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バトルオブフラワーズ⑩〜感動をここに

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #ラビットバニー

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「皆様お疲れ様でした。無事第一関門突破です」
 そう言って猟兵たちを迎えたのはアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)だった。いつものメイド服に身を包み無表情だが気分が高揚している様子のアマータは続ける。
「次なる第ニの関門は、カワイイ怪人『ラビットバニー』が守っています。システム・フラワーズの内部の「咲き乱れる花々の足場」はラビットバニーに集中しており、彼女を倒さないと先に進めません。
 ラビットバニーは同時に一体しか存在しませんが、彼女は『絶対無敵バリア』に覆われており、ありとあらゆる攻撃が一切効きません。が、このバリアは、ラビットバニーが「エモい」ものを目撃すると一時的に解除されます。
 ラビットバニーが「エモい」と感じる基準はかなりユルいです。かわいさ、男らしさ、おもしろさ、血だらけで立ち上がる様子、突然のパンチラ、イケメンの壁ドン、水を吐き出すフグなど、ようするに「SNSではやりそうなやつ」はだいたいエモいと感じ、それを目撃するとバリアが解除されてしまいます。最強能力なので制限が厳しいのでしょう、多分」
 と早口に語るアマータ。どうやらタブレットに事前に文章を打ち込みそれを読み上げたらしい。
「エモい、つまり感情を揺さぶるものを見せつければよいのです。皆様でしたら簡単でしょう?そう当機は信じております」
 最後にカーテシーをしてアマータは一言。
「それでは皆様の感所揺さぶるお姿、しかと拝見させていただきたいと思います。それではいってらっしゃいませ」
 アマータは転移を開始した。


灰色幽霊
 どうも、灰色幽霊です。
 ようやく第二関門ですね。
 今回の相手はカワイイ怪人『ラビットバニー』、とりあえずエモいことをしないと攻撃が通りません。エモいことしてください。

 以下注意書きです。
 ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
 絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
 ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。

 注意事項などはMSページをご確認ください。
 それでは皆様のエモいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『カワイイ怪人『ラビットバニー』』

POW   :    赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:和狸56

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フロッシュ・フェローチェス
絶対無敵バリアー?知った事か、ならありったけの速度を持ってぶっ潰すだけだ。

UC発動……此処から止まらないし止まる気も無い。
間に合わない事は分かってる。だからこそダッシュからの先制攻撃はそのまま叩き込む。
残像による惑わしを捨てろ、己すら攻撃を視認できない程の早業を叩き込め。

血を吹く、赤が噴き出る、紅が流れ出る――だからどうした。
限界以上に至らずして何が神速だ……何が最速を目指すモノだ。激痛への耐性を過信するな、全精神力を持って押さえ付けろ。
弱音を踏みつけろ。
殴れ、蹴れ、二回攻撃も遅いとばかりの早業を持って!

右眼から赫が飛ぶ――無視しろ。
視界に白が混じる――知った事か。
神速へ至れ……突き破れぇ!!



●『神速』と呼ばれるモノ

「はーモンキーやられてっし。あーしの出番速くない?」
 第一の関門を抜けた猟兵たちの前に現れたのはカワイイ怪人『ラビットバニー』。第二の関門たる彼女を超えなければこの先へは進めない。
「まー、あーしの絶対無敵バリアがあればモンキー以外には負けないっしょ」
 そんな慢心を抱えたラビットバニーと一番最初に対峙するのはフロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)。ラビットバニーを目視したその瞬間、フロッシュは【碧血暴速】を発動しその異形たる右眼からヒスイの電流が迸りフロッシュの持てるすべてを強化する。
「流れ出る血も蝕む痛みも、今だけは彼方において。――ただ速く、もっと速く……!」
「……」
 その光景を眺めていたラビットバニーは何か言いたそうな表情をしていたがラビットバニー自身もまたフロッシュに呼応するが如く【うさちゃんカンフー】を発動しその身体の周囲を絶対無敵バリアが覆い隠し頭に被る兎面の目が輝きうさちゃんカンフーモードへと変身する。
「そこからどう動いてくれんの? かもーん」
 くいくい、とフロッシュを挑発するラビットバニー。

 ―――その瞬間、フロッシュは音を置き去りにし己すら視認できない速度でラビットバニーへと突貫する。

「……それはエモくないっしょ」
 しかしうさちゃんカンフーモードのラビットバニーの反応速度、そしてその身を守る絶対無敵バリアがフロッシュの拳を、脚を、殴打を、蹴りを全てを防いでしまう。
「――だからどうした」
 【碧血暴速】の代償と絶対無敵バリアを攻撃し続けた代償がフロッシュの身体の至る所から溢れ出る鮮血となり周囲を紅に染める。
「――だからどうしたッ!!!」
 だがそれでもフロッシュは止まらない。どれだけの痛みがその身体を苛もうとその速度は全くと言っていいほど落ちはしない。視界は逆に白く染まり右眼からは赫が飛ぶ。
「神速へ至れ……突き破れぇ!!」
 ボロボロのフロッシュの拳が絶対無敵バリアへと突き刺さった。

「うーん、エモい! 熱くてよき!」
 その光景を見たラビットバニーはフロッシュの夢へと賭ける熱さにその心を動かされ絶対無敵バリアは消滅する。
「でもあと一歩足りないんだよねー」
 そう、バリアは消滅した。しかしラビットバニー自体はまだ無傷なのだ。それに対してフロッシュは既に満身創痍。お互いに超反応と超スピード。しかし片や無傷で片や満身創痍。
 この時点で結果は見えていた。
「また出直して来た方がいいんじゃない?」
 ラビットバニーの崩拳がフロッシュの腹部へ無慈悲に叩きこまれその身体は大きく後方へ吹き飛ばされてしまう。
「うーん、なかなか良きエモだったっしょ。ってあれ?ちょっと切れてっし」

 神速を目指す少女の拳は兎の頬を掠めたのみ。
 猟兵の兎狩りはまだ始まったばかり……。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

ふむふむ。エモく、ねぇ。
見栄え良くアピールすればいい、って事かな?
それじゃこんな演出で行ってみようかね?

まずは定食屋の出前姿に『変装』して登場さ。
もちろんカブも岡持ち&安定器。
これじゃあエモさのエの字もないよな。
だがこっからさ!バニーがカンフーを仕掛けてきたら
『グラップル』で受けつつ『早着替え』!
即座に笠を被ったアオザイ姿になって攻撃を跳ね除け、
不敵な表情で笠を放り投げてサイキックの紫電を周囲に迸らせる!
どうだい、シビれたか?と流し目の一つでもくれてやろうかね。

ちなみに紫電は演出の意味だけでもないよ。
そこから聖句を紡ぎあげ、
【黄泉送る檻】をぶち込もうじゃないの!



●サイキック一丁お待ち!

「ふーん、なかなかエモじゃん」
 エモい動画を漁るラビットバニーの元へ次に現れたのは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)。
「……は?」
 しかしその姿はエモさと程遠く定食屋の出前姿。それに加え跨るスクーターの後部には岡持ちと安定期。どう見ても往年の出前姿だった。
「ぜっんぜんエモくないんですけど!」
 多喜のエモくなさに激昂したラビットバニーは【うさちゃんカンフー】を発動し兎面をの目を光らせ多喜の元へと駆けだす。
「ていっ!」
 その裏拳はうさちゃんカンフーモードとなったラビットバニーの驚異的なスピードと共に多喜の顔面を狙う。エモくなさへの苛立ちを込めたその拳は確かに多喜の頬へ吸い込まれたかのように見えた。
「たしかにこれじゃあエモさの欠片もないよな」
 しかしその拳は寸前の所で多喜に掴まれ静止していた。驚異的なスピードから放たれる攻撃でもあらかじめ待ちかまえておけば受け止めるくらいのことはできる。それでも間一髪ではあったが。
「だがこっからさ!」
 多喜が自身の出前服に手をかけそれを脱ぎ捨てるとそこにあったのは蓮の花があしらわれた白いアオザイ。そして拳を掴む手と逆の手には何処からともなく取り出した笠が一つ。
「は、早着替え? それもアオザイって……」
 多喜の早着替えは確実にラビットバニーの動揺を誘っていた。しかし多喜の攻撃はまだ始まってすらいない。不敵な笑みで多喜は笠を頭上へと放り投げる。それと共に周囲を迸るサイキックの紫電。思わずラビットバニーは攻撃の気配を感じ取り飛び退くがそれも多喜の想定内。飛び退いたラビットバニーへ流し眼を一つ。
「どうだい、シビれたか?」
「はぅ! エ、エモい……」
 迸る紫電はラビットバニーに当たることはなくダメージを与えることはできなかったが演出としては十分だった。最後の多喜の流し眼をトリガーに胸を抑えるラビットバニーを覆い隠していた絶対無敵バリアは跡形もなく消え去った。
「今だ! ashes to ashes,dust to dust,past to past...収束せよ、サイキネティック・プリズン!」
 その隙を見逃さず紡がれる多喜の聖句。それによりラビットバニーの周囲に巡らせていた紫電が別の形を為し完成したのはサイキックブラストの檻。
「や、やばくない!?」
「シビれるのはこっからだったね」
 檻から放たれる高圧電流がラビットバニーの身体を焼き焦がす。
 しかしラビットバニーもただでは終わらない。感電し動きの鈍る身体を無理やり動かし比較的電流が薄い箇所を狙い拳を叩きこみそのままこの戦場から離れていく。
「ま、まだ負けてないっしょー!」
「続きは他にまかせるかねぇ」

 念動力の紫電は兎の身を焼き焦がす。

成功 🔵​🔵​🔴​

イデアール・モラクス
クク…ならば見せてやろう、最高にアガるエモさをなぁ!

・行動
「無敵の防壁、破らせてもらう!」
UC【魔導覚醒】を『高速詠唱』で行使。
本気モードになり、魔導防壁を纏いながら空を【短いスカートで舞うように】縦横無尽に飛翔する事で【チラチラと黒レースの下着をパンチラ】して『誘惑』しエモさを演出しバリアを解除。
「私に見惚れるがいい!」
飛翔する事で足場操作を無力化しつつ、両手から次々と『全力魔法』の力で威力を増した『属性攻撃』魔法【風の刃、聖なる光線、闇の球体、炎弾、氷の槍、足元から隆起する石の棘】を無詠唱連射、圧倒的弾幕の『範囲攻撃』と成して飽和攻撃をかける。
「クク…ハハ、アーハッハッハ!」

※アドリブ歓迎



●チラリズムとヴァンダリズム

「無敵の防壁、破らせてらもう!」
 痺れる身体をなんとか動かし逃げ出したラビットバニーの前に次に現れたのはイデアール・モラクス(暴虐の魔女・f04845)。
「はぁ? アンタ誰だし!」
 出会いがしらに【おはなハッキング】を放ち自身の身体を絶対無敵バリアで覆った後に指先からシステム・フラワーズ制御ビームを放ちイデアールの足場を崩そうを目論むラビットバニー。しかし魔女にそんなモノは聞くわけがない。
「私の本気を見せてやる、光栄に思えよ?」
 【魔道覚醒】を発動し本気モードへと変身するイデアール。この姿であれば溢れ出る魔力を操作することで空中を自由自在に浮遊できる。つまり足場が崩壊しようと関係ないのだ。
 そのまま魔道障壁を纏いラビットバニーの頭上を飛び回り機を伺うイデアール。しかしイデアールの短いスカートで空を飛びまわればどうなるか。それはそう。
「み、みえ……」
 イデアールの真下に位置するラビットバニーからはイデアールの身につけている扇情的な黒レースの下着がチラチラと見えていた。モロ出しではなくチラリズム。それがエロさではなくエモさを生む。
「見えたり見えなかったり……それでいてたまに見えたり…エモい……」
「私に見惚れるがいい!」
 ふと気がつくとラビットバニーの絶対無敵バリアは消えていた。イデアールのパンチラが気になり過ぎて集中が乱れたのだろう。つまり今が好機。イデアールの周囲に魔力が収束する。
 イデアールの両手から放たれるのは溢れ出る魔力の全てが込められた全力の魔法。
 風の刃が切り刻み。
 聖なる光線が貫き。
 闇の球体が押しつぶし。
 炎弾が焼き焦がす。
 氷の槍が凍てつかせ。
 足元から隆起する石の棘がラビットバニーの身体を吹き飛ばす。
 この怒涛の圧倒的弾幕の飽和攻撃の前に絶対無敵バリアを失ったラビットバニーはなんとか花の足場でその身を守るが全てを守り切れる訳もなく暴虐の魔法に呑みこまれる。
 花弁が消える頃にはラビットバニーの姿はなくかった。魔法の合間を縫ってなんとか逃げ出したのだろう。しかしダメージは十分過ぎるほど与えていた。あとは他の猟兵に任せればいいだろう。

「クク…ハハ、アーハッハッハ!」
 戦場には暴虐の魔女の笑い声が木霊する。

 魔女の兎狩りは難なく終わる。圧倒的なまでの暴虐の嵐によって。

成功 🔵​🔵​🔴​

短夜・いろは
絶対無敵バリアだと!? バカな、私はそんなモンの対抗手段なんてもってねーぜ!
クソッ……。攻撃手段が封じられたら私は戦うこともできねーのかよ……。
悪いね…ヘボ猟兵で……。

だが…アートだけは一流だってトコを見せてやるぜ…!!
グレネードランチャーで奴の操る花弁を更に【パステルカラー】に染めてやる!
クソっ…フルパワーだぜ!!! 信じらんねぇ!!
私の人生は晴れ時々大荒れ…いいね、いい人生だよ!!
くっ、花びらを…花びらを拾うんだ…!! 押されてる……分かってる…。グレネードランチャーも限界に近い…。
諦めんな! 猟兵だろ、シックスイェーガーだろ!!
染まれ! 染まらんかーッ!!
ラビットバニー!! 今何エモ!?



●それは当人のみぞ知る

「やばみやばみ……」
 度重なる猟兵たちの攻撃にさらされダメージの蓄積を隠せないラビットバニー。花の足場を進む足取りは重くエモい想い出を思い起こしながらなんとか先へと進む。
「で、やっぱ邪魔する奴がいんだよねー」
 そんなラビットバニーの前に現れたのは短夜・いろは(やさぐれスプラトゥーン・f15837)。猟兵が前にいるのならばラビットバニーに戦う以外の選択肢は残されていない。【おはなハッキング】を放ち絶対無敵バリアに身を包んだラビットバニーはいろはへ向けて周囲の足場の花たちを操りいろはの元へと押し流す。
「流されちゃえー!」
 相対するいろはもまた自身の手札のなさを嘆いていた。
(絶対無敵バリアだと!? バカな、私はそんなモンの対抗手段なんてもってねーぜ!)
 もとよりいろははアートに生きる猟兵。それもユーベルコードに依存するタイプのいろははラビットバニーと相性が悪かった。
(クソッ……。攻撃手段が封じられたら私は戦うこともできねーのかよ……。悪いね…ヘボ猟兵で……)
 だがそれでもいろははまだ諦めていなかった。アートしかないのなら最後までアートを見せる。
「だが…アートだけは一流だってトコを見せてやるぜ…!!」
 『グラフィティランチャー』をその肩に背負いラビットバニーの操る花弁をさらにパステルカラーに染めるべくカラーボールを射出しつづけるいろは。
「なに無駄なことやってんの?」
 無駄かどうかなどいろはには関係ない。ただ今はアートを。一心不乱にアートをし続けるのみ。
「クソっ…フルパワーだぜ!!! 信じらんねぇ!!」
 いくら連射しても花弁の量には勝てず染まりきることはない。だがそれでも少しずつ色は変わっていく。
「私の人生は晴れ時々大荒れ…いいね、いい人生だよ!!」
 花弁は少しずついろはの元へ迫って来る。色を少しずつ変えて。
「くっ、花びらを…花びらを拾うんだ…!! 押されてる……分かってる…。グレネードランチャーも限界に近い…」
 可動限界を超えた『グラフィティランチャー』は時折不穏な音をたてながらそれでもまだカラーボールを射出し続ける。少しでも多く色をつけるために。
「諦めんな! 猟兵だろ、シックスイェーガーだろ!! 染まれ! 染まらんかーッ!!」
 どんなに大量の花弁を前にしても折れることなく色をつけ続けアートを続けるいろは。
「―――」
 それを見続けていたラビットバニーの心の中にはある感情が生まれていた。

 誰かが一心不乱に何かに打ち込む姿を見て心を動かされること。それを『感動』という。

 心動かされたラビットバニーの周囲を追おう絶対無敵バリアは消えていた。そして花弁の操作もまた一瞬だけ誤る。しかしその一瞬で十分だった。
「ラビットバニー!! 今何エモ!?」
 その一瞬でいろはのアートは完成した。否、正確には完成はしていない。だが未完成だからこそ完成する物もある。
「完成していない、しないアート…エモい……」
 圧倒的なまでのエモみを受けてラビットバニーは鼻から大量出血しながら卒倒した。

 アーティストは兎を感動させその心に芸術を焼き付けた。

成功 🔵​🔵​🔴​

メンカル・プルモーサ
……エモ……い?どういうことだろう……
…バリアはともかく……制御ビームを打って花の足場を操るなら……
箒に乗ってすばやく離脱…花を操るにしても空中戦で対処したほうが地上にいるよりは楽になる……
(この際、箒に横乗りで、無表情に広がりそうなスカートを抑えます。エモいポイント。)
あとは…三角帽子かぶってより魔女っぽく…で、エモいのかな…
(これでいいのかな?という顔と視線。微妙にずれてる。エモいポイント)
……バリアが破れたら【尽きる事なき暴食の大火】で花を焼いて防御をしつつ、そのまま花を伝って延焼させるぶんと直接当てる分の二段構えの攻撃でラビットバニーに仕掛けるよ……



●ズレた魔女っ子はだいぶエモい

「な、なんなの!? 猟兵ってエモさの塊か何か!?」
 流れ出る鼻血を拭いながらラビットバニーは立ち上がる。パステルカラーに染まっている以外はなんの変哲もないいつもの花の足場。そこに次に現れたのはメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。これまでの教訓からラビットバニーは速攻で【おはなハッキング】を発動しメンカルの足場を崩そうと目論む。
 だが魔女っ子にはこれがある。メンカルは即座に『飛行式箒【リントブルム】』に跨り崩れる足場からそのまま空へ。横乗りで空へと飛びあがったメンカルは表情こそ変えないがしきりに風で広がりそうなスカートを抑える。
「は?」
 それに加え何処からか取り出した三角帽子を被り魔女っ子度アップ。
「は??」
 これがエモいのかな?と伺う様な目線でラビットバニーの方をちらちら。
「は???」
 この一連の動作がラビットバニーの琴線にクリーンヒットして色々吹き飛ばした。
「魔女っ子のエモみで世界がヤバい!」
 例に盛れずメンカルの魔女っ子具合に魅了されたラビットバニーは絶対無敵バリアの維持などできるはずもなくあったのかすらわからないそのバリアは消えていた。
 それを確認したメンカルは空を飛びまわり追って来る花弁から逃げながら詠唱を開始する。
「貪欲なる炎よ、灯れ、喰らえ。汝は焦熱、汝は劫火。魔女が望むは灼熱をも焼く終なる焔」
 生み出されるのは如何なる存在も燃料にする白色の炎。その白色の炎は二手に分かれ片や迫る花弁へ、片や直接ラビットバニーの元へ。
 連なる花弁を延焼させながら白色の炎はラビットバニーの元へ進んでいく。それと同時に直接ラビットバニーを狙う炎もまた迫っていく。
「エモいのはウェルカムだけど熱いのはノーサンキューだし!」
 花弁を操作し防御を試みるラビットバニーだが花弁ではこの白色の炎の燃料にしかならない。しかしそれでもそれ以外に絶対無敵バリアを破られたラビットバニーに取れる手段は残っていなかった。
 花弁をすべてと自らを合わせ白色の炎は大きく燃え上がりラビットバニーを呑み込んでいく。
「……結局エモいってどういうことだろう……」
 炎が収まった時そこにラビットバニーの姿はなく燃え尽きる前になんとか逃げ出したようだった。
「……あとは他の誰かに」
 三角帽子をかぶり直し箒に跨る魔女は戦場を後にした。

 魔女の炎は花弁を焼き兎を焦がす。

成功 🔵​🔵​🔴​

喰龍・鉋
*ほか猟兵との連携アドリブ歓迎
INARIの鎧をかなりエモく攻撃力重視で蒸着するよ!
攻撃を受けながらでも【激痛耐性】で表情一つ変えず耐えながら
何かが始まるんじゃないかと言う圧をバニーに掛け続けて
妖狐の旦那からぼんやり教わった御神楽をそれっぽく舞いつつ
紫色のオーラを放つ札から生成した鎧を、
体の部位一つ一つ丁寧に仰々しく装着して行き
徐々に徐々にラビットバニーへ近づいて
最後に狐型のヘッドギアを装着したら、
変身ヒーローの決めポーズっぽいのを目の前で取って
「ボクは死なない!あの人がくれた力が守ってくれている限り!」
と決め台詞まで述べたら精神的に動揺してるところを
力のすべてを載せた一撃で思いっ切り叩っ斬る!



●我慢はヒーローの特権

「もー!もー!もぉーーー!」
 激昂しながら花の足場を駆け抜けるラビットバニー。既にその身体は度重なる猟兵のエモさにより多大なダメージを受けていた。それもこれも猟兵が悪い。そう自分に言い聞かせラビットバニーは脱兎のごとく駆け続ける。
そんなラビットバニーの前に現れたのは喰龍・鉋(楽天家の呪われた黒騎士・f01859)。しかし鉋は未だ丸腰。それにもかかわらず腕を組みラビットバニーを待ちかまえていた。
「どけ!」
 【赤べこキャノン】を発動し絶対無敵バリアに身を包みその砲身を鉋へと向け最初の一発を放つ。
「……」
 爆炎に呑みこまれる鉋だったが微動だにせずその場に仁王立ちを続けていた。鉋自身何かをしているわけではない。だが何かをしそうなオーラは感じる。それを無視できないラビットバニーは赤べこキャノンを連射する。
「くんな!こっちくんな!」
 連射に伴い鉋はゆっくりと歩き出す。迫る砲弾は愛する夫からほんの少しだけ教わった神楽舞を舞いながら避けていく。もちろんそんな物ですべて避けきれるはずもなく。爆炎は鉋の肌を焼きかすった砲弾は痣を作る。そしてゆっくりを歩を進めながら鉋は【符術鎧【INARI】詠唱、生成、装着】を発動し鉋自身の歩みと連動しその鎧は形作られていく。
「くんなって言ってんでしょ!」
 放たれた砲弾は鉋の右肩に直撃する。しかし鉋は表情一つ変えずそのまま歩を進める。もちろんダメージがないわけではない。ただ我慢しているだけだ。右足に鎧が形成される。
「なんで効かないのよ!」
 効いてはいるのだが表情一つ変えない鉋からラビットバニーはそんなことすら読みとれず赤ベコキャノンを乱射する。左足に鎧が形成される。

 攻撃に怯まず進み続ける鉋にラビットバニーは恐怖ではなくまた別の感情を抱き始めてた。上半身に鎧が形成される。
「あ、あんたは……」
 最後に残った頭部を守る狐型のヘッドギアが鉋の手元に現れ鉋はそれをそのまま装着する。
「ボクは死なない!あの人がくれた力が守ってくれている限り!」
 決めポーズと共に宣言されたこの台詞に呼応するように鉋の手に『大五郎』が出現する。
「どんな時も顔色一つ変えずに敵に向かってくるなんてまるでヒーローじゃない……」
 ラビットバニーが抱いた感情に名前は『憧憬』。憧れに揺さぶられた心は絶対無敵バリアを維持できず消失する。
 そこへ振りかざされる『大五郎』。鉋の持てる力の全てが込められた一撃がラビットバニーを両断した。

 黒騎士の剣は兎を両断し戦場に終焉をもたらす。



 こうして猟兵たちの活躍によりこの戦場のラビットバニーは討伐された。
 しかしまだ戦争は終わりではない。次なる戦場が猟兵を待つ。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月12日


挿絵イラスト