5
バトルオブフラワーズ⑩〜無敵を破るのはエモさだ!

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦争
🔒
#バトルオブフラワーズ
🔒
#ラビットバニー


0





 ついにバトルオブフラワーズも、次の段階へと進んだ。
「第ニの関門は、カワイイ怪人『ラビットバニー』が守っておるのじゃがな?」
 ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、現在の戦力図を前に語り始める。
 現在、システム・フラワーズの内部の「咲き乱れる花々の足場」はラビットバニーに集中しており、ラビットバニーを倒さないと先に進めない。しかし、ここで大きな問題が発生した。
「ラビットバニーは同時に一体しか存在せんのじゃが……『絶対無敵バリア』に覆われており、ありとあらゆる攻撃が一切効かんのじゃ」
 倒さなければ抜けないのに、絶対無敵バリアでダメージを負わないラビットバニーを倒す術はない――そう、思われていた。しかし、一つだけ抜け道があったのだ。
 それこそが、ラビットバニーが「エモい」と思うものを目にすると、一時的に解除されてしまうというものだ。キマイラフューチャーらしい弱点と言えば、そうだろう。
「ラビットバニーが「エモい」と感じる基準はかなりユルい……らしい。わしより、みんなの方が詳しいじゃろう」
 エモい。ようは心に尊いと感じる琴線だ。かわいさ、男らしさ、おもしろさ、血だらけで立ち上がる様子、突然のパンチラ、イケメンの壁ドン、水を吐き出すフグなど、ネットで語られるエモさはだいたい網羅しているらしい……そのあたりのユルさだからこその圧倒的な能力だったのだろう。
「とにかく、現状のままではまったく歯が立たん。おぬしらには「エモい」ものを事前に準備してもらってからラビットバニーに挑んで欲しい。笑い話のように聞こえるが、世界の命運を懸けた戦いじゃ。とびきりのエモさを持ち寄って挑むのじゃ」
 そう、ガングランはエモさが何かわからない顔で締めくくった。


波多野志郎
おじさん、年をとると若い子のエモさって勉強しないとついていけなくなるんだよね。もちろん勉強してます、波多野志郎です。
今回は絶対無敵バリアようするラビットバニーに挑んでいただきます。

 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。

それでは、皆様のエモさを心待ちにいたしております。
258




第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:和狸56

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

虚・楓
えもい……というのはまぁ俺の世界では聞き慣れぬ単語であるが、要は心を動かせばいいんじゃな?よし、ならば頑張ってみよう。

【POW主体】
四次元網籠の中から「材料」を取り出し、「すいーつ」を作るぞ。
あぁ、完成品を用意するのではない―――戦いながら作る。
(見切り・武器受け・パフォーマンス・料理)
完成品ができるまではひたすた回避、防御に専念じゃな。壊されるわけにもいかんしさっさと作ろう。
完成品は相手の被り物…?をモチーフにした砂糖菓子を乗せた「ぱふぇ」じゃ。

防御が解けたなら、まぁこちらも満身創痍かもしれん、手短に済ませよう。
(属性攻撃(雷)・二回攻撃・鎧無視攻撃・ダッシュ・UC)
これが俺なりの表現じゃ。


備傘・剱
なぁ、エモいって何だよ?
エコノミーモービルの略か?!
違う?知ってるよ!んなことぁよぉ!

まぁ、落ち着こう
要はエモらせればいいんだな?

って訳でよ
ワイヤーワークスのロープをロープワーク駆使して、魔法陣っぽいのを作成する
で、そのロープを念動力で操り、徐々に一つに纏まる様に動かして、だ
最終的にロープで作ったモンスターを召喚した風に見せかけてやるよ

これぞ、名付けてなんちゃって召喚魔法だ!

でよ、絶対無敵バリアが解けたら、念動力でロープをそのまま敵に絡みつかせてだまし討ちを仕掛けるぜ
無意味にロープで遊んでるだけだと思ったか?
当然、罠って奴だ

一瞬でも動きを止められれば、黒魔弾を叩き込む

アドリブ、好きにやってくれ


アンシェ・ローム
(※敵に聞こえるように演技)
「うぅ、ぐすぐす……(嘘泣)
敵は絶対無敵の怪人。わたくしのようなペーペーの力が及ぶはずはないのですわ……しかしお国(世界)のため…!兵として、少しでも戦力にならなければ。
この飛行機に乗って敵に体当たりしますわ。わたくしのユーベルコードで敵に対抗する方法はこれしかありませんもの…。

お爺ちゃん、お婆ちゃん。先立つアンシェをお許しください…!お父様、お母様。家に戻れなくてごめんなさい…!」


…と言い、突撃し感傷を誘って隙をついて攻撃する作戦ですわ!体当たりはギリギリで避けて、急旋回しユーベルコードの弾を当ててやりますわ!
あ、家には絶対帰りませんわよ。


朧・紅
《紅》 がお嬢様
《朧》が殺人鬼

紅は元気に
うさぎさん!今からそこ行って殺るですから待ってて下さいです!
と無作為に駆けだし

無言で少女と思えぬ動きで全力回避に専念
当たるのは想定済み【第六感】でただ一点「致命的なダメージ」にならぬよう【武器受け】も駆使して傷だらけになりながら懐へ飛び込む

ッヒヒ、おまたせェ?

そう言って見上げ、嗤ったのは紅ではなく殺人鬼《朧》だった
これは確実にエモい(断言
絶対無敵バリアの解除と共に、バニーから受けた傷口すべてから血糸の刃を伸ばし【捨て身の一撃】で急所を串刺しにするぜェ?

たくさん遊んでもらったお返しだ、うれしいだろォ?

強敵好きの殺人鬼はギラつく瞳で殺し愛を楽しむ


アドリブ歓迎


陰白・幽
よーしこの世界のために頑張るぞー……と思ったけど……エモい?エモいー、エモいってなんだろ?とりあえず大好きなもののことかな、よーし。

[エモさ]
よし、ボクは好きなニャンコの真似をするよ。猫耳をつけて、猫の手袋をつけて尻尾はいつものままでいっかー。
よし、準備は完ぺ……ふぁ〜〜眠い
(欠伸をしながら猫が顔を洗うように顔をくしくしとする)

バリア突破後はそのまま突撃だよー
敵のキャノン攻撃には猫眠拳のニャンマクラーで砲弾?を横から払うようにして防いで距離を詰めていくよ。
距離を詰めたら攻撃が届く距離まで近づいたら猫眠拳を使いながら一回転しながら尻尾でキャノンを横に払ってそのまま猫眠拳の一撃を仕掛けるよ〜


ルカ・ウェンズ
とんちをとんちを使うわ!
【行動】作戦が失敗したら恥ずかしいし一人で戦うわよ。まずは赤べこキャノンを【ダッシュや残像】で回避、被弾した時に備えて【オーラ防御】を使い、その後に兵商業組合団長、原・ハウスィさんの姿を幻影を見せる虫で見せるわ。

まあこれはだいぶ無理があるし…これでダメならラビットバニーの姿を見せるわ!これをエモいと思わなければ自分はエモいと言えなくなるしきっと…たぶん…大丈夫なはずだわ。
これでもダメなら宇宙昆虫をじかに見せて【誘惑】するわよ。虫だけど無視しな…バリアが消滅したら【怪力】まかせのユーベルコードで反撃するわ!
【心情】ケンカは一級品だと思うけど、とんちは三級品だわこれ。


ンァルマ・カーンジャール
お次の幹部さんはウサギさんですねっ!
それにしても絶対無敵バリアとは・・・、強敵です!

エモい・・・、エモーショナル?
今回は情緒的な尊さ?でいかがでしょうか?
花弁舞う空間の中で真の姿、仏っぽい感じに変身です!
背面にある阿頼耶識の光を輝かせます!
スピリチュアルなエモさはどうでしょうか!?

UC《[複合接続]【量子力学制御】涅槃仏槍》で攻めます!
花の足場を操作されても遠隔から攻めればいけるハズ!
防御用に足場の花を回されても存在確立を下げて透過させて相手を直接穿ちます!

それでも攻め込まれたら恥しいですが・・・、
しなだれて倒れつつ、女子の武器「涙」でしょうか・・・
何としてもチャンスを作りUCを打ち込みます!


セゲル・スヴェアボルグ
エモい……?
最近の若者言葉はよう分からんな。誰かに聞くとしよう。
聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥と言うだろう?
頭の固いおっさんになってしまわぬよう、日々、知識は吸収していかんとな。
と、聞いては見たものの、正直、俺にはエモいと言うのはわからん。
だが、他の猟兵たちの盾となり、エモい何かで奴を打破するための時間稼ぎならできる。
なに、もともと壁のようななりだ。なに、無敵には無敵で返すのみよ。
例え俺の腹に穴が開こうが、腕が吹き飛ぼうが気にするな。
お前さんたちは、お前さんたちの成すべきことを成せ。

……こういうのがエモいのか?やはりよくわからんな。


ラッセル・ベイ
エモい……感情が動く、という意味か?
ポイゼ、戦闘の用意を……やる気満々だな

●戦闘(WIZ)
さて、私達が相手になろう
行くぞ……変身!!

「魔鎧ダークネス」を「D/タービュランス」に変形
ポイゼも「装嵐リンドヴルム」を装着
同時に周囲へ発光魔法を展開し、ライトアップを演出
宛らヒーロー変身の如き様を彼女に見せ付け、エモらせる
「漆黒のラッセル、見参」『黄金のポイゼ、参上ですわ』
……少し気恥ずかしいのは何故だ

私は魔鎧の力で空中に、ポイゼは元から浮かんでいる
これにより足場による妨害を無力化

【コンビネーションⅠ】だ
援護を頼む、連携攻撃で決めるぞ
ポイゼを狙ったら高速のバッシュで阻止だ
……これもまたエモいのだろうか?


照崎・舞雪
エモいとか正直私もよくわからないのですが
とりあえず可愛いものをみせればいいのですね?
ええ、任せてください。得意分野なのです

せぇーの!すっごくかわいいポーズ!
ただのかわいいポーズじゃないのです
すっごくかわいいポーズなのです
つまりすっごくエモいわけです
花の足場と相まってもはやエモかわいさの上限突破なのです。よくわからないけど

さぁ、私の可愛さでバリア解除です
さらに私に見惚れて動けなくなったあの駄乳(ギリィ…)をぶちのめしてやるのです


リゲル・ロータリオ
突然のパンチラ…? 女の子にそんな事させるわけにはいかないっすよ
頂き物の《JK制服 Type B》を着込んで行くっす(※メンズスパッツ着用)
エモさが何なのか俺にはわかんねっすけど、とにかく行くっすよー!

「ほらほら、俺はこっちっすよー?」
【空中戦】や【スライディング】で攻撃を回避しつつ動き回るっす
スカート&スパッツのチラリズムに【誘惑】されてくれたらいいんすけど、どうっすか?
これでエモさ出てるっすかね? バリアを解除させることができれば
頭を【踏みつけ】て『ガチキマイラ』の一撃っす
「残念だったっすね。俺、実は男だったんすよ♪」

※頭のゆるい典型的キマイラ
※アドリブ絡み大歓迎


羽馬・正純
【POW】
(アドリブ・連携歓迎)
エモ。エモい。
…果たして僕の思う…というかできそうなエモいのがあちらに通じるのかは分からないけど…
やるしかない…!

狙うはエモを感じるくらいにスタイリッシュな動き、
当たりそうで当たらないを心がけながら<空中戦>で弾幕を掻い潜ってみせる!
回避が難しいなら<シールドバッシュ>で打ち落としや砲台の<一斉発射>で打ち消しも使って…魅せる心意義で大胆にいこう!

弾幕を掻い潜るのはバリアを解かせるためでもあるけど本命はUCの射程範囲まで接近すること、
バリアが解かれたら空中から<オーラ防御>を伴って急降下、<捨て身の一撃>で【フルバースト・マキシマム】の奇襲をかける!



●Emotional
 システム・フラワーズの内部。咲き乱れる花々の足場で猟兵達を待ち構えていたのは、要素過積載のオブリビオンラビットバニーだった。
「お次の幹部さんはウサギさんですねっ! それにしても絶対無敵バリアとは……、強敵です!」
 ンァルマ・カーンジャール(大地と共に・f07553)がラビットバニーを見た時、猟兵もまたラビットバニーに見られている。彼女はすっかりと、リラックスモードだ。
「あー、来たじゃん? でもー、絶対無敵バリアあっし、問題ない! みたいな?」
 しかし、この余裕には確かな裏付けがある。何があろうと絶対にダメージを受けない絶対無敵バリア――加えて、そのラビットバニー自体が強敵なのだ。だからこそ、猟兵達は作戦を練る。
「エモい……? 最近の若者言葉はよう分からんな。エモいって何だ?」
 セゲル・スヴェアボルグ(豪放磊落・f00533)は、素直に仲間達そう問いかけた。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥と言うだろう? 頭の固いおっさんになってしまわぬよう、日々、知識は吸収していかんとな、と生真面目な顔で問われ、同じ疑問を抱いていた備傘・剱(絶路・f01759)も唸る。
「なぁ、エモいって何だよ? エコノミーモービルの略か?! ――違う? 知ってるよ!んなことぁよぉ!」
 もはや、言葉というより概念だ。ラッセル・ベイ(ドワーフのルーン鍛冶師・f12407)が、考え込みながら言った。
「エモい……感情が動く、という意味か?」
「えもい……というのはまぁ俺の世界では聞き慣れぬ単語であるが、要は心を動かせばいいんじゃな? よし、ならば頑張ってみよう」
 虚・楓(霊魂料理人・f14143)も、ようやく糸口を掴んだという顔でうなずく。
「まぁ、落ち着こう。要はエモらせればいいんだな?」
 剱も、とにかくやってみようの精神でラビットバニーに向かい合う。猟兵達の作戦会議を許すぐらいにSNSで遊んでいたラビットバニーが、起き上がった。
「お? 準備終わった?」
「うさぎさん! 今からそこ行って殺るですから待ってて下さいです!」
「おー、なんだか発音がおかしいとこあっし! でも、お姉さん待ってるぞ♪」
 元気いっぱい宣言する朧・紅(朧と紅・f01176)に、ラビットバニーが赤べこキャノンを構え――猟兵達へ向かって叩き込んだ。

●そうぜつなたたかい(棒)
 爆音が、無数の花びらを宙に舞わせる。まさにエンターテイメント――戦場にも美しさが必要だ。
「よっし、来~い!」
 絶対無敵バリアがあるから超余裕、とラビットバニーは両手の指先からシステム・フラワーズ制御ビームを乱射。足場の花を自在に操り、花園の大津波を巻き起こした。
「うぅ、ぐすぐす……」
「ん? どしたの? お嬢ちゃん」
 泣き声を耳にして、ラビットバニーが思わずそう問いかけた。事案案件にしか見えないが、戦闘中である。アンシェ・ローム(うららかレディ・f06211)は、こっそりと目薬で涙を増量しながら、しゃくりあげながら言った。

「敵は絶対無敵の怪人。わたくしのようなペーペーの力が及ぶはずはないのですわ……しかしお国(世界)のため……! 兵として、少しでも戦力にならなければ。この飛行機に乗って敵に体当たりしますわ。わたくしのユーベルコードで敵に対抗する方法はこれしかありませんもの……。お爺ちゃん、お婆ちゃん。先立つアンシェをお許しください…!お父様、お母様。家に戻れなくてごめんなさい……!」

 クルンパプレン(オソラノファイター)――おもちゃサイズの飛行機についているボタンに触れて中に乗り込むアンシェに、ラビットバニーが思わず止める。
「駄目ぇ! あーし、そういう全米が泣いちゃう的なのもツボだからァ!? 死ぬなァ、生きろォ!」
 うさぎの被り物の中にハンカチを入れて叫んだラビットバニーに、アンシェが乗った飛行機は特攻。ハッ! と気付いたラビットバニーが紙一重でかわすが――遅い。ドドドドドドドドドドドドドドドォ! と急旋回したおもちゃサイズの飛行機から爆撃の雨あられが降り注いだ。
「あ、家には絶対帰りませんわよ」
「さては家出中だな!? あ、それもいいなー――あ」
 油断してエモった瞬間を、アンシェは見逃さず追加の爆撃を叩き込んだ。確かにダメージをラビットバニーは受けている――その事実に、アンシェが歓声を上げた。
「効きますわ、効きますわよ!」
「く、こんなんすぐ貼り直すし!」
 兎面の目が光り、ラビットバニーはうさちゃんカンフーモードに変身。高速軌道で、猟兵達へ襲いかかった。それを体を盾に防いだのは、セゲルだ。
「やらせん!」
「無駄無駄無駄無駄ァ、だし!」
 ラビットバニーは右のハイキックからの左後ろ回し蹴り、即座に顎を打ち上げる掌底からみぞおちに肘を叩き込む! 目にも止まらぬ連撃に、セゲルの無敵城塞も崩された。だが、倒れない。
「チィ、頑丈だし!」
「なに、もともと壁のようななりだ」
 ニヤリ、と口元にわずかに滲んだ血を拭うことさえせず、セゲルは言ってのける。
「例え俺の腹に穴が開こうが、腕が吹き飛ぼうが気にするな。お前さんたちは、お前さんたちの成すべきことを成せ」
「あー、いいねいいね! グワー! とか言って、グワー! とか!」
 ラビットバニーが思わず目を輝かせてスマホを構えた瞬間、仲間達の援護射撃がラビットバニーを吹き飛ばした。雑に、ツッコミのように。
「ぐぐ……やるじゃん!」
「……こういうのがエモいのか? やはりよくわからんな」
 立ち上るラビットバニーに、セゲルが唸る。ラビットバニーは、立ち上がりと同時にキャノンを連射――それを前に、ラッセルが言い放った。
「ポイゼ、戦闘の用意を……やる気満々だな」
『打ち合わせどおりですわよ!』
 何故かやる気に満ちたポイゼに、ラッセルはうなずく。

「さて、私達が相手になろう。行くぞ……変身!!」

 ガシャン! とラッセルの魔鎧ダークネスがD/タービュランスに変形、その横ではポーズを決めたポイゼが装嵐リンドヴルムを装着していく。同時に周囲へ発光魔法を展開、ここはヒーローズアースではありませんよ? というツッコミが入りそうな変身ヒーローのような光景が繰り広げられ、ラッセルとポイゼがポーズを決めた。
「漆黒のラッセル、見参」
『黄金のポイゼ、参上ですわ』
「おおおー! 変身バンク凝ってるぅ!? 作監誰!?」
 動画モードでスマホで撮影していたラビットバニーに、ラッセルはどこかで気恥ずかしさを覚えた。しかし、ポイゼは立ち止まらない。
『援護しますわ!』
「連携攻撃で決めるぞ」
 セリフを半分奪いながら、ポイゼが上昇。ラッセルもまた浮かんだまま真っ直ぐにラビットバニーに迫る。ポイゼの猛毒針に動きを止めたラビットバニーに、ラッセルの豪快な一撃がラビットバニーを吹き飛ばした。
「ちょ、ま――きっついし!」
 吹き飛びながら、ラビットバニーは赤べこキャノンを射撃、射撃、射撃。そこへ、四次元網籠の中から「材料」を取り出した楓が飛び込んだ。
 跳躍し、のけぞり、疾走し――楓は爆発の中で次々とスイーツを作り上げていく。その動きに淀みはなく、迷いはない。
「壊されるわけにもいかんしさっさと作ろう」
「え? 超感激なんだけど、マジ!?」
 ラビットバニーが、撃ち続けながら目を輝かせる。何故、撃つのを止めないか? 止めたらパフォーマンスが見れなくなるからだ。
「らびっとばにー殿の被り物……? をモチーフにした砂糖菓子を乗せた「ぱふぇ」じゃ。めしあがれ」
「あ、はーい♪ あ、SNSにあげよ」
 自分の被り物がお菓子になった世界に一つだけのスイーツに感激し、ラビットバニーは味わって食べた。誰も、攻撃はしなかった。そのぐらいはしゃいでいたが――どちらかというと、死刑執行前の罪人を見ている気分だった。
「……お粗末様じゃ。もうええじゃろ?」
「うん、バッサリどうぞ?」
「その覚悟、見事じゃ」
 ちゃんと器と食器を返して、ラビットバニーは正座した。楓はすかさず、壱の型・無形斬刻(イチノカタ・ムギョウキリキザミ)でラビットバニーを切り裂いた。

「いった! いった~い! でも、義理は返したし!」

 まともに食らって転がったラビットバニーは、足場の花を操って壁を作る。何とか距離を取ったラビットバニーの目の前に陰白・幽(無限の可能性を持つ永眠龍・f00662)の姿があった。
「ん?」
「よーしこの世界のために頑張るぞー……と思ったけど……エモい? エモいー、エモいってなんだろ? とりあえず大好きなもののことかな、よーし」
 ガサゴソ、と懐から幽が取り出したのは猫耳と猫の手袋だ。
「あら? 猫耳が曲がっていてよ?」
「そう? ありがとー」
 つけた猫耳の位置を手伝ってあげたラビットバニーに、猫の手袋をつけながら幽が礼をいう。ラビットバニーは、どこか覚悟を決めた侍のような雰囲気でスマホを取り出した。
「よし、準備は完ぺ……ふぁ〜〜眠い」
「はーい、来たじゃん、来ましたよ―!」

 欠伸をしながら猫が顔を洗うように顔をくしくしとする幽に、ラビットバニーは動画モードで撮影しながらテンションを爆上げさせる。そこへ、幽はぴょんと飛び込んだ。

「ん?」

 せーの、と掛け声をつけそうな勢いで、幽は猫パンチで突き上げた。宙を舞うラビットバニーはどこか幸せそうな表情(?)だった。その上へ幽は跳躍、ニャンマクラ~を振り下ろした。
「おやすみ〜」
 可愛らしい声とは裏腹に、ドゴン! と轟音を立ててラビットバニーが地面に突き刺さった。幽の猫眠拳(ニャンミンケン)に、ラビットバニーは責務は果たしたと言いたげに地面を操って立ち上がった。
「いいなー、あのマクラ超欲しいしー……」
 殴られた感触を思い出しながら、花園のベルトコンベアーでラビットバニーは逃亡。間合いをあけた。
「お?」
 ふと、ラビットバニーが頭上を見上げる。そこには、巨大な『魔法陣』があった。しかも、ただの魔法陣ではない――ロープによって編み上げられた複雑なアートだった。
 しかも、それだけではない。ロープは更に複雑に絡み合って巨大な竜の頭を構成する――その頭上に、剱の姿があった。
「これぞ、名付けてなんちゃって召喚魔法だ!」
「おおー! 超器用っ!?」
 パチパチパチと拍手するラビットバニー、そこへロープの竜の口を開けさせ――剱は黒魔弾(ルイン)を放った。

「無意味にロープで遊んでるだけだと思ったか? 当然、罠って奴だ」

 ギュル! とラビットバニーをロープが拘束した瞬間、超至近距離で漆黒の魔弾が着弾した。吹き飛ぶラビットバニーは、空中でカンフーモードへ――ロープを引きちぎろうとした瞬間、何か邪悪な気配を感じた。
「ん?」
 着地し、振り返った先にいたのは照崎・舞雪(未来照らし舞う雪の明かり・f05079)だ。
「エモいとか正直私もよくわからないのですが、とりあえず可愛いものをみせればいいのですね? ええ、任せてください。得意分野なのです」
「あのー、視線が超一点集中してて怖いんだけど……」
「せぇーの! すっごくかわいいポーズ!」
 舞雪が、すごくかわいいポーズを取った。計算された角度、計算された仕草、計算された表情――どこをとっても可愛い。当然だ、これはかわいいポーズではない。すごくかわいいポーズなのだから。
「おおおー! 一部残念な部分を補って余りあるし! 何か邪悪だけど、花の足場にぴったしじゃん?」
 パシャパシャパシャ、とどの角度からでもかわいい! とはしゃぐラビットバニーの一部をがっしとつかみ、闇堕ちした笑顔を舞雪は見せた。
「その駄肉ぅ……ぶちのめしてやるのです」
「え!? それは被害妄――ぎゃああああああああああああああ!?」
 存分に殴って蹴って投げ飛ばし、舞雪はラビットバニーを宙へ浮かせた。そこに待ち受けていたのは、ンァルマだ。

「エモい……、エモーショナル? 今回は情緒的な尊さ?でいかがでしょうか?」

 ンァルマが、花弁舞う空間の中で真の姿、仏っぽい感じに変身する。そして、その背から放たれる後光に、思わずラビットバニーは手を合わせた。
「おお、ナンマイダブナンマイダブ」
「複合接続!量子力学制御!───諸法無我の現世なれば、涅槃寂静への理を布かん!
 空中で拝むラビットバニーに、ンァルマが[複合接続]【量子力学制御】涅槃仏槍(マルチアクセス・シュレディンガー・ネハンブッソウ)が、足元の花の存在確率を操作し諸法一切を透過可能な仏槍へと変換、投擲した。
「グワー!!」
 ドン! 空中で爆発したラビットバニーが花園に落ちる。それでも、なおも花の地面を動かし、絶対無敵バリアを展開し直した。
「まずいまずいまずい! さすがにエモさが過剰供給だし!」
 そこへ、JK制服 Type Bに身を包んだリゲル・ロータリオ(飛び立て羽ばたけどこまでも・f06447)が跳んだ。スカートをギリギリ――あらゆる意味で――ひるがえし、ラビットバニーの頭上を取る。
「エモさが何なのか俺にはわかんねっすけど、とにかく行くっすよー!」
「もうちょい、もうちょい角度を!」
 ラビットバニーが地面に伏せたり背伸びしたりしながら、そう注文する。しかし、リゲルは聞き入れない。
「ほらほら、俺はこっちっすよー?」
「く、見え……見える? 見えない? なんか哲学的じゃん!?」
 その瞬間、リゲルはラビットバニーの頭上へ跳躍。ラビットバニーは見上げ――叫んだ。

「――見えたァ、ああん!」

 バクリ、と被り物をライオンの頭部となった足に噛みつかれ、ラビットバニーはリゲルに踏み潰された。グリグリ、と踏みつけながらリゲルは言う。
「残念だったっすね。俺、実は男だったんすよ♪」
「ぐ、う……わかってない、あんたはわかってない――男なのがいいんでしょ!?」
 ガバ! と起き上がると、スマホで激写したラビットバニーが全速力で脱兎する。
「はーははははは! 戦いのためにした女装姿を、永遠にネットの海で拡散されるづけるんだし! 知り合いに見られて『意外に似合ってるじゃん』とか言われて身悶えて、一生の恥を晒しちゃうんだし! エモい!!」
「ちょ、そっちにエモってたんっすか!?」
「おふこーす! 」
 逃げるラビットバニーが、いい笑顔でサムズアップする。迷わずSNSに拡散を終えると、やり遂げた漢の顔をする――女のはずだが、今の心は益荒男だった。
 そんなラビットバニーの前に立つ塞がったのは、羽馬・正純(雷刃の代行者・f02626)だ。
「邪魔するなし!」
 カンフーモードになって、ラビットバニーの拳打が放たれる。その拳に、正純は自ら飛び込んだ。

(「エモ。エモい。……果たして僕の思う……というかできそうなエモいのがあちらに通じるのかは分からないけど……やるしかない……!」)

 拳と拳が、空中で激突する。両者は互いに吹き飛びながら、ラビットバニーは赤べこキャノンを――正純は腕部装着型砲台『トールハンマー』で、空中で砲弾を相殺し合った。
「……これって――」
 ここまで来て、ラビットバニーは震えた。正純の意図に気付いたからだ。ならば、ラビットバニーは無粋はしない。何故なら、彼女はエモさに生きる女だからだ。
 ラビットバニーと正純が、同時に横に飛ぶ。鳩でも舞いそうな横っ飛びからの一斉掃射が、互いの間で爆発を巻き起こす。その中を正純は疾走、爆炎を背にラビットバニーの頭上を取った。
「スタイリッシュエモい……!」
 正純の姿に、ラビットバニーが叫ぶ。ましてや、自分もそのエモさの一部になっているのだ――これに興奮するなという方が無茶だ。
 だから、ラビットバニーはかわさない。エモさを完成させるために、カンフーモードのハイキックで迎撃――それを紙一重で正純は、フルバースト・マキシマムの零距離一斉射撃でカウンターする!
「ぐ、ナイススタイリッシュ……!」
 ラビットバニーが、吹き飛ばされた。胸元を杭が貫き、全身を銃弾に撃ち抜かれた。後悔はない。正純が必死に考えたエモさの一部に、自分もなれたのだ――後悔など、あろうはずが……。

「やっぱ、痛いし! これ、痛いしぃ!!」

 ゴロゴロゴロ、と地面を転がってラビットバニーが泣き叫ぶ。残念ながら、当然の結果である。
「まあ、初期案はだいぶ無理があるし……とんちを、とんちを使うわ!」
 ルカ・ウェンズ(風変わりな仕事人・f03582)が、呟きながら歩み寄る。最初はスタイリッシュに攻撃を避けて、兵商業組合団長、原・ハウスィさんの姿を幻影を見せる虫で見せるつもりだったが……アレだ。このラビットバニーが原・ハウスィさんを知らないと身内ネタにしかならない。なので、却下しつつ――ルカは、ビキニアーマーを着た美男美女などの幻影を見せる虫をラビットバニーの前で掲げた。
 見せたのは、ビキニアーマーを着たラビットバニーである。
(「これをエモいと思わなければ自分はエモいと言えなくなるしきっと……たぶん……大丈夫なはずだわ」)
 ルカが様子を伺っていると、ラビットバニーは電撃に打たれたように震えた。
「あっし、こういうのも似合う!? 似合うじゃん!? あー、やっぱり胸が――」
 ヒュガ! と最後まで言わせるかという顔で、舞雪がラビットバニーを蹴り上げる! そこへ、ルカが跳んだ。

「オブリビオン滅すべし」

 オブリビオンを殲滅する為の姿へと変化、ルカは怪力任せの一撃を叩き込んでいく。蹴り、拳打、肘、膝――ただし理性を失い、連続攻撃でラビットバニーを蹂躙した。
「ぐ、う……ま、ずい、これ……」
 それでも、ヨロヨロとラビットバニーは立ち上がる。そこに駆け込んだのは、紅だった。
「も、もう、エモらないし! さすがに、命は惜しいかも!」
 そこへ、赤べこキャノンをラビットバニーは連射する。紅は少女と思えぬ動きで全力回避に専念する。だが、全ては回避できない――ただ一点、致命的なダメージを受けないように第六感で選択、ギロチン刃で受け止めていく。
「ぐ――!」
 ラビットバニーは、意識を集中させる。エモっちゃ駄目だ、エモっちゃ駄目だ、エモっちゃ駄目だ、エモっちゃ駄目だ、エモっちゃ駄目だ、エモっちゃ駄目だ――今エモる事は、死を意味する!

「ッヒヒ、おまたせェ?」

 そう言って見上げ、嗤ったのは紅ではなく殺人鬼《朧》だ。元気な少女から、殺人鬼への急激な変化――それに、耐えられるはずもなかった。
「ぐ、ううう!! 殺せ!!」
「じゃ、それで」
 ラビットバニーが叫んだ瞬間、幽が尾でその足を払う。「あ」とラビットバニーが息を飲んだ瞬間、がしっとラビットバニーの被り物を掴んで朧が言った。

「たくさん遊んでもらったお返しだ、うれしいだろォ?」

 受けた傷跡からの血糸(ブラッディ・カーニバル)による血槍の雨が、ラビットバニーを貫いた。カハ、と血を吐きながら、ラビットバニーは笑顔で答えた。

「いいエモ……あり、がと……う……」

 ちゅどん! と、ラビットバニーが爆発四散。死因は、エモさに弱かった事。猟兵達は一部、何か大事なものを失いながら、貴重な一勝をもぎ取った……。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月16日


挿絵イラスト