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バトルオブフラワーズ⑩〜エモエモ漬けの兎退治

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー

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●グリモアベース:ゲネ
「猿の撃破回数が規定値を突破した! バトルオブフラワーズ第二関門が開かれたぞ諸君!」
 忙しくデータを打ち込みながら、ゲネ・ストレイ(フリーダムダイバー・f14843)は猟兵たちに呼びかけた。
「第二の関門の守護者は、カワイイ怪人『ラビットバニー』。システム・フラワーズ内部の「咲き乱れる花々の足場」はラビットバニーに集中していて、奴を倒さない限り先には進めない」
 ラビットバニーは同時に一体しか存在せず、倒しても何度でも蘇るが、エイプモンキー同様、短期間に許容値を超える回数撃破することで復活できなくなるようだ。
 ラビットバニーは、尋常ならざる防御の力『絶対無敵バリア』によって覆われており、そのままの状態ではありとあらゆる攻撃が一切効かない。
 ただし、このバリアはラビットバニーが「エモい」と感じるものを目撃すると、一時的にだが解除されるようだ。そこを狙えば攻撃も通るはずだ。
「ちなみにラビットバニーの感じる「エモい」の基準はガバッガバだ。かわいさ、男らしさ、おもしろさ、血だらけで立ち上がる様子、突然のパンチラ、イケメンの壁ドン、水を吐き出すフグ……ま、ようするに「SNSではやりそうなやつ」はだいたいエモいってことらしい」
 最強能力なだけに制限が厳しいのでは、多分。とゲネは肩をすくる。
「見えてる弱点があるなら付け込まない手はないな! ……とはいえラビットバニー自体がかなりの実力者だ、苦戦も見込まれるため戦術も怠りなきよう頼む! エモさとユーベルコードをその手に、いざゆかんシステム・フラワーズへ!」
 数多のホロモニターに映し出された転送術式が輝き、猟兵たちを敵地へと誘うのだった。


そらばる
 バトルフラワーズ第二関門は兎退治。
 カワイイ怪人『ラビットバニー』戦です。
 エモい何かを見せつけて、『絶対無敵バリア』を解除させて攻撃しましょう!

●特殊ルール:『絶対無敵バリア』
 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。

 皆さんの自由な発想で自分なりのエモさを演出して、敵を撃退しましょう!
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第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:和狸56

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

クリミネル・ルプス
【基本戦略】
真正面からぼろぼろになって諦めない感からの騙し討ち。
【流れ】
絶対防御バリアに対して真正面から肉体のみで全力で殴りに行く。バリアは『ラビットバニー(以下兎兎)』の周辺に展開されると仮定。
拳から骨が出て、攻撃を受け全身朱に染まり血を吐きながら闘う乙女!(エログロ?
尚、吐血は血混じりのUCなので実は回復する(他の人にも回復バフ可)
バリア解除後【だまし討ち】【怪力】【グラップル】【激痛耐性】【覚悟】にて組みつきキャットファイト(猫居ないけど)
「…………つーかまえた!」
すごくイイ笑顔(血塗れ)で兎兎に密着し速さに対抗。
【他猟兵との連携アドリブ大歓迎です】



●絶対に諦めない……!
「見つけたで兎兎!」
 クリミネル・ルプス(人狼のバーバリアン・f02572)は『ラビットバニー』を大胆に略して呼ばわりながら、花々の足場を駆け上がり一直線に敵へと迫った!
「え、何そのあだ名あーしのこと? 超絶センスwwwまじウケるんですけど!」
 ラビットバニーはケラケラと笑い声を上げながら、絶対防御バリアを自身の周囲に展開すると、赤べこキャノンを担いでぶっぱなした!
 突進するクリミネルへと次々に砲弾が撃ち込まれる。幾度となく爆発が連鎖し花々が派手に舞い散る中、クリミネルは軽くはないダメージを追いながら、しかし決して足を止めることはしない。
 真正面から飛び掛かり、徒手空拳の己が肉体ひとつで、バリアを全力でぶん殴る――!
「ウチの拳、受けてみな!」
「はあ!?」
 拳とバリアが激突し、バチバチと激しい閃光と強風の如き衝撃波が二人の間に爆ぜる!
 クリミネルの拳にかかる負荷は尋常なものではない。絶対防御バリアが、物理攻撃で破れるはずがないのだ。拳の肉が引き裂かれ、骨さえ覗き見える。クリミネルの全身は己の血で朱に染まり、ついには血を吐きながら、それでも決して拳を退くことはしない……!
「なん……なん……」
 衝撃的な光景に言葉を失くしていたラビットバニーは、わななきながら口許があるらしき辺りを覆った。
「ま、まさかあーしのバリアに真っ向勝負を仕掛けてくる馬鹿がいるなんて……『決して勝てない敵相手に、ボロボロになりながらも絶対に諦めず闘う乙女』! 微エロとグロの絶妙なハーモニー! や、やばい……え、え、え…………エモいぃぃ……!」
 ラビットバニーが撃ち抜かれたように胸を押さえた、その瞬間。
 バシュゥゥゥゥ……ン、と、何かのエフェクトが消えるような音と共に絶対防御バリアが掻き消えた!
「あ、やっば……!」
 はっと我に返り咄嗟に退こうとしたラビットバニーを、正面からガッチリと組み付き捕らえるクリミネルの腕。
「…………つーかまえた!」
 ラビットバニーの至近距離で覗き込む、血まみれのものすごくイイ笑顔。
 傷ついていたはずの腕は、グリコーゲンをたっぷり含んだ唾液混じりの吐血によって、すっかり綺麗に回復している。
「だっ――――騙されたぁぁぁぁぁぁ……!」
 ラビットバニーの絶叫と共に、猫のいない女二人のキャットファイトが開幕するのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クトゥルティア・ドラグノフ
※真の姿を解放、イラスト参照

ハシュマールさんに、私の人生そのものがエモいとか言われたから取り敢えず語ってみるよ。

「私の幸せはあの日、オブリビオンによって壊された。お父さんもお母さんも皆たべられてしまった。私に力がなかったから……でも今度は誰も死なさない、絶対に死なせるもんかぁ!力を、もっと力を!!」

真の姿を解放して、鏡花水月・絶を発動。打ち出される赤べこキャノンの弾丸を切り裂きながら、時には砲弾から砲弾に飛び乗りながら抜刀術を放つよ。
次元すら切り裂く連続抜刀術。

「これがお父さんから引き継いだ力だ、受けてみろぉ!!」



●想い宿す抜刀剣
「まじびびったし! もー絶対にバリア剥がさせねーし完全完璧に吹っ飛ばすッ!」
 ラビットバニーは再度周囲にバリアを張り巡らせ、キャノンを担ぎ上げた。
「エモい……か」
 再び防御態勢に入った敵を目前にして、クトゥルティア・ドラグノフ(無垢なる月光・f14438)はかつて言われた言葉を思い出していた。クトゥルティアの人生そのものがエモい、と。
「……私の幸せはあの日、オブリビオンによって壊された」
「んん?」
 静かに始まったクトゥルティアの語りに、ラビットバニーはキャノンの照準を合わせたまま思わず耳を傾けた。
 クトゥルティアは構わず続ける。
「お父さんもお母さんも皆たべられてしまった。私に力がなかったから……でも今度は誰も死なさない、絶対に死なせるもんかぁ! 力を、もっと力を!!」
 力が弾ける。思いの高まりが、蒼々とした力となってクトゥルティアの姿を変えていく……!
 語りの壮絶な内容とその姿に宿る覚悟に、ラビットバニーは肌をほんのり赤くして震えている。
「うっそまじ……まじで? 『親を殺された悲劇にも負けずに自分の無力を悔いてそれを糧に誰かを守るために死力を尽くす』って……! やばい尊みが深いふぁぼ連打したいぃぃ……!」
 存在しない液晶画面を連タップするような挙動不審を披露するラビットバニーの周囲で、バシュゥゥゥゥンと残念な音を立てて絶対無敵バリアが消滅した!
「あっ。やっべ」
「――それは水面の鏡に写る月のように、乱れぬ心で撃つ刃。表裏一体、走れ過去と未来を別つ劔! 【鏡花水月・絶】!!」
 クトゥルティアは鋭く抜刀するや、大慌てで撃ち出されたキャノン砲を一刀両断に伏した。分裂した砲弾が、左右後方で大爆発を巻き起こす。
「ちょ、くんなし!」
 連発される砲弾。しかしクトゥルティアは次元すら切り裂く連続抜刀術を振るいながら、砲弾の雨を躊躇なく正面突破していく。放物線を描いて飛び込んでくる砲弾の上に跳躍し、砲弾から砲弾へと飛び乗りながら、次々と砲弾を斬り捨て――
「これがお父さんから引き継いだ力だ、受けてみろぉ!!」
 神速の剣閃が、ラビットバニーを鋭く袈裟斬る――!
「くぁ……キッツぅ……っ」
 引き裂かれる痛みと衝撃に、ラビットバニーは後方に退きながらキャノンを持つ手を震わせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

白峰・慎矢
え、えもい?壁ドン?ふむ、なら彼女を口説けば良いのか!

「料理」した手作りのハンバーグ弁当を持ち込もう。
疲れてるのかい?よければ弁当、食べてよ。君に作ってきたんだ。
ふふ、君みたいに綺麗な人に料理を食べてもらえて嬉しいよ。皆君をちょろいとか、エモ基準ガバガバとか言うけど、俺は感受性が高くて心の綺麗な人だと思う。
(ここで彼女を顎クイして)……そんな貴女には毎日、俺の料理を食べてほしい。

ここで【集霊斬】を発動、隠し持ってた小刀で斬る。至近距離だし、意表も突けるからね。実は料理にも「毒使い」で弱い麻痺毒を仕込んでるよ。
俺は君ほど強者ではないから、手段を選ぶ余裕はないからさ……!さっきのは半分本心だけど。



●ハートと胃袋を掴め!
 依頼を受け取った白峰・慎矢(弓に宿った刀使い・f05296)は一瞬困惑した。
「え、えもい? 壁ドン? ……ふむ、なら彼女を口説けば良いのか!」
 結論は、あっさりと出た。
 ゆえに慎矢は、自前のスキルを思う存分活用して、弁当持参でラビットバニーの前に現れたのである。
「くぅぅ、こっちの弱点ばっかり抉ってくんなし! もー二度と攻撃させねーし! 発動・うさちゃんカンフーモードッ! アチョーッ!」
 ラビットバニーは挽回せんとばかりに兎面の目を光らせた。絶対無敵バリアを全身をくるむように展開し、残像を描くような仕草でカンフー特有のポーズをとる。
 珍妙な姿勢のラビットバニーに、慎矢はにこやかに弁当箱を差し出した。
「疲れてるのかい? よければ弁当、食べてよ。君に作ってきたんだ」
「え」
 箱を開けて見せると、おいしそうなハンバーグがこんにちは。
 いい匂いのする弁当箱を目前にして、ラビットバニーは珍妙な姿勢のまま硬直した。
「……いいの?」
 慎矢は微笑んだまま頷いた。
 ラビットバニーはしばし弁当箱を凝視したのち、警戒心満載で乱暴に弁当をひったくると、くるりと背を向けて弁当にがっつき始めた。相当空腹だったようだ。
 恥も外聞もなく弁当を口に掻きこむラビットバニーを、慎矢は微笑ましげに見守った。
「ふふ、君みたいに綺麗な人に料理を食べてもらえて嬉しいよ」
「きれ……!?」
 ぽかんとして振り返るラビットバニー。慎矢の澄んだ瞳と視線が交わり、しばし呆然、からのはっとして我に返る。
「なっ何言ってんのあーしの顔なんか見えてないくせに!」
「顔のことなんか言ってないよ。皆君をちょろいとか、エモ基準ガバガバとか言うけど、俺は感受性が高くて心の綺麗な人だと思う」
 慎矢は口をパクパクさせているラビットバニーの顎に手を添え、クイ、と持ち上げ目線を合わせた。
「……そんな貴女には毎日、俺の料理を食べてほしい」
 魅惑のささやきが、ラビットバニーの耳をくすぐる。その脳内は少女漫画のモノローグ風に桃色パニックだ。
(「しょ、『初対面の料理好き男子からめっちゃ美味い弁当を手渡されて顎クイされて毎日俺の料理を食べてほしいと口説かれる』とかコレなんて乙女ゲー!? もうエモい通り越してマジで惚れるやつぅぅぅぅぅ……!」)
 ……そして響く無情のバシュゥゥゥゥン。
「あ」
 そしてすかさず慎矢の手元で翻る小刀。
 柔肌が裂かれ、赤が飛び散る。至近距離の一閃に意表をつかれ、反応速度を強化したはずのラビットバニーは回避することができなかったのだ。
 ……いや、それだけではない。手足がじわじわと痺れるような感覚に侵食され始めている……!
「――! さっきの弁当……!」
「麻痺毒をね。弱いやつだけど。俺は君ほど強者ではないから、手段を選ぶ余裕はないからさ……!」
「……ぅぅぅぅ、しってた! そんなこと起きるわけないって知ってたし! ちっともときめいてなんかねーし!」
「さっきのは半分本心だけど」
「えっ❤」
 ……しかし当然、小刀の追撃の手がやむはずもなく、ラビットバニーの悔し泣きが辺り一帯に響き渡るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ステラ・ハシュマール
※真の姿を解放。悪魔のような翼を背中と腰に生やした鮫のような頭部を持った存在になります。

なるほどエモいねぇ。知ってる?エモいって元は音楽で使われてたそうだよ。ならば音楽で魅せるのが、音楽を好むものとして礼儀だと思うんだ。

愛用のバイオリンで一曲、とある有名な方が作った魔曲「レクイエム」を披露するよ。この音色、実に感動的で情緒的だと思わないかい?これぞ正しくエモいと思うんだけどね。

楽曲鑑賞が終わったならやろうか。冥獄炎化粧を使用。お互いに高速移動が出来るわけだが反応速度が負けている。ならその反応速度を裏手にとってフェイントをいくつか入れる。つられて攻撃してきたら【カウンター】を食らわせてあげる



●心うつ魔曲
「ううう、くっそ~……今度こそ流されないからなー!」
 半ば泣きが入りかけつつも歯を食いしばり、ラビットバニーは挫けず絶対防御バリアを身に纏って、再び珍妙なカンフーポーズで身構えた。
「なるほど『エモい』ねぇ」
 ラビットバニーの前に悠然と歩み出て、ステラ・ハシュマール(炎血灼滅の死神・f00109)は不敵に笑う。
「知ってる? エモいって言葉、元は音楽で使われてたそうだよ」
「え、そうなん?」
 やっぱりポーズを決めたまま、きょとんとするラビットバニー。
 ステラは笑みを深めると、愛用のバイオリンを肩に構えた。
「ああ。ならば音楽で魅せるのが、音楽を好むものとしての礼儀だと思うんだ」
 弓と弦が触れ合い、音が生まれる。音が連なり、重なりあい、旋律となる。それは魔曲と呼ばれる、玄妙なるレクイエム。
 時に静かに、時に激しく。美しい旋律が周囲の空間を満たしていく……
「この音色、実に感動的で情緒的だと思わないかい? これぞ正しく『エモい』と思うんだけどね」
「……ふおおぉぉぉぉ……」
 ラビットバニーは兎面の目をキラキラさせて、まんまと胸を打たれて感動している。
「あーし、音楽とかよくわかんないけど……これがすんごいのはなんとなくわかる……アンタってプロの音楽家ってやつ!?」
「さあ、どうだろうね」
「いや絶対そうじゃん間違いないって! すっご。『本物のプロの生演奏を目の前で見れる』とか超エモいじゃん! ……はっ!」
 うかつに口を滑らせた瞬間、またしてもバシュゥゥゥゥンとバリア解除。
「ああああ! またやったぁ……!」
「音楽鑑賞は終わりだね。じゃ、やろうか」
 曲の最後まで演奏しきったステラは、その身に殺気を纏い始めた。
(「姿を変えるには条件が足りないか……強制的に変化できるユーベルコードでもあれば別だったんだろうけど」)
「今はこのままで失礼するよ。――そろそろサインを入れるとしよう!」
 ステラは冥獄炎化粧を纏い、花々の足場を疾駆した。凄まじいその速度を、しかしラビットバニーの眼差しは逃さず捉え続ける。
「アンタも速いみたいだけど……あーしのほーが反応速度は上だし!」
 二人は互いめがけて突進した。ステラは大きく踏み込み、先手を取って振りかぶる。しかしそれはフェイント。正面から振り下ろすと見せかけて、横合いから。と見せかけて背後に回り込み足元を狙い――。
 それらをラビットバニーの反応速度は見切り、躱し、防ぐ……が、巧妙な身のこなしに思わず反射的に反撃を繰り出してしまった。
「しま……っ」
 息を呑んだその時にはもう遅い。ステラは大きく背後に退くと、口の奥を輝かせた。
「――お返しだ」
 ステラの口から放射された極太ビームが、ラビットバニーの肩口をよぎるように一閃した――!
 ぢっ、と肉が焼ける嫌な音と臭い。
「っ……やってくれんじゃん……」
 肩を抑えて、ラビットバニーは忌々しげに吐き捨てた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アスカ・ユークレース
一一と連携
おねだりに照れながらもうなずく「そ、そんなことより今はあのウサギですよ……!」
戦闘:基本は後衛から【スナイパー】で【援護射撃】【迷彩】でなるべく【目立たない】ように
攻撃は【地形の利用】を利用し【第六感】で対処
一一にかばってもらう代わりに一一の意識外、予想外の攻撃は私が撃ち落とします

一一が崩れ落ちるふりをしたら「一一…!私を置いていかないで…!さっきのおねだりはどうするんですか…!」等と泣きすがる小芝居
バリアが解けたところでUC:流れ星の軌跡で【だましうち】の【クイックドロウ】


一一・一一
「僕、この戦争が終わったらアスカさんにキスおねだりします」
恋人であるアスカ・ユークレースと一緒に行動します。
まず初手UC【噂話より産まれし物語】でドアを『エスクード』で対UC用の壁を作り出し「盾受け」「かばう」でアスカさんへの攻撃をかばいます。
そのあとはダメージを受けた振りをして崩れ落ち「ごめんなさい。僕はここまでみたいです…でも貴女が無事で良かった」とエモいっぽい小芝居をアスカさんとします。
相手がバリアを消したら『イーグレット』で『メテオラ』を射ちます



●悲劇の恋人たち
 その二人は、固く手を繋いでラビットバニーの目前に現れた。
「僕、この戦争が終わったらアスカさんにキスおねだりします」
 一一・一一(都市伝説と歩む者・f12570)は恥ずかしげもなく宣言した。
 アスカ・ユークレース(電子の射手・f03928)は頬をぱっと薔薇色に輝かせ、照れながらも頷き返した。
「そ、そんなことより今はあのウサギですよ……!」
「うっ、なにそれもう目の毒なんだけど! 今あーし地味にヤバいんでちょっと離れててくんない?!」
 さしものラビットバニーも余裕がない。もうすでに心を射抜かれそうになりつつも危機感の色をありありと浮かべて、バリアを展開させながら両手の指からビームを放った。制御ビームを受けた花々の足場が自在に揺れ動き、猟兵たちを突き放すように物理的に遠ざけてしまう。
 二人は名残惜しげに手を離すと、あたりに点在する足場を飛び移りながらラビットバニーへの接近を試みた。
「この角度なら……!」
 アスカは動き回る足場を巧みに利用し、直感的に敵へと銃口を差し向けた。弾丸は的確にラビットバニーへの軌道を描くが、バリアの前に全て弾かれてしまう。
「ちまちまうっざ、どこにいんの!? ……あ、どこでもおんなじか。全部撃ち落としちゃえばよくない?」
 ラビットバニーは巧みに姿を潜めるアスカたちを見つけ出すのを早々にぶん投げ、あらゆる足場に砲弾を撃ち込み始めた。激しい爆発が猟兵たちを追い立て、退路を塞いでいく……!
「――友達の友達から聞いた話、『ひとたびくぐれば誰も返ってこれないドア』、今それが現実となるっす!」
 一一はアスカを背に庇いながら、即席の都市伝説を精巧に具現化させた。宙に浮かぶドアはひとりでに開け放たれ、そこにはないはずの虚ろな空間の中に砲弾を吸い込んでいく!
 しかしそれがラビットバニーにとっては大きな目印となり、砲撃は勢いを増すばかり。
「っ、危ないッ!」
 ドアをすり抜けアスカへと迫る砲弾に、一一はついに全身を投げうった! 凄まじい爆発と轟音が二人の姿をかき消す……!
「……っと。いっちょ上がり?」
 ラビットバニーが若干すっきりした様子で砲口を下ろし、砲撃がやんだ。
 爆風が退いた足場では、舞い散る花弁の中、崩れ落ちていく一一の姿があった。
 アスカが悲鳴をあげて倒れ伏す一一の元に駆け付け、震えながら伸ばされる手を握り締める。
「ごめんなさい。僕はここまでみたいです……でも貴女が無事で良かった」
「一一……! 私を置いていかないで……! さっきのおねだりはどうするんですか……!」
 そのやり取りは、あまりにも明瞭に空間中に響き渡り、ラビットバニーの耳にもしっかり届いていた。
「え……え? うそでしょ……いまどきそんなことある? 『この戦争が終わったら~なんてぶっといフラグおっ立てた結果恋人庇って恋人残して非業の死』とか……! どんだけベタ展開っ!? いまどきないでしょそんな純愛、一周回ってエモすぎぃぃぃぃ――ッ!」
 恋人たちは片や死亡、片や失意の淵。それがゆえの油断か、思う存分萌えたぎるラビットバニー。バシュゥゥゥゥンとお馴染みの音が鳴り響く。
 ――その時。
 破裂音の如き銃声が、ラビットバニーの片足を撃ち抜いた。
「――は!? え、なん……なんで!?」
 痛みよりも驚きに目を見開くラビットバニー。その視線の先には、硝煙たなびくスナイパーライフルを構えた一一の姿があった。
「あんたなんで生きてんのッ!?」
「防御手段はドアだけじゃなかったんすよ。対UC用防御壁、なんてのもありまして」
 砲撃が直撃する瞬間、一一は対UC用防御壁「エスクード」を発動させたのだ。当然、そこから先はすべてラビットバニーを謀る小芝居である。
「それに、僕には頼もしいパートナーがいるっすから!」
「……! まさか――!」
 素早く転じて忙しなく泳ぐラビットバニーの視線が、人影を捉えることはない。
 電子の迷彩を纏ったアスカは、敵の死角から照準を定めていた。
「一一を狙う砲弾を、私が撃ち漏らすはずがないのです」
 そう、一一が防ぎきれなかった砲撃は、全てアスカによって撃ち落されていたのだ。
 アスカの手より放たれた不可視の矢は、ラビットバニーの脇腹を背後から貫き、甲高い悲鳴を上げさせた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ラモート・レーパー
「絶対オマエヲ狩ッテ喰ウ……絶対オマエヲ狩ッテ喰ウ……」
イースターに使ったバニーコスに着替えて、食欲剥き出しの兎を狩る獅子のごとく全力で殺気をばら撒いて戦うよ。相手がどう抵抗しようが食べる気満々で襲いかかる気で。
自分の格好でバリア解けたら間引きの厄災の病魔に感染させて感情を高ぶる病気にしたり確実に弱らせる。
バニーコスがダメなら恐怖心をひたすら植え付けて恐怖心が高まってバリアが解けるように仕向けていくかな。
倒すことができたら一目につかないように気を付けてラビットバニーを食べる。
バニーコスをした羅刹の幼女のですか?いいえ、ヴォーパルついたりSCP524のような何かです。



 ラビットバニーは追い込まれていた。息をするように絶対無敵バリアを展開するも、脇腹を抑えながらではカンフーポーズを決める余裕もない。
「うぐ……ヤバい……ヤバイヤバイヤバイ、まじシャレになんない……っ。……うん?」
 焦るラビットバニーにゆらりゆらりと歩み寄るのは、小さな人影。
 イースターで使用したバニーのコスチュームを身に纏ったラモート・レーパー(生きた概念・f03606)である。
 思わずほっと緊張を緩ませるラビットバニー。
「なぁんだ、普通に可愛いじゃん――――!?」
 目前で一瞬にして膨れ上がった殺気に、ラビットバニーは全身を強張らせた。
 今、目の前にいるそれはバニーコスをした羅刹の幼女である。
 ――否。
 幼女のような姿をした『何か』である。
「絶対オマエヲ狩ッテ喰ウ……絶対オマエヲ狩ッテ喰ウ……」
 人ならざる執着を垂れ流しながら、ラモートはラビットバニーに飛び掛かった! 発散され続ける全力の殺気は、あたかも食欲剥き出しで兎を狩る獅子のそれ。
「絶対オマエヲ狩ッテ喰ウ……絶対オマエヲ狩ッテ喰ウ……絶対オマエヲ狩ッテ喰ウ……絶対オマエヲ狩ッテ喰ウ……絶対オマエヲ狩ッテ喰ウ……絶対オマエヲ狩ッテ喰ウ……」
「や、やべぇぇぇぇーーーっ、ノイローゼになるやつだこれーーー!?」
 ラビットバニーは襲い掛かる幼女の猛攻を、反応速度と高速移動でなんとか凌いでいくが、幼女の殺気は張り付いて離れない。執拗に迫りくる、『絶対に食べてやる』という堅い意志――
「怖い怖い怖い怖い! 『どう抵抗しようが食べる気満々で年上バニーに迫る幼女バニー』……ってアレッ。そうやって字面に起こすと百合っぽいっていうか意外とエモくない……?」
 思いがけぬ発想にたどり着いた瞬間、無情のバシュゥゥゥゥン。
「っっっあ゛ーーーーーーーもうあーしってやつはぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
 最後の砦を失ったラビットバニーは、それでもラモートの追跡を振り切りながら赤べこキャノンをぶっ放しまくった。
 爆発の向こうから、小さな呟きが切れ切れに届く。
「……役目………………の均……調停を行う」
 ――次の瞬間、異常なまでに目を見開いた幼女がラビットバニーの顔を覗き込み、妖しい吐息を吐きかけていた。
 ラビットバニーは恐怖の絶叫を上げ、滅茶苦茶に手を振り回し、幼女を容赦なく打ちのめしながら引きはがした。追撃のキャノンが幾度となく火を噴き、狂ったようにラモートを撃ち据える。何度も、何度も、花々が全て散り果てるほどに、何度も。
「……た、倒した……あ……?」
 ラビットバニーの手が震え、赤べこキャノンを取り落とした。その全身は瞬く間に不気味な紫色の斑点に侵食されていく。
 ラモートの吹きかけた吐息に込められた病魔に全身を喰い尽くされ、ラビットバニーの身体が花々に沈んだ。
 骸の海に還る彼女が最期に見たものは、這いずりながら徐々に近づいてくる、血だらけの幼女の不気味な笑顔だった……

●兎も骸の海へ
「悔、し……どうしてこんなにエモいもんがいっぱいあるかなぁ……っ。くそっ、絶対復活して、次こそはもっと……!」
 ラビットバニーの手が宙を泳ぐ。
 その手を血だらけの幼女にしっかりと握られながら、ラビットバニーもまた骸の海へと還っていった。
 ……その瞬間、ゴキリと生々しい音が鳴り、幼女が何か塊らしきものをこっそりと持ち去ったように見えた……が、猟兵たちは誰一人としてそれに気づかなかった。
 果たして次なる復活があるや否や。情勢を見極めるため、猟兵たちはシステム・フラワーズより帰還するのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月17日


挿絵イラスト