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バトルオブフラワーズ⑨〜空想の果て

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

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 システム・フラワーズ。キマイラフューチャーという星の中枢であるその空間に、その怪人は立っていた。
 マニアック怪人エイプモンキー。彼の想像の範疇に及ぶのであれば、あらゆる道具を『創造』する能力をもつ恐るべき怪人である。
「キキキキッ!猟兵どもめ、来るがいいウッキー……このエイプモンキーがユーたちを1人残らず返り討ちにしてやるッキー!」
 無数に花が咲き乱れる空間で、怪人は笑う。
 この無敵のエイプモンキーを、やれるものならやってみろ、と。

「まずは汝らをほめてつかわす。まっこと速い進撃だ。素晴らしいぞ」
 グリモア猟兵、ロア・メギドレクス(f00398)は、ベースに集まった猟兵たちの顔を見渡して頷く。
「だが、我々の進軍を阻むおおきな壁が現れた。……そうだ。幹部級怪人の登場であるぞ」
 マニアック怪人エイプモンキー。
 システム・フラワーズの中枢に入り込んだ幹部級怪人の1人だ。数多くのマニアック知識を広く深く持ち、その知識からあらゆるものを《想像》し、《創造》することができる能力をもつ。
「エイプモンキーは非常に強力な怪人だ。しかも撃破された途端に戦場に復帰する」
 しかし、それについては短時間の間に一定以上の回数撃破すれば限界がくるため、みんなでがんばってやっつければよい。そこについてはもうがんばれしか言えない。
「それより重要なのは、奴の個としての能力だ。エイプモンキーは汝らのユーベルコードを一目見た途端に弱点をマニアック知識を駆使して考察し、見抜き、そして無効化するための道具や戦術を《創造》する。即ち、無策で挑めば一撃与えることすらできぬぞ。重ねて言う。無策で突っ込めば汝は負ける。絶対にだ」
 故に、対策を立ててゆくことが必ず必要になるとロアは言い添える。
「これを掻い潜りエイプモンキーをブン殴ってやるためには……奴と同じことをしてやればいいのだ」
 奴が「お前の技は見切った!」と言うのなら、見切り返してやればいい。すなわち、エイプモンキーが仕掛けてくるユーベルコードへのカウンター手段を予測し、それに対する策や工夫を講じることでそれを躱して攻撃を届けるのだ。
「付け加えておくが、この『対策』に別のユーベルコードを用いるのは止めておけ」
 エイプモンキーはユーベルコードに反応して《創造》を行い、そこに限界はない。ユーベルコードの多重起動は敵の能力も誘発されるのだ。あくまで『工夫』せよ、とロアは説明する。
「作戦は理解したな?敵は汝らのユーベルコードを潰しにくる。汝はそれに対策し、敵の戦術や道具を掻い潜りあのふざけたツラに一発カマしてやる。以上だ」
 準備は良いな。ロアは最後にそう問い、グリモアを輝かせた。


無限宇宙人 カノー星人
 ごきげんよう、イェーガー。カノー星人です。
 我々カノー星人もまたボス戦による侵略活動を開始いたしました。
 この度の侵略活動についてはボス戦のため、プレイングの内容を確認させて頂き、内容によりましては厳しい判定をさせていただきます。攻略失敗という結果になることにも躊躇ありません。あらかじめご了承の上、ご参加をご検討ください。
 注意事項などは以下をご参照ください。

 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「バトルオブフラワーズ」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。

 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
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第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

花巻・里香
想像に創造…このエロ猿。
クリスタライズの透明化に対して、温度や物音に反応し反撃するマシン、そこまでなら普通ね。
きっと、見える様にすればいいとばかりにマニアックな着色を、私にボディペイントを施して相殺するの。
ペイントされたらUCの疲労もあって艶美に誘惑し注意を惹きつけ、
熱や物音に対策された、だまし討ちに特化したからくり人形を仕草で遠隔操作。
人形を操る糸もまたサイキックエナジーで出来ているから見える糸(物質)と見えない糸(非物質)を使い分けて欺くわ。
見える糸を張り巡らせた感知網で動きを見切り、糸使いと誤認させるわ

狙いは、私自身を見つかること前提の擬似餌とし、人形は透明化を維持したままの騙し討ちよ。



「《想像》に《創造》……」
 システム・フラワーズ空間内にて、花巻・里香(f05048)はエイプモンキーの姿を追って走る。空間内に咲き乱れる花々は足場となり、猟兵たちとエイプモンキーの間を繋いでいた。
「キキーッキキキ!来たウッキーね!ユーのユーベルコードなどお見通しッキー!クリスタリアンは透き通る身体を持ち、『透明化』の能力を用いる種族、どうせユーも『クリスタライズ』でミーに不意打ちでも仕掛けるつもりウッキー!」
 嘲笑うエイプモンキー。その姿を睨め付けながら、里香は叫ぶ。
「この……エロ猿!!」
「ファッ!?」
「ええ、その通り……私は【クリスタライズ】を使うわ」
 エイプモンキーに相対しながら、里香は透明化を開始する。
「ふ、フン!なにを自信満々にしているッキー!!そんなもの、ミーの《創造》したこのサーチャー・ゴーグルによる熱感知サーマルセンサーと超知覚鋭敏集音器、そして同質の性能を搭載したアタッカービット《みざらざるくん》でイチコロウッキー!」
 エイプモンキーは哄笑とともにマシンを創造!そして更に――
「見え」
「そう、そしてあなたは更に『見えるようにして辱めてやるッキー!』とか言いながらここぞとばかりにペイント弾などでマニアックなボディペイントを私に施すつもりね!!」
「ファッ!?」
「わかるわよ……そのサングラスに隠されたいやらしい目つき……!まさに爛れた欲望のままにメスを蹂躙することを愉悦とするケダモノの目ね……!なんておぞましい!きっと性癖も相当マニアックに違いないわ……ボディペイントに欲情するだなんてその最たるものね!!」
「そそそそそそんなわけないウッキー!!」
 エイプモンキーは叫びながらもアタッカービット《みざらざるくん》からペイント弾を放出し、里香にビビッドカラーで着色してゆく!
「ほら!!!ご覧なさい!!!よりにもよってショッキングピンク!!!こういうのに興奮して、私にきわめてマニアックなプレイをさせるつもりね!!エロ同人みたいに!!!」
 里香はエイプモンキーを睨め付け、怒りと共に叫ぶ!!
「エロ同人みたいに!!!」
「性癖は無関係ッキー!!!!!」
 カラフルに染まった里香はそのままエイプモンキーへと真っ直ぐに向かう。その指先には煌めく糸が踊った。
「キキキ!しかーし!!このミーに心的爆撃を叩きつけ動揺を誘おうとも無駄ッキー!このエイプモンキーのパワーを思い知らせてやるッキー!」
 エイプモンキーは花々の足場を蹴立て跳躍!その豪腕が唸りをあげる!
「そんな貧弱な糸でこのミーが仕留められるわけがないッキー!!」
 近接の間合い!エイプモンキーは固く握った拳を里香へと叩きつけ――
「かかったわね」
「なにィ!?」
 背後から、《透明化した戦闘用人形》に刃を突き立てられるッ!!
「き、貴様……!!」
「そう。あなたは私という餌にまんまと釣られた……っていうことよ」
 里香は自分自身に注意を向けさせ、その真の武器であるからくり人形の透明化を維持していたのだった。熱を持たぬ人形を、きわめて静音で動作させれば敵の死角を付くことができる……挑発的な言動で視線を釘付けにしていたのも、ひとえにそれを隠し通すためだ!これが捕食者である花蟷螂の仕儀である!
「キキィッ!!!」
 エイプモンキーは怒声とともに薙ぎ払う!凄まじい拳圧!ビビッドカラーに染まったまま、里香はその場から後退を急いだ!
「とはいえ、タネが割れればこれ以上は無理ね……!」
「キ、ッ……こ、この愚かな猟兵ごときが、このミーにッ!!」
 この戦場における初撃は猟兵たちが先手を取る。だが、エイプモンキーの力は強大だ……!致命の一撃を叩き込むにはまだ遠い。戦え、猟兵たちよ!

成功 🔵​🔵​🔴​

桜庭・英治
いくぜエイプモンキー!
てめぇが機械で対抗してくるなら俺はその機械をショートさせてやるぜ!
サイキックブラストを使って全力で属性攻撃だ
エイプモンキーのいる場所を覆うように雷を飛ばしてやる

……けどやっぱり絶縁シールドとかで対抗してきそうだ
するよなやっぱ、俺なら絶対そうする
けどそのまま力押しをする振りして電撃の出力を上げるぜ
敵が勝ち誇ったときが反撃のチャンスだ

匂いに気付いたか?
オゾンの匂いだよ
放電に反応して発生する気体なんだぜ
高濃度のものを吸い込めば内臓すら蝕む有毒の気体だ
それがお前の周りに充満してる

ここで退場してもらうぜエイプモンキー
歯ァ食いしばれ!
全力右ストレートだ!



「行くぜ、エイプモンキー!」
 桜庭・英治(f00459)は走る。咲き乱れる無数の花々を踏みしめながら、嘲笑うエイプモンキーを目指して!
「キーッキキキ!!先程は不覚をとったでウッキーが、もうこのミーに油断はないでウッキー!ユーも即時返り討ちにしてやるッキー!」
「いつまでもそう余裕ぶった顔はさせないぜ!」
 駆ける英治の手の中で光が走る。電光!【サイキックブラスト】だ!
「キキキキキ!!そんなに粋がってやってきて、サイキックブラストぉ?そんなもの、ミーに通じると本気で思っているッキー?キキキ!この《スーパーひらいしんくん》を設置することでユーの電撃はすゥべてこっちに吸い寄せられ、完全に無効化されるッキー!!」
 エイプモンキーは哄笑とともに《創造》!虚空より生み出された細身の鉄の塊が浮かぶ!
「やってみなくちゃわからないだろ!てめぇが機械で対抗してくるなら俺はその機械をショートさせてやるぜ!」
 英治は電光を放つ!雷鳴と見まごうばかりの全力の放電だ。強烈な稲妻の光が花々を白く染め上げる。
「無駄でウッキー!」
 しかしその電撃がエイプモンキーに届くことはない。《スーパーひらいしんくん》の強力な電気誘導能力によって、その光は避雷針へと収束させられる。エイプモンキーはいやらしく笑みを浮かべながら花々を踏みしめ、ゆっくりと足を踏み出した。
「ユーはベリーベリー愚かウッキー。策もなく飛び込んで、このミーに届くとでも思ったッキー?」
「まだだ……!まだ、決まっちゃいない!」
 英治は更に精神を集中し、電撃の出力を上昇させてゆく!膨れ上がる電光!雷が避雷針の表面でばちばちと音を立てて爆ぜる!
「ユーはもう終わりッキー!キーッキキキ!さあ、そろそろミーのパワーを思い知らせて……」
「……ハハ」
 英治は笑う。
 彼の攻撃手段であるサイキックブラストの電撃は完全に封じられ、無効化されていた。これから始まるのは、エイプモンキーによる一方的な攻撃だ。圧倒的に不利な状況である。
 だが、英治は笑った。
「……何故、笑っているッキー?」
「なんだよ、まだ気づかないのか?」
 英治は尚も放電を続けながら、エイプモンキーを挑発的に睨む。
「匂いだよ」
「匂い……? キキキ!なるほどッキー!わかったウッキー。ユーの狙いが……」
 匂い。
 このやり取りの中で、エイプモンキーは気付く。放電と、匂い。それが指し示すものは、化学反応によるオゾンの生成だ。
「放電に反応して発生する気体なんだぜ……!高濃度のものを吸い込めば内臓すら蝕む有毒の気体だ!」
 そう。サイキックブラストによる攻撃は本命ではない。敵の油断を誘うためのブラフ!オゾンによる有毒ガスが英治の狙いだったのだ!
「キキーッキキキ!愚か!愚か愚か愚か!ユーはとんでもなく愚かでウッキー!このミーの無敵アーマーにつけられたバイザーが見えないッキー?ミーを毒ガスで攻撃しようとしても……無駄……!?」
 エイプモンキーは嘲笑う。だが、その笑みは次第に消え去っていた。それは驚愕と動揺だ。
「な、何故匂いがするッキー!?バイザーで完全に外部の空気は遮断しているはず……」
「なんだよ、お前。もう忘れちまったのか!」
 英治はここでサイキックブラスト放電を停止し、走った!彼が待っていたのはこの瞬間である。オゾンの毒に気づいたエイプモンキーが困惑したこの時こそが、最大の勝機だ!
「さっき猟兵とやりあって、背中に穴開けられたばっかだろ!!」
「グアーッオゾンホール!!!」
「意味が違えッ!!」
 有毒のオゾンが充満する空間である。当然、英治にとっても無事では済まない環境だ。だが、英治はこの勝機を逃すまいと至近距離まで詰める!
「歯ァ食いしばれ!」
 渾身の右ストレート!!覚悟と意地を乗せた硬い拳の一撃が、エイプモンキーのバイザーを殴りつけ、叩き壊すッ!勢いのまま、その顔面にキツい一発!
「ぐギ……!!」
 エイプモンキーは衝撃に身を任せてわざと大きく吹き飛んだ!このままこの場に止まればオゾンの毒を受けてしまう。致命には至るまいが、弱体化こそ免れないだろう。そうなる前に、エイプモンキーは全力で後退!
「ハア……ハア……クソ、仕留め損なった」
 だが、英治もこのままでは無傷で済まない。彼もまた一時離脱。次の猟兵たちと交代する。

成功 🔵​🔵​🔴​

アンネリーゼ・ディンドルフ
■SPD
オブリビオンは失われた過去の化身
【時間の矢】は失われた過去に縛られているオブリビオンの時を前に進ませ、毒相当のダメージを与える

エイプモンキーは私のUCの弱点を突くが私の行動を予知する訳ではない
私のUCの弱点は回避される事
行動で回避させないよう試みる

すたすたとエイプモンキーに歩み寄る

「エイプモンキーさん、初めまして。私はオブリビオン料理研究所の団長、アンネリーゼ・ディンドルフです」
ぺこりと挨拶

相手の性格上、私の行動に必ず何かしら反応するのでその間にUC攻撃を試みる

その後は相手の攻撃を【見切り】や創造物を盾に回避して【たけのこドリル】で創造物の除去や相手への攻撃を試みる

出来れば食べてみたい



「エイプモンキーさん、初めまして。私はオブリビオン料理研究所の団長、アンネリーゼ・ディンドルフです」
 アンネリーゼ・ディンドルフ(f15093)は真正面からエイプモンキーへと歩み寄り、丁寧なアイサツをした。
「はあ、これはどうもご丁寧にウッキー……は?オブリビオン料理??ユー、ひょっとしてミーたちオブリビオンを捕食対象として見ているッキー??」
 エイプモンキーはなにかものすごくおぞましいものを見るような目つきでアンネリーゼの姿をあらためて見て、「うわあ」と短く唸りながら引いた。
「出来れば食べてみたいとは思います」
「カニバリストとはなかなかマニアックな嗜好をしているッキー……」
「そうでしょうか」
 ですが私、グールドライバーなので、とアンネリーゼは言い添え――
 その刹那である。アンネリーゼは素早く不意を打つように弓を構え、矢を放つ!
 これが彼女の作戦であった。アンネリーゼは、自身のユーベルコードである【Time's Arrow】の弱点を、『回避されたら効果を発揮しない』ことだと考えた。故にエイプモンキーの注意を引くことで確実に命中させんとしたのである。
「なるほどッキー」
 ざ、ッ!至近距離から素早く放たれた矢はアンネリーゼの想定通り、エイプモンキーに命中!装甲を穿つ!
「この矢はユーのユーベルコードでウッキー。【時間の矢】……なるほどなるほどッキー?命中した者の『時を進ませる』技とはユニークなものを持ち出したッキー。ミーたちオブリビオンはたしかに過去の存在。その時流を狂わせればダメージを与えられる。なかなかマニアックな着眼点ウッキー」
 しかし、エイプモンキーは装甲に突き立ったその矢を引き抜き放り捨てる。
「しかし残念だったッキー。ユーのユーベルコードは、『時を操ることができる』なら効果を打ち消されるッキー。ミーはこの《ながれざるくん》によってミーの時流を逆行させることで時を進めるユーの技と打ち消しあい無効化したウッキー」
 エイプモンキーはせせら笑い、ストップウォッチめいたガジェットを見せびらかした。時空粒子操作装置《ながれざるくん》である。
「なんですって……!」
「ミーの知識に対抗するにはマニアックさが足りないッキー!」
 エイプモンキーは花々の足場を蹴立て、豪速で飛び出した!硬質な拳を振りかざす!
「く、ッ!」
 アンネリーゼは歯を食いしばりながらドリルを起動し迎撃!だが、エイプモンキーの強烈な拳と打ち合い弾かれる!
「ミーは煮ても焼いても食えない奴ッキー!根性据えて出直してくるッキー!!」
 轟、ッ!エイプモンキーの鉄拳が更に追撃する!アンネリーゼは後退を余儀なくされ、エイプモンキーと間合いを取る。
「ッ……!すみません、下がります!」
 アンネリーゼはエイプモンキーの追撃から逃れつつ、戦場を離脱する。エイプモンキーの体力は未だ尽きることなく、戦いはまだ続く……!

苦戦 🔵​🔴​🔴​

イサナ・ノーマンズランド
SPD

UC使用を前フリに、取り出した拷問具には見向きせず、担いだ棺桶を【盾】に飛び込み、バリアとかを迂闊に張れないくらい間合を詰めて大技を使えない様に【敵を盾にする】。
【クイックドロウ】と【早業】により棺桶から取り出した銃火器類で【零距離】から【一斉発射】を見舞う。

「おさるさんに有効な拷問具はこれ――――」(教育ママっぽい猿のぬいぐるみ)
「だけど!!」 「あえて、使わない!!」
「両手で銃をもって火力は2倍! いつもの2倍がんばって走ってるから、さらに2倍の4倍パワー!」

「そしていつもの3倍の弾薬量を加えれば、4×3の……おさるさん! キミを上回るいつもの12倍もつよいわたしフルパワーだー!!」



「今度の相手は誰ッキー?まだまだミーはぜんぜんパワフルッキー!」
 これまでの戦いによりいくらかの傷を受けた状態でこそあるが、エイプモンキーは未だ健在であった。
「よし、それじゃあわたしの出番だ」
 イサナ・ノーマンズランド(f01589)がここで名乗りを上げ、エイプモンキーへと向けて歩き始める。イサナは早速ユーベルコードを起動し始めた。
「ごあすくりーみんぐしょーう!」
「こいついろんな意味で危ないユーベルコード投げてきやがったッキー!!!!」
 イサナはユーベルコードにより、【対象に有効な拷問具】を召喚する!
「おさるさんに有効な拷問具はこれ――――」
 飛び出したのは教育ママめいた意匠。尖ったメガネをつけた教育熱心バリバリストイック真面目ママ、といった雰囲気のぬいぐるみである。
「キキッ!!教育熱心だったミーのマッマそっくりウッキー!!!さてはそのぬいぐるみ、スパルタ教育を受けていたミーのトラウマを抉るために出したッキー!」
 そうはさせるか、とばかりにエイプモンキーは笑い、そして《創造》する。万能梱包機《しまっちゃうはこさん》だ。
「キキキキキ!ユーのユーベルコードは『拷問具』を召喚し、それでもって相手をいたぶるという能力ッキー!しかァし!その道具そのものを封じてしまえば効果を発揮することはないウッキー!」
 エイプモンキーは勝ち誇りながら《しまっちゃうはこさん》を起動!箱から伸びるマシンハンドがぬいぐるみをやわらかな梱包材で何重にも包み込みそして箱の中へしまいこむ!悪いものはどんどんしまっちゃおうねえ。
「キーッキキキ!!どうだどうだッキー!参ったッキー?」
「あ、だいじょうぶです。それ使わないので」
「ファッ!?」
 エイプモンキーがイサナの拷問具に対処している間、イサナ本人は突撃準備を整えていた。というか既に突貫の構えだ。担いだ棺桶を盾がわりにしながら花々を足場にし、素早く駆け間合を詰める!
「よいしょっと」
 がしゃん!棺桶――武装コンテナ『カズィクル・ベイ』のレバーを引き、兵装を展開。飛び出した銃火器を乱暴に引っ掴んで構える!
「キキッ!!ミーの不意を打ったのは見事だったと褒めてやるッキー!しかしこのミーのマニアック知識!そしてあふれる知性から繰り出されるパワーに前にユーはShockで崩れサルッキー!」
「両手で銃をもって火力は2倍! いつもの2倍がんばって走ってるから、さらに2倍の4倍パワー!」
「ゲェーッその理論は!!」
 迎撃の構えを取るエイプモンキーは動揺する!このパワー計算はかつてキマイラフューチャーを席巻した女子プロレスラー、センソウーマンが述べた理論である。時の数学者ユーディター・マゴット博士も取り組んだ問題だ。このような理論を持ち出してくるとは!エイプモンキーはイサナのマニアックさに舌を巻く。
「この距離ならバリアははれないな!」
「キキイッ!!」
 至近!そして動揺するエイプモンキーに向けてイサナは構えた銃火器をどかどかと撃ち込んでいく!
「そしていつもの3倍の弾薬量を加えれば、4×3の……おさるさん!キミを上回るいつもの12倍もつよいわたしフルパワーだー!!」
「キキーーーッ!!」
 スナイパーライフルが咆哮!ショットガンが散弾を叩き込み、更に至近間合から10mmハンドガンの弾を撃つ!さすがのエイプモンキーもただでは済まされない。想定以上のダメージに、ついにアーマーの装甲部へとひびが入る!
「お、おのれ猟兵どもッキー!!どうやらミーはユーたちを過小評価していたよウッキー……ならば、ミーもそろそろ本気で相手をさせてもらウッキー!!覚悟するッキー!!」
 エイプモンキーは鋼鉄の豪腕を払い、至近距離のイサナへと反撃!しかしイサナは既に退き際を見切り後退を始めていた。エイプモンキーの拳は空を切り、手応えがないことに憤りながらもエイプモンキーは再び後退!
 幹部怪人との死闘は、佳境に入りつつあった。

成功 🔵​🔵​🔴​

フォンミィ・ナカムラ
あたしの必殺技、詠唱が特徴的だから何やるか絶対バレバレになっちゃうんだよねー
だから、逆手にとってフェイントに使うよ!

オリジナルUC【トゥインクルスター・マジカルシュート】(以下TSMS)の呪文を読み上げながら【エレメンタルファンタジア】(以下EF)の発動準備
実際に使うのはEFだけど、
あたかもTSMSを使うようなそぶりで【オーラ防御】しながら【高速詠唱】

「(前略)TSMS!(TSMSを使うとは言ってない)」

猿がTSMSを相殺・回避するモードに入ったところでEFまたは【属性攻撃】【全力魔法】
石つぶての大雨を頭から降らせるよ
前からのビームに備えてるなら、きっと頭上へは注意は向かないよね!



「もはやミーに油断はないッキー。ミーはユーたち猟兵を、紛れもなく強敵だと認識したウッキー」
 エイプモンキーは短く息を吐きながら、猟兵たちへと告げる。
「このエイプモンキーの全力をもってユーたちを殺し尽くすことを約束するッキー」
「そんなこと、させないよ!」
 殺気を膨れ上がらせるエイプモンキーへと立ち向かい、きらめく精霊杖ホッピポッラをフォンミィ・ナカムラ(f04428)が構える。
「あたしの必殺技で、やっつけちゃうんだからね!」
「キッキキキ……!やってみるッキー……!」
「いくよ……!エレメンタルパワーチャージ!」
 フォンミィは杖先に光を集め、術式の構えをとる。杖の先端に精霊の力が収束する!
「世界に眠る精霊よ、現在(いま)を築いた歴史の河よ、未来を繋ぐ煌めきの欠片よ、あたしに力を貸して!」
「キッキキキ!何かと思えば魔法少女のテンプレウッキー!ユーのユーベルコードはその杖を砲身代わりに使って光線を撃ち出す技ッキー!ならばミーはそれを反射するリフレクターを産み出すッキー!これでユーに全返しッキー!」
(かかった!)
 フォンミィは内心でほくそ笑む。彼女の作戦は、必殺の『トゥインクルスター・マジカルシュート』を撃ち放つと見せかけて、『エレメンタル・ファンタジア』を発動して騙し討ちを仕掛ける、というものだ。
「これで……!トゥインクルスター・マジカル……」
「――そしてユーの本当の目的であるエレメンタル・ファンタジアの弱点は『制御が難しく暴走しやすいこと』ッキー」
 エイプモンキーは口の端を吊り上げながら指を鳴らし、奇怪なガジェットを呼び出した。魔的量子波干渉装置《ゆらぎちゃん》。放つ反魔的量子波が、フォンミィの作り出したエレメンタル・ファンタジアの魔力を崩し暴走させる!
「そんな……!」
「ミーを甘く見過ぎウッキー。ミーはいかなるユーベルコードであろうと発動を先読みし先制することができるッキー。多重起動するなら、ミーはその度に動くことができるッキー」
 エイプモンキーの頭上に降り注ぐはずだった石弾の雨は、術式の暴走によって四方八方へと飛び散った!エイプモンキーはそれを易々と躱しながら踏み出し加速!フォンミィの眼前へと迫り、凄まじい威力の拳を撃ち放つ!
「キキキキキ!!キャーッキャキャキャキャ!」
「くっ……!」
 フォンミィはオーラによる防壁を展開し、エイプモンキーの拳を受け止める。だが、強烈な衝撃に防壁は砕け散った!これ以上の戦闘続行は困難だ。フォンミィは急ぎ後退する!
「キキーッキキキ!ミーの知識に対抗するだけのマニアックを用意して出直してくるッキー!!」
 エイプモンキーに油断はない……!戦いは更に熾烈を極めてゆく!

苦戦 🔵​🔴​🔴​

クラウン・メリー
うっちゃん(f14500)と

【常に皆をオーラ防御】

花が咲き乱れているステージなら
俺のお花も紛らわせれるかも!
こっそり、ふわわーっと飛ばすよ!

俺達、お客様に楽しんでもらいたくて
興行しに来ました!

俺の担当はパフォーマンス担当っ!
黒剣をジャグリング!
火の輪を直接手で持ってくるくる回して、惑わせる。

ふふ、大丈夫攻撃なんてしないよ?お客様なんだから!
一礼してから、俺達の芸凄かった?ありがとう!

じゃあ……。

実はこっからが本番。
敵の後ろには花になっていた【鎧も砕く】大玉。
思いっきり当てて気絶させる!

もし、敵が攻撃してきたらシナトに教えてもらって
後は飛んだり、大玉を自由自在に動かして防ぐ!

撤退だー!ばいばい!


荒・烏鵠
みっちゃん(f03642)と興行しに来ました!
@SPD
(まず、シナトの封印を解いて風に変化。オレらを覆う。周囲全部がシナトの視界に入るから死角からの攻撃に対応できる)
ハイ。興行です。
旦那、CFの偉いサンだろ?トーゼン目も肥えてるよな?
オレらのワザ見てッてくンね?
いや企むとかでなく。通用するか試したいンよ。

つーワケで。
ドーモ流しのサーカス団です!総勢二名!!(紙吹雪)
オレの担当はトランプ手品だ。ホレお客さん一枚選んで?…ソレはコイツだな!
ッてな感じで。マニアックな技もどんどん使う。

普通に攻撃されたらおしまいだ。全力で気を引く。
完全に油断させた最後の最後、帰る直前。
その一度が全てだ。頼んだぜ友よ。


スサノオ・アルマ
エイプモンキーというのか
僕はしんまいだけど、よろしくね
どうかおてやわらかに

さあ
いちめんに花がさきみだれる
この美しいばしょを

地獄に変えよう

※ ※ ※

【創世】で戦場を白い炎で焼き尽くします
敵は炎への耐性を高めて消火してきますが問題ありません
ここは花園、燃えるものはたくさんあります

敵がどれだけ炎を防ごうと
消費される酸素まで補充することは不可能です
また、戦場全体が高熱に包まれるのでアーマー内部のモンキーを蒸し焼きにするでしょう
ましてやアーマーに穴があるならなおさらです


狼の口で人語を話すのが不慣れなので
あまり喋らず、ひらがな多めになります

アドリブ、連携などは大歓迎
採用が難しければ遠慮なく流してください



「キキ……!」
 エイプモンキーは更に鬼気迫る様子で戦場に立ち、猟兵たちを迎え撃つ。
 そこに現れたのは、3名の猟兵である。
「ドーモ流しのサーカス団です!総勢二名!!」
「俺達、お客様に楽しんでもらいたくて興行しに来ました!」
 荒・烏鵠(f14500)とクラウン・メリー(f03642)の2名だ。
「どうかおてやわらかに」
 白い狼の姿をもつスサノオ・アルマ(f16425)もそこに立つ。烏鵠が怪訝そうに彼女を横目に見ると、スサノオは「僕もやる」とちいさく呟いた。
「では、こちらの狼さんを加えて総勢三名!」
「なんのつもりッキー?」
 モンキーは冷ややかな様子で猟兵たちの姿を見据える。戦いの最中に興行とは。なんの目論見があってのことか……?
「ハイ。興行です。旦那、キマフュの偉いサンだろ?トーゼン目も肥えてるよな?」
「それは当然ウッキー。このエイプモンキーのマニアック審美眼の高さは折り紙つきッキー」
「そンなら、オレらのワザ見てッてくンね?」
「はい!俺はパフォーマンス担当っ!」
「僕はもうじゅう担当」
「キキッ」
 エイプモンキーは嘲笑う。いいだろう。どのような企みを隠していようともユーベルコードを起動した時点でエイプモンキーは手を打ち、叩きのめすつもりだ。
「なら、見せてみるッキー。ミーのパワーに対抗できる策だというなら、試してやるッキー」
「そいつはどうも」
 烏鵠は笑みながら一礼する。
「では、開演!」
「かいえん」
 メリーとスサノオも続けて礼をした。その言葉と同時に花びらが散る。
「キキ」
 エイプモンキーは口の端を吊り上げた。
「手の内はもはや見えているッキー。ユーたちは既に負けが決まったウッキー。それでも続けるッキー?」
「……」
 メリーの作戦は、武具を花びらへと変えて敵を襲うユーベルコード【道化師手品】を使用し、システム・フラワーズ内に咲き乱れる花々に紛れさせてエイプモンキーを攻撃する、というものであった。だが、敵は既にそれを看破している……!
「ああ、やるさ。こっちにもプライドがあるンでね……!」
 烏鵠はこめかみに冷や汗を浮かべながら口の端を釣り上げる。興行を名乗った手前、ここで尻尾を巻くわけにはいかない。
「キキキ!なるほど、その根性だけは認めてやるッキー」
「では、えんもくをはじめます」
「ああ、必ずアンタを唸らせてやるぜ……!」
「キーッキキキ!ミーは生半可な芸では満足できないッキーよ?」
「そうまで言われちゃ、がぜん燃えてくるね!」
 メリーは第1の演目として黒剣をジャグリング。更に炎の輪を宙に生み出す。
「キキ。オーソドックスな演目ッキー」
「まだまだ!どんどん行くよ!」
「いくよ」
「ああ、トランプ手品だ。ホレお客さん一枚選んで?」
 ひょいと飛び込み火の輪を潜るスサノオ。トランプマジックを披露する烏鵠。彼らは次々に演目を繰り出す!烏鵠はユーベルコード【万両役者】によってそのパフォーマンスを更に高度なものへと高めた。
 エイプモンキーとてキマイラフューチャー精神を持ち合わせた怪人。芸を通すとあらば、敢えてそれを泳がせる。マウントは堂々と取るものだ。エイプモンキーは厳しい目でサーカス団三名の演目を見続ける。
「俺達の芸、どうだった?」
「フゥン。まあまあウッキー。そこそこ楽しめたッキー」
 用意した演目が終わる頃、エイプモンキーは静かに頷いた。
「見てくれてありがとう!」
「みっちゃん」
 ここで烏鵠はメリーに目配せ。……そう。ここまでの演目は、全てこの瞬間。エイプモンキーに隙を生むため!
 だが!
「ユーのユーベルコードは自身の武具を花びらへと変えて攻撃するものというのは既に見切っているッキー!!」
 間髪入れずエイプモンキーは叫び、大出力エアーコントローラー《とまらざるくん》を創造!
「花びらは風に吹かれて散りゆき流れてゆくッキー!すなわちこの風の流れでユーのコードは完全に無効化しているッキー!」
 暴風!エイプモンキーの機械が作り出す嵐のような空気の流れに花びらが散っていく!
「うわっ!」
「くそ、ダメだったか!シナト!」
「きゅい」
 烏鵠は風精シナトを呼び出すとその身に施した封印を解き、風の精霊としての力を解放させた。精霊力を含んだ風が暴風から猟兵たちを護る。だが、このままでは防戦一方だ。
「キーッキキキ!手も足も出ないようでウッキー!」
「ううん。……まだおわってないよ」
 スサノオ・アルマは一歩進み出た。
「ここで、しとめる」
 その瞳は静かな光を湛える。短く息を吸って、吐き、スサノオは力を放った。すなわち、“白き炎”の神格としての権能である!ユーベルコード【創世】!狼の身体は瞬く間に白い光の粒子へと変わり、フラワーズ内に咲き乱れう花々を巻き込んで膨大に燃え上がる!
「さあ。いちめんに花がさきみだれるこの美しいばしょを――――地獄に変えよう」
 その身を炎へと変えたスサノオ・アルマは、エイプモンキーへとそう告げた。
「ユーのそのコードはいかな神格のそれと言えども火であることに違いはないウッキー!!」
 しかしエイプモンキーはこれにも即座に対応する。
「キキキキキ!既に《とまらざるくん》によって炎はミーに届かないッキー。更にミーは冷却装置《あつくならざるくん》により、熱によるダメージも無効化ウッキー!」
 エイプモンキーは新たに《創造》を重ねると、足場を蹴立て猟兵たちへと仕掛けた。ご、ッ!背面のブースターを吹かし高速で接近!
「うわ、こっち来た!」
「クソ、まともにやりあうのは無理だぜ!?」
「じかんをかせいで」
「無茶言うなァ!」
「キーッキキキ!!ミーをどうやってしとめるのか見せてみるッキー!!」
 豪腕炸裂!!凄まじい重量をもった拳が烏鵠に激突!
「うっちゃん!」
「ぐあ……!き、きっつ……!」
 烏鵠はオーラの力で防壁を張っていた。更にメリーもその上から防壁を重ね、更にシナトの風が彼らを護っていたが、エイプモンキーのパワーはそれらをもってしても防ぎきれない威力だ。全身の骨格が軋み、悲鳴をあげる。烏鵠はわざと後方に向けて跳ぶことで衝撃を逃していたが、それでも身体を貫いた痛みはダメージとして余りにも大きい。
「これで、どうかな!」
「キキキッ!大道芸ならもう飽きたッキー!」
 メリーは手にした黒剣を大玉に変化させるとエイプモンキーに向けて叩きつける!装甲をいくらか砕くが、本体まで通るダメージには至らない様子であった。エイプモンキーは更に追撃を仕掛けようとするが――
「か、ッ、かは」
 拳がメリーを捉えるよりも先に、エイプモンキーは肺腑から絞り出されるようなかすれた息を吐き、動きを止める。
「……な、何が起きているッキー……?こ、この息苦しさはどういう……」
「さんけつだよ」
「なに……!?」
 花々を燃やし続ける白炎が、エイプモンキーの疑問に答える。――スサノオである。
「僕がたくさんたくさんもやしつづけたからね」
 白炎は空間内の酸素を激しく消費していた。《とまらざるくん》が起こす風は空気の流れを作り出していたが、それはかえって燃える炎にわざわざ酸素を供給し続けていることに他ならない。急激に酸素が消費されたこの空間内では、急性の酸欠症状に陥るのも無理ないことであった。
「馬鹿なウッキー……!な、なら、何故あの2人は平気ッキー……!」
 青ざめた顔でエイプモンキーはメリーと烏鵠を睨め付ける。
「きゅい」
 そして、2人を護る風の防壁――風を、大気を操る風精シナトが短く声をあげた。
「なるほどなァ、オレらに時間稼げつったのはそういうことか!」
「おのれウッキー……!ハア……ハア……だ、だが、酸欠程度でミーを倒すことはインポッシブル……ミーを倒すには、パワーが……」
「きづいてないみたいだけど――」
 スサノオは告げる。
「おさるさん。もうげんかいだよ」
「ぐ、ギ……!」
 エイプモンキーのボディは、ここに至るまでの交錯でかなり疲労していた。累積されたダメージも大きく、稼働限界まで残り僅かだ。
「今がチャンス、ってことだね!」
 メリーは得心がいったとばかりに叫びながら大玉を操り、エイプモンキーへと叩きつける!激突!エイプモンキーの身体が揺らぐ!
「ギギギギギギ……キキイイッ!!」
「散々悩ませてくれたじゃねーか!これで終わりだ!」
 烏鵠は懐から取り出した神符に妖力を込め、エイプモンキーへと向けて投射!術式がエイプモンキーを縛り付ける!
「キ……!」
「みっちゃん、とどめよろしく!頼んだぜ、友よ」
「オッケーうっちゃん、引き受けたよ!」
 メリーは取り出した輪に火をつける。『こわぁい火の輪』をくるりと回し、そしてエイプモンキーへと投擲!
「グアーッ火の輪くぐり!!」
 激突!そしてここまでの戦いの積み重ねの結果として、エイプモンキーの躯体は遂に限界を迎える。
「キ、キ、キイイイイイイッ!!ミ、ミーのボディが、ボディが動かないッキー!こ、こんなところで、こんなところでエエエエエエッ!!」
「いったはずだよ」
 機能を停止したエイプモンキーの身体が、システム・フラワーズの空間内へと落ちてゆく。
「ここは、きみの地獄だ」
「ギイイイイイイイイイイイイイイイイッ!!!」
 悲鳴とともにエイプモンキーの躯体はシステム・フラワーズ空間の中へと落ち続け――やがて、見えなくなった。もはや戦線に復帰することは不可能だろう。
「勝った、のか?オレら」
「勝ったっぽい、ね」
「うん」
 3人は顔を見合わせ、勝利を確かめる。そして、快哉を叫んだ。

 かくして、この戦場におけるエイプモンキーとの戦いに決着がつく。
 無限の空想は終わりを告げ、猟兵たちは更に進み続ける。
 ――次なる敵はカワイイ怪人ラビットバニー。新たな戦場が、君たちを待つ。

苦戦 🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月14日


挿絵イラスト