1
バトルオブフラワーズ⑧〜ペイント陣取り合戦

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦争
🔒
#バトルオブフラワーズ


0




●ザ・ペイントステージ
「いーよっしゃー!おまえらー!ちゃんと全部塗りつぶしとけよー!」
 見た目10歳程度の少年の姿形をしたオブリビオン、『パスト・フォーサイス』がすんごいデフォルメされた見るからに雑魚っぽいイカイカ構成員に指示して壁や床をひたすら黒く塗りつぶす作業を行わせていた。
「うっしっしっし。このステージの壁や床の色が『闇のような黒色』である限り、例え猟兵がやってきても俺様への攻撃は無効化されちゃうもんねー!」
 パスト・フォーサイスは少年らしい笑みを浮かべて闇色に染まっていく街並みを見ていく。
「あー、猟兵とかこないかなー!?ここって暇なんだよなー。せっかく無敵なんだし、猟兵とも遊んでやりたいなー」
 まだまだイカの雑魚構成員の闇色染め作業は続いているというのにパストは既に飽き気味らしい。
 大きく伸びをして空を見上げているのだった。

●グリモアベース
「と言った感じの戦場になっております」
 羅刹の角を頭巾から覗かせた少女……朝倉・くしな(鬼道僧・f06448)は君たちを迎える。
「既にご存知かと思いますが、キマイラフューチャーにおける戦争『バトルオブフラワーズ』の戦場をひとつ制圧してきて頂きたいのです」
 今回、くしなが予知できたのは『ザ・ペイントステージ』。
 特別なルールが各戦場に設定されており、それに沿って戦わなければ勝つ事は愚か正面から戦う事も出来ないのである。
「今回行っていただく場所は『ヌリツブシバトル』という特殊戦闘ルールが適用されます」
 『ヌリツブシバトル』。
 このステージはキマイラフューチャーの一般的な街並みを模したステージとなっているが、既にその床や壁が『闇のような黒色』に染められてしまっている。
 この『闇のような黒色』により、猟兵のユーベルコードはオブリビオンに直接ダメージを与える事が出来ず、一方的に攻撃を受けてしまうのだという。
「その代わり、ユーベルコード或いは直接武器で床や壁を攻撃すると、上から任意の色で、周囲を塗りつぶす事が出来ます」
 一定以上の範囲を塗りつぶす事に成功すると、一度だけ、本来のユーベルコードでオブリビオンを攻撃する事が可能になる。
 またマップの3分の2以上が猟兵によって塗りつぶされた場合、本来のユーベルコードの攻撃を無制限に行えるようになる。
 この依頼で戦う事になる『パスト・フォーサイス』はこのステージへの適応力は高かったものの、戦闘能力を自体は実はそこまで強くないのでそのまま一気に決着を付ける事が出来る可能性もある。
「もし、マップの3分の2以上の塗りつぶしを狙うのであれば、オブリビオンを攻撃せずに、より広範囲を一気に塗りつぶすスーパー塗りつぶし攻撃を行う事も出来ます。ご検討下さい」
 まとめると、今回のステージでは以下のような手順でボスを倒す事になる。

 1.【敵の妨害を防ぎながら】
 2.【床や壁を効率よく塗りつぶし】or【攻撃を放棄して、スーパー塗りつぶしを行う】
 3.【細かく攻撃を繰り返して倒す】or【攻撃せずにマップ3分の2以上を塗りつぶしてから一気に倒す】

「それとボスの『パスト・フォーサイス』ですが、このステージの無敵能力がある事をいいことにやたらと出張ってきます」
 猟兵を見つけると煽ってくるそうだが、『闇のような黒色』が一定以上ある限りダメージは無効だ。
 無視して塗りつぶし作業に専念して欲しい。
 逆に『パスト・フォーサイス』を煽って相手の妨害の手を緩めるような作戦もありかもしれない。
 『パスト・フォーサイス』の性格や精神年齢は10歳程度の悪戯好きな男の子であるため、その辺りで何かあれば出来るかもしれない。思いついたら実践して見てみるのもいいかもしれない。
 妨害方法はイカっぽいザコを大量に出して闇色に染め直したり直接まとわりついて妨害してきたり、無敵なのをいいことに途中では止められない連続攻撃をやたら狙って来たり、飽きたら自分の分身人形に戦わせたりするようだ。
 妨害方法を防ぐ事に関してと効率よく塗りつぶす方法に関してはやり方はお任せする。
「なんとも未体験な事が多いですが、この事件は猟兵である皆さんでしか解決できません。どうかよろしくお願いします」
 そしてくしなは君達をテレポートさせるのだった。


ナイン高橋
 マスターのナイン高橋です。
 よろしくお願いします。

 ※この依頼は戦争シナリオの一つです※

 ナイン高橋は某イカのゲームはやった事はありませんので想像力で補います。

 また妨害を防いだり、塗りつぶしのやり方は、
 特に何も書かれてなかったらなんとなく空気を読んだ効率性で行った事にします。

 あとパスト君の妨害の手そのものを緩めるような作戦についても、プレイングに特に何もなければ何もないです。(記載がない事でマイナス判定したりしません)
 また作戦内容についても余程時間のかかるもので効果がない限りはマイナスにはまずならないと思います。
 (無敵パスト君は飽きたらどっかいくのでマイナスになる前にどっかいっちゃいます)

 それでは皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。
209




第1章 ボス戦 『パスト・フォーサイス』

POW   :    来い!俺様の手下どもっ!!質より量で押し潰せ!!
【相手している猟兵の10倍の数の雑魚キャラ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!
【武器を使った怒涛の連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    俺様は逃げるから、後は任せたぞ!俺様ちゃん人形!
自身が戦闘で瀕死になると【逃げる時間稼ぎ用の巨大パスト君ぬいぐるみ】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。

イラスト:ハレのちハレタ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は百目鬼・明日多です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

桑原・こがね
妨害?よく分かんないけど、広範囲を攻撃すれば良いのね?
3分の2以上を塗りつぶせば勝てるのか。
よし!一旦塗るのに専念しよう!スーパー塗りつぶしってやつね!

あたしのユーベルコードで一番広範囲を攻撃できるのは、全力放電ね。
黒が広いところを探して、移動して、全力放電!
この繰り返しね。

たくさん塗れるまで敵は無視無視。
連続攻撃って言っても途中でやめられないみたいだから、一気に距離を取ったり横に避けたりすれば大丈夫でしょ。多分。

行くわよー!
雷鳴を轟かせろォ!



●ビルの屋上には避雷針があるんじゃないかな
「妨害?よく分かんないけど、広範囲を攻撃すれば良いのね?」
 桑原・こがね(銀雷・f03679)がステージに降り立つと、パスト君の部下のイカ達が頑張ったのか、すっかり街中が『闇のような黒色』に染まってしまっていた。
 この街が闇色である限り、ボスであるパスト君にはこちらのユーベルコードのダメージが一切通らない。
 だが、このステージに現れたパスト君はこのステージの適応力が高い代わりに戦闘能力は低いようだ。
 ならば、ユーベルコードを解放する事さえ出来れば、勝てるだろう。
「3分の2以上を塗りつぶせば勝てるのか……よし!一旦塗るのに専念しよう!スーパー塗りつぶしってやつね!」
 少しだけ思案した考えたこがねは素早く自分の行動を決定する。
 今回は塗り潰しまくりだ!
 そしてこがねは高いビルの屋上へと移動する。
 え、何でビルの上かだって?
「そりゃあ、高い所の方が目立つからでしょーっ!!!エレクトリカルカーニバル!!!」
 天高く拳を突きあげると、こがねの元へと降り注がれる銀色に輝く稲妻!
 激しい雷鳴が周囲に迸り、かなりの広範囲を一気に黄色に塗りつぶす事が出来た。
「お、稲妻が走ったみたいで格好いい」
 自分のユーベルコードで刻んだペイント跡を見てうんうんと唸るこがね。
 そして次のビル目掛けて走る。
「にしてもこの建物、背が高くて目立つのはいいけど、登るの大変ね……!」
 エレベーターを使う発想があんまりなかったのかこがねは基本的に走って登っていた。
「よーし、もういっかい……」
「まてまてまてーーい!」
 しかしそんな目立つ攻撃をしていたら、当然敵のパスト君にもバレるのは時間の問題だった。
「やいやいやい、俺様がせっかく塗りつぶしたビルに何してくれてんだよ!」
「あ、なんか来た」
 なお、パスト君は一切塗ったりせずに全部部下に任せていました。
 騒がしいがきんちょパスト君を見てこがねは面倒なのきたなーって顔をして……。
「行くわよー!全力、放電ーっ!!!」
 自身の手持ちで最も攻撃範囲の広いユーベルコードを再度発動!どかーんと稲妻が落ちる。
「うわーーー!ってそうだ、俺様、いま無敵なんだった」
 稲妻の眩しさに思わず手で目を覆っていたパスト君は、ステージの特殊ルールに守られてダメージ0。
 しかしビルはまたも上部がすっかり黄色の稲妻模様が描かれていた。
「ふーっ。あとはこれの繰り返しね」
「あー!だからなにやってくれちゃってるんだよねーちゃん!」
 ダメージ0だったけどビルの闇色を取り除かれてしまったパスト君はこがね相手にイチャモンをつけにいく。
「こうなりゃ実力こーしだ!無敵モードの俺様は絶対に負けないしな!」
 そしてパスト君は自慢の武器を使った怒涛の連続攻撃を発動。
 肩に担がいでいた巨鎌をぶんと回してこがねにコンボ攻撃を仕掛けにいく。
「くらいやがれー!おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!」
「いやアンタなんて無視だし」
 しかしこがねは自慢のスピードでひらりと回避。
「あ、ちょっ、この攻撃、途中でやめられないんだよ、避けんなっ!」
 誰もいない空間をぶんぶん超高速で攻撃するパスト君は首だけこがねに向けて叫ぶ。
「あーうん。頑張ってね」
 全然聞いてない感じでこがねは屋上からひょいんと飛び降りてパスト君の視界から消える。
 途中まで自由落下を楽しんだ後は途中で武骨な刀を構えると、壁に突きさして減速。
 次なる目立つ場所。高いビルを目指して移動を開始した。
「あー!!!逃げんなばーーかっ!!!」
 やっと連続攻撃を終えたパスト君が取り残されたビルの屋上から叫ぶが、こがねは完璧に無視。
 どんどんその姿が遠ざかっていく。
「あ、くそ、しかもエレベーター壊れてるじゃん!」
 それなりの常識はあるパスト君はビルの屋上から飛び降りるなんてことはせずにビルの中のエレベーターを呼び出そうとしたらしいが……残念ながら先程の落雷の影響でビル内の電源は一時停止しているようだった。
 そんなこんなをしていたらまたしてもドンガラガッシャーンと稲光と轟音がパスト君の元に届く。
「行くわよー!雷鳴を轟かせろォ!」
 こがねはスーパー塗りつぶしも使い、体力を使い果たすまで色んなビルの高い所を稲妻模様に染め上げまくったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
シャーリーが塗りまくっている間、俺はチビ(パスト)の抑えに回る。
「おいおい、あんだけイキっておきながら順調に塗られてるじゃないか?」
煽りながら、これ見よがしにチビの目の前のフィールドを【飢龍炎牙】で紅に染め上げていく。
「ま、その短い足じゃ追い付くのも大変だろうから仕方ないか」
「っと、ごめん。『足が短い』んじゃなくてそもそも『背が低い』んだったな」
奴の怒りの矛先がこっちに向いたらしめたもの。
奴が瀕死にならない程度に【二回攻撃】や【飢龍炎牙】で攻撃を加えながら周囲のフィールドを塗り替えていく。
流石にちょっとキツいかも知れないけど、今回の主役はシャーリーなんでな。
後は頼んだぜ!


水心子・真峰
ふむ、広大な町を染めろとは
猟兵だとて無理難題を言って来るものだ
これは"人手"が要るだろう……増えろ、私
32人前の剣舞、披露しようぞ

錬成カミヤドリで増やした太刀で町を切り付け染める
念力で動く太刀を左右に展開
自分では届かぬ建物の上中下、地面に4振ずつ配置
突き進む通り一面の景色を満遍なく染め上げてゆこう

小僧が来れば複製太刀を攻撃へ差し向ける
残像とフェイントを駆使して全方向から殴り
本数以上に見える刃の嵐としよう
負傷しないとはいえ向かって来る殺意には
つい反応し動いてしまうのが戦人というものよ

目暗まししている間に私は通りを横切って別の染め所へ向かおう
漆黒も美しいと思うが
この町は賑やかな色彩の方がよく似合う


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
さーて、大人げなくいっくよー☆

ウィーリィくんが足止めしている間にフィールドを宇宙バイク・ハイメガシャークで駆け回りながら【グローバルスウォーミング】で周囲を片っ端から塗りつぶす
高いところや離れた場所も熱戦銃の【スナイパー】で塗りつぶせるから安心だね!
そして開けた場所を一気にスーパー塗りつぶし!

マップの2/3以上を塗りつぶしたらウィーリィくんと合流して反撃開始!
二人のユーベルコードの合体攻撃でボク達色に染め上げるよ!


三角・錐人
何というか、陣取り合戦というところか。
なら、俺のUC【テラーテンタクルス】が役に立つかな?

向こうも数ならこっちも数。
召喚した触手くん達を散り散りにはさせず、ローラー作戦でどんどん塗りつぶしていこう。
俺はその横でフォースセイバーで塗料を薙ぎ払っていくぜ。

パストの妨害は……まあ、途中で中断できないから、「野生の勘」で発動を察知して触手くん達を「先制攻撃」で合体させて盾にしたところで、俺が横合いから「だまし討ち」で蹴っ飛ばせばどっかに飛んでくだろ。

後はローラー作戦再開、だな。
幹部戦も佳境だけど、こういう下支えもしないとな……気合い入れてくぜ!



●描く剣戟。舞う色彩
「ふむ、広大な町を染めろとは猟兵だとて無理難題を言って来るものだ」
 『闇のような黒色』に染められてしまっているキマイラフューチャーを模した街に降りっ立ったのは一振りの刀だった。
 水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)。100年経った太刀に魂が宿ったヤドリガミである。
 遠くに見える幾つかの高いビルの頂点だけは黄色く稲妻が走り回ったかのように塗られているが、それ以外は床も壁も天井も全てが『闇のような黒色』になっている。
「これは"人手"が要るだろう……増えろ、私」
 広大なフィールドを塗り潰していくのを一人で行おうというのはかなり難しいだろう。
 真峰は本体である自分と同じ太刀を複製する。その数、32振り。
 それらを念動力で左右と地面に展開する。自分では届かぬ建物の上中下、地面に4振ずつ。
「32人前の剣舞、披露しようぞ」
 そして真峰は舞う刀達と共に街中を舞い歩む。
 その周りには刀が舞い踊り、刀が建物の壁や床を斬り付ける度にそれが翠色になって闇色を払い、染め上がる。
 そして真峰が街並みの一角を染め上げる頃、パスト君がやってきた。
「まてまてまてーーい!なにやってくれちゃってるんだよお前!」
 バタバタと走ってやってきたパスト君は真峰を発見すると騒がしく喚き散らす。
「俺様のせっかくの街並みをなんで上から塗り潰そうとしての!?」
 そういうルールだからじゃないのかな。
「小僧が来たか」
 真峰はパスト君の姿を確認すると、染め上げ作業を中断する。
「俺様が来たからにはお前の好きなようにはさせないもんねー」
 なにしろ俺様無敵モードだし!と悪戯っぽい笑みを浮かべながらこれ見よがしに鎌を構えて接近してくるパスト君。
「果たしてそうであったかな」
 真峰は迷う事なく、パスト君相手に複製太刀を差し向ける。
 32本の刀が残像を残すような動きと随所にフェイントを織り交ぜた斬撃をパスト君の全方位から行う。
 それは実際の本数以上に見えるような刃の嵐となってパスト君の視界を埋め尽くす。
「え、もしかして無敵モード一時解除されちゃってう、うわぁーーー!……って痛くない!」
 思わず顔を腕で覆って刃の嵐のダメージを軽減しようとしたパスト君だったが、無敵モードなので一切ダメージはなかった。
「負傷しないとはいえ向かって来る殺意にはつい反応し動いてしまうのが戦人というものよ」
「あ、お前いつのまに!」
 真峰は目暗ましをしている間にパスト君の横を悠々と横切って別の場所へと移動を開始していた。
「生憎、子守りは私の用途ではないのでな。御免」
 そして真峰は時々追いつくパスト君を軽くあしらいながら剣の舞を各所で披露するのであった。
「漆黒も美しいと思うが。この町は賑やかな色彩の方がよく似合う」

●イカの相手の触手ってさ……?
「あ~、なんだよ猟兵とかさー。もっと俺様に付きっ切りで邪魔されろよなー」
 パスト君が鮮やかな黄色や翠色に染められた壁の前で鎌に手を乗せ顎を乗せ呟いていた。
 その横では十匹程度のイカっぽい如何にも雑魚イカが如何でしょうか?ってイカした顔で頑張って壁を『闇のような黒色』に塗り直していた。
 ただこれは猟兵達のようにただ攻撃すれば塗り替わる訳ではないようで、地道な作業のようだ。
 もちろんパスト君はそんな地味~な作業は一切しない。
「さっき来た姉ちゃん達ってばどっちも俺様完全無視だったもんなー。ちぇー。もっとやらないとなー」
 パスト君はぶんぶんと暇そうに鎌を振りましながら愚痴っていたが、そこでふと気になる一角を発見する。
「ん?」
 『闇のような黒色』が少しずつ艶やかな銀色に染め上げられている。
「あー!!!また別の猟兵かーっ!!!」
 そしてパスト君は染められている場所にダッシュで移動。
 雑魚イカ達がわっせわっせとパスト君を担ぎ上げて運んでいく。
「やっぱり思った通り、このステージは俺のUC【テラーテンタクルス】が役に立つぜ」
 そこにいたのは多数の触手を持った不定形のUDCを従えてぬちょぬちょと街並みをローラー作戦で塗り潰していた頭から胸元まで完全に覆い隠す円錐型の兜を被った三角・錐人(ロケットスパイダー・f08517)だった。
 大半を使役している不定形触手UDCで染め直しつつ、自身もフォースセイバーで抜けてしまった部分やちょっと高い所などをなぎ払って塗り潰していっていた。
「まてまてまてーーい!!!何してんだよおっさん!」
 そんな錐人とその配下にいるぬちょぬちょUDCを見て、パスト君はイカ君達の上で指をさして止めに入る。
「よお。何というか、陣取り合戦で数で来るならこっちも数で勝負ってやつだぜ」
「俺様が苦労して染め上げた街並みを塗り直すなよなー!」
 因みにパスト君は一切染める作業をせずに全部部下に任せっきりでした。
「俺様の手下どもっ!!質より量で押し潰せ!!」
 そしてパスト君は配下の雑魚イカ達に突撃命令を出して、錐人の触手突きUDCを殲滅しようとする。
「骸の海からも捨てられたモノどもよ、我が意志に従いて仇敵を討ち果たせ!」
 負けじと錐人も召喚したUDC達に命令を出す。
 ここに、イカVSタコ……違った。触手を持った不定形のUDCの大規模紛争が勃発したのだった!
 互いに墨っぽいのを飛ばしあうわちゃわちゃ戦争!その攻防は一進一退。
「だったら、ここは大将戦が勝負を決めるぜー!おりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃー!」
 配下同士の戦いでは決着がつきそうにないと悟ったパスト君はすぐさま錐人目掛けて鎌を使った怒涛の連続攻撃を仕掛けにいく。
「おっと、『集まれ』!」
 しかし錐人は野生の勘なのか、パスト君の動きを素早く察知。
 展開していた触手くん達を呼び戻し、合体させると触手の壁となった!
「うおっなんだこれ!?きもちわる!でも止めらんないじゃん!」
 既に攻撃がスタートしたパスト君はその連続攻撃を止める事が出来ない。触手のぶよぶよぬちょぬちょした感触にうわーと思いながらも合体した触手に連続攻撃を仕掛け続けていた。
「そーら、よっ!」
 そしてそこに横合いから錐人がぬっと出てくると、パスト君を思い切り蹴っ飛ばして吹き飛ばす。
「うわーーー!」
 体重の軽いパスト君は連続攻撃の最中で身体の自由が効かない事もあってごろごろと思いの他遠くまで転がっていく。
 雑魚イカ達もパスト君を慌てて追っかけて退散していく。
「うし。後はローラー作戦再開、だな」
 その様子を見届けた錐人は触手くんの合体を解除して再度、塗りつぶし作業を開始する。
「幹部戦も佳境だけど、こういう下支えもしないとな……気合い入れてくぜ!」

●炎で焼いて、鮫でざばーん
「おいおい、あんだけイキっておきながら順調に塗られてるじゃないか?」
「んなにをー!?」
 中華服を着た料理人、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)が来て早々にパスト君を煽りまくっていた。
 ほーれほーれと自身のユーベルコード:【飢龍炎牙】を使ってこれ見よがしに目の前でフィールドを紅に染め上げていく。
「あーーーっ!!!だから俺様が苦労して塗りつぶした『闇のような黒色』を塗り替えるなよーっ!!!」
 パスト君が地団駄を踏みながらウィーリーに狙いをつける。
「来い!俺様の手下どもっ!!質より量で押し潰せ!!」
『イカーイカー!』
 わらわらわらっと出てくるイカにも雑魚っぽいイカ雑魚部下が大量にウィーリーの元にやってくる。
 雑魚とは数が多い。そんな相手にウィーリーは……内心微笑んでいた。
(よし、上手くいったな。シャーリーが塗りまくっている間、俺はチビの抑えに回るぜ)
 そう、ウィーリーは実は陽動要因。
 その真の狙いは、今まさに宇宙バイク"ハイメガシャーク"で空を駆る宇宙海賊シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)を自由に動かす事だったのだ。
「さーて、大人げなくいっくよー☆」
 鮫型バイクに跨ったスク水姿の宇宙海賊が、子供相手に大人の女の本気を魅せようと全力ぶっぱを仕掛けていた!
「今日の天気は『晴れときどき鮫』だよ!」
 シャーリーはユーベルコード【グローバルスウォーミング】を発動。
 シャーリーの周囲を【無数の鮫の形のオーラ】で囲み、そのままバイクで爆走して片っ端から紺色に塗り潰していってしまう。
 さらには走りながら自慢のマスケット銃型熱線銃を使って離れた場所や高いところも撃ちまくる!
 高速移動と遠距離攻撃。そして周囲への飽和攻撃とやりたい放題わがままし放題な塗り潰しバトル!
 勿論、こんな派手な立ち回りをしていればパスト君に気付かれないはずもないが……。
「ま、その短い足じゃ追い付くのも大変だろうから仕方ないか」
「はぁ!?短くねぇし!俺様、足長イケメン街道まっしぐらだし!」
「っと、ごめん。『足が短い』んじゃなくてそもそも『背が低い』んだったな」
「あーっ!!ムカツクーっ!お前たち、やっちまえよー!」
 いい様に煽られては怒りの矛先をウィーリーに向けさせられ、周囲の状況まで気が回っていなかった。
 しかしボスのパスト君が冷静さを欠いていようとも、大量のイカ配下は真面目にウィーリーを狙ってくる。
 ウィーリーもなんとかイカを炎で焙って調理しながら対抗しているが段々押され気味になっていく。
「流石にちょっとキツいかも」
「なんだよー。大口叩いておいてそんなもんかよー」
 特に何もしていないパスト君が追い詰められていくウィーリーを見て余裕を取り戻したのか嘲笑ってくる。
「でも、十分に時間は稼いだぜ。今回の主役の登場だ」
「は?」
 そこへ"ハイメガシャーク"がバビューンとパスト君の頭上を通って降ってくると、ドリフトしながらウィーリーの横に止まる。
「お待たせウィーリー君!なんかスーパー塗りつぶしを使うまでもなかったみたい」
「いやタイミングばっちりだぜシャーリー」
 銃と大包丁をカツンと打ち付け合い、笑い合う二人。
 どうやら、今までの猟兵達の塗ってきた分も合わせて街中の3分の2以上を塗り潰す事に成功したようだった。
「ゲッ!?マジで!うわ、マジだ。無敵モードなくなってるじゃん!?」
 パスト君もいつの間にか自分の無敵モードが解除されている事に気付いたようでバタバタしている。
「それじゃ後は頼んだ……って訳にもいかないよな」
「二人のユーベルコードの合体攻撃でボク達色に染め上げるよ!」
 無敵モードの効力のなくなったパスト君ならば、二人でも十分に倒せる。
 ウィーリーとシャーリーは互いに目配せすると必殺技の構えを取る。
「えーいだったら俺様が直接二人とも倒してやるぜ!俺様の超絶必殺攻撃!喰らえっおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃおりゃ!!!」
「喰らい尽くせ、炎の顎!」
「いっちゃえー!グローバルスウォーミング!」
 パスト君が自動連続攻撃を仕掛けながら突貫しにいったが、それをカウンターする形で、焔の龍とサメのオーラがパスト君を飲み込む!
「そんな、ばかなーっ!!!」
 そして爆発!!!
 爆発を背景に二人はばっちりポーズをキメるのだった。

 完!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年05月18日


挿絵イラスト