バトルオブフラワーズ⑩〜感動品質
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「バトルオブフラワーズの続報です」
自動・販売機(何の変哲もないただの自動販売機・f14256)が語りだす。
「敵幹部『カワイイ怪人』ラビットバニーへの道が拓けました。次の戦場への道を開くためラビットバニーの撃破をお願いします」
先のエイプモンキーが何だかんだで強敵であった以上、カワイイバニーも今日的なのだろう。一体どのような能力を持っているのか。
「絶対無敵バリアです」
……もう一回言ってみよう。ちょっと今理解できなかった。
「絶対無敵バリアです」
間違いじゃなかった。なんだその男子小学生が言い出しそうな能力は。
「ラビットバニーは絶対無敵バリアによりあらゆる攻撃を防いでから、反撃してきます」
猟兵に一体どうしろと言うんだ……。
「ラビットバニーにエモいという感情を与えてください」
は?
「エモいとはその語源をエモーションという英語に持ち本来は音楽用語です。この場に至っては『感動的な』に類する言葉として膾炙されている言葉です」
えっとつまり?
「SNSで流行するような事を見せれば、絶対無敵バリアは一時的に解除されます」
なんだそれ。ともかくそれで解けるのならなんとかなる、のか?
「なおラビットバニーがエモいと感じる可能性のある感情は次のようなものが考えられます。かわいさ、男らしさ、おもしろさ、血だらけで立ち上がる様子、突然のパンチラ、イケメンの壁ドン、水を吐き出すフグ」
割とチョロくね? だが、それくらいじゃないと倒せる気がしないので助かるが。
「なおラビットバニー本体の戦闘能力は高いものとなります」
バリアを破っても強敵であることは間違いないらしい。戦闘自体の事も忘れてはいけないようだ。
「それでは今日もよい一日を」
猫のぬいぐるみが取り出し口に出てきた。
西灰三
こんにちは、西灰三です。
今回はシステムフラワーズのラビットバニー戦のシナリオをお送り致します。
以下追加情報。
ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
以上です。
それでは皆様のプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『カワイイ怪人『ラビットバニー』』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:和狸56
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
黒岩・りんご
雪乃さん(f06012)と一緒に
雪乃さんを抱きしめて可愛がりながら、たっぷり百合イチャのエモを見せてあげますわね?
「ふふ、雪乃さん可愛い♥」(ぎゅー
「あら、抱きしめられるの嫌いです?」
「人が見てなければいいのです?」(くすくす
からかいながら、さわさわすりすり
「素直な雪乃さんが一番好きですよ?」(にこっ
なーんて鼻血出すほど甘々な百合ラブ見せつけて
バリアが消えたら雪乃さんの照れ隠しに続いてダッシュで接近
懐に潜り込んで【鬼九斬手】でたたっ斬りますわ♪
「雪乃さん、わたくしたちの愛のコンビネーション、魅せますわよ♪」
その後も雪乃さんの援護を受けながらも接近しての攻撃に専念
「愛の力、思い知りなさいっ!」
御影・雪乃
りんごさん(f00537)と連携。
どうして私は呼ばれたのですか、りんごさん。
かわいいとか知りませんし、他人に媚びるつもりもありません。私はここには場違い…こんなところでベタベタ触れないでください…恥ずかしい…です(不機嫌そう)。
見られて無ければって、そういうわけでは…。いえ、でも何もしてほしくないわけでもなくて…もう、言わせないで下さい。
私が本音を見せるのはあなただけです…他人に弱さを見られたくないのです。
…!?敵がいるのを忘れてました…。見ましたね聞きましたね…!ここ、コロス!!(恥ずかしさで耳まで顔を赤くしながら攻撃、素直じゃない系の百合)
愛って、大きな声で言わないでください!
●
黒岩・りんご(禁断の果実・f00537)と御影・雪乃(ウィンター・ドール・f06012)はシステムフラワーズの中を進んでいる。りんごは妙に雪乃にくっついている。
「どうして私は呼ばれたのですか、りんごさん」
雪乃はどことなく不機嫌そうである。というかラビットバニーが視界に入ってないというか。そんな事どこ吹く風でりんごはしきりに雪乃に触れる。
「ふふ、雪乃さん可愛い♥」
「かわいいとか知りませんし、他人に媚びるつもりもありません。私は……」
「あら、抱きしめられるの嫌いです?」
「ここには場違い……こんなところでベタベタ触れないでください……恥ずかしい……です」
花畑にも見えるシステムフラワーズの中で彼女ら二人はそんなやり取りを繰り広げている。りんごはくいとメガネを押し上げるとくすりと笑う。
「人が見てなければいいのです?」
「見られて無ければって、そういうわけでは……。いえ、でも何もしてほしくないわけでもなくて……」
「素直な雪乃さんが一番好きですよ?」
「……んっ。……もう、言わせないで下さい」
やや頬を膨らませる雪乃の首筋をりんごが撫でる。
「素直な雪乃さんが一番好きですよ?」
「私が本音を見せるのはあなただけです……他人に弱さを見られたくないのです」
頬を染める雪乃、だがそこに別の女性の声が響く。
「終わったー?」
「……!?」
ばっと二人が声のした方を向く。そこには二人の様子を見ていたと思われるラビットバニーがしゃがんでいた。怪人はすっくと立ち上がると二人に近づいてくる。
「……!? 敵がいるのを忘れてました……。見ましたね聞きましたね……! ここ、コロス!!」
「ここに来てそれ忘れるのはマジないしー」
ラビットバニーは絶対無敵バリアを張ると呟く。
「デートなら他のところでやってくれない?」
このバリアには微塵のゆらぎもなさそうである。
「あれ? バリアが消えない?」
「だってー、エモいと思ったのはあーしじゃないしー?」
りんごの疑問に一言でラビットバニーは返す。りんごと雪乃は顔を見合わせると、バリアの上からでも戦うしか無いと意識を固めラビットバニーにりんごが突撃していく。
「雪乃さん、わたくしたちの愛のコンビネーション、魅せますわよ♪」
そう先手を取ったりんごの手刀はバリアに簡単に弾かれる。
「愛って、大きな声で言わないでください!」
耳まで赤くした雪乃が氷の塊を無数に投げつける。だがこれも全く通じない。その間に近くにいたりんごが至近距離から赤べこキャノンを受けて上空へ吹き飛ぶ。
「りんごさん!」
「次はあーたっしょ」
淡々と砲口をを残る雪乃に向けるラビットバニー、だがそのすぐ近くから呻きにも似た声が上がる。
「愛の力、思い知りなさいっ……!」
全く力のないりんごの一撃、それはバリアを破るまでも行かないまでもラビットバニーの心を揺さぶる。
「なにそれ超エモい!」
バリアが微かに揺らぐ、即座に雪乃か氷の礫を投げつけつつりんごを救い出して戦場から脱出する。深く傷ついたりんごを背負い無事であることを祈りつつ戦場を後にするのであった。
苦戦
🔵🔵🔴🔴🔴🔴
月夜・玲
エモかー…
そういう方向かー
ううーんとりあえず、自分に出来る範囲の事をやってみようかな
自分が良いって思えるものは人に勧められるものだしね
●行動
少し離れた位置で《RE》Incarnationを静かに抜刀
まずは構えからの袈裟懸け、斬り上げの一連の流れを『忍び足』で足音を消しながら魅せるように披露
所作はキビキビと張り詰めた空気を演出するように剣舞を披露
剣を見せつけるようにクルリとその場でターン
この剣も私の自作品なんだよ、どう?凄いでしょ?
●戦闘
剣舞を舞いながらバリアが解除されるのを待つよ
バリアが解除されたら【高速演算】を起動
剣戟による衝撃波なら、剣舞を舞いながらでも放てる!
さあ、舞い踊ろうか!
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(「エモかー……そういう方向かー……」)
月夜・玲(頂の探究者・f01605)は花の上を進みながら思う。各世界のサブカルチャーを収集する彼女ではあるがことこのキマイラフューチャーに置いては、サブカルチャーこそがメインカルチャーのきらいもある。そう考えていると、ラビットバニーの姿が見えてくる。
(「ううーんとりあえず、自分に出来る範囲の事をやってみようかな。自分が良いって思えるものは人に勧められるものだしね」)
彼女はラビットバニーより距離を取ったところで立ち止まる。
「こんにちは」
「まーた来たし? 帰ってくれない?」
「そう言わずに見ていってよ」
ラビットバニーは玲の足元の花を動かしその体を捉えようとする。その舞い散る花の中で彼女は《RE》Incarnationと呼ぶ黒い剣を抜き、降りかかる花びらを一つ一つ舞うように切り裂いていく。
「へえ、中々エモいじゃん!」
「この剣も私の自作品なんだよ、どう? 凄いでしょ?」
そんなやり取りをしながらも花の動きは止まらない。そして玲も切っ先から衝撃波を放ちラビットバニーを狙う。
「さあ、舞い踊ろうか!」
「良いよ! もっと踊ってよ!」
成功
🔵🔵🔴
竹城・落葉
【SPDで判定】
さて、次の中ボスは貴様か。我の完全無欠なる作戦に敗れ去るが良い!
我は情熱的な詠唱とドラミングによってパフォーマンスをしつつ、『森の出陣』を発動する。そして、大量のゴリラを【早業】と【2回攻撃】で素早く大量に発射するぞ。しかも、そのゴリラ達は飛んでいく最中で、「バナナを情熱的に食べる」「情熱的にドラミングをする」「トレンディドラマを情熱的に繰り広げる」といった行為をさせる。マスターよ、困惑しているだろう?安心しろ、背後も困惑している!ならば、敵は困惑のあまり絶対無敵バリアを解くに違いない!どうだ、この完全無欠な作戦は!
後は、多勢に無勢、ゴリラの大群でボコボコにしてやろう!
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「さて、次の中ボスは貴様か。我の完全無欠なる作戦に敗れ去るが良い!」
「うわ何その自信、キモいんですけど」
竹城・落葉(一般的な剣客……の筈だった・f00809)の自信に満ちた言葉にラビットバニーは眉をひそめる。眉無いけど。
「それであーたは何するつもりよ」
ラビットバニーは何やら武術めいた構えを取る、臨戦態勢に入った彼女に対し落葉は突然胸を両腕で叩き叫ぶ。
「ウホ、ウホホホ、ウホオオオォォーーッ!!」
「!?」
ゴリラだ。落葉が胸を一つ叩くごとにゴリラがラビットバニーに向かって飛んでいく。しかもよく見ると個性がある。
「ウホ、ウホホ、ウホ……!」
孤独なゴリラはバナナの皮を一つ剥くごとにコメントらしき声を発している。
「ウホ、ウホホ、ウホー……」
また別のゴリラはメロディアスなドラミングと共に歌を歌っている。その声には哀愁がこもっている。
「ウホホッホ、ウホー!」
「ウッホー!」
あるゴリラのカップルは何やら古いトレンディドラマのワンシーンを再現している。妙にバブリー。
……かつてとある芸術家はこう言った。『芸術とは「何だ、これは!」』と。得てして感動をもたらすものの一つにはその意味の分からなさが含まれる。しかしてその意味の分からなさにはやはりそれだけでは足りず理解され得る部分が含まれていなければならない、つまりだ。
「ゴリラが何かの真似して飛んでくる! エモーい!」
大成功
🔵🔵🔵
レティエル・フォルクエイン
スカイステッパーでうさちゃんカンフーを誘発
「カンフーってことは近接格闘攻撃だよね?」
ダッシュジャンプからの自前の翼で空にオーラで身を守りつつ残像で目をくらましながら先制攻撃には逃げの一手
「攻撃が届かなくなるくらい高いところまで逃げれば……」
反撃のアイデアを考える時間ができると思ったんだけど
「ここってラビットバニーさんの真上だよね? レティちゃんスカートなんだけど」
声にならない悲鳴を上げ、バリアが消えててスカートの中に目を奪われてたら急降下、スカイステッパーによう方向転換や残像で惑わしつつ、かかと落としを叩き込む
「い、今のは事故……今のは事故」
ダメな時は上空で歌って踊って、バリアが消えたら攻撃
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「カンフーってことは近接格闘攻撃だよね?」
「そうだけどあーしにから避け続けられると思ってるとかウケるんですけど!」
レティエル・フォルクエイン(オラトリオのサウンドソルジャー・f15293)は翼をはためかせるのととジャンプを交互に繰り返しながら必死でラビットバニーの攻撃を避け続けている。
「アチョー!」
ラビットバニーの鋭い足刀がレティエルの首元を蹴る。だがそれは残像、それでもその足先から彼女自身の距離は数ミリしか無い。空気を蹴る時に生じる風でレティエルの髪と衣装が激しく揺れる。流石に危機と感じた彼女は空中へと大きく飛び上がる。
「攻撃が届かなくなるくらい高いところまで逃げれば……」
だがそんな所ではラビットバニーの攻撃を防ぐ事は出来ない。
「逃すわけないし! 昇バニー拳!」
ふとここに来てレティエルは場違いな事を思う。
(「ここってラビットバニーさんの真上だよね? レティちゃんスカートなんだけど」)
スカートが大きく風圧でめくれた。
「「ああーっ!?」」
互いに叫んだ、そしてラビットバニーのバリアが解ける。それにすかさずレティエルが踵落としを決めて顔を赤くしてそそくさと逃げていく。
「い、今のは事故……今のは事故」
一体スカートの中には何があったのか、それは二人しか知らない。
成功
🔵🔵🔴
弥久・銀花
アドリブ、他の人との絡み、ピンチシーン歓迎です。
次の相手は貴女ですか。(この場に来た時点で頭部から少なくない流血をしています)
私は弥久銀花と言います、さっきの猿真似モンキーにはほんのちょっと梃子摺らされてしまいましたが、貴女も同じ様に斬り伏せてシステム・フラワーズへ向かいます。
さぁ、そこを退いて貰いましょうか。 うっ……、(少し貧血で眩暈)どかないと言うのなら力付くでも!!
無敵バリアがあると聞いていますが、それに臆さず勝利に向かって邁進します。
自棄になった訳じゃありません退いては勝てない状況だからです。
【見切り】で回避する為、ラビットバニーを見詰めて【ダッシュ】で接近し、鋭刃線閃を使用します!
ヘンリエッタ・モリアーティ
【POW】
……??エモいって何です、新しいスラング?
ふざけた連中に世界を奪われちゃたまらないわ、負けることも許せない
感動的な?エモショーン?よくわからないわよ、感動なんてひとそれぞれだもの
……命の駆け引きをする場所で、遊んでるんじゃないわよッ
【原初の竜】!!
◆
が、ァあああッッ!!!
戦場で、ふざけるなッ!潰す、殺すッ、壊して、やるッ
バリアなんて、私がッッ怯むはず無いッ!!!
右腕が、犠牲になろうがッ、左腕が、駄目だろうがッ
ぶち壊して、やる、お前を!!お前をッッ否定する!!!
バリアを、壊した後で
腕が使えないなら、尻尾もある、それでも駄目なら
「頭突き」だって使うッ!!
勝つのに必死、なのよ、こっちは
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「次の相手は貴女ですか」
「何その血、エモくない?」
血を流しながらラビットバニーの前に現れたのは弥久・銀花(隻眼の人狼少女剣士・f00983)である、そしてその後から遅れてやってきたのはヘンリエッタ・モリアーティ(獣の夢・f07026)。彼女はラビットバニーの言葉に怪訝な表情を浮かべる。
「……?? エモいって何です、新しいスラング?」
「エモいはエモいってコトだし!」
「何を言っているか分かりませんね」
銀花の言葉にヘンリエッタは同意する。エモいという言葉が果たして何を指すかにせよ戦いを愚弄させるわけにはいかない。
「私は弥久銀花と言います、さっきの猿真似モンキーにはほんのちょっと梃子摺らされてしまいましたが、貴女も同じ様に斬り伏せてシステム・フラワーズへ向かいます」
「まさかあーしらの中で最強のモンキーがやられるって……でもあーしが負けるわけないし?」
「あなた達みたいにふざけた連中に世界を奪われちゃたまらないわ、負けることも許せない」
「さぁ、そこを退いて貰いましょうか。……っ、どかないと言うのなら力付くでも!!」
銀花は愛刀を握り驚く保に真っ直ぐにラビットバニーへと迫る、だが対するラビットバニーは臆せずこともなく赤べこキャノンを放つ。
「くっ!」
銀花の視界が揺らぐ、傷が治らないタイミングでここに来たせいで血が流れすぎている。砲撃の直撃は避けられたものの爆風に煽られて体勢を崩す。
「口だけ? もう少しあーしにエモいもの見せてくれるかなって思ってたんですけど」
「……命の駆け引きをする場所で、遊んでるんじゃないわよッ! 【原初の竜】!!」
銀花が攻撃を引き付けていた間にヘンリエッタがラビットバニーの側面から迫っていた。
「へえ、囮とか結構やるじゃん?」
そう言ってラビットバニーはヘンリエッタに接射する、それは竜と化した彼女に大きな衝撃を与えるものの、その場から吹き飛ぶことはない。
「が、ァあああッッ!!! 戦場で、ふざけるなッ!潰す、殺すッ、壊して、やるッ!」
ガンガンと鱗が生え爪が伸びた右腕をバリアに向かって叩きつける。その内に右腕はひしゃげ、砕け、折れ、中から白いものが見える。
「……マジヤバくね?」
ラビットバニーの平静を自身に言い聞かせるような言葉が響く。そんな事はお構いなしに左腕を同じように惜しみなく使う。
「ぶち壊して、やる、お前を!! お前をッッ否定する!!!」
「ヒェっ……!?」
ヘンリエッタの左腕が使い物にならなくなると同時にバリアが砕ける。感動というものに恐怖が含まれるのなら、荒れる竜の怒りはそれをもたらすのにふさわしい。
「で、でもあーたはもう腕無いし!」
ラビットバニーの目が赤く光る、ヘンリエッタが残る尾で攻撃してきても、その攻撃は簡単にいなされてしまう。
「バリアがなくなってもあーしの方が強いし!」
その蹴りが迫り来る竜の尾を弾き飛ばす、大きくヘンリエッタの身体は揺らぎ止めを刺そうとラビットバニーの拳が迫る。
「これがジ・エンドってやつでしょ!」
「あなたの、ですけどね」
不意にラビットバニーの身体から刀身が飛び出た。刀を握っていたのは火傷と傷にまみれた銀花であり、刀を握るのもやっとという有様だ。そしてそれに声を出す前に竜が角が折れんばかりの勢いで兎面に頭を叩きつける。
「……勝つのに必死、なのよ、こっちは」
爆散し消失していくラビットバニーにその声は届いただろうか。狼の腕は消失し、辺りには竜の名残が落ちている。しばらく後、獣達は立ち上がる。まだここは戦いの途中なのだから。
成功
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