バトルオブフラワーズ⑩〜それがエモいという感情
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エモい。
英語のEmotionalを語源としたと思われる、主に感情が強く揺れ動された時等に使われる言葉である。
エモさを感じる基準は人によって違い、可愛い物や素敵な物語に感じ入る人がいれば、熱いバトルや時には主人公がピンチに陥ったシーンにその気持ちを覚える人など、すべてをあげようと思えばキリがない。
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「で、この『エモい』っていうのが次の勝負の鍵になるみたいなんだ」
エスペラ・アルベール(元気爆発笑顔の少女・f00095)はメモ書きしていた解説を読み切ると、集まった猟兵達へ視線を向ける。
システム・フラワーズを巡る攻防戦。エイプモンキーを撃破したことによって、咲き乱れる花々の足場は次なるステージへと道を繋いでいた。
「次の相手は、カワイイ怪人『ラビットバニー』。単純にかなりの実力者でもあるけれど、それ以上に厄介なのが、彼女の展開する『絶対無敵バリア』だねっ」
ぜったいむてきばりあ。
あまりにもそのままな名前に思わず復唱した猟兵達から目を逸らしつつ、エスペラは咳払いを一つして説明を続ける。
「このバリアは名前の通り、あらゆる攻撃を無効化してしまう。どれだけ威力があろうと、いかなる搦め手を使おうと、バリアがある限りは彼女にダメージを与えることは不可能なんだ」
その上、相手はバリアを展開した状態でこちらに攻撃を仕掛けてくる。
理不尽とすら思えるその能力をどう攻略すればいいのか、悩む猟兵達へとエスペラは指を立て。
「そこで出てくるのが、最初に言った『エモい』という感情っ。ラビットバニーは『エモい』物を見ると、一時的にバリアーを維持できなくなるらしいんだっ」
つまり、何かしら彼女に『エモい』と思わせる物・行為を見せてからならば、通常の戦いに持ち込むことができるということだ。
「バリア無しでも十分強敵ではあるけれど……みんななら、きっと勝利を掴み取れるはずっ!」
頑張って! と、グッと握りこぶしを作り、彼女は猟兵達を送り出した。
芳乃桜花
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
本シナリオは「⑩カワイイ怪人『ラビットバニー』」の物となります。
エモい、皆様はよく使う言葉でしょうか? 私は結構使います。芳乃桜花ですっ。
ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
ラビットバニーがエモさを感じる物は多岐に渡り、かわいさ、男らしさ、おもしろさ、血だらけで立ち上がる様子、突然のパンチラ、イケメンの壁ドン、水を吐き出すフグなど、ようするに「SNSではやりそうなやつ」は大体エモいと感じます。
それでは、皆様のプレイングお待ちしておりますっ!
第1章 ボス戦
『カワイイ怪人『ラビットバニー』』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:和狸56
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
セルマ・エンフィールド
エモい……難しい注文に強敵ですが、やってみましょう。
敵の赤べこキャノンによる先制攻撃はマスケットで出来る限り撃ち落とします。攻撃回数重視などでこちらの手が足りなくなれば被弾するでしょうが、それは同時にチャンス。
・激痛耐性・火炎耐性で耐え、キャノンの煙が晴れた時ボロボロになりながらも両の足で立っていましょう。←エモい
効いていないはずがないでしょう。歩き続けなければ死ぬというのに、痛み程度で立ち止まるわけにはいかない、それだけです。
さらに【氷結の守護者】で傷だらけの自分を守るように銃士隊を召喚、無敵バリアが消えた一瞬の隙を狙い私と氷の銃士隊による・一斉射撃で攻撃します。
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(エモい……難しい注文に強敵ですが、やってみましょう)
まず最初にラビットバニーの前へ姿を現したのは、セルマ・エンフィールド(終わらぬ冬・f06556)。
エモさを与えるという、誰に対しても硬い態度を崩さない彼女には難易度の高い要求に若干頭を悩ませつつ、手にしたマスケット銃を相手をへと向ける。
『あはっ、てっぽー持ち出したってあーしには無意味だし! てか、こっちの獲物の方が凶悪だし!』
セルマが銃を構えるよりも早く、ラビットバニーの周囲には半透明の力場が発生しているのが見て取れた。
あれこそが絶対無敵バリア。あらゆる攻撃から守られた状態で、彼女は赤ベコの装飾がされたキャノン砲をセルマへと向けて放つ。
しかし、その砲撃は目標より遥か手前で爆発。セルマの放った銃弾は一発たりとも狙い違えず、砲弾を撃ち落としていく。
『うわ、ぷちエモって感じ……でも、これならどーよ!』
一瞬バリアが乱れるもすぐ持ち直し、再度赤ベコ砲が放たれた。
同時にスコープを覗くセルマの瞳が見開かれる。二度目の砲火は攻撃回数を重視され、その量は先程の数倍。到底迎撃しきれる数ではない。
「くっ……!」
それでもできる限りを撃ち落とすが、周囲へと降り注いだ砲撃の爆風に煽られれば続く砲撃を回避することは叶わず。
爆発に飲み込まれた少女を見て、マスクの下の表情をニヤリと歪めるラビットバニーだったが、続く光景にその表情を凍らせた。
「まだ、終わりには……!」
『効いて、ない?』
全身をボロボロにしながら、それでも両の足でしっかりと立っているセルマへと思わず言葉が漏れ。
「効いていないはずがないでしょう」
硬い声で、セルマは平然と応えて見せる。
「歩き続けなければ死ぬというのに、痛み程度で立ち止まるわけにはいかない」
全身が焼けるように痛い。ある程度耐性があるとはいえ、その痛みをすべて無効化できるわけでもない。
それでも彼女は止まらない、前に進み続けることだけが、終わらぬ冬の中で凍り付かぬ術だから。
「ただ、それだけです」
はっきりと告げながら、再びマスケット銃を構える少女の視線を受けて―――ラビットバニーの周囲に展開されたバリアが、音を立てて砕け散った。
『やだ、なにこの子、超エモいんだけど……!』
口元に手をあて、全身を震わせて。
その瞬間、彼女の身体を複数の弾丸が撃ち貫く。
『きゃああっ!?』
「一撃……確かに、入れました……よ」
セルマを守るように出現した、氷で形作られた銃士隊。
その攻撃が成功したのを見届けると、少女はその場に崩れ落ちた。
成功
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京奈院・伏籠
エモい? あんまり使わない言葉だけど、うん、まぁニュアンスはわかる。
準備として左腕の義手を予備に換装。強い圧力を受けると壊れるように細工しておくよ。
そのバリア、本当に無敵なのか試させてもうよ!
義手の仕込み短刃を起動してバリアに斬りかかる。
刃は通らないだろうけど、押し通そうとしばらく力を篭め続ける。
そうすればいずれ細工によって義手が壊れ、吹っ飛ぶ。
ぼろぼろになった義手を庇いつつ膝を着く、が、闘志は絶やさず敵を睨む。
まだまだ、これからさ!
…これってエモくない?
バリアが消えたら右手の拳銃で矰繳の弾丸を射撃。狙いはフットワーク。
片腕じゃ接近戦はつらいからね。カンフー・バトルはまたの機会に、ってことで。
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『マジいたー……いきなりあんなエモいの来るとか想定外なんですけどー』
(エモい? あんまり使わない言葉だけど、うん、まぁニュアンスはわかる)
銃撃を受けた箇所をさすりつつボヤくラビットバニーへ、今回重要となる言葉を脳内で復唱しながら近づくのは京奈院・伏籠(K9.2960・f03707)。
伏籠が戦闘領域に入る頃には、ラビットバニーのバリアは再びその力を取り戻していた。
「まずはそのバリア、本当に無敵なのか試させてもらうよ!」
猟犬の名を持つ左腕の義手―――尤も、今付けている物はその予備だが―――に仕込まれた短刀を振りかざし、一足で間合いに踏み込んでは斬りかかる。
必然、金属の軋むような音と共にその斬撃はバリアに阻まれ、ラビットバニーは兎面の目を光らせながら得意げに伏籠へ視線を送った。
『そんな攻撃であーしのバリアが破れるはずないし』
「それでも……!」
嘲るような相手の言葉を無視し、拮抗を続ける義手へと力を加え。
次の瞬間、強い負荷に耐えきれなくなった義手が壊れ伏籠の身体を吹き飛ばす。
一瞬、ラビットバニー何が起きたかわからないような表情を浮かべ、ぼろぼろになった義手を庇いつつ膝を着く伏籠を見ると、堪えきれなくなったように笑い出した。
『きゃはは! そんな脆い義手であーしに勝とうなんて思ってたの? 無理に決まってるんですけどー!』
そのまましばらくお腹を抱えて笑っていたが。
その声は徐々にと小さくなっていき、最終的には何かを恐れるような視線を伏籠へと送る。
原因は、圧倒的不利な状況にも関わらず、一片の闘志も失わずに相手を睨みつけている、彼の強い瞳。
『あ、あんたの武器はぶっ壊れちゃったんですけど? そんな睨んだところで―――』
「まだまだ、これからさ!」
義手を失い、相手の防御は抜けず。
だが、まだそれだけだ。
左腕の義手が壊れようとも、まだ右腕が、両足が、頭が残っている。
動くことができるのならば、その思考を回すことができるのならば。どれだけ傷ついたところで、それは敗北には成りえない。
『折れない心……やば、エモい……』
その呟きと共に、バリアが再び音を立てて崩れ落ちる。
直後、伏籠は残る右手で拳銃を抜くと、躊躇うことなく引き金を引いた。
「風に楔打ち、大地の慈悲に繋ぎ止めん。鉄鎖の呪縛たれ!」
放たれるのは四発の弾丸、穿った者を拘束する魔術が篭められた、決まれば必勝のユーベルコード。
しかし。
『甘いし!』
「がっ―――!?」
兎面の瞳が光っているラビットバニーは、うさちゃんカンフーモードと言うスピードと反応速度が爆発的に上昇している形態である。
その速度は、吹き飛び離れた間合いから放たれた弾丸を回避し、逆に伏籠に一撃入れるには十分なもの。
僅かに掠めた弾丸から形勢された鎖が、遅れて彼女を拘束するも、既に伏籠は追撃を行える状態にあらず。
『ふー、ギリセーフだったし……』
苦戦
🔵🔴🔴
宇冠・由
お母様(f00173)と参加
「カワイイバニー、なんかちょっとエモいね!」
母親とギャル語で前会話。結構ノリノリ
自分と同じ顔、注目もします。それこそ例えるなら、偶然街ですれ違った人が自分のそっくりさんだった。とかならSNSの話題としてぴったりでしょう
「欲望マックスでガチるのが、ヒトのあるべき姿じゃん!」
【七草仏ノ座】で20Mの大鬼に変化。全力で立ち向かいますわ
全身が炎で覆われているため耐久性攻撃力に優れますが、回避されやすい
ですがそうやって目立つことで、お母様への攻撃をかばい赤べこキャノンを私に向かわせます
隙があるなら重い一撃をお見舞いしますの
(実は親類だったとか、予想外なことありませんよね?)
宇冠・龍
由(f01211)と参加
(え、エモい? エモいってなんですか……?)
「で、でもさ、それって違くね?」
娘に教えられた通りに登場後にギャル語を恥ずかしそうに
「欲望マックスでガチるのが、ヒトのあるべき姿じゃん!」
娘と同じ台詞を発した後、駆け寄ります
「あ、あなた、もしかして。生き別れた由のお姉ちゃんですか?」
そんな人いませんが、漫画とかで敵が死別した筈の親族だった展開は燃えますから、少しは効果あるかもしれません
由が攻撃を引き付けている間、【魚質竜文】でカワイイバニーを攻撃
娘と同じ顔を攻撃するのは心苦しいですが、この世界を救うためです
小振りで制御しやすい分、命中させて隙を作りやすい
由の一撃に繋げます
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「カワイイバニー、なんかちょっとエモいね!」
「で、でもさ、それって違くね?」
絶対無敵バリアの展開によって鎖の拘束から逃れたラビットバニーの前へと、新たに現れたのは二人の猟兵。
宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)と宇冠・龍(過去に生きる未亡人・f00173)は、由を主導に楽しくギャル語で会話しながら、さもギャルの日常といった様子で歩いていた。
もっとも、ノリノリな由に対して。
(え、エモい? エモいってなんですか……?)
娘に教えてもらったギャル語をたどたどしく使いつつも、龍の頭の中は大量のクエスチョンマークで埋め尽くされている。
飛び交う略語や造語の嵐、そういった文化にあまり馴染みのない彼女にとって、今まさに行っている娘との会話さえも、さながら暗号文のやりとりをしているようなもの。
幸い、龍の言葉にボロが出るよりも先に、ラビットバニーの意識は二人へと向く。
『また新顔ー、猟兵多すぎ……?』
そのボヤきは途中で止まる。
視線の先にいるのは由、兎顔のヒーロマスクである彼女もまた、ラビットバニーへと視線を返し。
『ちょ、キャラ被りとかマジわら―――』
「あ、あなた、もしかして。生き別れた由のお姉ちゃんですか?」
『えっ』
奇しくも同じ兎の仮面同士。思わず笑いそうになったラビットバニーの動きは、龍の発した言葉によって止められる。
「そ、そんな、お姉ちゃんがオブリビオンに!?」
『えっ、えっ』
由もまた、マスクの瞳を潤ませてラビットバニーを見つめ。
無論、実際に彼女が由の親類であるなどということはないのだが―――。
(え、このシチュめっちゃエモくね?)
生き別れた姉妹、それが敵味方に別れて再会し、互いに命を奪い合わなくてはならない。
そんな燃えるようなシチュエーションが、自らの返答一つで実現されるというのだ。
だがしかし、そんなエモい状況を生み出すことは自らバリアを解除するに等しい行為。
ならば、ここで返す言葉は一択である。
『ふっ、こんなところで出会うなんて……これも運命かもね、妹よ』
彼女はエモさを選んだ。
同時にバリアが音を立てて壊れるが、彼女に後悔は無い。なぜならエモいから。
「ああ、由の家族と戦わねばならないなんて……!」
「そんな、お姉ちゃん!」
こちらもノリノリである。
そんな二人へと赤ベコキャノンを向けながら、ラビットバニーは言葉を紡ぐ、あくまでも自分が姉であるとなりきったままで。
『姉妹の縁だし、見逃してやらなくもないけど?』
その言葉に一瞬動きを止め、されど由は首を横に振って誘いを断った。
代わりに語るのは、彼女達が戦う理由。
「「欲望マックスでガチるのが、ヒトのあるべき姿じゃん!」」
『それでこそあーしの妹ぉ!』
重ねて言うが本当の姉妹ではない。
気合の籠もった叫びと共に放たれた砲撃は、由がその身を炎の大鬼と化し受け止める。
由が高め続けてきた幾重もの防御術、その加護が降り注ぐ砲弾を一発たりとも龍へと届かせない。
驚異的とも言える防御力の一方で、彼女の攻撃もまたラビットバニーを捉えることはできていない。
その拮抗を破るのは、由の背後で詠唱を続けていた龍。
(娘と同じ顔を攻撃するのは心苦しいですが、この世界を救うためです)
「死海に還りし息吹達、視界を寡黙に泳がれよ」
『あいたぁー!?』
龍が呼び出したのは十匹の魚の霊。
その姿は誰の目にも映らず、ラビットバニーは不可視の敵に噛みつかれて悲鳴を上げた。
更にはそのまま纏わりつかれれば、その不可視の存在を振り払うのは容易い行為ではなく。
「隙有りですわ!」
『グハァ!?』
気を取られたその隙を狙い、由の重い一撃がラビットバニーの身体を捉え、吹き飛ばす。
倒れる相手へ追撃をかけようとするが、強敵の攻撃を一身に受け続けた由の身体が遂によろめき、その場に膝をついた。
これ以上は危険と判断し、二人は追撃を他の猟兵に任せ引き下がる。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
リリスフィア・スターライト
今度は無敵バリアが厄介な相手だね。
ここはエモい所をしっかりとアピールするよ。
周囲にエレクトロレギオンを展開してバリアが解除され次第、
一斉攻撃できる準備を整えておくよ。
向こうは動きを封じる事もできるみたいだから、
それで逆にエモさをアピールできたらかな
指をさした感じのカッコいいポーズで動きを
止められてラビットバニーの注目を集めるつもりだよ。
一度失敗しても成功するまでは何度でもチャレンジだね。
バリアが解除されて動けるようになったら
レギオン達と一緒に一気に攻撃にでるよ。
多少無理してでもそのチャンスは逃さないよ。
「少し恥ずかしいけれど、こんなポーズはどうかな?」
「エモさでバリアの殻を打ち破ってみせるよ」
甲斐・ツカサ
エモ、ってなんだろう…
うさぎのおねーさん、勝負だ!(小さな男の子の、まっすぐに純粋な眼差し
うさちゃんに翻弄されつつ、とにかく覚悟を決めて耐える!
少しずつ目を慣らしていきながら、勇気を振り絞ってカウンターを狙っていこう!
なんでそんなに頑張るのか、それは…
(命を削って戦ってる)おねーさん(と戦うの)にふさわしくなるためだ!(小さな(ry、おねーさんしか見えていない真剣な眼差し
バリア割れたら、こっちも高速モード!
風の噴射も利用して一気にカウンター狙い!
でもダメージ受けすぎてフラフラ…
勢いよく飛び込んだ先が柔らかかったら、ついつい安心しちゃうかも?
おねーさんって、柔らかいんだね…(小(ry、純粋な笑み
燈夜・偽葉
くっ(膝をつき)
がっかりです、やり直しを要求します
折角いい体をしているのに、ウサギヘッドが可愛くないです…
首から上をないものとして考えれば…あぁ、いいですねそれ
あなたの首と胴体をさよならさせてあげます!
森深くの博物館の仲間がいれば協力します
ここは引き受ける、とか、任せる任されたとか、そういったやりとりをしてですね
そして本命の、
「ねぇ、バリア解除してくれませんか…?」
(直球。上目遣い。寄せられて強調される胸。あと誘惑技能)
バリア解除されたら攻撃です!
「剣よ、地を鎖して」で攻撃です
外しても、花ごと地形が凍結すればおはなハッキングを使いづらくなるでしょう
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「くっ……!」
燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)は痛恨の表情を浮かべながら膝をつく。
「がっかりです、やり直しを要求します」
「偽葉さん……」
その隣にいながら、リリスフィア・スターライト(プリズムジョーカー・f02074)と甲斐・ツカサ(宵空翔ける冒険家・f04788)は掛ける言葉が見つからない。
彼女の悲しみ、その原因とは。
「折角いい体をしているのに、ウサギヘッドが可愛くないです……!」
『なんか今あーしのことdisる声聞こえたんだけど?』
「「気の所為だと思います」」
耳聡く自身の噂を聞きつけてきたラビットバニーへ、二人は偽葉を隠すように立ってパタパタと手を振った。これからエモさを感じさせなくてはいけない相手を怒らせたところで、良いことはないだろう。
とはいえ、だ。
(エモ、ってなんだろう……)
ツカサはこの言葉の意味をいまいち理解しきれていない。
確かに説明は聞いた、要するに感動するとかそういうことなのだろう。
(なら素直に「感動する」って言ったらダメなのかな?)
12歳の少年が抱く純粋な疑問はなかなか的を射た物ではあったが、残念ながらそれに答えられる者はいなかった。
ともあれ、彼は一歩前に出るとラビットバニーへと武器を構え。
「うさぎのおねーさん、勝負だ!」
『うわ、ショタっ子殴るとかあーし悪者っぽいじゃん、あ、悪者だった。ゎら』
ふざけたような言葉と共に兎面の目を光ったかと思うと、次の瞬間には彼女の拳がツカサの腹部へと突き刺さった。
身体をくの字に曲げながら辛うじて倒れることだけは耐え、反撃とばかりに刃を振るうも強化された速度を捉えるには遠く及ばず、まぐれ当たりがあったところでバリアに防がれる。
「ツカサさん!」
一方的に嬲られる状況にリリスフィアと偽葉が駆けつけようとするが、ツカサはそれを手で制する。
「ここは任せて……ぐぅっ!」
『子供がなーに頑張ってんだし?』
蹴り飛ばされ地に伏すも、すぐに立ち上がり。
ふらつきながらもその瞳から力は失われておらず、真っ直ぐラビットバニーを見据え、彼はその理由を声にする。
「オレが頑張る理由は……おねーさんにふさわしくなるためだ!」
『「「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?」」』
突然の告白めいた宣言に、女性陣が驚愕の声を上げた。
「え、ツカサさんそれは、さすがに趣味が……あ、いえでも首から上をないものとして考えれば……あぁ、いいですねそれ」
「偽葉さん怖い、発想が怖い」
指で作ったフレームを覗きながら「首と胴体をさよならさせてあげれば……」などと呟き出した偽葉を、リリスフィアが首を振りながら落ち着かせ。
『え、敵とのラブとかエモ……いや、でもあーし達会ったばっかだし……』
ラビットバニーは自らの内に湧き出した様々な感情を噛み砕くことに専念し。
ツカサは唯一人、突然女性陣が慌ただしい空気となった理由がわからず首を傾げていた。
真実を言えば、ただ単に彼の言葉が少し足りていなかっただけに過ぎない。
ツカサに対してラビットバニーが使用したうさちゃんカンフーモードは、自身を強化するのと引き換えにその身の命を削り取る荒業だ。
そのような決死の覚悟の相手と戦うのに相応しい態度で挑まねば、と。決して今女性陣が考えているような気持ちがあったわけではないのだが、ある意味器用な芸当である。
真実がどうであれ、ラビットバニーの心は強く動揺していることは確か。周囲に展開されたバリアが解除されるとまではいかなくとも、不安定に歪んだのを偽葉は認識した。
「む、今がチャンスですね!」
未だに悩むラビットバニーへと近づき、彼女を上目遣いで見上げ。
「あのー」
『は? 今ちょっと忙しいから後にしろし……』
「ねぇ、バリア解除してくれませんか……?」
それはあまりにも直球な願い、何をふざけたことを言うのか、とそちらへ視線を移せば。
『んんんんっ!?』
目に飛び込んで来たのはその年齢に似つかわしくない大きな胸、それを殊更強調するように寄せ、それでいて表情は年相応のあどけなさを残した甘えるような上目遣い。
一切の邪念がなかったツカサに対し、自らの武器を最大限に理解した偽葉のおねだり。
それ単体では耐えられたかもしれないが、連続攻撃によるギャップがラビットバニーの心をこれでもかと揺さぶっていく。
その心と連動するようにバリアの歪みが強くなっていき。
『一旦ターイム!』
「わわっ!」
「うわぁ!?」
ラビットバニーの指先から放たれたビームが足場となっている花の制御を乗っ取り、その上に立つ偽葉達の動きを封じ込めてしまう。
『ふー、危なかったし。けど、これ以上なにかされる前に動けなくしちゃえば万事オッケーって話、だ、し……?』
首元の汗を拭いつつ、これで安心だと動けなくなった猟兵達へ視線を送り―――動きが止まる。
視線の先にいたのはリリスフィア、彼女も他の二人と同じように動きを封じられていることに変わりはない、しかし。
『あ、あの一瞬であんな格好いいポーズを……!?』
ラビットバニーへ右の人差し指を突き付け。足は肩幅、左手は腰に、僅かに身体を傾けて、トドメとばかりにウインク一つ。
完璧なまでに「キメている」ポーズを取っているリリスフィアへと、ラビットバニーの視線は惹き寄せられる。
そしてその視線は、さらなる事実を見つけ出した。
『あ、あああーーーー!?』
それは彼女の頬、僅かに紅潮したその色が示すものとは。
(す、少し恥ずかしいけれど、こんなポーズはどうかな?)
『恥じらい混じりでの決めポーズ! 激エモーーーー!!』
一度ピンチを凌ぎ切ったと思ってからの一撃、それはラビットバニーの心を完璧に揺り動かし、必然的にバリアは音を立てて砕け散ってしまう。
同時にユーベルコードの効果が切れ、リリスフィアは拘束が解けると同時に召喚していた無数の小型兵器と同時に攻撃を仕掛けた。
「やるよ、レギオン!」
『うきゃあ!? や、やば、とりあえずもう一度動きを―――』
まともに攻撃を受け倒れつつ、慌てて動きを封じようと動くが。
「させません! 少し冷えますよ!」
『なにこれさっむ! ……って、ああっ!?』
偽葉が放った超低音の剣風に身を凍えさせ、ふと視線を移せば周囲の花々は凍りついてしまっている。これでは足場の操作をしようもない。
「いくよ、おねーさん!」
『ちょちょちょ、タンマタンマ!』
最後に迫るのは蒼く透き通る風を纏ったツカサ、圧縮された風を使い自身を更に加速させ、手にした光刃にてラビットバニーの身体を見事貫く。
『あぐ……!』
「やった!」
「ツカサさんナイスです!」
「へへっ―――っと……」
強敵を仕留め、振り返ろうとしたその身体は蓄積したダメージによって言うことをきかず。
倒れ込みそうになったツカサの身体は、ぽふんという柔らかい感触によって支えられた。
「あ……」
『まったく、あーしまでやられるなんて、モンキーが負けたのも納得だし』
「おねーさんって、柔らかいんだね……」
疲労とダメージで半ば停止した思考で呟くツカサへと、ラビットバニーは深く溜息を吐いて。
『ほんと、猟兵ってばどいつもこいつもエモい奴らばっかだし……』
そんな言葉を最後に、彼女の存在は消え去った。
成功
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