バトルオブフラワーズ⑩〜絶対無敵を打ち破れ!
●第二の関門へ
「皆さん、システム・フラワーズの攻略お疲れ様なのです!」
フルール・トゥインクル(導きの翠・f06876)は集まってくれた猟兵達をまずは労う。
猟兵達の活躍で怪人軍団の幹部のひとり『エイプモンキー』は打ち倒された。しかし、『ドン・フリーダム』へたどり着くまでにまた新たな幹部が立ち塞がっていた。
「このまま先に進みたいところなのですけど、この先には次なる幹部ラビットバニーが控えているのです」
カワイイ怪人ということらしいですけどちょっと私の趣味とは合わなそうなのです、とは彼女の感想だが。
とにかくシステム・フラワーズ内部の咲き乱れる花々の足場は全てラビットバニーへ向かっており、打ち倒さない限り先に進むことはできない。
「そしてラビットとバニーなのですが、厄介な能力を持っているのです」
その能力の名は絶対無敵バリア。なにやら子供が遊んでいる際に出てくるバリアの名前かと言わんばかりの安直な名前だが、その効果は名前の通り絶対無敵。
あらゆる攻撃を無効化してしまう厄介な能力だ。
そんなもの突破できるのかと猟兵達がざわつくが、対してフルールは苦笑を浮かべる。
「ええ、普通に考えたらとても恐ろしい能力なのです。ただ、その強すぎる能力故に制御が難しいのかちょっとしたことで解除されちゃうのです」
ちょっとしたこととは?という質問に彼女は手元のメモを見た。
「えぇと……ラビットバニーが『エモい』と思うものを見ると精神が乱れて絶対無敵バリアが一時的に解除されるみたいなのです」
エモい、という単語に一瞬静まり返る。ですよね、とフルールは苦笑を深めた。
ちなみにエモいと感じる基準はかなりゆるいらしく、例えばかわいさ、男らしさ、おもしろさ。もう少し具体的にすれば血だらけで立ち上がる様子、突然のパンチラなどなど、SNSではやりそうなやつは大抵エモいと感じる程度のゆるさらしい。怪人らしさはあるが、それでいいんだろうか。
「と、絶対無敵なバリアの突破は少し工夫をすれば容易でしょうけど、それを抜きにしてもラビットバニーはかなりの実力者のようですので、気を抜かないようにしてほしいのですよ」
心の準備、小細工色々、準備できた方からお送りしますですよ!と猟兵の武運を祈りながらフルールは強敵の元へと送り出す準備を終えた。
心音マリ
新たな戦場です。ちょっと興奮しています、心音マリでございます。
先に特殊ルールについての注意書きをば。
ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
以上となります。
つまりは「皆様のエモいものをお見せください!」ということとなります。
ただしエモいことをすることだけに集中してラビットバニーを倒すことをお忘れなきよう。
それでは皆様の素敵なプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『カワイイ怪人『ラビットバニー』』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:和狸56
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
エミリィ・ジゼル
エモいことよりも足場を封じられることの方が割とネックだったりしますが、どんな逆境でも乗り越えてみせるのが一流のメイドというものです。
今回使うのはグラフィティスプラッシュ
足場を封じられるため近接攻撃は難しいですが、これで遠距離攻撃をしてみましょう。
まず目標はそこらへんの壁。
そこに思いっきり落書きを行います。
描くのはラビットバニーのペイントアートです。
色とりどりなインクで描かれた本人の姿はSNS映え間違いなし。
これにはラブットバニーもにっこりでしょう。
そしてバリアが緩んだすきをついて、《一斉発射》技能ものせつつ、渾身のインク弾をお見舞い致します。
●芸術というエモ
「うっわ、マジで猟兵きてんじゃーん」
一番手に転送されたエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)が進んだ先、花の足場の終着点にはラビットバニーがいた。
「ま、あーしには絶対無敵バリアがあるしー。そもそもこうやって近寄れなくしてやるっしょ!」
ぱちんと指を鳴らしてバリアを展開したラビットバニーは、そのまま指を動かすとエミリィの進んでいた道の先の花々が次々と分散、先に進めなくなってしまう。
「はぁ……」
ぴたり、道の途切れた花の上で足を止める。向こう岸にはバリアの中で足場である花びらを制御し操るラビットバニーの姿。
「エモいことよりも足場を封じられることの方が割とネックだったりしますが……」
溜息は一度だけ、状況は今のところただ近寄れぬだけだ。そしてどんな逆境であれ乗り越えてみせるのが一流のメイドというもの。──家事ができないのが一流のメイドといえるのかどうかは、また別の話であろう。
「それでは参ります」
ばさっとスカートの下からインクシューターを取り出すと、勢いのまま連射連射。狙いはラビットバニーではなくシステム・フラワーズ内部の壁である。
ピンク、紫、緑から黄緑に肌色。
様々な色がインクシューターから飛び出し形を作る。
「こ、これは、まさかっ!?」
「さぁいかがでごさいましょうか?」
突然自分とは関係ないところにインクを打ち始めたのでラビットバニーは観戦にまわっていたが、それが何か理解するとまず花を操っていた手が止まった。
それは、色とりどりのペイントアート。
どこか艶めかしく宙に舞うその姿はエミリィの眼前の敵、ラビットバニーを描いたものだ。
「あ、あーし!あーしじゃん!なにこれやっば!待って写メするから、他のやつらにも自慢してやるし!マジやばじゃん、アガるー!」
エミリィの持つ技術も相まって美しく芸術的に描かれた姿にラビットバニーはもう夢中だ。にっこりどころか慌ててスマホを探し始める始末。
もちろん、先ほどまで彼女を覆っていたバリアなど欠片もない。
「気に入っていただけたようで何よりでございます。それではこちらもいかがでしょうか?」
その言葉に気づいたかどうか、ラビットバニーが顔を上げるより先にエミリィは構えていたインクシューターの照準をラビットバニーに合わせて引き金を引いた。
ぱぱぱぱぱん!
小気味よい音と共に放たれたカラフルなインク弾はラビットバニーを汚し、確かなダメージを与えたのであった。
成功
🔵🔵🔴
リア・ファル
……成程、「エモい」事が必要な訳だね
「みんな」に協力してもらおうかな
UC【召喚詠唱・楽園の守護者たち】を使用
機械といえ、どの子も素敵な動物や幻想種さんたちだよ
そして、これにもう一匹
「おいで、ヌァザ、出番だよー。うん今回はそのままで!」
サバトラ柄、銀毛黒縞のニャンコ(型3Dキャラ)の姿で、
多元干渉デバイス『ヌァザ』も登場
仲良くじゃれ合い始める、
一見普通のニャンコと、機械の動物たち……
見てみて! この愛くるしい姿! 写真や動画映え必至だよ!
バリアが解けたら、反撃開始
この子達は可愛くても優秀な戦闘兵器
連携もばっちりさ
最後はヌァザを魔剣形態に戻して、斬撃!
「この子達の可愛さと凄さ、分かってくれた?」
●動物の触れ合いは鉄板のエモさ
「……成程、『エモい』事が必要な訳だね」
インクまみれになりぷんすこと地面(花の足場だが)を踏みつけているラビットバニーを見ながらリア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)は少しだけ考える。
当のラビットバニーは『もう突破されないし!』と再度バリアを展開しているが、その判定がどうもゆるそうに思えるのは先の猟兵で何となくわかっている。
「うん、よし、『みんな』に協力してもらおうかな」
自分が動けぬ隙に攻撃を叩き込まれる前に、とリアは空中へと呼びかけた。
──おいで、みんな。
声が響き渡るのに合わせてラビットバニーの足元に次々と機械でできた動物が現れる。
犬、猿、小鳥、兎、羊、小さな馬に、一角獣、天馬といった幻想の中の生き物と呼ばれるものも、全てが機械でできている点を除けば精密に再現されラビットバニーの近くで戯れ始める。
「うっわ、かわ……いやいや、これぐらいじゃあーしは動かされないし!」
意地なのだろうか、顔を背けて可愛らしい動物たち(機械だが)の戯れを見んとするラビットバニー。だが、リアの仕込みはこれだけではない。
にっこりと営業スマイルを浮かべてとっておきのもう一匹を呼ぶ。
「おいで、ヌァザ、出番だよー。うん今回はそのままで!」
呼びかけに応じて鳴き声を上げて出てきたのはサバトラ柄で銀毛黒縞の猫。リアの持つ多元干渉デバイス、その名はヌァザという。今は通常モードの猫型3Dキャラの姿による登場だ。
そしてヌァザも混じってじゃれ合い戯れる動物たち。わかるだろうか、機械の動物たちの中に普通の猫が混じって仲良くじゃれ合う姿を!その愛くるしさを!
「見てみて!この愛くるしい姿!写真や動画映え必至だよ!」
必死に見るまいとしていたラビットバニーであったが、写真や動画映えと聞いては怪人としての本能が黙っていられなかったのだろう。ちらっと戯れを目にしては……そのままガン見し始めた。
「え、ちょっと待って、なにこれエッモ!機械と普通のニャンコとか良さみの塊でしかないでしょ!」
かわいい戯れに見事陥落。スマホを取り出して撮影を始めた時点で音を立ててバリアはその姿を消していく。
そしてリアはその瞬間を待っていた。
「やっとバリアが解けたね、じゃあ反撃とさせてもらおうかな」
ぱんぱん、と手を叩けばそれまでじゃれ合っていた動物たちが一斉にラビットバニーへ視線を向ける。そのまま飛べる動物が撮影中のスマホへ飛び掛かって注意を引くと、残りの動物たちが突撃。噛みつき引っかきそれぞれの戦い方でダメージを与える。
「ちょっ、何するし!」
慌てて赤べこキャノンを振り回し、数体の動物を消すがもう遅い。
「いくよ、ヌァザ!」
いつの間にやらリアの近くへと戻っていたヌァザはその身を魔剣の姿に変えリアの手に収まっていた。
鋭く振るわれる一閃がラビットバニーの服ごとその身を切り裂く。
「この子達の可愛さと凄さ、分かってくれた?」
微笑みを浮かべ、リアは姿を戻したヌァザを撫でるのだった。
成功
🔵🔵🔴
光・天生
エモい……?
ふざけたことを。とにかく敵は容赦なく倒……敵は……。
敵……は……。
(ラビットバニーの姿を見る)
……もうちょっと慎み深い格好をして下さい!!!!
(構えたまま、目をそらして真っ赤になる小柄で生真面目な純情少年)
(当人に自覚はなかろうが、つまりはそれ自体がエモ)
……バリア解けた!?
よくわからないけどチャンス!
手刀を構え、【ダッシュ】で一気に接近。
攻撃は最大の防御。
放たれる砲撃を【見切】っての【カウンター】……
即ち対象を切断する手刀でもって、砲弾を斬り伏せて身を守ります。
懐まで入り込んだら、片手でキャノンを斬り払い、もう片手で直接攻撃。
……接近しなきゃいけないのが難儀です。
いろんな意味で。
●純情って、いいよね!
「エモい……?」
聞きなれない単語に光・天生(鈍色の天蓋に神は座す・f05971)は疑問符を浮かべる。聞けばかわいさ、男らしさなどはともかく、突然のパンチラなどSNSではやりそうなやつをエモいと感じてバリアが解けるとか。
「きゃはは、あーしに正面から立ち向かおうっていうのマジうけるんですけど!あーしには絶対無敵バリアがあるって知らないの面白すぎ!」
呼吸を一つ整え、構えた天生を見てラビットバニーは笑う。笑い声に混じって聞こえた発射音に合わせて体を動かせば砲撃が一つ、着弾。
やはり言動からしてふざけている、と思う。
「ふざけたことを。とにかく敵は容赦なく倒……敵は……敵……は……」
砲撃痕を見やってから視線を動かす。その時初めて天生はラビットバニーを正面から見据えた。その姿を初めてまともに認識した。言葉が尻すぼみになり、動きが徐々にぎこちなくなり、やがて停止。
その顔は時間が経つことに赤く染まっていくではないか!
「……もうちょっと慎み深い格好をして下さい!!!!」
弱冠12歳。鍛錬、勉強を良しとする少年にはラビットバニーの姿はあまりに刺激が強すぎた!
まぁ異性ですし、ボンッてしてますし、肌色多いですしね。登るべき大人の階段を数段飛ばしちゃったようなものだろう。
ともかく、構えたまま真っ赤になって天生は目を逸らしてしまう。通常ならば見せてはならない隙だ。もちろん、通常ならば、であるが。
「……イイ……」
「はい?」
謎の呟きにゆっくり、ゆーっくり視線を戻す。戻した先のラビットバニーは兎面の鼻を抑えながら蹲っていた。
「大人のお姉さんに耐性のない生真面目純情な男の子とか貴重すぎるっしょ……エモエモのエモでしょ……二次元はともかく現実で見てるとかなにこれ破壊力高すぎっしょ……」
ぶつぶつ呟くラビットバニーはどこからともなく取り出したティッシュで兎面の鼻を抑えている。君の鼻はそこでいいのか……?
しかしながらこの様子から分かるようにいつの間にやらラビットバニーを覆っていたバリアは消失。
謎の呟きに戸惑っていた天生も一拍遅れて消失に気づいた。
「あれ……バリア解けた!?」
チャンスだと手刀を構え足場を踏みしめ一気に近づいていく。
正直あの姿に接近しなければならないのが非常に、非常に難儀であるが、せっかくのチャンスを無駄にすることはできない。可能な限りラビットバニーを直視しないよう、足へと意識を向けて駆ける。
対するラビットバニーは……よっぽどツボだったのだろうか、接近する天生に気づく様子すら見せない。
彼女が気づいたときにはもはや天生の射程圏内。
「はっ!いつの間に!?」
「あなたが何か言ってる間ですけど……」
「卑怯すぎるっしょ!」
それを言えば絶対無敵バリアの方が卑怯だと思いますけど、とは言わない。慌てて構えられた赤べこキャノンを左手の手刀で切り払い、右手の一撃を腹部へと加える。ぱっと切り裂かれた赤と共に一緒に切れた緑が舞う。
「ぐぬぬ、やってくれるし!」
腹部を抑え後ろへ飛びのいたラビットバニーを見ながら天生は思うのだ。
(それにしてもなんでバリア解けたんでしょう……)
彼本人に全く自覚がない辺りも含めてエモかったことを彼が知ることは当分なさそうであった。
大成功
🔵🔵🔵
ルー・カンガ
ルーはカンガルーである。
「エモいってどういうことなんだろうかな??」
あまり意味は分かってないが、話によると、どうにも、自分の行動で引っかかりそうな気もする。
要するに、しぐさで引っかかるかどうか。
小さいワラビーならまだしも、デカいアカカンガルーなのである。
だが、やらずにはいられない。
「うーん、無敵バリアかー…なんとかしないとなー」
ここであくびやら、おなかをかいたりとか、ピョンピョン軽めに跳んだりと。
ウサギに異変を見つけ次第察知「今だ!」
もちろん兎に接近ジャンプし、そこからグラップル→UC込みのカンガルーキックをかます。
「小さくても大きくても、カンガルー科のオスは蹴り癖があるんだよ」
●やっぱり動物っていいと思うんですよ
「エモいってどういうことなんだろうかな??」
ルー・カンガ(カンガルーボクサー・f16514)はカンガルーである。名前は……おっと間違えた、エモいの意味はよくわかっていない。
しかしながら転送される前に聞いた情報によれば自分の行動でそれは成せるのでは?という気もする。
となればやってみるしかなかろう。
「うーん、無敵バリアかー…なんとかしないとなー」
ぴょんぴょんぴょん、ラビットバニーの近くまで跳ね飛んで。ラビットバニーなんていないかのように欠伸を一つ。
「ん、んー???カンガルー、んー?」
不思議そうにルーを見つめるラビットバニー。赤べこキャノンを構えてはいるものの、ただルーを見つめている。
いうなれば興味はあるがエモいとはまだ思ってないようだ。
こうなるである可能性はルー自身わかっていた。なにしろ小さなワラビーなら愛嬌もあるものだがルーのベースとなっているのはアカカンガルー、大きいのである。だがわかっていても、やらずにはいられなかったのだ。
カンガルーという(キマイラにはいるかもしれないが)少々の珍しさに興味を引けているのがまだ救いであっただろうか。
「なんかなー、カンガルーっていいんだけど一押し足りないわけよ」
そんな感想が彼女の口から零れる始末である。これはバリアを突破できずに終わるのか……そう思われたが、ルーは最後に一つ、ある行動を試してみることにしたのだ。
それは、すなわち──。
「ふぁーあ」
欠伸を一つ、そしてごろりと寝ころんだ!割とあられもない姿で寝ころんでみると、ぴくりとラビットバニーが動くのが見えた。
「……!キタ、キタキタこれいーじゃん!カンガルーの寝姿とかエモいじゃん!」
あぁこれでいいんだ、と思ったとか思わなかったとか。実際エモさの判定がガバいというのはよくわかった。
ともあれカンガルーの寝姿というSNSなどで注目を集めそうな姿にここをとあっさりと動かされたラビットバニーはそのバリアを失ってしまう。
そして、バリアがなければ接敵など助走なしで跳ね飛ぶカンガルーにとってはお手の物だ。
「今だ!」
飛び起きてぴょんと一跳び。ラビットバニーの隣に着地すればその手で彼女を捕まえて、尻尾で体を持ち上げれば──。
「これでも食らっておけよ」
バッコン!!!
ものすごい音と共にルーのカンガルーキックが炸裂。普通の人であれば内臓破裂も起こりうる蹴りはユーベルコードとしてさらに威力を上げ、他の猟兵につけられた傷をさらに広げるように決まる。
勢いの余り足場に体を強かに打ち付けたラビットバニーを見てルーは笑った。
「小さくても大きくても、カンガルー科のオスは蹴り癖があるんだよ」
そう、そして力も強い。近寄らない方が賢明であるともいえよう。
成功
🔵🔵🔴
明智・珠稀
★うさみっちたん(f01902)と!
バニーさんにうさたまコンビの
エモさを見せつけましょう…ふふ!(変なポーズ)
■行動
「とくとご覧下さい…!」
しゃららん!と【早着替え】【変装】でミニスカメイド姿へ♥️
「これだけではございません…!いでよ、たまちゃん人形!」
UCによる195体のメイド姿からくり人形を
人形達が愛らしく踊り&湯たんぽさんとあざと可愛さを敵にアピール
敵の攻撃時は明智やうさみっちさんの盾や身代わりに
また、バニーさんにまとわりついたり邪魔を
うさみっちさん達に気をとられてる隙に
明智自身はいつのまにか黒子の服に着替え
【忍び足】で近づき黒革の鞭で攻撃&引き寄せ、【吸血】攻撃を!
※アドリブ大歓迎♥️
榎・うさみっち
【たまちゃん(f00992)と!】
エモエモうさたまコンビの華麗な姿、刮目せよー!
魔法少女変身の如き【早着替え】でメイド服姿に変身!
更に装備してるゆんたぽ達にもメイド服を着せ
【念動力】で周りを飛ばせる
メイドマスコット、うさみっちです♥
お嬢様、俺達がお相手しますウサ!
戦闘では主にサポート
バニーに近づくたまちゃんに向かう攻撃を
【とっこうのうさみっちボンバー】で相殺
そのビームは以前別のバニーと戦った時にいなしてみせたぜ!
俺に攻撃が来た場合はUC以外にも
【逃げ足】を活かし更に【残像】も発生させ回避
お嬢様、その邪魔なお胸のせいで動きが鈍いですよぉ!
など【挑発】し注意をひき
たまちゃんに攻撃のチャンスを作る!
●かわかわっ!ぬいぐる人形大行進!
「ちょっ!なんかいい男が来たんですけど!何々?あーし目当て???」
榎・うさみっち(うさみっちゆたんぽは世界を救う・f01902)とともにやってきた明智・珠稀(和吸血鬼、妖刀添え・f00992)を見てラビットバニーのテンションが明らかに上がった。アゲアゲという奴だろう。
アゲアゲでバリアを貼ってるので良いのか悪いのかいまいちわからない。
「そうですね、あなたの心を奪うという意味では間違ってはないでしょう」
「きゃー!!!マジやば!タイプかもしれないんですけど!」
挙句ふっと微笑まれてしまえば兎面の頬に手を当ててくねくねしている。エモさの前に恋に落ちてそう、別の意味で不安になるが、兎も角。
「たまちゃんだけ見てるのはずるいぞ!」
ぷぷぷん!羽根をひらめかせうさみっちが主張する。
「今日は俺とたまちゃん揃ってこその姿だぜ。エモエモうさたまコンビの華麗な姿……」
『とくとご覧下さい……!』『刮目せよー!』
うさみっちと珠稀の声がそろう。そして瞬きをしたほんの一瞬の間に二人の服装が変わり──。
シャラララン!(謎の効果音)キラリン☆(謎の輝き)
「おかえりなさいませ?お嬢様」
「メイドマスコット、うさみっちです♡」
なんということだ!イケメンのミニスカメイドにうさみみ妖精メイドの二人のメイドが現れたではないか!(※二人は男性である)
「んんっ!!!」
ラビットバニー、咽る。それは似合っていないとか悪い方向ではなくむしろ逆、イケメンは何を着ても似合うという格言(?)があるように珠稀は恥じらいもなくきっちりとミニスカのメイド服を着こなしていたし、うさみっちはうさみっちでその可愛らしい外見も相まって『めいどみっち』として新商品が出せそうなぐらい可愛く似合っていた。後ウサ耳があるのもポイントが高かった様子。
すでにエモさというかツボに入って心動かされていそうなものだが、残念ながらこれはまだ序の口なのである。
「これだけではございません…!いでよ、たまちゃん人形!」
「まって、目の保養過ぎて目に悪いんですけど!?」
珠稀が指を鳴らせば総計195体にもなるからくり人形(こちらも全てご丁寧にメイド服姿である)が現れ踊り始め。
「俺も忘れてもらったら困るウサ!」
「語尾ウサとかあざといんですけど、それがまたやばいんですけど!!!」
うさみっちゆたんぽにさむらいっちゆたんぽ、まほみっちゆたんぽにじぇいけみっちゆたんぽまでもが手に持つ武器はそのままにメイド服を着て、珠稀のからくり人形と共にあざとく決めポーズをしてしまえばもうダメだ。
「やっば、こんなの心乱されないわけないじゃん!エッッッッッッモ!!!!!!!!!!」
叫ぶラビットバニーの周囲にもはやバリアはない。いやもうほんとはからくり人形たちが出てくる前から消えてましたけどね?
とにかくバリアがないなら後は打ち倒すだけなのだ!
「あんた達エモすぎて心臓に悪いっしょ!あーしに近づくの禁止!」
くいくいっと指を動かし二人の目の前から花の足場を動かしていく、だがその手元に飛び込むメイド服のうさみっちゆたんぽ……ではなかったうさみっち型爆弾。
ボンッ!と可愛らしい爆発音と共に爆発し足場の制御を妨害する。
ラビットバニーはオブリビオンである、そのため倒されようが何度でも蘇る。だがその性質が仇となったともいえよう。うさみっちはラビットバニーがどのように足場を操作するのか『すでに見ていた』のである。
で、あるならば、妨害するにはどうしたら良いかもわかっていた。
制御を離れた花たちは再びうさみっちたちとラビットバニーを繋ぐ道となる。
「猟兵の癖にやってくれるし!」
怒ったラビットバニーが赤べこキャノンを用いてうさみっちを狙うが、今度は珠稀のからくり人形がまとわりつき、狙いが定まらない!
ブレブレの狙いでかろうじて放たれた一撃はいとも簡単に避けられてしまう。
「おやおやぁ?お嬢様、その邪魔なお胸のせいで動きが鈍いですよぉ!」
「はぁぁぁぁ!?メイドならもうちょっとあーしを持ち上げるし!!!」
ラビットバニーはからくり人形を振り払い、うさみっちを睨みつける。
すっかりうさみっちに夢中になっていた彼女は忘れていた。
「隙だらけですよ、お嬢様?」
グイッと腕に絡みつく何かと引き寄せられる感覚。ラビットバニーが反応するより早く、珠稀は彼女へ絡めた鞭を引いて腕の中に収める。
いつの間にか黒子の姿となった珠稀に抱き留められるように腕に抱かれ、黒髪から覗く紫の瞳に見つめられればその目を逸らすことはできない。
珠稀は微笑むとそんなエモ(魅力)に負けたラビットバニーの首筋へ牙(刃)を突き立てた。
「は、はぁぁぁ……これは、あーし、ムリ……」
がくりと力を失い(二重の意味で)ノックアウトされたラビットバニー。珠稀の手から離れた後も倒れたまま起き上がることはなかった。
萌えと魅力とエモに負けたのだから彼女としても本望だろう、たぶん。
大成功
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