バトルオブフラワーズ⑦~世界に響く猟兵の歌
「キマイラフューチャーで起きていること……については、皆様ご存知だと思います。有力敵への道を開き続けるために、アカネに力をお貸しくださいませ」
グリモアベースに飛び込んできたアカネ・リアーブル(とびはねうさぎ・f05355)は、集まった猟兵達に向かい合った。
アカネが道を開いたのは、6つのザ・ステージの一つ『ザ・サウンドステージ』
ここには『コウハクウタガッセン』という特殊戦闘ルールがあり、歌いながら戦えば戦闘能力が向上すると共にダメージを受けても倒れることなく戦闘を継続することができる。
逆に言えば、歌いながら戦わなければ不利になり、ステージから追い出されてしまうだろう。
この戦場での戦闘は、テレビウム・ロックで救出したテレビウム達の画面を通じてキマイラフューチャー中に中継されている。
猟兵達の歌とオブリビオンの歌、どちらが素晴らしいか自動判定されてしまうから、素晴らしい歌を歌わなければオブリビオン側が勝利してしまう。
「とはいえ、歌は魂。上手下手のテクニックではなく、どれだけ楽しく歌うか、どれだけ心を込めて歌うかで評価は変わってきます。気負わず背負わず肩の力を抜いて、歌いながらの戦闘をお楽しみくださいませ」
どんな気持ちで、どんな歌を、どんな風に歌うのか。
歌に合わせてどんな戦い方をするのか。
これを確かなものにすると、キマイラ達の気持ちにも伝わっていくだろう。
なお、コウハクウタガッセンに敗北した側には、それまでのダメージが一気に襲いかかって倒すことになる。
敵にダメージを与えなければ倒すことはできないので、戦闘も重要となる。
「歌いながら戦う。まるでミュージカルのようです。思い切り歌いながらのバトルをお楽しみくださいませ」
アカネはにっこり微笑むと、グリモアを発動させた。
三ノ木咲紀
オープニングを読んでくださいまして、ありがとうございます。
マスターの三ノ木咲紀です。
なんだか一日ぽっかりと時間が空いてしまったので、セルフリアルタイム執筆をさせていただきます。
5月12日の12時から18時くらいまではパソコンの前にいますので、受け付けましたら順に執筆させていただきます。
18時以降に受付しましたプレイングは、翌日以降の公開となる可能性があります。
それでは、ウタガッセンをお楽しみください。
第1章 集団戦
『物理学トリオ』
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POW : 振り子怪人・ウェポン
【振り子兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : メトロノーム怪人・ジェノサイド
【メトロノーム攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 電源プラグ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【電源プラグ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:まめのきなこ
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
水貝・雁之助
んー、謳う、謳うねえ
和風な感じで行くかなあ?
折角だし悉平太郎を応援だねえ
三味線を【アート】な感じに【楽器演奏】し謳いながらUCで呼んだ悉平太郎を応援
【地形を利用】し時に【敵を盾にする】ように動きを支持する
昔々のその昔~ 信濃のお寺で生まれた子犬
寺の和尚に見守られ 育った犬が居たという
其の名は高き悉平太郎~ 後の猿神退治の英雄なり~
(べべん)
妖さえも其の名を畏れ 生贄を喰らう其の時に
名を出し知られるを 畏れたという
其れを知った僧に連れられて 猿神の元に赴けば
邪悪な猿神畏れ果て 彼の牙によりて討ち取られり~
村の人々笑顔になりて 彼の犬の有名語り継ぐ~
其の名は高き悉平太郎 偉大なりし勇者なり~
照明の輝く舞台に立った水貝・雁之助(おにぎり大将放浪記・f06042)は、舞台を前に腕を組んだ。
「んー、謳う、謳うねえ。和風な感じで行くかなあ?」
三味線を手にした雁之助は、舞台に上がるとべべん! と三味線をかき鳴らした。
特徴のある、軽やかで華やかな弦の音が舞台に響き渡る。照明を受けながら三味線をかき鳴らした雁之助は、朗々と歌い始めた。
「昔々のその昔~ 信濃のお寺で生まれた子犬
寺の和尚に見守られ 育った犬が居たという」
三味線と雁之助の歌に導かれるように姿を現した柴犬は、雁之助の隣でしっぽをぱたりと振った。
同時に駆け出し、雁之助と振り子怪人・ウェポンの間に割って入る。唸り声を上げながら敵を威嚇する悉平太郎の背中に、雁之助の歌が響いた。
「其の名は高き悉平太郎~ 後の猿神退治の英雄なり~」
三味線をかき鳴らしながらも、雁之助の視線は振り子怪人・ウェポンを捉えて離さない。
視線で敵を猿神になぞらえる雁之助に、振り子怪人・ウェポンは腹立たしげに歌いだした。
「ええい、俺は猿などではないわ! そんな歌はこうしてくれる!
♪右へ左へ大きく振るう~俺の名前はFU・RI・KO!」
雁之助の謳を邪魔するように現れた振り子怪人・ウェポンは、雁之助に集まる視線を遮るようにカメラの前に躍り出た.
観客の視線を独り占めした振り子怪人・ウェポンは、ロックを歌いながら振り子の弾を大きく弾く。
雁之助に向けて飛ぶ弾に、悉平太郎は鋭く動いた。
マイクスタンドを勢いよく跳ね上げ、振り子の紐を絡め取る。巻き付く紐に引っ張られた振り子怪人・ウェポンが、バランスを崩して歌を中断させた。
乱れた舞台の視線を集めるように、三味線の音がひときわ高らかにかき鳴らされた。
べべべん♪
倒れ込む振り子怪人・ウェポンを避けた悉平太郎が、雁之助の足元へと戻る。まるで僧のように悉平太郎を従えた雁之助は、三味線をかき鳴らすとバチを振り子怪人・ウェポンに向けた。
「其れを知った僧に連れられて 猿神の元に赴けば
邪悪な猿神畏れ果て 彼の牙によりて討ち取られり~」
歌に合わせて再び駆け出した悉平太郎は、バランスを崩した振り子怪人・ウェポンに牙を剥き襲いかかる。
振り子怪人・ウェポンはたまらず、振り子の弾で悉平太郎を打ち付ける。激しい攻防が続いたが、どちらがこのバトルにふさわしいかは一目瞭然だった。
「村の人々笑顔になりて 彼の犬の有名語り継ぐ~
其の名は高き悉平太郎 偉大なりし勇者なり~」
最後の節をかき鳴らし、雁之助が一礼する。
コウハクウタガッセンの舞台がどちらを選んだのかは、雁之助に向けて湧き上がる拍手が物語っていた。
大成功
🔵🔵🔵
続いて舞台に上がった電源プラグ怪人・リフレクションは、頭の電極をバリバリさせながらマイクを握った。
「歌は情熱! 歌はパッション! 歌詞はなくとも歌は歌だぜ!」
マイクを振り上げポーズを取った電源プラグ怪人・リフレクションは、頭を振りながら意味不明な歌を歌う。
他の2怪人も合わせて歌い、その意味不明ながらも心に訴えるヘヴィメタル風の歌に、キマイラ達は熱狂する。
歌は情熱、歌はパッション。
コウハクウタガッセンでは、歌詞は必須なものではないのだった。
榎木・葵桜
【サモニング・ガイスト・ジャイアント】で
巨大田中さんと一緒に歌って踊って攻撃するよ
歌はテクノポップ系
音源はデジタルオーディオプレイヤーで用意
遅ればせながらだけど気合は十分!
皆を歌に巻き込む勢いで楽しんじゃうよ!
>歌詞
ウタウタココロ、ウタココロ♪
ココロのままに歌っちゃおう♪
上手くなくっていいじゃない
ウタのココロはアナタのキモチ
ウタウタココロ、ウタココロ♪
ココロのままに歌っちゃおう♪
嬉しい、楽しい、悲しい、怒った!
アナタのキモチをコトバにしたら
それがステキなウタになる
だから一緒に歌おうよ!
あなたのココロにわきあがる
キモチをそのまま歌っちゃおう
ウタウタココロ、ウタココロ♪
ココロのままに歌っちゃおう♪
舞台袖に立った榎木・葵桜(桜舞・f06218)は、深呼吸するとすっと手を差し伸べた。
虚空に手を伸ばした葵桜は、【サモニング・ガイスト・ジャイアント】を詠唱する。葵桜の呼びかけに応じて現れた巨大な古代の戦士の霊に、葵桜は微笑んだ。
「田中さん、一緒に踊ろうよ!」
葵桜の声に応えるように、田中さんは葵桜の手を取り一緒に軽やかに躍り出た。
テクノポップ系の、軽やかで明るい音楽が舞台に響く。息のぴったり合ったダンスを披露した葵桜と田中さんは、胡蝶楽刀を手にポーズを決めた。
「ウタウタココロ、ウタココロ♪
ココロのままに歌っちゃおう♪」
明るく元気な歌声が響き、振り上げられたなぎなたが電源プラグ怪人・リフレクションのコードを切り裂く。
電源を失ったリフレクションは一人、トランス状態で歌い続けている。
観客を無視して自分の世界に浸っている怪人をよそに、葵桜は見守っているキマイラ達に歌いかけた。
「上手くなくっていいじゃない
ウタのココロはアナタのキモチ」
心地よいリズムと明るい音楽が、ステージ上に響き渡る。巨大な田中さんと一緒になぎなたを使った演舞を披露する葵桜に、キマイラ達は手拍子を送った。
聞き慣れない手拍子に、リフレクションは我に返ったように顔を上げた。
「ウタウタココロ、ウタココロ♪
ココロのままに歌っちゃおう♪」
「後から来て俺よりも目立つんじゃねぇ!」
シャウトをかましたリフレクションは、苛立ったように電源プラグを投げつけた。
踊る田中さんに命中した電源プラグが、巨大な田中さんを相殺して消える。喜びのダンスを踊るリフレクションに、葵桜はマイクを握り締めた。
「嬉しい、楽しい、悲しい、怒った!
アナタのキモチをコトバにしたら
それがステキなウタになる」
田中さんに会えて嬉しい。
一緒に戦えて楽しい。
消されてしまって悲しい。
消した怪人に怒った!
感情豊かにダンスと歌で田中さんを表現した葵桜に、キマイラ達の応援の声が飛ぶ。
消えた田中さんの姿を追いかけるように手を伸ばした葵桜は、キマイラ達にその手を差し出した。
「だから一緒に歌おうよ!」
再びの召喚に応えた田中さんが、姿を現し胡蝶楽刀を振り上げる。
再登場した田中さんに、キマイラ達が歓声を上げた。
「でかいのがまた出やがって! 俺を見ろ俺を!」
苛立ったようなリフレクションの攻撃が、鋭く葵桜に伸びる。
一緒にターンして避けた葵桜と田中さんは、見守るキマイラ達に向けて歌った。
「あなたのココロにわきあがる
キモチをそのまま歌っちゃおう」
一節歌った葵桜は、マイクをキマイラ達に向ける。
湧き上がるコール・アンド・レスポンス。
繰り返される明るいメロディは、舞台と客席を一体化していった。
「ウタウタココロ、ウタココロ♪
ココロのままに歌っちゃおう♪」
最後の歌詞と同時に放たれた攻撃に、舞台は大歓声に包まれた。
大成功
🔵🔵🔵
櫟・陽里
鼻歌まじりにのんびりと相棒を走らせ
段差なんのそのでステージへ
歌は自信ねぇけど愛は溢れる感じで
音程あるんだか無いんだかリズムに乗った語り風が精一杯
いい感じに肩の力が抜けた歌?+公開バイク整備で勝負!
リズムに合わせてパーツを磨いたり交換しながら
スパナとかの工具や交換した古チェーンで殴る
古バッテリーを投げる
バイクに乗ってどこ行こー
お買い物ならスクーター
街で乗るならストリート
荒れ地に行くならオフロード
遠くに行こうぜアメリカン
万能タイプのネイキッド
オシャレにキメるクラシック
峠を攻めろ!レースで競え!スーパースポーツ
ここで腹の底に響く様なエンジン音
整備完了出発進行!
カッコよくターン技でカメラにアピール!
カチコチカチと無言でメトロノームを鳴らすメトロノーム怪人・ジェノサイドを前に、櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)は鼻歌まじりにのんびりと相棒の宇宙バイク・ライを走らせた。
段差も気にせずステージへ上がる。カチコチカチと規則正しい音と真正面から向き合った陽里は、ライを一つ唸らせるとエンジンを止めた。
カーチェイスのような歌が始まるかと思っていたキマイラ達も、一瞬目を丸くする。感情も見せずメトロノームを鳴らし続ける怪人をよそに、陽里は整備ツールを広げた。
古いパーツを交換したり磨いたりしながら、楽しそうな歌が始まった。
「バイクに乗ってどこ行こー
お買い物ならスクーター
街で乗るならストリート」
メトロノームの音に合わせて、明るい歌がステージに響く。
音程はあるんだか無いんだか。いい感じに力が抜け、リズムに乗った語り風の歌にはバイク愛が溢れんばかりに詰め込まれていた。
メトロノーム怪人の鳴らすカチコチカチという音が、不定期に鳴らされる。歌を邪魔するようにテンポを変えるが、陽里はまるで気にしない様子で歌いながら整備を続けた。
「荒れ地に行くならオフロード
遠くに行こうぜアメリカン」
歌いながらリズムに乗り、古いパーツが次々に磨かれ、交換されていく。
気持ちよさそうなライの様子に、メトロノーム怪人は猛然とリズムを刻み始めた。
BPM500というものすごいスピードで音が鳴り響き、音波が陽里の精神を苛むように鳴り響く。
少しでも気を取られたら、音波攻撃の餌食となってしまうだろう。だが、ライの整備に熱中する陽里の耳には、メトロノームの音は聞こえていなかった。
自棄になったようにカチカチ音を鳴らし続けるメトロノーム怪人に、陽里はさすがにうるさそうに眉を潜めると交換した古バッテリーを投げつけた。
「万能タイプのネイキッド
オシャレにキメるクラシック」
カーン! といい音を立てて、バッテリーがメトロノーム怪人に直撃する。公開整備を終えた陽里は、満足そうに工具類を片付けるとライにまたがった。
「峠を攻めろ! レースで競え! スーパースポーツレーシング!」
陽里の歌に応えるように、腹の底に響くようなエンジン音が鳴り響く。
絶好調なかかり具合に満足そうな笑みを浮かべた陽里は、ヘルメットのベルトを締めるとメトロノーム怪人を指さした。
「整備完了出発進行!」
直後に響くエンジン音。【ブラック・ドーナツ】を発動させた陽里は、メトロノーム怪人に向けて猛突進を仕掛けた。
綺麗な弧を描くタイヤ跡が、メトロノーム怪人を吹き飛ばす。
カッコよくターン技を決めた陽里は、カメラに向けてビシッと親指を立てた。
大成功
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アンネリーゼ・ディンドルフ
【SPD】
●歌詞(旅団のCMソング?)
私はアンネリーゼ・ディンドルフ
エルフの森から来た歌姫です
ひょんなことからグールになっちゃって
オブリビオンを食べないと
お腹がぐーぐー鳴っちゃうの
グールですから(キリッ)
おいしいオブリビオンを求めて
「オブリビオン料理研究所」を旗揚げ
団長として活躍中です
みなさんお気軽にいらしてくださいな❤
●戦闘
「速さでは負けませんよ~」
UC発動。
相手の攻撃は超反応で【見切り】、槍での攻撃を試みる。
バトルステージに立ったアンネリーゼ・ディンドルフ(オブリビオン料理研究所の団長・f15093)は、三体同時に立つオブリビオン達を前にコルセスカマイクを振り上げた。
「振り子に電源プラグにメトロノーム……。どんな味がするんでしょうね?」
思わずにやける頬に手をやるアンネリーゼを前に、振り子怪人は頭の振り子を振り回した。
「どんな味って……食べるのか!?」
「はい。オブリビオン料理研究所の所長ですから」
真面目な顔で頷くアンネリーゼの表情に、飽くなき食への執念が満ちている。
思わずおののいた怪人たちは、それぞれの武器を手に取ると舞台へと上がった。
「食われてたまるか! いくぞお前達!」
三体まとめて舞台へ上がり、ロック調の音楽を奏で始める。始まるウタガッセンに、アンネリーゼはにっこり微笑んだ。
「歌も料理も戦闘も、負けませんよ~」
楽しそうなアンネリーゼに、電源プラグ怪人の電気コードが迫る。
波打つコードを超反応で避けたアンネリーゼは、BGMを流すとコルセスカマイクの石突へ向けて歌いだした。
「私はアンネリーゼ・ディンドルフ
エルフの森から来た歌姫です」
穂先は武器、石突はマイクになるコルセスカマイクが、円を描いて翻る。すれ違いざま電源プラグ怪人を斬りつけたアンネリーゼは、再びコルセスカマイクをマイクにすると歌い始めた。
「ひょんなことからグールになっちゃって
オブリビオンを食べないと
お腹がぐーぐー鳴っちゃうの」
Bメロを歌い上げたアンネリーゼは、高鳴る音楽がピタリと止んだ瞬間、ポーズを決めた。
「グールですから」
「グールには見えんわぁ!」
キリッとしたキメ顔に、振り子怪人・ウェポンが銀のボールを弾き飛ばして攻撃を仕掛けた。
槍に紐をまとわせた振り子怪人・ウェポンは、ここぞとばかり歌を割り込ませた。
「俺達の歌を聞けぇっ!」
舞台上に立つ三怪人は、それぞれの武器を手にカメラに向けて歌い始めた。
高らかなロックンロールの歌に、デスメタル系の曲が加わり、メトロノームが正確なリズムを刻む。
歌に熱中したメトロノーム怪人が、徐々にペースを早くしていく。それについていけない二人の怪人には気づかない様子で、メトロノーム怪人はアンネリーゼに猛烈な攻撃を繰り出した。
ものすごいスピードの音波が、アンネリーゼを直撃する。超高速連続攻撃を前にしたアンネリーゼは、お返しとばかりに【Over Drive】を発動させた。
「速さでは負けませんよ~」
超高速のカチカチ音波攻撃と、超加速モードの槍の連撃と。
すれ違いざまに放たれる攻撃。
立っていたのはアンネリーゼだった。
アンネリーゼはコルセスカマイクをマイクモードに切り替えると、振り返り歌を歌った。
「おいしいオブリビオンを求めて
「オブリビオン料理研究所」を旗揚げ」
団長として活躍中です」
歌いながらも、穂先を巧みに使った攻撃が怪人たちに迫る。
連撃を受けた怪人たちに、今まで蓄積されたダメージが一気に襲い掛かった。
「みなさんお気軽にいらしてくださいな?」
にっこり微笑んだアンネリーゼの歌声に、怪人たちの体がバラバラになりステージに散らばる。
同時に湧き上がる大歓声。キマイラ達のジャッジも、どちらが勝者かは明白だった。
キマイラ達の歓声に応えて、猟兵達が再び舞台に上がる。
アンコールに応えたアンネリーゼは、ふと足元に転がる怪人を見下ろした。
「……この怪人、どんな味がするんでしょうね?」
興味深そうに怪人を見下ろしたアンネリーゼは、にっこり微笑んだ。
大成功
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