バトルオブフラワーズ⑨〜ユーベルコードマニア?
「道が開かれたわね」
猟兵たちから見やすい高台で空を仰ぐ瑠璃凰花・未来(神避の熾天使・f13139)。
その視界に映るのは、そこから見ることは出来ない、真っ二つに割れたキマイラフューチャーか。
「といっても、一時的に奥地へ進めるようになった、というだけのことみたいだから、油断はできない状況なのだけれどね」
猟兵達に視線を合わせ、続ける。
「奥地で待ってたのは、『エイプモンキー』っていうお猿さんね。ただのお猿さんじゃなくて、その身を機械で包んでる……と言うより、機械に乗り込んでるという方が正しいのかしら?」
顔部分は宇宙服のそれであり、体全体はロボットのそれ。もしそれ全てが機械ではなく内側は筋肉なのだとしたら、とてつもなくガタイのいい猿になる。いや、ゴリラか。
「まぁ、見た目の話はどうでもいいわね。ドン・フリーダムの元へ行くにはこのエイプモンキーをどうにかしないといけないわ」
開かれたシステムフラワーズのルート。その道は無数の花で作られてるらしく、横道がないために避けることは出来ないらしい。
エイプモンキーを飛び越えようものなら撃墜されるのがオチだろう。
「言うのは簡単なのだけれど、厄介なのは、その能力ね」
どうやらエイプモンキーは、これまでの怪人とは異なる強力な能力を持つという。
それは、『想像した全てを創造する』というユーベルコード。
お金を想像すればお金が生まれるし、人を想像すれば人が生まれる、そんな能力なのだろう。ある種万物の創造とも言えるこの能力。
「まるではるか昔から存在する神様を相手してるみたいね? 相手取るにはかなり厳しい戦いを強いられることになると思うわ。けど、幸いなのは、“神様ではない”ということよ」
そう、不幸中の幸いとも言うべきはそこにある。真に万物を創造した神であるならば、勝ち目はないに等しいだろうが、エイプモンキーが持つそれはまだ、人の範疇だ。いや、十分人知を超えた力ではあるが、対応のしようがある分、本当の神を相手する時のような理不尽さはない。
「他の人が知り得ないような一歩踏み込んだ知識であなた達のユーベルコードに対応してくるみたいだから、その裏をかくのよ」
本人すら知りえないような弱点を突いてくる、エイプモンキーはそれを行おうとしているのだろう。
ならば話は簡単だ。その弱点を知り、弱点を逆に利用して相手の隙を突いてやればいい。
「自分のユーベルコードを研究するのはどちらにしろ大切なこと。早かれ遅かれ向き合うことになってたはずだから、この機会に見直すのもいいんじゃないかしら」
更に嬉しいことに、エイプモンキーの持つユーベルコードは封印や回避、相殺に全てを割いているためか、ユーベルコードによる攻撃は一切ないものと思っていい。エイプモンキーのユーベルコードを乗り切れば、容易く大打撃を与えられるだろう。
「慢心してるのも隙の突きどころかしらね? そういえば、“マニアック”、なんて言ってたかしら。エイプモンキーって、ユーベルコードのマニアなのかしらね?」
疑問符を浮かべる未来。
「ともかく、健闘を祈るわね。吉報を期待してるわ」
そう言って、水晶玉に力を込めると、転送の魔法陣を展開した。
るっこい
はいどうも、新人マスターるっこいです。
第14作目、キマフュ戦争です。戦争依頼の初ボス戦。SSWでは本業の都合で枠が取れませんでしたので、今回の戦争はもっと頑張りたいですね……
まずは公式の注釈です。
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エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
====================
では、当依頼の各章解説はこちら。
●第1章(のみ)
ボス、エイプモンキーとの戦いになります。
OPでほとんど解説してしまっているので、詳しくは割愛します。自身が使用しようとしているユーベルコードはどんなところが弱点で、どうするとその弱点を使って裏をかけるのか。じっくり考えることをおすすめします。
※普段るっこいの依頼に参加してくれる方に注釈です。普段は結構な頻度でMMORPGのスキルをMP解かして連打するようにユーベルコード乱射、なんてことをよくやるるっこいですが、今回はプレイングに指定がない場合1度きりの使用となりますことはご了承ください。
●プレイングについて
同行者の方がいる場合は1行目にお相手さんのお名前とID、もしくはグループ名をお書きください。お名前の場合はフルネームでなくて構いません。
絡み歓迎、アドリブ歓迎、連携歓迎の方、字数に余裕があればお書きいただけると助かります。ステシでもOKです。とてもとても書きやすくなります。
また省略文字もご利用いただけます。詳しくはマスターページを御覧くださいませ。
まだまだ不慣れな部分が多く拙い文章になってしまうかもしれませんが、よろしくお願いします。
皆様の素敵なプレイング、お待ちしております。
第1章 ボス戦
『マニアック怪人『エイプモンキー』』
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POW : マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD : マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
イラスト:柿坂八鹿
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
アシェラ・ヘリオース
【改変・連携歓迎】
「行くぞお前達」
黒騎ユニットを展開する。
【戦闘知識、情報収集】で互いの視覚を補い合い、指揮官である私に還元する布陣を敷く。
地上空中全ての死角を埋めて対峙。
「まぁ、それで済む相手ではないだろうな」
告げ赤い光剣を地中に刺す。
残る死角は地中にしかない。
こちらの黒騎の弱点はその脆さだ。
その弱点を補うのは。
「堅守!」
1班3騎、1小隊3斑、1中隊3小隊
合計135騎5個中隊。
各単位の隊長達による、有機的かつ緻密な連携だ。
2個中隊が潰れ役に回り、他3個中隊を生き残らせる。
【オーラ防御、拠点防御】
「速攻!」
すかさず残存3個中隊にてフォースで反撃。
私自身もフォースで攻撃したい。
【念動力、鼓舞】
「ウキャキャ、よくここまで来たウキ!」
花の道を辿り、歩みを進めていった先には、既にエイプモンキーが腕をこまねきふんぞり返っていた。
「行くぞ、お前達」
アシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)は、静かにそう告げる。
「わかりやすいユーベルコードうきね。ミーのユーベルコードの対策をしてるらしいウキが、どうするつもりウキ?」
アシェラが《黒騎招来》によって展開した黒騎ユニットの動きを見ても、驚く様子は見せない。まるでそれが来ることを見越していたかのようだ。
その動きとは、エイプモンキーや自身を含めた広い範囲を確認する動き。つまり、死角は一切ない。
「死角がなければ、お前のユーベルコードも発動できないだろう?」
更にアシェラは、赤く輝く光剣を地面に突き刺してみせる。手応えはなかったが、地中という死角もこれで潰したと言える。
「ウキキ、やるウキね!」
だが、焦る様子は見せない。まだ何処か余裕を見せるその表情に、アシェラは強がりかと考える。
「堅守!」
一言、号令を下すと、展開された黒騎ユニットが隊列を成していく。機敏且つ統率の取れた動きで瞬く間に5つの塊が出来た。1中隊27騎からなる複合体だ。どれだけ少なくなってもかならず3騎を1班として動くため、隙がないと言える。
「やれ!」
構築した小隊を用い、アシェラは黒騎ユニットたちを飛び込ませた。
「ウキャキャ!」
それに合わせてエイプモンキーも動き出した。
その瞬間。
エイプモンキーのいたその場所から、いくつかのレーザー光線。2個中隊を瞬く間に消滅させる。
「速攻!」
しかし、それすら織り込んでいたアシュラ。消えた中隊に構うことなく、畳み掛ける。
「何だとウキ!?」
アシュラ自身も含め、放たれたフォースに苦しめられることとなるエイプモンキー。
「う、ウキャキャ、こ、今回のところは勘弁してやるウキー!!!」
そう言い残し、その場から消えた。
「……逃げたか」
最初にエイプモンキーがいたその場所まで移動すると、そこには、レーザー光線を発射できそうな口があった。極小ながら緻密だ。拾い上げようとしたところで効果を失ったのか、消滅する銃。
それは、地面に埋まっていたのではなく、エイプモンキーの足の裏に隠されていたものと見られる。
死角とは何も、その位置からでは見えない角度、というだけではない。銃においては、地形や構造物などが存在するために射撃できない区域を示す意味もある。そのレーザー銃は、まさしくそれなのだ。運が悪ければ中隊壊滅は免れ得なかっただろう。
成功
🔵🔵🔴
七那原・望
ずいぶんと余裕そうですね。神にでもなった気分ですか?
まずは【マジックオーケストラ】を周囲一帯を埋め尽くすくらいに展開です。
このユーベルコードの弱点は単純明快、わたしが傷付けられたら終わりです。
どうせわたしのいる座標に空間でも越えて攻撃してくるのでしょうけど、だったらさせてあげましょう。
その弱点を囮に【捨て身の一撃】を叩き込みます。
本命はマジックオーケストラを隠れ蓑に放った【念動力】で飛ぶ機掌・プレストの左手の拳と銃奏・セプテットを【一斉発射】する機掌・プレストの右手、至るところに忍ばせた影園・オラトリオによる奇襲の斬撃による【暗殺】の波状攻撃です。
慢心は神をも殺す毒なのです。
「うきゃきゃ、ひどい目にあったウキ……」
前の猟兵に苦しめられたエイプモンキー。ゼイゼイと肩で息している。
「む、次はお前かウキ」
気配を感じて振り返ったその場所には、先ほどとは異なる一人の猟兵。
「ずいぶんと余裕そうですね。神にでもなった気分ですか?」
七那原・望(封印されし果実・f04836)だ。
「ウキキ、なんだその目隠しはウキ。目を隠してミーに勝とうだなんてお前こそなめてるウキ」
望んで目隠しを付けているわけではない望。その言葉に。
「さぁ、開演なのですよ!」
「容赦なしウキね!?」
召喚される無数の白猫と影の軍勢。
「何だこの数はウキ!?」
その圧倒的な数を前に驚きを隠せないエイプモンキー。だが。
「ウキャキャ、無駄ウキ!」
襲いかかろうとした白猫と影の軍勢は一瞬にして消えた。それは、地面から望に向け直接放たれた一つの光線。
「っ……!」
座標を使った空間攻撃でも仕掛けてくるのだろうと踏んでいただけに、真下からの攻撃は想定外。だが、攻撃を受けること自体は想定内だ。
「やるのです!」
構わず、指示を下す。
「ウキ!?」
その指示の対象とは、軍勢が消えたことで露わとなる、隠された念動力による3つの攻撃。
「ユーベルコードそれ自体を囮にするとはやるウキね!?」
まず真っ先に視界入った機掌・プレストの左手の拳を身を屈めて躱すが、離れた位置にいた超巨大アサルトウェポン、銃奏・セプテットを持つ機拳・プレストの右手の攻撃を捌ききれない。一斉射撃によって放たれる無数の銃弾の雨を躱すには、屈むという耐性は些か不利であった。
「ウキー!」
だが、身を包む装甲が致命傷を免れる。強引にその鉛玉の嵐を抜けると、望に殴りかかろうと迫るが――
「ウキャッ!?」
エイプモンキーの死角に隠れていた、エクルベージュ色に染まる影円・オラトリオ達の奇襲斬撃がエイプモンキーに襲いかかる。
「くっそー、覚えていろウキー!!!」
その波状攻撃に叶わないと察したか、エイプモンキーはそんな言葉を残しながらその場から消えていった。
「満身は神をも殺す毒なのです」
何処かに消えていったエイプモンキーに釘を差すように告げる望。その言葉は、既にエイプモンキーには届かないが。
「くっ……」
その身に受けた傷は意外にも深い。致命傷こそ避けているが、もう少し戦闘が長引いていれば戦略的撤退も余儀なくされていたところだろう。
仲間たちの力を借りながら、望は帰路につくのだった。
成功
🔵🔵🔴
諏訪野・みすず
【エレクトロレギオン】で召喚したロボットでエイプモンキーを取り囲み、すぐに自爆させます。その爆発によって、エイプモンキーにダメージを与え、また混乱させます。「このユーベルコードの弱点は分かっているのだ。すぐに壊れてしまうのだ。だから先にこちらで壊すのだ」エイプモンキーが混乱しているうちに近づき、【バールのようなもの】で「2回攻撃」などを使ってボコボコにします。「所詮はフェイク。本物に勝てるわけないのだ」アドリブ、共闘歓迎です。
「ミーのお気に入りがボロボロウキ……」
先の戦闘で銃弾や斬撃を受け、その装甲は到るところに傷や凹みが出来ていた。言うほどボロボロかと言われれば、まだ原型は留めている。装甲としての機能は未だ失われていないと言っていいだろう。
「見つけたのだ」
「む、今度は誰ウキ!?」
また現れた別の猟兵、諏訪野・みすず(不思議系ダンサー・f00636)に身構えるエイプモンキー。
「ウキキ、お前の攻撃、見えたウキ。本当にその手の攻撃は多いウキね!」
「多いかどうかは知らないけど、みすずちゃんはこれで戦うのだ!」
まるで既に知っているという口ぶりのエイプモンキーの言葉に、狼狽えることもなくみすずは《エレクトロレギオン》で機械兵器を召喚する。
「ウキキ、無駄無駄ウキ! 鉛玉の雨を食らうウキ!」
という言葉通り、みすずの周囲に召喚される機械兵器目掛け、無数の鉛玉の雨が降り注ぐ。それも、召喚された端から。
「おかしいのだ……」
降り注いだ鉛玉の雨の餌食こそならなかったみすず。だが、召喚した機械兵器は全てが消滅していた。混乱させるつもりが、混乱するみすず。
自爆させれば混乱するだろうと考えていた彼女だが、残念なことに、自爆させるというその行動自体、命令を受け取るという過程が必要になる。エイプモンキーは召喚したその時点で消滅を図っていた為に、その命令を受け取るよりも先に消滅させられてしまったのだ。
「ウキキ、残念だったウキね! 覚悟するウキ!」
「はっ……!?」
エイプモンキーの動きに合わせ、混乱から我に返ったみすずは大慌てでエイプモンキーの攻撃を躱す。
応戦しようとバールのようなものを構えエイプモンキーの攻撃後の隙を狙って殴りかかるが、当たらない。
エイプモンキーからの一撃を避けられたのは運が良かったと言うべきか。
「くっ……撤退するのです」
エイプモンキーの猛攻に堪らず、みすずは撤退を余儀なくされるのだった。
苦戦
🔵🔴🔴
カイム・クローバー
想像を創造する能力。話だけ聞くと大層な能力だぜ。一応幹部だってのとあちこち猟兵が策を練ってる事考えりゃ、強敵なのは間違いねぇな。……口調だけじゃ強そうに見えねぇが。
【S】
こっちのUCに対して有利なUCで対処するっつーのがこの猿の戦い方だって聞いた。俺はUC【死の舞踏】を使う、と見せかけて【フェイント】技能。超高速連続攻撃可能な技だが、発動後は中断出来ねぇ。空を飛ばれたり、地に潜られたりすると、そのまま空振りで終わっちまうから、敢えてそれを剣を構えてそれを使う素振りを見せる。本命は【二回攻撃】【属性攻撃】【なぎ払い】の【銃撃の協奏曲】。空を飛んだら、的に出来るし、地に潜るなら逃げ場はねぇぜ?
「ウキキ、次は誰ウキ?」
完全に調子乗ってる様子のエイプモンキー。その前に現れたのは、便利屋『Black Jack』の店主カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)。
「想像を創造する能力。話だけ聞くと大層な能力だぜ」
「そうだろうそうだろう、ミーの凄さが伝わってるのなら嬉しいウキな!」
カイムの言葉に喜ぶエイプモンキー。
「一応幹部だってのとあちこち猟兵が策を練ってる事考えりゃ、強敵なのは間違いねぇな。……口調だけじゃ強そうに見えねぇが」
「な、なんだとウキー!」
だが、打って変わってひっくり返った続く言葉に、エイプモンキーは怒り始めた。
「さぁ、踊るとするか!」
そう言ってカイムは両手に剣を構え、エイプモンキーに迫る。
「無駄ウキ!」
その構えから予測されるユーベルコードは、《死の舞踏》。それは、超高速の連続攻撃故に、回避されても中止の出来ないユーベルコードだ。
それは、初撃が重要となる攻撃。初撃さえ躱せば、あとはどうとでもなる。それをしるエイプモンキーは、その動作を見ただけで、まるでそれを使われることを最初から想定していたかのような回避力を見せた。その回避は、どう考えても人――いや、猿の身からは考えられない動き。己のユーベルコードによって生み出した回避能力であるがゆえに、絶対的な回避力を齎すが、それは裏を返せば。
「まんまと引っかかってくれてありがとよ」
ニンマリと笑うカイム。大剣を抜かずに、そのまま腰のダブルホルスターから抜きとられる2丁の銃。
「なっ……中止できないはずウキ!」
そう、その動きは、エイプモンキーが知っているユーベルコードとは全く異なる動き。構えた時点で発動していると言っても過言ではないはず、確実に躱しただろうと踏んでいただけに、予想外が過ぎた。
「何、簡単なことだ。避けられれば空振りで終わる、なら避けさせればいい。違うか?」
「う、ウキー!!!」
カイムのその言葉に、エイプモンキーは手足をバタバタと動かす。しかし、その身体は、先の回避を行うためのユーベルコードによってまだ空中にある。着地まで、あと1秒もないが、カイムにとって、それだけの時間があれば、十分すぎた。
「It's Show Time!ド派手に行こうぜ!」
そう言ってコンマ0.1秒にすら満たない超高速射撃が、エイプモンキーを襲った。
「ウキー、覚えていろウキー!!!!」
双頭の魔犬の頭を持つ2丁の銃から放たれる無慈悲な一撃は、エイプモンキーに痛打を与えることに成功した。同時に逃げ出したのか、エイプモンキーの姿は、その言葉を最後にその場から消えていた。
成功
🔵🔵🔴
才堂・紅葉
【廃墟】にて
今回使用するUCには大きな弱点が二つある。
間合いが狭い事と【落下技】である事だ。
前者の弱点は相方の狙撃との連携で補いたい。
三節棍と柔術で白兵を挑み、隠し持ったソナー発信機で狙撃を補助。
隙あらば奴をガジェットブーツで空中に【吹き飛ばし】、UCを狙う。
後者の弱点は落下を封じられる事だ。
高重力賦与の落下に勝る反重力を発生する装置で破られる。
故に逆に考える。
「物が上から下に落ちると誰が決めたの?」
ギリギリを【野生との勘】で【見切り】、高重力のベクトルを真上に切り替え。
奴の反重力を【カウンター】で逆用し、高架を地面と見立てた【落下技】としたい。
これぞハイペリア重殺術・逆落星だ。
【改変歓迎】
シーラ・フリュー
【廃墟】で参加
【目立たない】ように遠距離で【スナイパー】で才堂さんの【援護射撃】を。
私のUC、【鷹の目】の弱点は敵が見えなくなると当たらない事ですね。いくら遠距離から狙撃できると言っても、敵が見えないとどうしようもありません。
対策ですが…エコーロケーションでどうでしょう。ソナー装置を才堂さんに持って頂いて、ゴーグルにアプリで連動し視覚化します。これなら煙幕でも何でも音を頼りに狙撃可能です。
前はお任せしている分、私も頑張らねば。
【戦闘知識】と【第六感】で敵の動きをある程度予測しながら【鷹の目】で援護していきますね。
攻撃を避けようとしたら【早業】の【2回攻撃】。1回は駄目でも2回目はどうでしょう?
「くっそー、あいつ、次あったらただじゃ置かないウキ……」
やはり辛うじて致命傷自体は避けていたらしいエイプモンキー。しかし、肩と脇腹の装甲を消し飛ばされており、猿の身体が露出して見える。
「ウキー、直すの大変なんだぞウキー……」
さぞお気に入りなのだろう、ボロボロになり始める装甲を見据える。
「ウキッ!?」
「はぁっ!」
そんなエイプモンキーの不意をつくような形で、一人の猟兵が襲いかかる。
才堂・紅葉(お嬢・f08859)だ。その手に握る三節棍を槍のように扱い、リーチを活かした突き攻撃が繰り出される。
「危ないウキ、不意打ちとは卑怯だぞウキ!」
などと紅葉の動きを叱責するが、構わず紅葉は攻めた。
「そんな攻撃当たらないウキ!」
しかし、紅葉の攻撃は尽く当たらない。まるでそれらの攻撃全て見えているかのような動きで、次々と躱していく。
「ウキキっ!?」
そこへ、突然エイプモンキーが紅葉の攻撃を躱すのとは異なる動きを見せた。
「そこだっ!」
その隙を逃さず、エイプモンキーの懐へ踏み込み、ガジェットブーツの強烈な一撃を繰り出して空中へ蹴り上げる。
「ウギャッ!」
為す術もなく打ち上げられるエイプモンキー。
エイプモンキーを避けさせた紅葉のものではない何らかの攻撃。それは、その場からは離れすぎていて見づらいが、遠い位置にいるもうひとりの猟兵の存在によるもの。
「前はお任せしている分、私も頑張らねば」
シーラ・フリュー(空夜・f00863)の放つスナイパーによる援護射撃だ。
「捕まえたわ」
「な、何をするウキ!」
空中に蹴り上げ、その後跳躍からエイプモンキーの顔面を捉える。
「決まってるでしょう? こうよ!」
そしてそのまま、地面に叩きつけようと力を込め。
「お、お前のユーベルコード見抜いたウキ! それは落下技であることウキ! 下に落下させなければいいだけウキ!」
高らかに告げるエイプモンキー。その言葉は見事的中したのか、召喚される巨大なマシン。
「ふふ」
しかし、それを見てなお、不敵な笑みを浮かべる紅葉。
「ウキ……違うのかウキ!?」
その表情を見ておかしいと悟る。
「物が上から下に落ちると誰が決めたの?」
まさしく、その言葉はエイプモンキーの弱点宣告の裏をかいた。
召喚されたマシンは、紅葉の予想通り落下、つまり重力による上から下への動きを反転させるもの。
そのマシンが起動すると同時、紅葉は思いっきり真逆の方向、つまり引き込むことでその反転重力を逆用する。
「ウキキ……それがどうしたウキ?」
だが、それも意味を成さない。反転重力を逆用したのは良かった。だが、その先に叩きつけるための場所。それは、花の道のみが広がるシステムフラワーズへのルートに存在するはずもなかった。
「悪あがきだったウ――キッ!?」
そう、なかったはずだった。高架を地面と見立てるつもりでいた紅葉には、それ自体想像もしていなかったのだが。
掴まれて身動きが取れないことに変わりはないエイプモンキー。突然彼の身に2つの衝撃が走ったのは、シーラの放つ援護射撃に寄るもの。
より正確には、紅葉の動きをサポートするつもりで放った2つの銃撃だ。
「ターゲット・ロックオン、です……」
《鷹の目》が放たれたのは、紅葉がエイプモンキーを掴むより少し前。なぜそのようなタイムラグが起きたか。
それは、目立たないように行動するためには、それほどに紅葉と距離を置かなければならなかったという点にある。花が咲き誇るだけのそのエリアで隠れるには、距離を取るしかないのだ。その距離、実に1キロを超える。それは、シーラの《鷹の目》が届く範囲ギリギリでもあった。
2発放たれたうちの1発目。先を直感で予測しながら偏差射撃した結果、紅葉の逆落下技をサポートする結果となった。
何が起きたのか。飛来する弾丸を架設の地面とした一撃が繰り出されたのだ。
普通ならば、ただ空中にある弾丸など、地面にはなりえない。だが、それが威力を伴う、運動エネルギーを持った一撃であるならば話は別だ。地面に叩きつけられるほどの逆の力があればいい。
逆重力の効力が働いているのは紅葉のみ。弾丸には働いていないという点も、それを大きく後押しする結果となったのだ。
超高速大威力の一撃に加え、飛来する弾丸に当てさせられる結果となったエイプモンキー。
「ウキーッ! お前一人だったら勝てたのに!」
そんな事を言いながら、またその場から消えていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
マルコ・トリガー
アドリブ連携歓迎
【錬成カミヤドリ】はボクの本体である短銃を沢山複製して念力で操るUC
ボクなら武器を増やさせてから念力を使えなくするかな
増えた武器を奪えば戦力増強になるからね
複製銃が使えなくても慌てず
敵の攻撃をギリギリまで【おびき寄せ】て【フェイント】【第六感】を駆使して避けよう
ところで、その複製銃には弾丸は入ってないんだ
火薬は詰め込んであるけどね
ボク本体に火薬を詰め込んでおいたら複製銃も同じ状態になるよね
もはや銃じゃなく爆弾だ
落ちてる複製銃を狙ってエレメンタルガンで【2回攻撃】
一撃目は敵の方へ移動させるため
二撃目で炎の【属性攻撃】で着火させる
敵が複製銃を持ってるなら直接【属性攻撃】を撃ち込むよ
「ウキキ……!」
転移で逃げてきた先には、既に一人の猟兵がいた。
「ユーをこてんぱんにしてうっぷんを晴らすウキー!」
そう言いながら、エイプモンキーは目についた猟兵に迫っていく。
相対するマルコ・トリガー(古い短銃のヤドリガミ・f04649)は、迫ってくるエイプモンキーを見据えながら、己の本体である古い短銃を複製していく。
「そのユーベルコードの弱点はわかりやすいウキ!」
展開されるユーベルコードに怯むこともなく足の裏のジェット噴射機構を使い一気に迫る。
「っ……!」
その行動に、マルコは軽く身を引く。その背に浮かぶ短銃たちは未だ念力で操れる状態だ。
「何をしてるウキか? ミーを倒すならばそのガラクタみたいな銃で攻撃しないと倒せないウキよ?」
何かを悟ったのか、挑発してみせるエイプモンキー。
そう、複製した短銃は、放つことが出来ない。弾丸を詰めておらず、代わりに火薬を詰めているために、銃としての機能は持たないのだ。
それは、エイプモンキーが何らかの方法を用いて念力自体を無効化してくると踏んでいたためだ。
しかし、実際には異なる。
「まさか、放てないとでもいうんじゃないウキね? そのユーベルコードの弱点は集中力ウキ。一度に複数の武器を念力で操る必要があるから、相応に集中力も必要になるウキ」
そう、エイプモンキーが狙ってきたのは、念力の無効化ではない。
「つまり、持久戦に弱いことウキ」
念力で全てバラバラに操作する。それはつまり、裏を返せば武器一つ一つの動きを理解し、一つひとつに対し、それぞれに命令を送る必要がある、ということだ。集中力を要するのはそう言うことである。
「持久戦に弱いならば、それを狙うだけウキ。けどユーは違うウキね?」
「……だったら、どうするんだ?」
その指摘を受け、マルコは逆に聞き返す。
「簡単ウキ。やることは変わらないウキね!」
そう言って、再びジェット噴射で迫るエイプモンキー。
マルコは身を引いてこれに応じると、わざと念力を解除して銃達を地面にちらした。
「ウキキ、無駄とわかって武器を捨てたウキか!」
そう言いながら、エイプモンキーは落ちる武器に目もくれずマルコに一直線に迫る。
「くらえっ……!」
一直線に迫ってくるならわかりやすい。好機と見て手にしたエレメンタルガンを使い、地面に落ちる短銃目掛け速射2連発。
「ウキッ!?」
弾かれて横に飛んできた銃が、真横で爆発する。
「危なかったウキね」
しかし、何が起きたのか。綺麗に躱された。
「っ……!?」
あたったと思っていただけに、それには驚きを隠せないマルコ。
「言ったウキ。そのユーベルコードの弱点は集中力、持久戦に弱いと。もし使われるのなら、ミーの『どこでも避けるマシーン1号』が火を噴くだけウキ」
そう言うエイプモンキーの全身をよく見れば、あちこちに小さな噴射口のようなものがあることが伺える。
それはスペースシャトルなどにある姿勢制御に使われるスラスター似たもの。真横からの急な攻撃に、咄嗟に背面のスラスターを起動させ身体の角度を強引に変えることで躱したのだろう。
「くっ……ダメか」
勝てないと察したマルコは、置き土産に落ちている銃の一つに炎を纏う弾丸を放って連鎖爆発させ、その場から撤退した。
苦戦
🔵🔴🔴
天津・麻羅
神・降・臨
想像して創造するなんてダジャレみたいな能力に全知全能の神であるこのわしが負けるわけないんじゃぜ!
この力(ユーベルコード)を無効化するじゃと?なら聞く耳をもたんかマニアックな知識で理論整然とゆうてくるくらいかのう?どちらにしてもこちらは間違った知識をさも当然のことの如くゆったり、根拠を聞かれてもわしは神じゃから何でも出来る!神に不可能はないと!!支離滅裂な事をゆうて会話を成立させないんじゃぜ。相手が反応したら相手が疲れるまで相手をし、無反応なら人語もわからん猿かと煽って終わるのじゃ。上手く行けば攻撃(駄々っ子パンチ)するのじゃ。
大爆発の音を聞きつけて来てみれば、そこには、大慌てでその場から逃れようとしているエイプモンキーの姿が見受けられた。
「ウキキ……ひどい目にあったウキ」
「はははははっ! 想像して創造するなんてダジャレみたいな能力に全知全能の神であるこのわしが負けるわけないんじゃぜ!」
逃れてきたエイプモンキーを確認して、突然エイプモンキーの前に現れた、本物の神、天津・麻羅(神・f16621)。
「な、なんだユー、生意気ウキ!?」
そう言うエイプモンキー。実際、その見た目は神というよりただの少女。年も2桁に乗らないほどの見た目だ。
「そうじゃな。しておぬし、この力を無効化するじゃと?」
「力? ユーベルコードウキか? 無駄ウキね。ミーの力を前にいかなるユーベルコードも無意味ウキ!」
麻羅の言葉に自信満々に返す。
「話すだけ無駄ウキ!」
そう言って、エイプモンキーはジェット噴射を使って麻羅に迫る。
「やはり聞く耳もたんか」
もしくはマニアック知識でペラペラといろいろ喋ってくるだろうと考えていた麻羅。迫ってくるエイプモンキーを容易く躱し、距離を取る。
「やはり、ユーのユーベルコードはあれウキね」
距離をとった麻羅を見て、エイプモンキーは告げた。
「ユーのユーベルコードの弱点は言いくるめられないことウキ、なら話す必要はないウキ!」
そう言ってまた迫る。
「神じゃから何でも出来る!」
麻羅はその言葉にしらを切るでもなく、全く関係のない発言を返してそれに応じ、迫るエイプモンキーを躱すと同時に一撃叩き込もうとその拳を引き絞る。
しかし、その攻撃はエイプモンキーのスラスターが躱させる。
「安直な攻撃ウキね」
そう返して再度迫るエイプモンキー。エイプモンキーの攻撃も安直なのは突っ込んでは行けないのだろうか。
「神に不可能はないと!!」
「話し聞くウキ!?」
支離滅裂な発言にしびれを切らして突っ込むエイプモンキー。
だが、お互いにその攻撃は当たらない。
「人語も分からん猿め、ちょこまかと逃げおって……」
「いや人語わからないのユーだよね!?」
鋭いツッコミ。麻羅は意に介すこともなく、今度はこちらから攻める。
「絶対ユー駄神だろう!?」
やはり躱されるその攻撃。エイプモンキーも躱すと同時にカウンターを返すが、それを読んでいた麻羅も容易く躱す。結局、堂々巡りな状態だ。
(「むぅ、思うように行かぬのぅ……」)
続けても結果変わらないだろうと判断した麻羅は、考えを改める。
「ははは! 猿ごときに遅れをとるわしではないが、今日のところは引いてやるのじゃ!」
「一昨日出直すウキ!」
麻羅の言葉に、エイプモンキーは苛立ちを隠せずそう返すのだった。
言いくるめるにはよほどの運と相応の力がなければ叶わない。相手が悪すぎたのだろう。
苦戦
🔵🔴🔴
燈夜・偽葉
挑ませてもらいましょうか
そうですね、37mまでしか届かないのは確かに弱点です
ですがそれでいいのですか?
間合いに入られないのが弱点だ、なんていうのは凡そ全ての攻撃の弱点であり
即ちマニアックさの欠片も無い当たり前の事です
いえ、別に良いんですよ?
あなたが明日からマニアック怪人改めアタリマエ怪人になるだけですし?
という感じで挑発&言いくるめ!
彼も赤い丸の数は弄れないでしょうし
弄ったら弄ったで、私の前に挑戦した人達が全員大成功だった分のダメージを受けるはず
となると彼に取れる対策は空間を強固にするだけですが
赤い丸、きっと十分に溜まってますよね
ならば斬れます
あなたは所詮一人ですが、私は一人分の力ではないので
「何だったんだシーは……」
去っていった猟兵を追うことなく見送り、つぶやくエイプモンキー。
「では、私も挑ませてもらいましょうか」
入れ替わりで現れたのは、燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)。
「今度はユーが相手ウキ? 何人来たところで同じウキ」
そう言って、エイプモンキーは構える。
「私のユーベルコード、既に見破ってるのでしょう?」
「そうウキね、ユーのユーベルコード弱点は即ち、リーチの短さウキ!」
リーチの短さ。37mは十分長いと思えるが、それを弱点と指摘するエイプモンキー。
「そうですね、37mまでしか届かないのは確かに弱点です。ですがそれでいいのですか?」
「ウキ?」
偽葉の言葉に首を傾げる。
「間合いに入られないのが弱点だ、なんていうのは凡そ全ての攻撃の弱点であり、即ちマニアックさの欠片も無い当たり前の事です」
偽葉の言う通り、それはどの攻撃にも言える弱点。届かなければ意味がない。つまりそれは、マニアックとは何の関係もない部分だ。
「いえ、別に良いんですよ? あなたが明日からマニアック怪人改めアタリマエ怪人になるだけですし?」
「う、ウキキ、失念してたウキ……アタリマエ怪人なんて嫌ウキーーー!!!」
心底嫌なことらしいのか、地団駄を踏むエイプモンキー。
実は、もう一つ弱点があると言えばある。あるのだが、それについては、エイプモンキーは対策しようがない。
🔴の数に比例して強くなると言う特性を持つ偽葉のユーベルコード。それは裏を返せば、🔴の数が減るほどに弱くなるということであるが、それをどうこうできるのは、時間を遡れるオブリビオンくらいなものだろう。
時間を遡れたところで、🔴の数を変えようと思うならわざと猟兵に負けなければならないという条件がついてくるのだが。
最も、この戦いにおいては🔴の数をどうこうする必要はないと言えるだろう。エイプモンキーが行うのは、封じるか、回避するか、相殺するかの3択。
「ウキー、覚悟するウキー!」
挑発が効いているのだろう、先の戦闘のこともあり、苛立ちを隠せないエイプモンキーは、ジェット噴射で一気に偽葉に肉薄する。
「斬ります!」
相打ち覚悟。迫るエイプモンキーの攻撃を躱すのではなく真っ向から挑んで掛かる偽葉。
それは、たとえ避けの動作をとられたとしても、肉薄するエイプモンキーの距離は既に偽葉の射程内。37mというリーチを活かし当てられる。それに加え、空間に対する防御力を強固にしていたとしても、自分より先に戦っていた仲間たちの力が、そこにはある。エイプモンキーごときの防御など、打ち砕けると思ったが故だ。
「ウキッ!?」
そしてその思惑は的中。
怒り心頭だったために避けることも忘れていたのか、あるいは既に展開していた己の装甲を含む空間防御力を過信してか。偽葉の強烈な《剣よ、友を悼め》はエイプモンキーにクリーンヒット。
「ウキャキャッ!?」
その強烈な一撃に吹っ飛ばされ転がり込む。
「ウキキ……やってくれたウキね!」
「硬いですね…」
なおも立ち上がってくるエイプモンキーを見据え、驚く。流石に二度目は躱されるだろう、そう考えた偽葉は、後を仲間に託し、その迫るエイプモンキーの攻撃を容易く躱して見せてから、その場から撤退するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
エミリー・ローレライ
試験管に入ったアイテム『崩壊因子』を『投擲』『誘導弾』で必ず当たるよう投げる。「その因子はあらゆるものに侵食して崩壊させる…お前の体と思考、知識、能力を崩壊させる…知識と能力がなければただの猿…」崩壊を待ちつつ猿の攻撃を『盾受け』で防御。思考と能力が崩壊して来たら【起動、殲滅せよ機械の僕たち】【Duplication】【Army of Machine】で浮遊砲台を約823億機召喚。連結され超巨大砲台を823機作る。先制攻撃が来たら【Not Responding】自動発動して打ち消す。「発散させてもらう…」【最終攻撃命令「ChordΩ」】を発動。各種技能を乗せて1646連射する。
「ウキッ、逃げるウキか!?」
攻撃を躱され、そのまま撤退していく猟兵を追いかけるエイプモンキー。
横サイドからそれを見たエミリー・ローレライ(麺の神に愛された天使・f05348)は、その隙を狙って試験管を投げつけた。
「ウキッ!? 何をぶつけたウキ!?」
怒り心頭で撤退していく猟兵を追いかけることに夢中だったエイプモンキー。エミリーのその攻撃に気づけず見事にクリーンヒットする。
「崩壊因子……その因子はあらゆるものに侵食して崩壊させる……お前の体と思考、知識、能力を崩壊させる。知識と能力がなければただの猿……」
エイプモンキーの言葉に淡々と答えるエミリー。
「う、ウキキッ……!?」
侵食する崩壊因子の影響か、苦しむ。
「こ、こんなもの……!」
どうにかして因子を取り除こうと藻掻くが、取り付いた因子を素手で取り除こうと思えばその因子は今度は手に取り付き、侵食していく。
「ウキー! だったら、そうなる前にユーを叩きのめすウキ!」
そうすれば崩壊因子を止める何かが得られるだろうと考えたのだろう、安直にエミリーに攻め掛かる。
だが、エミリーはこれまで何度となく守りに徹した戦いをしてきた。武器も用いずジェット突撃と殴る蹴る、スラスターを利用した横移動などの攻撃など、あらゆる攻撃に盾受けでしっかりと応じる。
パラディンである彼女が守りに徹した時、その隙は一切ないと言えた。
しかも、時間が経てば立つほど、知的な攻撃は失われていく。代わりに、思考力が低下したことでリミッターが外れ始め、野生の本能特有の一撃が乗っているのだろう、一撃一撃が段々と重くなってくるが、関係ない。
「……起動。数の暴力は偉大」
安直かつそれまでで一番重い攻撃を受けると同時、機と見たエミリーは、一言告げる。
それにより召喚されるのは、100を優に超える自律式浮遊砲台。それと同時に、別のユーベルコードも駆使し、砲台を複製。《起動、殲滅せよ機械の僕たち》と《Duplication》による連携召喚だ。
「……兵士たち来なさい」
更にその上から繰り返しユーベルコードを繰り出す。繰り出したのは、《Army of Machine》。
それは、その時点で召喚される武器の数を更に量産するというもの。その時点で、既に空は無数の放題達に埋め尽くされる。それらは次々と連結され、連結された端からエネルギーチャージが始まっていた。
「ウキ、ウキキキ!!!」
まだ能力を使おうとする思考能力は辛うじて残ってたのだろう、ジェット噴射で射程外へ逃げようとしながら、何らかのマシンを召喚しようと試みるエイプモンキー。
「その行動はなかったことに……」
告げられる一言で、その意図は完全に潰された。そもそも、既に言語能力を失っていたエイプモンキーに、それらを作り出す能力は残されてないと言えただろう。更には、回避するために発動しようとしたエイプモンキーのスラスターは見事に封じられた。まるで異物でも詰まったかのようにプスプスと音を上げる。だが、まだジェット噴射は生きている。こちらはユーベルコードによるものではないので、スラスターをふかせたときほどの勢いは内にしても、十分な速度で逃げれる。射程外に逃げれるかと言われれば。
逃げていくエイプモンキーを止めることはせず、ただ時を待つ。
「発散させてもらう……」
そして、それは放たれた。もはや星の数ほどにと言えるほどの無数の数の超巨大砲台から放たれる、無数の熱光線。
十分すぎるほどの距離を逃げただろうと思われたエイプモンキーは。
「ウキーーーーーーーーッ!?」
超長距離だろうと届く強烈な光線の雨によって、焼き払われたのだった。
大成功
🔵🔵🔵