3
バトルオブフラワーズ⑨〜ただのモンキーじゃあないんです

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦争
🔒
#バトルオブフラワーズ
🔒
#エイプモンキー


0




●なんかさるさるしい
 繚乱の花々、極彩色のガーデン。
 システム・フラワーズの内部は、目を奪われるような華やかな花々が咲き乱れる、美しい空間だった。まるで現実感がないが、それがむしろキマイラフューチャーの中枢にはふさわしいのかもしれない。
 そして、その花々を足場にして、ぴょんぴょんと跳びまわる猿が1体。
 でかい図体をしている割にやたら機敏だった。

「猟兵たちめ……来るのが早すぎるウッキー! しかしミーがいる限り、先へ進むのは不可能ウッキーよ! あっ、フカノウッキーよ!」

 口に手をあて、慌てて訂正する猿。
 そんな彼は猟犬たちを退けるべく、システム・フラワーズ第一の関門を守護するマニアック怪人『エイプモンキー』です。
 名前からしてもうサル度合がすごい。

「ミーのイマジネーション! そしてメィニアーック知識が合わさった最強の力で、誰も彼も返り討ちにしてやるウッキー! ウッキッキー!」
 ウキキキキ、と高笑いを響かせるエイプモンキー。
 適当な大きな足場に着地すると、彼はじっと上方を見上げた。
「でもまあ、イマジネーションとメィニアーック知識で負けたらどうしようもないウッキー!」
 ばふばふばふ、と踏みしめる花々を笑いながら叩く猿。
 ツボに入ったのか、泣くほど笑ってる。
 あれ? こいつアホなのかな?

●とにかく理屈をこねくり回すとき!
「さあ、いよいよシステム・フラワーズの内部に進軍してもらうときだ」
 背中を向けて格好つけていたプルート・アイスマインド(ヒーローマスクの暗所閉所恐怖症・f11229)が、クール顔(ただしマスク)を猟兵たちに向ける。
 6つのザ・ステージを奪還したことで、システム・フラワーズに通ずる道はひらかれた。
 だが怪人たちの首魁『ドン・フリーダム』に挑むには、まだまだ突破しなければならない関門がある、とプルートは告げる。
「その第一の敵が、怪人軍団の幹部の1人『エイプモンキー』だ。システム・フラワーズ内の足場は花々が集まってできているのだが、奴がいる限りはその足場はすべて奴に繋がり、その先へと進む道は現れない」
 どんな足場ができようと、終点は常にエイプモンキー。
 迂回路などはなく、奴を撃破しなければ進軍を続けることはできない。
「当然、オブリビオンであるエイプモンキーは何度でも骸の海から蘇ってくる。だがそれとて限りはある。短いうちに幾度も幾度も倒されれば、やがて復活はできなくなるはずだ」
 つまりは、復活できなくなるまで倒しまくる。
 実にシンプルな解決手段である。
 しかし、敵は怪人軍団の幹部。気になるのはその力量だ。
 プルートは言いづらそうにして、やや言葉を探ったが、そのうち諦めてありのままにエイプモンキーの能力を説明した。
「エイプモンキーは『自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力』を持っている。これとマニアック知識とやらを絡め、奴はおまえたちのユーベルコードを封殺するような装置を作り、攻撃してくるだろう」
 聞いただけでは、無敵にも思える能力である。
 だが敵わぬ敵ではない、とプルートは断言した。
「奴の持つ想像力やマニアック知識のうちに収まっているうちは、勝てないだろう。だが奴を超える想像力、マニアック知識をぶつけることができれば、おまえたちの攻撃は届く」
 グッ、とその手を強く握りこむプルート。
 そしてその拳を緩めると、中にあったグリモアが輝きはじめる。
「では頼んだぞ!」
 猟兵たちへそう託し、プルートは一同の転移を始めるのだった。


星垣えん
 はい、どうもです。
 2回目の戦争が、キマイラフューチャーだなんて……!!
 シナリオ出せてないのに……!!
 とか思っている星垣えんです。

 そして今回の敵は幹部軍団の幹部が1人、マニアック怪人『エイプモンキー』です。
 以下、エイプモンキーとのバトルにおける注意。

 ====================
 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
 ====================

 という感じです。
 想像力か蘊蓄とか屁理屈とかそんなノリでエイプモンキーさんに1発かます。
 そういう流れでございます。
 登場シーンはアレだけど強いからね! 注意してね!

 それでは、皆さんのプレイングお待ちしております!
95




第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

アリス・セカンドカラー
……2Pキャラ戦?まぁ、いい。想像を創造する能力すなわち想造力の弱点、それは想像に余計なノイズを混ぜることだ。具体的にいうと性癖から外れたカプとか想造されると目からツラミが出る程のダメージね。
だが、それは諸刃の剣、私の幅広い性癖から外れるってSAN値直葬な邪神レベルなんでリアルにイメージするだけで負担が大きい筈よ。
ならば、その想像力を腐属性攻撃の念動力による催眠術で強化してあげましょう。だが、この強化も相手の想像を想像するという諸刃の剣。

この逆性癖合戦、よりリアルに想像出来てしまった方が負ける。


主・役
要するにメタ合戦ね。
只の蒟蒻だけは切れない煩悩剣士のアバターで、只の蒟蒻で攻撃されると耐久度が大幅に減るユニーク装備一式を千剣刃姫。これでお猿さんの対抗策は蒟蒻フルセット装備になるはずさ。メタ張られるのわかってるなら、その方向性を誘導するメタ張ればいいよね☆
先制攻撃でフルボッコされて装備が大破するけど、いうても只の蒟蒻なのでほぼノーダメよな。大破した装備を見てどや顔勝利宣言してるとこを気属性攻撃の防御無視攻撃で金的潰し☆紙ならぬ蒟蒻装甲だから効果は抜群でしょ?
蒟蒻切れないとは言ったが殴れないとは言ってないし。

UC対策とはいえ、只の蒟蒻で何故戦えると思ったし



●激突するネタ
 花弁散り乱れる、空間。
 そこに浮かぶ花道を、アリス・セカンドカラー(不可思議な腐海の笛吹きの魔少女・f05202)と主・役(エクストリームアーティスト・f05138)はただ前へと進んでいた。
「想像を創造……2Pキャラ戦みたいね」
「2P? あの色違いになるみたいな――っと、お猿さん発見!」
 思わせぶりなアリスに視線を向けた役が、道の先を指差した。
 そこにいたのはメカメカしいアーマー装備の猿。
「ここから先は、ミーが通さないッキー!」
「自信満々に言ってるね」
「なら私の攻撃を止めてみるといい」
 スッ、と役に先んじて前に出たアリスがその赤い眼を細める。
 狂おしい程の快楽を与える妄想の具現化――その力がエイプモンキーへと仕向けられた。
 しかしエイプモンキーは、ウキキと笑う。
「理解したウッキー! おまえの攻撃は妄想を現出させる力! ならばミーは、この妄想攪乱マシーンで攻撃してやるッキー!」
 ぽいっ、と立体プロジェクターっぽいのを放る。
 するとそれはすぐに起動した。
 したんだが……映像出力されたのは、見るもおぞましい邪神的な何かだった。
「な、なんてものを映すッキー!?」
「なるほど、確かに性癖から外れたカプとか目からツラミが出る程のダメージ……」
「いやこれカップルだったッキーか!?」
 がたがたと震えだし、なんとか値が急降下するエイプモンキー。
「チャンスね。さらにあなたの頭に焼きついたそれを、私の念動力で強化してあげるわ」
「くっ、強化!?」
「だがこの強化も、あなたの想像を想像するだけに私にとっても諸刃の剣。さあ、どちらが耐えきれるか勝負――」
「や、やめるッキー!!!」
「あーっ」
 邪神さんを邪神邪神させようと腐属性念動力を飛ばしたアリスだったが、エイプモンキーに思いっきり殴り飛ばされて彼方に消えた。
 ほら言うても肉体は無傷だからさ……普通に殴る力とかはあったんだ……。
 しかしエイプモンキーの顔色は優れない。精神を消耗させたという点では、アリスの攻撃はちゃんとダメージを与えていた。
「向こう何日かまともに眠れる気がしないッキー……」
「――ハッ!?」
 うなだれるエイプモンキーの横で、役が我に返る。
 妄想攪乱マシーンの映像で気絶していた。
「いつの間にかアリスがいない……よくもやったな!」
「いやむしろミーに感謝するべッキーよ……」
「アリスの分も、えにっちゃんがボッコボコにしてやる!」
 気炎をあげる役が、バトルキャラクターを具現化。
 自身に憑依させた剣士のアバターをキャラに同期。さらにユーベルコード『仙剣刃姫』で鎧やらを生み出し、立派な剣士が顕現した。
 だがやはり、エイプモンキーが即座に解析を完了。
「その剣士の弱点は蒟蒻……だから蒟蒻の装備を作ったッキー!」
 べちゃっ、と全身を蒟蒻で覆うエイプモンキー。
 だがボケているわけではなかった。
(「只の蒟蒻だけは切れない煩悩剣士のアバター、只の蒟蒻で攻撃されると耐久度が大幅に減るユニーク装備一式で見事に誘導されてくれたね☆」)
 策が成った、とカメラ目線のウインクをくれる役。
 しかし誤算もひとつあってだね……。
「蒟蒻キャノンの威力も味わうッキー!」
「えっ」
 どんっ、と創造される無数の砲台(蒟蒻装填)。
 発射される蒟蒻。
 剛速球。
「わーっ!?」
「これでミーの勝利ッキー!」
 雨あられと撃たれる蒟蒻でボロボロになるバトルキャラクター。
 蒟蒻ならくらっても痛くない、と役は思ってたんだけど蒟蒻は割と凶器だった。
「ミーの完全勝利ウッキー!」
「くっ……でも負けてられない!」
 高笑いするエイプモンキーの背後で、満身創痍の役のキャラが立ち上がる。
 そしてそのまま、全力で股間を蹴り上げた!
「ミ、ミーの万全な蒟蒻装備が……!?」
「蒟蒻切れないとは言ったが殴れないとは言ってないし」
 鎧無視の一撃は、猿の顔を青ざめさせるには十分だった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

夏目・晴夜
「謳う静寂」は命令を無視した輩を落雷で貫く技ですので、
命令に従われると無効となるのが唯一のクソポイントです
あ、視認できなくされたり絶縁体を纏われてもダメですね

なので徹底的に無茶振りします
最初に、私が満足するまで命令を聞いてください
まずは私の視界の中で私を褒め称えてください
えだまめの可愛さを褒めるのでも可です

下手ですね、もっと神を崇める感じで
全然響かない、本気出して
脳までエテ公ですか?語彙力活かして
それでは最後に、私の見ている前で今すぐ死んでください

命令を無視され雷が落ちるタイミングで
妖刀を投げて敵の体に【串刺し】
絶縁体を纏われても、突き出た刀身に雷を落として
内側に電気を流してダメージを与えます


ティエル・ティエリエル
「邪魔するおサルさんなんてボクがやっつけてやるー!」

【ライオンライド】で呼び出した子ライオンくんに【騎乗】して戦おうとするけれど
足元はエイプモンキーが作り出した透明な罠の数々で身動きが取れなくなるよ!

うぅぅ、ライオンくんも空を飛べればこんな罠なんてへっちゃらなのに……
そうだ!ボクがライオンくんに騎乗するんじゃなくて、ライオンくんがボクに騎乗してボクが空を飛べばいいんだよ☆
ライオンくんは困惑するければ、「ふんぬららー」とお姫様らしくない掛け声と共に【怪力】でライオンくんを持ち上げて突撃だよ☆

※アドリブや他の方との連携も大歓迎です



●上からの攻撃はどうだ
「猟兵もなかなかやるッキーね……でもミーを倒せるほどではないウッキー!」
 青い顔で股間をさすりつつも、エイプモンキーの威勢はいまだ健在だ。
 傍から見ればそうは見えないが、当人が言うんだからそうなんだろう。
 人狼の夏目・晴夜(不夜狼・f00145)と、フェアリーのティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)はそう思うことにした。
「では私たちもいきますか」
「そうだね! いくよ、ライオンくん!!」
 晴夜の顔の高さでパタパタ浮遊していたティエルが、ユーベルコードを発動。
 花と蒟蒻の足場に、40センチ弱の黄金のライオンが現れる。
「えだまめほどではないですが、可愛いですね」
「ふふーん! 邪魔するおサルさんなんてボクがやっつけてやるー!」
 ぽつり呟いた晴夜に胸を張ったティエルがライオンに騎乗。
 そのまま突撃……が、ライオンが何かに足を取られて体勢を崩してしまう。
「どうしたの、ライオンくん!?」
「ウッキッキー! ライオンが進めないように、すでに見えない罠を設置済みッキー!」
「わ、罠!?」
 足場に目を凝らすティエルだが、敵の言うとおり罠は視認できない。
「これじゃ進めないよ……うぅぅ、ライオンくんも空を飛べればへっちゃらなのに……あ、そうだ!」
 ティエルがぽん、と手を叩き、ライオンの腹の下に潜りこむ。
 そして――。
「ふんぬららー!!」
「!!?」
 雄叫びとともにライオンを持ち上げた! ティエルの妖精の姫らしからぬ声遣い、人生初体験の浮遊感にライオンは困惑するばかりである!
「ライオンくんがボクに騎乗してボクが空を飛べばいいんだよ☆」
「む、無茶苦茶な発想ッキー!?」
 泡を食うエイプモンキー向けて、ティエル&ライオンは吶喊。猛る牙が腕に喰らいつき、強固なアームに亀裂が走る。
 だが、身の丈を超えるライオンを抱えながら飛ぶ、という無茶は響いた。罠を回避することはできたが攻撃に勢いが出ない。
「お、驚いたウッキー! でも動きにキレがないウッキー! 絶好の的!」
「ま、まずいよー!?」
 腕を振りかぶるエイプモンキーに備え、慌てて頭を手で覆うティエル。
 だが、そこへ晴夜の声が飛んできた。
「攻撃はやめてください」
「ウキッ!?」
「ふぇ……?」
 ぴたっ、とエイプモンキーは振り下ろす腕を止めた。ティエルは晴夜のほうを見るが、特段何かをした様子はない。
 が、エイプモンキーは彼の意図を察している。
「危ない危ない。雷が落ちるところだったッキー」
「猿のくせにやりますね。確かに私の攻撃は、命令を無視されると無効となるのが唯一のクソポイントです」
 淡々と己の技の欠点を語る晴夜。
 だがそれは、裏を返せば命令を聞かせまくることができるということ。
 ですので。
「まずは私の視界の中で私を褒め称えてください。えだまめの可愛さを褒めるのでも可です」
「そんなの楽勝ッキー! おまえの狼の耳は大変立派ッキーね」
「下手ですね、もっと神を崇める感じで」
「じゃ、じゃあ……その犬の人形もふかふかで愛らしいウッキー」
「全然響かない、本気出して」
 言いたい放題であった。
「と、とにかくすごいウッキー!」
「脳までエテ公ですか? 語彙力活かして」
「い、いい気になりすぎッキーよ!?」
「あと今すぐ死んでください」
「少しはオブラートに包めッキー!?」
 やってられるか、と鬱憤晴らしに足元の花を踏み荒らすエテ公。
 すると上方に雷鳴が轟いた。
「しまった!? でも電気を通さない物で防げばいいだけウッキー!」
 雷撃に備えるべく、全身を黒く分厚いゴムで覆う。
 だがその瞬間、晴夜の投じた妖刀がゴムを貫き、切っ先がエイプモンキーの肌に触れた。
「ウキッ!?」
「罰が当たりますね」
 雷光が刀に引き寄せられ、電撃が刀身を伝う。雷をくらったエイプモンキーはその余裕顔をひきつらせた。
 が、まだ傷は浅い。地に立つ2本の脚は健在だ。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

ナナシ・シロナ
【ブレイズフレイム】を無効化する装置、『音波消火器』強力な低周波を出し炎(空気中に熱が伝わる働き)を阻害し火を消す。
===
無効化されることを見越して、相手の視界を奪うように腕から炎を放ち、裏で足から火を出し足元の花を燃やし密かに花畑を火の海変える。
相手が炎を無効化して調子に乗っていたら、鉄塊剣を構え地獄の炎を噴き出す推進力を加え「火が効かぬなら鉄で砕くだけじゃ。」と殴りながら火の粉を振り撒き、相手が気付く時にはかき消すよりも早く燃え広がる膨大な火事場を作り出す、炎が当たらなくても辺りを炎で囲まれれば息は続かず徐々に熱におかされるだろう。
「骸の海と火の海をさ迷うがよい。」
【絡み、アドリブ歓迎】


アイン・ローレンス
【WIZ】
想像力…中々に厄介な力ですね…
でもあまり頭が良さそうではないですし付け入る隙はありそうです

【属性攻撃、全力魔法、範囲攻撃】
「エレメンタル・ファンタジア」氷の津波を発動
「私は氷使い…触れると一瞬で凍り付きますよ!」
私は氷しか使わないと刷り込みましょう
広範囲高威力の氷に対抗するにはきっと火炎放射器が出てくるはず…
氷と炎で発生する水蒸気に身を隠し移動、熱風対策に自分に水をかけて

【第六感、聞き耳】でガスの噴出口やボンベと鎧の擦れる音などを頼りに敵の位置を把握
死角から追ってくる炎に氷を放つふりをし、ボンベと床を凍り付ける
ボンベが固定されては正面しか向けませんよね?
背後から炎の雷撃でボンベを爆発



●大炎上
「ウッキッキ! この調子なら猟兵を退けるのも簡単ッキー!」
 固まった花々の上で、エイプモンキーが小躍りしている。
 猟兵たちの攻撃を受けながらも、その声音は戯れるかのように高らかだ。
「想像力……中々に厄介な力ですね……」
「そのようじゃのぅ」
 上方から花の道を駆け下りてきたアイン・ローレンス(気の向くままに・f01107)とナナシ・シロナ(焼却炉の魔術師・f15608)は、しかし怯むわけもない。
「どれ、ひとつ教育の時間じゃな」
「ええ、あまり頭が良さそうではないですし付け入る隙はありそうですしね」
 並走する2人。
 気配に気づいたエイプモンキーが踊りを止めて振り向くと、アインは傍らを飛ぶ精霊を杖に変え、精霊力を一気に高めた。
「私は氷使い……触れると一瞬で凍り付きますよ!」
 言下に現れるは、氷の津波。
 石流にも似た魔術が猛然とエイプモンキーへと押し寄せる。
「ふっ、こんなの火炎放射器を作って一発解決!」
 エイプモンキーが大出力の火炎放射器を創造し、噴き出す炎でアインの氷を溶かす。山のようだった大量の氷が蒸発し、辺りはもうもうと水蒸気で満たされた。
 そしてエイプモンキーはそこで気づいた。
 アインの姿が見えないことに。
「か、隠れたウッキー!?」
 火炎放射器のノズルを握りしめ、きょろきょろと首を振るエイプモンキー。
 だが白い水蒸気に覆われた視界では満足にアインを捕捉できない。
 身の危険を感じた彼は、2歩3歩と後ずさった。
 それをアインは、見逃さない。いや聞き逃さない。
「そこですね!」
「ウキッ!?」
 気配を殺して潜んでいたアインが、水蒸気を突っ切って飛び出した。彼女も視界が利かない状態ではあったが、敵のアーマーが生み出す音を研ぎ澄ました感覚で捉えたのだ。
 放たれた氷に反応し、エイプモンキーは炎を噴射する。
 しかし炎は氷に当たらなかった。氷はエイプモンキーではなく、火炎放射器のガスボンベに向かったのだ。ボンベは足場に凍りつき、ぴくりとも動かない。
「ウッキー!?」
「ボンベを床に固定されては正面しか向けませんよね?」
 アインの放った炎がボンベを貫き、エイプモンキーも巻き込んだ大爆発を起こす。爆炎が花々を吹き上げ、色鮮やかな空間に黒煙が立ち昇る。
 その攻撃に感心したナナシの頭のてっぺんで、ぼうっと炎が揺れた。
「ほう、氷の使い手と偽っておったのか。面白いのぅ」
「ナナシさん! ぱぱっと畳みかけちゃいましょう!」
「そうじゃな」
 アインに軽く手を振ったナナシが、琥珀色の瞳で、炎上中のエイプモンキーを見据える。
 そんな彼が追撃のために腕にまとわせたのもまた、炎。
「焼きつくしてやろうかの」
「甘く見るなッキー! なら音波消火器で消してやるッキー!」
 エイプモンキーの創造したマシーンが遍く空気を振動させ、炎を消失させる。
「やるのぅ。では根比べといくかの」
「いくらやっても無駄無駄ー!」
 ナナシの振った腕が炎の大輪を咲かせるも、音波消火器がすかさずかき消してゆく。
 その攻防がしばらく続くと、やがてナナシは地獄の炎を振りまくのをやめ、鉄塊剣を構えた。
 後方へ炎を噴き出した推進力でエイプモンキーに殴りかかる。
「おっと危ない!」
 ひょい、と回避するエイプモンキー。鉄塊剣が花の足場を叩いて撒きあげた火の粉を払うと、憎たらしい笑みを浮かべる。
「やけになって特攻とは馬鹿なやつウキー!」
「火が効かぬなら鉄で砕くだけじゃ」
「そんなのに当たるわけないッキー!」
「ふむ、では炙り焼きにされるのはどうじゃ?」
「炙り焼ッキー?」
 はて、とエイプモンキーが首を傾げたが、すぐに驚愕の表情を作る。
 気づかぬ間に、花の足場が燃え盛り、周囲は火の海となっていた。
「こ……これは!?」
「おぬしが狂喜して消火してる間に、足から出した火で燃やさせてもらったのじゃ。さっき火の粉も撒いたから、もう延焼する一方じゃろうな」
「な、なんてことするッキー!?」
 急いで消化を図るエイプモンキーだが、もう遅かった。
 ひろがる。地獄の炎が、ひろがってゆく。
「骸の海と火の海をさ迷うがよい」
「ッキ、ウッキィィーー!!?」
 業火に包まれたエイプモンキーが、悲鳴をあげてのたうち回った。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

コロッサス・ロードス
●弱点
俺のユーベルコードの弱点……それは瀕死でなければ発動出来ぬ事、そして一撃の下に即死させられたら無効化される事
発動の間を与えぬ必殺の一撃に対し、我が身を代償とするカウンター技との相性は悪い

●マニアック(狂気)な理論
だが、俺は並みの攻撃では死なぬ
武具と技(武器受け、盾受け、オーラ防御、見切り)を駆使し、直撃を避けて封印解除される180秒間を凌ぐ
また相手の対抗装置が瀕死から回復させる類の物ならば自傷
如何なる状況でも瀕死となるまで戦い続け、必ずや【Colossus of Rhodes】を発動させてその一撃に全てを賭ける

「例え我が身が砕けようとも……この血と魂魄が貴様の齎す悪しき終焉を打ち砕く!」


明石・真多子
キマイラフューチャーのピンチなら軟体魔忍のアタシが許さないよ!
お尻が真っ赤になるくらいお仕置きしてやるから覚悟しろー!

でもアタシの技って基本接近戦用だから空飛ばれちゃうとどうしようもないんだよね…
このままじゃあのサルに、タコは地面に引っ付いてろってバカにされちゃうよ~。

でもこっちにだって故郷を命運を背負ってるんだから!
『タコ墨』を投げつけて[目潰し]だ!丸腰だと思って油断してたね!
この一瞬の隙を突いて、『バネ触手』で全力[ジャンプ]したら足裏の吸盤で組み付こう!

今のキミはさながらミザルって感じだね。
ついでに【軟体忍法たこ焼きの術】でタコ殴りして、その減らず口をイワザルにしてやるぞ!


エレクメトール・ナザーリフ
■準備
拳銃に炸裂すると広範囲に爆発する特殊散弾を込める
プラズマ弾を放てるようブラスターを調整

■戦闘
射撃で牽制、ダッシュで接近し《零弾地獄》発動
これは予備動作なく超高速で敵の懐に入り込み
二丁拳銃で零距離射撃を行うが回避されても中止出来ない
おそらくジェットパック等の装置を作り回避してくるでしょう
翼があるので飛べそうですし

ただし回避されても射撃は行えますし銃口の向きも変えられます
早業で拳銃とブラスターの銃口を地面に向け連続射撃
以下のように跳弾させる
・回避した敵の方向へ跳弾
・敵の目の前で散弾とプラズマ弾がぶつかり炸裂するよう射撃タイミングを合わせる

ダメージが与えられれば銃弾を直接当てる必要ないですよね



●猟兵、不屈なり
 鮮やかな花の坂道を上りきれば、全身が焼けて疲弊が見えるエイプモンキーの姿。
 だがコロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)はその精悍な顔に油断なく、明石・真多子(軟体魔忍マダコ・f00079)もいつにもましてマジである。
「キマイラフューチャーのピンチなら軟体魔忍のアタシが許さないよ! お尻が真っ赤になるくらいお仕置きしてやるから覚悟しろー!」
「怪人どもの大幹部とやら、俺の相手をしてもらおうか」
 一気呵成に攻めるべく、駆け抜ける真多子とコロッサス。
 対するエイプモンキーは、負傷をおして立ち上がり、サングラス越しの視線で2人のユーベルコードを瞬時に見抜く。
「まずはそこの大男! おまえの攻撃は瀕死にならなければ発動しないウッキー! ならばおまえに有効なのは、この千手観音マシーンウッキー!」
 コロッサスを指差すと、エイプモンキーは無数の腕を持つ像を創造した。自律して動くそれはコロッサスの肉体を、その腕に持つ剣や銃で攻撃し、的確な医療処置で死の淵までは送らない。
 そうして狙っているのだ。一撃で仕留めきれるほど弱るのを。
 積み重なるダメージを受けて、コロッサスがよろめく……しかし2本の剣『終焉砕き』と『金剛夜叉』を突き立てて体を支えた。
 倒れない。コロッサスは。
「確かに俺のユーベルコードの弱点は、そのとおりだ。発動の間を与えぬ必殺の一撃に対し、我が身を代償とするカウンター技との相性は悪い……だが、俺は並みの攻撃では死なぬ」
 血に濡れた顔の双眸に、獣じみた眼光が灯る。闘気が迸る。
 剛剣で千手観音マシーンの腕を斬り飛ばし、鎧の肩で剣をかちあげ、銃弾を籠手で打ち落とす。そんな並外れた芸当、身を晒す狂気で致命傷を防ぎつづける。
「耐えてやろう。たかが180秒だ」
「大した奴ッキーね……でもそれは単なる無謀!」
 エイプモンキーの口角が歪む。彼の目には、コロッサスが傷ついてゆくさまがしっかりと映っている。捌ききれぬ攻撃が着実にコロッサスを追い詰め、体力を奪っていた。
 真多子は、弾かれるように飛び出した。
「こらー! そんな状況が目の前にあって、黙って見てるアタシじゃないよ!!」
 4本のタコ触手をうねらせて、真多子がエイプモンキーの背後から飛びかかる。組み付ければそのまま、元々の腕と触手との6つの拳を打ちこむ『軟体忍法たこ焼きの術』を見舞ってやる算段である。
 しかし真多子の触手は空を切った。すんでのところでエイプモンキーのアーマーの翼が青白い光を噴射し、上方へ飛びあがってしまったのだ。
「ウッキッキー! おまえの攻撃は近接技! なら離れてしまえば楽勝だウッキー!」
「う~~ん……確かにアタシの技は相手に空飛ばれちゃうとどうしようもないんだよね……でもこっちだって故郷の命運を背負ってるんだから!」
 言うが早いか、真多子は上空へ自前のタコスミを射出。黒い液体がエイプモンキーの鎧の顔部分に当たり、視界を塞ぐ。
「今だ! ジャーンプ!」
 触手をバネに見立てて、真多子が全力で跳躍した。
 しかしエイプモンキーは宙を旋回し、取りつこうとした真多子から逃れる。
「あれっ!?」
「惜しかったッキーね。でもミーはそう簡単に捕まらないッキー!」
 べーっ、と舌さえ出して勝ち誇るエイプモンキー。
 だが次の瞬間、彼の顔からその憎たらしさは消えていた。遠くから、銃撃が無数に、エイプモンキーめがけて放たれてきたからだ。
 空中で辛うじてその射撃を避けたエイプモンキーが見つけたのは、ロリポップをくわえたミレナリィドールの少女――エレクメトール・ナザーリフ(エクストリガー・f04247)が花道を滑り下りてくる姿だった。
「な、何をするッキー!!」
「でっかい的が浮かんでたら、まずは引き金を引くでしょ?」
 銀のくせっ毛を揺らして微笑を浮かべたエレクメトールは、そのまま牽制射撃を続けてエイプモンキーの高度を下げさせつつ、全速で接近を試みる。
 超高速で懐に入りこみ、零距離射撃を撃ちこむ。
 それが彼女のユーベルコード『零弾地獄(イントゥー・ザ・ヘル)』だ。
 当然、それはエイプモンキーもすぐに感じ取る。
「読めたッキー! でもその攻撃もさっきのタコと同じように、離れてしまえば解決……しかもおまえのは途中で中止できないからミーの動きにも対応できないッキー!」
 新たに創造するまでもない、と翼を再び噴射させて、前を向いたまま後方へと飛んでゆくエイプモンキー。見る間にエレクメトールとの距離が離れる。
 しかしエレクメトールもまた再びかすかに笑い、ロリポップの棒を吹き捨てる。
「回避されても射撃は行えますし、銃口の向きも変えられます」
 早業で拳銃とブラスターを抜いたエレクメトールは、弾を地面に向けて撃ちこんだ。予め拳銃に仕込んでおいた特殊散弾と、ブラスターからのプラズマ弾が足場から跳ね返り、思考もおっつかない速度の跳弾となって暴れだす。
「な、何を――」
 目を丸くしたエイプモンキーの眼前で、散弾とプラズマ弾がかちあった。
 閃光。炸裂。
 鎧のマスクを吹き飛ばされたエイプモンキーが、顔を押さえてのたうった。破片が顔じゅうに突き刺さり、目も開けられない。
「よーっし、アタシも続くよ!」
「!? し、しまったッキー!?」
 がしっ、とエイプモンキーの背後から今度こそ組み付く真多子。びっちりと貼りついた軟体魔忍の吸盤は、暴れようが1ミリも離れはしない。
「は、離れるッキー! なんかヤな感触ッキーよ!?」
「今のキミはさながらミザルって感じだね。でも安心していいからね! アタシがタコ殴りにして、その減らず口もイワザルにしてやるぞ!」
 うねうねしていた6本の腕に闘志がみなぎると同時、その拳が一斉に打ちつけられる。全身を覆うエイプモンキーの鎧は強固だったが、その鎧さえその剛拳は無惨に穿つ。
「ひ、ひいいっ!?」
 痛みに身もだえたエイプモンキーは、真多子の吸盤から解かれて逃げるように転がった。
 けれど温情なんかではない。
 彼が転がった先には――コロッサスが立っていた。
 180秒間を凌ぎ切り、千手観音マシーンをただの木材と鉄くずに変えてのけた男が、満身創痍で立ちふさがっていた。
 コロッサスは己の剣の刃を、自身の脇腹にあてがう。
「例え我が身が砕けようとも……この血と魂魄が貴様の齎す悪しき終焉を打ち砕く!」
 引いた刃が肉を斬り、鮮やかに血飛沫が舞う。焼けつく痛みに意識が薄れかかる。
 そして死の淵を覗いたところで――雄大にして巨大な像。コロッサスのユーベルコードが生む『ロードスの巨像』が、顕現していた。
「な、何が起きてるッキー!? 恐ろしい気配がするッキー!?」
「さらばだ……また蘇ったとしたら、そのときは俺が再び葬ってやる」
「ウッキィィィーーーーーーーーーー!!!?」
 巨像が振り上げた剛剣が、嵐のような風を巻き起こしながら叩きつけられる。
 エイプモンキーの断末魔が潰えると、ただ花々が舞うだけの静かな空間が訪れた。

 想像と創造を武器とした猿との戦いは、かくして猟兵たちの勝利で幕を閉じる。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月12日


挿絵イラスト