戦場の踊り子のパフォーマンスに撃ち貫かれたラビットバニーの胸には、純粋に見事だと感心するエモ花が力強く咲いていた。
 バリアの消滅を確認すると、チトセは耀の構えを踊りに組み込みながら、技の射程内までラビットバニーに接近する。例え足場を動かされても、第六感で見切ってみせる。
「さあ行くヨ! ……っ!?」
 残念ながら、敵の能力を少し甘く見ていたようだ。お花ハナハナぐーるぐる――くるくる踊りながらラビットバニーが放つビームによって制御を奪われた花の足場は、チトセの予想を遥かに上回る速度で、彼女の前で壁のようにそびえ立ち、進路を塞いだ。
「ね、ね! あーしのお花ダンスもエモいっしょ?」
 背後にまわって不意をつきに来たラビットバニーに対し、チトセは体勢を崩しつつも、咄嗟の一撃で飛び蹴りを放つ。交差するしなやかな脚。更にもう一度回し蹴り――しかし、チトセの脚はラビットバニーに掴まれ、花の壁に向かって投げ捨てられてしまった。
「クッ……あのウサギ、なかなかやるネ!」
 くるりと回転して受け身をとって、チトセは余裕でスキップをするラビットバニーを憎らしげに睨んだ。
「いーねいーね。またアガってキタんじゃん!?」
 ハート乱舞しちゃう、と花でハートを描いて遊ぶラビットバニー。
 再びご機嫌になった彼女を、猟兵たちは止められるのだろうか。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

モッチ・モチ
エモい……。どうすればいいんでしょう。みなさん上手にエモられててすごいデスネ。

「仕方ありまセン!和菓子セットの袋からとっておきを出しちゃいマス!」と言って高級大福を取り出しマスヨ♪
「はぁ……エモい見た目にエモいモチモチの感触!最高デス♪」

多分失敗するので、
「あとは任せ、ま、シタ……」
と、モッチビ軍団を召喚。
(なんか可愛いのがいっぱい現れ、捨てられた子犬のような目できゅるるんと見つめる)
バリアが溶けたら、総攻撃でトドメを!


ケイ・エルビス
★連携アドリブ台詞大歓迎


★行動
「来いアトラス!」
トランシーバーで輸送機を音声認識&
コントローラで遠隔操作し呼び寄せ

自動操縦で雲の中に
◆目立たない状態から急降下


★エモ
アトラスを遠隔◆操縦し航空ショー
空を駆けカラースモークで
ウサギの被り物とハートを器用に◆早業で描きアピール

カワイイ包装のキャンディを
イケてるダンスBGMメドレーを流しながら沢山投下
音楽は流し続ける

「どうだい、お前のハートに届いたかい!」
サムズアップしてキメ



★戦闘
バリヤ解除後
UCで音楽にノリノリでカンフーで応戦

距離を離した時は輸送機を操作
ミサイル
◆一斉発射
◆誘導弾
◆おびき寄せ
集中させない


攻撃は
◆野性の勘
◆見切り


仲間は
◆援護射撃
◆かばう




「エモい……。どうすればいいんでしょう。みなさん上手にエモられててすごいデスネ」
 荷物を探っていたモッチ・モチ(ボス専門バスター・f09023)は、和菓子セットをじゃじゃーんと取り出して見せた。
「仕方ありまセン!とっておきを出しちゃいマス!」
 それは特別な時に食べようと大事に取っておいた秘蔵のオヤツ、モッチの大好物の高級大福だ。
「見て下さイ! この大福、雪ウサギさんのようでショウ? つぶらな瞳に長いお耳がとってもプリチーです!」
「マ!? マ!!?? ずるかわウサたんぐうかわだしーーっ!!」
 可愛いだけではない。その雪ウサギさんの中身は高級なイチゴの王様と、甘さ控えめのなめらかアンコが、これでもかとたっぷりと詰まっているのだ。あーんっ……モッチは一匹、パクリとお口の中へ。
「はぁ……エモい見た目にエモいモチモチの感触! 最高デス♪」
「ずるいずるいずるーい! そのエモーいウサたんイチゴ大福、あーしにもーっ」
 口福度MAXでもっちもっちと大福を食べるモッチに、無敵バリアをかなぐり捨てて、食欲甘味欲可愛い欲のエモ花を三連でバッチリ咲かせたラビットバニーが勢いよく飛びかかる。
「こっちのエモ可愛いウサギさんも、いただきマス!」
「甘い甘い甘い、イチゴ大福より甘いっしょー!」
 モッチは大型銀製ナイフを光らせて、串刺しにしようとラビットバニーに突き出したが、赤べこキャノンによって狙い撃ちされたナイフは弾き飛ばされてしまった。
 がぶがぶがぶがぶーっ。残りのイチゴ大福、大福を持つモッチの手、もちもちのモッチ。全てが美味しそうに見えてきたラビットバニーは容赦なくモッチの全身を噛みついてくる。ああ、惜しい。アングルの関係上、ウサギの被り物の中身はカメラに収まらないようだ。
「うう、やられ、まシタ……」
 ぱたり、倒れるモッチ。――夢、だろうか。朦朧とする意識の中、救世主の声が、頼もしい仲間の声が。どこからか聞こえてきた気がした。

「助けにきたぜっ、モッチちゃん! 来いアトラス!」
 それは紛れもなく、猟兵仲間のケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)の声だった。旧型戦術輸送機『エアバスA400M』。ケイの愛機、通称『アトラス』は、彼に呼ばれれば、システム・フラワーズの空だって我が物顔で飛び回る。
「音声確認、OK。アトラス、遠隔操作モード。ほら、見てろよ。航空ショーが始まるぜっ!」
 ケイはコントローラで操縦しながら、見逃したら損するぜ、とラビットバニーを挑発するような笑顔を見せる。
 アトラスは花舞う空をキャンパスにする。空を駆けながらカラースモークで器用に早描きのは、ウサギの被り物とハートマークだ。ケイのお気に入りであるイケてるダンスBGMメドレーが流されると共に、コツコツと何かが降ってくる。それは飴の雨、ファンシーなウサギ柄包装のキャンディだ。ラビットバニーの両手にはこんもりと沢山の飴が抱えられていく。
「どうだい、お前のハートに届いたかい!」
 ケイのサムズアップのキメポーズに、ラビットバニーは感動したように、被り物が取れるのではないかというくらいの勢いで首を縦に振る。
「ブチアゲ過ぎんしょーっ、マジ、マジ神……っ!!」
 ケイの大掛かりなパフォーマンスにラビットバニーのハートもバリアも見事に撃墜された。歓喜感涙飴霰のエモ花が咲き乱れる。

 そう言えば、ケイが戦場に降り立つ前に、瀕死になっている仲間がいたはずだ。すぐに救助に向かわなくて良かったのだろうか。大丈夫、仲間である彼には分かっていたのだ。彼女にはピンチの時程強くなる秘策があるのだと。
「ふふ、流石ですね、ケイさん。では……あとは任せ、ま、シタ……」
 倒れたまま動けないが、モッチの瞳にはケイの勇姿がしっかりと映っていた。近くに転がったキャンディをひとつ口にして体を休める。後は任せた――それはケイと、そしてこれから召喚するチビモッチ軍団へ送る言葉。
(もっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっちもっち)
 モッチが戦闘で瀕死になることを条件に、ギャグ時空から召喚されるチビモッチ軍団が列を成す。それぞれがナイフを持って、ラビットバニーに向かって大行進が開始された。
「ななな、なんかカワイイのがいっぱい来たしっ。ちょっ、そんな捨てられた子犬みたいな目をこっちに向けるなしーっ!……っ、痛っ、コラッ、痛いっしょ!」
 きゅるるんと潤んだ瞳がエモ可愛くて。ラビットバニーはナイフで刺されても叱るばかりで、攻撃の手は止まったままだ。
「やるねえ、モッチちゃんとチビモッチちゃん! ……ほら、俺とも踊ろうぜっ」
 アトラスから流れるBGMのリズムに乗りながら、ケイも即興の格闘攻撃を連打する。モッチちゃんだけはない、今までラビットバニーと戦った仲間、皆の攻撃のダメージが彼女の身体に蓄積しているはずだ。野生の勘で弱った場所を見切り、拳や蹴りを確実に叩き込む。
「う、ぐぐっ! やだよっ、あーし、負けたくないしっ……!」
「悪ぃな、俺たちにも守りたいもんがあるんだ」
「さよなら、デス」
 ケイの拳が、チビモッチたちのナイフが、一斉にラビットバニーの身体を抉る。
 動きを止めた身体は、さらさらと、花びらに姿を変える。
 それは、猟兵の皆が彼女の胸に咲かせたエモ花だろうか。
 色とりどりの花びらはひらひらと飛ばされ、システム・フラワーズの花畑へ消えて行った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月16日


挿絵イラスト