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バトルオブフラワーズ⑨〜想像力の獣

#キマイラフューチャー #戦争 #バトルオブフラワーズ #エイプモンキー

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「ザ・ステージの全制圧、お疲れ様でした」
 猟兵達へとミュリエル・フォルクエイン(オラトリオのアーチャー・f01452)は労いの言葉をかけ頭を下げた。システム・フラワーズへ道が開けたのだ。むろん、その先にもオブビリオンたちは待ち受けている。
「マニアック怪人『エイプモンキー』」
 第一の関門を守護者にしてフラワーズに足を踏み入れた猟兵達が最初に会いまみえる怪人幹部の名がそれだ。
「システム・フラワーズの内部は『咲き乱れる花々の空間』で、『花々が集まって足場になる』仕組みになっているそうです」
 エイプモンキーが健在である場合、どこを進もうと最終的にはエイプモンキーに繋がり、そこから先の道は存在しない。
「ですので、どうにかしてこの怪人幹部を倒す必要があります」
 オブビリオンは倒されても何度でも骸の海から蘇る。戦いに勝利し君達がエイプモンキーを倒したとしても、また蘇ってくる可能性はある。だが、短期間に許容値を超える回数倒されてしまえば復活することは能わない。
「皆様には咲き乱れる花々の空間を転々とするエイプモンキーを見つけて挑んでいただくことになるでしょう」
 エイプモンキーは猟兵たちとの戦闘になれば、自身の有する『自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力』を用いてこちらのユーベルコードを無効化し、一方的に攻撃するような攻撃を行ってくる。
「逆に言うなら、想像力の及ばない状況には弱いということでもあります」
 エイプモンキーの想像力を超えた先制攻撃への対策を用意することが出来れば、活路は開けるだろう。
「強力な能力を持つ危険な敵が相手ですが、キマイラフューチャーの明日の為にも」
 どうか力をお貸し下さい、と少女は豊かな胸を弾ませ君たちに頭を下げるのだった。


聖山 葵
 ついに現れましたか、怪人幹部。

 という訳で、今回は怪人幹部を撃破していただくお話ですが、特殊ルールが存在しますので、ご注意ください。

 以下がその特殊ルールとなります。
====================
 エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
 この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
 この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
 対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
====================

 では、ご参加お待ちしておりますね。
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第1章 ボス戦 『マニアック怪人『エイプモンキー』』

POW   :    マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD   :    マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。

イラスト:柿坂八鹿

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

セラフィール・キュベルト
…機械の身体を持つお猿さん。
何処か悼ましさを感じるお姿ですね…。
とはいえ相手はオブリビオン。確実に撃破すると致しましょう。

使用するユーベルコードは神祈顕現・輝光天使。
これは私が攻撃を受けると解除されてしまうので、敵は確実に私にダメージを与えるべく回避や防御の困難な手段で攻撃してくるでしょう。

ですので、召喚した騎士様のうち盾の騎士様には私の身を守って頂きます。特に私の死角を。
矛の騎士様にはエイプモンキーへの攻撃と私の方への誘導を。

視認できる攻撃に対しては回避か【オーラ防御】。
そのままエイプモンキーへ接近、敢えて彼が私の死角に入るように位置を取り、盾の騎士様が私の守りと並行して攻撃できる形へ。



「ウッキー、来たッキーね。ここまで来たことは褒めてやるッキー」
 強者の驕りか、それとも余裕か。桃色と水色の花吹雪の中、セラフィール・キュベルト(癒し願う聖女・f00816)の姿を認めたオブビリオンは重厚な黒鋼の身体で向き直る。
(「……機械の身体を持つお猿さん。何処か悼ましさを感じるお姿ですね……」)
 返されるセラフィールの胸中に抱いた思いはともかく、視線の方には何かを感じたのか、ウキと首を傾げるが、ただそれだけ。
「わざわざご苦労なことッキー。しかし、こっから先は通さないウッキー!」
「そうは参りません。真理の輝き、正義為す御方。如何か、この小さき身をお護りください――」
 先ほど抱いた印象に捕らわれることなく、セラフィールは詠唱に入る。見た目はどうあれ、相手はオブリビオンなのだ。まして、怪人幹部と言う強敵。
「ふふん、召喚系のユーベルコードッキーな? だったらこの『サルーマシンNo133』の出番ッキー」
 喚び出された槍矛と全身鎧で武装した天使の騎士と長剣と大盾と全身鎧で武装した天使の騎士の双方を一瞥しただけで、怪人幹部・エイプモンキーは動き出していた。
「そちらが被召喚者を頼みにするなら、ミーもマシンを頼りにするッキー! 助っ人が居ようと相殺してしまえば無意味ッキー! そして残ったユーはミーの餌食ッキー!」
 二人の天使の騎士目掛けマシンを放つと、エイプモンキー自身も花を蹴り散らしながら走り出す。得意げに笑いながらセラフィール目掛け一直線に駆ける。
「ウキッ?!」
 騎士達にはマシンを向かわせていた、遮るものなど何も無いはずだった。だというのに、セラフィールとの間には大盾の騎士が行く手を塞ぐ。
「私を狙ってくるのは、読んでいました」
 神祈顕現・輝光天使には術者が傷を受けると解除されてしまうという欠点があった。だからこそ、セラフィールはこれに備え槍矛と全身鎧で武装した天使の騎士にエイプモンキーを攻撃させ自身の方へ向かわせると同時に大盾と全身鎧で武装した天使の騎士に自身の死角を守らせるよう配したのだ。弱点を突いてくるウエポン相手なら、その対応で間違っていなかっただろう。むろん、だからと言って何もかもがエイプモンキーの予想の範疇だったという訳ではない。マシンからの攻撃に何の備えもなかった槍矛の騎士は攻撃を繰り出す前に消滅してしまったが、大盾の騎士は違うのだ。
「ムッキー、想定外、ウッキー!」
 既に放ったマシンの片割れは、死角から槍矛の騎士を倒し役目を終えて姿を消している。そしてもう一方の騎士も残るマシンと相殺の形で消えるだろう。だが、大盾の騎士がエイプモンキー自身の攻撃を阻害する位置に立っていたのが、想定外だった。もはや攻撃のモーションに入った身体は止められず、大盾の騎士もエイプモンキーの拳とマシンの特攻の双方を受けて消滅する。余波はセラフィールを守るオーラに防がれた。
「無駄には致しません」
 そして、騎士達が消えてしまえばセラフィール自身が攻撃できないという制約が消失する。光の精霊からロッドの形をとったangelus luxisをセラフィールはエイプモンキーに向け。
「ウモブッ?!」
 一撃を見舞われたエイプモンキーが顔面を抑える。
「ウッキー、よくもやったッキーな!」
 だが、すぐさま手を外せばセラフィールを睨んでいきり立つ。一撃は当てたもののユーベルコード自体はほぼ相殺され、おそらく同じ手は通じない。いくらかのダメージをエイプモンキーに残しセラフィールは退くのだった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アーサー・ツヴァイク
※なんでも歓迎、🔵過多なら不採用可

俺が使う技は【フルスピード・スカイドライブ】
この技は大型バイクのライドランに乗って超スピードを出す技。ライドランが動けなくされるとダメだな。

だが、俺のライドランはバイクだけではなく、槍になることもできる!
バイクの状態で拘束を受けても、槍に変形することで隙間を作り、拘束から逃れることが可能だ!!
そしてこの技はバイク形態ではないと発動しないとかいう縛りはない!!!
故に、槍形態のライドランに【騎乗】することでも発動できる!!!!

見よ! これぞ中つ国の猛者が宙を走るために編み出したとされる走術・【飛柱騎乗法】である!!!!!

とか言いながら突撃して攻撃するぜ!



「【Select……FLYING ACTION!!】行くぜ、ライドラン! 大空でも宇宙でも、どこまでも飛んで行くぜえええ!!」
 味方の離脱を見たとき、アーサー・ツヴァイク(ドーンブレイカー・f03446)はもう大型バイクのライドランへと跨っていた。
「ウキッ、新手ッキー! ふむふむ、そのバイクに乗って、漏れ出してる蒸気で自己強化しつつ駆けるユーベルコードッキーね。だったら、『サルテマウエポンNo205』の出番ッキー」
 だが、エイプモンキーは騎乗したアーサーを見ると解析を始めると、指さして言葉を続け。
「逆に言うならそのバイクがなければその技は使えないッキー! そして体を覆う蒸気が無くなれば最低でも効果は半減、わかりやすい弱点ッキー!」
 言葉が終わるや否や、出現したのは掃除機のノズルが生えたレッカー車。
「ウッキャッキャ、バイクも蒸気も回収してやるッキー!」
 指摘した弱点を突くべくレッカー車のフックが、掃除機のノズルがアーサーとバイクを襲った。フックがバイクに引っかかり、バイクごと引き寄せられてアーサーを覆う蒸気も吸われててゆき。
「トドメッキー!」
 全ての蒸気が吸い込まれるよりも早く、エイプモンキー自身も殴り掛かってゆく。絶体絶命かと思われた。
「だが、俺のライドランはバイクだけではなく、槍になることもできる!」
「な」
 残る蒸気ごとおおよその見当でアーサーを殴ろうとしたエイプモンキーの拳は空しく蒸気だけを貫き、レッカー車のフックが、支えを失い、花の上に落ちた時、槍を掴んだアーサーの姿がエイプモンキーの脇を通り抜ける。
「バイクの状態で拘束を受けても、槍に変形することで拘束から逃れることが可能だ!! こんな風にな!」
 レッカー車のフックはバイクの変形により、引っかかっていた場所を失い、外れたのだろう。
「そしてこの技はバイク形態ではないと発動しないとかいう縛りはない!!! 故に、槍形態のライドランに【騎乗】することでも発動できる!!!!」
「ウキッ、そんなことが――」
 いくらか蒸気を吸われてはいたが、驚きに動きの止まったエイプモンキーには充分だった。
「見よ! これぞ中つ国の猛者が宙を走るために編み出したとされる走術・【飛柱騎乗法】である!!!!!」
「ウッギアーッ!」
 ターンするなりアーサーを乗せたまま加速をつけたライドランの穂先がエイプモンキーの赤いウィングを粉砕し、その肩へと突き刺さると肩パーツだった金属片をばら撒きながら吹っ飛んだエイプモンキーが花の上に倒れ込む。
「ぐ、ウキィィ、よくもやったッキーなぁッ!」
 肩をおさえつつもオブビリオンは即座に起き上がると怒りの形相で吠えたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

備傘・剱
…自分の技の理解力と、どれだけ無茶できるか、か
やってやろうじゃないか

麒麟閃を使う
このUCはよ
自分の筋肉から出る微弱な電気を増幅して足に集中させる技なんだ
だから、外したとしても、過剰電力を自分の力にして動く事も出来るんだが…
今回は一撃に賭けるぜ

恐らく、衝撃と電撃を防ぐ為に、ゴムの様な物を作って来るだろう
なら、話は簡単
全電力を踵に集中させて、熱に変えればいい
ゴムってのは熱に弱いもんさ

…だがな、それも、捨て駒
狙いはよ
こっちの技を防ぎ切った油断を突く暗殺だ
UCは真似できようが人の技までは真似できないだろう
至近距離からのナイフによる刺突、何所まで効果があるかは、解らないな

アドリブ、絡み、好きにやってくれ



(「……自分の技の理解力と、どれだけ無茶できるか、か。やってやろうじゃないか」)
 怒りをあらわにする強敵を前に備傘・剱(絶路・f01759)は胸中で独り言ちる。準備はもうできていた。
「来たれ、麒麟! 我が身に宿りて、疾走せよ。この地、汝を妨げるもの、一切無し!」
 この一撃に賭けるぜと走り出しながら、空気摩擦によって足が雷を帯びてゆく。
「今度は蹴りッキーか!」
 一方で、激昂しつつもエイプモンキーはしっかりと剱が繰り出そうとする攻撃を把握していた。
「外しても効果のある雷の蹴撃、だったら『サルーマシンNo181』の出番ッキー!」
 言うが早いか、放たれたのは漆黒の足の様なモノ。
「ゴムの足か!」
 鈍い光沢をもつソレの材質は剱の予想した通りのもの。だから、剱は全電力を踵に集め、熱へと変える。そして、相手のユーベルコードを相殺するマシーンは、剱の蹴りを相殺すべく足に向かって突っ込んでゆく。
「ゴムってのは熱に弱いもんさ、これで――」
 足と足のマシーン、両者は確実にぶつかり。
「ウキッ?!」
 ゴムの焦げる嫌な臭いにエイプモンキーは動揺を見せた。
「おぐっ?!」
 だが、マシーンは死角から反撃するモノ。軌道を変えて剱の足にぶつかったゴムの足は、焦げながらもしたたかに剱の尻を打ち据えた。
「あ、危なかったッキー。死角から襲うことまで計算に入れられていたら、完全に負けていたッキー」
 生まれたての小鹿の形態模写をする剱へ戦慄するエイプモンキーというシュールな図を作りつつ両者のぶつかり合いは終わった、かに見えた。
「ウキ?」
 違和感を感じたエイプモンキーが視線を下におろせば、その腹部に深々と突き刺さっていたのは、ナイフが一つ。尻を犠牲に倒れる勢いを乗せて剱が突き刺したモノだ。
「ウギイイッッ?!」
「UCは真似できようが……人の技までは真似できないだろう」
 遅れて訪れた熱の様な痛みにオブビリオンが悲鳴を上げる中、四つんばいのままで顔を上げ、剱は口の端を釣り上げたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ノストラ・カーポ
※🔵過多なら不採用可

中々面倒な猿だ。大人しくバナナでも食べていればいいものを……

俺が使うUCは【Guarda te stesso】
無数の可能性を見せ、俺にとって最善の未来を教えるものだ。
弱点は予知をしても避けようが無い程の範囲攻撃や超高速の攻撃だな。

どちらであったとしてもやることはあまり変わりないがな。範囲攻撃ならば鎖と【オーラ防御】、【念動力】で攻撃を防ぎ、銃を使った【早業】で反撃。超高速の攻撃ならば予見した攻撃の方向に対し、予め仕込み杖から抜いた刀を密かに向けてあちらから高速で刺さるように仕向ける。



「中々面倒な猿だ。大人しくバナナでも食べていればいいものを……」
 悲鳴を上げるエイプモンキーに視線をやり、ノストラ・カーポ(無法者・f14707)はポツリと漏らすと、武器に手をかけた。
「ぐ……新手ッキーね」
 痛みをこらえ食いしばっているからか、歯をむき出しにしたオブビリオンの視線がノストラを捉える。
「お前の未来が見える」
「ほうほう、未来予知の如き予測で攻撃を避けるユーベルコードッキー? なら、『サルージェットNo103』ッキー」
 ノストラの宣言に動じず、にぃと笑ってエイプモンキーが返した直後。
「なっ」
 ノストラは驚きの声を上げた。本来教えられるべき最前の未来の光景をエイプモンキーをディフォルメさせたようなモノがジェット噴射の尾を引かせ高速で飛び回ることで遮っていた。
「未来が見えるなら見えなくすれば無意味ッキー」
 つまりエイプモンキーが行ったのは、未来予測のジャミングに他ならない。
「頼りになる情報がなければ回避も不能ッキー? あとはおとなしくミーの攻撃でやられるッキャー!」
 予知をしても回避できない形の攻撃で応じるであろうと踏んだノストラからすれば、まさに予想外の展開。
「ウキャッ?!」
 だが、避けられない攻撃に備えノストラが身構えていたこともまた、エイプモンキーにとって想定外だった。このタイミングを見られることを妨害するためにエイプモンキーをディフォルメさせたようなモノを射出すると、いくらか手傷を負ったことで、さっさと片付けてしまおうと焦ったのか、一直線にノストラ目掛け突撃していたのだ。ぶつかってくれば刺さるようにと仕込み杖から抜いた刀が自身に向けられていたことへ気づいたのは、もう進路の変更もできなくなってから。
「ぐ、こうなれば道連れッキャーッ!」
 エイプモンキーは敢て速度をさらに上げる。
「ギャーッ!」
「ぐはっ」
 根元まで刀身の埋まったオブビリオンが悲鳴を上げるが、同時にぶちかましを喰らったノストラも身体をくの字に折りながら吹っ飛んだ。
「ぐ、ううう……まだ、まだッキー!」
 片膝をついたエイプモンキーが呻きながらも立ち上がる。オイルか血か、滴る液体が足元の花を毒々しく汚していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

大神・零児
敵行動予測
【自身からレベルm半径を覆う自分の意識】意識範囲拡大を封じる
【それを用いた対象全員の意識に触れる感覚】自身の意識を隠すかダミーを掴ませる
【その感覚により敵意を可視化し回避する意識】敵意を隠す

だが、敵意以外の意識すら創造物や所持していたありとあらゆる物に乗り移るし無機物にも存在を保つための意識はある
システム・フラワーズの花も

UC全開
俺の意識拡大を封じるなら俺の意識に触れなければならない
ならば封じようとしている意識に俺の意識を這わし、敵の意識がつながっている創造物やエイプモンキーが乗り込んでいるメカ、又はシステム・フラワーズの花の意識にも俺の意識を這わせ、それらの意識の波を読み回避と攻撃



「第六感の、その、先へ!」
 味方の奮闘を目撃していた大神・零児(人狼の妖剣士・f01283)は自身の意識を拡大させる。
「また、新手ッキー……っ、自身から溢れさせた意識を利用し相手の弱体化と攻撃の回避を狙い、全部当たったらユーベルコードまで封じられるッキー?! なんて厄介な」
 手負いの状況でもある零児のユーベルコードはエイプモンキーの顔をしかめさせるに充分な脅威であった。
「もっともミーにかかればNOプロブレムッキー!『サルージェットNo87』ッキー!」
「……逃げた、だと?」
 瞬時に作り出した装置を装着したエイプモンキーは空へ飛びあがり、すさまじい速さで零児との距離を広げてゆく。
「ユーのその広げた意識とやら広げられる限界があると見たッキー! つまり、広げられる限界より遠くの相手にはまったく無力ッキー!」
「だが、それでどうやって攻撃する気だ?」
 40m近く離れた上空から得意げに語るオブビリオンの姿を見上げながら問えば、こうするッキーと答えながらエイプモンキーは装着した装置の冷却部を使って空気中の水分から巨大な氷塊を作り始める。
「意識や敵意を読むなら、攻撃はジェットの冷却部を流用して作った氷を用い、ミーと縁もゆかりもない重力にしてもらうッキー!」
「そうか」
 みるみる大きくなってゆく氷を見つめつつ、零児は動じない。意識の範囲拡大の阻止を狙ってくるだろうと言う読みこそ外したものの、零児の講じた策はすべてが全て無駄ではなかったのだ。エイプモンキーの狙いは敵意を隠そうとするのとそう変わらない。落下自体にはまるっきり関与していなくても氷を作る出したのは、エイプモンキーの装置なのだから。
「喰らうッキー!」
 零児を押し潰さんと迫って来る氷塊。
「敵意を隠すではなく、そもそも自身は手を下さないだとしても――」
 作り出した氷塊、無機物にも存在を保つための意識はあると零児は言う。ユーベルコードを封じられることを防ぐためおそらくエイプモンキーが意識の間合いに入ってくることはない。だとしても。
「ここだ」
 氷塊が意識に触れた瞬間、横に飛んで零児は下敷きを免れる。そして天へ向けたのは、マルチグレネードユニット。
「ウキ、ミーの居場所、が」
 上空で驚きの表情を張り付けたエイプモンキーの前に、それは浮いていた。射出されたグレネードである。
「ウッキャァァァ」
 悲鳴の半分をかき消すような爆発の中にオブビリオンは消え。
「く、ぐううっ」
 十数秒後、爆発が晴れた中から黒く薄汚れ、あちこちに金属片が刺さった姿を見せたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

山梨・玄信
カウンター技が先制攻撃で来るか…難しい相手じゃがやるしか無かろう。

【SPDを使用】
こういう手合いには、最初から全力で挑む方が良いのじゃ。
褌一丁になり、全力を発揮出来るようにするぞい。
敵の機械は…「力のベクトルを逸らしてどんな攻撃でも当たらない装置」か…。成る程、わしがどんなに早く動いても無駄という事か。
ならば…UCに2回攻撃、衝撃波、範囲攻撃を組み合わせ、全方向から攻撃するぞい。
機械のオーバーヒートを狙っておる?甘いのう。
ベクトルが全方位から来たら全てがぶつかり合い、結果ベクトルは「0」になる…その瞬間がお主の弱点じゃ!
UCに鎧無視攻撃+2回攻撃で一気に畳み掛けるのじゃ。

アドリブ歓迎じゃ


富井・亮平
【心情】
決戦の時が近づきつつあるようだなッ!
これ以上足留めをくらうわけにはいかないッ!
このイェーガーレッドが突破口を開くッ!

【行動】
「ゆくぞッ! トォリニティィィ・エェンハンスッッッ!!!」
重視するのは防御力ッ!
炎の結界を纏い、攻防一体の体当たりを試みるぞッ!
突進ッ!!!

敵はおそらく、炎を消すための水攻撃を仕掛けてくるッ!
そこで炎の魔力を高め、水蒸気爆発を発生ッ!
「やったか!?」と思わせるッ!

しかしこれは目くらましッ!
重視したのは……防御力ッ!
直撃の瞬間に結界を爆発させることで衝撃を相殺したッ!
爆発反応装甲というヤツだッ!

立ち込める煙を切り裂いて接近ッ!
正義の鉄拳を食らわせるぞッ!



(「決戦の時が近づきつつあるようだなッ!」)
 上空で姿勢を乱したエイプモンキーを仰ぎ、富井・亮平(イェーガーレッド・f12712)は声には出さず独言する。破損した赤いウィング、刺さったままのナイフから滴る血。オブビリオンの積み重なるダメージはあちこちに見て取れる。だからこそ、これ以上足留めをくらうわけにはいかないと強い決意を胸に亮平は拳を握りしめた。
「このイェーガーレッドが突破口を開くッ!」
 本来なら心に秘めるべきはずの声を口から出したのは、その場に他の猟兵が存在したからであろう。
「カウンター技が先制攻撃で来るか……難しい相手じゃがやるしか無かろう」
 険しい顔つきで山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)は衣服に手をかける。そのまま脱ぎださないのは、突破口を開くと宣言した亮平が居るからだ。
「ゆくぞッ! トォリニティィィ・エェンハンスッッッ!!!」
 叫んだ亮平が炎の魔力を結界に変え、身に纏うことで守りを固める。
「三つの属性の魔力で自己を強化するユーベルコードッキー? 見たところ重視したのは防御力。『サルテマウェポンNo21』ッキー! そのユーベルコードの弱点は、魔力で強化することッキャー! 魔力を何らかの形で打ち消したなら――」
 意味をなさないとばかりに出現させたのは、漆黒のバズーカ。
「真逆の属性の魔力を打ち出して逆に弱体化させる、別名『アンチマジック・バズーカ』ッキー!」
 エイプモンキーが引き金に手をかけたまま砲口を突撃する亮平へと向ければ、放たれたのは弾頭ではなく魔力の塊。
「うおおおッ!」
 だが、亮平は避けることなくそれに突込み魔力が着弾と同時に爆発する。
「ウッキャー! 直撃ッキー!」
 バズーカを投げ捨てたエイプモンキーはとどめを刺すべく爆煙目掛けて直進し。
「甘いッ、あれは目くらましッ!」
 晴れる水蒸気の中から現れたのは、無傷の亮平であった。重視したのは防御力であった上に直撃の瞬間に結界を爆発させることで衝撃を相殺したのだ。だからこそ、後は虚を突きエイプモンキーに正義の鉄拳を食らわせるのみ。
「でやあッ!」
「ギッ」
 放った拳がエイプモンキーの身体を捉え。
「ぐはあッ」
 直後に亮平は殴り飛ばされていた。
「着眼点は悪くなかったッキー。けどミーの『サルテマウェポン』はユーベルコードの無効化の為のものッキー。ただ相殺できたとしても想定の範囲内。直接トドメを刺す方の攻撃を想定していないのは爪が甘かったッキーね」
 相殺どころか何らかの形で上回れていれば、エイプモンキーも想定外の事態に隙を見せていたかもしれない、だが。
「最初から全力じゃ!」
 挑んだ猟兵は一人ではない。エイプモンキーが得意げに語っている間に玄信は褌を残して服を脱ぎ捨てていた。
「ウキッ、身軽になることで速度を上げ、素早い一撃を放つつもりっキャ? なら、『サルージェットNo82』ッキー!」
 何らかの装置を作り出し装着する姿を視界におさめつつ玄信は駆ける。
「『力のベクトルを逸らしてどんな攻撃でも当たらない装置』か」
 だとしても玄信には備えがあった、だが。
「な」
 ごとりと音を立てて花の上に落ちたのは、エイプモンキーの身にまとっていたパーツであった。
「外れッキー! ユーが脱いで早くなるなら、ミーもアーマーの一部をパージ。ユーが早くなるより早くなれば、ユーの攻撃は当たらないッキー!」
 出来うる限り相手のユーベルコードに沿う形で回避を狙ったのだ。マニアックたらんとするこのオブビリオンのあり方だったのだろう。
「まさか、わしに脱いで張り合ってくるとは、じゃが」
 全方位、二回攻撃、衝撃波。あらゆる手段を駆使してどんな攻撃でも当たらない事に玄信は対処するつもりだった。作戦を変更するような時間的余裕はない。
「うぎッ」
 玄信を凌駕する速さを得ても、カウンターの形となる全方向からの攻撃全てをかわすことは能わず、速さを追求したことで身を守るはずのパーツを捨てたことでかすっただけでもそれはエイプモンキーの身体を傷つける。
「玄信――」
 名を呼んだのは、誰だったろうか。いつもの幻覚の女性か、それとも。
「がっ」
 跳ね飛ばされるような一撃で玄信の意識は刈り取られ。
「ウギッ」
 直後にエイプモンキーの身体が傾ぐ。
「血を流しすぎたッキー。ダメージが、なけ、れば……」
 玄信を凌駕するほどの速さを見せたのだ、当然負担も大きい。力尽き、花を毒々しく染めながらエイプモンキーの身体はパージ-されていたパーツと共に骸の海へと還って行ったのだった。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年05月12日


挿絵イラスト