バトルオブフラワーズ⑨可能性の猿
「よォ、ご同輩。ブラニ・アカバだ。集まってくれで感謝するゼ?」
グリモアベースにて、猟兵を集めてそう言ったのはグリモア猟兵のブラニ・アカバ(自称人間の壊れた兵器・f12349)。口調こそ砕けた雰囲気であるが、その声色はどことなく真面目な印象を周りに与えていた。普段からすると大違いな雰囲気に驚く者もいるが、そもそもどうやって声色を変えているのか、それすら謎である。
閑話休題。
「今回の敵は少し厄介ダ。個体名称マニアック怪人『エイプモンキー』。相対する者に対して必ず策を練り、それに必要な機械を生み出すという特性を持ってイル。故に常に相手が先手を握ってクル。普段とは違う、難しい戦いが強いられるだロウ」
背後にあるホワイトボードには敵の姿や、既に観測されている敵の動きが投影されている。注意すべき点としては、やはり必ず先手をとってくるという点だった。
「――とはいえ、だ。過去にもそういった、特殊な戦場はあったんだロ? 生憎、私は参加できずじまいで、予知もできなかったんだガ――噂に聞くところの銀河帝国の幹部たちも、そんな敵だったラシイ。なら、今回が倒せないなんて通りはなイ。そうだロウ?」
普段なら面白そうに狂った笑いを漏らすウォーマシンが、終始砕けた口調だけで作戦概要の説明を行う――それすらも、過去に彼を見ていた者が見れば今回は真面目なのだろう、と感じられるであろう。
「以上、概要としては十分ダロウ。ナニ、必ず対策を練ってくるという事は対策の対策ってヤツがあればイイ。尤も、やり過ぎれば柔軟な対応は難しいだろうガ、そこはうまくやってくれると信じテル。――だから、どうが宜しく頼む」
最後は特徴的な語尾すらもなく、猟兵達にそう声をかけた。
暁文空
どうも、13作目のシナリオとなります。初めましての方は初めまして。そうでない方は今度も宜しくお願い致します。暁 文空(アカツキ フミアキ)です。11,12作目との同時進行ですが、きっとどうにかなると信じたい(定期)。
また、今回は強敵マニアック怪人『エイプモンキー』との戦闘の為、特殊判定となります。以下の詳細(定型文コピーアンドペースト)をご覧ください。
エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
以上、定型文(コピーアンドペースト)終わり。
一応、プレイングについてですが、特定の他者との連携の場合は、その方のキャラ名とID、旅団単位であれば旅団名を最初に明記して頂きますようお願い致します。逆に連携NGの場合も冒頭に記載して頂けますよう、お願い致します。
また、明確に技能を使用する場合は、本文中に【】等で囲って明記して頂けると、助かります。
それでは、今回もどうか、お付き合いの程、宜しくお願い致します。
第1章 ボス戦
『マニアック怪人『エイプモンキー』』
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POW : マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD : マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
宮落・ライア
剣刃一閃。まぁこれの弱点なんて、その力が当たった物を切断すると言う事だけなことだよね。避けてしまえばいいんだから。
けれど、斬るだけならUCである必要は無い。
素のボクの力なんて高が知れてる。
けれど骨ぐらいは絶ってみせる。
【ダッシュ】で突っ込み対処されること前提で剣刃一閃。
対処された瞬間、相手のカウンターも無視して
【気合い・覚悟・激痛耐性】
【二回攻撃】を行う。
【怪力・捨て身の一撃・鎧砕き】
UC無くても斬れるのだよ!
●肉を切らせて一矢報いる
キマイラフューチャー、そのメンテナンスの為に分かたれ、その中央にあるシステム・フラワーズへとつながる路に立ちふさがるはマニアック怪人『エイプモンキー』。
「ウッキー! 通さないウッキー!」
口調はふざけているように見えるが、強敵。この敵を倒さねば、その先はない。
「ボクから行くよ――!」
そんな強敵に真っ先に向かうは宮落・ライア(ノゾム者・f05053)。考えるよりも感じろ。そんな感覚派な剣豪が、マニアック猿へと迫る。
「知ってるウキよ?」
だが、その接近にエイプモンキーは動じることなく、待ち構える。
「――剣刃一閃!!」
「その攻撃は、命中しなければ意味がないウキ。だから、ミーの『カタナヨケール』の効果で、その攻撃は回避、そして無効ウッキー!」
唐突に取り出したるはよくわからない球状のアイテム。だが、ライアの一太刀の瞬間にそれは輝き、ライアの一撃は空を切り、エイプモンキーは回避に成功する。それと同時に、『カタナヨケール』はライアのユーベルコード『剣刃一閃』を無効化する。だが、ライアの口元にはまだ笑みがある。まだ、諦めてはいない。
「知ってたよ?」
「ウキ?」
「斬るだけなら、ユーベルコードである必要はない――!」
ライアとて優れた猟兵。ユーベルコードが封じられた程度で弱るような者ではない。すぐさま二撃目を猿へと振り下ろさんとしていた。その一撃はユーベルコードは使われていないものの、その技量だけで鎧すらも断つだろう。それが決まれば、この猿とて無事ではすまない――。
「――言ったウキよ。刀は当たらなければ意味がないウキと」
だが、やはり当たらなければ意味がない。『カタナヨケール』は確かにユーベルコードを封じた。だが、その本質はやはり刀を避ける事にある。そう、つまりはライアの攻撃は完全に封じられたのだ。
「引導を渡してやるウッキー!」
刀による一撃は封じた、と自信満々に迫るエイプモンキー。反撃がないと呼んだ猿は一撃で仕留めようと大きな頑丈な拳をライアへと叩き込む。ぐは、とライアの口からは吐血。傷も決して浅くはない。――だが、ライアはまだ終わらない。
「ウキ?」
拳を叩き込んだ。それはいい。だが、その拳が引き抜けない。これはおかしい。
「――捕まえた。刀を避けるとは言うけど、これなら避けられないよね――!」
「ウッキー!?」
そう、ライアは拳をしっかりとつかんでいた。その一撃に傷を受け、ダメージはあるものの、だが、反撃の体勢には入っていた。決して無傷ではいられない。だが、一撃を決めるための捨て身の作戦が、ここで活きようとしていた。三撃目を邪魔するアイテムはあったとしても、この距離で猿が身動きとれないのなら意味がなく、ライアの一撃はそう、誰にも邪魔できない――!
「く、やるウキね……少しは見直したウッキー」
ライアの一撃はエイプモンキーの腕に命中。ユーベルコードによる一撃ではないため、切断とはいかなかったが、その気合と技量によって、その腕に傷跡を残す事に成功した。その一撃に、エイプモンキーは警戒し、一度距離をとる。『カタナヨケール』を再び使えるようにするため、という意味もあった。
そして、その隙をついてライアは一度距離を取る。ライアにとっても、もう一度攻撃を受ける事は危険だったのだ。確実に仕留められるのならともかく、捨て身の一撃で漸く一矢報いた、ともなれば仕切り直すしかない。
だが、一撃は入った。幾ら対策を用意する猿と言えど、穴はある。その事を味方に示した、大きな一撃だったのは、間違いなかった――。
苦戦
🔵🔴🔴
雷田・龍子
【SPD】UCを発動
「なにが出るかな?」
龍子は胸元に手を深く突っ込み、ガジェットを探る。
このUCの一番の弱点は召喚されたガジェットの使い方を理解できるかどうかだろう。
相手は必ず先制攻撃をしてくる。つまり、こちらは必ず後出しジャンケン出来るということになる。
「要するに後出しジャンケンで勝てば良い」
いま戦っている対象に有効な、“こちらの攻撃を予想し回避”をさせないガジェットを引き当て使えることに期待しよう。
チート対チートのサイコロ勝負!
相手の攻撃は【見切り】や相手の装置を盾にして回避したいが、喰らったとしてもアイテム【ドラゴンコイル】で受けたダメージを攻撃力に変換して戦おうと試みる。
●早撃ち勝負は後から撃った方が強いってホント?
刀使いが一旦距離をとった事で、『カタナヨケール』を一度しまったエイプモンキーの前に現れたのは、雷田・龍子(人派ドラゴニアンの剣豪・f14251)。「また刀ウキね!?」と再び『カタナヨケール』を装備し直すが、迫って来ない事でエイプモンキーは一度考え直す。
「なるほど、早撃ち勝負でもするつもりウキね?」
猿の一言に、龍子はただ胸元のポケットに手を入れ、ガシェットを探り視線だけで答える。そう、取り出したアイテム同士の勝負。さながらUDCアースの西部のアウトローなガンマンたちの勝負のように。
「良いウキよ? それでもミーが勝つウキ」
手に持っていた『カタナヨケール』を再びしまい、構える。
一陣の風が吹くと、それを合図にエイプモンキーが取り出したアイテムの構える!
「これこそは、ミーの『ナンデモヨケルジェット』ウッキー!」
早撃ちと言いつつ、用意したのは回避用アイテム。きたないさすが猿きたない。だが、それを見てとった龍子はニヤリと笑みを浮かべる。
「避けると言ったが、これは避けられるかな!?」
「ウキ!?」
龍子が自身のユーベルコード『ガシェットドロー』で取り出したのは、敵を包囲するように放たれる誘導性能の高いミサイル発射装置。そう、回避ルートを作らせない事に特化したガシェットは、とにかく『避ける』事に特化した相手には強い。
放たれたミサイルは、一直線ではなく、孤を描きエイプモンキーを追いかける。
「ウキ―!? しつこいウキよー!!」
何発かはその手で払いのけたり、ミサイル同士をぶつけさせたりと器用に回避する。だが、それもいつまでも続かず、幾つかはしっかりとクリーンヒット。
「要するに後出しジャンケンで勝てば良い、それだけだ」
「ガンマンの早撃ち勝負も後からが有利と聞いたウキよ……!」
どこ情報だよそれは、というツッコミは、戦争中故に誰の口からも放たれる事はなかった。
「ぐぬぬ、やるウキね……」
ミサイルに追いかけられ、幾つか傷を追ったとはいえエイプモンキーは未だ健在。同じ手が何度も通じるはずもないと龍子は警戒しつつ一度猿から距離をとるのだった。
成功
🔵🔵🔴
黒滝・龍也
また何とも話だけ聞くとチートな敵だなぁ。とはいえ、倒さないことには、せめてダメージくらいは与えないと。
いくら予想できても体が追い付かないんじゃ避けられない。エテモンキーが俺のUCを見て作るのは「俺よりも速く動けるようになる装置」だろうか。自身を速くするか、俺自身を遅くするかは分からないけど。
けど、それは単にUCというターボ装置があるかないか、ということだけだ。ならそれを覆すのはテクニック。本当に速く走り動くには知識を元にした訓練で体に染みついたモノが必要だ。【ダッシュ】【早業】で動き回って猿の予想を超えて判断力を削ってやる。
……で、急に止まって【怪力】でブン殴ったらどうなるんだろうな?
●予測のその先へ駆ける技術
ここまでの戦闘で多少の傷を負ったエイプモンキー。だが、その動きに未だ乱れなし。警戒心もある。油断を誘う、という作戦はまずあり得ない。故に、黒滝・龍也(ストームドラゴン・f17315)の接近は、エイプモンキーがすぐに気づき、「待つウキ」という声が、龍也の耳に届く。
「ミーには丸見えウキよ。その動きは見えてるウキ。『メガヨクナール』の効果でその超スピードもミーにはスローに見えるウッキー。勝ち目はないウキ!!」
動体視力の強化。単純だが、だがそれこそ重要な要素。速い物体を捉える力、というのはその攻撃を回避するのにも、それに攻撃を命中させるのにも重要な力だ。アイテムとしては地味だが、超スピードを武器とする龍也にとっては効果的なアイテムなのは間違いなかった。
――だが、龍也はスピードだけではない。
「お前がスピードに対応するのは理解していた」
「ウキ?」
指を鳴らして再度加速。だが、それだけではエイプモンキーの動体視力に捉えられるのは避けられない。しかし、策があってこその龍也の突撃。そしてそれは、直後に明らかとなる――!
「きえ……た……!?」
「いいや、ここにいる!」
加速し、駆け抜けるかと思われた龍也は、エイプモンキーの予測した場所にはいなかった。逆に、それよりも手前――つまり、思ったよりも進んでいない場所に龍也はいたのだ。
急加速と急停止。原理は簡単だ。そして、動体視力の良さにせよ、結局は物体を目で追ったり、ある程度物体の位置を予測した上で行われるものだ。故に、その予想を覆す程の急停止ができるのなら、エイプモンキーの裏をかくことはできる。
だが、高速の物体――今回でいうところの龍也だが――は急停止できない。慣性の問題がそこにはつきまとう。同時に、路面の摩擦も同様の問題だ。だが、それを覆してこその常識外の存在、猟兵だ。龍也は不可能と思えるほどの急停止を実現し、エイプモンキーの眼前に、拳を構え――そしてそれが振るわれる。
比較的防御の薄い顔面に叩き込まれた拳に、エイプモンキーは吹っ飛んで行く。正確には、そうする事で致命的なダメージを回避したとも言えるのだが、体勢が大きく崩れたのは間違いない。今こそ好機。すぐさま他の猟兵がエイプモンキーへと接敵するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
リック・シックハント
UCで上昇した身体能力で直接攻撃をしかけるように見せかけて、反撃で放たれた相手のマシンに意識を繋げてから【ハッキング】で制御を奪って逆に本体を攻撃させよう。
媒介となる血霧を吹き飛ばされると意識を繋げることができないから、暴風に弱いから、おそらくは敵はそこをついてくるはず。
事前にチューブ状にした【思案する泥】を袖に隠すように腕に巻き付けておき、UCを発動した際に血霧を中に留めておくよ。
性質も形状も意志で自由に変えられると、密閉も開放も問題なくできるから便利だよね。
風の方向と【野生の勘】で死角にいるマシンの位置を予想して、先端を鋭利にした【思案する泥】を伸ばしてマシンを突き刺して意識を繋げよう!
●野生の勘と知恵が合わさり最強に見える
吹っ飛んでいったエイプモンキーだが、すぐさま体勢を整える。だが、その間にリック・シックハント(繋ぐ旅人・f00522)が猿に接敵していた。
「むむむ、まーたインファイターウキね? それも少し独特ウキ……」
警戒するように、エイプモンキーはリックの全身を見て取ると、「なるほどウキ」と声を出しながら取り出したのは――。
「その血霧が肝なのは見えたウッキー! ミーの『フキトバース』でお前ごと吹っ飛ぶが良いウキよー!」
構えた超砲身の武器からは強烈な風が放たれる。最大瞬間風速にして幾つになるだろうか。数字に表すのも難しいほど強烈なソレは、周囲にあるものを吹き飛ばしてゆく。寧ろ、それが凶器となってリックに襲い掛かる。それと同時に、リックのユーベルコード『対話こそ我が信念』の媒介となる血霧を吹き飛ばそうとする。
「――だが、その対策は既に予測済だ!」
「ウキ? ウッキ!? なぜ飛ばないウキ!?」
「敵にその仕組みをしゃべる口はない!」
隠しておいたチューブ状の思案する泥の中に血霧を留め、吹き飛ばされないようにしていた。とはいえ、できたのはそこまで。その制御が強風の中では至難であり、敵のマシンを乗っ取る程の余裕はない。だが、その敵の動揺の隙をつき、直感を頼りに高まった身体能力で直接殴りかかる。
敵への大打撃にこそならなかったが、敵にダメージを負わせる事には成功したのだった。
成功
🔵🔵🔴
ハロ・シエラ
私は頭も固いし、時を止めるみたいなすごい技も使えませんが…今回は【剣刃一閃】にてお相手を。
弱点が多いのですが、封じられるとすれば近接武器を使う所でしょうか。
まずはレイピアだけを持って挑みます。
敵は私の腕を拘束して封じてくるでしょう。
マニアックと言う事なので口やレイピアも、かも。
なので事前に髪の毛一房にダガーを結わえ、帽子に隠しておきます。
【物を隠す】のは割と得意なので。
あまりやった事は無いですが【第六感】に従って首を振って髪の先のダガーによる【剣刃一閃】で拘束を解きそのままダガーで攻勢に出ます。
レイピアを【フェイント】に使い、相手の攻撃に【カウンター】。
何としても一太刀、浴びせて見せます!
●斬るだけに非ず
既に長い事戦い、少しは消耗している筈のエイプモンキー。だが、未だに健在。ここは攻撃を畳みかける場面と接敵するはハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)。小柄な黒髪の少女が、一気にエイプモンキーの懐へと迫る。だが――。
「ウッキウキ。まーた『カタナヨケール』の出番ウッキー! 無駄ウキよー!」
そう、この戦いの序盤に出番のあったアイテム、『カタナヨケール』が作動。エイプモンキーは刀による攻撃を無効化する。
「やはり、その技はそもそも刀が命中しなければ、ミーには通じないウキ―!」
御尤もだが、だからと言ってそのまま引き下がる訳にもいかない。否、まだ引き下がっていない。そう、振るわれた刀はそもそもエイプモンキーへと命中させる為に振るったのではない。髪の毛の一房がその動きで振るわれ、その動きで帽子と髪に隠されていたダガーが自身のユーベルコードにより露わになり、そのダガーでの攻撃を試みる。
「ウッキー、それは予想外ウキね。でも、それも刀ウキよ?」
エイプモンキーの『カタナヨケール』はダガーにも適用される。騙し討ちとしては十分だったが、だがエイプモンキーのアイテムの適用範囲からは逃れられない。振るわれた刀は輝く『カタナヨケール』の発する謎の力で一撃は逸れ、無効化される。そして、それに合わせてエイプモンキーは拳を振るう。
「くっ――!」
ダメージを最小限にすべく、攻撃を受けつつ自ら後ろへ飛び、やむなく一度距離をとるハロ。それを見て笑みを見せるエイプモンキー。だが――。
「むむむ?」
――だが、一撃は届いていた。最後の最後でハロはダガーを投げた。それは本来の刀剣による近接戦闘の動きではない。故に『カタナヨケール』の想定外のモーションとなり、その最後の一撃だけは、エイプモンキーへと届き、拳に傷を負わせるに至ったのだ。
「なるほど、改善の予知アリ、ウキね」
苦戦
🔵🔴🔴
フォーネリアス・スカーレット
腰に二刀の電磁居合刀、背中にチェーンブレード、両腕に括り付けた丸盾と鞘に収まった炎剣。普段、無尽の鞘に格納してあるこれらを一度に装備する事は無いが、今回はその必要がある。
まずは無尽の策で液体燃料の入った瓶を投擲。炎剣を投げ付けて引火させ地獄焼き。千撃ちで短剣を投げ続けながら殺戮者の妙技でフックロープ投擲、丸盾で殴り牙折り。
「幾つだ?」
本来悪手である先制攻撃持ちへのUCの乱発。当然、この全てに反応するだろう。発動を阻害するだろう、だが。
「その玩具は幾つある」
強引に接近し神喰い、二刀での十字電磁居合斬り、両手両足で楔打ち。僅かでも怯めば恐れ喰らい。これだけの数のUCの全部に対応しきれるか。
●復讐者の器用さとは
「殺す、必ず殺す」
そう言って戦場にエントリーするはフォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)。オブリビオンへの復讐心に突き動かされる殺戮者。故に、この戦場に現れるのも自然というもの。手持ちの武器をあらゆる手段で全て装備し、まさにフル装備でエイプモンキーへと迫りつつも、液体燃料を投じる。
そして手に持つは炎剣。そう、燃料への引火こそがフォーネリアスの狙い。だが――。
「お前はわかりやすいウッキー!」
そう言って、何かを取り出したかと思えば、液体燃料が逆にフォーネリアスの方向へと返ってくる。そして、投げようとして手に取っていた炎剣により引火、フォーネリアスの思惑はいきなり外れる。だが、それでもフォーネリアスは止まらない。
「ウッキー、それでも止まらないとか怖いウキねー」
そんな彼女にエイプモンキーは挑発するかのように笑いながら言う。それに対して、彼女は当初の予定通りにフォーネリアスはフックロープを投じる。だが、それもまたエイプモンキーの手にしている武器、『フキトバース』によって、命中しない。
「何……」
「そうやって真正面しか攻撃して来ないのは楽できてありがとうウキよー?」
そう言って、無防備そうに突っ立っているエイプモンキー。だが、流石にここまで手の内を防がれてしまえば、フォーネリアスも止まらざるを得ない。より慎重な策が必要だ。復讐に突き動かされ、その為に命を使ってきた彼女にとっての勘が、告げていた。このままでは勝てない。
――策を練らなければ。
「さぁて、トドメと行くウッキーよー……おや?」
残った液体燃料を彼女はその場に投げ捨て、炎剣で引火させる事で爆破させたのだ。急に遮られた視界に、エイプモンキーは攻勢に出る事ができない。
「なるほど、撤退するだけの器用さはあったウキか。その勘は敵ながら天晴ウキよ」
不利を悟って体勢を整える様を見て、嘲笑する事なくその判断をエイプモンキーは評価した。敵の行動を予測し、それに対処するという怪人故に、復讐者故にそのまま突っ込んでくると予想を裏切られたのだ。だからこそ、彼女を評価せずにはいられなかったのだった――。
失敗
🔴🔴🔴
ニィ・ハンブルビー
常に先手で弱点を突く…確かに厄介な敵だね…
よし!それなら逆にこっちの弱点を利用させてもらおう!
【虚像と本質の魔法】の弱点は光がないと発動できないこと!
つまり敵は周囲を完全な闇で包んでくるはず!
闇の中でもある程度位置が分かる仕組みも用意するだろうね!
一方的で絶体絶命な展開だ!
てことで対策として『闇の精霊の贈り物』を装備するよ!
闇に溶け込み闇を見通すこのマントで!敵の作った闇を逆利用だ!
完全な闇!即ち完全な夜!
闇の精霊がフルに力を発揮できるって寸法だよ!
そのまま闇に溶け込みつつ!自慢の怪力で四方八方からぶん殴る!
いいことを教えてあげるよ!
ユベコは確かに強力だけど!!
別になくてもアンタは倒せる!!!
●光がダメなら闇で攻めればいいじゃない
辺りは火の海。決着にはふさわしいロケーション。そこに現れるはニィ・ハンブルビー(怪力フェアリー・f04621)。
「呼ばれて飛び出てボク登場ー!」
フェアリー故にその身体は極めて小さい。だが、小さかろうと猟兵。エイプモンキーには慢心はない。故に――。
「光の精霊!ちょっと手伝って!」
「なるほど、光ウキね?」
二ィの光の精霊の助けを得るユーベルコード『虚像と本質の魔法』を発動させようとするが、光という単語に注目したエイプモンキーはすかさずガサゴソと何やらアイテムを取り出す。
「『クラヤミー』の効果で光は出せないウキよー!」
素早い反応にニィも驚きを隠せない。だが、その展開は想定済。であれば、ニィの中には既に勝ち筋は見えていた。
「ん? どうしてリアクションがないウキか?」
まだ攻撃していないのに、なぜ気配がないのか。逃げたのか。いや、そんなはずはない。等とエイプモンキーが考えていると、唐突に背後からの衝撃に「ウッキー!?」と驚きの叫びをあげる。
「闇の精霊だっているんだよ!」
そう、ニィは光を封じられた段階でプランB――かは定かではないが、『闇の精霊の贈り物』を用いての闇夜に潜んでの強襲に切り替えていた。寧ろ、対策されるだろう、と予想していたからこそ、これこそが本命だった、と言っていい。
そして、その強襲に成功し、極めて小さい身体からは想像できない怪力が、直接エイプモンキーへと叩き込まれる。小さい身体、素早い動きでありとあらゆる場所を翻弄しながら殴り続ける。
「いいことを教えてあげるよ!」 ユーベルコードは確かに強力だけど!! 別になくてもアンタは倒せる!!!」
その叫びと同時に放たれた最後の一撃に、エイプモンキーは空へと吹き飛んで行く。
「最後は力技ウキー!? そ、そんなの、予想してなかったウキー!?」
まさかの最期を迎える事になり、エイプモンキーは爆発四散。
オブリビオン故に、また復活はするのだが、少なくともこの戦場においては猟兵達が勝利を得たのは、間違いないのだった――。
成功
🔵🔵🔴