バトルオブフラワーズ⑩〜怪人の感情を揺り動かせ!
●カワイイ怪人『ラビットバニー』
キマイラフューチャーで続く戦争『バトルオブフラワーズ』。
マニアック怪人『エイプモンキー』を復活できぬほどに撃破回数を重ね、猟兵達は『システム・フラワーズ』のさらに奥を目指す。
彼らの歩く「咲き乱れる花々の空間」は「花々が集まって足場になる」のだが、それらは全て次なる怪人の元へと集まっていた。
「まじびびった! だってモンキーやられてっし!」
赤べこキャノンを担ぎ、肩や太ももを大きく露出させた色気を感じさせる女性が若干慌てた様子で、猟兵達の行く手を遮る。
大きなウサギの被り物を被ったような爆乳女のオブリビオン、カワイイ怪人『ラビットバニー』だ。
咲き乱れる花々の空間を転々と移動し、そいつは向かい来る猟兵達に応戦すべく、絶対無敵バリアを展開する。
「どんな攻撃も、あーしには全部無効なんだから。それで負けるわけなくない?」
確かに、彼女のバリアはあらゆる攻撃を無効化する力を持つ。
ただ、高度な技術を要するのか、ラビットバニーの集中を削ぐ為の手段が用意できれば、バリアを張ることができなくなるらしい。
「まーなんとかなるっしょ! アゲてくぞー!」
猟兵達はそれぞれの手段で、ラビットバニーに『エモさ』を感じさせることになる。
●絶対無敵バリアを解くカギは……エモい?
次なる『システム・フラワーズ』内部の戦いへと向かう猟兵達へ、セレイン・オランケット(エルフの聖者・f00242)が声をかける。
「エイプモンキーの討伐、お疲れ様。でも、幹部はまだ残っているわ」
説明する彼女も、手に汗を握りながら説明を行う。
現状は2人目の幹部、カワイイ怪人『ラビットバニー』を討伐せねば、先に進めない為、討伐する必要がある。
彼女は『絶対無敵バリア』に覆われており、ありとあらゆる攻撃が一切効かないという能力がある。
「でも、ラビットバニーが『エモい』ものを目撃すると、バリアは一時的に解除されるわ」
『エモい』とは、情緒的を意味する英単語「Emotional」に由来し、大きく感情を動かされることを指す俗称だ。
ラビットバニーが『エモい』と感じる基準はかなり緩いらしく、SNSで流行りそうなものはだいたい該当するらしい。
「そうね、例えば、可愛いとか、カッコいいとか。びっくりしたり、キュンときたり……などかしら」
感情を揺り動かされるモノは非常に幅が広い。
そうしたものを見せつけることができれば、ラビットバニーのバリアを突破し、ダメージを与えることができるはずだ。
「以上ね。皆の勝利を、陰ながら祈っているわ」
笑顔を浮かべ、セレインは希望する猟兵達を戦地へと送り出すのだった。
なちゅい
猟兵の皆様、こんにちは。なちゅいです。
当シナリオを目にしていただき、ありがとうございます。
キマイラフューチャーの戦争、幹部戦その2です。
今回もまた皆様の力で撃破を願います。
こちらのシナリオは、1章構成、『カワイイ怪人『ラビットバニー』』とのボス戦。
ただし、以下の特殊ルールが適用されます。
●特殊ルール
ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
最速のプレイングが届いてから、そちらが失効する前(3日以内)にリプレイを執筆いたしますが、戦争シナリオなので、10名程度の参加が確認できましたら、執筆を開始することもあります。
シナリオの運営状況はマイページ、またはツイッターでお知らせいたします。
それでは、行ってらっしゃいませ。
第1章 ボス戦
『カワイイ怪人『ラビットバニー』』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
イラスト:和狸56
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
葛乃葉・やすな
エモさを与えれば良いのじゃな。
エモと言うのがわしの年齢じゃとイマイチピンと来ぬが、セレイン殿が言うには可愛ければ良いとのこと…であれば、この世界で覚えた妹ムーブを試してみるか。
お姉ちゃん!やすなと一緒に遊ぼうよぉ!
尻尾を振りながら【コミュ力】【誘惑】【パフォーマンス】で語りかける。
とにかくラビットバニーを慕っている妹ムーブじゃ。
奴のバリアが解けたら、そこからがわしの遊びじゃよ。
UC【秘技・鬼門封じ】を使用。
術式にちょいと応用を加えて【全力魔法】【生命力吸収】のおまけ付きじゃ。
おぬしはバリアもそうじゃが、まともにやり合うには危険な実力ありと見たからのう。やり合う気は無い。動きを封じておかぬとな。
ナイ・デス
エモ……エモ……?
エモがわからないまま、きてしまいました
これでは、バリアが破れません。ふーむ
とりあえず普通に、戦います
ラビットバニーさん、私にエモさ、見出してくれますか……?
【地形の利用】花の足場から【生命力吸収】しながら【忍び足ダッシュ】
薄らと光を纏って【オーラ防御】
【視力聞き耳第六感で見切り、カウンター】で
【暗殺】急所狙い短剣刺して生命力吸収狙う
バリアに阻まれ失敗したり
身体能力の差から回避できなくてミンチ以上か以下になったり
吹き飛ばされたりなどなど失敗しても
【激痛耐性】慣れてる。これでは、死ねない、ですから
怯むことなく
『自己再生』してもう一回と頑張る少年
【恐怖を与える】……エモい、ですか?
カトリーヌ・モルトゥマール
感情を揺さぶる……自分語りは好きじゃないのだけど、私の昔話なんていいかもしれないわね。
・行動方針-POW
戦いながら私の昔話でもしようかな。
「昔、組織に改造され、ヴィランにされた女の子がいました。その子はヒーローに救い出され、憧れのヒーローに師事してヒーローになりました。でもそのヒーローはオブリビオンに殺され、女の子はひどい傷を負って姿を消し、復讐者として舞い戻りました。って、ありきたりな本当にあった話。【ゲヘナ】の秘事、特別に見せてやろう」
髑髏のマスクを外して私の左目を潰した傷口を見せ、相手が揺さぶられたならばそこにUCを放つわ。
「お前も私が裁いてやる」
・その他
アドリブや連携歓迎です。
●カワイイ怪人『ラビットバニー』
『システム・フラワーズ』内部。
先へと進む猟兵達の前に、被り物のようなウサギの頭を持つ怪人が姿を現す。
「まじびびった! だってモンキーやられてっし!」
赤べこキャノンを担いで現れたラビットバニーはすでに、鉄壁のバリアを張っていると思われる。
バリアを解く鍵は『相手にエモいと感じさせること』とのことだが……。
「エモ……エモ……? エモがわからないまま、きてしまいました」
本体を知らぬヤドリガミの少年、ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)はどうしていいのか分からないものの、事態の打開の為にと戦いの場にやってきていた。
「これでは、バリアが破れません。ふーむ」
ナイはしばし、敵を前にしてその攻略法を考える。
「エモさを与えれば良いのじゃな」
見た目は少女の妖狐、葛乃葉・やすな(子供好きの妖狐・f14023)。
ただ、こう見えて齢をかなり重ねた彼女には『エモさ』というのがいまいちピンとこない様子。
「セレイン殿が言うには、可愛ければ良いとのこと……であれば」
やすなはこの世界で覚えたという、妹ムーブを試してみようと考えていた。
そしてもう1人。整ったスタイルが直に分かる黒いコスチュームを纏い、顔の半分が隠れる髑髏のマスクを被った女性。
「感情を揺さぶる……」
ヒーローネーム【ゲヘナ】を名乗るカトリーヌ・モルトゥマール(ゲヘナ・f16761)はエモさを感じさせる為、やむを得ず自身の昔話を語ってみようと考えていた。
どう仕掛けるべきかと考えるメンバー達を前に、ラビットバニーが笑う。
「なら、あーしから行こうか。ぜってー負けないし!」
ラビットバニーは自信ありげに兎面の目を光らせ、カンフーモードとなって攻撃を仕掛けてきたのである。
●エモさの感じさせ方
絶対無敵バリアを全身に張り巡らせるラビットバニー。
いわゆる中国武術を織り交ぜ、敵は拳や蹴りを振るってきた。
ナイはそのまま応戦するが、目立った対策が外目で見られない状態で戦う彼女はあっという間に劣勢へと追いやられてしまう。
ラビットバニーは回し蹴りを叩きつけ、ナイを大きく突き飛ばしてしまった。
続いて、ラビットバニーが迫るはやすなだが、彼女はその見た目を生かして少女の振りをして見せる。
「お姉ちゃん! やすなと一緒に遊ぼうよぉ!」
やすなはコミュ力を使い、可愛らしい仕草で相手を誘惑しようとする。
ラビットバニーを慕う妹ムーブ。
これに、相手もかなりエモさを感じたようで。
「うわああっ、これ、超ヤバくない?」
その瞬間、ラビットバニーのバリアが解けると、すぐさま飛ばされていたはずのナイが飛び込む。
手首に収納していた短剣を相手の体へと突き出し、ナイは体力を吸収していく。
暗殺技術を駆使した一撃。胸部を刺されたラビットバニーは僅かに顔を顰めて。
「ちょっ……、まじしつこいし!」
我に返った怪人は再びバリアを展開し、兎面の瞳を赤く灯す。
今度は裏拳を叩き込み、ナイを地面へと沈めていく。
そこで、カトリーヌが相手の動きを止める為にと語り掛ける。
「昔、組織に改造され、ヴィランにされた女の子がいました」
――その少女はヒーローに救い出され、憧れのヒーローに師事して彼女もまたヒーローとなった。
ただ、ラビットバニーが攻撃の手を止めるはずもない。
相手は頭上の耳をぴこぴこ動かしながらも、両手の指先からビームを放つ。
それは花の足場を自在に操作することができ、カトリーヌの動きを封じようとしてきた。
カトリーヌはそれを避け、攻撃の機を窺いながら話の続きを口にする。
――しばらくして、師はオブリビオンに殺されてしまう。その時、ひどい傷を負って姿を消した少女は、復讐者として舞い戻ったという。
「……って、ありきたりな本当にあった話」
「……で?」
距離をとったラビットバニーが赤べこキャノンを担ぎ、命中力を重視した砲弾を発射していく。
直撃を受けてしまうカトリーヌだが、爆発を受けてなお立ちはだかる彼女は髑髏のマスクを外し、左目をつぶした傷口を見せつける。
「ま、まじ……!?」
大きく動揺したラビットバニーは思わず、その身を包むバリアを解いてしまう。
その隙にカトリーヌは顔に傷口から地獄の炎を燃え上がらせて。
「お前も私が裁いてやる。【ゲヘナ】の秘事、特別に見せてやろう」
その炎はまるで池のように大きく広がり、ラビットバニーの体を包み込む。
さらに、倒れたはずのナイが再度、近寄る。
彼女は足元の花々の生命力を吸収し、倒れぬようにしていたのだ。
何度倒れても、起き上がってくるナイ。
「慣れてる。これでは、死ねない、ですから」
「まじヤバいんだけど!」
砲弾を発射し、直撃を食らわせたラビットバニー。
だが、薄っすらと全身に光を纏い、できる限り爆破の衝撃を抑えたナイは激痛にも耐えてみせて。
「ラビットバニーさん、私にエモさ、見出してくれますか……?」
「!?」
自己再生し、何度も何度も起き上がってくるナイの姿は、あまりに衝撃的だ。
「ひっ……!」
その僅かな隙。バリアが解けたタイミングで、ナイは敵の体をナイフで傷つけ、体力を回復させようとする。
やすなも、ここが仕掛けるタイミングとユーベルコードを使う。
「わしの奥の手! 秘技・鬼門封じ!!」
右手から妖力波を放ち、やすなは一時的にラビットバニーの動きを封じようとする。
「おぬしはバリアもそうじゃが、まともにやり合うには危険な実力ありと見たからのう」
だからこそ、やすなは直接やり合う気はない。
ただ、全力で使う魔法の術式にアレンジを加え、徐々に敵の生命力を奪っていく。
その機を見て、カトリーヌも仕掛ける。
「永遠の刑罰を受けよ」
再度、傷口から炎を浴びせかけていくカトリーヌ。
ただ、その連携攻撃も、ラビットバニーを倒すには至らない。
再びバリアを全身に包んだ敵は、全身をバリアに包んで動き出す。
「もー、隙は見せねーし!」
さすがに、エモいと感じるほどの衝撃は、長く続かない。
カンフーを使い、ラビットバニーは渾身の力でナイを殴りつけ、今度こそ昏倒させる。
さらに、自身を縛り付けようとしたやすなを逆に花の足場によって動きを止め、カトリーヌを強く蹴り飛ばして気絶させてしまった。
「まじ、びびったんだけど!」
多少傷を負ってはいたラビットバニーだが、致命傷には至っていない。
一息つくウサギ頭の女怪人は、さらなる猟兵の来訪を待つのである。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
テラ・ウィンディア
エモいってのはよく解らないんだよなぁ
取りあえず…前の戦いでさせられた格好してみるか
という訳で…全身フリルとかファーとかつけてポニーテールも両サイドでドーナツに巻かれてまさに羊さんなもこもこスタイル
見た感じとっても動きにくそう
対先制攻撃
ふわもこバリアー!
この絶対障壁破れるなら破ってみろ!(攻撃力重視を誘い)
瞬間【見切り・第六感・戦闘知識・残像・空中戦】全てを駆使して全力の回避!
避け切れない時でも致命を避けるよう身をずらし最悪腕の一本を犠牲に!(尚、もこもこは即パージ)
全てにおいて勝てないならせめて根性ぐらいは勝てないとなぁっ!
メテオブラストで全力の反撃を行う
【踏み付け】を添えての全霊を叩き込みに
セシィ・ソルビー
ハーイ!エモの伝道師セシィちゃん登☆場!!
エモいと言えばやっぱり超アイドルのセシィちゃんだね☆
◆超エモエモダンス踊ってみた
アイドル活動で鍛えた【パフォーマンス】【存在感】【ダンス】で超エモエモダンスだよ!【歌唱】で歌も口ずさんじゃおうかな☆アイドルが目の前で踊るだけでも十分エモいと思うけど…。
でも本当の狙いはここから、セシィちゃんのUC【超ドジっ子アイドル】でダンス中にコケちゃおう。
ドジっ子アピールと同時にセシィちゃんのパンツが怪人ちゃんに見えるように倒れて【誘惑】だよ!
ここまでくればもうセシィちゃんのペースだね☆怪人ちゃんがセシィちゃんに見惚れているうちに背後から機械兵器で攻撃だー!
露木・鬼燈
…エモいってなに?
ふむふむ。
何となくふわっとした感じで分かったっぽい!
秘伝忍法<凶>でムカデを召喚。
BGMやエフェクトの投影で戦闘を盛り上げるのです。
カッコいい近接格闘ってエモくない?
それにムカデは単なる盛り上げ要員ではない!
カメラやセンサーなどで捉えた映像やデータ。
それをサイバーアイへ転送しているのです。
これなら十分に対応できるはず。
そしてバリアが解除されたらチャンス。
スピーカーと投影機を非致死性兵器モードに移行。
音と光で幻覚や眩暈、嘔吐感、平衡感覚の喪失などを与えるです。
そこにレーザー機銃の掃射を浴びせればイケルイケル!
機銃掃射以外は僕も巻き込まれるっぽい。
でも勝利のためなら仕方ないねっ!
●続・エモさの感じさせ方
続いてやってきた3人の猟兵達。
緩い印象を抱かせる露木・鬼燈(竜喰・f01316)は敵の情報を確認して。
「……エモいってなに?」
首を傾げる鬼燈の姿は女性らしさも感じさせるが、立派な男の子である。
「エモいってのは、よく解らないんだよなぁ」
黒髪のエルフ少女、テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)もいまいちピンと来ていない様子ではあったが、とりあえず見た目で勝負することに。
前に戦いで誰かにさせられた格好とのことだが、全身フリルにファーをつけ、髪型は両サイドで三つ編みドーナツに。
まさに、見た目は羊さんなもこもこスタイル。ただ、可愛い反面、テラ本人はかなり動きづらそうだ。
「ハーイ! エモの伝道師セシィちゃん登☆場!!」
ここぞと、自称超バーチャルアイドルのセシィ・ソルビー(超バーチャルアイドル・f17547)は登場し、エモいといえば自分のことだと胸をそらす。
そんな2人や、他戦場で戦う猟兵達の情報も手早く確認していた鬼燈はふむふむと頷いて。
「何となく、ふわっとした感じで分かったっぽい!」
そこで、待ち構えるラビットバニーの元へと、メンバー達は駆け出していく。
ラビットバニーは落ち着いた様子を見せていたが、猟兵達の姿を認めればすぐに集中してバリアを展開する。
「また、来たし……!」
ただ、やってきた猟兵達は見た目からエモさを感じさせる作戦なメンバーばかり。
相手が先んじてカンフーモードの攻撃を仕掛けてくるなら、テラはその見た目を生かして。
「ふわもこバリアー! この絶対障壁、破れるなら破ってみろ!」
「あうっ、エモい……」
その可愛らしさにラビットバニーは攻撃がおろそかになってしまう。
テラは余裕をもって相手の拳や蹴りを見切り、残像を使って避けて見せる。
間髪入れずセシィも仕掛け、この場でステップを踏み始めた。
「超エモエモダンス、いくよ~☆」
配信も行う彼女なら、その配信枠のタイトルを『超エモエモダンス踊ってみた』としていたことだろう。
アイドル活動で鍛えたダンスは躍動感があり、見る者を惹きつける。
「いい感じじゃん」
ラビットバニーもそれに見とれ、食い入るように見つめていたようだ。
さらに、鬼燈はこの場でユーベルコードを使って。
「秘伝忍法、凶。こいつはなかなか凶悪っぽい!」
花々の上へと召喚したムカデで、鬼燈はバリアが解けたラビットバニーへと仕掛ける。
ただ、突撃し、襲い掛かって攻撃するだけではない。
鬼燈はスピーカーでBGMを、そして、投影機でムカデに影などエフェクトをつけて大いに戦闘を盛り上げ、臨場感をかもし出す。
さながら、それは演劇を行う舞台の演出を思わせた。
「カッコいい近接格闘って、エモくない?」
「まじいかすじゃん!」
バリアこそ解けてはいたが、交戦し、四肢を使ってダメージを防ぐラビットバニーもその場の空気に血を滾らせる。
敵が鬼燈に気を取られている隙を見て、もこもこをパージしたテラが敵の腕をつかみ、地面へと叩きつけようとした。
「全てにおいて勝てないなら、せめて根性ぐらいは勝てないとなぁっ!」
「ああああっ!!」
腕の筋を痛めた敵は苦痛に呻きつつ、再びバリアを展開しようとする。
だが、踊っていたセシィが唐突に、体勢を崩してしまって。
「うわわっ☆」
思いっきり花々の上へとこけて、ドジっ子アピールするセシィ。
ちらりと見えてしまうスカートの中身に魅せられてしまい、ラビットバニーは思わずほんわかしてしまう。
ちなみに、見せても大丈夫な見せパンである、一応。
「ああ、滅茶苦茶エモくね……?」
ガバガバすぎる怪人の感情はさておき、こうなれば、セシィのペース。
ただ転んだだけでなく、相手の背後へと回り込むよう計算していたセシィは展開した花の形をした機械兵器から、全力で攻撃を浴びせかけていく。
「あううっ、ちょっとやばくね?」
劣勢を感じるラビットバニーへ、鬼燈も負けじと仕掛ける。
演出として使うムカデは単なる盛り上げ要因ではなく、カメラやセンサーなどで捉えた映像などのデータはサイバーアイへと転送し、情報を知覚していた。
また、スピーカーや投影機を攻撃の為に利用し、非致死性兵器モードへと移行すると、それによって発する音や光は、相手に違和感を与えて。
「……なんかきしょいんだけど」
幻覚を見せつけることで、めまい、吐き気、平衡感覚を消失させてしまうのだ。
「ちょっと巻き込まれるっぽいけど、イケルイケル!」
多少、鬼燈にもその影響は出てしまうが、勝利の為にはと気力を振り絞ってレーザー機銃を掃射し、ラビットバニーの体を撃ち抜いていく。
そして、トドメに、テラが高く跳び上がって。
「星よ……世界よ……流星の力を我が身に宿せ……! 今こそ我が身、一筋の流星とならん……」
全身全霊を込め、テラはラビットバニー目掛けて落下していく。
「メテオ・ブラスト……受けろぉ!!!」
その大きなウサギ頭へと、彼女は強烈な踵での一撃を食らわせた。
「ああああああああああっ!!」
これには溜まらず、ラビットバニーも悶え苦しむ。
抵抗する力を失ってしまったのか、やがて女怪人は力なく倒れ込み、この場から消えてしまった。
また1人、怪人を討伐した猟兵達。
エモいという感情について学んだ彼らは、次なる戦場に向かって歩き出すのである。
大成功
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